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回転伝達装置 - NTN株式会社
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発明の名称 回転伝達装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24087(P2007−24087A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203469(P2005−203469)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 出村 良広
要約 課題
湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御する回転伝達装置において、電磁クラッチ部のロータとアーマチュア間に形成される軸方向のギャップを常に一定値に保持する。

解決手段
電磁石13を駆動源とし、その電磁石13に対する通電によって外輪3に取付けられたロータ12にアーマチュア11を吸着させる電磁クラッチ部10Aと、その電磁クラッチ部10Aのアーマチュア11と外輪3の締結時に、アーマチュア11を内輪5に回り止めされたプレッシャプレート31に対して相対回転させ、複数のボールカム32によりプレッシャプレート31を軸方向に移動させて湿式多板クラッチ7に軸力を負荷する軸力負荷部10Bを設ける。内輪5の端部外周に止め輪22を取付け、その止め輪22によりアーマチュア11のロータ12から離反する方向の移動量を制限して、アーマチュア11とロータ12間の軸方向のギャップ量を一定値に保持する。
特許請求の範囲
【請求項1】
入力部材と出力部材を内外に配置して相対的に回転自在に支持し、その入力部材と出力部材間に、負荷される軸力によって入力部材と出力部材とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって入力部材に取付けられたロータにリング状のアーマチュアを吸着させると共に通電の遮断時にロータとの間に組込まれた離反ばねによってアーマチュアをロータから離反させる電磁クラッチ部と、前記ロータのアーマチュア吸着時に入力部材の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、その軸力負荷部が、前記アーマチュアと出力部材に回り止めされて軸方向に移動可能なプレッシャプレートの対向面それぞれに周方向の溝深さが次第に浅くなるカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込んだ構成から成る回転伝達装置において、前記アーマチュアがロータから離反する方向の移動量を制限する移動量規制手段を設けたことを特徴とする回転伝達装置。
【請求項2】
前記移動量規制手段が、前記出力部材の端部にアーマチュアの軸方向の移動を案内する小径軸部を形成し、その小径軸部の外径面にアーマチュアの内周部が当接可能な止め輪を取付けた構成から成る請求項1に記載の回転伝達装置。
【請求項3】
前記移動量規制手段が、前記入力部材の内径面にアーマチュアの外周部が当接可能な止め輪を取付けた構成から成る請求項1に記載の回転伝達装置。
【請求項4】
前記移動量規制手段が、前記出力部材の端部にアーマチュアの軸方向の移動を案内する小径軸部を形成して、その小径軸部の付根にアーマチュアの内周部が当接可能な肩部を設けた構成から成る請求項1に記載の回転伝達装置。
【請求項5】
前記移動量規制手段が、入力部材の内径面にアーマチュアの外周部が当接可能な肩部を形成した構成から成る請求項1に記載の回転伝達装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力の伝達経路上において、動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FRベースの4輪駆動車において、補助駆動輪としての前輪に駆動力の伝達と遮断とを行なう回転伝達装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
【0003】
上記回転伝達装置は、トランスミッションからの駆動力が入力される入力部材内に出力部材を組込んで相対的に回転自在に支持し、その入力部材と出力部材間に、負荷される軸力によって入力部材と出力部材とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設けている。
