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発明の名称 エンジン出力制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23934(P2007−23934A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208745(P2005−208745)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作
発明者 石戸 昌典 / 門野 亮路
要約 課題
システムへの車速入力値が異常になった時もエンジン出力が急変しないようにして、この急変による違和感を回避し得るエンジン出力制御装置を提案する。

解決手段
車速入力値VSPが瞬時t1に太い波線で示すごとく異常値を示すようになった場合、その時間変化割合を制限して求めた時間変化割合制限済車速VSPo=VSPo(前回値)+ΔVSPmax(許容最大車速増大量)を車速入力値VSPの代わりに用い、これと、アクセル開度とから、目標スロットル開度tTVOを決定する。異常な車速入力値VSPを用いて目標スロットル開度tTVOを決定すると、このtTVOが太い波線で示すように急変し、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化で運転者が違和感を持つが、VSPoを用いて目標スロットル開度tTVOを決定することで、このtTVOが実線で示すように本来値の変化に似たような変化を呈し、上記の違和感をなくし得る。
特許請求の範囲
【請求項1】
アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を任意のパラメータの入力値に応じ変更可能としたエンジン出力制御装置において、
前記パラメータ入力値の時間変化割合に制限を施し、この制限されたパラメータ入力値に応じ、アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を変更するよう構成したことを特徴とするエンジン出力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジン出力制御装置において、
前記エンジン出力決定手段がエンジンのスロットルバルブであり、前記パラメータが車速であることを特徴とするエンジン出力制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエンジン出力制御装置において、
前記車速入力値の時間変化割合に関する制限値が、平坦路で発生可能な最大加速度に余裕代を加算した値であることを特徴とするエンジン出力制御装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のエンジン出力制御装置において、
前記車速入力値の時間変化割合に関する制限値を、アクセルペダル操作量が大きいほど大きくなるようにしたことを特徴とするエンジン出力制御装置。
【請求項5】
エンジンおよび変速機の組み合わせになるパワートレーンに用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン出力制御装置において、
前記変速機の入力回転数および変速比から実車速を推定して求めた疑似車速と、前記時間変化割合を制限されたパラメータ入力値との間の偏差が設定値以上になった時をもって、前記パラメータ入力値が異常であると判定し、
この異常判定時に、アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量特性を、前記パラメータに依存しない特定の特性に固定するよう構成したことを特徴とするエンジン出力制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエンジン出力制御装置において、
前記パラメータ入力値の異常判定に伴う前記特定の特性への固定時は、この特定の特性に対応したエンジン出力決定手段の動作量への移行を所定の時間変化割合で徐々に行わせるよう構成したことを特徴とするエンジン出力制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセルペダル操作に対する、スロットル弁などエンジン出力決定手段の動作量を、車速など任意のパラメータの入力値に応じ変更可能としたエンジン出力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンを搭載した車両などでは、動力性能の向上と、燃費や運転性の向上との、トレードオフの関係にある要求を共に満足させる必要があり、アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を任意のパラメータ入力値に応じ変更可能としたエンジン出力制御装置は、これらの要求を高次元で両立させる手段として大いに有用である。
【0003】
アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を変更可能としたエンジン出力制御装置としては、例えば特許文献1に記載のごときものが従来より知られている。
【0004】
このエンジン出力制御装置はスロットル・バイ・ワイヤと俗称され、運転者が操作するアクセルペダルと、エンジン出力決定手段であるスロットル弁とを機械的に結合せず、アクセルペダル踏み込み量(以下、アクセル開度と言う)に応じてスロットル開度をアクチュエータにより電子制御可能とし、更に、アクセル開度に対するスロットル開度の変化特性を切り替え得るようにしたものである。
【0005】
ところで、アクセル開度に対するスロットル開度の変化特性を切り替えるに際しては、この切り替えを運転状態に応じて行うことも特許文献1に記載されており、運転状態を表すパラメータとして車速を用い、この車速に応じて上記の特性切り替えを補間しながら行う場合のブロック線図を示すと、図11に示すごとくになる。
【0006】
この図により詳述するに、アクセル開度APOに対するスロットル開度TVOの変化特性として、低車速用のマップLowMapと、高車速用のマップHighMapとを予め具え、これらマップを基にアクセル開度APOから、低車速用の目標スロットル開度TVO(Low)と、高車速用の目標スロットル開度TVO(High)とを検索する。
車速VSPに応じた低車速用マップLowMapおよび高車速用マップHighMap間での移行形態を定めるための移行係数Kpに関したマップを予め用意し、これを基に車速VSPから移行係数Kpを検索する。
【0007】
高車速用目標スロットル開度TVO(High)は、車速VSPに応じた移行係数Kpをそのまま用いた重み付けを付与されてKp×TVO(High)となり、低車速用目標スロットル開度TVO(Low)は、(1−Kp)による重み付けを付与されて(1−Kp)×TVO(Low)となり、これら重み付けを付与された目標スロットル開度の和値、つまりKp×TVO(High)+(1−Kp)×TVO(Low)を最終的な目標スロットル開度tTVOとする。
【0008】
つまり図12にも示したが、車速VSPがVSP1未満であれば低車速用マップLowMapに基づくスロットル開度制御を行い、車速VSPがVSP2以上であれば高車速用マップHighMapに基づくスロットル開度制御を行い、車速VSPがVSP1からVSP2に上昇するにつれ、低車速用マップLowMapから高車速用マップHighMapへと補間しながらのスロットル開度制御を行って、目標スロットル開度tTVOを決定する。
【特許文献1】特開平01−167435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし上記した制御システムにあっては、車速VSPを検出する車速センサの故障や、センサ出力伝送系の故障などにより、制御システムに向かう車速VSPの入力値が異常になったとき、これに伴ってスロットル開度TVOも変化する。
図13に示すように、瞬時t1に車速VSPの入力値が異常になって、波線で示す実車速よりも大きな値を示すようになった場合につき説明すると、スロットル開度TVOが本来なら波線で示すように経時変化する筈なのに、車速VSPの異常な入力値に応じて実線で示すごときものとなり、エンジン出力もかかるスロットル開度TVOの変化と同様な変化を生ずる。
【0010】
このため運転者は、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化により、違和感を持ったり、不自然に感じるという問題を生ずる。
【0011】
本発明は、制御システムへのパラメータ(車速VSP)の入力値をそのまま用いず、その時間変化割合を制限した後に用いれば、たとえ前記の異常が発生した場合でも、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化を生ずることがなくなり、上記の問題を生ずることがないとの観点から、この着想を具体化したエンジン出力制御装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のため、本発明によるエンジン出力制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となるエンジン出力制御装置を説明するに、これは、
アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を任意のパラメータの入力値に応じ変更可能としたものである。
【0013】
本発明は、かかるエンジン出力制御装置において、
前記パラメータ入力値の時間変化割合に制限を施し、この制限されたパラメータ入力値に応じ、アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を変更するよう構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
かかる本発明のエンジン出力制御装置によれば、
パラメータ入力値の時間変化割合に制限を施し、この制限されたパラメータ入力値に応じ、アクセルペダル操作に対するエンジン出力決定手段の動作量を変更するため、
