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発明の名称 作業車の走行変速装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−92792(P2007−92792A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−280142(P2005−280142)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
発明者 山中 之史 / 上田 吉弘 / 林 繁樹 / 加藤 裕治
要約 課題
変速状態の切換えや変速中立状態への切換え操作を適切に行え、加えて、変速中立状態から変速状態への切換え操作も適切に行える作業車の走行変速装置を提供する。

解決手段
変速指令手段73として、変速切換指令を指令する変速指令用操作部71と中立切換指令を指令する中立指令用操作部70とが異なる箇所に設けられ、副変速装置Aが複数段の変速状態のいずれかの変速状態に切換えられている状態においては、変速切換指令が指令されるごとに、複数段の変速状態のいずれかに予め定めた順序にて順次切換え、かつ、中立切換え指令が指令されると、変速中立状態に切換えるように、副変速装置Aを変速操作し、且つ、副変速装置Aが変速中立状態に切換えられている状態においては、変速切換指令と中立切換え指令とのうちのいずれかが指令されると、予め定めた設定規則にて選択される変速状態に切換えるように、変速操作するように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数段の変速状態及び変速中立状態に切換え自在な走行用の副変速装置と、
その副変速装置の変速指令を指令する変速指令手段と、
その変速指令手段の変速指令に基づいて前記副変速装置を変速操作する制御手段とが設けられた作業車の走行変速装置であって、
前記変速指令手段として、変速切換指令を指令する変速指令用操作部と中立切換指令を指令する中立指令用操作部とが異なる箇所に設けられ、
前記制御手段が、前記副変速装置が前記複数段の変速状態のいずれかの変速状態に切換えられている状態においては、前記変速指令用操作部から変速切換指令が指令されるごとに、前記複数段の変速状態のいずれかに予め定めた順序にて順次切換え、かつ、前記中立指令用操作部にて中立切換え指令が指令されると、前記変速中立状態に切換えるように、前記副変速装置を変速操作し、且つ、前記副変速装置が前記変速中立状態に切換えられている状態においては、前記変速指令用操作部からの変速切換指令と前記中立指令用操作部からの中立切換え指令とのうちのいずれかが指令されると、前記複数段の変速状態のうちの予め定めた設定規則にて選択される変速状態に切換えるように、前記副変速装置を変速操作するように構成されている作業車の走行変速装置。
【請求項2】
前記設定規則が、前記副変速装置が変速中立状態に切換えられる直前の変速状態を選択する規則である請求項1記載の作業車の走行変速操作装置。
【請求項3】
前記変速指令用操作部が、走行用の主変速装置を変速操作する主変速レバーの握り部に配設され、前記中立指令用操作部が、前記主変速レバーが配備される操縦ボックスに配設されている請求項1又は2記載の作業車の走行変速装置。
【請求項4】
前記副変速装置の操作状態を表示する表示手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の走行変速装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数段の変速状態及び変速中立状態に切換え自在な走行用の副変速装置と、その副変速装置の変速指令を指令する変速指令手段と、その変速指令手段の変速指令に基づいて前記副変速装置を変速操作する制御手段とが設けられた作業車の走行変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の作業車の走行変速装置は、副変速装置の変速操作を変速指令手段にて指令することにより簡便に行えるようにしたものである。そして、従来では、変速指令手段としの、増速用の押しボタン式のスイッチと減速用押しボタン式のスイッチとが、主変速操作レバーの握り部に上下方向に2段並べた状態で設けられ、副変速装置を変速操作する制御手段が、上段に設けられた増速用の押しボタン式のスイッチの押し操作により増速が指令されと、複数段の変速状態のうち現在選択されている変速状態よりも一段高速側の変速状態に切り換え、下段に設けられた減速用の押しボタン式のスイッチの押し操作により減速が指令されると、複数段の変速状態のうち現在選択されている変速状態よりも一段低速側の変速状態に切り換え、最も低速側の変速状態が選択された状態で、下段に設けられた減速用の押しボタン式のスイッチの押し操作により減速が指令されると、変速中立状態に切り換えるように構成され、且つ、変速中立状態において、増速用の押しボタン式のスイッチの押し操作により増速が指令されと、