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発明の名称 円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24110(P2007−24110A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−204623(P2005−204623)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
代理人 【識別番号】100091409
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英彦
発明者 大本 達也
要約 課題
内輪と円錐ころと保持器とを組み込む際に、比較的小さい力で組み込むことができる円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器を提供する。

解決手段
プレス保持器15bの小径側環状部17bには、小径側環状部17bの直径を弾性的に拡大させることができる弾性拡径許容部として、小径側環状部17bを横切ってポケット16bにまで至るスリット20bが設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪と、内輪と、複数の円錐ころと、前記複数の円錐ころの間隔を保持する保持器とを備え、
前記保持器は、小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように前記小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含み、
前記小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る弾性拡径許容部を有している、円錐ころ軸受。
【請求項2】
前記弾性拡径許容部は、前記環状部を横切ってポケットにまで至るスリットである、請求項1に記載の円錐ころ軸受。
【請求項3】
前記スリットは、隣接する二つの柱部の中央に位置するように設けられている、請求項2に記載の円錐ころ軸受。
【請求項4】
前記スリットは、円周方向に等配で設けられている、請求項2または3に記載の円錐ころ軸受。
【請求項5】
複数の円錐ころの間隔を保持する保持器であって、
小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように前記小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含み、
前記小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る弾性拡径許容部を有している、円錐ころ軸受の保持器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器に関し、特に、風力発電機の主軸等に使用され、大きなラジアル荷重やスラスト荷重を受けることができる円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機の主軸に使用される軸受は、ブレードの自重等に対するラジアル荷重、風力に対するスラスト荷重およびモーメント荷重を受ける必要がある。さらには、風力発電機の主軸は片持ちの梁構造であるため、主軸の撓みに対する自動調心性を備えた軸受が求められるため、自動調心ころ軸受および円筒ころ軸受を組み合わせた軸受が使用されていた。図6は、自動調心ころ軸受101を風力発電機の主軸に使用した場合の概略図である。図6を参照して、自動調心ころ軸受101は、内輪102と、左右の列に配置された複数の調心ころ103a、103bと、複数の調心ころ103a、103bの間隔を保持する保持器104と、外輪105とを有する。自動調心ころ軸受101は、風を受けるブレード111が一方端に設けられた主軸112に取り付けられ、ハウジング113に組み込まれる。このように取り付けられた自動調心ころ軸受101と円筒ころ軸受とを組み合わせて、風力発電機の主軸に使用していた。
【0003】
しかし、上記の二つの転がり軸受を組み合わせた軸受については、部品点数が多く、その削減が求められている。
【0004】
そのような要求に応じて、自動調心ころ軸受と比較して調心性は劣るものの、一つの軸受で大きなスラスト荷重及びラジアル荷重を受けることができる円錐ころ軸受が、風力発電機の主軸に使用されている。このような用途に使用される円錐ころ軸受のうち、複列で外向きに配置されている複列円錐ころ軸受について、その構成を説明する。図7は、複列円錐ころ軸受121の断面図の一例である。図7を参照して、複列円錐ころ軸受121は、小径側端面が向き合うように配置された左右の内輪122a、122bと、外輪124と、内輪122a、122bと外輪124との間に配置された複数の円錐ころ123a、123bと、左右の列において複数の円錐ころ123a、123bの間隔を保持する左右のプレス保持器125a、125bとを有する。
【0005】
図8は、複列円錐ころ軸受121に含まれるプレス保持器125bを表す図解的概略図である。図8を参照して、プレス保持器125bは、内輪122bに組み込まれたときに小鍔側に配置される小径側環状部127bと、内輪122bに組み込まれたときに大鍔側に配置される大径側環状部128bと、円錐ころ123bを収容するためのポケット126bを形成するように、小径側環状部127bと大径側環状部128bとを連結する複数の柱部129bとを有する。ここで、内輪122bの形状に沿って組み込まれるように、小径側環状部127bの直径は、大径側環状部128bの直径よりも小さく構成されている。
