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ポンプ設備 - 株式会社クボタ
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発明の名称 ポンプ設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23773(P2007−23773A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−202370(P2005−202370)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫
発明者 原 裕紀 / 深堀 賢久
要約 課題
ポンプの荷重を上下二箇所で分散して受けるとともに、地震等が発生した場合、ポンプ内のポンプ軸を支承している軸受部等が損傷するのを防止することが可能なポンプ設備を提供する。

解決手段
立軸ポンプ4は、上部支持手段7でポンプ床3に支持されるとともに、下部支持手段8で水槽2の底床2aに支持され、下部支持手段8は、鉛直方向の荷重を支持するとともに、横揺れにより生じるポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容し、且つ、横揺れが終息しても、上記水平方向の相対変位を残留させたままの状態にする水平方向変位許容体29を有し、水平方向変位許容体29は水平方向へ変形自在な積層ゴム30からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ポンプが上部および下部固定構造物に支持されたポンプ設備であって、
上記ポンプは、上部支持手段で上部固定構造物に支持されるとともに、下部支持手段で下部固定構造物に支持され、
下部支持手段と上部支持手段との少なくともいずれか一方の支持手段は水平方向変位許容体を有し、
水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに、上部又は下部固定構造物に作用する水平方向荷重により生じる上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向のずれに起因するポンプと上部又は下部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容し、且つ、上記水平方向荷重が作用しなくなっても、上記水平方向の相対変位を残留させたままの状態にするように構成されていることを特徴とするポンプ設備。
【請求項2】
下部固定構造物は水槽であり、
上部固定構造物は水槽の上部に設けられた床であり、
ポンプは、水槽内の水を排出するものであり、下部支持手段で水槽内に支持されるとともに、上部支持手段で水槽の上部の床に支持されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ設備。
【請求項3】
水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ変形自在な積層ゴムからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプ設備。
【請求項4】
水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ転動自在な転動体を有する転がり支承式、又は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ滑動自在な滑り体を有する滑り支承式のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプ設備。
【請求項5】
ポンプと上部又は下部固定構造物の間の水平方向の相対変位量が最大許容量を超過しないように規制する規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポンプ設備。
【請求項6】
上部支持手段と下部支持手段との少なくともいずれか一方の支持手段は、ポンプと上部又は下部固定構造物の間の鉛直方向の相対変位を許容する鉛直方向変位許容体を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のポンプ設備。
【請求項7】
鉛直方向変位許容体は、鉛直方向に弾性変形自在な弾性体と、弾性体の弾性力を調整する弾性調整手段とを有し、
上記弾性調整手段で弾性体の弾性力を調整することにより、上部支持手段で支持される鉛直方向の荷重と下部支持手段で支持される鉛直方向の荷重との割合を調整可能にしたことを特徴とする請求項6に記載のポンプ設備。
【請求項8】
水平方向変位許容体は水槽内の水に水没しない箇所に設けられていることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載のポンプ設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は排水機場等に設置されるポンプ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排水機場等には、図15に示すように、水槽91内に集められた雨水等の水を排水するポンプ設備92が設置されている。このポンプ設備92は立軸ポンプ93を有しており、この立軸ポンプ93は、水槽91の上部の床94に、防振装置95と補助防振装置96とを介して支持されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら上記の従来形式では、立軸ポンプ93の荷重は防振装置95と補助防振装置96とを介して上部の床94で支持されているため、既設の立軸ポンプ93を排水能力の大きな立軸ポンプ93に更新した場合、立軸ポンプ93の重量が増大することがあり、上部の床94の強度が不足する虞れがあった。また、新規にポンプ設備92を設置する場合であっても、立軸ポンプ93の荷重を全て上部の床94で支えるため、上部の床94を構築するための土木工事費用がかさむという問題もあった。
【0004】
このような問題の対策として、図16に示すように、立軸ポンプ100を上下二箇所で支持することにより、立軸ポンプ100の荷重を分散させて支持することが考えられた(下記特許文献2参照)。
【0005】
