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発明の名称 二次空気供給装置を備えた内燃機関の排気浄化装置とその二次空気量を推定する二次空気量推定装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9733(P2007−9733A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188538(P2005−188538)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
発明者 田畑 宗広
要約 課題
二次空気実測用のエアフロメータを用いずとも二次空気量を測定できるようにし、適正な燃料噴射量制御を行えるようにする。

解決手段
本発明による二次空気量推定装置は、吸気系を個別に持つ各気筒群10,30のうちの第2気筒群30の吸気通路から二次空気を取り出して排気浄化触媒21,41より上流側の排気通路へ供給する二次空気供給装置60を備えた内燃機関1の二次空気量推定装置であって、二次空気を取り出さない第1気筒群10の吸気通路に配設された第1吸入空気量検出手段51と、第2気筒群30の吸気通路における二次空気供給装置60の二次空気取り出し位置より上流側に配設された第2吸入空気量検出手段52と、これら吸入空気量検出手段51,52で検出された第1吸入空気量と第2吸入空気量とに基づいて二次空気量を推定する二次空気量推定手段50と、を含むことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
吸気系を個別に持つ複数の気筒群のうちのいずれかの気筒群の吸気通路から二次空気を取り出して、該二次空気を排気浄化触媒より上流側の排気通路へ供給する二次空気供給装置を備えた内燃機関の二次空気量推定装置であって、
二次空気を取り出さない第1気筒群の吸気通路に配設された第1吸入空気量検出手段と、
二次空気を取り出す第2気筒群の吸気通路における前記二次空気供給装置の二次空気取り出し位置より上流側に配設された第2吸入空気量検出手段と、
前記第1吸入空気量検出手段で検出された第1吸入空気量と前記第2吸入空気量検出手段で検出された第2吸入空気量とに基づいて二次空気量を推定する二次空気量推定手段と、を含むことを特徴とする二次空気量推定装置。
【請求項2】
前記二次空気量推定手段は、前記第1吸入空気量と前記第2吸入空気量との間の偏差に基づいて二次空気量を推定することを特徴とする請求項1記載の二次空気量推定装置。
【請求項3】
排気浄化触媒より上流側の排気通路に二次空気を供給する二次空気供給装置と、
該二次空気供給装置によって供給される二次空気量を推定する二次空気量推定装置と、
前記二次空気供給装置の二次空気供給位置より下流側で且つ前記排気浄化触媒より上流側の前記排気通路に配設される排気空燃比検出手段と、
前記二次空気量推定装置で推定された二次空気量と前記排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比とを利用して、気筒内で燃焼した混合気の空燃比を推定する空燃比推定手段と、
該空燃比推定手段により推定された空燃比が目標空燃比となるように、前記気筒へ供給する燃料量と空気量の一方又は両方を制御する空燃比制御手段と、を含むことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
前記空燃比推定手段は、前記二次空気量推定装置で推定された二次空気量、前記排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比及び前記気筒に供給された燃料量を利用して前記気筒内で燃焼した混合気の空燃比を推定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記空燃比制御手段は、前記二次空気量推定装置で測定された二次空気量、前記排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比及び前記気筒に供給された空気量を利用して前記気筒内で燃焼した混合気の空燃比を推定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項6】
