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発明の名称 MDB試験に用いる衝撃吸収体およびその衝撃吸収体の形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24084(P2007−24084A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203418(P2005−203418)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 馬越 貴大
要約 課題
車両前後方向のみならず車両左右方向の車体反力特性の再現を可能として、衝突時の実際の車体反力特性をより正確に模擬できるMDB試験に用いる衝撃吸収体の提供を図る。

解決手段
ムービング台車10の前面に設ける衝撃吸収体1を、親ハニカム2とコアハニカム3とによる複数のハニカム構造体4で形成し、これら親ハニカム2とコアハニカム3の相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させることにより、実際の車体反力特性をより正確に再現することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
前面に衝撃吸収体を設けたムービング台車を被試験車両に衝突させて、実車両の車体反力特性に近似模擬させるMDB試験に用いる衝撃吸収体において、
衝撃吸収体を、親ハニカムとコアハニカムとによる複数のハニカム構造体で形成し、これら親ハニカムとコアハニカムの相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させたことを特徴とするMDB試験に用いる衝撃吸収体。
【請求項2】
親ハニカムは、エンジンコンパートメント部内の特定の車体構造対象を除くエンジンコンパートメント部全体およびキャビン部の車体反力特性を近似模擬し、コアハニカムは、前記特定の車体構造対象の車体反力特性を近似模擬したことを特徴とする請求項1に記載のMDB試験に用いる衝撃吸収体。
【請求項3】
特定の車体構造対象は、フロントサイドメンバ、バンパーレインフォースまたはサブフレームの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のMDB試験に用いる衝撃吸収体。
【請求項4】
前面に衝撃吸収体を設けたムービング台車を被試験車両に衝突させて、実車両の車体反力特性に近似模擬させる車両のMDB試験の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体を親ハニカムとコアハニカムで構成するにあたって、それら親ハニカムとコアハニカムとをそれぞれのハニカム構造材のセルサイズまたは箔厚を変化させて個別に製作するハニカム形成工程と、
製作した各ハニカムを酸性の液体槽に浸漬して、車両前後方向に浸食させる酸性浸食工程と、
親ハニカムのコアハニカムを埋込む部分の外側周辺のハニカムセルに充填材を注入する充填材注入工程と、
充填材が固化した後に親ハニカムのコアハニカムを埋込む部分をくり抜き加工する埋込み部分くり抜き工程と、
親ハニカムのくり抜き加工部分にコアハニカムを埋込んで接着固定するコアハニカム埋込み工程と、を備えたことを特徴とするMDB試験に用いる衝撃吸収体の形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の衝突試験のうちMDB試験に用いるムービング台車の前面に設ける衝撃吸収体およびその衝撃吸収体の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の衝突試験としては、MDB(Moving Deformable Barrier)試験が知られているが、このMDB試験は試験用のムービング台車の前面に衝撃吸収体(Deformable Barrier)を設け、そのムービング台車を被試験車両に衝突させることにより、衝撃吸収体によって実車両衝突時の車体反力特性(衝撃吸収度)を近似的に再現させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−340728号公報(第2頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来のMDB試験に用いられる衝撃吸収体は、実際の車体反力特性を車両前後方向のみに近似模擬するようにしてあるため、車両左右方向には均一な衝撃吸収となり、実際の車体反力特性を正確に模擬することが困難となる。