最も低速側の変速状態に切換えるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−104826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように変速状態を切り換えるにあたり、変速指令手段として、押しボタン式のスイッチが主変速操作レバーの握り部に上下方向に2段並べた状態で設けられ、最も低速側の変速状態が選択された状態で、下段に設けられた押しボタン式のスイッチを押すことで、変速中立状態に切り換えるように構成されているため、例えば、最も低速側の変速状態が選択された状態で、上段に設けられた押しボタン式のスイッチを押すことで、一段高速側の変速状態に切り換えようとする際に、誤って、下段に設けられた押しボタン式のスイッチを押してしまい、変速状態から変速中立状態に切り換わるといった変速操作ミスを起こす虞があった。そして、特に変速中立状態への変速操作ミスが坂道で起きた場合、作業車が坂道を不必要に下り移動する虞があり、改善の余地があった、
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、変速状態の切換えや変速中立状態への切換え操作を適切に行え、加えて、変速中立状態から変速状態への切換え操作も適切に行える作業車の走行変速装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車の走行変速装置は、複数段の変速状態及び変速中立状態に切換え自在な走行用の副変速装置と、その副変速装置の変速指令を指令する変速指令手段と、その変速指令手段の変速指令に基づいて前記副変速装置を変速操作する制御手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記変速指令手段として、変速切換指令を指令する変速指令用操作部と中立切換指令を指令する中立指令用操作部とが異なる箇所に設けられ、
前記制御手段が、前記副変速装置が前記複数段の変速状態のいずれかの変速状態に切換えられている状態においては、前記変速指令用操作部から変速切換指令が指令されるごとに、前記複数段の変速状態のいずれかに予め定めた順序にて順次切換え、かつ、前記中立指令用操作部にて中立切換え指令が指令されると、前記変速中立状態に切換えるように、前記副変速装置を変速操作し、且つ、前記副変速装置が前記変速中立状態に切換えられている状態においては、前記変速指令用操作部からの変速切換指令と前記中立指令用操作部からの中立切換え指令とのうちのいずれかが指令されると、前記複数段の変速状態のうちの予め定めた設定規則にて選択される変速状態に切換えるように、前記副変速装置を変速操作するように構成されている点を特徴とする。
【0007】
すなわち、副変速装置が複数段の変速状態のいずれかの変速状態に切換えられている状
態において、他の変速状態に切換えるときには、変速指令用操作部から変速切換え指令を指令すれば、指令するごとに予め定めた順序にて順次切換える形態で、複数段の変速状態に切換えることができるものとなる。また、変速中立状態に切換えるときには、中立指令用操作部にて中立切換え指令を指令することにより、変速中立状態に切換えることができるものとなる。
そして、変速指令用操作部と中立指令用操作部とが異なる個所に配設されているから、変速指令用操作部と中立指令用操作部とのいずれもが、他の操作部と誤って操作されるのを回避して、他の変速状態に切換えるときに誤って変速中立状態に切り換えるといった誤操作を無くして、他の変速状態への切換えや変速中立状態への切換えを適切に行うことができるものとなる。
さらに、副変速装置が変速中立状態に切換えられた状態においては、変速指令用操作部からの変速切換指令と中立指令用操作部からの中立切換え指令とのうちのいずれかが指令することにより、複数段の変速状態のうちの予め定めた設定規則にて選択される変速状態に切換えることができるものであるから、運転者は、変速指令用操作部を操作して変速切換指令を指令することと、中立指令用操作部を操作して中立切換え指令を指令することとのうち、自己にとって分かり易く、好みに合った方を用いて、変速中立状態から変速状態に切換えることができるものであり、変速中立状態から変速状態への操作も良好に行えるものとなる。
【0008】
したがって、変速状態の切換えや変速中立状態への切換え操作を適切に行え、加えて、変速中立状態から変速状態への切換え操作も適切に行える作業車の走行変速装置を提供できるに至った。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、
前記設定規則が、前記副変速装置が変速中立状態に切換えられる直前の変速状態を選択する規則である点を特徴とする。
