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発明の名称 回転センサ付き軸受
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24082(P2007−24082A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203374(P2005−203374)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 高田 声一
要約 課題
軸受に回転センサを組み合わせた回転センサ付き軸受は、玉軸受のように内・外輪を有する軸受の場合はその内・外輪を利用して回転センサを組み合わせることができるが、滑り軸受のように軌道輪を持たない軸受の場合は、同様の組み合わせ構造をとることができない。そこで、軌道輪を有しない軸受においても回転センサを組み合わせることができ、また廃棄時の分解も容易にできるようにすることである。

解決手段
軸受1を有する軸受ハウジング2が軸方向の面Aで2分割された分割体の組み合わせからなり、エンコーダホルダー4は軸10に対する着脱自在の取り付け手段を有し、センサハウジング6が前記軸受ハウジング2の外周に着脱自在に取り付けられた構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸受(1)を内径面に設けた軸受ハウジング(2)、センサ(5)を取り付けたセンサハウジング(6)及びエンコーダ(3)を取り付けたエンコーダホルダー(4)の組み合わせからなり、前記エンコーダホルダー(4)のエンコーダ(3)を前記軸受ハウジング(2)内に前記軸受(1)と同軸状態に組み付け、前記センサハウジング(6)を前記軸受ハウジング(2)に取り付けるとともに、そのセンサ(5)を前記エンコーダ(3)に接近配置してなる回転センサ付き軸受において、
前記軸受ハウジング(2)は軸方向の面(A)で2分割された軸受ハウジング分割体(2a)(2b)の組み合わせからなり、前記センサハウジング(6)は前記軸受ハウジング(2)の外周に着脱自在に取り付けられ、前記エンコーダホルダー(4)は軸(10)に対する着脱自在の取り付け手段を有することを特徴とする回転センサ付き軸受。
【請求項2】
前記軸受(1)が前記軸受ハウジングの内径面に形成された滑り軸受であることを特徴とする請求項1に記載の回転センサ付き軸受。
【請求項3】
前記軸受(1)が前記軸受ハウジングの内径面に嵌合された含油滑り軸受(1a)又は針状ころ軸受(1b)であることを特徴とする請求項1に記載の回転センサ付き軸受。
【請求項4】
前記軸受ハウジング分割体(2a)(2b)相互が、その一方に設けられた結合アーム(18)(19)を他方に設けられた係合凹部(24)に係合させて着脱可能に結合されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転センサ付き軸受。
【請求項5】
前記エンコーダホルダー(4)は、外径面中央部に抜け止めつば(32)が形成された円筒体より成り、その抜け止めつば(32)の軸方向内端側の円筒部分に前記エンコーダ(3)が嵌合され、軸方向外端側の円筒部分に前記軸(10)に係合される一対の弾性ストッパアーム(34)が設けられ、前記抜け止めつば(32)が嵌合する周方向の抜け止め溝(16)が前記軸受ハウジング(2)の内径面に形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回転センサ付き軸受。
【請求項6】
前記軸受ハウジング分割体(2a)(2b)が負荷圏側と非負荷圏側に分けて配置され、前記センサハウジング(6)が前記非負荷圏側の軸受ハウジング分割体(2a)に取り付けられたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転センサ付き軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンター等の事務機器に使用される回転センサ付き軸受に関し、特に滑り軸受のように軌道輪を持たない軸受とセンサとの組み合わせからなる回転センサ付き軸受に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている回転センサ付き軸受は、内・外輪からなる一対の軌道輪の間に転動体を介在した転がり軸受に回転センサを組み合わせたものが一般的である。その転がり軸受に回転センサを組み合わせる構成としては、固定側軌道輪にセンサハウジングを取り付けるとともに、回転側軌道輪にエンコーダを取り付け、前記センサハウジングに装着したセンサを前記エンコーダに接近配置した構成が取られる(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−144270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