前記目標空燃比がリッチ失火限界空燃比又はその近傍であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項7】
前記空燃比制御手段は、冷却水温度が暖機判定しきい値近くまで上昇した後は該冷却水温度の上昇に合わせて前記目標空燃比を暖機完了後の目標空燃比へ近づけることを特徴とする請求項6記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項8】
前記二次空気量推定装置が、請求項1又は請求項2記載の二次空気量推定装置であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次空気を排気通路に供給して排気中の未燃成分を酸化させることで排気を浄化する内燃機関の排気浄化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の暖機時など排気温度が十分に上昇していない時に、たとえばシリンダヘッドの排気ポートなど排気浄化触媒よりも上流側の排気通路へ二次空気を供給して、排気中の未燃成分を酸化させると共に排気温度を上昇させる二次空気供給装置を備えた排気浄化装置が提案されている。
その二次空気供給装置の供給する二次空気が吸気通路のエアフロメータよりも下流側から取り出されると、当該エアフロメータの実測値には二次空気量も含まれていることになるため、実際の燃焼室への吸入空気量を指示したものとはならない。したがって、その二次空気量の分を補正しなければ混合気の空燃比が目標値からずれてしまうことになる。そこで、特許文献1にあるように、二次空気量を計測する専用のエアフロメータを二次空気の通路へ設けて二次空気量を実測し、この実測された二次空気量を、吸気通路のエアフロメータによる実測値から差し引くことで、燃料噴射量算出のパラメータとなる吸入空気量を補正する技術が提案されている。
【特許文献1】実用新案登録第2506692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の技術では、二次空気量実測専用のエアフロメータを二次空気の通路へ設けなければならないが、吸気通路に設けられるメインのエアフロメータの他にさらにエアフロメータを設けることは、コストや搭載スペースを考えると見直しの余地がある。
また、実測した二次空気量により吸入空気量を補正して適正な燃料噴射量を算出する制御は行われているが、二次空気供給時の空燃比はオープン制御であり、排温上昇効果を高める余地が残されている。
【0004】
このような技術背景に着目し、本発明の目的は、二次空気量実測用のエアフロメータを用いずとも二次空気量を把握することのできる二次空気量推定装置を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、二次空気供給中の空燃比をフィードバック制御できるようにした排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による二次空気量推定装置は、吸気系を個別に持つ複数の気筒群のうちのいずれかの気筒群の吸気通路から二次空気を取り出して、該二次空気を排気浄化触媒より上流側の排気通路へ供給する二次空気供給装置を備えた内燃機関の二次空気量推定装置であって、二次空気を取り出さない第1気筒群の吸気通路に配設された第1吸入空気量検出手段と、二次空気を取り出す第2気筒群の吸気通路における二次空気供給装置の二次空気取り出し位置より上流側に配設された第2吸入空気量検出手段と、これら第1吸入空気量検出手段で検出された第1吸入空気量と第2吸入空気量検出手段で検出された第2吸入空気量とに基づいて二次空気量を推定する二次空気量推定手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、排気浄化触媒より上流側の排気通路に二次空気を供給する二次空気供給装置と、該二次空気供給装置によって供給される二次空気量を推定する二次空気量推定装置と、二次空気供給装置の二次空気供給位置より下流側で且つ排気