【0004】
ここで、クラッチ制御装置は、電磁クラッチ部と、その電磁クラッチ部の締結時に入力部材の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、上記電磁クラッチ部は、入力部材の内径面に案内されて軸方向に移動可能なアーマチュアと、入力部材に取付けられて上記アーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向する電磁石とから成り、上記電磁石の電磁コイルに対する通電によりロータにアーマチュアを吸着して、入力部材とアーマチュアとを結合させるようにしている。また、ロータとアーマチュアとの間に離反ばねを組込み、上記電磁コイルに対する通電の遮断時にアーマチュアをロータから離反させるようにしている。
【0005】
一方、軸力負荷部は、アーマチュアと湿式多板クラッチ間にプレッシャプレートを組込み、そのプレッシャプレートを出力部材に回り止めし、かつ軸方向に移動可能に支持し、上記プレッシャプレートとアーマチュアの対向面それぞれに中央から周方向両端に向けて溝深さが次第に浅くなるカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込み、上記プレッシャプレートに対するアーマチュアの相対回転によりプレッシャプレートを軸方向に移動させて湿式多板クラッチに軸力を負荷するようにしている。
【0006】
上記回転伝達装置においては、ロータとアーマチュアの対向面間に形成される軸方向のギャップが大きくなり過ぎると、電磁コイルに対する通電によってロータにアーマチュアを吸着させることができず、また電磁石として容量の大きい大型のものを必要とする。このため、ロータとアーマチュア間の軸方向のギャップは、ある程度小さい隙間に維持しておく必要がある。
【特許文献1】特開2005−48788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の回転伝達装置においては、アーマチュアのロータから離反する方向の移動量を制限するものがないため、以下のような不都合がある。
【0008】
すなわち、湿式多板クラッチにおいては、結合解除状態で入力側クラッチプレートと出力側クラッチプレートは相対回転するため、両クラッチプレート間に所定のクリアランスを設けている。そのため、アーマチュアとロータ間の軸方向のギャップ量の設定に際しては、上記クリアランスやクラッチプレート、プレッシャプレート、ボール等の各部品の寸法およびその寸法バラツキを考慮して決定する必要が生じ、各部品の寸法バラツキ分だけアーマチュアの軸方向移動量が大きくなる。
【0009】
また、湿式多板クラッチの入出力側クラッチプレートは使用によって摩耗し、その摩耗によってロータとアーマチュア間の軸方向ギャップ量が大きくなる。
【0010】
以上の点から、ロータとアーマチュア間の軸方向ギャップ量が大きくなり、シム調整やマッチングが必要となる。また、軸方向ギャップ量が大きくなるため、比較的容量の大きい電磁石を必要とする。
【0011】
この発明の課題は、各部品の寸法やその寸法のバラツキを考慮することなくロータとアーマチュア間の軸方向ギャップ量を設定することができると共に、そのギャップ量を小さな値に設定できるようにした回転伝達装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明においては、入力部材と出力部材を内外に配置して相対的に回転自在に支持し、その入力部材と出力部材間に、負荷される軸力によって入力部材と出力部材とを結合する湿式多板クラッチを組込み、その湿式多板クラッチの軸方向一側に、その湿式多板クラッチの結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置を設け、そのクラッチ制御装置が、電磁石に対する通電によって入力部材に取付けられたロータにリング状のアーマチュアを吸着させると共に通電の遮断時にロータとの間に組込まれた離反ばねによってアーマチュアをロータから離反させる電磁クラッチ部と、前記ロータのアーマチュア吸着時に入力部材の回転トルクを軸力に変換して、その軸力を湿式多板クラッチに負荷する軸力負荷部とから成り、その軸力負荷部が、前記アーマチュアと出力部材に回り止めされて軸方向に移動可能なプレッシャプレートの対向面それぞれに周方向の溝深さが次第に浅くなるカム溝を設け、そのカム溝間にボールを組込んだ構成から成る回転伝達装置において、前記アーマチュアがロータから離反する方向の移動量を制限する移動量規制手段を設けた構成を採用したのである。
