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発明の名称 ダスト排出装置及びダスト排出装置の運転方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−32872(P2007−32872A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213106(P2005−213106)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
発明者 吉岡 洋仁 / 辻 英一
要約 課題
液状のダストであってもそれが排出経路などに付着して閉塞に到ることなく確実に回収できるダスト排出装置を提供する。

解決手段
溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブル21と、ダストを外部に排出する排出口22と、ダストテーブル21に落下したダストを排出口22に押し出すダスト案内機構20を排ガス処理設備の底部に備え、ダストテーブル22に落下した液状ダストを冷却固化する冷却機構23を設けるとともに、ダスト案内機構20を、ダストテーブルに堆積したダストを排出口に向けて直線状に押し出すゲート部25を備え、ゲート部の往動時にゲート部先端の押出作用部25aがダストテーブルと接触し、復動時に押出作用部25aがダストテーブルから離間する姿勢切替機構を備えてある。
特許請求の範囲
【請求項1】
溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブルと、前記ダストを外部に排出する排出口と、前記ダストテーブルに落下したダストを前記排出口に押し出すダスト案内機構を排ガス処理設備の底部に備えて構成されたダスト排出装置であって、
前記ダストテーブルに滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてあるダスト排出装置。
【請求項2】
前記冷却機構を、前記ダストテーブルの背面に形成された冷媒流路と、その冷媒流路に冷媒を供給する冷媒供給機構で構成してある請求項1記載のダスト排出装置。
【請求項3】
前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブル上で垂直軸心周りに回転して堆積したダストを前記排出口に押し出す径方向に延出配置された掻き出し羽根を備えて構成し、前記ダストテーブルに対する前記掻き出し羽根の対向面に、掻き出し時に液状ダストを逃がす溝部を形成してある請求項1または2記載のダスト排出装置。
【請求項4】
前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブル上で垂直軸心周りに回転して堆積したダストを前記排出口に押し出す少なくとも径方向に延出配置された一対の掻き出し羽根を備えて構成し、前記ダストテーブルに対する前記掻き出し羽根の夫々の対向面には、掻き出し時に液状ダストを逃がす溝部を互いに回転軌跡が異なる位置に形成してある請求項1または2記載のダスト排出装置。
【請求項5】
前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブルに堆積したダストを前記排出口に向けて直線状に押し出すように往復移動するゲート部を備えて構成してある請求項1または2記載のダスト排出装置。
【請求項6】
前記ゲート部が前記排出口に向けて進出する往動時に前記ゲート部先端の押出作用部が前記ダストテーブルと接触し、前記ゲート部が前記排出口から引退する復動時に前記ゲート部先端の押出作用部が前記ダストテーブルから離間する姿勢切替機構を備えてある請求項5記載のダスト排出装置。
【請求項7】
前記ゲート部に、その上面に滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてある請求項5または6記載のダスト排出装置。
【請求項8】
前記ゲート部が引退状態で収容されるハウジング部を設け、復動時に前記ゲート部の上面に滴下したダストを掻き落すスクレーパを前記ハウジング部の出口部天井に設けてある請求項5から7の何れかに記載のダスト排出装置。
【請求項9】
前記ダストテーブルを前記排出口に向けて下方に傾斜配置してある請求項5から8の何れかに記載のダスト排出装置。
【請求項10】
前記排ガス処理設備が溶融炉から排出される排ガスを完全燃焼させる後燃焼装置である請求項1から9の何れかのダスト排出装置。
【請求項11】
前記排ガス処理設備が溶融炉から排出される排ガスの保有熱から蒸気を生成する廃熱ボイラである請求項1から9の何れかのダスト排出装置。
