米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> 日産自動車株式会社

発明の名称 内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−32329(P2007−32329A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213651(P2005−213651)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
発明者 中谷 和生 / 後藤 敏 / 神原 豊
要約 課題
燃料噴射弁の弁体24が弁座30に貼り付いている場合にも、燃料噴射弁のコイルに過度の負担をかけずに適性な開弁を行うことができる内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法を提供することにある。

解決手段
燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法において、バッテリー電圧を読み取り、スタータ始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くして、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法において、
バッテリー電圧を読み取り、スタータ始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くして、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたことを特徴とする内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法。
【請求項2】
燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法において、
バッテリー電圧と冷却水温度又は吸気温度を読み取り、スタータ始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くするとともに、該パルス幅を冷却水温度又は吸気温度に基づき増加減少補正して、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたことを特徴とする内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法。
【請求項3】
前記冷却水温度に基づく補正は、水温T℃の時は水温による補正は行わず、T℃以上は吸引パルス幅を狭くし、T℃未満では広くするようにしたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法に関し、特にLPGを燃料とする内燃機関の始動時に好適な制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、例えばLPG噴射式エンジンは図7に示すように構成されている。図7において、1はLPGエンジンの吸気マニホールド、2は吸気マニホールド1の適宜位置に設けられた燃料噴射弁、3は燃料噴射弁2の開閉動作を行わせるための燃料噴射弁駆動回路、4はエンジン全体の制御を司る電子制御装置(ECM)、5はLPGボンベ、6は液化LPGを所定圧力のLPGガスに変換し燃料噴射弁2に送給するベーパライザー、7は燃料噴射弁2への駆動電流供給線である。
【0003】
4気筒エンジンの場合は、燃料噴射弁駆動回路3がクランク1回転(360deg)につき燃料噴射弁2を二度開閉させて、燃料を吸気マニホールド1中に噴射させている。
燃料噴射弁(インジェクタ)2は、図8に示すように、コイル21が巻き回された鍔付き円筒状のボビン22を有しており、該ボビン22の内部中心位置に鉄心(ヨーク)23が固定配置されている。該鉄心23の下端面(図において)と所定の間隙をおいて弁体24が対向配置されている。該弁体24は、円板状をした板バネ25の中心位置に取り付けられており、該板バネ25は、その周縁部を上側の固定部材26と下側の噴射ノズル部材27の間に気密に挟まれて固定されており、弁体24は板バネ25の弾性によって上下動可能とされている。
【0004】
下側の噴射ノズル部材27には、周縁の鍔部分にベーパライザー6から送られてくるLPG燃料を供給するための燃料供給口28が形成されているとともに、その中心位置には燃料供給口28から供給されたLPG燃料を吸気マニホールド1内へ噴射するための燃料噴射口29が形成されている。そして、この燃料噴射口29の上部位置には、弁体24と対向させて弁座30が固定配置されている。弁体24は、燃料噴射弁2が作動していない状態において弁座30に気密に接しており、燃料供給口28から供給されたLPG燃料が燃料噴射口29側に送られることがないようになっている。なお、31はケース、32,33は気密保持のためのOリング、34は駆動電流供給線7の引き込み口を塞ぐゴムブッシュである。
【0005】
ところで、エンジン始動(クランキング)時にスタータスイッチを操作すると、セルモータは400rpm程で回転し、クランク軸は150ms程で1回転する。4気筒エンジンの場合は、クランク軸が1回転する間に、図6に示すように、基準信号(REF)が2回発信され、これに基づいて燃料噴射弁2を駆動するための駆動信号が発生し燃料噴射弁2のコイル21に駆動電流が供給され、弁体24を吸引して燃料供給口28と燃料噴射口29とが連通して燃料が吸気マニホールド1内に噴射される(特許文献1参照)。
【0006】
図9のフローチャートを参照して更に説明すると、エンジン始動のためスタータスイッチをONにしていると、電子制御装置4により燃料噴射弁(インジェクタ)2を駆動するための通電パルス幅(駆動時間)を備えたPWM信号が発生し、燃料噴射弁駆動回路3からこの信号に応じた駆動電流が燃料噴射弁2に供給される。図6に示す、通電パルス幅(従来)の符号aで示す部分が吸引パルス幅でこの部分は燃料噴射弁2のコイル21への通電により弁体24を吸引する作用を行う。図6の符号bで示す複数の幅の狭いパルスは、一旦吸引した弁体24を保持しておくためのもので、コイル21に大きな電流が流れることによる耐久性の悪化を防ぐため、少ない駆動電流としたものである。
