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発明の名称 吸気装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16758(P2007−16758A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−202163(P2005−202163)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100094167
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 良夫
発明者 矢ヶ部 嘉徳 / 佐々木 潤哉
要約 課題
ブローバイガスなどのガスが吸気通路へ導入される部分で氷結が発生することを抑制できる吸気装置を提供する。

解決手段
吸気装置70は、スロットルバルブ91と、吸気コレクタ51と、第1吸気管53と、仕切部80と、ガス導入管78と、容積室72とを備える。第1吸気管53は、スロットルバルブ91と吸気コレクタ51との間に設けられる。仕切部80は、第1吸気管53の内側の空間を第1吸気空間53aと第2吸気空間53bとに分ける。ガス導入管78は、ブローバイガスを第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bに導入する。ブローバイガスは、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気と異なる温度を持ち、水分を含む気体である。容積室72は、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bとガス導入管78との間に設けられる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関の吸気通路に設けられ、新気空気の量を調整する調整弁と、
前記吸気通路において、前記調整弁の下流に設けられる吸気コレクタと、
前記調整弁と前記吸気コレクタとの間に設けられる第1吸気管と、
前記第1吸気管の内側の空間を第1吸気空間と第2吸気空間とに分ける仕切部と、
前記第1吸気空間の新気空気及び前記第2吸気空間の新気空気と異なる温度を持ち水分を含む気体である第1ガスを前記第1吸気空間及び前記第2吸気空間に導入するガス導入管と、
前記第1吸気空間及び前記第2吸気空間と前記ガス導入管との間に設けられる容積室と、
を備えた、
吸気装置。
【請求項2】
前記容積室は、前記第1吸気空間及び前記第2吸気空間に接する開口部を有し、
前記開口部の断面積は、前記ガス導入管の断面積より大きい、
請求項1に記載の吸気装置。
【請求項3】
前記開口部の断面積は、前記ガス導入管の断面積の1.5倍以上である、
請求項2に記載の吸気装置。
【請求項4】
前記第1ガスは、ブローバイガス又はEGRガスを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の吸気装置。
【請求項5】
前記仕切部は、前記調整弁の付近から前記吸気コレクタに至る部分に設けられ、
前記第1吸気空間における新気空気の脈動は、前記第2吸気空間における新気空気の脈動と位相が異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸気装置。
【請求項6】
前記仕切部は、前記調整弁の付近から前記吸気コレクタに至る部分の途中において、前記開口部の面積中心の付近を通る、
請求項5に記載の吸気装置。
【請求項7】
前記開口部が前記第1吸気空間に接する面積である第1接触面積は、前記開口部が前記第2吸気空間に接する面積である第2接触面積と略等しい、
請求項6に記載の吸気装置。
【請求項8】
前記容積室と前記ガス導入管とを連通するコネクタ部をさらに備え、
前記ガス導入管は、前記コネクタ部と前記容積室とを介して、前記第1ガスを前記第1吸気空間及び前記第2吸気空間へ導入する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の吸気装置。
【請求項9】
前記容積室を囲む容積室壁と、
前記容積室壁に接続されるハーネスブラケット取付用のボス部と、
をさらに備えた、
請求項1から8のいずれか1項に記載の吸気装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブローバイガスなどのガスが吸気通路に導入される吸気装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−140713(第1−3頁、第1−7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