【請求項12】
溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブルと、前記ダストを外部に排出する排出口と、前記ダストテーブルに落下したダストを前記排出口に押し出すダスト案内機構を排ガス処理設備の底部に備え、前記ダストテーブルに滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてあるダスト排出装置の運転方法であって、
前記ダストテーブルに落下したダストが前記冷却機構により冷却固化された後に前記ダスト案内機構によりダストを押し出すダスト排出装置の運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブルと、前記ダストを外部に排出する排出口と、前記ダストテーブルに落下したダストを前記排出口に押し出すダスト案内機構を排ガス処理設備の底部に備えて構成されたダスト排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、焼却炉からの排ガスを排ガス導入部からダスト排出装置本体内部の除塵空間に導入し、この除塵空間の排ガスを排ガス排出部から外部に送り出す排ガス流動系を形成すると共に、排ガスに同伴して除塵空間に持ち込まれたダストを除塵空間の内部で落下させ、このダスト排出装置本体の底部に形成したダスト排出手段から外部に送り出すダスト排出系を形成している焼却炉のダスト排出装置として、前記ダスト排出手段が、前記ダスト排出装置本体の底壁に形成された開口と、前記底壁に堆積したダストを前記開口内に送り込むよう作動するスクレーパと、この開口に送り込まれたダストを外気の吸入を阻止しながら外部に送り出す排出機構とを備え、前記排出機構と前記スクレーパとの何れか一方からの駆動力を他方に伝えて他方を作動させる連動機構を備えた回転式テーブルフィーダが提案されている。
【0003】
また、排ガス処理装置に堆積したダストを外部に排出する機構として底部に形成されたダスト堆積部に横軸心回りに回転する回転羽根によりダストを排出するスクリュー式コンベア機構や、排ガス処理装置の一例である排ガス冷却装置の下部にダスト塊を受けるスクリーンを配置し、スクリーンの上面に対応して冷却室の側壁に開閉自在な塊排出口を設け、スクリーン上に受け止められたダスト塊を塊排出口に押し出すプッシャ機構なども提案されている。
【特許文献1】特開2004−232961号公報
【特許文献2】特開平9−243049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のダスト排出装置は何れも焼却炉などの排ガス処理設備で除去された粉体状のダストを排出処理するものであり、例えば、上述の回転式テーブルフィーダを溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備にそのまま採用すると、排ガスから分離された液状のダストがダスト排出装置本体の底壁、スクレーパ、排出口などに付着して固化成長し、これが繰り返されてスクレーパの円滑な作動が妨げられるとともに、排出口が閉塞すると運転中に溶融システムを停止しなければならないという問題があった。
【0005】
また、スクレーパや排出口に付着し成長した大きな塊状のダストが落下すると、その下流側に配置されているダンパやコンベアなどの機器が過負荷のため停止して連続運転が妨げられるという問題もあった。
【0006】
上述のプッシャ機構を採用するものでも、プッシャの引退する復動時に液状または固化したダストが引き込まれて引退側に堆積し、円滑な往復作動が妨げられるという問題もあった。
【0007】
さらに他の方式のダスト排出装置であっても、上述と同様に液状のダストが装置の各部に付着して固化する結果、連続運転が妨げられるという点で変わるところは無い。
【0008】
焼却灰などを溶融処理する溶融炉では、低融点の重金属塩等の化合物が多量に含まれた溶融飛灰が排ガスに浮遊し、液状で落下回収される場合が多く、そのような原因物質の効果的な対処の可能性が検討されている。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、液状のダストであってもそれが排出経路などに付着して閉塞に到ることなく確実に回収できるダスト排出装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明によるダスト排出装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブルと、前記ダストを外部に排出する排出口と、前記ダストテーブルに落下したダストを前記排出口に押し出すダスト案内機構を排ガス処理設備の底部に備えて構成されたダスト排出装置であって、前記ダストテーブルに滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてある点にある。