すなわち、立軸ポンプ100の下部に備えられた吸込ベルマウス101には、放射状に配列された複数の整流板102が設けられており、これら各整流板102は水槽103の底床103aに据付け固定されている。また、立軸ポンプ100の吐出ケーシング106の外周面には複数の支持具104が設けられ、これら各支持具104は水槽103の上部の床105に据付け固定されている。これにより、立軸ポンプ100の荷重の一部は各整流板102を介して水槽103の底床103aで受けられ、残りの荷重は各支持具104を介して上部の床105で受けられるため、立軸ポンプ100の荷重が上下二箇所に分散される。したがって、更新により立軸ポンプ100の重量が増大しても、上部の床105の強度不足を防止することができる。
【0006】
しかしながら上記の従来形式では、立軸ポンプ100の吐出ケーシング106が支持具104を介して上部の床105側に固定され、立軸ポンプ100の吸込ベルマウス101が整流板102を介して水槽103の底床103a側に固定されているため、例えば地震が発生して横揺れし、上部の床105と水槽103の底床103aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、ポンプ軸107に曲げ力が作用し、ポンプ軸107を支承している軸受部108等が損傷を被るといった問題がある。また、経年変化により、上部の床105と水槽103の底床103aとの間に水平方向のずれを生じた場合にも、上記と同様に、ポンプ軸107に曲げ力が作用し、ポンプ軸107を支承している軸受部108等が損傷を被るといった問題がある。
【0007】
さらに、上記のように立軸ポンプ100の荷重を分散させて支持する構成として、図17に示すように、立軸ポンプ111の荷重を水槽112の底床112aとポンプ床113と原動機床114の三箇所で分散支持するポンプ設備115がある(下記特許文献3参照)。立軸ポンプ111のベルマウス116と水槽112の底床112aとの間にはバネ117を介在させており、ポンプ118および揚水管119を搭載するポンプ架台120がバネ121を介在させてポンプ床113に支持され、原動機122を搭載した原動機架台123がバネ124を介在させて原動機床114に支持されている。
【0008】
しかしながら上記の従来形式では、地震等の発生により、水槽112の底床112aが立軸ポンプ111に対して一方向Aへずれた場合、図17の仮想線で示すようにバネ117が伸長するため、立軸ポンプ111のベルマウス116の部分(下端部)がバネ117の引張力(復元力)によって一方向Aへ引っ張られて変位する。同様に、ポンプ床113が立軸ポンプ111に対して他方向Bへずれた場合、バネ121が伸長するため、立軸ポンプ111の揚水管119の上部がバネ121の引張力(復元力)によって他方向Bへ引っ張られて変位する。したがって、地震等により、ポンプ床113と水槽112の底床112aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、各バネ117,121の引張力によって立軸ポンプ111の上部と下部とが互いに異なる水平方向へ引っ張られて変位してしまう虞れがある。これにより、ポンプ軸に曲げ力が作用し、ポンプ軸を支承している軸受部等が損傷を被るといった問題がある。また、図17に示した構造では、バネ117,121が水平方向に大きく変位すると、鉛直方向の荷重を十分に支えることができなくなる虞れがある。
【特許文献1】特開2000−320499
【特許文献2】特開平11−159491
【特許文献3】特開2005−61316
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ポンプの荷重を上下の固定構造物で分散して受けるとともに、地震やポンプ荷重を支持している固定構造物の経年変化などによって、ポンプと固定構造物との間に水平方向の相対的なずれが生じても、ポンプが損傷するのを防止することが可能なポンプ設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本第1発明は、ポンプが上部および下部固定構造物に支持されたポンプ設備であって、上記ポンプは、上部支持手段で上部固定構造物に支持されるとともに、下部支持手段で下部固定構造物に支持され、下部支持手段と上部支持手段との少なくともいずれか一方の支持手段は水平方向変位許容体を有し、水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに、上部又は下部固定構造物に作用する水平方向荷重により生じる上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向のずれに起因するポンプと上部又は下部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容し、且つ、上記水平方向荷重が作用しなくなっても、上記水平方向の相対変位を残留させたままの状態にするように構成されているものである。
【0011】
これによると、ポンプの荷重は、上部および下部支持手段を介して、上部固定構造物と下部固定構造物とに分散されて受けられる。したがって、更新によりポンプの重量が増大しても、上部固定構造物の強度不足を防止することができる。
【0012】
また、下部支持手段が水平方向変位許容体を有しているとすると、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、水平方向変位許容体がポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、上部固定構造物と下部固定構造物とがずれていれば、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、ポンプに従来のような力(バネの力等)が作用することはない。このため、ポンプの上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、ポンプの損傷、例えばポンプ内のポンプ軸を支承している軸受部等が損傷するのを防止することができる。
【0013】
