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発明の名称 遊星ローラねじ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−170508(P2007−170508A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−367498(P2005−367498)
出願日 平成17年12月21日(2005.12.21)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
発明者 高橋 大樹
要約 課題
ねじ軸とローラとの間及びナットとローラとの間に相対的な滑りが生じても、損傷が生じにくく長寿命な遊星ローラねじを提供する。

解決手段
遊星ローラねじは、ねじ溝1aが外周面に形成されたねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対向するねじ溝2aが内周面に形成されたナット2と、両ねじ溝1a,2a間に転動自在に介装された複数のローラ3からなるローラ列と、ナット2に嵌合された2つの歯車4,4と、を備えている。歯車4,4は、前記ローラ列のうち両端のローラ3’,3’に形成された歯とそれぞれ噛み合っている。ねじ軸1のねじ溝1a,ナット2のねじ溝2a,及びローラ3の転動面3aの少なくとも一つには、二硫化モリブデン,有機モリブデン化合物,軟質金属,及び高分子材料の少なくとも1種からなる固体潤滑被膜が被覆されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
螺旋状に連続するねじ溝が外周面に形成されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成されたナットと、前記両ねじ溝間に転動自在に介装された複数のローラと、を備え、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転運動により、前記ローラの転動を介して、前記ねじ軸と前記ナットとが軸方向へ相対移動するようになっている遊星ローラねじにおいて、
前記ねじ軸のねじ溝,前記ナットのねじ溝,及び前記ローラの転動面の少なくとも一つに、二硫化モリブデン,有機モリブデン化合物,軟質金属,及び高分子材料の少なくとも1種からなる固体潤滑被膜を被覆したことを特徴とする遊星ローラねじ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は遊星ローラねじに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊星ローラねじとしては、螺旋状のねじ溝が外周面に形成されたねじ軸と、ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成されたナットと、両ねじ溝間に転動自在に介装された複数のローラからなるローラ列と、を備え、ローラ列のうち両端のローラを回転自在に支持する保持器がねじ軸とナットとの間に介装され、ローラ列のうち両端のローラに形成された歯と噛み合う歯車がねじ軸又はナットに嵌合されたものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
また、従来の遊星ローラねじの潤滑法としては、通常はグリース潤滑や油潤滑が採用されていた。
【特許文献1】米国特許第2683379号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述のような従来の遊星ローラねじは、作動中に以下のような問題が生じる場合があった。すなわち、ねじ軸又はナットとローラとの間に軸方向の滑りが生じる場合があった。また、ねじ溝の直角断面で考えた場合には、ねじ軸とローラ、及び、ナットとローラは、有効径近傍においてはほぼ純転がりの相対運動となるが、有効径から外れた範囲においては差動滑りが生じる。
これは、ボールねじにおいて、ねじ軸又はナットとボールとの接点近傍においては純転がりの相対運動となるが、接触楕円縁に近づくにつれて差動滑りが大きくなるのと同じ原理である。
【0004】
このように、従来の遊星ローラねじにおいては、その機構上、ねじ軸とローラとの間及びナットとローラとの間に相対的な滑りが生じるので、その影響から、要求される寿命よりも早期に損傷が生じるおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来の遊星ローラねじが有する問題点を解決するものであり、ねじ軸とローラとの間及びナットとローラとの間に相対的な滑りが生じても、損傷が生じにくく長寿命な遊星ローラねじを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の遊星ローラねじは、螺旋状に連続するねじ溝が外周面に形成されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝が内周面に形成されたナットと、前記両ねじ溝間に転動自在に介装された複数のローラと、を備え、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転運動により、前記ローラの転動を介して、前記ねじ軸と前記ナットとが軸方向へ相対移動するようになっている遊星ローラねじにおいて、前記ねじ軸のねじ溝,前記ナットのねじ溝,及び前記ローラの転動面の少なくとも一つに、二硫化モリブデン,有機モリブデン化合物,軟質金属,及び高分子材料の少なくとも1種からなる固体潤滑被膜を被覆したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遊星ローラねじは、ねじ軸とローラとの間及びナットとローラとの間に相対的な滑りが生じても、損傷が生じにくく長寿命である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る遊星ローラねじの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明に用いる各図においては、同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。
〔第一実施形態〕
図1は、第一実施形態の遊星ローラねじを軸方向に平行な平面で破断した断面図である。図1に示すように、本実施形態の遊星ローラねじは、螺旋状に連続する断面略V字状のねじ溝1aが外周面に形成されたねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対向する断面略V字状のねじ溝2aが内周面に形成されたナット2と、両ねじ溝1a,2a間に転動自在に介装された複数のローラ3からなるローラ列と、ナット2の内周面に嵌合された2つの歯車4,4と、を備えている。両ねじ溝1a,2a及びローラ3のねじれ方向は、全て同じ方向である。
【0008】
歯車4,4は、軸方向に離れて配されており、前記ローラ列のうち両端のローラ3’,3’に形成された歯6とそれぞれ噛み合っている。そして、ねじ軸1とナット2との相対回転運動により、ローラ3の転動を介して、ねじ軸1とナット2とが軸方向へ相対移動するようになっている。
この遊星ローラねじには2つの環状保持器5,5が備えられており、ねじ軸1とナット2との間で且つ両端のローラ3’,3’の軸方向外側に介装されている。環状保持器5,5には周方向に沿って複数のローラ支持孔5aが設けられており、両端のローラ3’,3’に設けられた軸方向外側に突出する突起7をローラ支持孔5aに挿通することにより、環状保持器5,5はローラ3’,3’を回転自在に支持している。なお、ローラ支持孔5aは、貫通孔であってもよいし、有底孔であってもよい。
【0009】
さらに、ナット2における環状保持器5,5の軸方向外側には、環状保持器5,5と接触するように抜け止めリング9が取り付けられていて、ローラ3’の突起7が環状保持器5のローラ支持孔5aから抜けることが防止されている。また、抜け止めリング9は、環状保持器5及びローラ3全体がナット2に対して軸方向に位置ズレしたり、環状保持器5が遊星ローラねじから脱落することを防ぐ機能も有している。この抜け止めリング9は、ナット2と一体のものでもよいし、別体の部材でもよい。
【0010】
さらに、ねじ軸1のねじ溝1a,ナット2のねじ溝2a,及びローラ3の転動面3aの少なくとも一つには、二硫化モリブデン,有機モリブデン化合物,軟質金属,及び高分子材料の少なくとも1種からなる固体潤滑被膜(図示せず)が被覆されている。この固体潤滑被膜は、ねじ軸1のねじ溝1a,ナット2のねじ溝2a,及びローラ3の転動面3aのうちいずれか一つに被覆してもよいし、前記3カ所のうち2カ所に被覆してもよいし、前記3カ所全てに被覆してもよい。
【0011】
本実施形態の遊星ローラねじは上記のような固体潤滑被膜を備えているので、ねじ軸1とローラ3との間及びナット2とローラ3との間に相対的な滑りが生じても、損傷が生じにくく長寿命である。
有機モリブデン化合物の具体例としては、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン,硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデンがあげられる。また、軟質金属の具体例としては、金,銀,鉛,亜鉛,錫,インジウムがあげられる。さらに、高分子材料の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PTA)があげられる。
【0012】