【0011】
上述の構成によれば、溶融炉の排ガス処理設備の内部に設けられたダストテーブルに低融点の液状ダストが滴下付着しても、冷却機構により急速に冷却されて粒状に固化されるので、そのような粒状に固化されたダストに対してダスト案内機構により排出口に押し出される際に、ダストテーブル面から剥離されて適正に排出口に押し出されるようになるのである。このように液状ダストが固化された状態で排出口に押し出されるので、ダストが排出口に付着して成長して大きな塊状のダストとして落下するような事態が回避され、その下流側に配置されているダンパやコンベアなどの機器が過負荷で停止するような異常な事態の発生も回避でき、長期間安定して連続稼動させることができるようになるのである。
【0012】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記冷却機構を、前記ダストテーブルの背面に形成された冷媒流路と、その冷媒流路に冷媒を供給する冷媒供給機構で構成してある点にある。
【0013】
つまり、ダストテーブル背面に形成された冷媒流路に流入する冷媒によりダストテーブルが熱交換されることにより、ダストテーブル上に滴下した液状ダストが急速に冷却固化されるようになる。
【0014】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブル上で垂直軸心周りに回転して堆積したダストを前記排出口に押し出す径方向に延出配置された掻き出し羽根を備えて構成し、前記ダストテーブルに対する前記掻き出し羽根の対向面に、掻き出し時に液状ダストを逃がす溝部を形成してある点にある。
【0015】
上述の構成によれば、ダストテーブル上で冷却固化されたダストが掻き出し羽根の回転動作によって排出口に押し出されるようになるのであるが、ダストテーブルに落下した液状ダストが固化するまでに掻き出し羽根により押し出されると、従来と同様、液状ダストが排出口に付着して塊状に成長する不具合が発生したり、掻き出し羽根の動作によりダストテーブル面に液状ダストが塗り込められるおそれがある。そのような場合であっても、掻き出し羽根によるダストの掻き出し時に、ダストテーブルに対する前記掻き出し羽根の対向面に形成した溝部からダストテーブル面に堆積した液状ダストを逃がすことができるようになるので、冷却固化されたダストを選択的に排出口に押し出すことができるようになるのである。
【0016】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブル上で垂直軸心周りに回転して堆積したダストを前記排出口に押し出す少なくとも径方向に延出配置された一対の掻き出し羽根を備えて構成し、前記ダストテーブルに対する前記掻き出し羽根の夫々の対向面には、掻き出し時に液状ダストを逃がす溝部を互いに回転軌跡が異なる位置に形成してある点にある。
【0017】
上述の第三の特徴構成によれば、前記溝部から逃がされた液状ダストが固化したときには、溝部の深さ以上に堆積固化したダストのみが押し出されることとなり、それ以下の部位がダストテーブルに強固に固着堆積して掻き出し羽根の円滑な押し出し動作を妨げるようになるおそれがある。しかし、上述の構成によれば、一対の掻き出し羽根を設けて、ダストテーブルに対する掻き出し羽根の夫々の対向面に形成した溝部の回転軌跡が互いに異なるような位置に溝部を形成してあるので、一方の掻き出し羽根の溝部で押し出されずにテーブル面に固化したダストであっても、他方の掻き出し羽根で押し出すことができるようになるとともに、未だ固化していない液状のダストは、何れの溝部からも逃がすことができるようになるので、さらに安定して稼動させることができるようになるのである。
【0018】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記ダスト案内機構を、前記ダストテーブルに堆積したダストを前記排出口に向けて直線状に押し出すように往復移動するゲート部を備えて構成してある点にある。
【0019】
上述の構成によれば、ダストテーブルに落下したダストが冷却機構によって冷却固化された後にゲート部によって排出口に押し出されるので、液状ダストがダストテーブルや排出口周辺で塊状に固化成長して、設備が稼動停止状況に到ったり設備を損傷するような不都合が解消され、長期間安定して連続稼動させることができるようになるのである。
【0020】
