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発明の名称 変速操作装置及びそれを備えたコンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−92909(P2007−92909A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−284401(P2005−284401)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
発明者 上田 吉弘 / 山中 之史
要約 課題
静油圧式の無段変速装置をアクチュエータを用いて変速操作する場合において、中立状態に適正に操作することが可能となる変速操作装置を提供する。

解決手段
中立位置と最大速度位置との間で往復移動自在な変速操作体の移動により変速自在な静油圧式の無段変速装置11と、変速操作体15を移動操作する変速操作用のアクチュエータ16とが設けられ、変速操作体15と一体移動する被操作用のカムフォロア17を案内するカム案内部19が、中立用操作位置から最大速度用操作位置側に向かう中立側設定移動範囲においてカム式操作部材18が移動するときには、変速操作体15を中立位置に維持させ、且つ、中立側設定移動範囲を越えて最大速度用操作位置側に向かう移動範囲においてカム式操作部材18が移動するときには、カム式操作部材18が最大速度用操作位置側に移動するほど変速操作体を最大速度位置側に移動操作すべくカムフォロア17を案内する形態に形成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
中立位置と最大速度位置との間で往復移動自在な変速操作体の移動により変速自在な静油圧式の無段変速装置と、
前記変速操作体を移動操作する変速操作用のアクチュエータとが設けられた変速操作装置であって、
前記変速操作体と一体移動する被操作用のカムフォロアをカム案内部によって案内することにより、前記変速操作体を前記中立位置と前記最大速度位置との間で移動操作するカム式操作部材が、前記アクチュエータにて中立用操作位置と最大速度用操作位置との間で往復移動操作されるように設けられ、
前記カム案内部が、前記中立用操作位置から前記最大速度用操作位置側に向かう中立側設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を前記中立位置に維持させ、且つ、前記中立側設定移動範囲を越えて前記最大速度用操作位置側に向かう移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記カム式操作部材が前記最大速度用操作位置側に移動するほど前記変速操作体を前記最大速度位置側に移動操作すべく前記カムフォロアを案内する形態に形成されている変速操作装置。
【請求項2】
前記カム案内部が、前記最大速度用操作位置から前記中立用操作位置側に向かう最大速度側設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を前記最大速度位置に維持させるべく前記カムフォロアを案内する形態に形成されている請求項1記載の変速操作装置。
【請求項3】
前記カム式操作部材の操作位置を検出する操作位置検出手段の検出情報に基づいて、目標変速出力の指令として、変速中立、及び、最大速度が指令されると、前記中立位置、前記最大速度位置の夫々に前記変速操作体を操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御する制御手段が設けられ、
その制御手段が、前記変速中立が指令されたときには、前記中立側設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材を移動操作し、かつ、前記最大速度が指令されたときには、前記最大速度側設定移動範囲における中央位置に前記カム式操作部材を移動操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている請求項2に記載の変速操作装置。
【請求項4】
前記カム案内部が、前記中立用操作位置と前記最大速度用操作位置との間における中間設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を設定中間速度位置に維持させるべく前記カムフォロアを案内する形態に形成され、