【0007】
一方、スタータスイッチを切った際、すなわち一旦エンジンがかかった後は、バッテリー電圧を参照して、燃料噴射弁2の駆動時間を決める。始動時よりは通電パルス幅を狭くして少ない駆動電流で燃料噴射弁2を駆動する。その時にバッテリー電圧が高いときは通電パルス幅をその分だけ狭め、バッテリー電圧が低いときは、通電パルス幅を広くして、駆動電流の平均化を図っている。
【特許文献1】特開2004−360633
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、LPGエンジンなどの場合、燃料LPGに不純物が混入していると、熱による経時変化等によって燃料噴射弁2の弁体24が弁座30に貼り付いてしまうことがある。
その際に、従来の始動方法では、吸引パルス幅が狭くて十分な吸引力を得ることができず燃料噴射弁2を適切に開弁することができないことがある。
しかしながら、ただ単に、吸引パルス幅を広くしただけでは、燃料噴射弁2のコイル21に過電流を流し続けてしまい、燃料噴射弁の耐久性を悪化させることがある。
【0009】
本発明の課題は、燃料噴射弁の弁体24が弁座30に貼り付いている場合にも、燃料噴射弁のコイルに過度の負担をかけずに適性な開弁を行うことができる内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に鑑み、本発明は次のような手段を採用した。
請求項1記載の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法は、燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法において、バッテリー電圧を読み取り、スタータ始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くして、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法は、燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法において、バッテリー電圧と冷却水温度又は吸気温度を読み取り、スタータ始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くするとともに、該パルス幅を冷却水温度又は吸気温度に基づき増加減少補正して、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたことを特徴としている。
【0012】
なお、バッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、前記冷却水温度に基づく補正は、水温T℃を基準にして、T℃の時は水温による補正は行わず、T℃以上は吸引パルス幅を狭くし、T℃未満では広くするように行うことを特徴とするとともに、前記バッテリー電圧の所定値とは、通常運転時における全ての電気負荷をかけた時のバッテリー電圧値をいう。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明は上述のように構成されているので、燃料噴射弁の弁体が弁座に貼り付いてしまい、通常のエンジン始動方法では、燃料噴射弁を適性に開弁できないような場合でも、燃料噴射弁のコイルに流す電流を大きくしてあるため、弁体を作動させることができ、エンジンを始動することができる。また、その際に、バッテリー電圧を読みつづけ、バッテリー電圧が所定値になるまで、大電流を流すようになっている。エンジンが始動してオルタネータが作動し始めるとバッテリー電圧が所定値に上昇するので、燃料噴射弁のコイルに流す電流値を少なくして、燃料噴射弁の加熱等を防ぐようにしている。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1の発明に加えてエンジン冷却水の水温又は吸気温度を読み取って燃料噴射弁への駆動電流を補正するようにしているので、水温の低いとき又は吸気温度が低いとき、通常、燃料噴射弁の弁体と弁座との貼り付き力が増加する可能性があるときには、始動時における燃料噴射弁への駆動電流をより増加し、逆に水温や吸気温が高いときには燃料噴射弁の弁体と弁座との貼り付き力が弱くなると判断されるので、駆動電流を少なくすることにより、燃料噴射弁の無用の加熱や無用のエネルギーを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態は、燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法である。
そして、その方法は、バッテリー電圧を読み取り、スターター始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くして、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたものである。
【0016】
また、本発明の他の実施の形態は、同様に、燃料噴射弁駆動回路から燃料噴射弁へ送る駆動電流を制御して、始動時及び運転時における燃料噴射弁の制御をおこなう内燃機関の燃料噴射弁の制御方法である。
そして、その方法は、バッテリー電圧とエンジンの冷却水温度又は吸気温度を読み取り、スターター始動中に一旦下がったバッテリー電圧が所定値に上昇するまでの期間、燃料噴射弁への通電信号の吸引パルス幅を広くするとともに、該パルス幅を冷却水温度又は吸気温度に基づき補正して増加減少させるようにし、燃料噴射弁への駆動電流を増加させるようにしたものである。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の請求項1に係る内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法についての実施例をフローチャートで示したものである。この制御方法は、スタータスイッチがONされると、ECM4がバッテリー電圧を参照しながら燃料噴射弁駆動時間を決定する。バッテリー電圧が約11vになる所定値を境に、それ未満であれば吸引パルス幅を通常時よりも広げた信号を燃料噴射弁駆動回路3に送って、燃料噴射弁2への駆動電流を大きくする。
