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燃料噴射弁取付構造及びその方法 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 燃料噴射弁取付構造及びその方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9847(P2007−9847A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194025(P2005−194025)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
発明者 中野 智晴
要約 課題
Oリングが傷付くことなく相手部材内に挿入することができる燃料噴射弁取付構造を提供する。

解決手段
燃料噴射弁1の先端側をシリンダヘッド5に挿入し、後端側から押さえ部材3によって押圧する燃料噴射弁取付構造において、前記押さえ部材3は、前記燃料噴射弁1を挿入する挿入孔3bを備え、前記燃料噴射弁1は、前記押さえ部材3の挿入孔3bに挿入された状態で、前記燃料噴射弁1と前記押さえ部材3の間をシールするシール部材17を備え、前記筒状部材6の内側に前記押さえ部材3に接して円筒状のスペーサ25を備え、このスペーサ25は、内周面に前記押さえ部材側に縮径し、かつ前記挿入孔と同一内径となるテーパー部25eを設け、前記燃料噴射弁に設置されたシール部材17が、前記テーパー部25eに沿って前記押さえ部材の挿入孔3bに挿入されることを特徴とする燃料噴射弁取付構造である。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料噴射弁の先端側をシリンダヘッドに設けた収容孔に挿入し、後端側から押さえ部材によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付構造において、
前記押さえ部材は、前記燃料噴射弁を挿入する挿入孔を備え、
前記燃料噴射弁は、前記押さえ部材の挿入孔に挿入された状態で、前記燃料噴射弁と前記押さえ部材の間をシールするシール部材を備え、
前記燃料噴射弁と前記押さえ部材との間に、前記燃料噴射弁の軸方向に弾性を有する筒状部材を介装し、
前記筒状部材の内側に前記押さえ部材に接して円筒状のスペーサを備え、
このスペーサは、内周面に前記押さえ部材側に縮径し、かつ前記挿入孔と同一内径となるテーパー部を設け、
前記燃料噴射弁に設置された前記シール部材が、前記テーパー部に沿って前記押さえ部材の挿入孔に挿入されることを特徴とする燃料噴射弁取付構造。
【請求項2】
前記スペーサは、径方向に延出する円盤状の鍔部を備え、この鍔部に前記燃料噴射弁の後端側に突出する凸部を設け、
前記押さえ部材は、前記凸部に係合する係合孔を備え、
前記凸部が前記押さえ部材の係合孔に係合して、前記スペーサの前記押さえ部材に対する前記燃料噴射弁の中心軸回りの位置が規定されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁取付構造。
【請求項3】
前記押さえ部材は、燃料供給用配管である請求項1又は2に記載の燃料噴射弁取付構造。
【請求項4】
前記筒状部材は、断面の一部に切り欠き部を有する略C型断面の形状を備え、
前記燃料噴射弁と同軸状かつ前記燃料噴射弁の側面に設けた突起部と前記切り欠き部とが一致するように介装し、前記筒状部材が径方向に拡がることを防止する拡がり防止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁取付構造。
【請求項5】
前記拡がり防止手段として、前記筒状部材の中央部より先端側のいずれかの部位に、断面形状が略C型の板状部材を係合させることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射弁取付構造。