吸気装置には、スロットルバルブと吸気コレクタとの間において、吸気通路が仕切板で第1吸気空間と第2吸気空間とに分けられて、共鳴吸気が行われるものがある。このような吸気装置において、仕切板の側方または上下から、第1吸気空間と第2吸気空間とへブローバイガスなどのガスが導入されることがある。このとき、そのガスが吸気通路へ導入される部分で氷結が発生する傾向がある。
【0004】
本発明の課題は、ブローバイガスなどのガスが吸気通路へ導入される部分で氷結が発生することを抑制できる吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る吸気装置は、調整弁と、吸気コレクタと、第1吸気管と、仕切部と、ガス導入管と、容積室とを備える。調整弁は、内燃機関の吸気通路に設けられる。調整弁は、新気空気の量を調整する。吸気コレクタは、吸気通路において、調整弁の下流に設けられる。第1吸気管は、調整弁と吸気コレクタとの間に設けられる。仕切部は、第1吸気管の内側の空間を第1吸気空間と第2吸気空間とに分ける。ガス導入管は、第1ガスを第1吸気空間及び第2吸気空間に導入する。第1ガスは、第1吸気空間の新気空気及び第2吸気空間の新気空気と異なる温度を持ち、水分を含む気体である。容積室は、第1吸気空間及び第2吸気空間とガス導入管との間に設けられる。
【0006】
この吸気装置では、容積室は、第1吸気空間及び第2吸気空間とガス導入管との間に設けられる。このため、第1吸気空間の新気空気の一部及び第2吸気空間の新気空気の一部と第1ガスとを容積室で混合することができ、第1吸気空間の新気空気及び第2吸気空間の新気空気と第1ガスとの温度差を低減することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る吸気装置では、第1吸気空間の新気空気及び第2吸気空間の新気空気と第1ガスとの温度差を低減することができるので、第1ガスが吸気通路へ導入される部分で氷結が発生することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<実施形態>
本発明の実施形態に係る内燃機関の断面図を図1に示す。
【0009】
(内燃機関の概略構成)
内燃機関1は、共鳴吸気を行うV型6気筒の機関である。6つの気筒は、長手方向から見て右側に配置される右バンクと、左側に配置される左バンクとに、同数に分かれて配置されている。
【0010】
内燃機関1は、主として、6つの燃焼室63、吸気装置70、排気装置30、6つの燃料噴射弁27及び6つの点火プラグ29を備える。
【0011】
各燃焼室63は、シリンダヘッド20,シリンダブロック10およびピストン3に囲まれた室であり、気筒ごとに形成されている。シリンダヘッド20には、燃焼室63に新気空気を供給するための吸気ポート23と、燃焼室63から既燃ガスを排気ガスとして排出するための排気ポート24とが形成されている。
【0012】
また、吸気装置70は、吸気通路50を介して新気空気及び燃料を各燃焼室63へ導入するように設けられており、6気筒に対して共通に形成されている。吸気装置70は、吸気バルブ21,吸気ポート23及び吸気ブランチ52などを有している。吸気ブランチ52は、吸気ポート23の上流に位置している。吸気ポート23の下流には吸気バルブ21が配備されている。
【0013】
一方、排気装置30は、排気ガスを各燃焼室63から排出するように設けられており、6気筒に対して共通に形成されている。排気装置30は、主として、排気バルブ22,排気ポート24及び排気ブランチ31を有している。排気ブランチ31は、排気ポート24の下流に位置している。排気ポート24の上流には排気バルブ22が配備されている。
【0014】
クランクシャフトの回転に連動して回転する吸気用カム軸21b/排気用カム軸22bに固定された吸気用カム21a/排気用カム22aは、吸気バルブ21/排気バルブ22の上方に配置されており、吸気バルブ21/排気バルブ22を開閉させる。
【0015】
各燃料噴射弁27は、吸気ポート23にガソリン燃料を噴射する弁であり、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁27は、燃焼室63上部略中央のシリンダヘッド20から燃焼室63内部へ延びるように設けられている。燃料噴射弁27の先端は、燃焼室63に突出している。
【0016】
各点火プラグ29は、燃焼室63上部略中央のシリンダヘッド20から燃焼室63内部へ延びるように、気筒ごとに設けられている。点火プラグ29の先端部分29aは、燃焼室63に突出している。
【0017】
(内燃機関の概略動作)
内燃機関1では、吸気ブランチ52に導入された新気空気が、後述の第2混合気として、吸気ポート23に導入されている。加圧された燃料が供給される燃料噴射弁27は、吸気ポート23に導入された第2混合気に燃料を噴射する。これにより、吸気ポート23において、新気混合気が形成される。
【0018】
吸気行程において、吸気用カム21aにより吸気バルブ21は開状態とされ、吸気ポート23で形成された新気混合気は、吸気ポート23から燃焼室63へ導入される。
【0019】