【0004】
そこで、本発明は車両前後方向のみならず車両左右方向の車体反力特性の再現を可能として、衝突時の実際の車体反力特性をより正確に模擬できるMDB試験に用いる衝撃吸収体およびその衝撃吸収体の形成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のMDB試験に用いる衝撃吸収体は、MDB試験に用いるムービング台車の前面に設ける衝撃吸収体を、親ハニカムとコアハニカムとによる複数のハニカム構造体で形成し、これら親ハニカムとコアハニカムの相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、衝撃吸収体を構成した親ハニカムとコアハニカムの相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させたので、実車両のエンジンコンパートメント部やキャビン部などの車体反力特性を車両前後方向のみならず車体左右方向に近似模擬させて、実際の車体反力特性をより正確に再現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0008】
図1〜図10は本発明におけるMDB試験に用いる衝撃吸収体の第1実施形態を示し、図1は衝撃吸収体を取り付けたムービング台車の側面図、図2はフルラップ前面衝突試験の場合の試験前車両配置状況の側面図、図3は衝撃吸収体の斜視図、図4は図3中A−A線に沿った断面図であり、図5は親ハニカムのP−D特性図、図6はコアハニカムのP−D特性図である。
【0009】
また、図7は(a)に衝撃吸収体のハニカム形成工程と(b)に酸性浸食工程と(c)に充填材注入工程とを示す説明図、図8は埋込み部分くり抜き工程を併せて示す図7(c)中B部の拡大図、図9は(a)に充填材の注入状態と(b)にくり抜き状態とを示す図8中C部の拡大図、図10はコアハニカム埋込み工程を示す図7(c)中B部に対応した拡大断面図である。
【0010】
本実施形態のMDB試験に用いる衝撃吸収体1は、図1に示すようにムービング台車10の前面に設置され、該衝撃吸収体1を設けたムービング台車10を、図2に示すように被試験車両11に前面衝突させてMDB試験を行うようになっている。
【0011】
前記ムービング台車10は、衝突試験に耐え得る十分な剛性を備えた可動式台車であり、NCAP(New Car Assessment)やIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)といった通常のMDBを用いる試験に使用される台車と同一の仕様となっている。
【0012】
そして、ムービング台車10の前方に配置した取付面10aに、車両エンジンコンパートメント部およびキャビン部などの車体反力特性を車両前後方向および車両左右方向に近似模擬した前記衝撃吸収体1を取り付けてある。
【0013】
このとき、車体反力を模擬する対象車両の重量に応じて、ムービング台車10にはバランスウエイトが載せられ、試験時のムービング台車10の重量を調節するようになっている。
【0014】
また、MDB試験の形態としては、図2に示すフルラップ前面衝突に限ることなく、オフセット前面衝突、側面衝突、フルラップ後面衝突やオフセット後面衝突などの各種試験方法がある。
【0015】
前記衝撃吸収体1は、図3,図4に示すように親ハニカム2とコアハニカム3とによる複数のハニカム構造体4で形成し、これら親ハニカム2とコアハニカム3の相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させるようにしている。
【0016】
本実施形態のハニカム構造体4では、親ハニカム2とコアハニカム3とは車体反力特性を個別に有しており、親ハニカム2は、特定の車体構造対象としてのフロントサイドメンバを除くエンジンコンパートメント部全体およびキャビン部の車体反力特性を近似模擬するように設定してあり、また、前記コアハニカム3は、前記フロントサイドメンバ(特定の車体構造対象)の車体反力特性を近似模擬させてある。
【0017】
また、前記コアハニカム3は、エンジンコンパートメント部に左右一対設けられる関係上2つ設けてある。
【0018】
