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発明の名称 燃料供給装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24192(P2007−24192A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−207658(P2005−207658)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 美保 佳孝 / 吉永 知文 / 花田 知之
要約 課題
高圧容器から燃料を放出する際の断熱膨張により容器内温度が低下しても、放出後の燃料ガスの温度を高めて燃料供給系部品の熱信頼性温度を下回ることを防止する。

解決手段
高圧容器1には、電磁三方弁7を介して、絞り部9を備える絞り分岐配管11と絞り部のない分岐配管13とを並列接続し、下流配管15には減圧弁17を設け、減圧弁17で減圧した水素ガスを燃料電池に供給する。温度センサ21が検出する高圧容器1内の水素ガス温度が、所定値未満のときは、絞り分岐配管11に水素ガスが流れるように電磁三方弁7を切り替える。絞り分岐配管11の絞り部9を水素ガスが通過して圧力降下することで、ジュール・トムソン効果により温度上昇し、減圧弁17で使用しているダイヤフラムの熱信頼性保証温度を確保する。
特許請求の範囲
【請求項1】
高圧容器に貯蔵した燃料ガスを、前記高圧容器に接続する燃料供給配管途中に設けた燃料供給系部品を通して燃料使用部に供給する燃料供給装置において、前記高圧容器と前記燃料供給系部品との間の前記燃料供給配管に、前記燃料ガスの通過により燃料ガス温度が上昇する絞り部を設けたことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記高圧容器と前記燃料供給系部品との間の前記燃料供給配管に、前記絞り部を備えた絞り部流路と、前記絞り部を備えない非絞り部流路とを並列接続してなる配管経路を設けるとともに、前記高圧容器から放出される前記燃料ガスが、前記絞り部流路と前記非絞り部流路との少なくともいずれか一方に流れるよう切り替える流路切替手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記高圧容器内に温度検出手段を設け、この温度検出手段が検出する燃料ガス温度に基づいて前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記絞り部流路と前記非絞り部流路との下流側の接続部より下流側に温度検出手段を設け、この温度検出手段が検出する燃料ガス温度に基づいて前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
前記温度検出手段が検出する燃料ガス温度が所定値未満のときに、前記絞り部流路に前記燃料ガスが流れるよう前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料供給装置。
【請求項6】
前記温度検出手段が検出する燃料ガス温度が所定値以上のときに、前記非絞り部流路に前記燃料ガスが流れるよう前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項7】
前記温度検出手段が検出する燃料ガス温度が規定範囲内にあるときに、前記絞り部流路を流れる燃料ガスの流量と前記非絞り部流路を流れる燃料ガスの流量とが、所定の割合となるよう前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記流路切替手段を、前記燃料ガスが、前記絞り部流路に流れる状態と、前記非絞り部流路に流れる状態とに、所定の周期で切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項9】
前記高圧容器内および、前記絞り部流路と前記非絞り部流路との下流側の接続部より下流側に温度検出手段をそれぞれ設け、前記各温度検出手段が検出する燃料ガス温度に基づいて前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項10】
前記流路切替手段は、前記燃料ガスの温度により変位して、前記絞り部流路と前記非絞り部流路との少なくともいずれか一方に前記燃料ガスを流すよう切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項11】
前記絞り部流路を複数並列接続して設けたことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項12】