圧縮行程においては、ピストン3が上昇して、燃焼室63の新気混合気が圧縮される。そして、点火プラグ29の先端部分29aにより、燃焼室63の新気混合気は所定のタイミングで点火され燃焼する。
【0020】
膨張行程では、新気混合気が燃焼して発生した燃焼圧力によって、ピストン3が押し下げられる。
【0021】
排気行程では、排気用カム22aにより排気バルブ22が開状態とされ、燃焼室63で燃焼された既燃ガスが、排気ガスとして排気ポート24経由で排気ブランチ31へ排出される。
【0022】
(吸気装置の概略構成)
吸気装置の上面図を図2に示す。また、図2の矢視III-IIIから見た図を図3に示す。さらに、図3のIV-IV断面図を図4に示す。
【0023】
吸気装置70は、主として、吸気通路50,スロットルバルブ91(図1参照),吸気バルブ21(図1参照),仕切部80,容積室72(図5参照),コネクタ(コネクタ部)75及びガス導入管78(図6参照)を備える。
【0024】
吸気通路50は、燃焼室63に吸入される新気空気が流される通路である。吸気通路50は、主として、スロットルチャンバ54(図1参照),第1吸気管53,吸気コレクタ51,吸気ブランチ52及び吸気ポート23(図1参照)を有する。仕切部80は、第1仕切板81と第2仕切板82とを有する。
【0025】
スロットルチャンバ54には、スロットルバルブ91(図1参照)が配備されている。スロットルバルブ91は、開度が変えられることにより、スロットルチャンバ54を通過する新気空気の量を変えることができるようになっている。これにより、スロットルバルブ91は、吸入される新気空気の量を調整する。
【0026】
第1吸気管53は、スロットルチャンバ54と吸気コレクタ51との間に設けられる。第1吸気管53の管壁53cは、略円弧状に湾曲しながら、スロットルチャンバ54と吸気コレクタ51とを連通している。また、第1吸気管53の内側の空間は、第1仕切板81により、右バンクと左バンクとに対応して、第1吸気空間53aと第2吸気空間53bと(第1仕切板81の上下、図5参照)に分けられている。ここで、第1仕切板81は、スロットルバルブ91の付近(フランジ53e付近であってフランジ53eより下流)から吸気コレクタ51に至る部分に設けられている。
【0027】
容積室壁71に囲まれて形成される容積室72(図5参照)は、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bとガス導入管78(図6参照)との間に設けられる。容積室72は、コネクタ75を介してガス導入管78に接続されている。これらにより、ガス導入管78は、コネクタ75と容積室72とを介して、ブローバイガス(第1ガス)を第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bに導入することができるようになっている。ここで、ブローバイガスは、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気より高い温度を持ち、水分を含む気体である。
【0028】
また、容積室壁71は第1吸気管53から外方に突出するように設けられている。これにより、容積室壁71に囲まれた容積室72を確保できるようになっている。また、第1吸気管53から外方に突出した容積室壁71を利用することにより、他の部材(ハーネスブラケット取付用ボス79、図3参照)を設けるレイアウト自由度を確保することができる。さらに、容積室壁71にハーネスブラケット取付用ボス79が接続されているので、ハーネスブラケット取付用ボス79の剛性が比較的簡単な構造及び製造性で向上する。
【0029】
コレクタ壁51cに囲まれて形成される吸気コレクタ51は、スロットルバルブ91及び第1吸気管53の下流に設けられている。吸気コレクタ51は、略直方体形状をしており、中央付近に第1吸気管53が接続されている。また、吸気コレクタ51は、第2仕切板82により、右バンクと左バンクとに対応して、第1コレクタ空間と第2コレクタ空間と(第2仕切板82の上下)に分けられている。ここで、第2仕切板82の第1吸気管53側の端部82cは、第1仕切板81の吸気コレクタ51側の端部81cと連続している。これにより、第1コレクタ空間は第2吸気空間53bに連通されずに第1吸気空間53aに連通されており、第2コレクタ空間は第1吸気空間53aに連通されずに第2吸気空間53bに連通されている。
【0030】
吸気ブランチ52は、吸気コレクタ51とシリンダヘッド20との間に設けられており、第1吸気管53と反対側の部分で吸気コレクタ51に接続されている。吸気ブランチ52は、気筒数分(図2では6気筒)設けられた各吸気ポート23に対応して分岐しており、第1分岐管52a,第2分岐管52b,第3分岐管52c,第4分岐管52d,第5分岐管52e及び第6分岐管52fを有している。ここで、第1分岐管52a,第2分岐管52b及び第3分岐管52cが右バンクに対応しており、第1コレクタ空間から右バンクの各吸気ポート23へと延びている。また、第4分岐管52d,第5分岐管52e及び第6分岐管52fが左バンクに対応しており、第2コレクタ空間から左バンクの各吸気ポート23へと延びている。