親ハニカム2およびコアハニカム3は、それぞれアルミ合金などの材料を用いたハニカム構造材で製作され、親ハニカム2とコアハニカム3を構成するハニカム構造材のセルサイズまたは箔厚などを調整することで、親ハニカム2とコアハニカム3のそれぞれの圧縮強度、クラッシュストレングスやせん断強度といった強度的な標準性能に差を設けて、車両左右方向の圧力特性を局所的に変化させてある。
【0019】
車両前後方向に対して圧力特性に差を設ける手段としては、例えば酸性の液体を用いてハニカム構造材を車両前後方向に浸食させることで実現可能となる。
【0020】
図5は前記親ハニカム2が有する圧力特性(P−D特性)αを、縦軸にP(圧力)と横軸にD(変位)を取って(図3参照)示す。これはマルチ・ロードセルバリアを用いたフルラップ前面衝突試験のバリア荷重から、エンジンコンパートメント部全体(フロントサイドメンバを除く)およびキャビン部の車体反力を抽出して圧力特性に変換したものを、ハニカムのP−D特性αに置き換えて示す。
【0021】
図6は前記コアハニカム3が有する圧力特性(P−D特性)βを示し、これは図5と同様にマルチ・ロードセルバリアを用いたフルラップ前面衝突試験のバリア荷重から、エンジンコンパートメント部の内、フロントサイドメンバの車体反力を抽出して圧力特性に変換したものを、ハニカムのP−D特性βに置き換えて示す。
【0022】
従って、前記図5,図6に示す圧力特性を、それぞれ対応する親ハニカム2およびコアハニカム3のP−D特性α,βに適切に置き換えることで、車両前後方向の車体反力特性を正確に模擬することが可能となる。
【0023】
また、前記図5,図6に示したP−D特性α,βは、フルラップ前面衝突試験によって抽出したものであるが、そのフルラップ前面衝突試験に限るものでは無く、車体反力特性を抽出できる試験形態であればよく、TRLバリアを用いたフルラップ前面衝突試験やオフセット前面衝突試験から特性を抽出してもよい。
【0024】
前記衝撃吸収体1を親ハニカム2とコアハニカム3で形成するにあたって本実施形態の衝撃吸収体の形成方法は、図7(a)に示すように親ハニカム2とコアハニカム3とを、それぞれのハニカム構造材のセルサイズまたは箔厚を変化させて個別に製作(ハニカム形成工程)し、そして、図7(b)に示すように製作した各ハニカム2,3を酸性の液体Lを溜めた液体槽5に浸漬して、車両前後方向に浸食(酸性浸食工程)させ、その後、図7(c),図8に示すように親ハニカム2のコアハニカム3を埋込む部分2aの外側周辺2bのハニカムセルHcに充填材6を注入(充填材注入工程)する。
【0025】
前記充填材注入工程では、親ハニカム2のコアハニカム3を埋込む部分2aの外側周辺2bに跨がる特定ハニカムセルHc1に充填材6を注入する(図9参照)。
【0026】
そして、図8中ハッチング部分で示すように、前記充填材6が固化した後に親ハニカム2のコアハニカム3を埋込む部分2aをくり抜き加工(埋込み部分くり抜き工程)し、次いで、図10に示すように親ハニカム2のくり抜き部分にコアハニカム3を埋込んで接着固定(コアハニカム埋込み工程)する。
【0027】
前記埋込み部分くり抜き工程では、親ハニカム2の前記埋込み部分2aの外側周辺2bに沿って切断することになるが、くりぬいた状態では図9(b)に示すように充填材6を注入した特定ハニカムセルHc1が切断されている。
【0028】
前記充填材6として発泡ウレタンを用いることができるが、勿論これに限ることなく、ハニカムセル構造が切断された際にハニカムセル構造の強度低下を抑制するとともに、親ハニカム2とコアハニカム3との接着面が減少するのを防止できる充填材であればよく、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂やセルロース繊維樹脂などを用いることができる。
【0029】
以上の構成により本実施形態によれば、衝撃吸収体1を親ハニカム2とコアハニカム3で構成し、これら親ハニカム2とコアハニカム3の相対位置や強度特性を調整して、実車両の前後方向および左右方向の車体反力特性に近似模擬させたので、実車両のエンジンコンパートメント部やキャビン部などの車体反力特性を車両前後方向のみならず車体左右方向に近似模擬させて、実際の車体反力特性をより正確に再現することができる。
【0030】