前記複数の絞り部流路におけるそれぞれの絞り部は、絞り量が互いに異なることを特徴とする請求項11に記載の燃料供給装置。
【請求項13】
前記絞り量が互いに異なる前記複数の絞り部流路に流す前記燃料ガス流量の割合を、前記温度検出手段が検出する燃料ガス温度に応じて設定することを特徴とする請求項12に記載の燃料供給装置。
【請求項14】
前記絞り部流路に前記絞り部を複数直列接続して設けたことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項15】
前記高圧容器を、前記燃料使用部での前記燃料ガスの消費により運転する車両に搭載し、前記車両の運転状態に応じて前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項16】
前記高圧容器内に圧力検出手段を設け、この圧力検出手段が検出する燃料ガス圧力に基づいて前記流路切替手段を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧容器に貯蔵した燃料ガスを、高圧容器に接続する燃料供給配管途中に設けた燃料供給系部品を通して燃料使用部に供給する燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池において燃料として使用する水素は、高圧気体とした状態で燃料容器に貯蔵する必要があり、このため水素貯蔵用の燃料容器は耐圧性に優れた高圧容器であることが要求される。このような高圧容器から燃料電池に燃料供給を行う際には、容器内の断熱膨張により、燃料供給量に応じて容器内温度が低下する。
【0003】
このため、燃料ガスを供給し続ける、もしくは、環境温度が低い場合には、燃料ガス温度が容器下流に設けた燃料供給系部品の熱信頼性温度を下回る可能性があり、このような場合には燃料電池の出力制限を行って水素供給量を制限する必要があり、例えば燃料電池を車両に搭載した場合には、車両性能が著しく低下することになる。
【0004】
そこで、下記特許文献1には、高圧容器にガスを充填する際およびガスを放出する際に、容器内の温度変化を少なくするために、高圧容器が置かれる外部環境との間で熱交換を行う放熱フィンを高圧容器外に設けるとともに、高圧容器内の水素との熱の授受を行う内部熱交換フィン組立体を高圧容器内に設け、放熱フィンと内部熱交換フィン組立体とを熱的に結合する構造が記載されている。
【特許文献1】特開2002−181295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1に記載のものは、高圧容器の外部および内部に熱交換用のフィンを設けているため、構造が複雑化して効率よく容器内温度の変化を抑えることができず、燃料ガス温度が燃料供給系部品の熱信頼性温度を下回ることを防止できないという問題がある
そこで、本発明は、高圧容器から燃料を放出する際の断熱膨張により容器内温度が低下しても、放出後の燃料ガスの温度を高めて燃料供給系部品の熱信頼性温度を下回ることを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高圧容器に貯蔵した燃料ガスを、前記高圧容器に接続する燃料供給配管途中に設けた燃料供給系部品を通して燃料使用部に供給する燃料供給装置において、前記高圧容器と前記燃料供給系部品との間の前記燃料供給配管に、前記燃料ガスの通過により燃料ガス温度が上昇する絞り部を設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高圧容器から燃料を放出する際の断熱膨張により容器内温度が低下しても、高圧容器から放出した燃料ガスが、絞り部を通ることによる圧力降下の影響(ジュール・トムソン効果)で温度上昇し、これにより絞り部を設けるという簡単な構造で、燃料ガスの温度が燃料供給系部品の熱信頼性温度を下回ることを防止でき、燃料供給系部品の耐久性や信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。高圧容器1には、燃料使用部となる図示しない燃料電池に燃料ガスとして供給する水素ガスを高圧で貯蔵している。
【0010】
高圧容器1のガス放出口には、開閉弁3を設けてあり、開閉弁3に出口配管5を介して流路切替手段としての電磁三方弁7を設けている。電磁三方弁7には、途中にオリフィスなどからなる絞り部9を備える絞り部流路としての絞り分岐配管11と、絞り部を備えていない非絞り部流路としての分岐配管13とを並列に接続している。
【0011】