すなわち、副変速装置が変速中立状態に切換えられた状態において、変速指令用操作部からの変速切換指令と中立指令用操作部からの中立切換え指令とのうちのいずれかが指令されると、副変速装置が変速中立状態に切換えられる直前の変速状態に切換えられることになるから、副変速装置を変速中立状態に切換えて作業を中断した後、副変速装置を変速状態に操作して作業を再開するときに、変速指令用操作部からの変速切換指令と中立指令用操作部からの中立切換え指令とのうちのいずれかを指令するだけで、作業を中断する前の変速状態に操作できるものとなるのであり、作業を再開するときの副変速装置の変速操作の簡素化を図ること可能となる。つまり、作業の中断後において作業を再開するときには、一般に作業中断前の変速状態で作業を行うことが多いものであるが、このような状況に対応する変速操作の簡素化を図ることが可能となるのである。
【0010】
したがって、作業中断後において作業を再開するときにおける変速操作の簡素化を図ることが可能となる作業車の走行変速装置を提供できるに至った。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成に加えて、
変速指令用操作部が、走行用の主変速装置を変速操作する主変速操作レバーの握り部に配設され、中立指令用操作部が、前記主変速操作レバーが配備される操縦ボックスに配置されている点を特徴とする。
【0011】
つまり、主変速操作レバーにて変速操作を行ない、作業状況に合わせて、主変速操作レバーの握り部に配設された変速指令用操作部にて、複数段の変速状態の切換えを行い、変速中立状態に切り換える必要が生じた時には、主変速操作レバーが配備される操縦ボックスに配置されている変速中立指令用操作部にて、変速中立状態への切換えを行うことになる。
このように、主変速操作レバーの握り部に変速指令用操作部が配設されることで、主変速操作レバーにて変速操作を行ないながらも、副変速装置の変速状態を切換え易いものとなり、しかも、変速指令用操作部が、主変速操作レバーの握り部に配設され、変立指令用操作部が、操縦ボックスに配置されるものであるから、誤って変速中立指令用操作部を操作して変速中立状態に切り換えるといった誤操作は的確に回避できるものとなる。
【0012】
したがって、操作性に優れながらも、変速中立状態への誤操作を的確に回避することが可能となる作業車の旋回走行装置を提供できるに至った。
【0013】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの構成に加えて、前記副変速装置の操作状態を表示する表示手段が設けられている点を特徴とする。
【0014】
つまり、表示手段にて、複数段の変速状態のうちいずれの変速状態であるかを確認することができることになり、勘違いによる誤操作を回避できる。
したがって、より適切に変速状態を切り換えることができる作業車の走行変速装置を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る作業車の走行変速装置を作業車の一例であるコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0016】
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を実行する脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に操縦ボックス6を備えて構成されている。
【0017】
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な走行用の主変速装置としての直進用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な操作用の無段変速装置8と、それらの無段変速装置7、8からの動力が入力され、左右の走行装置1R、1Lへの動力が出力される一方、直進用の無段変速装置7の動力が刈取搬送装置3に伝達されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。前記直進用の無段変速装置7と操作用の無段変速装置8は夫々、コンバインの車体に搭載されているエンジンから伝動ベルト10及び伝動プーリ11を介して駆動される伝動軸12によって駆動される可変油圧ポンプ7A、8Aと、その可変油圧ポンプ7A、8Aからの供給油で回転駆動される油圧モータ7B、8Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。
【0018】
ミッションケース9には、直進用の無段変速装置7の変速出力を高低2段の変速状態及び変速中立状態に切り換え自在な副変速装置A、および、直進用の無段変速装置7の変速出力を左右一対の走行装置1R,1Lの夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置7の変速出力を右側の走行装置1Rに伝達し且つ操作用の無段変速装置8の変速出力を左側の走行装置1Lに伝達する左旋回用伝動状態、及び、前記直進用の無段変速装置7の変速出力を左側の走行装置1Lに伝達し且つ前記操作用の無段変速装置8の変速出力を右側の走行装置1Rに伝達する右旋回用伝動状態に切り換え自在な伝動状態切換装置Bが備えられている。