【0006】
上記した複列円錐ころ軸受121を構成する部材のうち、内輪122bと円錐ころ123bとプレス保持器125bの組み込み方法を、図9(A)および図9(B)を用いて説明する。
【0007】
まず、小径側環状部127bの直径を、プレスを用いて拡大させる。この場合、プレス保持器125bは、全体として塑性変形をすることになる。次に、小径側環状部127bの直径が拡大されたプレス保持器125bの各ポケット126bに、円錐ころ123bをそれぞれ挿入する。円錐ころ123bを挿入後、円錐ころ123bを保持したプレス保持器125bを、円錐ころ123bの大端面が内輪122bの大鍔に接するように、内輪122bに取り付ける。
【0008】
図9(A)は、小径側環状部127bの直径が拡大され、円錐ころ123bが挿入されたプレス保持器125bを、内輪122bに取り付ける状態を表した断面図である。図9(A)を参照して、プレス保持器125bに保持された円錐ころ123bの小端面の内接円径をYとし、内輪122bの小鍔132bの最大外径をXとすると、XよりもYが大きくなるよう、小径側環状部127bの直径は拡大される。小鍔132bの最大外径よりも、円錐ころ123bの小端面の内接円径の方が大きいため、円錐ころ123bを保持したプレス保持器125bを矢印Wの方向から組み入れることにより、容易に内輪122bに取り付けることができる。ここで、小径側環状部127bの直径が拡大された場合の小径側環状部127bの内径面130bの内径をZとする。
【0009】
その後、プレス保持器125bの拡大された小径側環状部127bの直径を、プレスを用いて加締めて、元の形状、すなわち、小径側環状部127bの直径が拡大される前の直径に戻す。図9(B)は、この場合の断面図である。ここで、小径側環状部127bの直径が加締められた場合の小径側環状部127bの内径面130bの内径をVとすると、VはZよりも小さくなる。このようにして、内輪122bと円錐ころ123bとプレス保持器125bとを組み込む。
【0010】
なお、組み込まれた内輪122bと円錐ころ123bとプレス保持器125bの集合体と、同様にして組み込まれた内輪122aと円錐ころ123aとプレス保持器125aの集合体と、外輪124とを組み込むことにより、複列円錐ころ軸受121が組み立てられる。
【0011】
このように、プレス保持器を使用して、小径側環状部の直径をプレスによって拡大し、内輪と円錐ころとプレス保持器を組み込んだ後に、プレスによって小径側環状部を加締めて元の形状に戻す円錐ころ軸受が特開2001−208054号公報(特許文献1)に開示されており、また、複列円錐ころ軸受を主軸に使用した風力発電用風車が特開2005−105917号公報(特許文献2)に開示されている。
【特許文献1】特開2001−208054号公報(段落番号0002〜0004、図5)
【特許文献2】特開2005−105917号公報(段落番号0020〜0039、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
より大きな発電量を得るためには、ブレード111がより大きな風を受ける必要があり、そのような環境下においては、主軸を支持する軸受は、より大きなラジアル荷重やスラスト荷重を受けるため、複列円錐ころ軸受121自体を大型化する必要がある。また、より大きなスラスト荷重およびモーメント荷重を受けるためには、外輪軌道面と複列円錐ころ軸受121の回転軸線とのなす角度である接触角を大きくする必要がある。
【0013】
複列円錐ころ軸受121が大型化すれば、それに伴い、各構成部材も大型化することになる。ここで、上記した方法により内輪122bと円錐ころ123bとプレス保持器125bを組み込む場合、プレス保持器125bの小径側環状部127bの直径を拡大させるためのプレスや、加締めて元の形状に戻すプレスについても大型化する必要があり、加工性が悪くなることになる。
【0014】
また、大きなスラスト荷重およびモーメント荷重を受けるために接触角を大きくした場合、小径側環状部127bの直径をより大きく拡大させなければ、内輪122bと円錐ころ123bとプレス保持器125bを組み込むことができず、小径側環状部127bの直径を拡大させるためのより大きな力を要することになる。
【0015】
この発明は、内輪と円錐ころと保持器とを組み込む際に、比較的小さい力で組み込むことができる円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係る円錐ころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円錐ころと、複数の円錐ころの間隔を保持する保持器とを備える。上記した保持器は、小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含む。ここで、上記した小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る弾性拡径許容部を有している。
【0017】