絞り分岐配管11と分岐配管13との下流側の接続部である合流部には下流配管15を接続し、下流配管15には、その上流側から減圧弁17および開閉弁19を順次設置している。
【0012】
上記した出口配管5,絞り分岐配管11,分岐配管13および下流配管15は、燃料供給配管20を構成し、減圧弁17は燃料供給系部品を構成している。
【0013】
また、高圧容器1内には圧力検出手段としての温度センサ21を設置しており、温度センサ21が検出する容器内温度をコントローラ23が取り込み、コントローラ23はこの取り込んだ容器内温度に基づいて前記した電磁三方弁7を切り替え制御する。なお、この電磁三方弁7は、燃料電池の運転開始時には、水素ガスが絞り部のない分岐配管13を流れるよう切り替わっているものとする。
【0014】
次に作用を説明する。燃料電池の運転開始時に開閉弁3,19が開くと、高圧容器1内の水素は、出口配管5,電磁三方弁7,分岐配管13を流れた後、減圧弁17で減圧されて図示しない燃料電池に供給される。
【0015】
ここで、高圧容器1から高圧の水素ガスが外部に放出されると、容器内の断熱膨張により、放出量に応じて容器内温度が低下するが、このとき高圧容器1内の燃料ガス温度を温度センサ21が検出し、この検出温度が所定値以上の場合は、電磁三方弁7はそのままとして水素ガスを分岐配管13に流す。
【0016】
上記した検出温度が所定値以上の場合は、分岐配管13下流の減圧弁17に使用している図示しないダイヤフラムの熱信頼性保証温度(−30℃)以上であり、したがって、ダイヤフラムに悪影響を及ぼすことなく水素ガスの供給を行うことができる。
【0017】
なお、上記したダイヤフラムの熱信頼性保証温度は、ダイヤフラムを備える減圧弁17の近傍の水素ガス温度とすることが必要であるが、ここでは温度センサ21が検出する高圧容器1内の温度を、コントローラ23が内蔵するメモリにあらかじめ格納してあるデータを基にして予測するものとする。
【0018】
一方、上記した検出温度が所定値未満の場合は、電磁三方弁7を、水素ガスが絞り部9を備えた絞り分岐配管11に流れるよう切り替える。水素ガスは、絞り部9を通過することで圧力降下し、この際水素の逆転温度が常温以下であることから、ジュール・トムソン効果によって温度上昇する。
【0019】
温度上昇した水素ガスは、その下流の減圧弁17および開閉弁19を通って図示しない燃料電池に供給される。このとき、減圧弁17には、温度上昇してダイヤフラムの熱信頼性保証温度(−30℃)以上となった水素ガスが通過するので、ダイヤフラムに悪影響を及ぼすことなく水素ガスの供給を行うことができる。
【0020】
このように、上記した第1の実施形態によれば、減圧弁17に使用しているダイヤフラムに悪影響を及ぼす恐れのある、高圧容器1内の水素ガス温度が所定値未満のときに、高圧容器1から放出した水素ガスが、絞り部9を通ることによる圧力降下の影響(ジュール・トムソン効果)で、水素ガスの温度を上昇させることができ、これにより絞り部を設けるという簡単な構造で、燃料ガスの温度がタイヤフラムの熱信頼性温度を下回ることを防止でき、タイヤフラムの耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0021】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。この実施形態は、前記図1に示した第1の実施形態における高圧容器1内に設置した温度センサ21に代えて、絞り分岐配管11と分岐配管13との下流側に位置する合流部と、減圧弁17との間の燃料供給配管20に温度センサ25を設置している。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0022】
したがって、この実施形態では、温度センサ25が検出した減圧弁25近傍の水素ガス温度をコントローラ23が取り込み、コントローラ23はこの取り込んだ温度に基づき、電磁三方弁7を第1の実施形態と同様にして切り替え制御する。
【0023】
すなわち、検出温度が所定値(第1の実施形態における所定値とは異なる)以上のときは分岐配管13に、所定値未満のときは絞り分岐配管11に、それぞれ水素ガスが流れるように電磁三方弁7を切り替え、これにより減圧弁17を通過する水素ガスの温度を、減圧弁17で使用しているダイヤフラムの熱信頼性保証温度(−30℃)以上となるようにし、ダイヤフラムの耐久性や信頼性を向上させる。
【0024】
第2の実施形態では、温度センサ25が、ダイヤフラムを備える減圧弁17近傍の水素ガス温度を検出しているので、この検出温度をそのままコントローラ23が使用でき、したがって、高圧容器1内の温度を検出してから減圧弁17近傍の水素ガス温度を予測する第1の実施形態に比較して、コントローラ23の回路構成を簡素化することができる。