【0019】
具体的に説明すると、前記直進用の無段変速装置7の出力軸20には、副変速用の大径の出力ギヤ20a、小径の出力ギヤ20b、刈取部駆動用の出力ギヤ20cが固着され、副変速軸22には、前記大径の出力ギヤ20aが常時噛合する第1受動ギヤ22aと、前記小径の出力ギヤ20bが常時噛合する第2受動ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、それら両受動ギヤ22a、22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する伝動ギヤ22eが装着されており、この出力ギヤに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。また、第1受動ギヤ22aと副変速軸22との間に、湿式多板式の第1油圧クラッチc1が設けられ、第1油圧クラッチc1に設けられた第1油圧シリンダ22cの作動により第1受動ギヤ22aから副変速軸22への伝動を断続するように構成され、第2受動ギヤ22bと副変速軸22との間に、湿式多板式の第2油圧クラッチc2が設けられ、第2油圧クラッチc2に設けられた第2油圧シリンダ22dの作動により第2受動ギヤ22dから副変速軸22への伝動を断続するように構成されている。
【0020】
副変速装置Aは、第1受動ギヤ22aと第1油圧クラッチc1、および、第2受動ギヤ22bと第2油圧クラッチc2とで構成されている。
そして、副変速装置Aは、第1油圧クラッチc1をクラッチ入りの状態に切り換え、かつ、第2油圧クラッチc2をクラッチ切りの状態に切り換えることにより、前記直進用の無段変速装置7の出力軸20から出力される動力を、その出力軸20に固着された副変速用の大径の出力ギヤ20aに噛合い連動する第1受動ギヤ22aを介して副変速軸22と一体回転する伝動ギヤ22eに伝達し、高速の変速状態に切り換えるように構成され、第1油圧クラッチc1をクラッチ切りの状態に切り換え、かつ、第2油圧クラッチc2をクラッチ入りの状態に切り換えることにより、前記直進用の無段変速装置7の出力軸20か
ら出力される動力を、その出力軸20に固着された副変速用の小径の出力ギヤ20bに噛合い連動する第2受動ギヤ22bを介して副変速軸22と一体回転する伝動ギヤ22eに伝達し、低速の変速状態に切り換えるように構成され、第1油圧クラッチc1をクラッチ切りの状態に切り換え、かつ、第2油圧クラッチc2をクラッチ切りの状態に切り換えることにより、変速中立状態となるよう構成される、すなわち、高低2段の変速状態及び変速中立状態に切換え自在に構成されている。
尚、副変速軸22には、駐車ブレーキnが設けられ、駐車ブレーキnに設けられたネガティブ型のブレーキシリンダn1の作動により副変速軸22に制動をかけて走行装置を停止させるように構成されている。
【0021】
前記操作用の無段変速装置8の出力軸21には、その両端部に伝動ギヤ21a、21bが固着され、両伝動ギヤ21a、21bのそれぞれに両摩擦クラッチ25、25の外周ギヤ部25a、25bが噛合されている。
支持軸23には、左右のシフトギヤ26、26が相対回転自在に支持され、それら左右のシフトギヤ26、26の中間位置にセンターギヤ24が固着され、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギヤ26との間には、左右一対の噛み合いクラッチ27、27が形成されている。前記左右のシフトギヤ26は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、噛み合いクラッチ27が噛み合う伝動入り状態と、噛み合いクラッチ27が噛み合わない伝動遮断状態とに切り換え自在に構成されている。
説明を加えると、前記左右のシフトギヤ26、26は夫々、押圧スプリング29、29による押圧力にて噛み合いクラッチ27、27が噛み合う伝動入り状態に付勢されており、左右のシフトギヤ26、26の夫々を押圧スプリング29、29による押圧力に抗して遮断用油圧シリンダ31L、31Rでシフト操作することにより、噛み合いクラッチ27、27が噛み合わない伝動遮断状態に切り換え操作可能に構成されている。また、噛み合いクラッチ27、27が噛み合わない伝動遮断状態において、操向用油圧シリンダ30L、30Rの一方でシフトギヤ26における摩擦板をシフト操作し、摩擦クラッチ25、25の一方を圧接することにより、操作用の無段変速装置8の動力が摩擦クラッチ25およびシフトギヤ26を介して一方の走行装置に伝達される伝動状態に切り換え操作可能に構成されている。
【0022】
伝動状態切換装置Bは、外周部に操作用の無段変速装置8の伝動系に連係された外周ギヤ部25a、25bを備える左右一対の多板式の摩擦クラッチ25、25と、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギヤ26との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ27、27とで構成されている。
