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内燃機関の可変動弁装置 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 内燃機関の可変動弁装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9927(P2007−9927A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−287371(P2006−287371)
出願日 平成18年10月23日(2006.10.23)
代理人 【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
発明者 原 誠之助 / 中村 信 / 竹村 信一
要約 課題
最小リフト状態では閉弁状態を維持し、燃費性能を有効に向上しつつ、装置のコンパクト化を図る。

解決手段
クランク軸と同期してカムシャフト13が回転すると、偏心カム15,リンクアーム25,ロッカアーム18,リンク部材26を介して揺動カム20が揺動し、吸気弁12を開閉作動する。また制御軸16が回転すると、ロッカアーム18を介して揺動カム20の回動位置が相対的に変化し、カムリフト特性が変化する。ベースサークル区間θ1では揺動カム20と吸気弁12との間に所定のバルブクリアランスが設定されている。また、揺動カム20のカムリフト量が最小となる最小リフト状態では、揺動カム20の最大カムリフト量が、0より大きく、かつバルブクリアランスより小さく設定されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
機関のクランク軸によって回転駆動し、外周に回転カムが固定されたカムシャフトと、
伝達機構によって上記回転カムと機械的に連係され、回転カムの回転に応じて所定回転範囲内で軸周りに揺動し、吸排気弁に係合してこの吸排気弁を開閉作動させる揺動カムと、
上記揺動カムの吸排気弁に対するカムリフト量を可変制御する制御手段と、を備え、
吸排気弁と、これに対向する所定回転区間にある揺動カムとの間には所定のバルブクリアランスが設定されており、
かつ、上記制御手段によって揺動カムのカムリフト量が最小となるように制御された最小リフト状態では、上記所定範囲内で揺動する揺動カムの最大カムリフト量が、0より大きく、かつバルブクリアランスより小さく設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
【請求項2】
さらに、上記最小リフト状態における最大カムリフト量が、バルブクリアランスからバルブクリアランスの設定誤差分を引いた値よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【請求項3】
さらに、上記最小リフト状態における最大カムリフト量が、バルブクリアランスからバルブクリアランスの設定誤差分及び運転条件に応じたバルブクリアランス変化分を引いた値よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【請求項4】
所定の運転条件では、制御手段により最小リフト状態とならないように制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【請求項5】
機関のクランク軸によって回転駆動し、外周に回転カムが固定されたカムシャフトと、
このカムシャフトにほぼ平行に配設された制御軸に制御カムを介して揺動自在に軸支され、一端部に連係した回転カムの回転により揺動するロッカアームと、
ロッカアームの他端部に連係して吸排気弁を開閉作動させる揺動カムと、
制御軸を所定角度範囲で回転させるアクチュエータと、
このアクチュエータを機関運転条件に応じて駆動制御する制御手段とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、