また、上部支持手段が水平方向変位許容体を有している場合も同様であり、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、水平方向変位許容体がポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、上部固定構造物と下部固定構造物とがずれていれば、ポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、ポンプに従来のような力(バネの力等)が作用することはない。このため、ポンプの上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはない。
【0014】
さらに、上部支持手段と下部支持手段とがそれぞれ水平方向変位許容体を有している場合も同様であり、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、上部支持手段の水平方向変位許容体がポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容するとともに、下部支持手段の水平方向変位許容体がポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、上部固定構造物と下部固定構造物とがずれていれば、ポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、さらに、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位も残留したままとなって、ポンプに従来のような力(バネの力等)が作用することはない。このため、ポンプの上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはない。
【0015】
また、本第2発明は、下部固定構造物は水槽であり、上部固定構造物は水槽の上部に設けられた床であり、ポンプは、水槽内の水を排出するものであり、下部支持手段で水槽内に支持されるとともに、上部支持手段で水槽の上部の床に支持されているものである。
【0016】
これによると、ポンプの荷重は、上部および下部支持手段を介して、水槽の上部の床と水槽とに分散されて受けられる。
また、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、水槽の上部の床と水槽との水平方向の相対的な位置がずれた場合、水平方向変位許容体がポンプと水槽の間の水平方向の相対変位又はポンプと水槽の上部の床の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、水槽の上部の床と水槽とがずれていれば、ポンプと水槽の間の水平方向の相対変位又はポンプと水槽の上部の床の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、ポンプの上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはない。
【0017】
また、本第3発明は、水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ変形自在な積層ゴムからなるものである。
これによると、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、積層ゴムが、水平方向へ変形して、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息しても上部固定構造物と下部固定構造物とがずれていれば、積層ゴムの水平方向への変形状態が保たれ、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなる。
【0018】
また、本第4発明は、水平方向変位許容体は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ転動自在な転動体を有する転がり支承式、又は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ滑動自在な滑り体を有する滑り支承式のいずれかであるものである。
【0019】
これによると、水平方向変位許容体が転がり支承式である場合、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、転動体が、水平方向へ転動して、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息すると、転動体はその場で停止し、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなる。
【0020】
また、水平方向変位許容体が滑り支承式である場合、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用し、上部固定構造物と下部固定構造物との水平方向の相対的な位置がずれた場合、滑り体が、水平方向へ滑動して、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息すると、滑り体はその場で停止し、ポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位又はポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位は残留したままとなる。
【0021】
また、本第5発明は、ポンプと上部又は下部固定構造物の間の水平方向の相対変位量が最大許容量を超過しないように規制する規制手段が設けられているものである。
これによると、ポンプと上部固定構造物の間の水平方向の相対変位量又はポンプと下部固定構造物の間の水平方向の相対変位量は、規制手段によって、最大許容量を超過しないように規制される。これにより、水平方向に過大な相対変位が発生して鉛直方向の荷重を十分に支持できなくなるといった問題を防止し得る。
【0022】
また、本第6発明は、上部支持手段と下部支持手段との少なくともいずれか一方の支持手段は、ポンプと上部又は下部固定構造物の間の鉛直方向の相対変位を許容する鉛直方向変位許容体を有しているものである。
【0023】
これによると、地震等により縦揺れが発生したり或いは液状化現象等に伴う地盤沈下で上部固定構造物と下部固定構造物との鉛直方向の相対的な位置がずれた場合、ポンプと上部固定構造物の間の鉛直方向の相対変位又はポンプと下部固定構造物の間の鉛直方向の相対変位は鉛直方向変位許容体によって許容される。
【0024】