そして、伝動状態切換装置Bは、噛み合いクラッチ27、27が夫々噛み合う伝動入り状態では、直進用の無段変速装置7の動力が、左右のシフトギヤ26、26を介して左右の走行装置1R、1Lに伝達され、左右の走行装置1R、1Lが同方向に同速駆動される直進用伝動状態となり、その直進用伝動状態から左側の噛み合いクラッチ27を切にして左側の摩擦クラッチ25を伝動状態にすると、直進用の無段変速装置7の動力が、右の走行装置1Rに伝達され、操作用の無段変速装置8の動力が、左の走行装置1Lに伝達され、左右の走行装置1R、1Lが各別に駆動される左旋回用伝動状態となり、前記直進用伝動状態から右側の噛み合いクラッチ27を切にして右側の摩擦クラッチ25を伝動状態にすると、直進用の無段変速装置7の動力が、左の走行装置1Lに伝達され、操作用の無段変速装置8の動力が、右の走行装置1Rに伝達され、左右の走行装置1R、1Lが各別に駆動される右旋回用伝動状態となる、すなわち、直進用伝動状態、左旋回用伝動状態および右旋回用伝動状態に切換え自在に構成されている。
【0023】
前記直進用の無段変速装置7は、中立位置から正転方向並びに逆転方向夫々について無
段階に変速操作可能な構成となっており、又、操縦ボックス6には、前後方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり手動操作によって揺動可能な変速操作具としての前記主変速操作レバー14が設けられている。そして、図3に示すように、可変油圧ポンプ7Aの斜板13が油圧サーボ機構SVを介して主変速操作レバー14に連係され、主変速操作レバー14の操作指令に基づいて斜板13の角度を変更することにより油圧モータ7B側の出力状態を無段階に変更するように構成されている。つまり、主変速操作レバー14が手動操作にて操作されると、その操作に対して油圧サーボ機構SVの作用により油圧操作力にてアシスト操作を行うことにより変速操作を軽く操作することができる構成となっている。尚、油圧サーボ機構SVは周知構成のものであるから詳細な説明はここでは省略する。
【0024】
次に、直進用の無段変速装置の変速操作構成について説明する。
図5に示すように、主変速操作レバー14が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記斜板13が中立状態となり油圧モータ7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速操作レバー14からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速操作レバー14の操作指令に応じて上述したような油圧サーボ機構SVによって斜板13の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力のアシスト力によって操作され、油圧モータ7Bが指令位置に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
【0025】
一方、操作用の無段変速装置8も直進用の無段変速装置7と同様に、正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっている。しかし、この操作用の無段変速装置8は手動操作で変速を行うのではなく、可変油圧ポンプ8Aの斜板15が油圧式の旋回用操作機構16に連係され、この旋回用操作機構16により斜板角を変更することにより油圧モータ8B側の出力状態を変更するように構成されている。この旋回用操作機構16は、図3に示すように、操作用の無段変速装置8における斜板15に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ17と、この変速用油圧シリンダ17に対する油圧制御を行う油圧制御ユニットVUとを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ17は、内装される左右一対のバネ17a、17bの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
【0026】
次に、前記油圧制御ユニットVUの構成について説明する。
この油圧制御ユニットVUは、図4に示すように、変速用油圧シリンダ17を中立変速位置から正転方向及び逆転方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する油圧パイロット式の制御弁36を備えて構成されている。この制御弁36は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプール37と、そのスプール37を中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ38、39とを備えて構成されている。
【0027】