浄化触媒より上流側の排気通路に配設される排気空燃比検出手段と、二次空気量推定装置で推定された二次空気量と排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比とを利用して、気筒内で燃焼した混合気の空燃比を推定する空燃比推定手段と、該空燃比推定手段により推定された空燃比が目標空燃比となるように、気筒へ供給する燃料量と空気量の一方又は両方を制御する空燃比制御手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の二次空気量推定装置によれば、二次空気を取り出さない第1吸気通路と二次空気を取り出す第2吸気通路とがあることを利用し、その第2吸気通路については二次空気取り出し位置より上流側で二次空気量を含めた空気量を検出するようにして両吸気通路の検出値に違いを生じさせ、その違いから二次空気量を推定している。したがって、二次空気実測用のエアフロメータを用いずとも二次空気量を把握することができ、適正な燃料量設定を行うことができる。
【0008】
また、本発明の排気浄化装置によれば、二次空気供給中の排気空燃比を検出し、この実測された排気空燃比と排気中に供給された二次空気量とから気筒内で燃焼した混合気の空燃比を推定して、気筒内へ送り込む混合気の空燃比をフィードバック制御できるようにしている。したがって、二次空気供給中の空燃比を実測値に従い精度良く制御することができるようになり、たとえば目標空燃比をリッチ失火限界空燃比もしくはその近傍に設定することが可能となって、排温上昇効果をさらに高めて排気中の未燃成分をいっそう減少させることができる。
【0009】
この排気浄化装置における二次空気量推定装置としては、二次空気通路に空気量検出手段を設けることにより二次空気量を実測する従来型のものを使用することも可能ではあるが、上記本発明に係る二次空気量推定装置を使用するのが最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、本発明に係る二次空気量推定装置と排気浄化装置を含んだ内燃機関の実施形態につき、概略を図示している。
本実施形態の内燃機関は、車両に搭載される4サイクルのV型多気筒エンジン1で、そのV型機関の一方のバンクが第1気筒群10、他方のバンクが第2気筒群30となっており、それぞれ個別に吸気系を有している。
【0011】
第1気筒群10では、第1エアクリーナ11に接続された吸気管12が第1電制スロットル弁13まで延設され、第1電制スロットル弁13に続いて第1コレクタタンク14と第1吸気マニホールド15が接続されている。この第1エアクリーナ11から第1吸気マニホールド15まで続く通路が第1吸気通路となっている。
第1吸気マニホールド15は各気筒の第1吸気ポート16へ連通し、該第1吸気マニホールド15に設けられた第1燃料噴射弁17から燃料が噴射されることで、混合気が形成される。混合気は、図示せぬ吸気弁を介して第1点火栓18を臨ませた燃焼室内へ送り込まれ燃焼する。
【0012】
燃焼後の排気は、図示せぬ排気弁を介して各気筒の第1排気ポート19から第1排気マニホールド20へ排出され、該第1排気マニホールド20から第1排気浄化触媒21(たとえば三元触媒)を通って第1排気管22へ送り出される。この第1排気マニホールド20から第1排気管22まで続く通路が第1排気通路となっている。
他方の第2気筒群30も第1気筒群10とほぼ同様の構成を持つ。すなわち、第2エアクリーナ31に接続された吸気管32が第2電制スロットル弁33まで延設され、第2電制スロットル弁33に続いて第2コレクタタンク34と第2吸気マニホールド35が接続されている。この第2エアクリーナ31から第2吸気マニホールド35まで続く通路が第2吸気通路となっている。
【0013】
第2吸気マニホールド35は各気筒の第2吸気ポート36へ連通し、該第2吸気マニホールド35に設けられた第2燃料噴射弁37から燃料が噴射されることで、混合気が形成される。混合気は、図示せぬ吸気弁を介して第2点火栓38を臨ませた燃焼室内へ送り込まれ燃焼する。