また、本第7発明は、鉛直方向変位許容体は、鉛直方向に弾性変形自在な弾性体と、弾性体の弾性力を調整する弾性調整手段とを有し、上記弾性調整手段で弾性体の弾性力を調整することにより、上部支持手段で支持される鉛直方向の荷重と下部支持手段で支持される鉛直方向の荷重との割合を調整可能にしたものである。
【0025】
これによると、上部固定構造物と下部固定構造物との強度等に応じて、上部支持手段で支持される鉛直方向の荷重と下部支持手段で支持される鉛直方向の荷重との割合を調整することができるため、ポンプを無理なく上部固定構造物と下部固定構造物とで支持することができる。
【0026】
また、本第8発明は、水平方向変位許容体は水槽内の水に水没しない箇所に設けられているものである。
これによると、水と共に水槽内に流れ込んだ異物が水平方向変位許容体に及ぼす悪影響を排除することができ、水平方向変位許容体が確実に機能する。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によると、ポンプの荷重は上部固定構造物と下部固定構造物とに分散されて受けられるため、更新によりポンプの重量が増大する場合には、上部固定構造物の強度不足を防止することができる。また、新規にポンプを設置する場合には、上部固定構造物の必要強度を低減することができる。
【0028】
さらに、地震等の横揺れにより上部又は下部固定構造物に水平方向荷重が作用しても、ポンプの上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、ポンプが損傷するのを防止することができる。尚、上記の説明では、地震による水平方向荷重が作用する場合について記載したが、経年変化により上部固定構造物と下部固定構造物との間に水平方向のずれを生じた場合でも、上記と同様に、ポンプの損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明における実施の形態を図面に基いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3に示すように、1は排水機場に設置されたポンプ設備であり、水槽2(下部固定構造物の一例)と、水槽2の上部に設けられたポンプ床3(上部固定構造物の一例)と、水槽2内に集められた雨水等の水Wを排出する立軸ポンプ4とが備えられている。上記立軸ポンプ4は、上部支持手段7でポンプ床3に支持されているとともに、下部支持手段8で水槽2の底床2aに支持されている。
【0030】
また、立軸ポンプ4は、回転自在な羽根車11と、羽根車11を収納するポンプケーシング12と、ポンプケーシング12の下部に接続された吸込管13と、ポンプケーシング12の上部に接続された排水管14と、羽根車11を回転させるモータや減速機等からなる駆動装置15とを有している。排水管14内にはポンプ軸16が挿通されており、ポンプ軸16の下端部が羽根車11に接続され、ポンプ軸16の上端部が駆動装置15に接続されている。上記ポンプ軸16は上下複数の軸受部17,18によって回転自在に支承されている。
【0031】
尚、排水管14は、縦管部14aと、縦管部14aの上部に設けられて縦方向から横方向へ90°湾曲した曲管部14bとから構成されており、ポンプ床3に形成された貫通孔21に挿通されている。また、排水管14の上端部には、水平方向に配設された吐出配管19の一端が接続されている。吐出配管19の他端は上記水槽2とは別に設けられた吐出水槽20に接続されている。
【0032】
上記上部支持手段7は、排水管14の縦管部14aの外周部を取り巻くように設けられた円環状の台板23で構成されている。台板23はポンプ床3に植設された複数の基礎ボルト24とナット25とによってポンプ床3に連結固定されている。また、台板23上には、駆動装置15を保持する保持台26が備えられている。
【0033】
上記下部支持手段8は、吸込管13の下部から下方へ垂設された複数本(例えば4本)の脚28と、脚28と水槽2の底床2aとの間に介在させた水平方向変位許容体29とを有している。水平方向変位許容体29は、鉛直方向の荷重を支持するとともに、横揺れにより生じる水槽2の底床2aとポンプ床3との水平方向のずれに起因する立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容し、且つ、上記横揺れが終息しても、上記水平方向の相対変位を残留させたままの状態にするものであり、例えば水平方向へ変形自在な積層ゴム30を用いている。
【0034】
上記積層ゴム30は、鋼板製の上下一対の取付用板31,32と、両取付用板31,32間に挟まれた積層体33と、積層体33の外周を覆う被覆ゴム34とで構成されている。上記積層体33は複数の薄いゴムシート33aと鋼板33bとを交互に積層して形成されている。上部の取付用板31は脚28の下端部にボルトとナット(図示せず)等により連結されており、下部の取付用板32は、水槽2の底床2aに植設された基礎ボルトとナット(図示せず)等により、底床2aに連結されている。
【0035】
以下、上記構成における作用を説明する。
立軸ポンプ4の荷重は、上部および下部支持手段7,8を介して、ポンプ床3と水槽2の底床2aとに分散されて受けられる。したがって、更新により立軸ポンプ4の重量が増大しても、ポンプ床3の強度不足を防止することができる。
【0036】
また、図3に示すように、地震等の横揺れによりポンプ床3又は水槽2の底床2aに水平方向荷重が作用し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向の相対的な位置がA方向とB方向へずれた場合、水平方向変位許容体29の積層ゴム30が水平方向へ変形して立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、ポンプ床3と水槽2の底床2aとがずれていれば、積層ゴム30が水平方向へ変形したままであり、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、実質的には立軸ポンプ4に従来のような力(バネの力等)が作用することはない。(この際、積層ゴム30の水平方向への変位に伴って非常に微小な反力は作用するが、立軸ポンプ4の構造強度に対して無視できる程度の影響のないレベルのものである。)このため、立軸ポンプ4の上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、立軸ポンプ4の損傷、例えばポンプ軸16を支承している軸受部17,18等が損傷するのを防止することができる。
