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発明の名称 車輪用軸受装置およびその加締加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24131(P2007−24131A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205184(P2005−205184)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
発明者 久保田 和則 / 松永 浩司 / 沼本 潤 / 藤村 啓
要約 課題
低い加工力で加締加工が可能な車輪用軸受装置およびその加締加工方法を提供する。

解決手段
この車輪用軸受装置は、外方部材1と内方部材2の軌道面3,4間に複列のボール5を介在させたものであり、駆動輪を支持する。内方部材2は、車輪取付用ハブフランジ9aと貫通孔11を有するハブ輪9と、ハブ輪9のインボード側端外周の内輪嵌合面部15に嵌合した内輪10とでなる。内輪10の内周面には、内輪10のインボード側端面10aの内周縁に相当する深さの段差部16を設ける。段差部16の軸方向に向く段面16bに、ハブ輪9の加締加工による加締部9cを係合させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に設けられた内輪嵌合面部に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成した駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、
前記内輪の内周面に、この内輪のインボード側の端面まで続き、この端面の内周縁に相当する深さの段差部を設け、前記ハブ輪の加締加工により前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を設け、この加締部は前記内輪の端面から突出しないものとし、前記ハブ輪の前記貫通孔は、等速自在継手のステム部の外周のスプラインと噛み合うスプライン溝を内周面に有し、前記貫通孔の内周面における前記スプライン溝が形成された一般径部分よりもインボード側の部分を、インボード側端の大径段差部と、この大径段差部よりも小径で前記一般径部分よりも大径となる中間径段差部とでなる2段の段付き形状とし、前記ハブ輪の前記中間径段差部を、前記内輪の段差部の軸方向位置よりも軸方向に深い位置としたことを特徴とする車輪用軸受装置。
【請求項2】
請求項1において、前記大径段差部の内径面が、この大径段差部の奥側に位置する加締金型導入部と、この加締金型導入部から開口側へ大径となり前記加締部の内周に位置するテーパ状部分とでなる形状である車輪用軸受装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記ハブ輪の前記加締部の硬度をHRC28以下とした車輪用軸受装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置における前記加締部の加締加工方法であって、前記車輪用軸受装置における前記加締部は、加締加工前は内径面が前記大径段差部の一部となる円筒状部分とし、先端外周がテーパ状の押し当て面とされた加締金型の前記押当て面を前記円筒状部分の内周の開口縁に押し付けることにより、前記円筒状部分を拡径状態に加締めて前記加締部とする車輪用軸受装置の加締部の加締加工方法。
【請求項5】
請求項4において、前記加締金型の前記押し当て面の面粗さを、Ra1μm以下とした車輪用軸受装置の加締部の加締加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の駆動輪となる車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置、およびその加締加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動輪支持用の車輪用軸受装置として、図5に示すものが提案されている(例えば特許文献1)。これは、外方部材21と内方部材22の対向する軌道面23,24間に複列にボール25を介在させ、上記内方部材22を、車輪取付用ハブフランジ29aを外周に有するハブ輪29と、このハブ輪29のインボード側端の外周に嵌合した内輪30とで構成した形式のものである。ハブ輪29の中央孔31には、等速ジョイントの外輪33のステム部33aが挿通されてスプライン嵌合され、等速ジョイント外輪33の段面33bが内輪30のインボード側端面30aに押し当てられる。この状態で、前記ステム部33a先端にナット34を螺合させることにより、等速ジョイント外輪33とナット34とで内方部材22が幅締めされる。
【0003】
この提案例では、ハブ輪29のインボード側端部の外周に形成した段部35に内輪30を外嵌させると共に、内輪30のインボード側端部の内周に段部36を形成し、ハブ輪29のインボード側端を外径側に拡径変形させて前記内輪30の段部36に加締めている。これにより、車両への組付け時に発生する外力による内輪30の抜けを防止している。
【特許文献1】特開平9−164803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した車輪用軸受装置では、以下のような問題がある。