事務機器等における軸受は、一般に軽荷重で使用される場合が多いため、樹脂材や焼結材を用いた滑り軸受が多く使用される。しかし、滑り軸受は転がり軸受の内・外輪のような軌道輪を持たないため、センサハウジングやエンコーダを取り付ける手段がない。
【0004】
一方、滑り軸受は、内・外輪を持った転がり軸受に比べ寿命が短いためメンテナンス時に交換する頻度が高い特質がある。このため、単に滑り軸受と回転センサ部分を結合一体化しただけの構造では、回転センサ部分の寿命の方が軸受部の寿命より相当長いので、メンテナンスによる軸受の交換時に未だ寿命に達していない回転センサ部分も交換せざるを得ないこととなり、部品価格が高くなる要因となっていた。
【0005】
また、廃棄時は軸受部分と回転センサ部分が強固に一体化されていると分別廃棄が困難となり、環境上の問題ともなり得るものであった。
【0006】
そこで、この発明は、滑り軸受や針状ころ軸受のように、内・外輪からなる軌道輪を持たない軸受において、回転センサをこれらの軸受に組み合わせることができるようにし、また廃棄時は各部品に細かく分解して分別廃棄できるようにした回転センサ付き軸受を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、この発明においては、軸受を内径面に設けた軸受ハウジング、センサを取り付けたセンサハウジング及びエンコーダを取り付けたエンコーダホルダーの組み合わせからなり、前記エンコーダホルダーのエンコーダを前記軸受ハウジング内に前記軸受と同軸状態に組み付け、前記センサハウジングを前記軸受ハウジングに取り付けるとともに、そのセンサを前記エンコーダに接近配置してなる回転センサ付き軸受において、前記軸受ハウジングは軸方向の面で2分割された軸受ハウジング分割体の組み合わせからなり、前記センサハウジングは前記軸受ハウジングの外周に着脱自在に取り付けられ、前記エンコーダホルダーは軸に対する着脱自在の取り付け手段を有する構成を採用した。
【0008】
前記の回転センサ付き軸受は、軸受を有する軸受ハウジングにセンサハウジングが組み付けられ、またエンコーダホルダーが軸に取り付けられているので、軌道輪のない軸受にも回転センサを組み合わせることができる。また、廃棄時はこれらの部品に分解・分別することができる。
【0009】
前記の軸受ハウジングに設けられる軸受としては、その軸受ハウジングの内径面に直接形成された滑り軸受、該軸受ハウジングとは別体の含油滑り軸受、針状ころ軸受等がある。
【0010】
また、前記軸受ハウジング分割体相互が、その一方に設けられた結合アームを他方に設けられた係合凹部に係合させて着脱可能に結合された構成をとることができる。このような内外の軌道輪を持たない軸受に対しても回転センサを組み合わせることができ、しかも前記のように分解・分別が可能である。
【0011】
また、前記エンコーダホルダーは、外径面中央部に抜け止めつばが形成された円筒体より成り、その抜け止めつばの軸方向内端側の円筒部分に前記エンコーダが嵌合され、軸方向外端側の円筒部分に前記軸に係合される一対の弾性ストッパアームが設けられ、前記抜け止めつばが嵌合する周方向の抜け止め溝が前記軸受ハウジングの内径面に形成された構成をとることができる。一対の弾性ストッパアームを軸に係合させることにより、エンコーダホルダーを軸に取り付けることができる。
【0012】
さらに、前記軸受ハウジング分割体が負荷圏側と非負荷圏側に分けて配置され、前記センサハウジングが前記非負荷圏側の軸受ハウジング分割体に取り付けられた構成をとることもできる。この構成によれば軸受寿命が早く来る負荷圏側の軸受ハウジング分割体のみを交換することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明においては、軸受ハウジングにセンサハウジングを組み付け、エンコーダホルダーを軸に取り付けるようにしているので、軌道輪のない滑り軸受等についても回転センサ付き軸受を実現することができ、しかも従来の転がり軸受を用いた回転センサ付き軸受よりも低コストで提供することができる。
【0014】
また、軸受ハウジングにセンサハウジングが一体化されると共に、エンコーダホルダーの抜け止めつばを前記軸受ハウジングの抜け止め溝に嵌合させることによりこれらの部品が一体化される。このため、搬送に便利であり、機器への組み付け作業も容易にできる。さらに、メンテナンス時において必要な部品のみの交換が可能であり、廃棄時は各部品に分解することができ分別廃棄が可能となる。