【0037】
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、水槽2の底床2aに1台の積層ゴム30を据付け、この積層ゴム30上に複数本の脚28を立設しているが、脚28と同数の積層ゴム30を水槽2の底床2aに据付け、各々の積層ゴム30上に脚28を一本ずつ立設してもよい。
【0038】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、積層ゴム30からなる水平方向変位許容体29を下部支持手段8に設けているが、本第2の実施の形態では、図4,図5に示すように、上記水平方向変位許容体29を上部支持手段7に設けている。すなわち、積層ゴム30が、台板23とポンプ床3との間に、立軸ポンプ4の周方向において複数台(例えば4台)配置されている。各積層ゴム30の上部の取付用板31は台板23の下面にボルトとナット(図示せず)等により連結されており、下部の取付用板32は、ポンプ床3に植設された基礎ボルトとナット(図示せず)等により、ポンプ床3に連結されている。
【0039】
各脚28の下端部は、基礎ボルト38とナット39により、上記底床2aに連結固定されている。また、排水管14と吐出配管19との間には可撓管37(撓み管)が接続されている。
【0040】
以下、上記構成における作用を説明する。
地震等の横揺れによりポンプ床3又は水槽2の底床2aに水平方向荷重が作用し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、積層ゴム30が水平方向へ変形して立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位を許容する。そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、ポンプ床3と水槽2の底床2aとがずれていれば、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、立軸ポンプ4に従来のような力が作用することはない。このため、立軸ポンプ4の上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、立軸ポンプ4の損傷、例えばポンプ軸16を支承している軸受部17,18等が損傷するのを防止することができる。
【0041】
また、水平方向変位許容体29を台板23とポンプ床3との間の箇所(水槽2内の水Wに水没しない箇所の一例)に設けているため、水と共に水槽2内に流れ込んだゴミ等の異物が水平方向変位許容体29に及ぼす悪影響を排除することができ、水平方向変位許容体29が確実に機能する。
【0042】
上記第2の実施の形態では、下部支持手段8の一例として、複数の脚28を吸込管13に設け、各脚28の下端部を水槽2の底床2aに固定しているが、図4の仮想線で示すように、上記脚80を排水管14の下部やポンプケーシング12に設けてもよい。また、水平方向の下部支持フレーム81をポンプケーシング12に設け、この下部支持フレーム81の先端を水槽2の側壁2bに固定してもよい。
【0043】
尚、図5に示すように、積層ゴム30を立軸ポンプ4の周方向において4台設けているが、4台に限定されるものではない。
(第3の実施の形態)
図6に示すように、本第3の実施の形態では、水平方向変位許容体29を上部支持手段7と下部支持手段8との両者に設けている。尚、吐出反力を受けるために、吐出配管19は固定フレーム40によってポンプ床3とは別の構造物36に固定されている。
【0044】
これによると、地震等の横揺れによりポンプ床3又は水槽2の底床2aに水平方向荷重が作用し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、上部支持手段7の積層ゴム30が水平方向へ変形して立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位を許容するとともに、下部支持手段8の積層ゴム30が水平方向へ変形して立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容する。
【0045】
そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなっても、ポンプ床3と水槽2の底床2aとがずれていれば、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、さらに、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位も残留したままとなって、立軸ポンプ4に従来のような力が作用することはない。このため、立軸ポンプ4の上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、立軸ポンプ4の損傷、例えばポンプ軸16を支承している軸受部17,18等が損傷するのを防止することができる。
【0046】
(第4の実施の形態)
図7に示すように、上部支持手段7には転がり支承式の水平方向変位許容体29が複数設けられている。これら水平方向変位許容体29は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ転動自在なボール41(転動体の一例)を有するボールベアリング42で構成されている。これらボールベアリング42はそれぞれ台板23の下面に取付けられている。
【0047】
また、各ボール41は、ポンプ床3の上面の複数箇所に取付けられた円形状の受板44に受けられて、各受板44上を転動する。各受板44の上面は平坦である。また、各受板44の周縁部には、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位量が最大許容量Cを超過しないように規制するストッパー45(規制手段の一例)が設けられている。
【0048】
尚、各脚28の下端部は、基礎ボルト38とナット39により、水槽2の底床2aに連結固定されている。
これによると、地震等の横揺れによりポンプ床3又は水槽2の底床2aに水平方向荷重が作用し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、水平方向変位許容体29の各ボール41が、各受板44上を水平方向へ転動して、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位を許容する。