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第五特徴構成に加えて、前記ゲート部が前記排出口に向けて進出する往動時に前記ゲート部先端の押出作用部が前記ダストテーブルと接触し、前記ゲート部が前記排出口から引退する復動時に前記ゲート部先端の押出作用部が前記ダストテーブルから離間する姿勢切替機構を備えてある点にある。
【0021】
上述の構成によれば、ゲート部が排出口に向けて進出する往動時にはダストテーブルに堆積して固化したダストがゲート部先端の押出作用部の前端面により排出口に押し出され、その後復動時にはゲート部先端の押出作用部が姿勢切替機構によりダストテーブルから離間した状態で排出口から引退するので、押出作用部の後端面によりダストが引退側に引き込まれて堆積し、円滑な往復作動が妨げられるような事態の発生を回避することができるのである。
【0022】
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第五または第六の特徴構成に加えて、前記ゲート部に、その上面に滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてある点にある。
【0023】
上述の構成によれば、ゲート部が進出する往動時にその上面に上方から液状ダストが滴下する場合にその周囲に流出して固化付着し、ゲート部の円滑な往復動作を妨げるおそれがあるところ、冷却機構により上面に堆積固化させることにより長期間安定稼動させることが可能になるとともに、上面から付着したダストを除去するという比較的容易なメンテナンス作業により所期の機能を回復させることができるようになるのである。
【0024】
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第五から第七の何れかの特徴構成に加えて、前記ゲート部が引退状態で収容されるハウジング部を設け、復動時に前記ゲート部の上面に滴下したダストを掻き落すスクレーパを前記ハウジング部の出口部天井に設けてある点にある。
【0025】
上述の構成によれば、ゲート部が進出する往動時にその上面に上方から液状ダストが滴下する場合であっても、復動時にスクレーパによって排出口側に掻き落されるので、次回の往動時にそれらが排出口に向けて押し出されるようになり、長期間のメンテナンスフリーが実現できるようになるのである。上述の第六の特徴構成を備える場合には、上面に滴下した液状ダストがゲート部の冷却機構により固化されるので、より安定した押し出し動作が保証されるようになる。
【0026】
同第九の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第五から第八の何れかの特徴構成に加えて、前記ダストテーブルを前記排出口に向けて下方に傾斜配置してある点にある。
【0027】
上述の構成によれば、ダストテーブルに滴下した液状ダストが冷却機構により固化する前の流動性のある状態で、ダストテーブルの傾斜面に沿って流下していくので、液状ダストがゲート部の復動側に流下して固化するような異常な事態を招くような不都合が生じることを効果的に回避することができるのである。
【0028】
同第十の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記排ガス処理設備が溶融炉から排出される排ガスを完全燃焼させる後燃焼装置である点にある。
【0029】
後燃焼装置は溶融炉内で生じた850〜1200℃程度の高温の排ガスがさらに完全燃焼されるもので、後燃焼装置を通過する排ガスには低融点ダストつまり液状ダストが多量に含まれており、これらが多量に析出してくる。そのため、上述した何れかのダスト排出装置を後燃焼装置に設けると特に効果的にダストの排出処理ができ、長期安定稼動させることができるようになるのである。
【0030】
同第十一の特徴構成は、同請求項11に記載した通り、上述の第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記排ガス処理設備が溶融炉から排出される排ガスの保有熱から蒸気を生成する廃熱ボイラである点にある。
【0031】
廃熱ボイラで熱交換された排ガスは急激に温度が低下して、低融点ダストが液状または固体状で多量に落下するため、上述した何れかのダスト排出装置を廃熱ボイラに設けると効果的にダストの排出処理ができ、長期安定稼動させることができるようになるのである。
【0032】