(1)ハブ輪29の加締部29bが大きいため、図5の一部を拡大して示す図6のように、内輪30のインボード側端部に形成する段部36の径方向段差を、半径差で5〜7mm程度とする必要が有る。このように段部36の段差を大きくすると、内輪30のインボード側端面30aの面積が小さくなるので、等速ジョイント外輪33の段面33bとの接触面圧が大きくなる。そのため、摩耗や異音の発生の原因となる。
(2)ハブ輪29の加締部29bを内輪30のインボード側端より内側(アウトボード側)に収めようとすると、図6のように内輪30の段部36の軸方向長さを7〜8mm程度にする必要が有る。このように内輪段部36の軸方向長さが長くなると、ボール接触角の延長線上に内輪段部36が位置する傾向があり、運転時の負荷荷重による内輪変形が大きくなって短寿命となる可能性がある。また、内輪段部36の軸方向長さが長くなると、それだけハブ輪29に対する内輪30の嵌め合い長さ(面積)が減少するので、内輪クリープが発生し、軸受寿命が低下する可能性がある。これらの問題は、内輪全体の幅寸法を長くすれば回避できるが、それでは軸方向に余分なスペースが必要になる。
(3)また、ハブ輪29の加締部29bが大きいことから、揺動加締加工において、加締工具が内輪30と干渉し、加工が困難である。
【0005】
この発明の目的は、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、特に低い加工力で加締加工が可能な車輪用軸受装置およびその加締加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に設けられた内輪嵌合面部に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成した駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、次の構成としたものである。
すなわち、前記内輪の内周面に、この内輪のインボード側の端面まで続き、この端面の内周縁に相当する深さの段差部を設ける。前記ハブ輪の加締加工により前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を設け、この加締部は前記内輪の端面から突出しないものとする。前記ハブ輪の前記貫通孔は、等速自在継手のステム部の外周のスプラインと噛み合うスプライン溝を内周面に有し、前記貫通孔の内周面における前記スプライン溝が形成された一般径部分よりもインボード側の部分を、インボード側端の大径段差部と、この大径段差部よりも小径で前記一般径部分よりも大径となる中間径段差部とでなる2段の段付き形状とする。また、前記ハブ輪の前記中間径段差部を、前記内輪の段差部の軸方向位置よりも軸方向に深い位置とする。
【0007】
この構成によると、内輪の内周面に段差部を設け、ハブ輪の加締加工による加締部を前記段差部内に係合させるので、車両への組付工程において発生する外力による内輪のハブ輪からの抜けを防止できる。段差部は、内輪の内周縁というごく限られた範囲のものとしているので、内輪の抜け耐力を確保しながら、段差部をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部を設けながら内輪の端面の面積の減少が少なく、等速自在継手の段面との接触面圧の増加が抑制され、内輪クリープ発生等による摩耗や異音の発生を防止できて軸受寿命低下を抑制できる。
貫通孔のインボード側端は2段の段付き形状としているので、中間径段差部が、等速ジョイント外輪のステム部を挿入するときの案内となり、組立性がより向上する。
特に、ハブ輪の中間径段差部を、内輪の段差部の軸方向位置よりも軸方向に深い位置としているので、加締金型で加締部の加締加工を行うとき、加締金型の先端の導入部を加締部を越えて奥まで導入しても、加締金型が中間径段差部と干渉せず、加締加工を円滑に行うことができる。そのため、例えば先端外周がテーパ状の加締金型を用いることなどで、低い加工荷重で加締部の成形が可能となり軸受への加締加工時の負荷を小さくできる。
このように、この車輪用軸受装置では、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止できる。
【0008】
この発明において、前記大径段差部の内径面が、この大径段差部の奥側に位置する加締金型導入部と、この加締金型導入部から開口側へ大径となり前記加締部の内周に位置するテーパ状部分とでなる形状であっても良い。
【0009】
この発明において、前記ハブ輪の前記加締部の硬度をHRC28以下としても良い。このように加締部の硬度をHRC28以下と低くすることで、加締加工をより低い加工荷重で行うことができる。
【0010】
この発明の車輪用軸受装置の加締部の加締加工方法は、この発明の車輪用軸受装置における前記加締部の加締加工方法であって、前記車輪用軸受装置における前記加締部は、加締加工前は内径面が前記大径段差部の一部となる円筒状部分とし、先端外周がテーパ状の押し当て面とされた加締金型の前記押当て面を前記円筒状部分の内周の開口縁に押し付けることにより、前記円筒状部分を拡径状態に加締めて前記加締部とするものである。
加締金型として上記のように先端外周がテーパ状の押し当て面とされたものを用いることにより、低い加工荷重で加締部の成形が可能となり軸受への加締加工時の負荷を小さくできる。
【0011】
この発明において、前記加締金型の前記押し当て面の面粗さを、Ra1μm以下としても良い。