【0049】
そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなると、各ボール41はその場で停止し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとがずれていれば、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、立軸ポンプ4に従来のような力が作用することはない。このため、立軸ポンプ4の上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、立軸ポンプ4の損傷、例えはポンプ軸16を支承している軸受部17,18等が損傷するのを防止することができる。
【0050】
また、ボール41の転動はストッパー45の範囲内に限定されるため、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位量は、ストッパー45によって、最大許容量を超過しないように規制される。これにより、立軸ポンプ4とポンプ床3の間で、水平方向に過大な相対変位が発生して鉛直方向の荷重を十分に支持できなくなることを防止し得る。
【0051】
上記第4の実施の形態では、ボールベアリング42からなる水平方向変位許容体29を上部支持手段7に設けているが、下部支持手段8に設けてもよい。この場合、複数のボールベアリング42が各脚28の下端部に取付けられ、各受板44が水槽2の底床2aに取付けられる。尚、台板23は、基礎ボルト24とナット25により、ポンプ床3に連結固定されている。
【0052】
これによると、ボール41が受板44上を水平方向へ転動して立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容する。さらに、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間で、水平方向に過大な相対変位が発生して鉛直方向の荷重を十分に支持できなくなることを防止し得る。
【0053】
また、上記ボールベアリング42からなる水平方向変位許容体29を下部支持手段8と上部支持手段7との両者に設けてもよい。
尚、規制手段は水平方向変位許容体29以外の場所、例えば排水管14とポンプ床3との間に、直接水平方向の相対変位量を規制するように設けてもよい。
(第5の実施の形態)
図8に示すように、上部支持手段7には滑り支承式の水平方向変位許容体29が複数設けられている。これら水平方向変位許容体29は、鉛直方向の荷重を支持するとともに水平方向へ滑動自在な滑り体48が取付板49の下面に取付けられているものである。これら取付板49はそれぞれ台板23の下面に取付けられている。上記各滑り体48は、受板44に受けられて各受板44上を滑動するものであり、受板44に対して摩擦抵抗の小さい材質で製作されている。
【0054】
これによると、地震等の横揺れによりポンプ床3又は水槽2の底床2aに水平方向荷重が作用し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向の相対的な位置がずれた場合、水平方向変位許容体29の各滑り体48が、各受板44上を水平方向へ滑動して、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位を許容する。
【0055】
そして、上記横揺れが終息して水平方向荷重が作用しなくなると、各滑り体48はその場で停止し、ポンプ床3と水槽2の底床2aとがずれていれば、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の水平方向の相対変位は残留したままとなり、立軸ポンプ4に従来のような力が作用することはない。このため、立軸ポンプ4の上部と下部とが相対的に水平方向へ変位することはなく、これにより、立軸ポンプ4の損傷、例えばポンプ軸16を支承している軸受部17,18等が損傷するのを防止することができる。
【0056】
また、滑り体48の滑動はストッパー45の範囲内に限定されるため、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位量は最大許容量Cを超過しないように規制される。
【0057】
上記第5の実施の形態では、滑り体48を有する水平方向変位許容体29を上部支持手段7に設けているが、下部支持手段8に設けてもよい。この場合、複数の滑り体48が取付板49を介して各脚28の下端部に取付けられ、各受板44が水槽2の底床2aに取付けられる。
【0058】
これによると、滑り体48が受板44上を水平方向へ滑動して立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の水平方向の相対変位を許容する。さらに、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間で、水平方向に過大な相対変位が発生して鉛直方向の荷重を十分に支持できなくなることを防止し得る。
【0059】
また、上記滑り体48を有する水平方向変位許容体29を下部支持手段8と上部支持手段7との両者に設けてもよい。
尚、規制手段は水平方向変位許容体29以外の場所、例えば排水管14とポンプ床3との間に、直接水平方向の相対変位量を規制するように設けてもよい。
(第6の実施の形態)
図9,図10に示すように、下部支持手段8は、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の鉛直方向の相対変位を許容する複数の鉛直方向変位許容体52を有している。各鉛直方向変位許容体52は、鉛直方向に弾性変形自在な複数の圧縮コイルばね53(弾性体の一例)と、各ばね53の弾性力を調整する弾性調整手段54とを有している。
【0060】
上記各ばね53は上下一対のばね受け板55,56間に挟まれて保持されている。上部のばね受け板55の上方には、フレーム57を介して上部の取付板58が設けられている。また、下部のばね受け板56の下方には、フレーム59を介して下部の取付板60が設けられている。
【0061】