本発明によるダスト排出装置の運転方法の特徴構成は、同請求項12に記載した通り、溶融炉からの排ガスを処理する排ガス処理設備に設けられ、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止めるダストテーブルと、前記ダストを外部に排出する排出口と、前記ダストテーブルに落下したダストを前記排出口に押し出すダスト案内機構を排ガス処理設備の底部に備え、前記ダストテーブルに滴下した液状ダストを冷却固化する冷却機構を設けてあるダスト排出装置の運転方法であって、前記ダストテーブルに落下したダストが前記冷却機構により冷却固化された後に前記ダスト案内機構によりダストを押し出す点にある。
【0033】
つまり、ダストテーブルに落下したダストが冷却機構によって冷却固化された後に排出口に押し出されるので、液状ダストがダストテーブルや排出口周辺で塊状に固化成長して、設備が稼動停止状況に到ったり設備を損傷するような不都合が解消されるのである。
【発明の効果】
【0034】
以上説明した通り、本発明によれば、液状のダストであってもそれが排出経路などに付着して閉塞に到ることなく確実に回収できるダスト排出装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に本発明によるダスト排出装置の実施の形態を説明する。図1に示すように、ごみ焼却炉で生じた焼却灰を溶融処理する灰溶融システムは、回転式表面溶融炉(以下、「溶融炉)と記す。)10と、溶融炉10から排出され、下方に傾斜配置された煙道を経由して導かれる850〜1200℃程度の燃焼排ガスを完全燃焼させる後燃焼室30と、後燃焼後の排ガスから前記溶融炉10及び前記後燃焼室30に供給される燃焼用空気を予熱する空気予熱器40と、白煙防止用空気を加熱する空気加熱器45と、それらによる熱交換後の排ガスを急速冷却する減温塔50と、減温後の排ガスからダイオキシンや塩素ガス、さらには硫黄酸化物を除去する排ガス浄化装置60と、排ガスに同伴された固形ダストを除去するバグフィルタ70などを備えて構成されている。
【0036】
前記バグフィルタ70の下流側煙道に設けられた誘引送風機80による誘引された排ガスは白煙防止用混合器90で前記空気加熱器45によって加熱された高温空気と混合された後に図示しないごみ焼却炉の煙道に導かれて煙突から排気される。
【0037】
前記溶融炉10は、同軸心に配置された内筒11と外筒12とが水封機構を介して気密に相対回転する炉内に二重ダンパ機構13を介して供給される焼却灰を、前記内筒11の炉頂部に設けた燃焼バーナ14により輻射過熱することにより表面から溶融させて、前記外筒12の炉底部中央に形成された排出口15から溶融スラグとして落下排出するように構成され、排出された溶融スラグは下方に配置されたスラグ排出装置16の水槽で急冷されて水砕スラグとして取り出される。
【0038】
煙道に沿って配置された各種の排ガス処理設備30,40,45,50,60,70には処理空間で排ガスから離脱したダストを回収するダスト排出装置2,2Aが設けられ、それらから排出されたダストは煙道を気密に保つ二重ダンパ機構110を介して系外に排出され、必要に応じて塊状のダストを粉砕する破砕機120で破砕された後にダスト排出コンベア機構100により貯留槽130に集積される。
【0039】
前記溶融炉10の炉内で発生した燃焼排ガスは、低融点の重金属塩等の化合物が多量に含まれた溶融飛灰が排ガスとともに前記煙道を通過して前記後燃焼室30で完全燃焼される。前記後燃焼室30や前記空気予熱器40及び空気加熱器45では、高濃度に気化した重金属や塩類などが凝集してそれらの底部に液状ダストとして滴下する。このような液状ダストを回収するために通常使用されるスクリュー式コンベア機構やプッシャ機構でなる固形ダストの排出装置を底部に設けると、装置の各部に液状ダストが付着固化して堆積した後に塊状で排出されて下流側設備が破損したり排出装置などの閉塞を招くおそれがある。
【0040】
そこで、液状ダストが滴下する前記後燃焼室30や前記空気予熱器40及び空気加熱器45の底部には本発明によるダスト排出装置2が設けられ、主に固化したダストが落下する減温塔50以降の排ガス処理設備50,70などには従来のダスト排出装置2Aが設けられている。
【0041】
以下本発明によるダスト排出装置2について詳述する。第一の実施形態によるダスト排出装置2は、排ガス処理設備の底部に設置され、図2(a),(b),(c)に示すように、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止める平面視円形のダストテーブル21と、前記ダストを外部に排出する排出口22と、前記ダストテーブル21に落下したダストを前記排出口22に押し出すダスト案内機構20と、前記ダストテーブル21に落下した液状ダストを冷却固化する冷却機構23を設けて構成されている。