加締金型の押し当て面の面粗さをRa1μm以下と小さくした場合、加締部にかじりや凝着などによる、外観上または加工上の不具合を発生させることなく、円滑に加締加工を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に設けられた内輪嵌合面部に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成した駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、前記内輪の内周面に、この内輪のインボード側の端面まで続き、この端面の内周縁に相当する深さの段差部を設け、前記ハブ輪の加締加工により前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を設け、この加締部は前記内輪の端面から突出しないものとし、前記ハブ輪の前記貫通孔は、等速自在継手のステム部の外周のスプラインと噛み合うスプライン溝を内周面に有し、前記貫通孔の内周面における前記スプライン溝が形成された一般径部分よりもインボード側の部分を、インボード側端の大径段差部と、この大径段差部よりも小径で前記一般径部分よりも大径となる中間径段差部とでなる2段の段付き形状とし、前記ハブ輪の前記中間径段差部を、前記内輪の段差部の軸方向位置よりも軸方向に深い位置としたため、内輪の抜け耐力を確保しながら、段差部をできるだけ小さなものとできて、等速自在継手の段面との接触面圧の増加が抑制され、内輪クリープ発生等による軸受寿命低下の抑制が可能となり、また低い加工力で加締加工が可能となって軸受への加締加工時負荷を小さくでき、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止することができる。
【0013】
この発明の車輪用軸受装置の加締部の加締加工方法は、この発明の車輪用軸受装置における前記加締部の加締加工方法であって、車輪用軸受装置における前記加締部は、加締加工前は内径面が前記大径段差部の一部となる円筒状部分とし、先端外周がテーパ状の押し当て面とされた加締金型の前記押当て面を前記円筒状部分の内周の開口縁に押し付けることにより、前記円筒状部分を拡径状態に加締めて前記加締部とすることとしたため、低い加工荷重で容易に加締加工を行うことができて、軸受への加締加工時の負荷を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受装置に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
この車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面3を形成した外方部材1と、これら各軌道面3に対向する軌道面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の軌道面3,4間に介在した複列のボール5とで構成される。この車輪用軸受装置は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、ボール5は各列毎に保持器6で保持されている。上記各軌道面3,4は断面円弧状であり、各軌道面3,4はボール接触角θが背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、シール7,8によりそれぞれ密封されている。
【0015】
外方部材1は固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に前記各列の軌道面4が形成されている。ハブ輪9は中心に貫通孔11を有する。
【0016】
図2および図4に拡大断面図で示すように、ハブ輪9のインボード側端の外周には、ハブ輪9の他の部分の外周よりも小径となった段差部状の内輪嵌合面部15が形成され、この内輪嵌合面部15に内輪10が嵌合する。内輪10の内周面におけるインボード側端には、この内輪10のインボード側の端面10aまで続き、この端面10aの内周縁に相当する深さの段差部16が設けられる。この段差部16は、内輪10の軌道面4の接触角θを成す直線Lよりもインボード側に位置している。段差部16の内面は、円筒面からなるストレート部16aと、軸方向に向く段面16bとでなる形状とされている。段面16bは、軸受軸方向に沿う断面が直線または曲線となる傾斜面とされている。なお段面16bは、軸方向に垂直な面であっても良い。
【0017】
ハブ輪9のインボード側端には、加締加工により内輪10の段差部16の軸方向に向く段面16bに係合する加締部9cが設けてある。なお、図2は加締部9cの加締加工前の状態を、図4は加締加工後の状態をそれぞれ示す。加締部9cは、内輪10の段差部16内をほぼ充足するが、内輪10の端面10aから突出しないものとしてある。加締部9cの硬度はHRC28以下とされている。
【0018】
上記加締加工は、図3に示す加締金型18を用いて行われる。加締金型18は、先端外周がテーパ状の押し当て面18aとされ、この押し当て面18aを加締部9cの円筒状部分の内周の開口縁に押し付け、加締部9cの円筒状部分を拡径状態に加締めることにより加締加工を行う。加締加工を可能とし、かつ連続した加工を可能とするために、加締金型18の硬度は、少なくとも加締部9cよりも硬度を大きくする必要がある。そこで、この実施形態では、加締金型18の素材として例えばHRC30以上の硬度とした鋼や超硬合金等を用いる。この他に、加締金型18は、表面処理により必要硬度とした材料を用いても良い。加締金型18における前記押し当て面18aの面粗さはRa1μm以下とされている。
【0019】