このような弾性拡径許容部を小径側環状部に設けることにより、小径側環状部の弾性変形のみで小径側環状部の直径を拡大することができ、塑性変形させる程の大きな力で小径側環状部を拡大させる必要はなく、比較的小さい力で小径側環状部の直径を拡大し、内輪と円錐ころと保持器とを組み込むことができる。
【0018】
好ましくは、弾性拡径許容部は、環状部を横切ってポケットにまで至るスリットである。このように構成することにより、弾性変形のみでスリットの幅を広げうることができ、容易に小径側環状部の直径を弾性的に拡大することができる。
【0019】
より好ましくは、スリットは、隣接する二つの柱部の中央に位置するように設けられていてもよい。このように構成することにより、スリットの両横に位置する小径側環状部の突起部の円周方向の寸法を、左右均等にして小さくすることができる。したがって、ポケットに保持した円錐ころから受ける力により発生する小径側環状部の突起部の曲げ効力を、均等かつ小さくすることができ、小径側環状部の突起部が破壊するおそれが少なくなる。なお、本明細書中で「中央」とは、隣接する二つの柱部のほぼ中央付近ということを意味し、厳密に二つの柱部の真中に配置されていなくともよい。
【0020】
また、スリットは、円周方向に等配で設けられていてもよい。このように構成することにより、一つ一つのスリットに対する弾性変形を少なくすることができ、より小さい力で均等に直径を拡大することができる。なお、本明細書中で「等配」とは、円周方向にほぼ均等に配置されていることを意味し、回転軸に点対称な円周方向の位置に、厳密にスリットが配置されていなくてもよい。
【0021】
この発明の他の局面においては、円錐ころの保持器は、複数の円錐ころの間隔を保持し、小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含む。ここで、上記した小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る弾性拡径許容部を有している。
【0022】
このように構成することにより、内輪と円錐ころと上記した保持器とを組み込む際に、小径側環状部の弾性変形のみで小径側環状部の直径を拡大することができ、小径側環状部を拡大するプレスや、加締めて元の形状に戻すプレスを用いて、大きな力で塑性変形させ、小径側環状部を拡大したり、加締めて元の形状に戻さなくてもよく、比較的小さい力で小径側環状部の直径を拡大し、内輪と円錐ころと保持器とを組み込むことができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、内輪と円錐ころと保持器とを組み込む際に、小径側環状部に設けられた弾性拡径許容部の弾性変形のみで、保持器の小径側環状部を拡大することができ、塑性変形させる程の大きな力で小径側環状部を拡大させる必要はなく、比較的小さな力で小径側環状部の直径を拡大し、内輪と円錐ころと保持器とを組み込むことができる。
【0024】
また、このような構成の保持器を含む円錐ころ軸受は、内輪と円錐ころと保持器とを組み込む際に、加工性を悪化させることがないため、容易に、円錐ころ軸受を大型化したり、接触角を大きくすることができ、より大きなスラスト荷重等を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受に含まれるプレス保持器15bの一部を示す図である。図1を参照して、プレス保持器15bは、内輪に組み込まれたときに小鍔側に配置される小径側環状部17bと、内輪に組み込まれたときに大鍔側に配置される大径側環状部18bと、円錐ころを収容するためのポケット16bを形成するように、小径側環状部17bと大径側環状部18bとを連結する複数の柱部19bとを有する。ここで、小径側環状部17bの直径は、内輪の形状に沿って組み込まれるように、大径側環状部18bの直径よりも小さく構成されている。
【0026】
プレス保持器15bの小径側環状部17bには、小径側環状部17bの直径を弾性的に拡大させることができる弾性拡径許容部として、小径側環状部17bを横切ってポケット16bにまで至るスリット20bが設けられている。スリット20bは、小径側環状部17bに対して直角に設けられていなくてもよく、多少の角度を有していてもよい。さらに、スリット20bの幅についても特に限定されず、スリット20bの両横に位置する小径側環状部17bの突起部21bで、円錐ころの小端面を保持することができればよい。
【0027】
このようにスリット20bを設けることにより、弾性変形のみでスリットの幅を広げうることができ、容易に小径側環状部17bの直径を弾性的に拡大することができる。したがって、プレス保持器15bを内輪に組み込む際に、小径側環状部17bの直径を拡大させるプレスや、加締めるプレスを使用して塑性変形させる程の大きな力を要することなく、比較的小さな力で小径側環状部17bの直径を拡大し、プレス保持器15bを内輪に組み込むことができる。
【0028】
ここで、小径側環状部17bに設けられたスリット20bの円周方向の位置は、隣接する二つの柱部19bの中間に位置することが好ましい。図2は、片方の柱部27bに近い位置の小径側環状部25bに、スリット28bを設けた場合のプレス保持器23bの一部を示す図である。図2を参照して、ポケット24bに保持する円錐ころから矢印Tの方向に力を受けると、ポケット24bの小端面側の角部Kを中心に、矢印Uの方向に曲げ応力がかかることになる。そうすると、突起部29bの円周方向の寸法が長い分、突起部29bの剛性に曲げ応力が打ち勝ち、突起部29bが破壊するおそれがあるからである。