パラメータの検出センサや、その検出値伝送系が故障するなどして、パラメータ入力値が異常な値を示すようになった場合でも、エンジン出力決定手段の動作量が一気にこの異常なパラメータ入力値に対応した量になることがなく、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化を生ずるのを防止することができ、
アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化による違和感の問題や、これを不自然に感じるという問題を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるエンジン出力制御装置を具えた車両のパワートレーンと、その制御系を示し、このパワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで構成する。
エンジン1はガソリンエンジンであるが、その出力決定手段であるスロットルバルブ3を、運転者が操作するアクセルペダル4に機械的に連結させず、これから切り離してスロットルアクチュエータ5によりスロットルバルブ3の開度を電子制御するようになす。
【0016】
スロットルアクチュエータ5は、エンジンコントローラ6がアクセルペダル4の操作に応じ後述のごとくに決定する目標スロットル開度tTVOに応動して動作量を制御され、これによりスロットルバルブ3の開度を当該目標スロットル開度tTVOに一致させ、エンジン1の出力を、基本的にはアクセルペダル4の操作に応じた値となるように制御するが、アクセルペダル操作以外の因子によっても制御可能とする。
【0017】
なおエンジンコントローラ6は、スロットルアクチュエータ5を介した上記スロットル開度制御を行うだけでなく、図示しなかったが、その他エンジン1の運転に際して必要な燃料噴射量制御や、フューエルカット制御や、点火時期制御をも行うものとする。
【0018】
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、ロックアップ式トルクコンバータ7を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ8と、これに整列配置したセカンダリプーリ9と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト10とを具える。
そして、セカンダリプーリ9にファイナルドライブギヤ組11を介してディファレンシャルギヤ装置12を駆動結合し、これらにより図示しない左右駆動輪を回転駆動するものとする。
【0019】
無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ8およびセカンダリプーリ9のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げることにより行うようにし、
両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路13からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの比により決定する。
【0020】
変速制御油圧回路13は変速アクチュエータとしてのステップモータ14を具え、これを変速機コントローラ15が目標変速比tRTOに対応したステップ位置に駆動させることで、無段変速機2を、実変速比が目標変速比tRTOと一致するように無段変速させるものとする。
【0021】
エンジンコントローラ6および変速機コントローラ15は、個々に前記したエンジン1の制御および無段変速機2の制御を行うほか、入力情報はもとより、演算結果を相互間で通信し合って、エンジン1および自動変速機2を協調制御するものとする。
このためエンジンコントローラ6に、両コントローラ6,15に共通な入力情報として、アクセルペダル4の踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ21からの信号と、
無段変速機2の入力回転数Niを検出する入力回転センサ22からの信号と、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ23からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ24からの信号と、
スロットル弁3のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ25からの信号と、
無段変速機2の出力回転数Noを検出する出力回転センサ26からの信号とを入力する。
【0022】
エンジンコントローラ6は、図11につき前述したようにして目標スロットル開度tTVOを決定するに際し、車速センサ24(図1参照)からの車速入力値VSPを図11のごとくそのまま用いるのではなく、図2にブロック線図で示す勾配リミッター31による処理を施して車速入力値VSPの時間変化割合を制限した後の時間変化割合制限済車速VSPoを用いる。
【0023】