【0031】
そして、各吸気ポート23の下流には、吸気ポート23と燃焼室63との間を開閉するように、吸気バルブ21が設けられている。
【0032】
(吸気装置の概略動作)
スロットルバルブ91は、所定の開度で開かれる。これにより、吸入される量が調整された新気空気は、スロットルチャンバ54を通過して第1吸気管53へ導入される。第1吸気管53へ導入された新気空気は、第1吸気空間53aと第2吸気空間53bとへ分岐して、吸気コレクタ51へ向かって流れる。これにより、共鳴吸気を行うために、第1吸気空間53aにおける新気空気の脈動と、第2吸気空間53bにおける新気空気の脈動とは、位相を異ならせることができるようになっている。
【0033】
一方、ガス導入管78には、クランク室(図示せず)からブローバイガスが導入される。そのブローバイガスは、ガス導入管78からコネクタ75を介して容積室72へ導入される。また、容積室72へは第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bから新気空気が導入される。これにより、容積室72では、新気空気とブローバイガスとの混合気(以下、第1混合気とする)が形成される。この第1混合気は、容積室72から第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入される。
【0034】
そして、第1吸気空間53aでは、新気空気と第1混合気とが混合された混合気(以下、第2混合気とする)が形成される。第2混合気は、第1コレクタ空間へ導入された後、第1分岐管52a〜第3分岐管52cを介して、右バンクの各吸気ポート23に導入される。吸気ポート23に導入された第2混合気は、吸気バルブ21が開いた際に燃焼室63へ導入される。
【0035】
同様に、第2吸気空間53bでも、新気空気と第1混合気とが混合されて第2混合気が形成される。第2混合気は、第2コレクタ空間へ導入された後、第4分岐管52d〜第6分岐管52fを介して、左バンクの各吸気ポート23に導入される。吸気ポート23に導入された第2混合気は、吸気バルブ21が開いた際に燃焼室63へ導入される。
【0036】
(容積室の詳細構成)
図4のV-V断面図を図5に示す。図5のVI-VI断面図を図6に示す。図5のVII-VII断面図を図7に示す。
【0037】
容積室72は、容積室壁71に囲まれた室であり、略逆L字形状である。すなわち、容積室72は、第1空間72a、第2空間72b及び第3空間72cを有する。第1空間72aは、第1仕切板81と略同一平面上において、第1仕切板81から遠ざかるように延びている。第2空間72bは、第1空間72aにおいて第1仕切板81から遠い部分から、第1仕切板81の側面に沿った方向に延びている。第3空間72cは、第2空間72bにおいて第1空間72aから遠い部分から、第1仕切板81から斜めに遠ざかる方向へ延びている。
【0038】
容積室壁71の第1仕切板81に面した部分には、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bと容積室72の第1空間72aとを連通する開口部71eが形成されている。開口部71eは、略矩形状の断面を有しており、その断面積はガス導入管78の断面積より大きい。すなわち、幅W1の部分(高さH1の部分)の断面積は、幅W4の部分の断面積より大きく、幅W4の部分の断面積の1.5倍以上(好ましくは2倍以上)である。また、幅W2の部分(高さH2の部分)の断面積や幅W3の部分(高さH3の部分)の断面積は、幅W1の部分(高さH1の部分)の断面積よりさらに大きくなっている。
【0039】
ここで、第1仕切板81には、開口部71e付近に切り欠き81aが設けられている。これにより、開口部71eは、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bに接している。そして、第1接触面積S71e1は、第2接触面積S71e2と略等しい。第1接触面積S71e1は、開口部71eが第1吸気空間53aに接する部分71e1の面積である。第2接触面積S71e2は、開口部71eが第2吸気空間53bに接する部分71e2の面積である。
【0040】
また、第1仕切板81は、スロットルバルブ91の付近から吸気コレクタ51に至る部分の途中において、開口部71eの面積中心CPの付近を通っている。これにより、容積室72へ導入されたブローバイガスは、開口部71eを介して、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ略均等に分配されるようになっている。
【0041】