カムシャフトに固定される回転カムを、軸心がカムシャフトの軸心からオフセットしたほぼリング状の偏心カムとすると共に、揺動カムを、カムシャフトに偏心カムと同軸上に揺動自在に設け、かつ、偏心カムとロッカアームの一端部とをリンクアームを介して回転自在に連係し、このリンクアームの基部に有する嵌合孔を偏心カムの外周面に回転自在に嵌合して、偏心カムの偏心回転運動を往復運動に変換してロッカアームに伝達するようにしたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸・排気弁の開閉時期及びバルブリフト量を機関運転条件に応じて可変にできる内燃機関の動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、機関低速低負荷時における燃費の改善並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気・排気バルブの開閉時期とバルブリフト量を機関運転条件に応じて可変制御する動弁装置は従来から種々提案されており、その一例として特許文献1等に記載されているものが知られている。
【0003】
図12に基づきその概略を説明すれば、シリンダヘッド1のアッパデッキの略中央近傍上方位置にカムシャフト2が設けられていると共に、カムシャフト2の外周にカム2aが一体に設けられている。また、カムシャフト2の側部には、制御シャフト3が平行に配置されており、この制御シャフト3に偏心カム4を介してロッカアーム5が揺動自在に軸支されている。一方、シリンダヘッド1に摺動自在に設けられた吸気弁6の上端部には、バルブリフター7を介して揺動カム8が配置されている。この揺動カム8は、バルブリフター7の上方にカムシャフト2と並行に配置された支軸9に揺動自在に軸支され、下端のカム面8aがバルブリフター7の上面に当接している。また、ロッカアーム5は、一端部5aがカム2aの外周面に当接していると共に、他端部5bが揺動カム8の上端面8bに当接して、カム2aのリフトを揺動カム8及びバルブリフター7を介して吸気弁6に伝達するようになっている。
【0004】
また、制御シャフト3は、図外のアクチュエータによって所定角度範囲で回転制御されて、偏心カム4の回動位置を制御し、これによってロッカアーム5の揺動支点を変化させるようになっている。
【0005】
そして、偏心カム4が正逆の所定回動位置に制御されると、ロッカアーム5の揺動支点が変化して、揺動カム8の上端面8bに対する他端部5bの当接位置が図中上下方向に変化し、これによって揺動カム8のカム面8aのバルブリフター7上面に対する当接位置の変化に伴い、揺動カム8の揺動軌跡が変化することにより吸気弁6の開閉時期(バルブタイミング)とバルブリフト量を可変制御するようになっている。なお、図中10は、揺動カム8の上端面8bを常時ロッカアーム5の他端部5bに弾接付勢するスプリングである。
【0006】
ところで、上記公報には記載されていないが、アクチュエータによって制御シャフト3が所定の回転位置に保持されている状態では、吸気弁6のバルブリフト量を0に維持し、つまり吸気弁6を閉弁状態に維持することによって、エンジンの燃費性能等を向上させ得ることが知られている。例えば、一部の気筒の吸排気弁を停止して減筒運転を行うことで、ポンピングロスが減少し、燃費が向上する。又、各気筒に設けられた2つの吸気弁のうち、一方の吸気弁のみを停止することで、ガス流動が強化され、その燃焼効率が向上する。特に、燃費性能が要求される低速低負荷域で弁停止を行うことで、燃費効果を有効に高めることができる。
【特許文献1】特開昭55−137305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような弁停止を実現するためには、揺動カムの相対移動範囲を大きくし、つまり伝達機構のディメンジョンをアクチュエータにより大きく変化させる必要があり、それにより装置全体が必要とするスペースが大きくなり、もって機関への搭載性が悪化する傾向にあった。
【0008】
本発明の一つの目的は、弁停止作動による燃費性能の向上を行いつつ、装置自体のコンパクト化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1の発明は、機関のクランク軸によって回転駆動し、外周に回転カムが固定されたカムシャフトと、伝達機構によって上記回転カムと機械的に連係され、回転カムの回転に応じて所定回転範囲内で軸周りに揺動し、吸排気弁に係合してこの吸排気弁を開閉作動させる揺動カムと、上記揺動カムの吸排気弁に対するカムリフト量を可変制御する制御手段と、を備え、吸排気弁と、これに対向する所定回転区間にある揺動カムとの間には所定のバルブクリアランスが設定されており、かつ、上記制御手段によって揺動カムのカムリフト量が最小となるように制御された最小リフト状態では、上記所定範囲内で揺動する揺動カムの最大カムリフト量が、0より大きく、かつバルブクリアランスより小さく設定されていることを特徴としている。