燃焼後の排気は、図示せぬ排気弁を介して各気筒の第2排気ポート39から第2排気マニホールド40へ排出され、該第2排気マニホールド40から第2排気浄化触媒41(たとえば三元触媒)を通って第2排気管42へ送り出される。この第2排気マニホールド40から第2排気管42まで続く通路が第2排気通路となっている。
【0014】
本発明に係る二次空気量推定手段、空燃比推定手段、そして空燃比制御手段を兼ねるECU(エンジンコントロールユニット)50は、第1エアフロメータ51(第1吸入空気量検出手段)及び第2エアフロメータ52(第2吸入空気量検出手段)による第1,第2吸入空気量Q1,Q2、水温センサ53による機関冷却水の温度Tw、回転速度センサ54による機関の回転速度N、アクセル開度センサ55によるアクセル開度APO、そして、第1空燃比センサ56(第1排気空燃比検出手段)及び第2空燃比センサ57(第2排気空燃比検出手段)による第1,第2排気空燃比AF1,AF2の各検出信号を受信して演算処理を実行し、各種デバイスへ指令信号を出し制御する。
【0015】
第1エアフロメータ51は第1吸気通路の第1吸気管12に設けられ、第2エアフロメータ52は第2吸気通路の第2吸気管32に設けられる。また、第1空燃比センサ56は第1排気通路の第1排気マニホールド20に設けられ、第1排気浄化触媒21へ流入する排気の空燃比を検出し、第2空燃比センサ57は第2排気通路の第2排気マニホールド40に設けられ、第2排気浄化触媒41へ流入する排気の空燃比を検出する。
【0016】
このようなエンジン1における二次空気供給装置60は、第2吸気管32の第2エアフロメータ52よりも下流側で且つ第2電制スロットル弁33よりも上流側に開口した二次空気取り出し通路61から、電動モータ駆動のポンプ62により二次空気を取り出す。取り出した二次空気は、第1排気ポート19に開口した第1二次空気供給通路63と第2排気ポート39に開口した第2二次空気供給通路64とに分岐して排気中へ供給される。これら第1二次空気供給通路63と第2二次空気供給通路64とは流量が等しくなるように設計され、ECU50に制御される第1開閉弁65と第2開閉弁66とがそれぞれに配設されている。この二次空気供給装置60の作動により取り出されて供給される二次空気の量について、後述するように、第1エアフロメータ51と第2エアフロメータ52とにより検出される空気量に基づきECU50が推定する。
【0017】
エンジン1を制御するECU50は、機関回転中、所定時間毎に図2に示す目標スロットル開度算出ルーチンを実行する。
ルーチンスタート後、ステップS11でECU50は、回転速度N、アクセル開度APO、水温Twを読み込む。継いでステップS12において、現在クランキング中であるかどうかを判断する。その結果、クランキング中であればステップS13へ進み、第1電制スロットル弁13の目標開度tTVO1及び第2電制スロットル弁33の目標開度tTVO2を、予め定められた始動用開度に設定し、リターンする。
【0018】
一方、スタータモータによるクランキング中ではない、つまり機関が自律回転していると判断された場合はステップS14へ進んで、アクセル開度APOがほぼ0であるかどうかを判断する。なお、アクセル開度センサ55の他にアイドルスイッチを備えている場合は、アイドルスイッチのオンオフで判断するようにしても良い。
当該判断の結果、アクセル開度APOがほぼ0であったときはステップS15へ進み、水温Twに基づいて目標アイドル回転速度tNとアイドル吸入空気量基本値Qbを算出する。目標アイドル回転速度tNは、水温Twが低いときほど高くなる特性を持つ。またアイドル吸入空気量基本値Qbは、対応する水温Twの条件(機関のフリクション条件)において目標アイドル回転速度tNを実現するための基本的吸入空気量である。継いで、ステップS16において目標アイドル回転速度tNと実際の回転速度Nとに基づき、アイドル回転速度フィードバック空気量Qfbを算出する。そして、ステップS17で、アイドル吸入空気量基本値Qbにアイドル回転速度フィードバック空気量Qfbを加算して目標吸入空気量tQを算出する。
【0019】
一方、ステップS14の判断でアクセル開度APOがほぼ0でなかったときはステップS18へ進み、回転速度Nとアクセル開度APOとに基づいて目標吸入空気量tQを算出する。
