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発明の名称 逆入力防止クラッチ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16987(P2007−16987A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−10776(P2006−10776)
出願日 平成18年1月19日(2006.1.19)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 糸見 正二
要約 課題
出力側部材の製作が容易で製造コストの安い逆入力防止クラッチを提供することである。

解決手段
出力側部材4を、入力軸1と同一の軸心のまわりに回転可能に保持される出力軸2と、クラッチ動作を行うためのカム面3aを有する内輪3とを別体に形成して、出力軸2に内輪3を一体回転可能に連結したものとすることにより、出力軸2および内輪3がそれぞれ加工しやすい形状となるようにして、加工方法の自由度を増やし、加工にかかる手間とコストを大幅に削減したのである。
特許請求の範囲
【請求項1】
同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側または外周側に円筒面を有する固定部材を、その円筒面が前記出力側部材の外周面または内周面と対向するように配して、前記出力側部材の所定の位置に、前記固定部材の円筒面との間に周方向で次第に狭小となる楔形空間を形成するカム面を設け、前記出力側部材と固定部材との間に前記入力側部材に連結された保持器の柱部を挿入するとともに、前記各楔形空間にそれぞれ転動体を配し、これらの各転動体間の所定の箇所に弾性部材を組み込んで各転動体を前記楔形空間の狭小部に押し込み、前記入力側部材が回転したときに、入力側部材と一体に回転する保持器の柱部が弾性部材の弾力に抗して転動体を押すことにより出力側部材へのトルク伝達が行われるようにした逆入力防止クラッチにおいて、前記出力側部材が、前記入力側部材と同一の軸心のまわりに回転可能に保持される出力軸と、前記カム面を有するカム部材とを別体に形成して、前記出力軸にカム部材を一体回転可能に連結したものであることを特徴とする逆入力防止クラッチ。
【請求項2】
前記各転動体が、前記保持器の柱部と弾性部材との間に複数個ずつ互いに当接するように配されていることを特徴とする請求項1に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項3】
前記出力軸にフランジ部を設け、このフランジ部を軸方向両側から挟み込むフランジ拘束部を前記固定部材に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項4】
前記出力側部材のカム部材を出力軸に偏心可能に連結したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の逆入力防止クラッチ。
【請求項5】
前記出力側部材の出力軸とカム部材の少なくとも一方を、焼結金属、鍛造された金属、プラスチックのいずれかで形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力防止クラッチ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力側部材の回転を出力側部材に伝達し、出力側部材の回転は入力側部材に伝達されないようにする逆入力防止クラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
逆入力防止クラッチは、トルクが入力される入力側部材の正逆両方向の回転を出力側部材に伝達する一方、逆入力トルクによる出力側部材の回転は入力側部材に伝達されないようにするためのものである。図8(a)および(b)は、このような逆入力防止機構を備えたクラッチの一例を示す(特許文献1参照。)。このクラッチは、円筒状の入力側部材51を円筒状の出力側部材52の内周に嵌め込み、入力側部材51に取り付けたピン53を、出力側部材52に設けたピン孔54に僅かな回転方向隙間をあけて挿入するとともに、固定された外輪55の内周円筒面と出力側部材52の外周面との間に、周方向両側で次第に狭小となる楔形空間56を形成して、各楔形空間56に一対の転動体57を弾性部材58を挟んだ状態で組み込み、入力側部材51にピン53を介して連結された保持器59の柱部59aを、各楔形空間56の周方向両側に位置するように挿入したものである。なお、入力側部材51および出力側部材52は、それぞれの内周面で、図示省略した駆動軸および従動軸とセレーション結合するようになっている。
【0003】