【0042】
前記ダスト案内機構20は、前記ダストテーブル21上で垂直軸心P周りに回転して面上に堆積したダストを前記排出口22に押し出すように、径方向に延出配置された二枚の掻き出し羽根201と、前記掻き出し羽根201が固定された回転軸206を回転駆動する駆動機構を備えて構成されている。前記駆動機構は、電動モータ204とその出力を減速する減速ギア機構205と、前記減速ギア機構205の出力を回転軸206に伝達するスプロケットとチェーン207を備えて構成され、複数のベアリング機構で軸支された回転軸206を所定速度で回転駆動するように構成されている。
【0043】
前記掻き出し羽根201は径方向に対して角度を持った平面視「く」の字形に形成され、右回りの回転動に応じて前記ダストテーブル21上のダストがそのエッジ部で掻き出されて「く」の字形の凹部に集められ、当該凹部に対応する位置に設けられた排出口22から落下排出される。
【0044】
前記ダストテーブル21に対する前記掻き出し羽根201の対向面に、掻き出し時に液状ダストを逃がす溝部202が形成され、前記ダストテーブル21上に滴下堆積した液状ダストが排出口22に液状のままで排出されたり、前記ダストテーブル21の面上に塗り込められたりすること無く、固形ダストが選択的に前記排出口22から掻き出されるように構成されている。
【0045】
夫々の掻き出し羽根201に形成された溝部202は、互いの回転軌跡が異なるように、より好ましくは互いの回転軌跡が重ならないように互いの溝部202の形成位置を径方向にずらせて配置されており、一方の掻き出し羽根201の溝部202で押し出されずにテーブル21面で固化したダストであっても、他方の掻き出し羽根で押し出すことができるようになるとともに、未だ固化していない液状のダストは、何れの溝部からも逃がすことができるようになるので、前記ダストテーブル21の面上に液状ダストが付着固化して動作不良を招くこと無く安定して稼動させることができるようになるのである。
【0046】
前記冷却機構23は、前記ダストテーブル21下部に形成された冷媒流路230と、その冷媒流路に冷媒としての冷却水を供給する冷媒供給機構231で構成され、冷媒供給口231aから供給された冷却水が前記冷媒流路230を循環して冷媒排出口231bから排出される過程で前記ダストテーブル21と熱交換され、以って前記ダストテーブル21上の液状ダストが冷却固化されるように構成されている。
【0047】
前記掻き出し羽根201の回転速度と前記冷却機構23による液状ダストの冷却効率との調和を図ることにより、前記ダストテーブル上に滴下した液状ダストが前記冷却機構23により冷却固化され、固化されたダストが前記ダスト案内機構20によって前記排出口22から排出されるようになり、前記排出口22に液状ダストが流れ込み固化して閉塞するような事態を招くことが回避される。
【0048】
前記ダストテーブル21の構成材料を、SiCやSiNなどに代表される緻密で剥離性がよく熱伝導率の高い耐火物を用いて形成することにより、溶融塩や腐食性ガス成分による損傷を防止して長期安定的に稼動させることが可能になる。
【0049】
以下、第二の実施形態を説明する。第二の実施形態によるダスト排出装置2は、同じく排ガス処理設備の底部に設置され、図3(a),(b),(c)に示すように、排ガスに同伴して排ガス処理空間で落下するダストを受け止める水平に配置された平坦状のダストテーブル21と、前記ダストを外部に排出する排出口22と、前記ダストテーブル21に落下したダストを前記排出口22に押し出すプッシャ式のダスト案内機構20と、前記ダストテーブル21に落下した液状ダストを冷却固化する冷却機構23を設けて構成されている。
【0050】
前記ダスト案内機構20は、前記ダストテーブル21に堆積したダストを前記排出口22に向けて直線状に押し出すゲート部25と、前記ゲート部25を上部ハウジング250と下部ハウジング251で囲まれる収容部25hと前記排出口22との間で往復駆動させる図示しない油圧機構などを備えて構成され、前記油圧機構により前記ゲート部25を前記排出口22に向けて進出させる往動時に、前記上部ハウジング250の先端側に開口されたダスト受入口252から滴下して前記ダストテーブル21に堆積したダストを前記排出口22に押し出し投入するように構成されている。
【0051】
前記ゲート部25には、その左右両側に配置されたガイドレール28上で転動可能な前後一対の車輪280が設けられ、前記ゲート部25に取り付けられた駆動竿256が油圧機構により往復駆動されることにより、前記ガイドレール28上で前記ゲート部25が往復移動するように構成されている。
【0052】