ステップS17又はステップS18で目標吸入空気量tQを算出した後はステップS19へ進み、回転速度Nと目標吸入空気量tQとに基づいて第1電制スロットル弁目標開度tTVO1及び第2電制スロットル弁目標開度tTVO2を算出する。本例の場合、各気筒群10,30の発生トルクを等しくするため、各電制スロットル弁13,33を通過する空気量が等しくなるように二つの目標開度tTVO1,tTVO2を算出する。両気筒群10,30の吸気通路は、同一スロットル開度で同一空気量が吸気管12,32から吸気マニホールド15,35を通って流れるよう設計されているので、二つの目標開度tTVO1,tTVO2は通常は等しくなるが、ただし、吸気通路を構成する部品の個体差や経年変化によって偏差が生じ得るので、当該偏差を解消する開度補正を行う場合に異なる値となり得る。
【0020】
ECU50は、上記ルーチンで算出した各電制スロットル弁目標開度tTVO1,tTVO2と各電制スロットル弁13,33の実際の開度とに基づいて、スロットル弁のアクチュエータを駆動制御する。
次に、機関の暖機時に二次空気供給装置60を作動させるECU50の制御ルーチンについて、図3を参照して説明する。当該制御ルーチンは、機関回転中、所定時間毎に実行される。
【0021】
まず、ルーチンスタート後、ステップS21でECU50は、アクセル開度APOと水温Twを読み込む。そしてステップS22で、現在クランキング中であるかどうかを判断する。クランキング中であった場合は、ステップS23へ進んで二次空気供給装置60を停止状態とする。具体的には、ポンプ62の駆動モータへの電力供給を遮断し、各二次空気供給通路63,64に配設されている開閉弁65,66を閉状態に制御する。本実施形態のエンジン1では、二次空気供給装置60のポンプ62を駆動する電動モータの電力はスタータモータと共通のバッテリで賄うようにしているので、クランキング中はスタータモータによる機関の始動を優先させるために、二次空気供給装置60を停止させるものである。
【0022】
一方、ステップS22でクランキング中ではないと判断された場合は、ステップS24へ進み、水温Twが暖機判定しきい値Twthより低いかどうかを判断する。暖機判定しきい値Twthは、排気浄化触媒21,41が活性する温度に到達するときの水温を示す値であり、予め実験を行って適切な値が求められる。なお、水温センサ53の他に触媒温度センサを備えているのであれば、触媒温度を直接判断して活性温度になったかどうかを判断するようにできる。また、より簡易には、機関始動時の水温Twに応じて、設定した触媒暖機完了時間が経過したかどうかを判断するようにしても良い。
【0023】
ステップS24で水温Twが暖機判定しきい値Twthより低いと判断された場合には、ステップS25へ進んでアクセル開度APOがほぼ0であるかどうかを判断する。そして、アクセル開度APOがほぼ0であればステップS26へ進み、二次空気供給装置60を作動させる。具体的には、ポンプ62の駆動モータへ電力供給し、各二次空気供給通路63,64に配設された開閉弁65,66を開状態に制御する。
【0024】
一方、ステップS24で水温Twが暖機判定しきい値Twth以上であると判断された場合及びステップS25でアクセル開度APOがほぼ0ではないと判断された場合には、ステップS27へ進み、二次空気供給装置60を停止状態とする。アクセル開度APOがほぼ0ではないとき、すなわち機関がアイドル運転状態にないときには排気圧力が高くなるため、アイドル運転時と同じ電力を使っても得られる二次空気量は少なくなる。このため本実施形態のエンジン1では、排気浄化触媒21,41の温度が活性温度より低いときであっても、アイドル運転でなければ、二次空気供給装置60を停止するようにしている。非アイドル運転時は排気の流量が多くその温度も高いので、二次空気の供給を停止しても触媒活性までの時間が大幅に長くなるようなことはない。
【0025】
続いて、上記のような目標スロットル開度及び二次空気供給制御と共に実行される燃料噴射量算出ルーチンにつき、図4を参照して説明する。このルーチンも、機関回転中、所定時間毎にECU50が実行する。