ただし、固体潤滑被膜は、金属酸化物,金属窒化物,金属炭化物,粘土鉱物,チタン酸ジルコン酸鉛(PZT),固体潤滑剤で構成されるものでもよい。金属酸化物の具体例としては、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,TiO2 ,ZnOがあげられる。金属窒化物の具体例としては、Si3 4 ,ZrN,CrN,TiAlNがあげられる。金属炭化物の具体例としては、SiC,TiC,WCがあげられる。粘土鉱物の具体例としては、ベントナイト,スメクタイト,雲母があげられる。固体潤滑剤の具体例としては、グラファイト,BN,WS2 があげられる。
【0013】
固体潤滑被膜の形成方法は特に限定されるものではないが、二硫化モリブデン,有機モリブデン化合物,軟質金属,高分子材料の微粒子を被処理面に衝突させる方法が好ましい。このような処理には、ショットピーニング装置,サンドブラス装置,遠心式投射装置を用いることができる。
また、固体潤滑被膜を形成させる面は、研削仕上げした面であることが好ましい。超仕上げした面であると、表面が極めて平滑であるために固体潤滑被膜の剥離が生じやすいが、研削仕上げした面は適度な粗さを有するために、固体潤滑被膜の剥離が生じにくい。
なお、遊星ローラねじにグリース,潤滑油等の潤滑剤が併せて用いられていれば、固体潤滑被膜の剥離が生じたとしても剥離物が潤滑剤に拡散して潤滑剤の添加剤として作用するので、潤滑剤の潤滑作用が向上し遊星ローラねじの長寿命化に寄与する。
【0014】
〔第二実施形態〕
図2は、第二実施形態の遊星ローラねじを軸方向に平行な平面で破断した断面図である。なお、第二実施形態の遊星ローラねじの構成及び作用は、第一実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態の遊星ローラねじは、螺旋状に連続する断面略V字状のねじ溝1aが外周面に形成されたねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対向する断面略V字状のねじ溝2aが内周面に形成されたナット2と、両ねじ溝1a,2a間に転動自在に介装された複数のローラ3からなるローラ列と、ねじ軸1に嵌合された2つの歯車4,4と、を備えている。両ねじ溝1a,2aのねじれ方向は同じ方向であるが、ローラ3のねじれ方向は両ねじ溝1a,2aのねじれ方向とは逆方向である。
【0016】
歯車4,4は、軸方向に離れて配されており、前記ローラ列のうち両端のローラ3’,3’に形成された歯とそれぞれ噛み合っている。また、ねじ軸1における環状保持器5,5の軸方向外側には、環状保持器5,5と接触するように抜け止めリング9が取り付けられていて、ローラ3’の突起7が環状保持器5のローラ支持孔5aから抜けることが防止されている。また、抜け止めリング9は、環状保持器5及びローラ3全体がねじ軸1に対して軸方向に位置ズレしたり、環状保持器5が遊星ローラねじから脱落することを防ぐ機能も有している。この抜け止めリング9は、ねじ軸1と一体のものでもよいし、別体の部材でもよい。
本実施形態の遊星ローラねじは、ねじ軸1のねじ溝1a,ナット2のねじ溝2a,及びローラ3の転動面3aの少なくとも一つに固体潤滑被膜を備えているので、ねじ軸1とローラ3との間及びナット2とローラ3との間に相対的な滑りが生じても、損傷が生じにくく長寿命である。
【0017】
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。第一実施形態の遊星ローラねじとほぼ同様の構成を有する遊星ローラねじを用意して、日本精工株式会社製のローラねじ耐久性試験機に装着して回転させ、その寿命を評価した。なお、固体潤滑被膜は二硫化モリブデンで構成されている。
試験条件は以下の通りである。
荷重 :300kN(0.7Ca)
ねじりモーメント:4.2kN・m
潤滑方法:リューベ株式会社製のYS2グリースを自動給脂装置で自動供給する
【0018】
遊星ローラねじの寿命は、以下のようにして判断した。すなわち、ねじ軸のねじ溝,ナットのねじ溝,若しくはローラの転動面に剥離が発生するまでの走行距離、又は、ローラの循環不良により遊星ローラねじに機能不全が生じるまでの走行距離を、遊星ローラねじの寿命とした。試験結果を表1に示す。なお、表1の寿命は、固体潤滑被膜を備えていない従来の遊星ローラねじの寿命を1とした場合の相対値で示してある。
【0019】
【表1】


【0020】
表1から分かるように、二硫化モリブデンからなる固体潤滑被膜を備えている遊星ローラねじは、備えていないものと比べて寿命が優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一実施形態の遊星ローラねじを軸方向に平行な平面で破断した断面図である。
【図2】第二実施形態の遊星ローラねじを軸方向に平行な平面で破断した断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ねじ軸
1a ねじ溝
2 ナット
2a ねじ溝
3 ローラ
3’ 端のローラ
3a 転動面
4 歯車
5 環状保持器
5a ローラ支持孔
7 突起
9 抜け止めリング




 

 


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