さらに、容積室壁71の開口部71eから遠い部分には、連通路71dが形成されている。連通路71dは、コネクタ75の内側の空間75dと容積室72の第3空間72cとを連通している。そして、ガス導入管78は、コネクタ75がガス導入管78の内側の空間78dへ挿入されるように、コネクタ75に嵌め込まれている。これにより、ガス導入管78の内側の空間78dは、コネクタ75の内側の空間75dへ連通している。このため、ガス導入管78は、コネクタ75と容積室72とを介して、ブローバイガスを第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入することができるようになっている。
【0042】
なお、幅W1の部分(高さH1の部分)の断面積が大きすぎると、第1吸気空間53aにおける新気空気の脈動と第2吸気空間53bにおける新気空気の脈動とは弱められてしまう。そこで、幅W1の部分(高さH1の部分)の断面積は、新気空気の脈動を著しく弱めるレベル(例えば、幅W4の部分の断面積の2.5倍)以下であることが好ましい。
【0043】
(容積室におけるブローバイガスの詳細動作)
ガス導入管78の内側の空間78dに導入されたブローバイガスは、コネクタ75の内側の空間75dと連通路71dとを介して容積室72の第3空間72cへ導入される。容積室72の第3空間72cへ導入されたブローバイガスは、第3空間72c,第2空間72b又は第1空間72aに分布するようになる。
【0044】
一方、幅W1の部分の断面積が幅W4の部分の断面積の1.5倍以上であるので、第1吸気空間53aの新気空気の一部と第2吸気空間53bの新気空気の一部とは、切り欠き81aと開口部71eとを介して、容積室72の第1空間72aへ導入される。ここで、第1吸気空間53aの新気空気と第2吸気空間53bの新気空気とは、互いに異なる位相で脈動しながら容積室72の第1空間72aへ導入されるので、第1空間72aのブローバイガスと急激に混合される。第1空間72aでは、新気空気とブローバイガスとの混合気(第1混合気)が形成される。そして、幅W2の部分の断面積や幅W3の部分の断面積が幅W1の部分の断面積よりさらに大きくなっているので、第1混合気が第1空間72aから第2空間72b及び第3空間72cへと容易に拡散し、新気空気とブローバイガスとの混合がさらに促進される。これにより、ブローバイガスの熱エネルギーの一部が新気空気に吸収されるので、ブローバイガスの温度は下がる。すなわち、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差は低減される。
【0045】
そして、容積室72の第1空間72a〜第3空間72cの第1混合気は、開口部71eを介して第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入される。ここで、スロットルバルブ91の付近から吸気コレクタ51に至る部分の途中において第1仕切板81が開口部71eの面積中心CPの付近を通り、第1接触面積S71e1が第2接触面積S71e2と略等しいので、ブローバイガスを含む第1混合気は、第1吸気空間53aと第2吸気空間53bとへ略均等に分配される。また、ブローバイガスそのものでなく新気空気と混合された第1混合気としてブローバイガスが第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ分配されるので、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへのブローバイガスの分配性の低下は抑制されている。
【0046】
(内燃機関の吸気装置に関する特徴)
(1)
ここでは、容積室72は、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bとガス導入管78との間に設けられる。このため、第1吸気空間53aの新気空気の一部及び第2吸気空間53bの新気空気の一部とブローバイガスとが容積室72で混合され、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差が低減される。
【0047】
このように、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差が低減されるので、ブローバイガスが吸気通路50へ導入される部分で氷結が発生することは抑制される。
【0048】
(2)
仮に、開口部の断面積が小さい場合には、開口部を介して、高温のブローバイガスが常温の新気空気へ導入される。このため、ブローバイガスと新気空気との温度差により開口部において氷結が発生する傾向がある。また、開口部で氷結が発生した場合に、開口部が閉塞される傾向がある。
【0049】
本発明では、開口部71eの断面積は、ガス導入管78の断面積より大きく、ガス導入管78の断面積の1.5倍以上(好ましくは2倍以上)である。このため、第1吸気空間53aの新気空気の一部及び第2吸気空間53bの新気空気の一部と、ブローバイガスとは、容積室で容易に混合される。この結果、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差が低減されるので、ブローバイガスが吸気通路50へ導入される部分で氷結が発生することは抑制される。