また、前記親ハニカム2を、フロントサイドメンバ(特定の車体構造対象)を除くエンジンコンパートメント部全体およびキャビン部の車体反力特性を近似模擬し、コアハニカム3は、前記フロントサイドメンバ(特定の車体構造対象)の車体反力特性を近似模擬したので、車両左右方向の車体反力特性を局所的に変化させて、実車両の車体反力特性により近似させることができるとともに、親ハニカム2の大きさを変えることで、模擬の対象となる車両の種類を変更することができる。
【0031】
更に、衝撃吸収体1の形成方法は、親ハニカム2とコアハニカム3とを、それぞれのハニカム構造材のセルサイズまたは箔厚を変化させて個別に製作(ハニカム形成工程)し、製作した各ハニカム2,3を酸性の液体Lを溜めた液体槽5に浸漬して、車両前後方向に浸食(酸性浸食工程)させ、親ハニカム2のコアハニカム3を埋込む部分2aの外側周辺2bのハニカムセルHcに充填材6を注入(充填材注入工程)し、充填材6が固化した後に親ハニカム2のコアハニカム3を埋込む部分2aをくり抜き加工(埋込み部分くり抜き工程)し、親ハニカム2のくり抜き部分にコアハニカム3を埋込んで接着固定(コアハニカム埋込み工程)したので、車体反力特性を車体前後方向のみならず車体左右方向に近似模擬させて実際のMDB試験に適した衝撃吸収体1を、簡単に製作することができる。
【0032】
図11は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図11は衝撃吸収体の図4に対応した断面図である。
【0033】
本実施形態の衝撃吸収体1Aは、基本的に第1実施形態と同様の構成となり、親ハニカム2とコアハニカム3とによって製作されるが、コアハニカム3は模擬の対象となる車体の特性に応じてコアハニカム構造体の設定個数および親ハニカム2に対するコアハニカム3の相対配置などを変更することで、車両左右方向の車体反力特性を模擬の対象となる車両毎に正確に抽出することが可能となる。
【0034】
そこで、本実施形態のコアハニカム3で特定される車体構造対象として、第1実施形態に示したフロントサイドメンバ以外にバンパーレインフォースやサブフレームを設定してあり、バンパーレインフォースに対応してコアハニカム3Aを設けるとともに、サブフレームに対応してコアハニカム3Bを設けてある。
【0035】
勿論、前記コアハニカム3A,3Bは個別に設けることが可能であり、かつ、本実施形態の衝撃吸収体1Aは第1実施形態で示した形成方法(図7〜図9参照)と同様の工程を経て製作される。
【0036】
従って、本実施形態によれば、バンパーレインフォースに対応したコアハニカム3Aやサブフレームに対応したコアハニカム3Bを設けたことにより、模擬の対象となる車両の車体反力特性をより精度良く抽出することができる。
【0037】
ところで、本発明は前記第1・第2実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態における衝撃吸収体を取り付けたムービング台車の側面図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるフルラップ前面衝突試験の場合の試験前車両配置状況の側面図。
【図3】本発明の第1実施形態における衝撃吸収体の斜視図。
【図4】図3中A−A線に沿った断面図。
【図5】本発明の第1実施形態における親ハニカムのP−D特性図。
【図6】本発明の第1実施形態におけるコアハニカムのP−D特性図。
【図7】本発明の第1実施形態における衝撃吸収体の形成方法を(a)にハニカム形成工程と(b)に酸性浸食工程と(c)に充填材注入工程とで示す説明図。
【図8】本発明の第1実施形態における衝撃吸収体の形成方法を埋込み部分くり抜き工程と併せて示す図7(c)中B部の拡大図。
【図9】本発明の第1実施形態における(a)に充填材の注入状態と(b)にくり抜き状態とを示す図8中C部の拡大図。
【図10】本発明の第1実施形態におけるコアハニカム埋込み工程を示す図7(c)中B部に対応した拡大断面図。
【図11】本発明の第2実施形態における衝撃吸収体の図4に対応した断面図。
【符号の説明】
【0039】
1,1A 衝撃吸収体
2 親ハニカム
3,3A,3B コアハニカム
4 ハニカム構造体
5 液体槽
6 充填材
10 ムービング台車
11 被試験車両
C ハニカムセル
α 親ハニカムのP−D特性
β コアハニカムのP−D特性




 

 


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