【請求項6】
前記拡がり防止手段として、前記収容孔の内部で前記筒状部材の先端部と前記燃料噴射弁とが接触するように構成し、前記収容孔の壁面で前記筒状部材の下端付近の径方向への拡がりを抑制することを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射弁取付構造。
【請求項7】
燃料噴射弁の先端側をシリンダヘッドに設けた収容孔に挿入し、後端側から押さえ部材によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付方法において、
前記押さえ部材上に、前記燃料噴射弁の軸方向に弾性を有し、断面の一部に切り欠き部を有する略C型断面の筒状部材を設置し、
この筒状部材の内側に、前記押さえ部材に接し、その内周面に前記押さえ部材側に縮径するテーパー部を設けた円筒状のスペーサを設置し、
前記燃料噴射弁後端側に設置されたシール部材を前記テーパー部に沿って前記押さえ部材内に挿入し、
前記押さえ部材に挿入された前記燃料噴射弁の先端を前記シリンダヘッドの前記収容孔に挿入することを特徴とする燃料噴射弁取付方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料噴射弁の取り付け構造とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料噴射弁の取り付け方法としては、噴孔を有する燃料噴射弁の先端部を、筒内直噴式エンジンであればシリンダヘッド、ポート噴射式エンジンであれば吸気マニホールド(以下、シリンダヘッド等という)に設けた収容孔に挿入し、押さえ部材によって先端方向に向けて押圧し、この押圧部材をボルト等によってシリンダヘッド等に固定する方法が知られている。
【0003】
ところが、上記の方法では、各部品の寸法のぱらつきによって荷重方向が燃料噴射弁の軸心方向とずれてしまい、燃料噴射弁を押圧する荷重に偏りが生じ、燃料噴射弁の一部に過大な荷重がかかることがある。この場合には、燃料噴射弁の取付角度が所望の角度からずれることによって噴射量や噴霧特性が悪化するという問題があった。
【0004】
特許文献1には、燃料噴射弁と押さえ部材としての燃料供給用配管とをスリーブを介して接続し、燃料噴射弁に設けたフランジと燃料供給用配管に設けた座面の間にバネを介装して、燃料供給用配管をシリンダヘッドに固定することによって押し縮められるバネの反力によって燃料噴射弁をシリンダヘッドに押圧し、これによって前述した各部品の寸法等のぱらつきを補償する技術が開示されている。
【0005】
ところで、電磁式の燃料噴射弁には、開閉を制御する信号を伝達する電気配線を接続するためのコネクタが設けられる。コネクタは、燃料噴射弁の端部に燃料供給用配管を接続するトップフィード型の場合には燃料噴射弁本体の側面に突出するように設けられ、燃料噴射弁り側部に燃料供給用配管を接続するサイドフィード型の場合には燃料噴射弁の端部に設けられる。
【0006】
つまり、燃料噴射弁の側部にはコネクタもしくは燃料供給用配管との接続部のいずれかが突出している。
【0007】
特許文献1では、トップフィード型の燃料噴射弁を用いており、側面に突出したコネクタとバネとの干渉を避けるために、コネクタよりも上部にバネ受部としてのフランジを設け、燃料噴射弁の端部に接続される燃料供給用配管と前記フランジ部との間にバネを介装している。
【0008】
したがって、少なくともコネクタやフランジ部を設ける部分およびバネを介装するためのスペースをシリンダヘッドと燃料供給用配管との間に確保しなければならず、コンパクトな構成にすることが難しいという問題があった。
【0009】