【0050】
また、開口部71eで氷結が発生しても、開口部71eの断面積が氷結の断面積よりも大きければ、開口部71eが閉塞されることは低減される。
【0051】
(3)
ここでは、第1仕切板81は、スロットルバルブ91の付近から吸気コレクタ51に至る部分に設けられる。このため、第1吸気空間53aと第2吸気空間53bとには、それぞれ、新気空気の脈動が十分に発生する。また、第1吸気空間53aにおける新気空気の脈動は、第2吸気空間53bにおける新気空気の脈動と位相が異なる。このため、第1吸気空間53aの新気空気の一部及び第2吸気空間53bの新気空気の一部と、ブローバイガスとは、容積室72で容易に混合される。
【0052】
(4)
ここでは、第1仕切板81は、スロットルバルブ91の付近から吸気コレクタ51に至る部分の途中において、開口部71eの面積中心CPの付近を通る。また、第1接触面積S71e1は、第2接触面積S71e2と略等しい。このため、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへは、ブローバイガスが略均等に分配される。
【0053】
(5)
ここでは、ガス導入管78は、コネクタ75と容積室72とを介して、ブローバイガスを第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入する。これにより、ブローバイガスの分配性が第1仕切板81と容積室72との位置関係で決まる。このため、第1仕切板81の位置に左右されずに、ブローバイガスの分配性を考慮してガス導入管78を配置することができるようになっている。
【0054】
(6)
ここでは、容積室壁71は第1吸気管53から外方に突出するように設けられている。これにより、容積室壁71に囲まれた容積室72を確保できるようになっている。また、第1吸気管53から外方に突出した容積室壁71を利用することにより、他の部材(ハーネスブラケット取付用ボス79、図3参照)を設けるレイアウト自由度を確保することができる。さらに、容積室壁71にハーネスブラケット取付用ボス79が接続されているので、ハーネスブラケット取付用ボス79の剛性が比較的簡単な構造及び製造性で向上する。
【0055】
(実施形態の変形例)
(A)ガス導入管78が第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入するのは、ブローバイガスである代わりにEGRガスであっても良い。この場合でも、EGRガスは、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気より高い温度を持ち、水分を含む気体である。このため、開口部71eで氷結が発生する傾向がある。
【0056】
この場合でも、容積室72は、第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bとガス導入管78との間に設けられる。このため、第1吸気空間53aの新気空気の一部及び第2吸気空間53bの新気空気の一部とブローバイガスとが容積室72で混合され、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差が低減される。
【0057】
このように、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気とブローバイガスとの温度差が低減されるので、ブローバイガスが吸気通路50へ導入される部分で氷結が発生することは抑制される。
【0058】
なお、ガス導入管78が第1吸気空間53a及び第2吸気空間53bへ導入するのは、ブローバイガスやEGRガスである代わりに、第1吸気空間53aの新気空気及び第2吸気空間53bの新気空気と異なる温度を持ち水分を含む気体であればどのようなガスであってもよい。
【0059】
(B)内燃機関1の気筒数は、偶数であればよく、6気筒に限定されない。また、内燃機関1は、V型である代わりに水平対向型であっても良い。
【0060】
<実施形態及び比較例1の比較>
実施形態における吸気装置の概略構成を図8(c)に示す。また、比較例1における吸気装置の概略構成を図8(a)に示す。
【0061】
吸気装置170は、吸気通路50の代わりに吸気通路150を備え、仕切部80の代わりに仕切部180を備え、ガス導入管78の代わりにガス導入管178を備え、容積室72を備えていない点で、吸気装置70と異なる。
【0062】
吸気通路150は、第1吸気管53の代わりに第1吸気管153を有している。仕切部180は、第1仕切板81の代わりに第1仕切板181を有している。第1吸気管153の内側の空間は、第1仕切板181により、右バンクと左バンクとに対応して、第1吸気空間153aと第2吸気空間153bと(第1仕切板181の上下)に分けられている。
【0063】
