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発明の名称 過給機付きエンジン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−85180(P2007−85180A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−271421(P2005−271421)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
発明者 岡島 利典 / 滝井 紀
要約 課題
エンジン製造コストの低減とともに、急加速操作時のスモーク発生を抑制することができる過給機付きエンジンを提供すること。

解決手段
本発明の過給機付きエンジンでは、EGR弁12の弁アクチュエータ9として過給圧アクチュエータ10を用い、吸気通路5に過給圧アクチュエータ10の過給圧室10aを連通させ、過給圧室10aに受圧作動体10bを臨ませ、過給圧室10aに導入した過給圧で受圧作動体10bを作動させ、この受圧作動体10bにEGR弁12を連動連結し、受圧作動体10bの作動でEGR弁12を開弁方向に駆動できるようにするとともに、EGR弁12を閉弁方向に付勢できる閉弁付勢手段14を設け、吸気通路5の過給圧が所定値未満である場合、閉弁付勢手段14の閉弁付勢力でEGR弁12の閉弁状態を維持し、吸気通路5の過給圧が所定値以上になると、過給圧室10aに導入された過給圧でEGR弁12が開弁するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
排気通路(4)に過給機(6)を連通させ、排気通路(4)を通過する排気のエネルギーで吸気通路(5)に過給を行うようにするとともに、排気通路(4)から吸気通路(5)に排気を導入するEGRガス通路(8)を設け、このEGRガス通路(8)にEGR弁(12)を設け、このEGR弁(12)を弁アクチュエータ(9)で開閉するようにした、過給機付きエンジンにおいて、
EGR弁(12)の弁アクチュエータ(9)として過給圧アクチュエータ(10)を用い、吸気通路(5)に過給圧アクチュエータ(10)の過給圧室(10a)を連通させ、この過給圧室(10a)に受圧作動体(10b)を臨ませ、過給圧室(10a)に導入した過給圧で受圧作動体(10b)を作動させ、この受圧作動体(10b)にEGR弁(12)を連動連結し、受圧作動体(10b)の作動でEGR弁(12)を開弁方向に駆動することができるようにするとともに、EGR弁(12)に閉弁付勢手段(13)を設け、この閉弁付勢手段(13)の閉弁付勢力でEGR弁(12)を閉弁方向に付勢することができるようにし、
吸気通路(5)の過給圧が所定値未満である場合には、閉弁付勢手段(14)の閉弁付勢力でEGR弁(12)の閉弁状態を維持し、吸気通路(5)の過給圧が所定値以上になると、過給圧室(10a)に導入された過給圧でEGR弁(12)が開弁するようにした、ことを特徴とする過給機付きエンジン。
【請求項2】
請求項1に記載した過給機付きエンジンにおいて、
EGR弁(12)に開弁圧調節手段(15)を設け、この開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力でEGR弁(12)を開弁方向に付勢することにより、過給圧によるEGR弁(12)の開弁開始圧を調節できるようにし、
開弁圧調節手段(15)を感温温度に応じて伸縮する素材で形成し、エンジン温度に基く開弁圧調節手段(15)の感温温度が所定値未満である場合には、その感温温度が所定値以上である場合よりも、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力を小さくするか、または、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力をなくすことにより、過給圧によるEGR弁(12)の開弁開始圧が高くなるようにした、ことを特徴とする過給機付きエンジン。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機付きエンジンに関し、詳しくは、エンジン製造コストを低減することができるとともに、急加速操作時のスモーク発生を抑制することができる過給機付きエンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンとして、本発明と同様、排気通路に過給機を連通させ、排気通路を通過する排気のエネルギーで吸気通路に過給を行うようにするとともに、排気通路から吸気通路に排気を導入するEGRガス通路を設け、このEGRガス通路にEGR弁を設け、このEGR弁を弁アクチュエータで開閉するようにしたものがある。
この種のエンジンでは、過給によって出力を高めることができるとともに、吸気にEGRガスを還流させ、燃焼室内での最高燃焼温度を低下させることにより、NOの発生量を低減させることができる利点がある。
【0003】
しかし、上記従来のエンジンでは、EGR弁の弁アクチュエータとして電動アクチュエータを用い、この電動アクチュエータを制御手段を介してエンジン回転数センサや負荷センサに連携させているので、問題が生じている。また、このエンジンでは、エンジン回転数や負荷に基づくEGR弁の制御が行われているが、過給圧に基づくEGR弁の制御が行われていないので、問題が生じている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、次の問題がある。
《問題》 エンジン製造コストが高い。