勾配リミッター31は、1演算周期ごとの許容最大車速増加量ΔVSPmaxを決定する車速勾配許容上限決定手段32と、時間変化割合制限済車速VSPoの前回値VSPo(前回値)を記憶しておくメモリ手段33と、セレクトロー手段34とを具える。
車速勾配許容上限決定手段32で決定した1演算周期ごとの許容最大車速増加量ΔVSPmaxと、メモリ手段33で記憶しておいた時間変化割合制限済車速VSPoの前回値VSPo(前回値)との和値VSPo(前回値)+ΔVSPmaxを、セレクトロー手段34の一方の入力端子に入力する。
【0024】
ここで、車速勾配許容上限決定手段32で決定する1演算周期ごとの許容最大車速増加量ΔVSPmaxは、上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxが、最大アクセル開度のもと平坦路で発生可能な最大加速度に余裕代を加算した値となるようなものとする。
【0025】
セレクトロー手段34の他方の入力端子には、車速センサ24(図1参照)からの車速入力値VSPを入力する。
セレクトロー手段34は、この車速入力値VSPと、上記VSPo(前回値)+ΔVSPmaxとの小さい方を選択し、選択した方を今回の時間変化割合制限済車速VSPoとして出力する。
【0026】
車速入力値VSPが、図13の場合と同じく図3および図4の瞬時t1に太い波線で示すごとく異常値を示すようになった場合、上記VSPo(前回値)+ΔVSPmaxは許容最大車速増加量ΔVSPmaxで決まる実線図示のような時間変化割合をもって変化する。
【0027】
車速入力値VSPが正常であれば、この車速入力値VSPは図3に細い波線で示した実車速に一致して上記VSPo(前回値)+ΔVSPmaxよりも小さく、従ってセレクトロー手段34は、車速入力値VSPを時間変化割合制限済車速VSPoとして選択する。
この場合エンジンコントローラ6(図1参照)は、図11につき前述したようにして目標スロットル開度tTVOを決定するに際し、車速センサ24(図1参照)からの車速入力値VSPを用いて目標スロットル開度tTVOを決定するのと同じ機能を果たす。
【0028】
ところで車速入力値VSPが図3および図4の瞬時t1に太い波線で示すごとく異常値を示すようになった場合、これが、許容最大車速増加量ΔVSPmaxで決まる実線図示のような時間変化割合をもって変化する上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxよりも大きくなり、セレクトロー手段34は、車速入力値VSPに代え上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxを時間変化割合制限済車速VSPoとして選択する。
この場合エンジンコントローラ6(図1参照)は、図11につき前述したようにして目標スロットル開度tTVOを決定するに際し、車速センサ24(図1参照)からの車速入力値VSPの代わりに上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxを用いて目標スロットル開度tTVOを決定する。
【0029】
かかる異常な車速入力値VSPをそのまま用いて目標スロットル開度tTVOを決定すると、この目標スロットル開度tTVOが異常な車速入力値VSPに追従して図3に太い波線で示すように急変し、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化で運転者が違和感を持ったり不自然に感ずるところながら、
本実施例によれば、車速入力値VSPの代わりに上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxを用いて目標スロットル開度tTVOを決定するため、この目標スロットル開度tTVOが上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxに追従して図3に実線で示すように本来値の変化に似たような変化を呈し、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化が生ずるのを防止して、運転者が違和感を持ったり不自然に感ずるという上記の問題を解消することができる。
【0030】
また本実施例によれば、上記のVSPo(前回値)+ΔVSPmaxを決定するときに用いる許容最大車速増加量ΔVSPmaxを、このVSPo(前回値)+ΔVSPmaxが、平坦路で発生可能な最大加速度に余裕代を加算した値となるように定めたから、
車速入力値VSPが正常であるときに、このVSPo(前回値)+ΔVSPmaxが車速入力値VSPよりも小さくなることはなく、正常時にセレクトロー手段34がこのVSPo(前回値)+ΔVSPmaxを時間変化割合制限済車速VSPoとして選択する誤作動を回避することができる。
なお許容最大車速増加量ΔVSPmaxは、かかる誤作動を回避するようにした上で上記の余裕代が最も小さくなるような値に定めるのが、異常時に運転者のアクセルペダル操作に良く符合したエンジン出力特性を実現する上で良いことは言うまでもない。
【0031】