【0013】
ここで、移動量規制手段は、出力部材の端部に設けられたアーマチュア移動案内用の小径軸部の外径面または入力部材の内径面に止め輪を取付け、その止め輪に対する当接によってアーマチュアのロータから離反する方向の移動量(後退量)を制限するようにしたものであってもよく、あるいは、出力部材の端部にアーマチュア移動案内用の小径軸部を形成してその付根に肩部を設け、又は入力部材の内径面に肩部を設け、その肩部に対する当接によってアーマチュアの後退量を制限するようにしたものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記のように、移動量規制手段によってロータから離反する方向のアーマチュアの移動量を制限することにより、ロータとアーマチュア間の軸方向ギャップ量の設定に際し、プレッシャプレート、ボール、入・出力側クラッチプレート間のクリアランアスや各種部品の寸法および寸法バラツキを考慮する必要がなくなり、ロータとアーマチュア間にきわめて小さな軸方向ギャップを形成することができると共に、シム調整やマッチング等の調整を不要とすることができる。
【0015】
また、ロータとアーマチュア間に小さな軸方向ギャップを形成することができるので、アーマチュアの吸着に必要とされる電流の低電流化を可能とし、小型の電磁石を採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、静止部材としてのハウジング1は、一端に端壁2を有している。
【0017】
ハウジング1内には、入力部材としての外輪3が組込まれている。外輪3はハウジング1の他端部内に組込まれた軸受4によって回転自在に支持されている。
【0018】
外輪3の内側には出力部材としての内輪5が組込まれ、その内輪5と外輪3間に組込まれた軸受6によって両輪3、5は相対的に回転自在とされている。
【0019】
外輪3と内輪5間には、湿式多板クラッチ7が組込まれている。湿式多板クラッチ7は、多数の入力側クラッチプレート8と多数の出力側クラッチプレート9とから成る。入力側クラッチプレート8と出力側クラッチプレート9は軸方向に交互に組込まれ、上記入力側クラッチプレート8は外輪3に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されている。一方、出力側クラッチプレート9は内輪5に回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
【0020】
入力側クラッチプレート8と出力側クラッチプレート9は、負荷される軸力により互に密着して結合状態となり、外輪3の回転を内輪5に伝達する。
【0021】
湿式多板クラッチ7の軸方向一側には、その湿式多板クラッチ7の結合および結合解除を制御するクラッチ制御装置10が設けられている。
【0022】
クラッチ制御装置10は、電磁クラッチ部10Aと、その電磁クラッチ部10Aの締結時に外輪3の回転トルクを軸力に変換して湿式多板クラッチ7に負荷する軸力負荷部10Bとから成る。
【0023】
電磁クラッチ部10Aは、アーマチュア11と、そのアーマチュア11の一側方に設けられたロータ12と、そのロータ12の一側方に設けられた電磁石13とから成る。
【0024】
アーマチュア11は、リング状をなしている。このアーマチュア11は内輪5の端部に形成された小径軸部5aに嵌合され、その小径軸部5aの外径面を案内面として回転自在および軸方向に移動自在とされている。
【0025】
ロータ12は、外筒部12aおよび内筒部12bを有し、外筒部12aの外周には雄ねじ14が形成されている。ロータ12は外輪3の一端部内周に形成された雌ねじ15に対する雄ねじ14のねじ込みによって外輪3に固定され、上記雌ねじ15にねじ係合されたロックナット16の締付けによって弛み止めされている。ロータ12とアーマチュア11との間には微小な軸方向ギャップ17が形成され、そのギャップ量Gはロータ12のねじ込み量を加減することによって調整し得るようになっている。ロータ12とアーマチュア11との間には、アーマチュア11をロータ12から離反する方向に付勢する離反ばね18が組込まれている。
【0026】