前記制御手段が、前記目標変速出力の指令として、中間速度が指令されると、前記中間設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材を移動操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている請求項3記載の変速操作装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の変速操作装置を備えたコンバインであって、前記静油圧式の無段変速装置の変速出力を刈取部に伝達するように構成されているコンバイン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、中立位置と最大速度位置との間で往復移動自在な変速操作体の移動により変速自在な静油圧式の無段変速装置と、前記変速操作体を移動操作する変速操作用のアクチュエータとが設けられた変速操作装置、及び、それを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記変速操作装置において、従来では、前記静油圧式の無段変速装置がコンバインにおける刈取部への動力を変速するための変速装置として備えられるものがあり、例えば、電動シリンダや電動モータ等のアクチュエータを静油圧式の無段変速装置における変速操作体に対して連動連結させて、そのアクチュエータの操作によって変速操作体を一体的に移動させることにより変速操作する構成が一般的となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−187506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静油圧式の無段変速装置は、変速操作体を中立位置と最大速度位置との間で往復移動操作することにより、変速中立の状態から最大速度となる状態に至るまで変速操作可能であることから、コンバイン等に好適に用いられるものであるが、この静油圧式の無段変速装置をアクチュエータを用いて操作する場合において、上記従来構成のように、アクチュエータの操作によって変速操作体を一体的に移動させて操作させる構成にすると、中立状態に適正に変速操作することができないおそれがあった。
【0005】
説明を加えると、静油圧式の無段変速装置における変速操作体を変速操作するにあたり、アクチュエータにて操作される操作部材と変速操作体とを連動連結する構成とするために、アクチュエータや操作部材等を静油圧式の無段変速装置に対して組み付ける必要があるが、そのような組み付けを行う際に、組み付け誤差等が発生するおそれがある。
そして、このような組み付け誤差等に起因してアクチュエータにて操作される操作部材と変速操作体との間での相対的な位置がずれてしまい、アクチュエータにて変速操作体を中立位置に位置すべく操作しているのもかかわらず、静油圧式の無段変速装置が中立状態から外れてしまうおそれがあった。
【0006】
又、静油圧式の無段変速装置は、正転方向だけでなく中立状態を挟んで逆転方向に対しても無段階に変速することができるが、このような静油圧式の無段変速装置をコンバインにおける刈取部に伝達する場合のように、中立位置並びに正転方向の変速出力だけを使用し、逆転方向の変速出力は利用しない構成においては、上述したようなアクチュエータを用いて変速操作体を操作する構成とした場合に、上述したような組付けの誤差等に起因して、中立状態が指令されているにもかかわらず、誤って中立状態を越えて逆転方向に操作されて逆転方向の変速出力が出力されてしまうおそれもある。
【0007】
本発明の目的は、静油圧式の無段変速装置をアクチュエータを用いて変速操作する場合において、変速操作体を適切に中立位置に操作することが可能となる変速操作装置、及び、その変速操作装置を備えたコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る変速操作装置は、中立位置と最大速度位置との間で往復移動自在な変速操作体の移動により変速自在な静油圧式の無段変速装置と、前記変速操作体を移動操作する変速操作用のアクチュエータとが設けられたものであって、前記変速操作体と一体移動する被操作用のカムフォロアをカム案内部によって案内することにより、前記変速操作体を前記中立位置と前記最大速度位置との間で移動操作するカム式操作部材が、前記アクチュエータにて中立用操作位置と最大速度用操作位置との間で往復移動操作されるように設けられ、前記カム案内部が、前記中立用操作位置から前記最大速度用操作位置側に向かう中立側設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を前記中立位置に維持させ、且つ、前記中立側設定移動範囲を越えて前記最大速度用操作位置側に向かう移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記カム式操作部材が前記最大速度用操作位置側に移動するほど前記変速操作体を前記最大速度位置側に移動操作すべく前記カムフォロアを案内する形態に形成されている点にある。
【0009】
第1特徴構成によれば、カム式操作部材が、アクチュエータにて中立用操作位置と最大速度用操作位置との間で往復移動操作され、そのカム式操作部材が、変速操作体と一体移動する被操作用のカムフォロアをカム案内部によって案内することにより、変速操作体を中立位置と最大速度位置との間で移動操作するのである。
【0010】
前記カム案内部は、前記中立側設定移動範囲を越えて前記最大速度用操作位置側に向かう移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、カム式操作部材が最大速度用操作位置側に移動するほど変速操作体を最大速度位置側に移動操作すべくカムフォロアを案内する形態に形成されるから、アクチュエータにてカム式操作部材を中立用操作位置と最大速度用操作位置との間で往復移動操作することにより、変速操作体を中立位置から最大速度位置に至るまでの間で移動操作することができ、静油圧式の無段変速装置の変速操作を良好に行うことができる。