そこで、本出願人は、この問題を解決する燃料噴射弁取付構造を発明し、平成16年9月16日に特許出願した(特願2004−269521)。この燃料噴射弁取付構造は、燃料噴射弁の先端側を燃料噴射弁取付位置に設けた収容孔に挿入し、後端側から燃料供給配管によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付構造において、燃料噴射弁と燃料供給配管との間に、燃料噴射弁の軸方向に弾性を有し、断面の一部に切り欠き部を有する略C型断面の筒状部材を、燃料噴射弁と同軸状かつ燃料噴射弁の側面に設けた突起部と前記切り欠き部とが一致するように介装したことを特徴とする。
【特許文献1】特表2001−511867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常、燃料噴射弁は、燃料供給配管に形成された孔の所定位置にOリングを介して固定される。その組み立ては、燃料噴射弁にOリングを挿入した後、燃料供給配管に形成された孔の所定位置まで押し込んで組み立てられる。
【0011】
孔に燃料噴射弁を押し込む際に、Oリングは燃料供給配管に形成された孔の縁部に形成されたテーパー部にガイドされて押し込まれるが、テーパー部の角度が適切でないとOリングの押込力が大きくなり、Oリングの傷付きを生じやすくなる。この防止のためにはテーパー角度を小さくすべきであるが、角度を小さくするとテーパー部が長くなり、燃料供給配管の変更により重量やコストが増大し、また燃料供給配管の変更に伴い燃料噴射弁も変更が余儀なくされ、量産品を使用できずコストアップを招く恐れが生じる。
【0012】
したがって、本発明の目的は、燃料供給配管を変更することなく、燃料噴射弁を燃料供給配管に挿入する燃料噴射弁取付構造及びその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、燃料噴射弁の先端側をシリンダヘッドに設けた収容孔に挿入し、後端側から押さえ部材によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付構造において、前記押さえ部材は、前記燃料噴射弁を挿入する挿入孔を備え、前記燃料噴射弁は、前記押さえ部材の挿入孔に挿入された状態で、前記燃料噴射弁と前記押さえ部材の間をシールするシール部材を備え、前記燃料噴射弁と前記押さえ部材との間に、前記燃料噴射弁の軸方向に弾性を有する筒状部材を介装し、前記筒状部材の内側に前記押さえ部材に接して円筒状のスペーサを備え、このスペーサは、内周面に前記押さえ部材側に縮径し、かつ前記挿入孔と同一内径となるテーパー部を設け、前記燃料噴射弁後端側に設置されたシール部材が、前記テーパー部に沿って前記押さえ部材の挿入孔に挿入されることを特徴とする燃料噴射弁取付構造である。
【0014】
また、燃料噴射弁の先端側をシリンダヘッドに設けた収容孔に挿入し、後端側から押さえ部材によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付方法において、前記押さえ部材上に、前記燃料噴射弁の軸方向に弾性を有し、断面の一部に切り欠き部を有する略C型断面の筒状部材を設置し、この筒状部材の内側に、前記押さえ部材に接し、その内周面に前記押さえ部材側に縮径するテーパー部を設けた円筒状のスペーサを設置し、前記燃料噴射弁後端側に設置されたシール部材を前記テーパー部に沿って前記押さえ部材内に挿入し、前記押さえ部材に挿入された前記燃料噴射弁の先端を前記シリンダヘッドの前記収容孔に挿入することを特徴とする燃料噴射弁取付方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、燃料噴射弁を押さえ部材の挿入孔に挿入する際に、燃料噴射弁のシール部材がスペーサのテーパー部に沿って挿入されるので、シール部材の挿入時のガイド機能を押さえ部材が有する必要がない。このため、押さえ部材および燃料噴射弁の変更を必要とすることなく、シール部材の傷付きを防止しつつシール部材を押さえ部材の挿入孔に挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態の燃料噴射弁取付構造を適用するエンジンの概略図である。