【0010】
制御手段によってカムリフト量が最小となる最小リフト状態にあるとき、揺動カムの最大カムリフト量がバルブクリアランスより小さくなっているため、吸排気弁が揺動カムに係合することはなく、吸排気弁は停止(閉弁)状態に維持される。したがって、上述したような燃費向上効果を得ることができる。
【0011】
加えて、最小リフト状態における最大カムリフト量が0より大きく設定されているから、制御手段によるカムリフト量の可変幅を小さく抑えることができる。従って、例えば制御手段による揺動カムや伝達機構のディメンジョン変化を小さくでき、装置全体が必要とするスペースをコンパクト化することができる。この結果、レイアウトの自由度が向上するとともに、機関への搭載性が向上する。
【0012】
より具体的には、吸排気弁に対向,係合する揺動カムには、その回転角度に応じて、吸排気弁との間にバルブクリアランスが設定されるベースサークル区間、緩やかにカムリフト量が変化するカムランプ区間、及び吸排気弁を昇降させるリフト区間が設定されている。ここで、仮に最小リフト状態における最大カムリフト量が実質的に0の場合、揺動カムの所定揺動範囲はベースサークル区間内に設定される。一方、本発明では、最小リフト状態における最大カムリフト量が0より大きいから、その揺動範囲がカムランプ区間をオーバーラップする形となる。この結果、オーバーラップした分、揺動カムの全回転範囲が短くなり、揺動カム及びこれに連係する伝達機構の移動量が小さくなるから、装置全体の寸法が小さくなる。
【0013】
さらには、最小リフト状態にあるときにも、揺動カムが微少な昇降動作を伴って揺動するから、吸排気弁に対して相対的に揺動する揺動カムが、潤滑油を循環させるポンプとして機能し、揺動カムと吸排気弁との間の潤滑性を向上することができる。つまり、摩擦,磨耗が生じやすい揺動カムの潤滑性能を効果的に向上することができる。
【0014】
また、請求項2の発明は、上記最小リフト状態における最大カムリフト量が、バルブクリアランスからバルブクリアランスの設定誤差分を引いた値よりも小さく設定されていることを特徴としている。
【0015】
この場合、バルブクリアランスに設計誤差がある場合であっても、最小リフト状態で吸排気弁が閉弁状態に確実に維持される。
【0016】
請求項3の発明は、上記最小リフト状態における最大カムリフト量が、バルブクリアランスからバルブクリアランスの設定誤差分及び運転条件に応じたバルブクリアランス変化分を引いた値よりも小さく設定されていることを特徴としている。
【0017】
所定の運転条件、例えば暖機運転中では、吸排気弁が燃焼熱により急速に暖められて膨張する一方、吸排気弁の周囲にあるシリンダヘッドや伝達機構は冷えたままとなっており、結果として実際のバルブクリアランスは設定値よりも短くなる。このように運転条件に応じてバルブクリアランスが変化した場合であっても、この変化分を見越した形で最大カムリフト量が設定されているから、弁停止状態を確実に維持できる。
【0018】
請求項4の発明は、所定の運転条件では、制御手段により最小リフト状態とならないように制御されることを特徴としている。
【0019】
つまり、所定の運転条件では最小リフト状態とならないから、弁停止誤作動を招く虞がなくなる。
【0020】
請求項5の発明は、機関のクランク軸によって回転駆動し、外周に回転カムが固定されたカムシャフトと、このカムシャフトにほぼ平行に配設された制御軸に制御カムを介して揺動自在に軸支され、一端部に連係した回転カムの回転により揺動するロッカアームと、ロッカアームの他端部に連係して吸排気弁を開閉作動させる揺動カムと、制御軸を所定角度範囲で回転させるアクチュエータと、このアクチュエータを機関運転条件に応じて駆動制御する制御手段とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、カムシャフトに固定される回転カムを、軸心がカムシャフトの軸心からオフセットしたほぼリング状の偏心カムとすると共に、揺動カムを、カムシャフトに偏心カムと同軸上に揺動自在に設け、かつ、偏心カムとロッカアームの一端部とをリンクアームを介して回転自在に連係し、このリンクアームの基部に有する嵌合孔を偏心カムの外周面に回転自在に嵌合して、偏心カムの偏心回転運動を往復運動に変換してロッカアームに伝達するようにしたことを特徴としている。
【0021】