図5は本発明の他の実施例を示し、本実施例においては、車速勾配許容上限決定手段32が1演算周期ごとの許容最大車速増加量ΔVSPmaxを決定するに際し、前記実施例のようにVSPo(前回値)+ΔVSPmaxが、平坦路で発生可能な最大加速度に余裕代を加算した値となるような許容最大車速増加量ΔVSPmaxとするのに加えて、若しくは、その代わりに、この許容最大車速増加量ΔVSPmaxを、アクセル開度APOが大きいほど大きなものとなるようにする。
【0032】
その理由は、アクセル開度APOが大きいほど、平坦路で発生可能な最大加速度が大きいし、運転者の要求加速度も大きいからであり、
本実施例のように許容最大車速増加量ΔVSPmaxを、アクセル開度APOが大きいほど大きなものとなるよう定める場合、異常発生時における時間変化割合制限済車速VSPo=VSPo(前回値)+ΔVSPmaxをアクセル開度APOの如何にかかわらず実車速に近似させることができ、全てのアクセル開度APOにおいて前記の作用効果を確実に達成することができる。
【0033】
図6〜図8は本発明の更に他の実施例を示し、本実施例においてはエンジンコントローラ6(図1参照)が図6の制御プログラムを実行して、本発明の狙いとするエンジン出力制御を行うものである。
先ずステップS1において、つまり図7の勾配リミッター31において、図2または図5につき前述したごとくに時間変化割合制限済車速VSPoを求める。
【0034】
次のステップS2においては、つまり図7の疑似車速演算手段35において、無段変速機2の入力回転数Niを出力回転数Noで除算して求めた変速比i=Ni/No(変速機コントローラ15で演算した無段変速機2の目標変速比tRTOでもよい)と、無段変速機2の入力回転数Ni(トルクコンバータ7がロックアップ状態ならエンジン回転数でもよい)と、終減速比Gfと、車輪タイヤ有効半径Rとから、次式の演算により実車速を模した疑似車速VSPsを算出する。
VSPs=(Ni/i/Gf)×2πR×3600/1000
【0035】
次にステップS3において、つまり図7の比較器36において、疑似車速VSPsと、時間変化割合制限済車速VSPoとの間における乖離VSP0−VSPsが、車速入力値VSPの異常判定に用いる設定値ΔVSPf以上であるか否かにより、車速入力値VSPが異常であるか否かを判定する。
疑似車速VSPsと時間変化割合制限済車速VSPoとの乖離VSP0−VSPsが車速入力値異常判定用設定値ΔVSPf以上である場合は、車速入力値VSPが異常であることを示すように図7の異常判定信号をONにして、図6のステップS3からステップS4へ制御を進め、VSP0−VSPs<ΔVSPfである場合は、車速入力値VSPが正常であることを示すように図7の異常判定信号をOFFにして、図6のステップS3からステップS5へ制御を進める。
【0036】
正常時に選択されるステップS5においては、図11につき前述したと同様にして、但し、車速入力値VSPに代わるステップS1で求めた時間変化割合制限済車速VSPoと、アクセル開度APOとに基づき目標スロットル開度tTVOを求めてエンジン出力制御に供する。
【0037】
異常時に選択されるステップS4においては、図11における低車速用スロットル開度マップLowMapおよび高車速用スロットル開度マップHighMapのうち、エンジン出力特性が小さい方の低車速用スロットル開度マップLowMapを固定的に選択し続け、これを基に時間変化割合制限済車速VSPoとアクセル開度APOとから、図11につき前述したと同様にして目標スロットル開度tTVOを求め、これをエンジン出力制御に供する。
【0038】
かかる本実施例の作用を、図3の場合と同じ条件でのタイムチャートを示す図8により以下に説明する。
車速入力値VSPが瞬時t1に太い波線で示すごとく異常値を示すようになるとき以後、これに代わって、許容最大車速増加量ΔVSPmaxで決まる実線図示のような時間変化割合をもって変化する時間変化割合制限済車速VSPo=VSPo(前回値)+ΔVSPmaxに基づき目標スロットル開度tTVOが前記実施例におけると同様に決定される。
【0039】
従って、異常な車速入力値VSPをそのまま用いて目標スロットル開度tTVOを決定すると、この目標スロットル開度tTVOが異常な車速入力値VSPに追従して図3に太い波線で示すように急変し、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化で実車速が太い波線で示すごとくに変化し、運転者が違和感を持ったり不自然に感ずるところながら、
異常な車速入力値VSPの代わりに時間変化割合制限済車速VSPo=VSPo(前回値)+ΔVSPmaxを用いて目標スロットル開度tTVOを決定するため、この目標スロットル開度tTVOが実線で示すように本来値の変化に似たような変化を呈し、アクセルペダル操作に符合しないエンジン出力変化が生ずるのを防止し得て、実車速を実線で示すごとく正常時と似たように変化させることができ、運転者が違和感を持ったり不自然に感ずるという問題を解消することができる。
【0040】