【0015】
なお、軸受ハウジング分割体を負荷圏側と非負荷圏側に分け、センサハウジングが非負荷圏側の軸受ハウジング分割体に取り付けられた構成を採用すると、相対的に早く寿命に達する負荷圏側の軸受ハウジング分割体のみを交換するだけで、他の部品は引き続き使用することができるので、メンテナンスコストを下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
〔実施形態1〕
図1から図7に示した実施形態1の回転センサ付き軸受は、滑り軸受1が内径面に形成された軸受ハウジング2、エンコーダ3を取り付けたエンコーダホルダー4、センサ5を取り付けたセンサハウジング6の組み合わせからなる。
【0017】
軸受ハウジング2は、その一端部から軸方向に軸受部7、センサ取り付け部8、及びエンコーダ取り付け部9が順に設けられる。軸受部7の内径面は軸10に摺接しており、その摺接面によって滑り軸受1が形成される。軸受ハウジング2は滑り軸受1を形成するに適した合成樹脂材等が用いられる。
【0018】
前記軸受部7とセンサ取り付け部8の境界部分の外径面に位置決めつば11が設けられ、取り付け対象のフレーム12の取り付け穴に前記軸受部7を差し込み、位置決めつば11をフレーム12に押当てるようにしている。また、軸受部7の外径面に周方向の位置決めを行うために位置決め突起13が設けられ、前記取り付け穴の内径部に設けた凹部に嵌合させ、回り止めを図るようにしている。
【0019】
前記のセンサ取り付け部8の外径面にその全周近くにわたりセンサハウジング嵌合溝14(図2、図3参照)が形成される。そのセンサハウジング嵌合溝14の一部にセンサ挿入穴15が設けられる。また、センサ取り付け部8の内径面20は、前記の滑り軸受1の内径より大きく形成され、その内径面20に前記のセンサ挿入穴15の内端が開放される。また、その内径面20と軸10との間に所定の間隔があり、その間隔に前記エンコーダホルダー4に保持されたエンコーダ3が介在される。
【0020】
前記のエンコーダ取り付け部9の内径面に全周に渡り抜け止め溝16が形成され、その抜け止め溝16と軸受ハウジング2の端面との間にエンコーダホルダー4の挿通穴17が設けられる。
【0021】
前記の軸受ハウジング2は、軸方向の面A(図1参照)で2分割した軸受ハウジング分割体2a、2bの組み合わせによって構成される。両方の分割体2a、2bを結合するために、一方の分割体2aの軸受部7の両端部に他方の分割体2bに対して延び出した一対の結合アーム18、18が設けられ、また同様の結合アーム19、19がエンコーダ取り付け部9にも設けられる。これらの各結合アーム18、19は相互に内側に湾曲した形状をなし、その先端に内向きの係合爪21、22が設けられる。
【0022】
上記の各結合アーム18、18を受け入れる嵌合溝23、23が他方の分割体2bの軸受部7の外径面に形成される。また、嵌合溝23、23の終端に係合凹部24、24が設けられ(図3参照)、前記の係合爪21、21が各係合凹部24、24に係合される。また、結合アーム19、19も同様に分割体2bの嵌合溝25、25に係合され、その係合爪22、22が前記と同様の係合凹部(図示省略)に係合される。
【0023】
前記の各結合アーム18、19は所要の弾性を有し、その弾性変形によって分割体2a、2bの結合と分解が可能となっている。
【0024】
なお、前記のセンサ挿入穴15は、分割体2aに設けられ、センサハウジング嵌合溝14はセンサ挿入穴15の周方向両側に同じ長さだけ形成され、分割体2bの終端部分に係合凹部26が設けられる(図4参照)。
【0025】
前記のセンサハウジング6は、図2に示したように、前記のセンサ5を下端にインサート成形した角軸部28の軸方向に向かって両側に一対の円弧状の結合アーム29、29を設けたものであり、各結合アーム29、29の先端に内向きの係合爪31、31が設けられる。
【0026】
前記のセンサハウジング6は、その角軸部28がセンサ挿入穴15に挿入され、センサ5がセンサ挿入穴15の下端に臨む。また、一対の結合アーム29、29がセンサハウジング嵌合溝14に嵌合され、さらに係合爪31、31が係合凹部26、26に係合される(図4(a)参照)。前記の結合アーム29、29は所要の弾性を有し、その弾性変形によってセンサ5とともにセンサハウジング6が軸受ハウジング2に対して結合と分解が可能に取り付けられる。
【0027】
なお、前記センサ5は図4(b)に示したように、回転方向に間隔をおいた2個のセンサ5を所要の角度θをもって同時成形により角軸部28の底面部分に埋め込み、回転方向のセンシングが行えるようにすることができる。
【0028】