ルーチンスタート後、ステップS31においてECU50は、第1吸入空気量Q1、第2吸入空気量Q2、第1排気空燃比AF1、第2排気空燃比AF2、回転速度N、水温Twを読み込む。継いでステップS32で、第1吸入空気量Q1と回転速度Nとに基づいて第1気筒群10の基本燃料噴射量Tp1を算出し、第2吸入空気量Q2と回転速度Nとに基づいて第2気筒群30の基本燃料噴射量Tp2を算出する。各基本燃料噴射量Tp1,Tp2は、理論空燃比を実現する燃料量として算出される。
【0026】
次に、ステップS33へ進んで、現在クランキング中であるかどうかを判断する。そしてクランキング中であれば、ステップS34で、第1気筒群10の燃料噴射量Ti1及び第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を予め定められている始動用噴射量に設定する。
一方、ステップS33でクランキング中でなければ、ステップS35へ進み、第1、第2空燃比センサ56,57が未活性かどうかを判断する。一例として、各空燃比センサ56,57におけるヒータへの通電時間が所定時間に満たない場合を未活性と判断する。
【0027】
当該判断の結果、未活性であると判断された場合はステップS36へ進み、第1気筒群10の基本燃料噴射量Tp1に各種補正係数COEF(始動後増量補正係数や水温増量補正係数等を合わせたもの)を乗じて第1気筒群10の燃料噴射量Ti1を算出すると共に、第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を第1気筒群10の燃料噴射量Ti1と同じ量に設定する。通常は、クランキング終了直後に二次空気供給が開始され、二次空気の供給が開始されると、第2エアフロメータ52により検出される第2吸入空気量Q2は二次空気量を含んだ値となって、第2電制スロットル弁33を通って気筒へ供給される吸入空気量を正確に示した値ではなくなるため、第2吸入空気量Q2に基づく第2気筒群30の基本燃料噴射量Tp2を使うことができなくなる。そこで本例では、第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を第1気筒群10の燃料噴射量Ti1と同じ量に設定することで対処している。ただし、始動直後に運転者が発車操作をしたような場合など、本ステップS36の実行時に二次空気供給が停止されていることも考えられるので、二次空気供給の開始/停止を判断し、二次空気供給が停止されているときには第2気筒群30の基本燃料噴射量Tp2に各種補正係数COEFを乗じて第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を算出するようにすると、なお良い。
【0028】
本ステップS36が実行されるとき、つまりクランキング終了から空燃比センサ活性完了までの期間では、各種補正係数COEFによる増量補正が行われるので、気筒内空燃比(気筒内に形成する混合気の空燃比)は理論空燃比よりもややリッチ側となる。クランキング終了直後に二次空気供給が開始されると、リッチ燃焼で発生する燃料の未燃成分は二次空気により排気通路内で燃焼する。ただし、各種補正係数COEFによる増量は機関の安定燃焼を確保する最低限の増量とされるので、このときの二次燃焼による排温上昇効果はそれほど大きいものではない。
【0029】
一方、ステップS35で空燃比センサ56,57が活性状態にあると判断された場合は、ステップS36へ進んで二次空気供給装置60が作動状態にあるかどうかを判断する。
その結果、二次空気供給装置60が作動していれば、ステップS38へ進み、二次燃焼による排温上昇効果を高めるための燃料噴射量Ti1,Ti2を算出する。一例として、リッチ失火限界空燃比もしくはその近傍を目標とした気筒内空燃比が形成されるような燃料噴射量Ti1,Ti2を算出し、排気通路に排出される未燃成分を最大限に増加させる。ただし、リッチ失火限界空燃比又はその近傍を目標とした燃料噴射量をオープン制御により設定すると、実際にリッチ失火が発生して機関の安定性を損なう可能性を否定できないので、本実施形態の場合は、フィードバック制御により二次空気供給時の燃料噴射量Ti1,Ti2を算出するようにしている(図5を参照して後述)。
【0030】