上記弾性調整手段54は、両端部が上下両ばね受け板55,56の貫通孔61に挿通された複数のボルト62と、各ボルト62の下端に螺合したナット63とで構成されている。上記各ボルト62はばね53の中心に挿通されており、ばね53を交換することで弾性力を調整することができ、これにより、ポンプ床3と水槽2の底床2aとにかかる荷重の分担割合を調整することができる。
【0062】
また、上部のばね受け板55と下部のばね受け板56との最大上下間隔Smaxはボルト62とナット63とにより規定されており、ボルト62又はナット63を回すことにより、最大上下間隔Smaxが拡縮されるので、鉛直上向き方向の最大許容変位を調整することができる。尚、図10の実線は鉛直方向変位許容体52を据え付けて静止させた状態を示しており、この状態では、立軸ポンプ4の静止荷重がかかって各ばね53が圧縮され、ばね53に対して下向きに作用する荷重とばね53の伸長力とがバランスしている。この際、両ばね受け板55,56の上下間隔Sは上記最大上下間隔Smaxよりも縮小され、これにより、鉛直方向変位許容体52の鉛直上向き方向の最大許容変位量は最大上下間隔Smaxから上下間隔Sを差し引いた値(=Smax−S)となる。
【0063】
上部の取付板58は各脚28の下端部に取付けられ、下部の取付板60は積層ゴム30の上部の取付用板31に取付けられており、これにより、各鉛直方向変位許容体52が水平方向変位許容体29と各脚28との上下間に装着される。
【0064】
これによると、地震等により縦揺れが発生したり或いは液状化現象等に伴う地盤沈下でポンプ床3と水槽2の底床2aとの鉛直方向の相対的な位置がずれた場合、各鉛直方向変位許容体52のばね53が鉛直方向に伸縮(弾性変形)することで、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の鉛直方向の相対変位が許容される。
【0065】
上記第6の実施の形態では、鉛直方向変位許容体52を、水平方向変位許容体29と各脚28との上下間に装着しているが、立軸ポンプ4の吸込管13と各脚28との上下間に装着してもよい。
【0066】
上記第6の実施の形態では、複数の鉛直方向変位許容体52を、下部支持手段8に具備しているが、図4に示したポンプ設備1の上部支持手段7に具備してもよい。この場合、例えば上部の取付板58が台板23の下面に取付けられ、下部の取付板60がポンプ床3に設置された積層ゴム30の上部の取付用板31に取付けられ、これにより、各鉛直方向変位許容体52が台板23と水平方向変位許容体29との上下間に装着される。これによると、ばね53が鉛直方向に伸縮することで、立軸ポンプ4とポンプ床3の間の鉛直方向の相対変位が許容される。
(第7の実施の形態)
図11に示すように、複数の鉛直方向変位許容体52を上部支持手段7と下部支持手段8との両者に具備している。
【0067】
これによると、立軸ポンプ4の荷重は、上部および下部支持手段7,8を介して、ポンプ床3と水槽2の底床2aとに分散されて受けられる。
この場合、上部と下部との各鉛直方向変位許容体52のばね53を交換してばね53の弾性係数を変えることにより、上部支持手段7と下部支持手段8との荷重分担割合を調整することができる。例えば、ポンプ設置時に、同寸法だけ上部および下部の鉛直方向変位許容体52のばね53が圧縮される場合、上部の鉛直方向変位許容体52に、下部の鉛直方向変位許容体52のばね53よりも弾性係数の大きなばね53を用いることによって、上部支持手段7で支持される鉛直方向の荷重の割合が増加するとともに、下部支持手段8で支持される鉛直方向の荷重の割合が減少する。
【0068】
反対に、上部の鉛直方向変位許容体52に、下部の鉛直方向変位許容体52のばね53よりも弾性係数の小さなばね53を用いることによって、上部支持手段7で支持される鉛直方向の荷重の割合が減少するとともに、下部支持手段8で支持される鉛直方向の荷重の割合が増加する。
【0069】
さらに、下部の鉛直方向変位許容体52の弾性調整手段54のボルト62又はナット63を回して、両ばね受け板55,56の上下間隔Sを、図10の実線で示したばね53に対して下向きに作用する荷重とばね53の伸長力とがバランスしている状態から強制的に縮小した場合、縮小した分だけ立軸ポンプ4の位置が下降し、上部の鉛直方向変位許容体52の上下間隔Sが縮小される。これにより、上部の鉛直方向変位許容体52のばね53が圧縮され、上部支持手段7の荷重分担割合が増大する。
【0070】
反対に、上部の鉛直方向変位許容体52の弾性調整手段54のボルト62又はナット63を回して、両ばね受け板55,56の上下間隔Sを、図10の実線で示したばね53に対して下向きに作用する荷重とばね53の伸長力とがバランスしている状態から強制的に縮小した場合、縮小した分だけ立軸ポンプ4の位置が下降し、下部の鉛直方向変位許容体52の上下間隔Sが縮小される。これにより、下部の鉛直方向変位許容体52のばね53が圧縮され、下部支持手段8の荷重分担割合が増大する。このように、上部および下部の各鉛直方向変位許容体52の両ばね受け板55,56の上下間隔Sを変えることによっても、上部支持手段7と下部支持手段8との荷重分担割合を調整することができる。
(第8の実施の形態)
上記第7の実施の形態では、積層ゴム30を用いた水平方向変位許容体29とばね53を用いた鉛直方向変位許容体52とを組み合わせているが、本第8の実施の形態として、図12に示すように、ボールベアリング42を用いた転がり支承式の水平方向変位許容体29と上記ばね53を用いた鉛直方向変位許容体52とを組み合わせてもよい。
(第9の実施の形態)
上記第7の実施の形態では、積層ゴム30を用いた水平方向変位許容体29とばね53を用いた鉛直方向変位許容体52とを組み合わせているが、本第9の実施の形態として、図13に示すように、滑り体48を用いた滑り支承式の水平方向変位許容体29と上記ばね53を用いた鉛直方向変位許容体52とを組み合わせてもよい。
(第10の実施の形態)
上記第6〜第9の実施の形態の鉛直方向変位許容体52は弾性体の一例として圧縮コイルばね53を有しているが、本第10の実施の形態では、図14に示すように、鉛直方向変位許容体52は、弾性体の一例であるゴム部材67と、ゴム部材67の鉛直方向の弾性係数を調整する弾性調整手段68とを有している。
【0071】
上記ゴム部材67は上下一対のゴム受け板69,70間に挟まれて設けられている。また、上記弾性調整手段68は、下部のゴム受け板70に立設された一対の縦板部71と、各縦板部71に形成されたねじ穴72に水平方向からねじ込まれたボルト73と、ボルト73の先端に係合部材74と被係合部材75とを介して取付けられた調整板76とで構成されている。