又、この制御弁36には、前記スプール37を正方向に移動させるために作動油が供給される正転用の圧力操作部40、及び、前記スプール37を逆方向に移動させるために作動油が供給される逆転用の圧力操作部41が夫々備えられ、正転用の圧力操作部40及び逆転用の圧力操作部41の夫々に対する作動油の供給状態を制御する一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43が、作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ排出状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0028】
つまり、前記一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43は図示しない油圧ポンプから供給される作動油を前記各圧力操作部40、41に供給する供給状態と油圧ポンプからの供給を停止して圧力操作部40、41を排油路44に接続する排出状態との二位置に切り換え自在な二位置切り換え式の電磁弁で構成され、これらのパイロット圧制御用の電磁弁42、43はバネ45、46により前記排出状態に復帰付勢される構成であり、ソレノ
イド47、48に通電して励磁することでバネ45、46の付勢力に抗して弁体を操作して前記供給状態に切り換える構成となっている。従って、このパイロット圧制御用の電磁弁42、43は通電を停止すると常に排出状態になりその状態を維持することになる。
【0029】
そして、前記制御弁36には、変速用の油圧シリンダ17の一対の作動油室17A、17Bに各別に接続される一対の出力ポートOP1、OP2が設けられ、図4に示すような中立位置では、一対の出力ポートOP1、OP2の夫々が排出ポートDPに接続される状態となるように構成されている。従って、この中立位置では変速用油圧シリンダ17は中立位置に復帰する。
【0030】
前記スプール37が前記正方向出力位置となると、一対の出力ポートOP1、OP2のうちの変速用油圧シリンダ17の正方向操作用の作動油室17Aに接続される一方の正方向出力ポートOP1を入力ポートIPに接続し、且つ、変速用油圧シリンダ17の逆方向操作用の作動油室17Bに接続される逆方向出力ポートOP2を排出ポートDPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は正方向(前進増速方向)に移動操作されることになる。また、前記スプール37が前記逆方向出力位置となると、前記正方向出力ポートOP1を排出ポートDPに接続し、且つ、前記逆方向出力ポートOP2を入力ポートIPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は逆方向(後進増速方向)に移動操作される。
【0031】
又、制御装置Hは前記各パイロット圧制御用の電磁弁42、43に対する供給電流をパルス信号にて供給する構成としてあり、そのパルス電流のデューティ比を変更調整することによって、正方向への移動操作並びに逆方向への移動操作の夫々において、一対の出力ポートOP1、OP2の夫々が入力ポートIP及び排出ポートDPのいずれにも接続されない状態で、つまり、変速用油圧シリンダ17の作動位置を位置保持自在な状態に設定することが可能な構成となっている。
【0032】
上記したような無段変速装置7、8の変速動作について説明を加えると、図5に示すように、斜板13、15の変速位置が中立位置Nを含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(出力回転速度)は零となり、斜板13、15の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への変速出力が無段階に増速操作され、斜板13、15が中立域から所定方向と反対方向に操作されると後進方向への変速出力が無段階に増速操作される構成となっている。
【0033】
図6に示すように、操縦ボックス6には、前後方向に沿って移動操作自在な主変速レバーとしての主変速操作レバー14と、中立操作域から左方向に操作される左旋回指令用の左旋回操作域及び中立操作域から右方向に操作される右旋回用操作域の全範囲にわたり横幅方向に沿って移動操作自在な旋回レバー56と、変速指令手段73として副変速装置Aの変速中立状態を指令する変速中立指令用操作部としての中立スイッチ70とが設けられている。そして、中立スイッチ70を押すことにより、副変速装置Aが変速状態から変速中立状態に切り換えられるように構成されている。
【0034】
図7に示すように、主変速操作レバー14の握り部14aには、変速指令手段73として低速および高速の変速状態を選択して指令する変速指令用操作部としての副変速切り換えスイッチ71が設けられ、副変速切り換えスイッチ71を押すことによって、副変速装置Aが低速の変速状態および高速の変速状態を切り換え自在に構成されている。また、副変速切り換えスイッチ71の上側には、低速および高速の変速状態を表示する表示手段としてのインジケータ72が上下方向に2段並べて設けられ、副変速切り換えスイッチ71によって高速の変速状態に切り換えられると、上部のインジケータ72aが点灯し、低速の変速状態に切り換えられると、下部のインジケータ72bが点灯するように構成されている。ちなみに、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70はモメンタリスイッチにて構成されている。