【0011】
そして、前記カム案内部は、前記中立用操作位置から前記最大速度用操作位置側に向かう前記中立側設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を前記中立位置に維持すべく前記カムフォロアを案内する形態に形成されているから、アクチュエータによって往復移動操作されるカム式操作部材が、変速操作体と一体移動する被操作用のカムフォロアに対して、組み付け誤差等に起因して相対的な組み付け位置が少しずれることがあっても、そのずれ量が中立側設定移動範囲内であれば、カムフォロアを中立位置に案内することができる状態で配置することが可能となって変速操作体を適切に中立位置に操作することが可能となるのである。
【0012】
従って、静油圧式の無段変速装置をアクチュエータを用いて変速操作する場合において、変速操作体を適切に中立位置に操作することが可能となる変速操作装置を提供できるに至った。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記カム案内部が、前記最大速度用操作位置から前記中立用操作位置側に向かう最大速度側設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を前記最大速度位置に維持させるべく前記カムフォロアを案内する形態に形成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、前記最大速度用操作位置から前記中立用操作位置側に向かう最大速度側設定移動範囲においても、その最大速度側設定移動範囲内においてカム式操作部材が移動するときには、変速操作体を最大速度位置に維持させるべくカムフォロアを案内する形態に形成されているから、カム式操作部材がカムフォロアに対して少し位置ずれすることがあっても、そのずれ量が中立側設定移動範囲内であれば、カムフォロアを最大速度位置に案内することができる状態に配置することが可能となって変速操作体を適切に最大速度位置に操作させることが可能となる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成に加えて、前記カム式操作部材の操作位置を検出する操作位置検出手段の検出情報に基づいて、目標変速出力の指令として、変速中立、及び、最大速度が指令されると、前記中立位置、前記最大速度位置の夫々に前記変速操作体を操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御する制御手段が設けられ、その制御手段が、前記変速中立が指令されたときには、前記中立側設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材を移動操作し、かつ、前記最大速度が指令されたときには、前記最大速度側設定移動範囲における中央位置に前記カム式操作部材を移動操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0016】
第3特徴構成によれば、前記制御手段は、前記変速中立が指令されたときには、前記中立側設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材を移動操作し、かつ、前記最大速度が指令されたときには、前記最大速度側設定移動範囲における中央位置に前記カム式操作部材を移動操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御する構成であるから、適正な変速制御を行うことができる。
【0017】
すなわち、カム式操作部材とカムフォロアとの間での相対位置が適正な位置から少し位置ずれすると、前記中立位置に変速操作体を操作すべくアクチュエータの作動を制御するときの目標位置が、前記中立側設定移動範囲における中央位置からいずれかの方向に位置がずれることになるが、そのずれ量が前記中立側設定移動範囲にあれば、変速操作体を適正に中立位置に操作することが可能となるのである。又、前記最大速度位置においても同様にして、カム式操作部材とカムフォロアとの間での相対位置が適正な位置から少し位置ずれすると、前記最大速度位置に変速操作体を操作すべくアクチュエータの作動を制御するときの目標位置が、前記最大速度側設定移動範囲における中央位置からずれることになるが、そのずれ量が前記最大速度側設定移動範囲内にあれば、変速操作体を適正に最大速度位置に操作することが可能となるのである。
【0018】
従って、カム式操作部材とカムフォロアとの間での相対位置が適正な位置から少し位置ずれしていても、変速操作体を適正に中立位置及び最大速度位置に操作することが可能となる。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記カム案内部が、前記中立用操作位置と前記最大速度用操作位置との間における中間設定移動範囲において前記カム式操作部材が移動するときには、前記変速操作体を設定中間速度位置に維持させるべく前記カムフォロアを案内する形態に形成され、前記制御手段が、前記目標変速出力の指令として、中間速度が指令されると、前記中間設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材を移動操作すべく、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0020】