ガス導入管178は、右バンク及び左バンクに対応して分岐しており、第1導入分岐管178a及び第2導入分岐管178bを有している。第1導入分岐管178aの内側の空間は、第1開口部171e1を介して第1吸気空間153aに連通されている。第2導入分岐管178bの内側の空間は、第2開口部171e2を介して第2吸気空間153bに連通されている。第1導入分岐管178aの内側の空間と、第2導入分岐管178bの内側の空間とは、ガス導入管178が分岐する部分において連続している。
【0064】
これにより、第1吸気空間153aにおける新気空気の脈動と第2吸気空間153bにおける新気空気の脈動とは、第1吸気空間53aにおける新気空気の脈動と第2吸気空間53bにおける新気空気の脈動とに比べて、弱められやすくなっている。
【0065】
また、第1開口部171e1の断面積や第2開口部171e2の断面積は、分岐前のガス導入管178の断面積と同等である。これにより、第1開口部171e1や第2開口部171e2では、開口部71eに比べて、氷結が発生しやすくなっている。
【0066】
ガス導入管178は、容積室72を介さずに、第1吸気空間153a及び第2吸気空間153bに直接接続されている。これにより、ブローバイガスの分配性が第1仕切板181とガス導入管178との位置関係で決まる。このため、ガス導入管178のレイアウト自由度が低くなっている。
【0067】
さらに、ガス導入管178は、第1導入分岐管178aと第2導入分岐管178bとに分岐しているため、構造が複雑になっている。このため、ガス導入管178は、ガス導入管78に比べて、部品点数が多くなっているので、製造コストが高くなっている。
【0068】
<実施形態及び比較例2の比較>
実施形態における吸気装置の概略構成を図8(c)に示す。また、比較例2における吸気装置の概略構成を図8(b)に示す。
【0069】
吸気装置270は、吸気通路50の代わりに吸気通路250を備え、仕切部80の代わりに仕切部280を備え、ガス導入管78の代わりにガス導入管278を備え、容積室72を備えていない点で、吸気装置70と異なる。
【0070】
吸気通路250は、第1吸気管53の代わりに第1吸気管253を有している。仕切部280は、第1仕切板81の代わりに第1仕切板281を有している。第1吸気管253の内側の空間は、第1仕切板281により、右バンクと左バンクとに対応して、第1吸気空間253aと第2吸気空間253bと(第1仕切板281の上下)に分けられている。
【0071】
ガス導入管278の内側の空間は、開口部271eを介して第1吸気空間153a及び第2吸気空間153bに連通されている。ここで、開口部271eは、第1吸気空間253a及び第2吸気空間253bに接している。すなわち、開口部271eは、第1吸気空間253aに接する部分271e1と、第2吸気空間253bに接する部分271e2とを有する。
【0072】
これにより、第1吸気空間153aにおける新気空気の脈動と第2吸気空間153bにおける新気空気の脈動とは、第1吸気空間53aにおける新気空気の脈動と第2吸気空間53bにおける新気空気の脈動とに対して、同様に形成されている。
【0073】
また、開口部271eの断面積は、ガス導入管278の断面積と同等である。これにより、開口部271eでは、開口部71eに比べて、氷結が発生しやすくなっている。
【0074】
ガス導入管278は、容積室72を介さずに、第1吸気空間253a及び第2吸気空間253bに直接接続されている。これにより、ブローバイガスの分配性が第1仕切板281とガス導入管278との位置関係で決まる。このため、ガス導入管278のレイアウト自由度が低くなっている。
【0075】
さらに、ガス導入管278は、構造が複雑になっている。このため、ガス導入管278は、ガス導入管78に比べて、部品点数が多くなっているので、製造コストが高くなっている。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る吸気装置は、第1ガスが吸気通路へ導入される部分で氷結が発生することを抑制できるという効果を有し、吸気装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態に係る内燃機関の断面図。
【図2】吸気装置の上面図。
【図3】図2の矢視III-IIIから見た図。
【図4】図3のIV-IV断面図。
【図5】図4のV-V断面図。
【図6】図5のVI-VI断面図。
【図7】図5のVII-VII断面図。
【図8】比較例1,比較例2及び実施形態の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0078】
1 内燃機関
50 吸気通路
51 吸気コレクタ
53 第1吸気管
53a 第1吸気空間
53b 第2吸気空間
71e 開口部
72 容積室
75 コネクタ(コネクタ部)
78 ガス導入管
80 仕切部
91 スロットルバルブ(調整弁)





 

 


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