この請求項5の発明では、吸排気弁のバルブタイミング及びバルブリフト量を弁停止を含めて可変制御できるのは勿論のこと、偏心カムと揺動カムとをカムシャフトに同軸上に設けたため、機関へ搭載する際の幅方向の配置スペースを有効に小さくすることができる。また、ロッカアームも機関幅方向へ延設する必要がなくなるため、装置全体のコンパクト化が図れる。この結果、レイアウトの自由度及び機関への搭載性が効果的に向上する。
【0022】
また、揺動カムを偏心カムとともにカムシャフト同軸上に設けたため、揺動カムを支持する支軸を別途用意する必要がなく、部品点数の低減が図れると共に、カムシャフトと揺動カムとの軸心ずれが生じないため、バルブタイミングの制御精度を効果的に向上できる。
【0023】
しかも、円環状の偏心カムは、その全体がリンクアームに回転自在に嵌合して連結されているため、リンクアームとの面圧を効果的に低減できる。したがって、両者間の摩耗の発生が抑制できると共に、潤滑も行い易い。
【0024】
さらに、面圧の低下に伴い偏心カムの材料選択の自由度が向上し、加工と材料の低廉化が図られる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1〜4の発明によれば、最小リフト状態では閉弁状態を維持して燃費性能を有効に向上しつつ、装置全体が効果的にコンパクト化され、レイアウトの自由度及び機関への搭載性を向上することができる。
【0026】
また請求項5の発明によれば、装置全体のコンパクト化,部品点数低減,バルブタイミングの制御精度の向上、偏心カムとリンクアームとの摩耗抑制,加工と材料の低廉化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図3は、本発明に係わる可変動弁装置を、1気筒あたり2つの吸気弁及び排気弁が設けられた内燃機関に適用した実施の形態を示している。
【0028】
この可変動弁装置は、シリンダヘッド11に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた一対の吸気弁12,12と、シリンダヘッド11上部のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカムシャフト13と、カムシャフト13に、圧入等により固設された回転カムである2つの偏心カム15,15と、カムシャフト13の上方位置に同じカム軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気弁12,12の上端部に設けられた伝達部材であるバルブリフター19,19の上方に配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20とを備えている。
【0029】
偏心カム15,15とロッカアーム18,18とは略円環状のリンクアーム25,25によって機械的に連係されている一方、ロッカアーム18,18と揺動カム20,20とは略棒状のリンク部材26,26によって機械的に連係されている。すなわち、リンクアーム25は、偏心カム15の外周に外嵌し、かつ、ピン21を介してロッカアーム18の一端部18bと相対回転可能に連結されている。また、リンク部材26は、その一端部26aがロッカアーム18の他端部18cとピン28を介して相対回転可能に連結されているとともに、その他端部26bが揺動カム20とピン29を介して相対回転可能に連結されている。
【0030】
なお、上記各ピン21,28,29には、図2,3に示すように、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動を規制するスナップリング30,31,32が取り付けられている。
【0031】
カムシャフト13は、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達される。
【0032】
カム軸受14は、シリンダヘッド11の上端部に設けられてカムシャフト13の上部を支持するメインブラケット14aと、メインブラケット14aの上端部に設けられて制御軸16を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0033】