第4特徴構成によれば、前記目標変速出力の指令として、中間速度が指令された場合においても、変速操作体を操作すべくアクチュエータの作動を制御するときの目標位置として前記中間設定移動範囲における中央位置を目標とするから、中立位置や最大速度の場合と同様にして、カム式操作部材とカムフォロアとの間での相対位置が適正な位置から少し位置ずれすると、前記中間速度位置に変速操作体を操作すべくアクチュエータの作動を制御するときの目標位置が、前記中間設定移動範囲における中央位置からずれることになるが、そのずれ量が前記中間設定移動範囲内にあれば、変速操作体を適正に中間速度位置に操作することが可能となるのである。
【0021】
本発明の第5特徴構成は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変速操作装置を備えたコンバインであって、前記静油圧式の無段変速装置の変速出力を刈取部に伝達するように構成されている点にある。
【0022】
第5特徴構成によれば、前記静油圧式の無段変速装置の変速出力を刈取部に伝達されるので、無段変速装置を中立状態にすることによって、静油圧式の無段変速装置を用いて刈取部を無段変速する構成において、無段変速装置を適切に中立状態にさせることができるから刈取部を確実に停止させることができる。従って、変速中立が指令されているにもかかわらず、正転方向に駆動されて刈取部が駆動される状態となったり、又、静油圧式の無段変速装置を誤って逆転方向に駆動することを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る変速操作装置をコンバインに備えた場合の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1にコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取部3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取部3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を実行する脱穀部4と、脱穀部4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を備えて構成されている。
【0024】
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、走行機体1に搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ6を介して脱穀部4に伝達されるとともに、走行クラッチ7及び走行用の無段変速装置8を介してミッション部9に伝達される。ミッション部9に伝達された出力は、左右の操向用クラッチ10L,10Rにて各別に動力伝達が入り切りされる状態で左右のクローラ走行装置1L,1Rに伝達される一方、刈取変速用の無段変速装置11を介して刈取部2に伝達される。図2のS1は、脱穀クラッチ6が入り状態であるか切り状態であるかを検出する脱穀スイッチである。
前記走行用の無段変速装置8及び刈取変速用の無段変速装置11は、詳述はしないが、夫々、入力軸から供給される動力によって駆動される可変油圧ポンプと、その可変油圧ポンプからの供給油で回転駆動される油圧モータとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。
【0025】
走行機体の搭乗運転部12には、旋回を指令するための旋回レバー13が設けられ、その旋回レバー13を操作することにより、前記エンジンEから前記左右の各クローラ走行装置1L、1R夫々への動力伝達を左右の操向用クラッチ10L,10Rによって各別に入り切りすることができ、左右のクローラ走行装置1L,1Rのうち動力伝達が切られた側に走行機体2が旋回して、走行方向が修正されることになる。
【0026】
走行機体2の搭乗運転部12には、前記走行用の無段変速装置8を手動で変速操作するための変速レバー14が設けられ、変速レバー14を中立位置から前進方向に揺動操作することによって、走行用の無段変速装置8が中立位置から前進側へ無段変速可能であり、変速レバー14を中立位置から後進方向に揺動操作することによって、走行用の無段変速装置8が中立位置から後進側へ無段変速可能に構成されている。
【0027】
前記変速レバー14の前後揺動角を検出することにより操作位置を検出するポテンショメータ形式の変速レバーセンサS2が設けられており、その検出結果は後述する制御装置Hに入力される構成となっている(図8参照)。
【0028】
又、変速レバー14の握り部付近には、図7に示すように、刈取部3に対する変速出力として、植立茎稈が直立状態で植立しているような標準的な作物状態に対応する低速側の変速状態を指令する刈取低速スイッチSW1と、刈取部3に対する変速出力として、植立茎稈が倒伏しているような作物状態に対応する高速側の変速状態を指令する刈取高速スイッチSW2とが指操作可能に設けられている。