【0072】
上記調整板76はゴム部材67の両側方に対向して配置されている。また、上記係合部材74は、ボルト73の径よりも大きな径の円板状に形成されて、ボルト73の先端に設けられており、円環状の被係合部材75に嵌め込まれてボルト73の軸心方向で係合している。このような係合構造により、ボルト73を回した際、調整板76に対してボルト73のみが回転しながら、調整板76がボルト73の軸心方向へ移動可能となる。
【0073】
上部のゴム受け板69は各脚28の下端部に取付けられ、下部のゴム受け板70は積層ゴム30の上部の取付用板31に取付けられており、これにより、各鉛直方向変位許容体52が水平方向変位許容体29と各脚28との上下間に装着される。
【0074】
これによると、地震等により縦揺れが発生したり或いは液状化現象等に伴う地盤沈下でポンプ床3と水槽2の底床2aとの鉛直方向の相対的な位置がずれた場合、各鉛直方向変位許容体52のゴム部材67が鉛直方向に伸縮(弾性変形)することで、立軸ポンプ4と水槽2の底床2aの間の鉛直方向の相対変位が許容される。
【0075】
上記第10の実施の形態では、複数の鉛直方向変位許容体52を、下部支持手段8に具備しているが、図4に示したポンプ設備1の上部支持手段7に具備してもよい。この場合、例えば上部のゴム受け板69が台板23の下面に取付けられ、下部のゴム受け板70がポンプ床3に設置された積層ゴム30の上部の取付用板31に取付けられ、これにより、各鉛直方向変位許容体52が水平方向変位許容体29と台板23との上下間に装着される。
【0076】
また、複数の鉛直方向変位許容体52を上部支持手段7と下部支持手段8との両者に具備してもよい。この場合、弾性調整手段68のボルト73を締め込んで、調整板76をゴム部材67の側面に当接させることにより、ゴム部材67の自由表面積が減少して、ゴム部材67の見かけの弾性係数が大きくなるため、鉛直方向変位許容体52のばね剛性が高くなる。反対に、ボルト73を緩めると、調整板76とゴム部材67との接触面積が減り、ゴム部材67の自由表面積が増加して、ゴム部材67の見かけの弾性係数が小さくなるため、鉛直方向変位許容体52のばね剛性が低くなる。
【0077】
例えば、上部支持手段7の鉛直方向変位許容体52のばね剛性を高くするか、或いは、下部支持手段8の鉛直方向変位許容体52のばね剛性を低くした場合、上部支持手段7で支持される鉛直方向の荷重の割合が増加するとともに、下部支持手段8で支持される鉛直方向の荷重の割合が減少する。反対に、上部支持手段7の鉛直方向変位許容体52のばね剛性を低くするか、或いは、下部支持手段8の鉛直方向変位許容体52のばね剛性を高くした場合、上部支持手段7で支持される鉛直方向の荷重の割合が減少するとともに、下部支持手段8で支持される鉛直方向の荷重の割合が増加する。
【0078】
したがって、ポンプ床3と水槽2の底床2aとの強度等に応じて、上部支持手段7で支持される鉛直方向の荷重と下部支持手段8で支持される鉛直方向の荷重との割合を調整することにより、立軸ポンプ4を無理なくポンプ床3と水槽2の底床2aとで支持することができる。
【0079】
上記第10の実施の形態では、鉛直方向変位許容体52を、積層ゴム30を用いた水平方向変位許容体29と組み合わせて設けているが、ボールベアリング42を用いた転がり支承式の水平方向変位許容体29と組み合わせて設けてもよく、また、滑り体48を用いた滑り支承式の水平方向変位許容体29と組み合わせて設けてもよい。
【0080】
上記各実施の形態では、ポンプの一例として立軸ポンプ4を設けたが、その他の形式のポンプ、例えば横軸ポンプ等でもよい。
上記各実施の形態では、脚28を4本設けているが、4本に限定されるものではない。
【0081】
上記各実施の形態では、地震力によるポンプ床3と水槽2の底床2aとの水平方向のずれに起因して、立軸ポンプ4とポンプ床3との間に水平方向の相対変位を生じた場合又は立軸ポンプ4と水槽2の底床2aとの間に水平方向の相対変位を生じた場合について説明したが、上記地震力に限定されるものではなく、例えば、ポンプ床3と水槽2の経年変化による水平方向の変位(ポンプ床3と水槽2の外部支持地盤の変化や内部応力等による変位)であっても同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図2】図1におけるX−X矢視図である。
【図3】同、ポンプ設備の断面図であり、水槽の底床とポンプ床とが水平方向へずれた状態を示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図5】図4におけるX−X矢視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図10】同、ポンプ設備の鉛直方向変位許容体の拡大図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態におけるポンプ設備の断面図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態におけるポンプ設備の下部支持手段の図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態におけるポンプ設備の下部支持手段の図である。
【図14】本発明の第10の実施の形態におけるポンプ設備の鉛直方向変位許容体の拡大図である。
【図15】従来のポンプ設備の図であり、立軸ポンプを上部一箇所で支持した形式のものである。
【図16】従来のポンプ設備の図であり、立軸ポンプを上下二箇所で支持した形式のものである。
【図17】従来のポンプ設備の図であり、立軸ポンプをバネを介して支持した形式のものである。
【符号の説明】
【0083】
1 ポンプ設備
2 水槽(下部固定構造物)
3 ポンプ床(上部固定構造物)
4 立軸ポンプ
7 上部支持手段
8 下部支持手段
29 水平方向変位許容体
30 積層ゴム
41 ボール(転動体)
45 ストッパー(規制手段)
48 滑り体
52 鉛直方向変位許容体
53 ばね(弾性体)
54 弾性調整手段
67 ゴム部材(弾性体)
68 弾性調整手段
W 水




 

 


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