EGR弁の弁アクチュエータとして電動アクチュエータを用い、この電動アクチュエータを制御手段を介してエンジン回転数センサや負荷センサに連携させているので、EGRの弁制御に多数の電子部品を必要とする。また、電動アクチュエータは熱に弱いため、EGR弁のガスシールに高精度のものを用いる必要がある。このため、部品コストが高くなり、エンジン製造コストが高い。
【0005】
《問題》 急加速操作時にスモークが発生しやすい。
過給圧に基づくEGR弁の制御が行われていないので、アイドル運転から急加速操作を行った場合、過給圧が十分に上昇しない間に燃料が増量されるとともにEGR弁が開弁されることがある。このような場合には、吸気不足によってスモークが発生しやすい。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決することができる過給機付きエンジン、すなわち、エンジン製造コストを低減することができるとともに、急加速操作時のスモーク発生を抑制することができる過給機付きエンジンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1および図2に例示されるように排気通路(4)に過給機(6)を連通させ、排気通路(4)を通過する排気のエネルギーで吸気通路(5)に過給を行うようにするとともに、排気通路(4)から吸気通路(5)に排気を導入するEGRガス通路(8)を設け、このEGRガス通路(8)にEGR弁(12)を設け、このEGR弁(12)を弁アクチュエータ(9)で開閉するようにした、過給機付きエンジンにおいて、図3に例示されるようにEGR弁(12)の弁アクチュエータ(9)として過給圧アクチュエータ(10)を用い、吸気通路(5)に過給圧アクチュエータ(10)の過給圧室(10a)を連通させ、この過給圧室(10a)に受圧作動体(10b)を臨ませ、過給圧室(10a)に導入した過給圧で受圧作動体(10b)を作動させ、この受圧作動体(10b)にEGR弁(12)を連動連結し、受圧作動体(10b)の作動でEGR弁(12)を開弁方向に駆動することができるようにするとともに、EGR弁(12)に閉弁付勢手段(13)を設け、この閉弁付勢手段(13)の閉弁付勢力でEGR弁(12)を閉弁方向に付勢することができるようにし、吸気通路(5)の過給圧が所定値未満である場合には、閉弁付勢手段(14)の閉弁付勢力でEGR弁(12)の閉弁状態を維持し、吸気通路(5)の過給圧が所定値以上になると、過給圧室(10a)に導入された過給圧でEGR弁(12)が開弁するようにした、ことを特徴とする過給機付きエンジン。
【0008】
請求項2に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1に記載した過給機付きエンジンにおいて、図3に例示されるようにEGR弁(12)に開弁圧調節手段(15)を設け、この開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力でEGR弁(12)を開弁方向に付勢することにより、過給圧によるEGR弁(12)の開弁開始圧を調節できるようにし、開弁圧調節手段(15)を感温温度に応じて伸縮する素材で形成し、エンジン温度に基く開弁圧調節手段(15)の感温温度が所定値未満である場合には、その感温温度が所定値以上である場合よりも、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力を小さくするか、または、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力をなくすことにより、過給圧によるEGR弁(12)の開弁開始圧が高くなるようにした、ことを特徴とする過給機付きエンジン。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1に係る発明)
《効果》 エンジン製造コストを低減することができる。
図3に例示するように、EGR弁(12)の弁アクチュエータ(9)として過給圧アクチュエータ(10)を用い、吸気通路(5)に過給圧アクチュエータ(10)の過給圧室(10a)を連通させ、この過給圧室(10a)に受圧作動体(10b)を臨ませ、過給圧室(10a)に導入した過給圧で受圧作動体(10b)を作動させ、この受圧作動体(10b)にEGR弁(12)を連動連結し、受圧作動体(10b)の作動でEGR弁(12)を開弁方向に駆動することができるようにするとともに、EGR弁(12)に閉弁付勢手段(13)を設け、この閉弁付勢手段(13)の閉弁付勢力でEGR弁(12)を閉弁方向に付勢することができるようにしたので、EGR弁(12)の弁制御に電子部品を必要としない。また、過給圧アクチュエータ(10)は、電動アクチュエータに比べて耐熱性が高いので、EGR弁(12)のガスシールに高精度のものを用いる必要はない。このため、部品コストが低くなり、エンジン製造コストを低減することができる。
【0010】
《効果》 急加速操作時のスモーク発生を抑制することができる。
吸気通路(5)の過給圧が所定値未満である場合には、閉弁付勢手段(13)の閉弁付勢力でEGR弁(12)の閉弁状態を維持し、吸気通路(5)の過給圧が所定値以上になると、過給圧室(10a)に導入された過給圧でEGR弁(12)が開弁するようにしたので、アイドル運転から急加速操作を行った場合、過給圧が十分に上昇しない間は、燃料が増量されても、EGR弁(12)の閉弁を維持することができる。このため、吸気不足に起因する急加速操作時のスモーク発生を抑制することができる。
【0011】
(請求項2に係る発明)
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 冷始動時の白煙発生を抑制することができる。