ハブ輪9の貫通孔11の内周面は、スプライン溝11aaの形成された一般径部分11aを有する。また、この一般径部分11aよりもインボード側の部分は、インボード側端の大径段差部11bと、この大径段差部11bよりも小径で前記一般的径部分11aのスプライン溝11aaの溝底径よりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状とされている。さらに、中間径段差部11cは、内輪10の段差部16の軸方向位置Aよりも軸方向に深い位置Bとされている。
【0020】
この車輪用軸受装置の車両への組付けにおいては、等速ジョイント12の片方の継手部材となる外輪13のステム部13aをハブ輪9の貫通孔11に挿通させ、ステム部13aの外周のスプライン13aaと貫通孔11の内周面のスプライン溝11aaとをスプライン嵌合させ、ステム部13aの先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪13を内方部材2に結合する。このとき、等速ジョイント外輪13に設けられたアウトボード側に向く段面13bが、内輪10のインボード側に向く端面10aに押し付けられ、等速ジョイント外輪13とナット14とで内方部材2が幅締めされる。
車輪取付用のハブフランジ9aはハブ輪9のアウトボード側端に位置しており、このハブフランジ9aにブレーキロータを介して車輪(いずれも図示せず)がボルト17で取付けられる。
【0021】
この構成の車輪用軸受装置によると、内輪10の内周面に段差部16を設け、ハブ輪9の加締加工による加締部9cを前記段差部16内に係合させたので、車両への組付工程において発生する外力による内輪10のハブ輪9からの抜けを防止できる。段差部16は、内輪10の内周縁というごく限られた範囲のものとしたため、内輪10の抜け耐力を確保しながら、段差部をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部16を設けながら内輪10の端面の面積の減少が少なく、等速ジョイント外輪13の段面13bとの接触面圧の増加が抑制され、内輪クリープ発生等による摩耗や異音の発生を防止できて軸受寿命低下を抑制できる。
ハブ輪9の貫通孔11は、スプライン溝11aaが形成された一般径部分11aよりもインボード側の部分を、インボード側端の大径段差部11bと、この大径段差部11bよりも小径で前記一般径部分11aよりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状としたため、中間径段差部11cが、等速ジョイント外輪13のステム部13aを挿入するときの案内となり、組立性がより向上する。
【0022】
中間径段差部11cは、内輪10の段差部16の軸方向位置Aよりも軸方向に深い位置Bとしているので、図3のように加締金型18で加締部9cの加締加工を行うときに、加締金型18の先端の導入部を加締部9cを越えて奥まで導入しても、加締金型18が中間径段差部11cと干渉せず、加締加工を円滑に行うことができる。そのため、加締金型18として先端外周がテーパ状の押し当て面18aとされたものを用いることができて、低い加工荷重で加締部9cの成形が可能となり、軌道面3,4やボール5への加締加工時の負荷を小さくできる。
【0023】
この実施形態では、加締部9cの硬度をHRC28以下としていることからも、加締加工をより低い加工荷重で行うことができる。
【0024】
加締部9cの加締加工では、図2のように、加締加工前の加締部9cの内径面を、前記ハブ輪貫通孔11の大径段差部11bの一部となる円筒状部分とし、加締金型18の先端外周のテーパ状の押し当て面18aを前記円筒状部分の内周の開口縁に押し付けることにより、前記円筒状部分を拡径状態に加締めて加締部9cとするので、低い加工荷重で容易に加締加工を行うことができる。
この加締加工において、加締金型18は加締部9cに対して高い圧力で接するため、加工条件によっては、かじりや凝着などの発生により加締部9cの外観を損なう恐れがあり、場合によっては加締加工できなくなる恐れがある。しかし、この実施形態では、加締金型18の押し当て面18aの面粗さがRa1μm以下とされているので、加締部9cにかじりや凝着などによる外観上または加工上の不具合を発生させることなく、円滑に加締加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。
【図2】同車輪用軸受装置のハブ輪加締前の部分拡大断面図である。
【図3】同車輪用軸受装置のハブ輪加締加工の説明図である。
【図4】同車輪用軸受装置のハブ輪加締後の部分拡大断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】従来例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1…外方部材
2…内方部材
3…外方部材の軌道面
4…内方部材の軌道面
5…ボール
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
9c…加締部
10…内輪
10a…内輪端面
11…貫通孔
11a…一般径部分
11aa…スプライン溝
11b…大径段差部
11c…中間径段差部
13…等速ジョイント外輪
13a…等速ジョイント外輪のステム部
13aa…ステム部のスプライン
15…内輪嵌合面部
16…内輪の段差部
16b…段面
18…加締金型
18a…押し当て面





 

 


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