ステップS37で二次空気供給装置60が停止状態にあると判断された場合には、ステップS39へ進み、第1気筒群10の基本燃料噴射量Tp1に第1フィードバック補正係数α1を乗じて第1気筒群10の燃料噴射量Ti1を算出し、また、第2気筒群30の基本燃料噴射量Tp2に第2フィードバック補正係数α2を乗じて第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を算出する。第1フィードバック補正係数α1は、暖機完了後の目標空燃比(理論空燃比)と第1排気空燃比AF1との偏差に基づいて算出され、第2フィードバック補正係数α2は、同じ目標空燃比と第2排気空燃比AF2との偏差に基づいて算出される。
【0031】
ECU50は、機関回転に同期して実行される燃料噴射ルーチン(図示略)において、第1燃料噴射弁17に対し燃料噴射量Ti1に応じた駆動パルスを出力し、第2燃料噴射弁37に対し燃料噴射量Ti2に応じた駆動パルスを出力する。
次に、図5を参照して、本発明に係るフィードバック制御式の二次空気供給時燃料噴射量算出サブルーチン(図4のステップS38の詳細処理)を説明する。
【0032】
ステップS41でECU50は、第1吸入空気量Q1と第2吸入空気量Q2とに基づいて二次空気量の推定値eQsを算出する。本実施形態では、第1電制スロットル弁13を通過する空気量と第2電制スロットル弁33を通過する空気量とが等しくなるように、各スロットル弁13,33の目標開度tTVO1,tTVO2を設定している(図2のステップS19)ので、第2吸入空気量Q2から第1吸入空気量Q1を減じて得られる偏差は、第2吸気管32から二次空気取り出し通路61へ取り出された(ポンプ62により吸引された)空気量に相当すると言える。そして、本実施形態の場合、取り出された二次空気は、二つの二次空気供給通路63,64へ二等分されて各気筒群10,30の排気通路に供給されるので、Q2−Q1で得られる偏差の半分が第1、第2各気筒群10,30のそれぞれに対し供給される推定二次空気量eQsとして算出される。なお、二次空気供給通路63,64の分配設定が50:50でない場合は、その配分率に応じて気筒群毎の推定二次空気量を算出するようにする。
【0033】
継いでステップS42では、第1排気空燃比AF1、推定二次空気量eQs及び燃料噴射量Ti1(当該燃焼時の燃料噴射量)に基づいて気筒内空燃比の推定値eAFを数式1により算出する。なお、第2排気空燃比AF2、推定二次空気量eQs及び燃料噴射量Ti2(当該燃焼時の燃料噴射量)に基づいた数式2を使用してもほぼ同じ値を得られるはずであり、どちらの数式を使っても差し支えない。
【0034】
【数1】


【0035】
【数2】


上記数式1又は数式2のいずれかを使用する例の他に、数式1,2の両方を計算してその平均値を最終的な推定気筒内空燃比eAFとすることも可能である。また、二次空気供給通路63,64の分配設定が50:50でない場合は、それぞれの分配率から第1気筒群10の推定二次空気量と第2気筒群30の推定二次空気量とを算出し、第1気筒群10の推定二次空気量を使って数式1の演算を行い、第2気筒群30の推定二次空気量を使って数式2の演算を行う用にすればよい。
【0036】
ステップS43へ進むと、水温Twに基づいて気筒内空燃比の目標値tAFを算出する。この目標空燃比tAFは、本例の場合、基本的にはリッチ失火限界空燃比近傍の値、すなわちリッチ失火限界空燃比よりも僅かにリーン側の値に設定される。ただし、二次空気供給終了時点での目標値急変を防止するため、図6に示すように、水温Twが上昇して暖機判定しきい値Twthにある程度近づいた後には、水温Twの上昇に合わせて目標空燃比tAFを暖機完了後の目標空燃比(理論空燃比)へ近づける特性を持たせてある。
【0037】
続いて、ステップS44において、推定気筒内空燃比eAFと目標空燃比tAFとに基づいて二次空気供給時のフィードバック補正係数αsを算出する。具体的には、推定気筒内空燃比eAFと目標空燃比tAFとの偏差に比例ゲインを乗じて得られる比例分と、当該偏差の積分値に積分ゲインを乗じて得られる積分分とを加算して、フィードバック補正係数αsを算出する。
【0038】