そして、主変速操作レバー14にて指令された変速指令位置を検出する変速指令位置検出手段としてのポテンショメータ式の変速レバー検出センサ65、及び、旋回レバー56の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる旋回レバーセンサ57が設けられている。
【0035】
前記サーボ機構SVによって操作される直進用の無段変速装置7における変速用の被操作体としての斜板13の操作位置を検出する直進用の変速位置検出センサ60が設けられ
、前記操作用の無段変速装置8における変速用の被操作体としての斜板15の操作位置を検出する旋回用の変速位置検出手段としてポテンショメータ式の旋回用の変速位置検出センサ61が設けられている。又、コンバインの電源が投入されたことを検出するイグニッションスイッチ74が設けられている。
【0036】
図3に示すように、上記したような各種のセンサ類の入力情報に基づいて、変速用油圧シリンダ17、操向用油圧シリンダ30R、30L、遮断用油圧シリンダ31L、31R、第1油圧シリンダ22c、第2油圧シリンダ22d、ネガティブ型のブレーキシリンダn1、上部のインジケータ72a、下部のインジケータ72bの動作を制御する走行状態制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御手段としての制御装置Hが備えられている。
【0037】
次に、制御装置Hによる副変速装置Aの変速制御について説明する。
副変速装置Aが低速および高速の変速状態のいずれかの変速状態に切換えられている状態においては、副変速切り換えスイッチ71から変速切換指令が指令されるごとに、低速および高速の変速状態のいずれかに予め定めた順序にて順次切換え、かつ、中立スイッチ70にて中立切換え指令が指令されると、変速中立状態に切換えるように、副変速装置Aを変速操作し、且つ、副変速装置Aが変速中立状態に切換えられている状態においては、副変速切り換えスイッチ71からの変速切換指令と中立スイッチ70からの中立切換え指令とのうちのいずれかが指令されると、低速および高速の変速状態のうちの予め定めた設定規則にて選択される変速状態に切換えるように、副変速装置Aを変速操作するように構成されている。そして、設定規則が、副変速装置Aが変速中立状態に切換えられる直前の変速状態を選択するように構成されている。
【0038】
説明を加えると、図8に示すように、中立スイッチ70が押し操作されると、現在の変速状態が変速中立状態であれば、変速中立状態に切換えられる直前の変速状態に切り換え、それに伴って、対応するインジケータが点灯し、現在の変速状態が低速又は高速の変速状態であれば、変速中立状態に切り換えるように構成されている。(♯1〜♯4)
又、副変速切り換えスイッチ71が押し操作されると、現在の変速状態が変速中立状態であれば、変速中立状態に切換えられる直前の変速状態に切り換え、それに伴って、対応するインジケータが点灯し、現在の変速状態が低速又は高速の変速状態であれば、他の変速状態に切り換え、それに伴って、対応するインジケータが点灯するように構成されている。(♯5〜♯7)
【0039】
以上の構成により、副変速装置Aを変速中立状態に切換えて作業を中断した後、副変速装置Aを変速状態に操作して作業を再開するときに、副変速切り換えスイッチ71からの変速切換指令と中立スイッチ70からの中立切換え指令とのうちのいずれかを指令するだけで、作業を中断する前の変速状態に操作できるものとなり、作業の中断後において作業を再開するときには、作業中断前の変速状態に切り換える必要が無いものとなる。
【0040】
次に、制御装置Hによる副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70の故障を検出する構成について説明する。
図9に示すように、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70が押し操作されたときには、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70の押し操作が解除されて副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70から入力されるON信号がOFF信号に切り換わったときに変速切換指令及び中立切換え指令が指令されたと判断されるようになっている。(図9(イ)参照)そして、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70から入力されるON信号がイグニッションスイッチ74にてコンバインの電源が投入されたことが検出されてから設定時間T以上続いた場合には、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70が故障したと判断して、(図9(ロ)参照)メータパネルに副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70が故障した旨の表示を行なうようになっている。