そして、疑似車速VSPsと時間変化割合制限済車速VSPoとの乖離VSP0−VSPsが車速入力値異常判定用設定値ΔVSPf以上になる、車速入力値VSPの異常判定時t2以後は、エンジン出力特性が小さい方の低車速用スロットル開度マップ(図11参照)を基に時間変化割合制限済車速VSPoとアクセル開度APOとから目標スロットル開度tTVOを求めるため、
この目標スロットル開度tTVOが実線で示すごとくに低下して、実車速を実線で示すごとく正常時実車速よりも低下させることができ、実車速が正常時実車速よりも高い状態をなくすことで、運転者が一層の安心感を得ることができる。
【0041】
ところで上記においては、図8の異常判定時t2に目標スロットル開度tTVOがΔtTVOだけ急変し、運転フィーリングの観点から好ましくない場合がある。
図9により詳述するに、同図(a)は図11の低車速用スロットル開度マップに対応する低車速用目標スロットル開度マップLowMapを、また、同図(b)は図11の高車速用スロットル開度マップに対応する高車速用目標スロットル開度マップHighMapをそれぞれ示す。
【0042】
これらの図において、アクセル開度APOがAPO1の時に図8のt2での異常判定があったとすると、この時の目標スロットル開度tTVOは、図9(a)のAPO=APO1に対応した目標スロットル開度αと、図9(b)のAPO=APO1に対応した目標スロットル開度βとの間の値である。
上記の異常判定時に、図9(a)の低車速用目標スロットル開度マップLowMapに固定する場合、目標スロットル開度tTVOは現在の値からαに向け低下され、また、図9(b)の高車速用目標スロットル開度マップHighMapに固定する場合、目標スロットル開度tTVOは現在の値からβに向け増大される。
いずれにしても目標スロットル開度tTVOは現在の値からステップ状に低下したり、上昇して、運転フィーリングに悪影響を及ぼす懸念がある。
【0043】
上記の実施例では異常判定時に、図9(a)の低車速用目標スロットル開度マップLowMapに固定するから、目標スロットル開度tTVOは図8の異常判定時t2に現在の値からステップ状にΔtTVOだけ上記のαへと低下されて、運転フィーリングに悪影響を及ぼす懸念がある。
この懸念を解消するため図10に実線で示すように、異常判定時t2以後、目標スロットル開度tTVOを上記の懸念が問題とならない所定の時間変化割合で徐々に上記のαまで低下させることとする。
かかる実施例によれば、異常判定時に目標スロットル開度tTVOがステップ状に変化することがなくなり、運転フィーリングに悪影響が及ぶ懸念を払拭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例になるエンジン出力制御装置を具えた車両用パワートレーンを、その制御系と共に示すシステム図である。
【図2】同パワートレーン制御系におけるエンジンコントローラが時間変化割合制限済車速を求める時の勾配リミッター処理を示す機能別ブロック線図である。
【図3】図2に示す勾配リミッター処理の動作タイムチャートである。
【図4】同勾配リミッター処理による動作のうち、異常判定直後における動作を拡大して示す動作タイムチャートである。
【図5】本発明の他の実施例を示す、図2と同様な勾配リミッター処理の機能別ブロック線図である。
【図6】本発明の更に他の実施例を示すエンジン出力制御プログラムのフローチャートである。
【図7】同例における車速入力値の異常判定処理に関した機能別ブロック線図である。
【図8】同例の動作タイムチャートである。
【図9】同例で用いる目標スロットル開度マップ図を示し、 (a)は、低車速用の目標スロットル開度マップ図、 (b)は、高車速用の目標スロットル開度マップ図である。
【図10】本発明の更に別の実施例になるエンジン出力制御装置が求める目標スロットル開度の変化状況を示す説明図である。
【図11】一般的なエンジン出力制御装置の機能別ブロック線図である。
【図12】この一般的なエンジン出力制御装置により求めた目標スロットル開度の変化状況を示す説明図である。
【図13】図11に示す一般的なエンジン出力制御装置の車速入力値異常発生時における動作タイムチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 エンジン
2 無段変速機
3 スロットルバルブ(エンジン出力決定手段)
4 アクセルペダル
5 スロットルアクチュエータ
6 エンジンコントローラ
7 トルクコンバータ
8 プライマリプーリ
9 セカンダリプーリ
10 Vベルト
11 ファイナルドライブギヤ組
12 ディファレンシャルギヤ装置
13 変速制御油圧回路
14 ステップモータ
15 変速機コントローラ
21 アクセル開度センサ
22 入力回転センサ
23 エンジン回転センサ
24 車速センサ
25 スロットル開度センサ
26 出力回転センサ
31 勾配リミッター
32 許容最大車速増加量決定手段
33 記憶手段
34 セレクトロー手段
35 疑似車速演算手段
36 比較器




 

 


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