前記冷却機構23は、SiCやSiNなどに代表される緻密で剥離性がよく熱伝導率の高い耐火物を用いて形成されたダストテーブル21の背面に炭素鋼などで区画形成された冷媒流路230と、その冷媒流路230に冷媒としての冷却水を供給する冷媒供給機構231を備えて構成され、冷媒供給管231cから供給された冷却水が前記冷媒流路230を循環して冷媒排出管231dから排出される過程で前記ダストテーブル21と熱交換され、以って前記ダストテーブル21上の液状ダストが冷却固化されるように構成されている。具体的には、図3(b)、(c)に示すように、前記ダストテーブル21またはその背面部に取り付けた温度センサによって検出された温度に基づいて、ポンプから圧送され前記冷媒流路230へ供給される冷却水の流量を調節する流量調整弁を制御するコントローラを設けることにより、前記ダストテーブル21の温度を管理して、前記ダストテーブル21に滴下する液状ダストを効率的に冷却固化するものである。尚、前記冷媒流路230を、炭素鋼に代えて耐熱耐食鋼を用いて構成することにより耐火物が不要になり、冷却効率を向上させることも可能である。
【0053】
さらに、SiCやSiNなどの耐火物を用いて形成された前記ゲート部25の背面にも炭素鋼などで区画形成された冷媒流路240(図3(a)に破線で示されている。)と、その冷媒流路240に冷媒としての冷却水を供給する冷媒供給機構241(241a、241b)を備えて構成され、冷媒供給管241aから供給された冷却水が前記冷媒流路240を循環して冷媒排出管241bから排出される過程で前記ゲート部25と熱交換され、以って前記ゲート部25の上面に滴下した液状ダストが冷却固化されるように構成されている。
【0054】
前記上部ハウジング250に形成されたダスト受入口252の周囲にはその周囲を冷却する冷媒流路254が配置され、前記収容部25hの出口側天井部に復動時に前記ゲート部25の上面に落下したダストを掻き落すスクレーパ255が設けられている。前記スクレーパ255は、前記冷媒流路254で冷却可能な領域に設置されるとともに、前記ダスト受入口252の縁部より若干内側上部、つまり、後燃焼空間からの輻射熱に直接影響されない位置に設けられ、例えば耐熱ステンレス鋼で構成することが可能である。
【0055】
前記ゲート部25の先端には押出作用部25aが姿勢変更可能に取り付けられ、前記ゲート部25が前記排出口22に向けて進出する往動時に前記押出作用部25aの下端部が前記ダストテーブル21と接触してダストを押し出し、前記ゲート部25が前記排出口22から引退する復動時に前記押出作用部25aが前記ダストテーブル21から離間するように姿勢切替機構26が設けられている。
【0056】
前記姿勢切替機構26は、図4(a),(b),(c)に示すように、前記押出作用部25aを前記ゲート部25に揺動自在に支持する左右一対の揺動支持機構26aと、前記押出作用部25aを前記ゲート部25に対して揺動駆動する揺動駆動機構26bとで構成される。前記揺動支持機構26aは、図4(a),(c)に示すように、前記ゲート部25の背面に設けられた冷媒流路240を構成する冷却ジャケット部に取り付けられた支持アーム260とその先端側に前記押出作用部25aの下端側を回転自在に軸支する揺動軸261とで構成される。前記揺動駆動機構26bは、図4(a),(b)に示すように、前記ゲート部25に取り付けられた駆動竿256の先端部と前記押出作用部25aの上端側をピン262で回転自在に連結するリンク機構263で構成される。
【0057】
前記ゲート部25の往動時には前記リンク機構263を介して前記駆動竿256により前記押出作用部25aが往動側に押し出される結果、前記押出作用部25aが前記揺動支持機構26aの揺動軸芯の右周りに揺動して垂直姿勢に起立し、その下端部が前記ダストテーブル21と接触し、前記ゲート部25の復動時には前記リンク機構263を介して前記駆動竿256により前記押出作用部25aが復動側に引っ張られる結果、前記押出作用部25aが前記揺動支持機構26aの揺動軸芯の左周りに揺動して傾斜姿勢(図4(b),(c)では一点鎖線で示される。)に姿勢変更され、その下端部が前記ダストテーブル21と離間するのである。
【0058】
上述の姿勢切替機構26を設けることにより、前記ゲート部25が排出口に向けて進出する往動時にはダストテーブル21に堆積して固化したダストがゲート部25先端の押出作用部25aの前端面により排出口22に押し出され、その後復動時にはゲート部25先端の押出作用部25aがダストテーブル21から離間した状態で排出口22から引退するので、押出作用部25aの後端面によりダストが引退側つまりハウジング内に引き込まれて堆積し、円滑な往復作動が妨げられるような事態の発生を回避することができる。尚、姿勢切替機構26を設けることは必須ではなく、設備をより安定に保つ点で好ましい実施形態である。