前記のエンコーダホルダー4は軸10に嵌合する大きさの内径を有し、その軸方向の中間部分に抜け止めつば32が設けられる。その抜け止めつば32より内端側に支持部33が設けられ、その支持部33に円筒形のエンコーダ3が強固に嵌合される。エンコーダ3は磁気式のものであり、センサ5としてはホール素子などの磁気感知素子が用いられる。前記の抜け止めつば32を抜け止め溝16に嵌合した図1の状態で、エンコーダ3は前記センサ5に対して所定の間隔をおいて径方向に対向する。また、エンコーダホルダー4の抜け止めつば32より外側の部分は挿通穴17から外部に突き出し、その突き出した部分において軸10に対し着脱自在に取り付けられる。
【0029】
エンコーダホルダー4の軸10に対する着脱自在の取り付け手段は、その外端部において対称形に一対の弾性のストッパアーム34、34が設けられ、各ストッパアーム34、34の先端に設けられた径方向内向きの係合突起35が軸10に設けた半径方向の貫通穴36(図6参照)の両端に係脱自在に係合される。
【0030】
前記のストッパアーム34、34は、エンコーダホルダー4の端部において周方向のスリットとその一端部に連続して形成された軸方向のスリットからなる半周弱のL字形スリット37によって部分的に切り離され、さらに、その切り離された部分の厚み方向中間部分にその端面から軸方向の切り込み38が前記L字形スリット37に達するように設けられる。L字形スリット37とこれに通じた前記軸方向の切り込み38とにより、外表面側に所要肉厚をもった円弧状の前記ストッパアーム34、34が中心対称の形状に形成される。各ストッパアーム34、34の自由端部に前記の係合突起35が径方向内向きに形成される。
【0031】
前記の各ストッパアーム34、34を拡径方向に弾性変形させ、その係合突起35、35の先端部を軸10の貫通穴36に係合させる。エンコーダホルダー4は前記ストッパアーム34、34の係脱により、軸10に対する着脱が自在となっている。
【0032】
実施形態1の回転センサ付き軸受は以上のような構成であり、図1及び図5に示したように、分割面Aが水平面に含まれるように軸受ケーシング分割体2a、2bが上下に配置され、上方の分割体2aが非負荷圏、下方の分割体2bが負荷圏にとなり、非負荷圏に配置された分割体2aにセンサ5を含んだセンサハウジング6が取り付けられる。
【0033】
軸10の回転によってこれと一体化されたエンコーダホルダー4及びエンコーダ3が回転する。その回転に伴う磁気的変化をセンサ5が検知し、外部にその検知信号を出力する。
【0034】
軸受1は、負荷圏側が先に寿命に達するので、その場合は結合アーム18、19から分割体2bを分離し、新品と交換する。
【0035】
また、廃棄時は軸受ハウジング分割体2a、2b、エンコーダホルダー4、エンコーダ3、センサハウジング6の各部品に分解することにより分別廃棄することができる。
〔実施形態2〕
次に、図8は実施形態2を示したものであり、この場合は軸受として含油滑り軸受1aを軸受ハウジング2の内径面に組み込んだものを示している。その他の構成は前記の実施形態1の場合と同様である。
〔実施形態3〕
図9は実施形態3を示したものであり、この場合は軸受として針状ころ軸受1bを軸受ハウジング2の内径面に組み込んだものを示している。その他の構成は前記の実施形態1の場合と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態1の断面図
【図2】同上の分解斜視図
【図3】図1のIII−III線の断面図
【図4】(a)図1のIV−IV線の断面図、(b)センサハウジングの角軸部の底面図
【図5】図1のV−V線の断面図
【図6】図1のVI−VI線の断面図
【図7】実施形態1のエンコーダホルダー固定部分の拡大断面図
【図8】実施形態2の一部省略断面図
【図9】実施形態3の一部省略断面図
【符号の説明】
【0037】
1 滑り軸受
1a 含油滑り軸受
1b 針状ころ軸受
2 軸受ハウジング
2a、2b 軸受ハウジング分割体
3 エンコーダ
4 エンコーダホルダー
5 センサ
6 センサハウジング
7 軸受部
8 センサ取り付け部
9 エンコーダ取り付け部
10 軸
11 位置決めつば
12 フレーム
13 位置決め突起
14 センサハウジング嵌合溝
15 センサ挿入穴
16 抜け止め溝
17 挿通穴
18 結合アーム
19 結合アーム
20 内径面
21 係合爪
22 係合爪
23 嵌合溝
24 係合凹部
25 嵌合溝
26 係合凹部
28 角軸部
29 結合アーム
31 係合爪
32 抜け止めつば
33 支持部
34 ストッパアーム
35 係合突起
36 貫通穴
37 L字形スリット
38 切り込み




 

 


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