【0018】
5はシリンダヘッド、15はシリンダブロックである。
【0019】
シリンダブロック15にはシリンダ15aを設け、内部にはピストン12を摺動可能に収める。そしてシリンダヘッド5の下面とピストン12の頂面とシリンダ15a壁面とで燃焼室13を画成する。
【0020】
シリンダヘッド5には、吸気ポート7と排気ポート8を設け、吸気ポート7はシリンダヘッド5の図示しない一方の側面と燃焼室13とを連通し、排気ポート8は図示しない他方の側面と燃焼室13とを連通するよう設ける。
【0021】
吸気ポート7と排気ポート8の燃焼室13側の開口部7a、8aには、それぞれ吸気弁9、排気弁10を設ける。吸気弁9、排気弁10は図示しないカムシャフトにより駆動し、ピストン12の上下動に応動して吸気ポート7、排気ポート8を開閉する。
【0022】
燃焼室13の天井面略中央には、燃焼室13内の混合気に火花点火を行うための点火栓11を設ける。
【0023】
吸気ポート7の下側には、燃焼室13と連通するように収容孔18を設け、燃料噴射弁1を先端側から挿入する。燃料噴射弁1は先端部に噴射孔1a、後端部に燃料導入孔1bを有するいわゆるトップフィード型であり、噴射孔1aは吸気ポート開口部7aの下側から点火栓11に向けて燃料を噴射する。燃料導入孔1bは、図示しない燃料タンクから燃料ポンプによって吸い上げた燃料を各気筒の燃料噴射弁に分配するための燃料チューブ3に接続する。
【0024】
燃料を点火栓11付近に向けて噴射するので、少ない燃料噴射量であっても、点火栓11周辺の混合気を理論空燃比付近の燃焼に適した空燃比とすることができ、これによりいわゆるリーン燃焼運転を行うことが可能となる。
【0025】
燃料チューブ3はボルト4によってシリンダヘッド5に締結し、押さえ部材として燃料噴射弁1を後述する筒状部材としてのホルダ6を介してシリンダヘッド5に押圧する。
【0026】
上記のような構成のエンジンでは、ピストン12下降時に吸気弁9が開いて燃焼室13に吸気を導入し(吸気行程)、吸気弁9が閉じるとともにピストン12が上昇して吸気を圧縮し(圧縮行程)、圧縮中に燃料噴射弁1から燃料を噴射して点火栓11付近に混合気を形成し、この混合気を点火栓11により火花点火することによって燃焼させてピストン12を押し下げ(爆発行程)、再びピストン12が上昇するときに排気弁10が開いて燃焼後の排気ガスを排気ポート8から排出する(排気行程)。
【0027】
なお、本実施形態では燃料噴射弁1を吸気ポート7の下側に設けているが、吸気ポート7の上側、すなわち燃焼室13の天井面の頂部付近に設けてもよい。
【0028】
図2は、インジェクタ1の燃料供給経路を示す構成図である。
【0029】
インジェクタ1には、コモンレール30から燃料チューブ(燃料供給配管)3を介して燃料が供給される。コモンレール30には、燃料タンク31の燃料を高圧化する高圧ポンプ32から高圧燃料が供給される。そして、インジェクタ1がコモンレール30から供給された高圧燃料をエンジンの燃焼室13内に噴射する。
【0030】
次に、燃料噴射弁1の形状および取り付け構造について、燃料噴射弁1の取付部を表す図3を参照して説明する。図3(a)は燃料噴射弁1の取り付け部を断面図として表した図であり、図3(b)は図3(a)のA部の拡大図であり、図3(c)はC−C断面図である。
【0031】
図3(a)に示すように、燃料噴射弁1は噴射孔1aを設けた先端部から所定部位までは徐々に径が大きくなる段付き円柱形状(段付き部22)であり、前記所定部位から後端の燃料導入孔1bまでは段付き部22の径よりも小径の略円柱形状(略円柱部)21となっている。この段付き部22と略円柱部21との段差部が後述するバネ受部20となる。
【0032】
また、前記略円柱部21の側面には図示しないコントロールユニットと電気的に接続するためのコネクタ2を、径方向に突出するように設ける。
【0033】
段付き部22は、収容孔18に挿入する。
【0034】