すなわち、このクラッチは、各転動体57を弾性部材58の弾力で楔形空間56の狭小部に押し込むことにより、出力側部材52に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側の転動体57を外輪55内周面および出力側部材52外周面と係合させて出力側部材52をロックし、出力側部材52の回転が入力側部材51に伝達されないようにしている。
【0004】
一方、入力側部材51に入力トルクが加えられたときには、入力側部材51と一体に回転する保持器59の柱部59aが、回転方向後側の転動体57を弾性部材58の弾力に抗して押すことにより、回転方向後側の転動体57と外輪55内周面および出力側部材52外周面との係合が解除され、入力側部材51の回転が僅かな角度遅れをもって出力側部材52に伝達される。
【0005】
ところで、上記逆入力防止クラッチでは、出力側部材52の軸方向中央部に形成された大径部60の外周に、外輪55の内周円筒面との間に楔形空間56を形成するカム面60aが設けられている。このため、出力側部材52の構造が複雑になって加工方法が限られてしまい、その加工にかかる手間とコストが大きいことがクラッチ全体の製造コストを押し上げる一因となっている。
【特許文献1】特開平2−271116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、出力側部材の製作が容易で製造コストの安い逆入力防止クラッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、出力側部材を、入力側部材と同一の軸心のまわりに回転可能に保持される出力軸と、固定部材の円筒面との間に楔形空間を形成するカム面を有するカム部材とを一体回転可能に連結したものとしたのである。このように出力側部材を出力軸とカム部材とに分割することにより、それぞれが加工しやすい形状になり、加工方法の自由度が増えて加工にかかる手間とコストを大幅に削減できるようになる。
【0008】
上記の構成において、前記各転動体を、前記保持器の柱部と弾性部材との間に複数個ずつ互いに当接するように配すれば、逆入力トルクの許容量を変えずにクラッチ全体をコンパクト化することができ、製造コストをさらに削減することができる。
【0009】
また、前記出力軸にフランジ部を設け、このフランジ部を軸方向両側から挟み込むフランジ拘束部を前記固定部材に設けることにより、出力軸にラジアル荷重や軸方向荷重が作用しても、出力軸およびそれに連結されたカム部材が固定部材に対して大きく傾いたり、軸方向に大きく移動したりすることがなくなり、クラッチ動作の安定化が図れる。
【0010】
さらに、前記出力側部材のカム部材を出力軸に偏心可能に連結すれば、組立時にカム部材と固定部材の円筒面の軸心がずれていても、使用時には弾性部材が転動体を楔形空間の狭小部に押し込むことによってカム部材を固定部材円筒面と同心の位置へ移動させるので、カム部材が固定部材に対する振れ回りを生じることはなく、安定したクラッチ動作が得られる。
【0011】
前記出力側部材の出力軸とカム部材の少なくとも一方は、焼結金属、鍛造された金属、プラスチックのいずれかで形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述したように、逆入力防止クラッチの出力側部材を、出力軸とカム部材とを一体回転可能に連結したものとしたので、それぞれの部品が加工しやすい形状になり、加工方法の自由度が増えて、加工にかかる手間とコストを大幅に削減することができる。これにより、クラッチ全体の製造コストの削減が図れるとともに、このクラッチの大量生産が安定して行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1乃至図7に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は第1の実施形態を示す。この逆入力防止クラッチは、図1および図2に示すように、入力軸(入力側部材)1と、出力軸2および外周に複数のカム面3aを有する内輪(カム部材)3からなる出力側部材4と、ハウジング5、外輪6および押え蓋7からなる固定部材8と、内輪3と外輪6との間に挿入される2本の柱部9aを有する保持器9と、保持器9の両柱部9a間に組み込まれる円筒ころ(転動体)10およびばね(弾性部材)11とで構成されている。ここで、出力側部材4を構成する出力軸2および内輪3は、それぞれ焼結金属、鍛造された金属、プラスチックのいずれかで形成することが好ましい。
【0014】
前記入力軸1は、先端部の外周に互いに平行な2つの平面部1aが形成され、この先端部が保持器9の円板部9bに通されて内輪3の軸挿入孔3bに挿入されるとともに、先端面中央に突設された小径円筒部1bが出力軸2の端面中央に設けられた穴2aに嵌め込まれて、出力軸2と同一軸心のまわりに回転するようになっている。
【0015】