【0029】
したがって、スリット28bを隣接する柱部27bの中央の位置に設けることにより、スリット28bの両横に位置する突起部29bの円周方向の寸法が同じになり、発生する曲げ応力を均等かつ小さくすることができる。その結果、突起部29bが破壊するおそれが少なくなる。
【0030】
図3は、図1に示したプレス保持器15bを含む円錐ころ軸受を複列で使用した場合の複列円錐ころ軸受11を表した断面図である。図3を参照して、複列円錐ころ軸受11は、小径側端面が互いに向き合うよう配置された左右の内輪12a、12bと、左右の内輪12a、12bに対応する軌道面を有する外輪14と、内輪12a、12bと外輪14の間に配置された複数の円錐ころ13a、13bと、左右の列において複数の円錐ころ13a、13bの間隔を保持する左右のプレス保持器15a、15bとを有する。ここで、プレス保持器15aは、プレス保持器15bと同じ構成であり、プレス保持器15aの小径側環状部17aには、スリット20aが設けられている。
【0031】
内輪12a、12bは、大きなスラスト荷重等を受けるため、外輪軌道面と複列円錐ころ軸受11の回転軸線(図示せず)とのなす角度である接触角が大きく構成されている。好ましくは、接触角は40°〜47°の範囲内に設定されている。
【0032】
外輪14は、中央部が径方向に凸状の断面形状をしており、内輪12a、12bとの間に複数の円錐ころ13a、13bを保持している。本実施形態では、外輪14は一つで構成されているが、内輪12a、12bに対してそれぞれ別個の外輪が設けられていてもよい。
【0033】
複数の円錐ころ13a、13bは、外輪14と内輪12a、12bとの間に配置されており、プレス保持器15a、15bにより、その間隔を保持されている。
【0034】
このような複列円錐ころ軸受11を構成する部材のうち、内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bの組み込み方法を説明する。
【0035】
まず、プレス保持器15bの各ポケットに、円錐ころ13bをそれぞれ挿入する。ポケットに円錐ころ13bを挿入後、プレス保持器15bの小径側環状部17bの直径を拡大させる。ここで、プレス保持器15bにはスリット20bが設けられているため、スリット20bを押し広げる等により、小径側環状部17bの弾性変形のみで、容易に小径側環状部17bの直径を拡大させることができる。この場合、内輪12bの小鍔の最大外径よりも、プレス保持器15bに保持された円錐ころ13bの小端面の内接円径の方が大きくなるよう、小径側環状部17bの直径を拡大させる。
【0036】
次に、円錐ころ13bを保持したプレス保持器15bを、円錐ころ13bの大端面が内輪12bの大鍔に接するように、内輪12bに取り付ける。その後、プレス保持器15bの拡大された小径側環状部17bの直径を元に戻す。この場合、スリット20bを押し広げて弾性的に小径側環状部17bの直径が拡大されているため、押し広げられたスリット20bを元に戻すことにより、容易に元の直径に戻すことができる。このようにして、内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bとを組み込む。
【0037】
こうすることにより、小径側環状部17bの弾性変形のみで、小径側環状部17bの直径を拡大させることができ、容易に内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bとを組み込むことができる。
【0038】
なお、同様にして、内輪12aと円錐ころ13aとプレス保持器15aを組み込み、組み込まれた内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bの集合体と、内輪12aと円錐ころ13aとプレス保持器15aの集合体と、外輪14とを組み込むことにより、複列円錐ころ軸受11が組み立てられる。
【0039】
ここで、先の実施の形態については、スリット20bを一箇所だけ設けることにしたが、これに限らず、スリット20bを円周方向に等配の位置に、複数設けることにしてもよい。すなわち、スリット20bを回転軸線にほぼ点対称の位置に設けることにする。こうすることにより、一つ一つのスリット20bに対する弾性変形の量を少なくすることができ、より小さい力で均等に小径側環状部17bの直径を拡大することができる。
【0040】
また、先の実施の形態については、内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bを組み込んだ後も、プレス保持器15bにはスリット20bが存することになっているが、これに限らず、組み込んだ後に、スリット20bを溶接したり、接着したりして、スリット20bをなくすことにしてもよい。こうすることにより、内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bを組み込んだ後の、プレス保持器15bの剛性、特に、小径側環状部17bの剛性をあげることができる。
【0041】
また、先の実施の形態において、弾性拡径許容部としてプレス保持器15bの小径側環状部17bにスリット20bを設けることとしたが、これに限らず、弾性拡径許容部として小径側環状部17bの一部または全部に、円周方向に弾性変形が可能な蛇腹状の波打ち部を設けてもよい。このように構成することにより、蛇腹状の波打ち部の弾性変形のみで小径側環状部の直径を拡大することができるため、上記した方法と同様の方法で、内輪12bと円錐ころ13bとプレス保持器15bを組み込むことができる。