収容孔18は燃料噴射弁1の段付き部22に対応する段付き形状となっており、各部の径は対応する段付き部22の径よりもやや広い程度とする。
【0035】
段付き部22の段差部分と収容孔18の段差部分とが当接するまで燃料噴射弁1を挿入すると、バネ受部20とシリンダヘッド表面5aとがほぼ同一平面となる。なお、このとき噴射孔1aは燃焼室13に突出しないようになっており、燃料噴射弁1の先端付近の側面にはシール材19が設けられ、収容孔18の壁面と燃料噴射弁1の側面との隙間をシールしている。
【0036】
略円柱部21は燃料チューブ3のボス部3aに形成された挿入孔3bに挿入される。略円柱部21の側面にはシール材、例えばOリング17が嵌め込まれ、Oリング17は挿入孔3bの壁面に形成された環状の溝3cに配置される。このようにしてOリング17は挿入孔3bの壁面と略円柱部21の側面との隙間をシールする。
【0037】
なお、燃料チューブ3をシリンダヘッド5に締結した状態で、ボス部3aの下面23とバネ受部20の間の距離は、後述するホルダ6の自由長と後述するスペーサ25の鍔部25bの厚さよりも短くなる。
【0038】
図3(b)に示すように、ボス部3aの下面23とバネ受部20の間にはスペーサ25を介して、バネ特性をもつように蛇腹状に形成したホルダ6を配置する。
【0039】
ホルダ6は図3(c)に示すように、円周の一部に切り欠き部6aを有するいわゆるC型断面を有する。切り欠き部6aの大きさは、燃料噴射弁1の側面に設けた突起状のコネクタ2の周方向の幅と略同等もしくは大きくする。したがって、コネクタ2の背面側からホルダ6を装着したときに、コネクタ2とホルダ6との干渉を防止することができる。
【0040】
ホルダ6の外径はバネ受部20の外径と略同一またはそれ以下とする。これは燃料噴射弁1周辺は燃料チューブ3や吸気ポート7等が近接しているため、できるだけコンパクトな構成にするためである。ホルダ6の内径は、燃料チューブ3のボス部3aの挿入孔3bの径より大きく設定する。
【0041】
ホルダ6の自由長は前述した通りボス部3aの下面23とバネ受部20との間の距離よりも長く設定する。これにより、燃料チューブ3をシリンダヘッド5に締結した場合に、ホルダ6は押し縮められた状態となって反力(弾性力)を生じ、この弾性力によって燃料噴射弁1はシリンダヘッド5に押圧される。
【0042】
仮にホルダ6が弾性部材でない場合には、ボス部3a、ホルダ6、燃料噴射弁1、収容孔18の寸法のばらつきが大きくなると、燃料噴射弁1を軸方向に押圧できず、燃料噴射弁1が収容孔18内で傾き、所望の噴霧形状や噴射量を得られなくなる恐れがある。しかし、ホルダ6を弾性部材とすることによって、寸法のばらつきを補償することができる。
【0043】
ここで、ホルダ6のバネ特性について図7を参照して説明する。
【0044】
図7はホルダ6の縮み代と弾性力との関係を表す図である。
【0045】
ホルダ6を自由長の状態から縮めていくと、これにほぼ比例して弾性力が増大していくが、縮み代がL0程度になると縮み代を大きくしても弾性力は略一定状態となる。
【0046】
本実施形態では、燃料噴射弁1の段付き部22を収容孔18に挿入し、略円筒部21を燃料チューブ3のボス部3aに挿入し、燃料チューブ3をシリンダヘッド5に締結した状態で、ホルダ6の長さが、弾性力が縮み代の変化に対して略一定となる範囲(図中L1〜L2)になるようにする。
【0047】
これによって、燃料噴射弁1、燃料チューブ3、ホルダ6等の各寸法にばらつきがあった場合にも、燃料噴射弁1をシリンダヘッド5に押圧する力を略一定に保つことが可能となる。
【0048】