【0029】
次に、前記刈取部33に対する刈取駆動速度を変速するための変速操作装置について説明する。
すなわち、この変速操作装置は、中立位置と最大速度位置との間で往復移動自在な変速操作体としての操作アーム15の移動により変速自在な前記刈取変速用の無段変速装置11と、操作アーム15を移動操作する変速操作用のアクチュエータとしての電動モータ16とが設けられている。そして、操作アーム15と一体移動する被操作用のカムフォロア17をカム案内部19によって案内することにより、操作アーム15を中立位置と最大速度位置との間で移動操作するカム式操作部材18が、電動モータ16にて中立用操作位置と最大速度用操作位置との間で往復移動操作されるように設けられている。
【0030】
又、カム案内部19が、中立用操作位置から最大速度用操作位置側に向かう中立側設定移動範囲においてカム式操作部材18が移動するときには、操作アーム15を中立位置に維持させ、且つ、中立側設定移動範囲を越えて前記最大速度用操作位置側に向かう移動範囲においてカム式操作部材18が移動するときには、カム式操作部材18が最大速度用操作位置側に移動するほど操作アーム15を最大速度位置側に移動操作すべくカムフォロア17を案内する形態に形成されている。さらに、カム案内部19は、最大速度用操作位置から中立用操作位置側に向かう最大速度側設定移動範囲においてカム式操作部材18が移動するときには、操作アーム15を最大速度位置に維持させるべくカムフォロア17を案内する形態に形成されている。
【0031】
以下、具体的な構成について説明する。
図3に示すように、刈取変速用の無段変速装置11の外装ケース20に取り付けられる支持枠21に位置固定状態で電動モータ16が支持されている。一方、前記無段変速装置11の可変油圧ポンプの斜板を操作するトラニオン軸22に操作アーム15が取り付けられ、この操作アーム15の回動軸芯と並行な軸芯周りで回動自在に支持枠21に支持される状態で扇形ギア23が設けられ、この扇形ギア23に噛み合う状態で電動モータ16にて回転駆動される小径の駆動ギア24が設けられている。そして、前記軸芯周りで扇形ギア23と一体的に回動するカム式操作部材18が設けられ、このカム式操作部材18には前記カム案内部19としての略円弧状のカム溝19が形成されている。一方、操作アーム15の揺動端側箇所には前記カム溝19に嵌まり合い、カム式操作部材18の回動に伴ってカム溝19に沿って案内されるカムフォロア17が設けられている。
【0032】
前記カムフォロア17は、操作アーム15における揺動端側の箇所に、この操作アーム15の揺動方向と直交する厚み方向に沿って突出する状態で設けられ、しかも、アーム長手方向に沿って位置変更調整自在に構成され、カム式操作部材18の移動操作に対する操作アーム15の回動角の変化量を微調節することができるように構成されている。
【0033】
説明を加えると、図6に示すように、前記操作アーム15に、アーム長手方向に沿う長孔25が厚み方向に貫通する状態で形成されており、この長孔25の内部においてアーム長手方向にスライド自在にカムフォロア支持部材26が設けられている。このカムフォロア支持部材26には、位置調整用のネジ部27が、そのネジ部27の軸芯周りでの相対回転が可能であって、且つ、軸芯方向での相対移動が規制される状態で取り付けられており、そのネジ部27が操作アーム15の揺動端側箇所にアーム長手方向に沿って形成されたネジ孔28に螺合してアーム長手方向外方に突出する状態で設けられ、そのネジ部27を位置固定用の一対のナット29にて締め付けてカムフォロア支持部材26を固定する構成となっている。そして、この一対のナット29を緩めてネジ部27を回動させてカムフォロア支持部材26を長孔の長手方向にスライドさせ、再度、締め付けることで、このカムフォロア支持部材26の操作アーム15の長手方向での位置を変更調整することができる。つまり、カムフォロア支持部材26に対して一体的に取り付けられたカムフォロア17の中芯位置と操作アーム15の回動軸芯との間の距離Lを変更して、操作アーム15の長手方向での位置を変更調整することができるのである。
【0034】
前記カム溝19は、図3に示すように、その溝長手方向の両端側箇所において、夫々、回動軸芯Xからの距離が同じ部分が設定範囲にわたって形成されている。説明を加えると、図3は、カム式操作部材18が中立用操作位置と最大速度位置との間の中間の位置にある状態を示しているが、図4に、カム式操作部材18が中立用操作位置にあるときの操作状態を示している。
前記カム溝19には、カム式操作部材18が図4に示す中立用操作位置から最大速度用操作位置側に向かって設定範囲にわたって回動操作しても、カムフォロア17が同じ位置を維持するように回動軸芯Xからの距離が同じ部分が形成されている。この設定範囲の領域においては、カム式操作部材18を回動操作しても操作アーム15は同じ位置に維持されることになる。つまり、前記設定範囲の領域が中立側設定移動範囲W1に対応するものである。
【0035】