開弁圧調節手段(15)を感温温度に応じて伸縮する素材で形成し、エンジン温度に基く開弁圧調節手段(15)の感温温度が所定値未満である場合には、その感温温度が所定値以上である場合よりも、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力を小さくするか、または、開弁圧調節手段(15)の開弁付勢力をなくすことにより、過給圧によるEGR弁(12)の開弁開始圧が高くなるようにしたので、冷始動時に暖機時間を短縮するために加速操作を行った場合でも、EGR弁(12)が開弁されにくい。このため、冷始動時にEGRガスで燃焼性が低下する不具合を防止することができ、冷始動時の白煙発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態である過給機付きエンジンの平面図を示し、図2は、本発明の実施形態である過給機付きエンジンの正面図を示し、図3は、本発明の実施形態である過給機付きエンジンのEGR弁の縦断正面図を示す。
【0013】
本発明の実施形態の概要は、次の通りである。
本発明の一実施形態である過給機付きエンジンのシリンダブロック1上にはシリンダヘッド2およびヘッドカバー3が順次組み付けられている。図1に示すようにシリンダヘッド2の右側壁側にはシリンダヘッド2の排気ポートに連通するように排気通路4が設けられ、シリンダヘッド2の左側壁側にはシリンダヘッド2の吸気ポートに連通するように吸気通路5が設けられている。シリンダヘッド2の右側壁側には過給機6が排気通路4に連通するように組み付けられている。過給機6は、排気通路4を通過する排気のエネルギーで吸気通路5に過給を行うように過給管7を介して吸気通路5に連通されている。図1の矢印aはエアクリーナから過給機6へと供給される吸気を示し、矢印a’は過給機6から吸気通路5へと過給される吸気を示す。過給管7はヘッドカバー3の上方をわたって過給機6と吸気通路5を連通するように設けられている。過給管7に並ぶようにEGRガス通路8がヘッドカバー3の上方にわたって設けられている。EGRガス通路8は、排気通路4から吸気通路5に排気を導入するように、一端部が排気通路4に連通し、他端部が吸気通路5に連通している。このEGRガス通路8の吸気通路5側にはEGR弁ケース12aが設けられ、このEGR弁ケース12a内のEGR弁12を弁アクチュエータ9で開閉するようにしている。
【0014】
EGR弁9の弁アクチュエータ9としては過給圧アクチュエータ10が用いられている。過給圧アクチュエータ10の過給圧室10aは吸気通路5に連通しており、この過給圧室10aにダイアフラム等の受圧作動体10bを臨ませ、吸気通路5から過給圧導入管10cを介して過給圧室10aに導入した過給圧(図3の矢印P参照)で受圧作動体10bを作動させる。この受圧作動体10bに連動軸11を介してEGR弁12の弁体軸部12bを連動連結しており、受圧作動体10bの作動でEGR弁12を開弁方向(図3の矢印O参照)に駆動することができるようにされている。またEGR弁12を閉弁方向(図3の矢印C参照)に付勢するために閉弁付勢手段13がEGR弁12に設けられている。閉弁付勢手段13はEGR弁12の弁体軸部12bに固定されたリテーナ部14に接当している。閉弁付勢手段13は、リテーナ部14を介してEGR弁12に閉弁付勢力を与え、EGR弁12を閉弁方向に付勢することができる。
【0015】
EGR弁12は、これら過給圧アクチュエータ10および閉弁付勢手段13により、吸気通路5の過給圧が所定値未満である場合には、閉弁付勢手段13の閉弁付勢力でEGR弁12の閉弁状態を維持し、吸気通路5の過給圧が所定値以上になると、過給圧室10aに導入された過給圧で開弁するようにされている。なお、過給圧の上記所定値とはアイドル運転からの急加速操作によって燃料を増量させた場合にEGR弁を開弁してもスモークが発生しない過給圧の値をいう。
【0016】
EGR弁12にはさらに開弁圧調節手段15が設けられている。EGR弁12は、この開弁圧調節手段15の開弁付勢力でEGR弁12を開弁方向に付勢することにより、過給圧によるEGR弁12の開弁開始圧を調節できるようにされている。開弁圧調節手段15は、閉弁付勢手段13が接当したリテーナ部14にその上から接当しており、リテーナ部14を介してEGR弁12を開弁方向に付勢する。
開弁圧調節手段15は感温温度に応じて伸縮する形状記憶合金等の素材で形成されている。エンジン温度に基く開弁圧調節手段15の感温温度が所定値未満である場合には、その感温温度が所定値以上である場合よりも、開弁圧調節手段15の開弁付勢力を小さくする(または、開弁圧調節手段15の開弁付勢力をなくす)ことにより、過給圧によるEGR弁12の開弁開始圧が高くなるようにされている。なお、上記感温温度の所定値とはEGRガスによる燃焼性の低下が白煙発生を引き起す冷始動時の温度の値をいう。
【0017】
以上のように説明してきた過給機付きエンジンは、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、請求の範囲に基く技術的範囲内で適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態である過給機付きエンジンの平面図を示す。
【図2】本発明の実施形態である過給機付きエンジンの正面図を示す。
【図3】本発明の実施形態である過給機付きエンジンのEGR弁の縦断正面図を示す。
【符号の説明】
【0019】
1…シリンダブロック
2…シリンダヘッド
3…ヘッドカバー
4…排気通路
5…吸気通路
6…過給機
7…過給管
8…EGRガス通路
9…弁アクチュエータ
10…加給圧アクチュエータ
12…EGR弁





 

 


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