各偏心カム15は、図4にも示すように、ほぼリング状を呈し、小径なカム本体15aと、カム本体15aの軸方向外側部分の外周側から一体的に張り出したフランジ部15bとからなり、内部軸方向にカムシャフト挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心X(図1)が、そのカムシャフト挿通孔15c及びこれを挿通するカムシャフト13の軸心Y(図1〜4)から径方向へ所定量だけオフセットしている。また、各偏心カム15は、バルブリフター19に干渉しないように、軸方向外側位置でカムシャフト13にカムシャフト挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0034】
制御軸16は、その一端部に設けられた図外の電磁アクチュエータによって、所定の回転角度範囲内で回転駆動され、この電磁アクチュエータは、図外のコントローラからの制御信号に基づいて駆動制御されている。コントローラは、クランク角センサやエアーフローメータ,水温センサ等の各種のセンサから検出された機関の運転条件を示す検出信号に基づいて、現在の機関運転条件を演算等により算出し、その結果に基づいて電磁アクチュエータに制御信号を出力している。
【0035】
各制御カム17は、それぞれ円筒状を呈し、図1に示すように制御軸16の外周に固定されており、その軸心P1位置が制御軸16の軸心P2から所定距離αだけ偏心している。
【0036】
各ロッカアーム18は、図3に示すようにほぼクランク状に折曲形成され、中央に有する基部18aが制御カム17に回転自在に支持されている。各基部18aの外側部から外周側へ一体的に突設された一端部18bには、ピン21が圧入
するピン孔18dが貫通形成されている一方、各筒状基部18aの各内側部から外周側へ一体的に突設された他端部18cには、ピン28が圧入するピン孔18eが形成されている。
【0037】
リンクアーム25は、比較的大径な円環状の基部25aと、基部25aから外周側へ一体的に突設された突出端25bとを備え、基部25aの中央位置には、偏心カム15のカム本体15aの外周面15dに回転自在に嵌合する嵌合孔25cが形成されている一方、突出端25bには、ピン21が回転自在に挿通するピン孔25dが貫通形成されている。
【0038】
また、リンク部材26は、図1にも示すように、滑らかに湾曲するアーム状に形成され、その一端部26aにはピン28が回転自在に挿通するピン挿通孔26cが貫通形成されているとともに、他端部26bにはピン29が挿通するピン挿通孔26dが貫通形成されている。
【0039】
揺動カム20は、ほぼ円環状の基部22と、この基部22から外周側へ一体的に凸状に張り出したカムノーズ23とを有し、基部22に貫通形成された支持孔22aを挿通するカムシャフト13によって回転自在に支持されている。また、カムノーズ23にはピン29が挿通するピン孔23aが貫通形成されている。
【0040】
バルブリフター19の上面19aに対向する揺動カム20の下面24は、反円弧状の基部22外周面からなる同一径方向長さの基円面24aと、この基円面24aから径方向長さが長くなるように、基円面24aからカムノーズ23の頂部に向かって円弧状に滑らかに延びるカム面24bとを有している。そして、基円面24aがバルブリフター19上面19aに最も近接する所定角度範囲θ1がベースサークル区間となり、カム面24bのベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2がいわゆるランプ区間となり、さらにカム面24bのランプ区間θ2からカムノーズ23頂部側へ延びる所定角度範囲θ3がリフト区間となるように設定されている。
【0041】
以上のような構成により、カムシャフト13が軸周りに回転すると、リンクアーム25,ロッカアーム18,及びリンク部材26等からなる伝達機構を介して揺動カム20が所定範囲内で揺動し、吸気弁12に対する揺動カム20のカムリフト量が変化する。そして、揺動カム20のカム面24bがバルブリフター上面19aを押圧することにより、吸気弁12が図外のバルブスプリングの反力に抗してリフト方向に沿って昇降し、開閉作動する。
【0042】
また、電磁アクチュエータによって制御軸16を軸周りに適宜に回転することで、伝達機構のディメンジョンが変化し、揺動カム20のカムリフト特性が可変制御される。
【0043】
図5は、制御軸16が最も反時計方向に回転移動されている状態で、例えば機関高速高負荷時のような最大リフト状態を示す透視図である。また図6は、制御軸16が最も時計方向に回転移動された状態で、例えば機関低速低負荷時のような最小リフト状態を示す透視図である。なお、図5,6において、(A)はカムシャフト13が初期回転位置にある状態を、また(B)はカムシャフト13が初期回転位置から180度回転した状態を示している。
