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発明の名称 ころ軸受
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24170(P2007−24170A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−206703(P2005−206703)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 上野 崇 / 大本 達也
要約 課題
軸受内部に潤滑油が流入するころ軸受における潤滑油の存在に起因するトルク損失を低減することである。

解決手段
円錐ころ4の外径面が摺接する保持器5の柱部8のテーパ面8aの幅方向の長さ寸法Lを、ころの平均直径Dの11%未満とすることにより、円錐ころ4の外径面とテーパ面8aとの間にあまり大きなくさび空間が形成されないようにして、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失を低減できるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
外径面に軌道面が設けられた内輪と、内径面に軌道面が設けられた外輪と、前記内輪と外輪の軌道面間に配列された複数のころと、これらのころをポケットに保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記ころの両端側で連なる環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、これらの柱部の内径面の両側に前記ころの外径面が摺接するテーパ面が設けられたころ軸受において、前記柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、前記ころの平均直径の5%以上で、11%未満としたことを特徴とするころ軸受。
【請求項2】
前記柱部の厚さ寸法を、前記ころの平均直径の5%以上で、17%未満とした請求項1に記載のころ軸受。
【請求項3】
前記ころ軸受が、前記ころを円錐ころとした円錐ころ軸受である請求項1または2に記載のころ軸受。
【請求項4】
前記ころ軸受が、自走車両の動力伝達軸を支持するものである請求項1乃至3のいずれかに記載のころ軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油が外部から流入する部位の用途に好適なころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒ころ軸受や円錐ころ軸受等のころ軸受は、外径面に軌道面が設けられた内輪と、内径面に軌道面が設けられた外輪と、内輪と外輪の軌道面間に配列された複数のころと、これらのころを保持する保持器とからなり、保持器には、ころの両端側で連なる環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とでころを収納するポケットを形成したものが用いられている。このような保持器では、ころの外径面が摺接する各柱部の内径面の両側にテーパ面を設け、ころの外径面に接触疵が生じないようにしている。従来、このテーパ面の幅方向の長さ寸法Lは、ころの平均直径Dの11〜20%とされている。
【0003】
自走車両のデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達軸を支持するころ軸受は、一部が油浴に漬かった状態で使用され、その回転に伴って軸受内部へ流入する油浴の油を潤滑油とする油浴潤滑状態となる。このように油浴潤滑状態で使用されるころ軸受では、ころの外径面と保持器の柱部内径面のテーパ面との間も、これらの面で形成されるくさび空間に入り込む潤滑油で潤滑される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した保持器の柱部テーパ面の長さ寸法Lが、ころの平均直径Dの11〜20%とされた従来のころ軸受は、ころの外径面と柱部テーパ面との間に比較的大きいくさび空間が形成され、多量の潤滑油がくさび空間に入り込む。このくさび空間からころの外径面と保持器のテーパ面との界面に入る潤滑油の量は限られているので、このように多量の潤滑油がくさび空間に入り込むと、これらの潤滑油の逃げ場がなくなって軸受回転の抵抗となり、トルク損失が大きくなる問題がある。また、このように潤滑油が軸受内部へ流入するころ軸受では、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗も、無視できないトルク損失の要因となる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、軸受内部に潤滑油が流入するころ軸受における潤滑油の存在に起因するトルク損失を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、外径面に軌道面が設けられた内輪と、内径面に軌道面が設けられた外輪と、前記内輪と外輪の軌道面間に配列された複数のころと、これらのころをポケットに保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記ころの両端側で連なる環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、これらの柱部の内径面の両側に前記ころの外径面が摺接するテーパ面が設けられたころ軸受において、前記柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、前記ころの平均直径の5%以上で、11%未満とした構成を採用した。
【0007】
すなわち、ころの外径面が摺接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の11%未満、好ましくは9%以下とすることにより、ころの外径面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されないようにして、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失を低減できるようにした。なお、テーパ面の幅方向の長さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では、ころの外径面とのテーパ面との弾性接触領域がテーパ面の幅よりも大きくなる恐れがあるからである。