電磁石13は、ロータ12の外筒部12aと内筒部12b間に組込まれている。この電磁石13は、電磁コイル13aと、その電磁コイル13aを支持し、ハウジング1によって支持されたコア13bとから成り、上記電磁コイル13aに対する通電により、コア13b、ロータ12およびアーマチュア11に磁束が流れてロータ12にアーマチュア11が吸着される。その吸着により外輪3にアーマチュア11が結合されて外輪3と共にアーマチュア11が回転する。
【0027】
上記の構成から成る電磁クラッチ部10Aにおいて、アーマチュア11は、移動量規制手段20によってロータ12から離反する方向の移動量(後退量)が制限されている。
【0028】
図4に示すように、移動量規制手段20は、内輪5の小径軸部5aの外径面に係合溝21を形成し、その係合溝21に止め輪22を取付け、その止め輪22に対する当接によってアーマチュア11の後退量を制限するようにしている。
【0029】
ここで、アーマチュア11が止め輪22に当接する状態でそのアーマチュア11とロータ12間に形成される軸方向のギャップ量Gが必要以上に大きくなると、電磁石13の電磁コイル13aに対する通電時にアーマチュア11を吸着することができなくなったり、あるいはそのアーマチュア11の吸着に大きな吸着力を必要とするため、上記ギャップ量Gは0.1〜1.0mm程度が好ましい。
【0030】
図1乃至図3に示すように、軸力負荷部10Bは、アーマチュア11と湿式多板クラッチ7との間にプレッシャプレート31を設け、そのプレッシャプレート31を内輪5に回り止めし、かつ軸方向に移動可能に支持し、上記プレッシャプレート31とアーマチュア11の対向面間に複数のボールカム32を設けている。ここで、ボールカム32は、プレッシャプレート31とアーマチュア11の対向面それぞれに中央から周方向両端に至るに従って溝深さが次第に浅くなるカム溝32a、32bを設け、そのカム溝32a、32b間にボール34を組込んだ構成から成り、上記プレッシャプレート31に対するアーマチュア11の相対回転により、プレッシャプレート31を湿式多板クラッチ7に向けて移動させて湿式多板クラッチ7を軸方向に押すようにしている。
【0031】
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造から成り、外輪3には入力軸を接続し、内輪5には出力軸を接続する。その入力軸および出力軸の接続のため、外輪3および内輪5の内周にスプライン歯40、41が設けられている。
【0032】
図1は、電磁石13の電磁コイル13aに対して通電を遮断した状態を示し、湿式多板クラッチ7は結合解除状態とされている。このため、外輪3が回転しても、その回転は内輪5に伝達されず、外輪3のみがフリー回転する。
【0033】
外輪3の回転状態において、電磁石13の電磁コイル13aに通電すると、コア13b、ロータ12およびアーマチュア11に磁束が流れてロータ12とアーマチュア11間に磁気吸引力が作用し、その磁気吸引力によりアーマチュア11がロータ12に吸着され、外輪3とアーマチュア11とが結合されて外輪3と共にアーマチュア11が回転する。
【0034】
また、アーマチュア11はプレッシャプレート31に対して相対回転し、その相対回転によって、図3(II)に示すように、アーマチュア11に形成されたカム溝32bとプレッシャプレート31に形成されたカム溝32aが周方向に位相がずれるため、ボール34は、各カム溝32a、32bの溝底面との接触により、アーマチュア11のカム溝32bの端部に向けて転がり移動すると共に、プレッシャプレート31のカム溝32aの端部が上記ボール34と接触することになる。
【0035】
このため、プレッシャプレート31は湿式多板クラッチ7側に移動して、その湿式多板クラッチ7を軸方向に押圧する。その押圧によって入力側クラッチプレート8と出力側クラッチプレート9が互に密着し、外輪3の回転は湿式多板クラッチ7を介して内輪5に伝達され、内輪5が外輪3と同方向に回転する。
【0036】
ここで、プレッシャプレート31が湿式多板クラッチ7を軸方向に押圧するとき、その反力によってアーマチュア11がロータ12に押し付けられる。このため、一旦電磁クラッチ部10Aの締結が行なわれれば、その後の電磁コイル13aに流す電流を小さくしても、アーマチュア11は吸着状態に保持され、電流消費量の低減化を図ることができる。
【0037】