ステップS45へ進むと、第1気筒群10の基本燃料噴射量Tp1にフィードバック補正係数αsを乗じて第1気筒群10の燃料噴射量Ti1を算出し、第2気筒群30の燃料噴射量Ti2は燃料噴射量Ti1と同じ量に設定する。
以上のようなフィードバック制御により、二次空気供給中の気筒内空燃比を精度良く制御することが可能となり、リッチ失火が発生しない範囲で限界近くまで気筒内空燃比をリッチ化することができる。これにより、各気筒群10,30からその排気通路へ排出される未燃成分の量を増やすことができ、当該未燃成分を二次空気により燃焼させることで大幅な排温上昇効果を得ることができる。なお、上記実施形態では燃料量のみの制御を説明しているが、吸入空気量の制御を実行するようにしても同様の効果を得ることは可能である。
【0039】
図7に示すのは、図5のステップS42相当の演算処理のステップS51であり、推定気筒内空燃比eAFを算出する他の例である。ステップS51の場合は吸入空気量Q1を利用して、数式3又は数式4の演算を行う、あるいは両数式4,5の演算結果の平均を取るようにして、推定気筒内空燃比eAFを算出している。
【0040】
【数3】


【0041】
【数4】


なお、以上の制御例の他にも、第2吸入空気量Q2から推定二次空気量eQsを減算することにより、第2気筒群30に送られた吸入空気量を算出し、第2気筒群30の燃料噴射量Ti2を基準として空燃比の制御を行う方式も可能であり、これに、排気空燃比検出による気筒内空燃比推定に基づくフィードバック制御を併用することも可能である。たとえばこの場合の数式3及び数式4は、それぞれeAF=(Q2−eQs)×AF1/Q2,eAF=(Q2−eQs)×AF2/Q2となる。
【0042】
この他にも、上記の実施形態ではV型エンジンを例にして説明しているが、それぞれ吸気系を持つ気筒群が3以上あるエンジンにも応用可能であるし、吸気系を個別に持たせた気筒群を持つ直列型のエンジンであっても応用可能である。また、推定された二次空気量に基づいて、二次空気供給装置による二次空気量を制御することも容易に構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る排気浄化装置を備えたエンジンの実施形態を示した概略図。
【図2】図1のエンジンにおいてECUが実行する目標スロットル開度算出ルーチンのフローチャート。
【図3】図1のエンジンにおいてECUが実行する二次空気供給装置制御ルーチンのフローチャート。
【図4】図1のエンジンにおいてECUが実行する燃料噴射量算出ルーチンのフローチャート。
【図5】図1のエンジンにおいてECUが実行する二次空気供給時燃料噴射量算出ルーチンのフローチャート。
【図6】水温(Tw)が暖機判定しきい値(Twth)に近づいたときの目標空燃比(tAF)の特性を示したグラフ。
【図7】図5のステップS42に相当する推定気筒内空燃比(eAF)算出ステップの他の例を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0044】
1 エンジン
10 第1気筒群
11 第1エアクリーナ
12 第1吸気管
13 第1電制スロットル弁
14 第1コレクタタンク
15 第1吸気マニホールド
16 第1吸気ポート
17 第1燃焼噴射弁
18 第1点火栓
19 第1排気ポート
20 第1排気マニホールド
21 第1排気浄化触媒
22 第1排気管
30 第2気筒群
31 第2エアクリーナ
32 第2吸気管
33 第2電制スロットル弁
34 第2コレクタタンク
35 第2吸気マニホールド
36 第2吸気ポート
37 第2燃焼噴射弁
38 第2点火栓
39 第2排気ポート
40 第2排気マニホールド
41 第2排気浄化触媒
42 第2排気管
50 ECU
51 第1エアフロメータ
52 第2エアフロメータ
53 水温センサ
54 回転速度センサ
55 アクセル開度センサ
56 第1空燃比センサ
57 第2空燃比センサ
60 二次空気供給装置
61 二次空気取り出し通路
62 ポンプ
63 第1二次空気供給通路
64 第2二次空気供給通路
65 第1開閉弁
66 第2開閉弁




 

 


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