【0041】
次に、制御装置Hによる伝動状態切換装置Bの変速制御について説明する。
旋回レバー56が中立操作域に操作されていると、遮断用油圧シリンダ31L、31Rを作動させることなく、左右の走行装置1R、1Lに直進用の無段変速装置7の変速動力を伝達させる直進用伝動状態に切り換えて、操作用の無段変速装置8の変速出力が直進用の無段変速装置7と同じ又は略同じ変速出力になるように操作用の無段変速装置8を作動させる。そして、旋回レバー56が右旋回用操作域に操作されると、旋回中心側つまり右側の操向用油圧シリンダ30R及び遮断用油圧シリンダ31Rを作動させて右側の走行装置1Rに旋回用の無段変速装置8の変速動力を伝達させる右旋回用伝動状態に切り換えて、右の走行装置1Rの回転速度の速度比率が旋回レバー56にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように、操作用の無段変速装置8の目標変速位置を求める。一方、旋回レバー56が左旋回用操作域に操作されると、左側の操向用油圧シリンダ30L及び遮断用油圧シリンダ31Lを作動させて左側の走行装置1Lに旋回用の無段変速装置8の変速動力を伝達させる左旋回用伝動状態に切り換えて、左の走行装置1Lの回転速度の速度比率が旋回レバー56にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように、操作用の無段変速装置8の目標変速位置を求める。
【0042】
前記目標変速位置を求める処理について説明を加えると、旋回レバー56の操作位置と旋回半径に対応する左右の走行装置1R、1Lの回転速度の速度比率との関係が二次関数に対応する関係として定めて記憶されており、前記直進用の変速位置検出センサ60からの直進用検出値から、操作用の無段変速装置8の目標変速位置すなわち目標斜板位置を求めるのである。そして、旋回用の変速位置検出センサ61からの旋回用検出値が目標変速値になるように旋回用操作機構16の作動を制御して変速操作を行う。
【0043】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0044】
(1)上記実施形態では、副変速装置が低速および高速の変速状態を選択して指令するように構成したが、このような構成に代えて、複数段の変速状態を選択して指令するようにしてもよい。
【0045】
(2)上記実施形態では、設定規則が、副変速装置Aが変速中立状態に切換えられる直前の変速状態を選択するように構成したが、このような構成に代えて、設定規則が、副変速装置Aが低速の変速状態を選択するように構成してもよい。
【0046】
(3)上記実施形態では、表示手段が主変速操作レバーに設けられるように構成したが、
必ずしもその箇所に設けられることに限定されるものではなく、表示手段が操縦ボックスに設けられるように構成してもよい。
【0047】
(4)上記実施形態では、イグニッションスイッチ74にてコンバインの電源が投入されたことが検出されてから副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70から入力されるON信号が一定時間以上続いた場合には、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70が故障したと判断して、メータパネルに副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70が故障した旨の表示を行なうように構成したが、副変速切り換えスイッチ71及び中立スイッチ70に限定されるものではなく、その他のモメンタリスイッチに適用可能である。
【0048】
(5)上記実施形態では、作業車としてコンバインを例示したが、コンバインに限らずトラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】制御ブロック図
【図4】油圧制御ユニットの構成を示す図
【図5】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図6】操縦ボックスを示す図
【図7】変速指令用操作部を示す図
【図8】副変速装置の変速制御のフロー図
【図9】副変速切り換えスイッチ及び中立スイッチの故障を検出する状態を示す図
【符号の説明】
【0050】
6 操縦ボックス
7 走行用の主変速装置
14 主変速レバー
14a 握り部
70 変速中立指令用操作部
71 変速指令用操作部
72 表示手段
73 変速指令手段
A 副変速装置
H 制御手段




 

 


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