【0044】
例えば図5(A)に示すようにカムシャフト13が初期回転位置にある状態では、揺動カム20は、その基円面24aが対向するバルブリフター19の上面19aに最も近接した姿勢となっている。このように、ベースサークル区間θ1内の基円面24aがバルブリフター上面19aと対向している状態では、基円面24aとバルブリフター上面19aとの間に、吸気弁12の膨張等を考慮して、所定のバルブクリアランスVcl(図8)が設定されている(図5(A)では当接しているように見えるが、実際には離れている)。したがって、吸気弁12は、図外のバルブスプリングにより最も上方位置に保持され、閉弁状態にある。
【0045】
この状態からカムシャフト13が回転すると、偏心カム15の相対位置変化に伴って、この偏心カム15に外嵌するリンクアーム25がピン21を介してロッカアーム18の一端部18bを押し上げる。つまり、偏心カム15の偏心回転運動が往復運動に変換されてロッカアーム18に伝達される。これによりロッカアーム18が制御軸16を軸心として反時計方向に揺動し、このロッカアーム18の他端部18cにピン28,リンク部材26及びピン29を介して連結された揺動カム20が、所定回転範囲内でカムシャフト13周りを反時計方向に揺動する(図5(B)参照)。
【0046】
この揺動動作に対応して、バルブリフター上面19aに対向する揺動カム20の下面24位置が、相対的にカムノーズ23頂部側(ランプ区間θ2及びリフト区間θ3側)へとシフトする。この結果、揺動カム20のカム面24bがバルブリフター上面19aに当接,係合して吸気弁12を図において下方へ押圧し、吸気弁12がリフト方向に沿って開弁作動する。
【0047】
図5(B)はカムシャフト13が初期回転位置から180度回転した状態を示しており、この状態から更にカムシャフト13が回転すると、偏心カム15の位置に応じて、今度はロッカアーム18及び揺動カム20が反対方向すなわち時計周りの方向に揺動する。この結果、バルブリフター19の上面19aに対向,当接する下面24の位置がカム面24b側から基円面24a側へとシフトし、これに伴って吸気弁12が上昇する。そして、カムシャフト13が360度回転して初期回転位置に戻されたとき、再び図5(A)に示す状態となる。
【0048】
このように、カムシャフト13の回転に応じて揺動カム20が所定の回転範囲内を揺動して、吸気弁12に対するカムリフト量が変化し、このカムリフト量に応じて吸気弁12のバルブリフト量が変化する。
【0049】
ここで、揺動カム20のカムリフト量とは、図5(A)に示すように揺動カム20の基円面24aがバルブリフター上面19aに最も近接している状態での基円面24aのリフト方向位置を基準位置とし、この基準位置からバルブリフター上面19aへ対向する揺動カム下面24までのリフト方向距離で表される。例えば図5(B)に示す状態では、基準位置からバルブリフター上面19aに当接するカム面24bまでのリフト方向長さがカムリフト量となる。一方、バルブリフト量とは、図5(A)に示す閉弁状態を基準位置とし、この基準位置からのストローク量で表される。
【0050】
ところで、例えば図5(A)に示す状態から制御軸16を時計方向に回転駆動すると、制御カム17の軸心P1が時計方向に回転変位し、制御カム17の肉厚部17aがカムシャフト13から離れるように上方向へ移動する。このため、ロッカアーム18の一端部18bに連結するリンクアーム25の突出端25bが押し下げられるとともに、ロッカアーム18の他端部18cに連結するリンク部材26が押し上げられる形となり、図6(A)に示すように、揺動カム20が時計方向に相対回転した状態となる。
【0051】
従って、図6(A),(B)に示すような最小リフト状態においては、カムシャフト13の回転に応じて揺動カム20が上述した図5の場合と同じように所定の回転範囲内で揺動するものの、バルブリフター上面19aに対向,係合する揺動カム20の下面24の位置が基円面24a側へとシフトしているから、揺動カム20のカムリフト量及びリフト範囲は小さくなる。
【0052】
なお、図6(A)に示す状態から制御軸16を反時計方向に回転駆動すると、揺動カム20が反時計方向に回転し、図5(A)に示す状態へと戻される。
【0053】