ホルダ6の下端付近の蛇腹の溝部には、ホルダ6の広がり防止のために拡がり防止部材としてのスナップリング16を係合させる。スナップリング16は、ホルダ6と同様にC型断面を有する部材であり、円周上の切り欠き部16aは、ホルダ6の切り欠き部6aと同等もしくはそれよりも小さい。C型断面のホルダ6は、押し縮められたときに切り欠き部6aが拡がろうとする。切り欠き部6aが拡がると、燃料噴射弁1を押圧する軸方向の荷重が横方向に逃げる、またはホルダ6がバネ受部20から脱落して燃料噴射弁1を押圧することができなくなる、といった問題が生じるが、スナップリング16を装着することによって、拡がりを防止して確実にバネ受部20を押圧し、軸方向の荷重を安定させることができる。なお、スナップリング16を嵌合させる位置はホルダ6の下端付近に限らず、ホルダ6の中央部よりも先端側のいずれかの位置であればよい。
【0049】
ボス部3aの下面23にはスペーサ25が設置される。スペーサ25は、図3(a)、(b)に示すようにホルダ6の内周と摺設する円筒状の本体部25aと、本体部25aの燃料噴射弁1の燃料供給孔1b側端部から径方向に延出し、ボス部3aとホルダ6に挟持される円盤状の鍔部25bとから構成される。
【0050】
本体部25aの外周部は、ホルダ6の内周部に接する。ここで、燃料噴射弁1が挿入される挿入孔3bの内径はホルダ6の内径より小さく形成されているため、本体部25の内径が挿入孔3bの径より大きくなる。そして、この径差による段差を解消するテーパー部25eが、本体部25aの内周面に形成される。つまり、このテーパー部25eは本体部25の内径から挿入孔3bに向けて徐々に縮径し、最小径は挿入孔3bの径と略同じ、またはわずかに小さくなるように形成される。このテーパー部25eのテーパー形状(角度や長さ)は、後述する燃料噴射弁1を挿入孔3b内に押し込む挿入力に基づいて設定される。
【0051】
また、この実施形態では、燃料噴射弁1のコネクタ2が、図3の組み付け状態において燃料噴射弁1の軸方向でスペーサ25の下側に配置されており、軸方向にオーバーラップすることがないため、スペーサ25は円筒状に形成されるが、配置が互いにオーバーラップする場合には、スペーサ25をホルダ6と同様にC型断面とすることも可能である。
【0052】
図4は、本実施形態の燃料噴射弁1の燃料チューブ3への取り付け方法を説明する図である。
【0053】
まず図4(a)に示すように燃料チューブ3のボス部3aを、燃料噴射弁1が挿入される側を上にして平板上に設置する。次に(b)に示すようにスペーサ25のテーパー部25eの開口部が燃料チューブ3の挿入孔3bに一致するようにしてスペーサ25を位置決めし、本体部25の外周部にホルダ6を設置する。
【0054】
ホルダ6を設置したらOリング17を組み付けた燃料噴射弁1をホルダ6内を通じて挿入孔3b内に挿入する(図4(c)を参照)。この時、スペーサ25のテーパー部25eが燃料噴射弁1を挿入孔3b内に導くガイドとして機能する。
【0055】
そして、燃料噴射弁1に組み付けたOリング17が挿入孔3bの溝3cに嵌るまで挿入して、燃料噴射弁1の燃料チューブ3への組付けを終了する(図4(d)を参照)。燃料噴射弁1が組み付けられた燃料チューブ3は、図示しないシリンダヘッドに固定される。
【0056】
以上により本実施形態では下記の効果を得ることができる。
【0057】
燃料噴射弁1の先端側をシリンダヘッド5に設けた収容孔18に挿入し、後端側から燃料チューブ3によって軸方向に押圧する燃料噴射弁取付構造において、燃料噴射弁1と燃料チューブ3との間に、燃料噴射弁1の軸方向に弾性を有し、断面の一部に切り欠き部を有する略C型断面のホルダ6を、燃料噴射弁1と同軸状かつコネクタ2と切り欠き部とが一致するように介装し、ホルダ6が径方向に拡がることを防止するスナップリング16を設けたので、弾性力を利用して燃料噴射弁1をシリンダヘッド5に押圧することになり、燃料噴射弁1、収容孔18、ボス部3aといった各構成部品の寸法にばらつきがある場合であっても、燃料噴射弁1にかかる荷重の偏りを補償し、所望の燃料噴射特性を得ることができる。また、ホルダ6をC型断面とすることでコネクタ2とホルダ6との干渉を防止できるので、燃料チューブ3とシリンダ表面5aとの間には、少なくともコネクタ2を設けるスペースとスナップリング16を装着するスペースがあればよく、省スペース化を図ることができる。