【0008】
前記柱部の厚さ寸法を、前記ころの平均直径の5%以上で、17%未満とすることにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減することができる。なお、柱部の厚さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では保持器の剛性を十分に確保できないからである。
【0009】
前記ころ軸受は、前記ころを円錐ころとした円錐ころ軸受に好適である。
【0010】
上述した各ころ軸受は、自走車両の動力伝達軸を支持するものに好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のころ軸受は、ころの外径面が摺接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の5%以上で、11%未満、好ましくは9%以下としたので、ころの外径面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されないようにして、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失を低減することができる。
【0012】
前記柱部の厚さ寸法を、ころの平均直径の5%以上で、17%未満とすることにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、このころ軸受1は、内輪2と外輪3の各軌道面2a、3a間に、複数の円錐ころ4が保持器5に保持されて配列された円錐ころ軸受である。
【0014】
前記保持器5は、図2(a)に示すように、円錐ころ4の両端側で連なる環状部6、7と、これらの環状部6、7を連結する複数の柱部8とからなり、台形状のポケット9が形成されている。図2(b)に示すように、柱部8の内径面の両側には、円錐ころ4の外径面が摺接するテーパ面8aが設けられ、このテーパ面8aの幅方向の長さ寸法Lは、円錐ころ4の平均直径Dの7%とされている。したがって、円錐ころ4の外径面とテーパ面8aとの間にあまり大きなくさび空間が形成されることはない。また、柱部8の厚さ寸法Tは、円錐ころ4の平均直径Dの10%と薄く形成され、保持器5の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくできるようになっている。
【0015】
図3は、上述した円錐ころ軸受1を使用した自動車のデファレンシャルを示す。このデファレンシャルは、プロペラシャフト(図示省略)に連結されるデファレンシャルケース21に挿通されたドライブピニオン22が、差動歯車ケース23に取り付けられたリングギヤ24と噛み合わされ、差動歯車ケース23の内部に取り付けられたピニオンギヤ25が、差動歯車ケース23に左右から挿通されるドライブシャフト(図示省略)に連結されるサイドギヤ26と噛み合わされて、エンジンの駆動力がプロペラシャフトから左右のドライブシャフトに伝達されるようになっている。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン22と差動歯車ケース23が、それぞれ一対の円錐ころ軸受1a、1bで支持されている。
【0016】
前記デファレンシャルケース21には潤滑油が貯留されて、シール部材27a、27b、27cで密封されており、各円錐ころ軸受1a、1bは、下部がこの貯留された潤滑油の油浴に漬かった状態で回転し、油浴の潤滑油が軸受内部へ流入する。
【実施例】
【0017】
図2(a)、(b)に示した、テーパ面の長さ寸法Lを円錐ころの平均直径Dの7%とした保持器を用いた円錐ころ軸受(実施例)と、テーパ面の長さ寸法Lを円錐ころの平均直径Dの13%とした従来の保持器を用いた円錐ころ軸受(比較例)とを用意した。なお、各円錐ころ軸受は、寸法が外径100mm、内径45mm、幅27.25mmとした。また、保持器の柱部の厚さ寸法Tは、実施例のものが円錐ころの平均直径Dの13%、比較例のものが17%とした。
【0018】
上記実施例と比較例の円錐ころ軸受について、縦型トルク試験機を用いたトルク測定試験を行った。試験条件は以下の通りである。
・アキシアル荷重:300kgf
・回転速度 :300〜2000rpm(100rpmピッチ)
・潤滑条件 :油浴潤滑(潤滑油:75W−90)
【0019】
図4は、上記トルク測定試験の結果を示す。図4のグラフの縦軸は、比較例のもののトルクに対する実施例のもののトルクの低減率を表す。テーパ面の長さ寸法Lを円錐ころの平均直径Dの7%と小さくした実施例のものは、低速回転から高速回転まで顕著なトルク低減効果が認められ、試験の最高回転速度である2000rpmでも12.0%のトルク低減率が得られている。この実施例のトルク低減効果には、柱部の厚さ寸法Tを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくした効果も含まれている。
【0020】
上述した実施形態では、ころ軸受を円錐ころ軸受としたが、本発明に係るころ軸受は、円筒ころ軸受やたる型ころ軸受にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ころ軸受の実施形態を示す縦断面図
【図2】aは図1の保持器の展開平面図、bはaのIIb−IIb線に沿った断面図
【図3】図1の円錐ころ軸受を使用したデファレンシャルを示す横断面図
【図4】トルク測定試験の結果を示すグラフ
【符号の説明】
【0022】
1、1a、1b 円錐ころ軸受
2 内輪
3 外輪
2a、3a 軌道面
4 円錐ころ
5 保持器
6、7 環状部
8 柱部
8a テーパ面
9 ポケット
21 デファレンシャルケース
22 ドライブピニオン
23 差動歯車ケース
24 リングギヤ
25 ピニオンギヤ
26 サイドギヤ
27a、27b、27c シール部材




 

 


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