図7は、揺動カム20の回転角度とカムリフト量との関係を示す特性図で、図8はカムシャフト13の回転角度とカムリフト量との関係を示す特性図である。なお、バルブリフト量は、カム面24bがバルブリフター上面19aに当接した状態ではカムリフト量と比例するから、図8に示すように、実質的にカムリフト量からバルブクリアランスVclを引いた値で表される。
【0054】
図5に示す高速高負荷域の最大リフト状態では、揺動カム20は図7の揺動範囲S1内を揺動し、そのカムリフト特性は図8の曲線(イ)となる。このとき、カムリフト量及びバルブリフト量が最も大きく、かつ各吸気弁12の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなっており、この結果、吸気弁充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。なお、最大リフト状態における揺動カム20の初期角度K1min(図7)は、例えばカムシャフト13の角度に対する開弁期間等を考慮して設定される。
【0055】
この状態から制御軸16を時計方向に回動すると、図7に示すように揺動カム20の揺動範囲S1がベースサークル区間θ1側へと移行し、図8に示すように、そのバルブリフト量が徐々に小さくなるとともに、弁開閉期間が徐々に短くなる。そして、図6に示す最小リフト状態においては、揺動カム20が図7の揺動範囲S2内を揺動し、図8の曲線(ロ)で示すカムリフト特性となる。
【0056】
ここで本実施形態では、最小リフト状態における揺動カム20の最大カムリフト量Lc(図8)が、0より大きく、かつ、バルブクリアランスVclより小さく設定されている。この結果、最小リフト状態では、揺動する揺動カム20がバルブクリアランスVclの範囲内で昇降するものの、吸気弁12は弁停止(閉弁)状態に保持され、上述したような燃費向上効果を得ることができる。
【0057】
ところで、仮に最小リフト状態における揺動カム20の揺動範囲を、図7のS3に示すように、ランプ区間θ2の境目からベースサークル区間θ1内に設定した場合、揺動カム20の全回転範囲がθt′分だけ大きくなり、伝達機構のディメンジョン変化も大きくなる。特にランプ区間θ2ではカムリフト特性の傾斜が緩やかであるから、θt′はかなり大きな値になる。この結果、揺動カム20が図7の回転位置K3minにある状態では、図9(A)に示すように、揺動カム20、リンク部材26及びロッカアーム18が大きく上方へ跳ね上がった状態となり、高さ方向寸法が大きくなるから、機関への搭載性が悪化する。また、カムノーズ23とロッカアーム18との干渉(図の斜線を施した領域R)を回避する必要があり、レイアウト上の自由度が制限される。なお、図9では干渉を回避するためにロッカアーム18の一部を切り欠いているが、その分製造工数が増加してしまう。
【0058】
これに対し、本実施形態のように、揺動カムの最大カムリフト量Lcが、0より大きく、且つバルブクリアランスVclより小さく設定されていると、揺動カム20の回転範囲S2がランプ区間θ2をオーバーラップする形となり、オーバーラップしている範囲θt′の分、S1からS2に切り換える際における揺動カム20の相対回転角度θtを小さく抑えることができる。つまり、揺動カム20の全回転範囲がθt′分だけ小さくなり、図6(A)に示すように、揺動カム20、リンク部材26及びロッカアーム18の跳ね上がりが有効に減少されるから、装置全体の高さ方向寸法が小さくなり、装置全体が有効にコンパクト化される。この結果、機関への搭載性が向上するとともに、レイアウトの自由度が大きくなり、例えば図9に示すようにカムノーズ23とロッカアーム18とが干渉する虞はない。
【0059】
ところで、一般的に、揺動カム20とバルブリフター19との間の潤滑特性は良くない。この理由としては、揺動カム20とバルブリフター19は相対的に揺動する機構となっているが、図5(B),図6(B)に示すように、両者の相対運動が無くなるとき、オイルのくさび膜効果が得られなくなり、この状態が、荷重の大きな最大リフト位置と一致しているからである。
【0060】
本実施形態によれば、図10に示すように、閉弁状態に維持される最小リフト状態において、揺動カム20が、所定量Lcのリフト動作を伴ってバルブリフター上面19aに対して揺動するから、そのポンピング作用により、揺動カム下面24とバルブリフター上面19aとの間に潤滑油が効果的に導かれ、この部分の潤滑性能の悪化を有効に改善できる。
【0061】