【0058】
スナップリング16を、ホルダ6の中央部より先端側のいずれかの部位に係合させるので、荷重がかかったときのホルダ6の方向の拡がりを抑制し、ホルダ6が燃料噴射弁1に設けたバネ受部20から脱落することを防止できる。これによって燃料噴射弁1を押圧する軸方向の荷重を安定させることができる。
【0059】
燃料チューブ3を押圧部材として利用するので、部品点数を少なくすることができる。
【0060】
燃料噴射弁1はシール材、例えばOリング17を備え、燃料チューブ3のボス部3aに設けられた挿入孔3b内に燃料噴射弁1をガイドするテーパー部25eを備えたスペーサ25が設けられる。このため、挿入孔3bに燃料噴射弁1を挿入する際の挿入力を適正にすることができ、また挿入時に挿入孔3b開口部のエッジに燃料噴射弁1に備えられたOリング17が接することが無いので、Oリング17に傷が付くことを防止できる。また、挿入力はテーパー部25eの形状(例えば、角度や長さ)に応じて設定できる。燃料チューブ3のボス部3aは、Oリング17挿入時のガイド機能を備えることが無いため、その形状を変更する必要が無く、変更に伴う、重量増加やコストアップを抑制することができる。また、燃料噴射弁も燃料チューブ3の変更に対応する変更が必要ないため、量産品を使用することができ、変更によるコストアップを防止することができる。
【0061】
図5は、第2の実施形態の構成を示す構成図である。この実施形態は、燃料噴射弁1の中心軸回りの燃料チューブ3に対するスペーサ25の位置決めを行う機能をスペーサ25に追加したことを特徴とする。スペーサ25は、特に説明のない構成については第1の実施形態のスペーサと同一の構成とする。また、第1の実施形態と異なり、スペーサ25とコネクタ2とが燃料噴射弁1の軸方向でオーバーラップする構成を前提とする。
【0062】
燃料噴射弁1には、図示しないコントロールユニットと電気的に接続するためのコネクタ2が、略円柱部21の側面から径方向に突出するように設けられる。
【0063】
スペーサ25は、C型断面で形成され、その開口部25fにコネクタ2が挟み込まれる。開口部25fの幅は、コネクタ2の幅よりわずかに大きく設定される。スペーサ25の鍔部25bの外周側には、燃料供給孔1b側に突出する凸部25gが形成される。
【0064】
一方、スペーサ25が取り付く燃料噴射弁1のボス部3aの下面23には、軸方向に係合孔3dが形成される。この係合孔3dにスペーサ25の凸部25gが係合される。
【0065】
したがって、ボス部3aの係合孔3dにスペーサ25の凸部25gが係合するとともに、スペーサ25のテーパー部25eの開口部をボス部3aの挿入孔3bに一致させることで、スペーサ25が燃料チューブ3に位置決めされ、スペーサ25の開口部25fの位置が規定される。開口部25fが所定の位置に位置決めされるため、コネクタ2の燃料噴射弁1の中心軸回りの位置を規定することができる。
【0066】
第2の実施形態では、スペーサ25に凸部25gを設け、凸部25gを燃料チューブ3の係合孔3dに係合することで、第1の実施形態の効果に加えて、燃料噴射弁1の中心軸回りの位置決めを行うことができる。コネクタ2の位置決めにより、組み立て作業における電気配線接続時のコネクタ2の向きの矯正を不要とすることができる。また燃料噴霧の向きに指向性がある場合には、所定の向きとなるように係合孔3d及び凸部25gを形成する。これにより、燃料噴霧の向きを確実に精度よく設定することができる。
【0067】
図6は、第3の実施形態の構成を示す構成図である。この実施形態は、第1の実施の形態のホルダ6の位置決めを行う機能をスペーサ25に追加したことを特徴とする。スペーサ25は、特に説明のない構成については第1の実施形態のスペーサと同一の構成とする。
【0068】