【0018】
一旦下がったバッテリー電圧が約11vに上昇することは、エンジンの回転が上昇し、オルタネータが作動して発電が始まったことを知らせ、燃料噴射弁2が作動していることを証明するものである。そこで、ECM4からの燃料噴射弁駆動信号の吸引パルス幅は通常状態、すなわちエンジンがかかった状態の燃料噴射弁駆動電流を流すための幅の狭いパルス信号に変えられることになる(図6参照)。
【0019】
これらの吸引パルス幅の変化とバッテリー電圧との関係を、従来の始動制御方法と比較したものを図2に示す。
図2に示すように、従来の始動制御方法が燃料噴射弁の駆動電流を一定とするようにバッテリー電圧に応じて吸引パルス幅を設定しているのに対し、本発明の実施の形態の場合は、バッテリー電圧が所定値の約11vになるまでは吸引パルス幅を従来の幅より広くして、約11vに達すると、従来と同じ吸引パルス幅としている。
【0020】
図3に、従来の始動制御方法における燃料噴射弁に印加するPWM電圧波形及び電流波形と本発明の実施の形態によるものとを比較して示した。本発明の場合はバッテリー電圧に応じ、電圧が所定値に上昇するまで、吸引パルス幅を長くしている。なお、このときの実際の吸引パルス幅は、ほぼ18msecである。
これにより、燃料噴射弁への駆動電流を大きくして、燃料噴射弁の弁体24が弁座30に貼り付いてしまった場合でも、適性に開弁することができる。
図6の上から2、3段目に従来の始動制御方法における通電パルス幅と実施例1における通電パルス幅の形状の比較をタイムチャートとして示している。
【実施例2】
【0021】
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図4は、本発明の請求項2に係る内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法についての実施例をフローチャートで示したものである。この制御方法は、ECM4がバッテリー電圧を参照しながらインジェクタ駆動時間を決定する。バッテリー電圧が所定値約11vを境に、それ未満であればPWMの吸引パルス幅を広げた信号を燃料噴射弁駆動回路3に送って、燃料噴射弁2への駆動電流を大きくする。
その際に、エンジンの冷却水温度を参照して、温度が低い場合には、吸引パルス幅を広げ、温度が高い場合には、吸引パルス幅を狭めて、より適正な燃料噴射弁の駆動電流を制御するようにしている。
なお、エンジンの冷却水温度の代わりにエンジンの吸気温度を参照するようにしても良い。
【0022】
吸引パルス幅の補正に使用する冷却水温度は、図5に示すように、例えば冷却水温度0℃を基準として、0℃の時は水温による補正は行わず、実施例1の場合と同じく約18msecとして、例えば−10℃の場合は約20msecで、+10℃の場合には約16msec程として、冷却水温度に応じて吸引パルス幅を補正している。
【0023】
これにより、燃料噴射弁への駆動電流を大きくして、燃料噴射弁の弁体24が弁体30に貼り付いてしまった場合でも、適性に開弁することが可能となる。
このように、冷却水温度又は吸気温度を参照して、吸引パルス幅を変えることにより、より的確に燃料噴射弁の始動制御を行うことができる。
【0024】
図6の上から2、4、5段目に従来の始動制御方法における通電パルス幅と実施例2における通電パルス幅の形状の比較をタイムチャートとして示している。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係る内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法は、上記実施の形態等において、LPG燃料のエンジンを例として説明したが、他のエンジン、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、他の燃料を使用するエンジンの燃料噴射弁の制御にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法の実施例を示すフローチャートである。
【図2】従来の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法と本発明実施例による制御方法とによる吸引パルス幅を電圧テーブルにて示す図である。
【図3】通電パルス幅における吸引パルス幅の変化と燃料噴射弁の駆動電流との関係を示す図である。
【図4】本発明に係る他の実施例のフローチャートである。
【図5】従来の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法と本発明の他の実施例による制御方法とによる吸引パルス幅を電圧テーブルにて示す図である。
【図6】従来の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法と、本発明の実施例1及び2の制御方法とにおける通電パルス幅の変化を示すタイムチャートである。
【図7】燃料噴射弁への燃料供給とその制御方法を示すブロック図である。
【図8】燃料噴射弁の断面図である。
【図9】従来の内燃機関の始動時における燃料噴射弁の制御方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
1 吸気マニホールド
2 燃料噴射弁(インジェクタ)
3 燃料噴射弁駆動回路
4 電子制御装置(ECM)
5 LPGボンベ
6 ベーパライザー
7 駆動電流供給線
8 チップ搬送機構
21 コイル
22 ボビン
23 鉄心
24 弁体
25 円板状板バネ
28 燃料供給口
29 燃料噴射口
30 弁座




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013