【0042】
なお、先の実施の形態においては、この発明の実施の形態に係る円錐ころ軸受として複列円錐ころ軸受を用いて説明したが、これに限らず、単列の円錐ころ軸受を複数使用し、各円錐ころ軸受を組み合わせて用いる場合、さらには、円錐ころ軸受を単独で用いた場合についても同様に適用される。具体的には、円錐ころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円錐ころと、複数の円錐ころの間隔を保持する保持器とを備え、上記した保持器は、小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含み、上記した小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る弾性拡径許容部を有している。
【0043】
図4および図5は、上記した円錐ころ軸受を主軸支持軸受35として適用した、風力発電機の主軸支持構造の一例を示している。主軸支持構造の主要部品を支持するナセル32のケーシング33は、高い位置で、旋回座軸受31を介して支持台30上に水平旋回自在に設置されている。風力を受けるブレード37を一端に固定する主軸36は、ナセル32のケーシング33内で、軸受ハウジング34に組み込まれた主軸支持軸受35を介して、回転自在に支持されている、主軸36の他端は増速機38に接続され、この増速機38の出力軸が発電機39のロータ軸に結合されている。ナセル32は、旋回用モータ40により、減速機41を介して任意の角度に旋回させられる。
【0044】
軸受ハウジング34に組み込まれた主軸支持軸受35は、この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受であって、外輪と、内輪と、複数の円錐ころと、複数の円錐ころの間隔を保持する保持器とを備える。上記した保持器は、小径側環状部と、大径側環状部と、円錐ころを収容するポケットを形成するように小径側および大径側環状部を連結する複数の柱部とを含む。ここで、小径側環状部は、環状部の直径を弾性的に拡大させ得る、たとえば、スリットや蛇腹状の波打ち部のような弾性拡径許容部を有している。
【0045】
主軸支持軸受35を、このような構成の円錐ころ軸受にすることにより、内輪と円錐ころとプレス保持器とを組み込む際に、小径側環状部の弾性変形のみで小径側環状部の直径を拡大することができ、塑性変形させる程の大きな力で小径側環状部を拡大させる必要はなく、比較的小さい力で内輪と円錐ころと保持器とを組み込むことができる。
【0046】
なお、上記した実施の形態において、円錐ころ軸受を構成する部材としてプレス保持器を使用して説明したが、これに限らず、他の保持器、たとえば、成型保持器や揉みぬき保持器等を使用してもよい。
【0047】
また、この発明の実施の形態に係る主軸支持構造に用いる主軸支持軸受として円錐ころ軸受を使用したが、これに限らず、円錐ころ軸受を複数使用し、各円錐ころ軸受を組み合わせて用いてもよいし、さらには、円錐ころ軸受を複列で用いてもよい。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明に係る円錐ころ軸受および円錐ころ軸受の保持器は、保持器の弾性変形のみで小径側環状部を拡大することができ、比較的小さな力で内輪と円錐ころと保持器とを組み込むことができるため、特に、大型化した円錐ころ軸受や、接触角を大きくした円錐ころ軸受およびこのような円錐ころ軸受に使用される保持器に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の一実施形態に係る円錐ころ軸受に含まれるプレス保持器15bの一部を示す図である。
【図2】片方の柱部19bに近い位置にスリット28bを設けた場合のプレス保持器23bの一部を示す図である。
【図3】図1に示すプレス保持器15bを含む円錐ころ軸受を複列で使用した場合の複列円錐ころ軸受11を示す断面図である。
【図4】この発明に係る円錐ころ軸受を用いた風力発電機の主軸支持構造の一例を示す図である。
【図5】図4に示した風力発電機の主軸支持構造の図解的側面図である。
【図6】自動調心ころ軸受101を風力発電機の主軸に使用した場合の概略図である。
【図7】従来における複列円錐ころ軸受121の一例を示す断面図である。
【図8】従来におけるプレス保持器125bの図解的概略図である。
【図9】従来における小径側環状部127bの直径が拡大された状態(A)および小径側環状部127bが元の直径に戻された状態(B)を表した断面図である。
【符号の説明】
【0051】
11 複列円錐ころ軸受、12a,12b 内輪、13a,13b 円錐ころ、14 外輪、15a,15b,23b プレス保持器、16b,24b ポケット、17a,17b,25b 小径側環状部、18b 大径側環状部、19b,27b 柱部、20a,20b,28b スリット、21b,29b 突起部、30 支持台、31 旋回座軸受、32 ナセル、33 ケーシング、34 軸受ハウジング、35 主軸支持軸受、36 主軸、37 ブレード、38 増速機、39 発電機、40 旋回用モータ、41 減速機。




 

 


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