スペーサ25は、図6(a)、(b)に示すようにホルダ6の内周と摺設する円筒状の本体部25aと、本体部25aの中央部から径方向に延出し、ボス部3aとホルダ6に挟持される円盤状の鍔部25bとから構成される。
【0069】
本体部25aは、段付状に形成され、小径の第1円筒部25cと大径の第2円筒部25dからなる。第1円筒部25cと第2円筒部25dとの間に径方向の延出する円盤状の鍔部25bが形成される。第1円筒部25cの外周部は、ホルダ6の内周部に接し、第2円筒部25dはボス部3aの挿入孔3bに挿入される。
【0070】
ここで、燃料噴射弁1の挿入孔3bの内径はホルダ6の内径より小さく形成されているため、第1円筒部25cの外径が第2円筒部25dの外径より大きくなる。そして、第1円筒部25cの内径が燃料噴射弁1のOリング17の外径より大きく設定され、第2円筒部25dの内径はOリング17の外径より小さくなる。この第1、第2円筒部25c、25dの径差による段差を解消するテーパー部25eが、第1円筒部25cから第2円筒部25dに縮径するように本体部25aの内周面に形成される。このテーパー部25eのテーパー形状(角度や長さ)は、後述する燃料噴射弁1を挿入孔3b内に押し込む挿入力に基づいて設定される。
【0071】
なお、第2円筒部25dは、燃料噴射弁1を挿入孔3b内に押し込む挿入力を小さくするため、薄肉で、円筒状ではなく部分的に立設する形状としてもよい。
【0072】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、スペーサ25の第1円筒部25c外周部がホルダ6の内周部と摺接し、スペーサ25の第2円筒部25dを挿入孔3b内に挿入するようにしたので、ボス部3aの挿入孔3bに対してホルダ6の位置決めを精度よくすることができる。
【0073】
スペーサ25の第2円筒部25dを挿入孔3b内に挿入するようにしたので、Oリング17がボス部3aのエッジ部に当たることがなく、Oリング17の傷付きを確実に防止することができる。
【0074】
なお、本実施形態では筒内直噴式エンジンの場合について説明したが、収容孔18を設ける場所をシリンダヘッド5ではなく吸気マニホールド等の吸気通路にすることで、ポート噴射式エンジンに適用することが可能である。
【0075】
また、トップフィード型の燃料噴射弁1について説明を行ったが、側面に燃料導入孔1bを有するいわゆるサイドフィード型の燃料噴射弁についても、同様に適用することが可能である。
【0076】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】燃料噴射弁をシリンダヘッドに組み付けた状態を表す図である。
【図2】インジェクタの燃料供給経路を示す構成図である
【図3】第1の実施形態の構成図であり、(a)は燃料噴射弁の取り付け部を断面図として表した図であり、(b)は(a)のA部の拡大図であり、図3(c)はC−C断面図である。
【図4】燃料噴射弁の燃料チューブへの取り付け方法を説明する図である。
【図5】第2の実施形態の構成図であり、(a)は燃料噴射弁の取り付け部を断面図として表した図であり、(b)は(a)のB部の拡大図であり、図5(c)はD−D断面図である。
【図6】第3の実施形態の構成図であり、(a)は燃料噴射弁の取り付け部を断面図として表した図であり、(b)は(a)のE部の拡大図である。
【図7】ホルダの縮み代と弾性力との関係を表す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 燃料噴射弁
2 コネクタ
3 燃料チューブ
3a ボス部
3b 挿入孔
3c 溝
3d 係合孔
5 シリンダヘッド
6 ホルダ
17 シール材(Oリング)
25 スペーサ
25a 本体部
25b 鍔部
25c 第1円筒部
25d 第2円筒部
25e テーパー部
25f 開口部
25g 凸部




 

 


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