外輪3から内輪5への回転トルクの伝達状態において、電磁コイル13aに対する通電を解除すると、アーマチュア11は吸着を解除される。その吸着解除時、離反ばね18がアーマチュア11をプレッシャプレート31に向けて押圧すると共に、プレッシャプレート31は湿式多板クラッチ7から押圧されるため、カム溝32a、32bがボール34を押圧する作用により、アーマチュア11とプレッシャプレート31が相対回転して、図3(I)に示すように、ボール34はカム溝32a、32bの中央に配置される中立位置に戻される。
【0038】
このため、湿式多板クラッチ7への軸力の負荷は解除されると共に、湿式多板クラッチ7は締結解除状態となり、外輪3から内輪5への回転トルクの伝達が遮断される。
【0039】
ここで、アーマチュア11が離反ばね18によって押圧されると、そのアーマチュア11は、ロータ12から離反する方向に移動し、図4に示すように、止め輪22に当接すると停止する。
【0040】
このため、湿式多板クラッチ7の入力側クラッチプレート8と出力側クラッチプレート9間に、相対的な回転を自由とするクリアランスが形成され、そのクリアランスがクラッチプレート8、9の摩耗によって増大しても、アーマチュア11は止め輪22に当接する停止位置に保持されてそれ以上後退することはない。
【0041】
このため、ロータ12とアーマチュア11間の軸方向のギャップ量Gは初期設定された状態から変化することはなく、電磁石13の電磁コイル13aに対する通電によって、アーマチュア11はロータ12に確実に吸着される。
【0042】
また、止め輪22によってアーマチュア11の後退量を制限することにり、アーマチュア11とロータ12間の軸方向のギャップ量Gの初期設定に際し、湿式多板クラッチ7のクラッチプレート8、9間に形成されるクリアランスや、そのクラッチプレート8、9、プレッシャプレート31、ボール34等の各種部品の寸法およびその寸法バラツキを考慮する必要がなく、シム調整やマッチング等による調整を不要とすることができる。
【0043】
図4に示す例では、内輪5の小径軸部5aの外周に止め輪22を取付け、その止め輪22によってアーマチュア11の後退動を制限するようにしたが、図5に示すように、外輪3の内径面に止め輪23を取付けてアーマチュア11の後退動を制限するようにしてもよい。
【0044】
また、アーマチュア11の後退動を制限する移動量規制手段20は止め輪22、23に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、内輪5の小径軸部5aの付根に形成された肩部24によってアーマチュア11の後退動を制限するようにしてもよく、あるいは、外輪3の内径面に形成された肩部25によってアーマチュア11の後退動を制限するようにしてもよい。
【0045】
図7では、内輪5の端部に形成された小径軸部5aでアーマチュア11の軸方向の移動を案内するようにしているが、上記小径軸部5aを省略し、外輪3の内径面でアーマチュア11の軸方向の移動を案内するようにしてもよい。
【0046】
図4乃至図7に示すように、止め輪22、23あるいは肩部24、25によってアーマチュア11の後退動を制限することにより、アーマチュア11とロータ12間の軸方向のギャップ量Gを一定値に保持することができるので、ロータ12を軸方向に位置調整するねじ機構やロータ12を調整位置で固定するロックナット16を省略し、図8に示すように、外輪3の開口端内に止め輪26を取付け、その止め輪26によって軸力負荷部10Bで発生する軸力の反力を受けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】(I)は軸力負荷部のボールカムを示す断面図、(II)はボールカムの作動状態を示す断面図
【図4】移動量規制手段を示す断面図
【図5】移動量規制手段の他の例を示す断面図
【図6】移動量規制手段の他の例を示す断面図
【図7】移動量規制手段のさらに他の例を示す断面図
【図8】ロータ抜け止め手段の他の例を示す断面図
【符号の説明】
【0048】
3 外輪(入力部材)
5 内輪(出力部材)
5a 小径軸部
7 湿式多板クラッチ
10 クラッチ制御装置
10A 電磁クラッチ部
10B 軸力負荷部
11 アーマチュア
12 ロータ
13 電磁石
20 移動量規制手段
22 止め輪
23 止め輪
24 肩部
25 肩部
31 プレッシャプレート
32a、32b カム溝
34 ボール




 

 


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