又、図5に、カム式操作部材18が最大速度用操作位置Pmaxより設定範囲だけ中立用操作位置側に位置する操作状態を示している。この図から明らかなように、カム溝19には、カム式操作部材18が図5に示す位置から最大速度用操作位置まで移動する間の設定範囲にわたって、回動軸芯Xからの距離が同じ部分が形成されている。この設定範囲の領域においては、カム式操作部材18を回動操作しても操作アーム15は同じ位置に維持されることになる。つまり、前記設定範囲の領域が最大速度側設定移動範囲W2に対応するものである。
【0036】
そして、前記カム式操作部材18の操作位置を検出する操作位置検出手段としてのポテンショメータ式の変速位置センサS3が設けられている。この変速位置センサS3は、図3に示すように、支持枠21にて位置固定状態で支持されており、その検出用の回転操作軸31がカム式操作部材18の回動軸32(図4参照)と同一軸芯上に位置するように配置されて、検出用の回転操作軸31とカム式操作部材18の回動軸とが一体的に回動するように連動連結されている。
【0037】
図8に示すように、電動モータ16を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられ、この制御装置Hは、前記変速位置センサS3の検出情報に基づいて刈取部3に対する変速状態に対応させて、無段変速装置11の目標変速出力の指令として、変速中立、中間速度、及び、最大速度が指令されると、前記中立位置、中間速度位置、及び、前記最大速度位置夫々に操作アーム15を操作すべく電動モータ16の作動を制御するように構成されている。
【0038】
そして、制御装置Hは、変速中立が指令されたときには、前記中立側設定移動範囲W1における中央位置P1を目標としてカム式操作部材18を移動操作し、かつ、最大速度が指令されたときには、最大速度側設定移動範囲W2における中央位置P3にカム式操作部材18を移動操作すべく、電動モータ16の作動を制御するように構成されている。又、中間速度が指令されると、中間速度に対応する操作位置すなわち中間速度位置P2を目標位置として前記カム式操作部材18を移動操作すべく、電動モータ16の作動を制御するように構成されている。
【0039】
説明を加えると、変速レバーセンサS2の検出結果により、走行停止状態又は後進走行状態であることを検出するか、又は、脱穀スイッチS1がオフして脱穀クラッチ6が切り状態になっている非作業状態であることを検出すると、刈取部3の目標変速出力として変速中立が指令されることになる。
【0040】
変速レバー14に設けられている刈取低速スイッチSW1が押し操作されることによって前記中間速度が指令される。この中間速度は、植立茎稈が直立状態で植立しているような標準的な作物状態に適した速度に対応するものである。
【0041】
変速レバー14に設けられている刈取高速スイッチSW2が押し操作されることによって、前記最大速度が指令される。この最大速度は、植立茎稈が倒伏しているような作物状態に適した速度に対応するものである。尚、初期設定としては中間速度が設定されており、上記したような条件に基づいて各目標変速出力に適宜切り換えられることになる。
【0042】
図9に、カム式操作部材18の変速操作位置と操作アーム15の変速位置との関係をグラフで表す図を示している。カム式操作部材18の変速操作位置は、電動モータ16を操作することによって一体的に変化するものであり、操作アーム15の変速位置は無段変速装置11の変速状態に対応することになる。
【0043】
この図を参照しながら説明を加えると、制御装置Hは、前記目標変速出力として変速中立が指令されていると、前記中立側設定移動範囲W1の中央値P1をカム式操作部材18の目標操作位置として設定して、変速位置センサS3にて検出されるカム式操作部材18の操作位置が目標操作位置になるように電動モータ16を制御することになる。
【0044】
又、前記目標変速出力として前記中間速度が指令されていれば、予め中間速度に対応する値として設定される操作位置P2をカム式操作部材18の目標操作位置として設定して、変速位置センサS3にて検出されるカム式操作部材18の操作位置が目標操作位置になるように電動モータ16を制御する。
【0045】
そして、前記目標変速出力として前記最大速度が指令されていると、前記最大速度側設定移動範囲W2の中央値P3をカム式操作部材18の目標操作位置として設定し、変速位置センサS3にて検出されるカム式操作部材18の操作位置が目標操作位置になるように電動モータ16を制御する。
【0046】
このように構成することで、静油圧式の無段変速装置11を用いて刈取部3に対する変速を行う構成において、カム式操作部材18とカムフォロア17との間で組み付け位置に誤差が発生することがあっても、変速中立が指令されたときには、適正に刈取部3を中立状態にすることができ、しかも、最大速度についても、目標速度と実際の速度との間に誤差が少ない状態で適正に変速操作することが可能となる。
【0047】
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る変速操作装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、前記カム式操作部材18によるカムフォロア17の案内の仕方、及び、制御装置Hによる前記アクチュエータの作動を制御するときの制御の仕方が異なる他は、第1実施形態と同じ構成であるから、ここでは異なる点についてのみ説明し、同じ構成については説明は省略する。