【0025】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。この実施形態は、前記図1に示した第1の実施形態における高圧容器1内に設置した温度センサ21および、前記図2に示した第2の実施形態における減圧弁17近傍に設置した温度センサ25の双方を組み合わせて設置した例である。
【0026】
第3の実施形態によれば、高圧容器1内の水素ガス温度と、減圧弁17近傍の水素ガス温度とをそれぞれ検出し、これら各検出温度に基づいて、電磁三方弁7を切り替えるようにしている。
【0027】
具体的な例としては、温度センサ21が検出した容器内温度に対応する減圧弁17近傍の予測温度と、温度センサ25が検出した減圧弁17近傍の温度との少なくともいずれか一方が所定値未満となったときに、水素ガスが絞り分岐配管11に流れるように電磁三方弁7を切り替えるようにする。これにより、より高精度の配管切り替え制御が可能になる。
【0028】
第4の実施形態として、第1の実施形態における温度センサ21あるいは第2の実施形態における温度センサ25が検出する水素ガス温度が規定範囲内にあるときには、絞り分岐配管11と分岐配管13との双方に水素ガスを流し、かつそれぞれに流れる水素ガス流量の割合が所定値となるように、電磁三方弁7を切り替えるようにする。
【0029】
上記した水素ガス温度の規定範囲とは、減圧弁17に使用しているダイヤフラムが適正に作動する最適な温度範囲であり、例えば減圧弁17近傍の水素ガス温度が25℃前後の所定範囲とする。この温度範囲にあるときのみ、上記したように絞り分岐配管11および分岐配管13にそれぞれ流れる水素ガスの割合を所定値に設定する。これにより減圧弁17は安定した作動が可能となる。
【0030】
図4は、本発明の第5の実施形態を示す作用説明図である。この実施形態は、電磁三方弁7を、水素ガスが、絞り分岐配管11に流れる状態と、分岐配管13に流れる状態とを、所定の周期で切り替えるようにしている。したがって、この例では、例えば図1においては温度センサ21が不要であり、コントローラ23によって電磁三方弁7を一定の周期で切り替えることで、図4に示すように、水素ガス温度が常温(ダイヤフラムが適正に作動する最適な温度)を中心として周期的に上下に変動することになる。
【0031】
この結果、減圧弁17を通過する水素ガスの温度低下を抑制し、ダイヤフラムに悪影響を及ぼすことなく燃料電池に水素ガスの供給を行うことができる。
【0032】
なお、第6の実施形態として、電磁三方弁7に代えて、バイメタルやサーモスタットなどを利用した機械的な流路切替手段により、水素ガスの流れる経路を切り替えるようにしてもよい。すなわち、例えばバイメタルが水素ガスの温度により変位して、水素ガスを絞り分岐配管11に流れる状態と分岐配管13に流れる状態とに切り替える。
【0033】
また、第7の実施形態として、絞り分岐配管11および分岐配管13に流れる水素ガスの切り替えは、上記した各実施形態におけるような水素ガス温度に基づく制御に代えて、高圧容器1内の圧力によって切替制御することも可能である。
【0034】
例えば、燃料電池を搭載する車両が走行する際に、一定時間での高圧容器1内の圧力低下代と水素ガス温度との関係をあらかじめ取得しておき、これを基に、高圧容器1内に設置する図示しない圧力検出手段となる圧力センサの検出圧力から、電磁三方弁7を切り替える。
【0035】
図5は、本発明の第8の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。この実施形態は、前記図1に示した第1の実施形態に対し、絞り分岐配管11の上流側の分岐配管13との接続部を3本の並列配管11a,11b,11cとし、この各並列配管11a,11b,11cに、互いに絞り量の異なる絞り部9a,9b,9cをそれぞれ設けている。
【0036】
そして、各並列配管11a,11b,11cの上流側と分岐配管13との接続部には、電磁三方弁7a,7b,7cをそれぞれ設置する。なお、図5では、温度センサおよびコントローラは省略している。
【0037】
この場合、水素ガス温度に応じて最適な絞り量を備える配管1つを、並列配管11a,11b,11cから選択することで、減圧弁17で使用するダイヤフラムに、最も熱負荷がかからない温度(常温)で流すことができ、ダイヤフラムの耐久性や信頼性をより向上させることができる。
【0038】
また、上記した図5の例では、並列配管11a,11b,11cに流れる水素ガスの流量の割合を、減圧弁17で使用するダイヤフラムが、最も熱負荷がかからないガス温度(常温)となるように設定することも可能である。