加えて本実施形態では、吸気弁12のバルブタイミング及びバルブリフト量を弁停止状態を含めて可変制御できることは勿論のこと、偏心カム15と揺動カム20とをカムシャフト13に同軸上に設けたため、機関へ搭載する際の幅方向の配置スペースを有効に小さくすることができると共に、ロッカアーム18も機関幅方向へ延設する必要がなくなるため、装置全体のコンパクト化が図れる。この結果、機関への搭載性がさらに向上する。
【0062】
しかも、揺動カム20を偏心カム15とともにカムシャフト13と同一軸線上に配置したため、揺動カム20を別途支持する支軸等の部品が不要になり、部品点数の低減が図れると共に、カムシャフト13と揺動カム20との軸心ずれが生じないため、バルブタイミングの制御精度を効果的に向上することができる。
【0063】
また、円環状の偏心カム15は、その全体がリンクアーム25に回転自在に嵌合して連結されているため、リンクアーム25との面圧を効果的に低減できる。したがって、両者間の摩耗の発生が抑制できると共に、潤滑も行い易い。
【0064】
さらに、上記面圧の低下に伴い偏心カム15の材料選択の自由度が向上し、加工と材料の低廉化が図られる。
【0065】
ところで、上記実施形態では詳述していないが、図11(a)に示すように、バルブクリアランスは、例えば工場等では所定の規定値(Vcl0)に設定されるが、実際には所定の設定誤差±Δ1の範囲でばらつきがある。このようなばらつきを想定して、好ましくは最小リフト状態における最大カムリフト量は、0より大きく、かつ、予め設定されたバルブクリアランスVcl0から設定誤差分Δ1を引いた値に設定される。つまり、揺動カム20とバルブリフター19との間隙Δ(図8)の最小値Δminは、Vcl0−Δ1−Lcとなり、これが0より大きく設定される。この結果、仮に設定誤差があっても最小リフト状態での弁停止(閉弁)状態を確実に維持できる。
【0066】
また、図11(b)に示すように、実際のバルブクリアランスは、機関の運転条件に応じて変化することがある。例えば暖機運転中では、吸気弁12が燃焼熱によって急激に暖められて膨張する一方、伝達機構等の他部位は冷えたままであるから、実際のバルブクリアランスは例えばΔtだけ短くなる。このような場合を想定し、好ましくは最小リフト状態における最大カムリフト量Lcは、0より大きく、かつ予め設定されたバルブクリアランスVcl0から設定誤差分Δ1及び変位分Δtを差し引いた値に設定される。つまり、予想される最小の間隙Δmin=Vcl0−Δ1−Δt−Lcが0より大きく設定される。この結果、バルブクリアランスに設定誤差の範囲でばらつきがあったり、運転条件に応じて実際のバルブクリアランスが変化した場合であっても、最小リフト状態における弁停止作動を確実に保証できる。
【0067】
さらに、上記暖機運転中のような運転条件では、コントローラ及び電磁アクチュエータによって制御軸16の回転位置を制御して、弁停止を伴う最小リフト状態とならないようにしてもよい。この場合でも、弁停止の誤作動を確実に防止することができる。
【0068】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば排気弁側にも同じように適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係わる可変動弁装置を内燃機関に適用した実施形態を示す図2のA−A線に沿う断面図。
【図2】図1の内燃機関の側面図。
【図3】図1の内燃機関の上面図。
【図4】図1の偏心カムを単体で示す斜視図。
【図5】最大リフト状態を示す図1の透視対応図。
【図6】最小リフト状態を示す図1の透視対応図。
【図7】揺動カムの回転角度とカムリフト量との関係を示す特性図。
【図8】カムシャフトの回転角度とカムリフト量との関係を示す特性図。
【図9】揺動カムが図7の揺動範囲S3を揺動する状態を示す図1の透視対応図。
【図10】最小リフト状態における揺動カムとバルブリフターとを拡大して示す断面図。
【図11】最小リフト状態における最大カムリフト量とバルブクリアランスとの関係を示す特性図。
【図12】従来の動弁装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0070】
12…吸気弁
13…カムシャフト
15…偏心カム(回転カム)
16…制御軸
17…制御カム
18…ロッカアーム
19…バルブリフター
20…揺動カム
25…リンクアーム




 

 


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