【0048】
すなわち、この実施形態では、前記カム式操作部材18におけるカム案内部としてのカム溝が、前記中立用操作位置Pnと前記最大速度用操作位置Pmaxとの間における中間設定移動範囲W3において前記カム式操作部材18が移動するときには、前記操作アームを設定中間速度位置に維持させるべく前記カムフォロア17を案内する形態に形成され、前記制御手段としての制御装置Hが、前記目標変速出力の指令として、前記中間速度が指令されると、前記中間設定移動範囲における中央位置を目標として前記カム式操作部材18を移動操作すべく、前記アクチュエータとしての電動モータ16の作動を制御するように構成されている。
【0049】
第1実施形態では、前記カム式操作部材18に形成されるカム溝19が、その溝長手方向の両端側箇所において、夫々、回動軸芯からの距離が同じ部分が設定範囲にわたって形成される構成としたが、この実施形態では、溝長手方向の中間部においても、同様に、回動軸芯からの距離が同じ部分が設定範囲にわたって形成される構成であり、この中間部における設定範囲が前記中間設定移動範囲W3に対応するものとなる。カム溝の形状については図示はしないが、カム式操作部材18の変速操作位置の変化に対する変速操作体の変速位置の変化を図10に示している。
【0050】
前記制御装置Hは、第1実施形態と同様に、目標変速出力の指令として変速中立が指令されたときには、前記中立側設定移動範囲W1における中央位置P1を目標としてカム式操作部材18を移動操作し、かつ、目標変速出力の指令として最大速度が指令されたときには、最大速度側設定移動範囲W2における中央位置P3にカム式操作部材18を移動操作すべく、電動モータ16の作動を制御するように構成されている。
【0051】
そして、この実施形態では、制御装置Hは、目標変速出力の指令として、前記中間速度が指令されると、前記中間設定移動範囲W3における中央位置P2を目標としてカム式操作部材18を移動操作すべく電動モータ16の作動を制御するのである。
【0052】
このように構成すると、静油圧式の無段変速装置11を用いて刈取部3に対する変速を行う構成において、カム式操作部材18とカムフォロア17との間での相対的な組み付け位置に誤差が発生することがあっても、変速中立が指令されたときには、適正に刈取部3を中立状態にすることができることは勿論、最大速度に加えて中間速度についても、目標速度と実際の速度との間に誤差が少ない状態で適正に変速操作することが可能となる。
【0053】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0054】
(1)上記各実施形態では、前記カム案内部が、前記最大速度用操作位置から前記中立用操作位置側に向かう最大速度側設定移動範囲において前記カム式操作部材18が移動するときには、前記変速操作体を前記最大速度位置に維持させるべく前記カムフォロア17を案内する形態に形成されているものを例示したが、このような構成を備えない構成としてもよい。すなわち、カム式操作部材18が最大速度操作位置付近にあるときには、カム式操作部材18の移動操作にかかわらずカムフォロア17が同じ変速位置に維持されるのではなく、カム式操作部材18の移動操作に伴って変化する構成としてもよい。
【0055】
(2)上記各実施形態では、エンジンの出力を走行用の無段変速装置にて変速したのちに刈取変速用の無段変速装置にて変速して刈取部を駆動する構成とし、刈取変速用の無段変速装置に対する目標変速出力の指令として、変速中立、中間速度、及び、最大速度の夫々が指令されるものを例示したが、このような構成に限らず、例えば、エンジンの出力を刈取変速用の無段変速装置にて変速して刈取部を駆動する構成とし、刈取変速用の無段変速装置に対する目標変速出力の指令として、走行速度に対応させて予めマップデータにて設定された無段階に変化する変速出力を指令する構成としてもよい。
【0056】
(3)上記各実施形態では、前記刈取変速用の無段変速装置を変速操作するアクチュエータとして電動モータを例示したが、油圧モータや油圧シリンダ等他のアクチュエータを用いてもよい。
【0057】
(4)上記各実施形態では、変速操作装置を備えるものとしてコンバインを例示したが、コンバインに限らずトラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】変速操作装置を示す図
【図4】変速操作装置を示す図
【図5】変速操作装置を示す図
【図6】カムフォロアの支持構造を示す図
【図7】変速レバーの斜視図
【図8】制御ブロック図
【図9】変速操作位置と変速位置との関係を示す図
【図10】変速操作位置と変速位置との関係を示す図
【符号の説明】
【0059】
1R,1L 走行装置
3 刈取部
11 無段変速装置
15 変速操作体
16 アクチュエータ
17 カムフォロア
18 カム式操作部材
19 カム案内部
H 制御手段





 

 


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