【0059】
上述の油圧機構による前記ゲート部25の往復駆動周期及び押出速度は、前記冷媒供給機構23,241による冷却効率との調整により決定することができ、前記ダストテーブル21に滴下した液状ダストの平均固化時間に対応する周期で往復駆動することにより効率的にダストを排出することができる。
【0060】
以下に別実施形態を説明する。姿勢切替機構26としては、図5(a),(b),(c)に示すように、前記ゲート部25と押出作用部25aを一体に形成し、前記ガイドレール28上を転動する車輪20の走行軌跡を往動時と復動時とで切り替えるように構成してもよい。つまり、図5(c)に示すように、前記ガイドレール28の一部にその軸心方向に沿って凸部28aを設けるとともに、前記ガイドレール28をその軸心回りに回転させる油圧式の回転作動機構(図示せず)を設けて、前記ゲート部25が後進端に位置するときに回転作動機構により前記凸部28aが側方を向くように回転させて往動させ、前記ゲート部25が前進端に到着したときに前記凸部28aが上方を向くように回転させて復動させるのである。前記ゲート部25が前進端か後進端か何れに位置するのかを検出する位置検出センサを設け、当該センサによる検出位置に基づいて回転作動機構を制御することにより実現できる。尚、この場合には、前記ゲート部25の上面が往復動により上下するため、前記収容部25hの出口側天井部に設けたスクレーパ255の先端位置が前記ゲート部25の復動時にその表面と接触する位置に調整される必要がある。
【0061】
上述の第二の実施形態では、ダストを受け止めるダストテーブル21が水平に配置されたものを説明したが、図6に示すように、平坦状のダストテーブル21が水平面Hに対して前記排出口22に向けて下方に僅かに傾斜するように配置されるものであってもよく、ダストテーブル21に滴下した液状ダストが冷却機構23により固化する前の流動性のある状態で、ダストテーブル21の傾斜面に沿って流下していくので、液状ダストがゲート部25の復動側に流下して固化するような異常な事態を招くような不都合が生じることを効果的に回避することができる。尚、傾斜角度は5度程度が好ましい。
【0062】
上述の実施形態では、本発明によるダスト排出装置が後燃焼室30や空気予熱器40及び空気加熱器45の底部に設けられるものを説明したが、本発明によるダスト排出装置が設置される排ガス処理装置はこれらに限定されるものではなく、液状ダストが滴下する可能性のある排ガス処理装置であれば他の排ガス処理装置にも設置可能である。さらには、減温塔に代えて空気予熱器の下流側に排ガスの保有熱を利用して蒸気を生成する廃熱ボイラを設けたものであれば、当該廃熱ボイラに本発明によるダスト排出装置を設置することも可能である。尚、本明細書においては廃熱ボイラも広義の排ガス処理装置として説明するものである。
【0063】
上述した何れのダスト排出装置であっても、液状ダストが冷却機構により冷却固化された後に排出されるので、大きな塊状のダストに成長するようなおそれがなく、従って、後段の排出経路で閉塞したり、その経路に配置された設備の故障を招くおそれも大幅に低減されるのである。
【0064】
上述した実施形態では、溶融炉として表面溶融炉を例に説明したが、電気溶融炉などの他の方式の溶融炉における排ガス処理設備で発生したダストを排出するダスト排出装置にも適用可能である。
【0065】
上述した各実施形態は、本発明の一実施例を説明するものに過ぎず、本発明の作用効果を奏する限りにおいて適宜細部の構成を変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】灰溶融システムの説明図
【図2】第一の実施形態によるダスト排出装置を示し、(a)は要部平面図、(b)は(a)のA−A矢視図、(c)は(b)のB−B矢視図
【図3】第二の実施形態によるプッシャ式のダスト排出装置を示し、(a)は要部平面図、(b)はゲート部が往動するときの要部断面図、(c)はゲート部が復動するときの要部断面図
【図4】第二の実施形態によるプッシャ式のダスト排出装置の要部を示し、(a)は要部底面図、(b)は(a)のC−C矢視図、(c)は(a)のD−D矢視図
【図5】姿勢切替機構の別実施形態を示し、(a)は要部平面図、(b)は要部概念図、(c)は要部概念図
【図6】別実施形態を示す要部断面図
【符号の説明】
【0067】
20:ダスト案内機構
21:ダストテーブル
22:排出口
23:冷却機構




 

 


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