【0039】
図6は、本発明の第9の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。この実施形態は、前記図1に示した第1の実施形態における絞り分岐配管11に、三つの絞り部9d,9e,9fを直列接続して設けている。
【0040】
この場合、第1の実施形態のように一つの絞り部9だけでは水素ガス温度を充分高めることができない場合に、段階的に圧力降下を行わせることで、温度上昇を確保することができ、これにより水素ガス温度の低下代を最低限に維持することができる。
【0041】
図7は、本発明の第10の実施形態を示す作用説明図である。この実施形態は、前記図1の第1の実施形態に対し、高圧容器1内の温度を検出する温度センサ21に代えて、燃料電池を搭載する車両の運転状態、例えば車両出力を検出する出力検出手段を設け、この出力検出手段が検出する車両出力に応じて電磁三方弁7を切り替えるようにしている。
【0042】
すなわち、車両出力が低い場合には、高圧容器1から放出される水素ガスの量が少ないことから、高圧容器1での断熱膨張による温度低下代が小さく、したがってこの場合には、水素ガス温度を上昇させる必要がないので、絞り部のない分岐配管13に水素ガスが流れるようにする。
【0043】
一方、車両出力が高い場合には、高圧容器1から放出される水素ガスの量が多いことから、高圧容器1での断熱膨張による温度低下代が大きく、したがってこの場合には、水素ガス温度を上昇させる必要があるので、絞り部9のある絞り分岐配管11に水素ガスが流れるようにする。
【0044】
このように、第10の実施形態によれば、車両の運転状態として検出する車両出力に基づいて、電磁三方弁7を切り替えることで、減圧弁17を通過する水素ガスの温度低下を抑制し、減圧弁17に使用するダイヤフラムに悪影響を及ぼすことなく燃料電池に水素ガスの供給を行うことができる。
【0045】
次に、ジュール・トムソン効果によるガスの温度上昇について説明する。
【0046】
配管を流れるガスは水素とし、絞り部の影響により圧力を35MPaから3MPaまで減圧した場合、以下の式により絞り部の前後で約7.2℃上昇すると考えられる。なお、3MPaは、減圧弁17が調圧可能な最下限値である。
【0047】
まず、ジュール・トムソン係数μJ を以下の式(1)より求める。
【0048】
μJ = (1/M×Cp )×{(2A/R×T)−B}・・・(1)
M(水素分子量):2.0158g/mol
Cp(水素定圧比熱):14.88J/(℃・g)
A(定数(水素)):0.2446atm・dm/mol
R(気体定数):82.05783atm・cm/(℃・mol)
T(水素ガス温度):300K
B(定数(水素)):26.61cm3/mol
これらの各値を上記した式(1)に代入すると、ジュール・トムソン係数μJ =−0.225℃・cm3・J-1となる。
【0049】
ジュール・トムソン係数μJと圧力降下より、以下の式(2)からΔT(温度上昇代)を求める。
【0050】
ΔT = μJ×ΔP・・・(2)
上式(1)より求めたジュール・トムソン係数μJと圧力降下代ΔP=−32MPaを用いると、温度上昇代ΔTは、7.2℃である。
【0051】
[計算式の出展]
「基礎熱力学−エントロピーから浸透圧まで(P.128,185);池田和義著 朝倉書店」
なお、参考として、減圧弁17も絞り構造(減圧弁の上流圧力を35MPaから3MPaに圧力降下させる範囲において減圧弁出口圧力を1MPaにする)であるため、減圧弁17の前後で温度を計測すると約10〜15℃温度上昇していることが実験で確認されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第5の実施形態を示す作用説明図である。
【図5】本発明の第8の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。
【図6】本発明の第9の実施形態を示す燃料供給装置の全体構成図である。
【図7】本発明の第10の実施形態を示す作用説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 高圧容器
7,7a〜7c 電磁三方弁(流路切替手段)
9,9a〜9f 絞り部
11 絞り分岐配管(絞り部流路)
13 分岐配管(非絞り部流路)
17 減圧弁(燃料供給系部品)
20 燃料供給配管
21,25 温度センサ(温度検出手段)




 

 


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