前記出力側部材4は、出力軸2の先端側にフランジ部2bを設け、このフランジ部2bの内周側の4箇所に形成した凸部2cをそれぞれ内輪3の一端面に形成した凹部3cに嵌め込むことにより、出力軸2と内輪3とを一体回転可能に連結している。なお、出力軸と内輪との連結構造は、この実施形態のように両者の凸部と凹部を嵌め合わせるものに限らず、両者が一体回転可能に連結される構造であればどのようなものを採用してもよい。
【0016】
前記固定部材8は、ハウジング5の円筒部5aの内周に外輪6と押え蓋7を順に嵌め込んだもので、ハウジング5の円筒部5a内周面には軸方向に延びる4本の突状5bと環状溝5cとが形成されており、その突状5bに外輪6外周面に形成した軸方向溝6aを嵌め合わせることにより外輪6の回転を拘束するとともに、環状溝5cに押え蓋7の外周に形成した環状突起7aを嵌め込んで外輪6を抜け止めしている。また、外輪6の挿入側端部およびこれと対向するハウジング円筒部5a内周の段差部5dは、出力軸2のフランジ部2bを軸方向両側から僅かな隙間をもって挟み込むフランジ拘束部を形成しており、出力軸2にラジアル荷重や軸方向荷重が作用しても、出力軸2およびそれに連結された内輪3が固定部材8に対して大きく傾いたり、軸方向に大きく移動したりしないようになっている。
【0017】
前記保持器9は、入力軸1の先端部を通す円板部9bの周縁の相対する位置に柱部9aを設けたもので、円板部9bの中心に形成された孔9cが入力軸1先端部に隙間なく嵌まり込んで、入力軸1と一体に回転するようになっている。
【0018】
一方、内輪3の軸挿入孔3bは、入力軸1先端部とほぼ同じ断面形状であるが、図3に示すように、入力軸1を挿入したときに僅かな隙間が生じるように形成され、入力軸1の回転が僅かな角度遅れをもって内輪3に連結された出力軸2に伝達されるようになっている。なお、内輪と入力軸先端部との嵌め合い形状は、この実施形態の形状に限らず、僅かな角度遅れをもって回転を伝達できるようになっておればよい。従って、例えば、回転方向のガタを大きく取ったセレーション等の嵌め合い形状を採用することもできる。
【0019】
また、図3に示すように、内輪3の各カム面3aは、周方向に傾斜した形状で、外輪6内周の円筒面との間に周方向で次第に狭小となる楔形空間12を形成している。各楔形空間12は、カム面3aの傾斜方向が同じもの、すなわち狭小となる方向が同じものが周方向に3つ連続して形成されており、それぞれに前記円筒ころ10が配されている。また、楔形空間12の広幅部どうしが向かい合う箇所に形成されたころ10間の空間には前記ばね11が組み込まれ、これらの各ばね11がその両側でころ10を3個ずつ互いに当接させて楔形空間12の狭小部に押し込んでいる。一方、楔形空間12の狭小部どうしが向かい合う箇所に形成されたころ10間の空間には、前記保持器9の柱部9aが、両側のころ10と僅かな隙間をもって挿入されている。
【0020】
従って、出力軸2に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側のころ10がばね11によって楔形空間12の狭小部に押し込まれて、外輪6内周面および内輪3外周面と係合しているので、内輪3がロックされ、出力軸2の回転は入力軸1に伝達されない。
【0021】
一方、入力軸1に入力トルクが加えられたときには、入力軸1と一体に回転する保持器9の柱部9aが、回転方向後側のころ10をばね11の弾力に抗して楔形空間12の広幅側へ押すので、そのころ10と外輪6内周面および内輪3外周面との係合が解除される。そして、入力軸1がさらに回転して、その平面部1aが内輪3の軸挿入孔3bの平面部と係合すると、入力軸1の回転が内輪3を介して出力軸2に伝達される。
【0022】
なお、この実施形態では、内輪3の各カム面3aが、図3に示したように凸形の曲面で形成されており、ころ10にスキューが生じた場合でも、ころ10はカム面3aと線接触し、その端部でカム面3aに食い込むことがないので、ころ10の係合解除は常にスムーズに行われる。
【0023】
このクラッチは、上記の構成であり、出力側部材4を出力軸2と内輪3とに分割して形成するようにしたので、それぞれが加工しやすい形状となっており、一体形成のものに比べて、加工方法の自由度が大きく、加工にかかる手間およびコストが大幅に削減できる。
【0024】
図4および図5は出力軸2と内輪3との連結構造の変形例を示す。この変形例では、出力軸フランジ部2bの内径を内輪3の外径よりも大きくするとともに、出力軸フランジ部2b内周側の凸部2cの幅を内輪3一端面の凹部3cの幅よりも狭くすることにより、内輪3が出力軸2との隙間分だけ径方向に自由に移動できるようにして、内輪3を出力軸2に偏心可能に連結している。
【0025】
従って、組立時に内輪3と外輪6の軸心が多少ずれていても、使用時にはばね11がころ10を楔形空間12の狭小部に押し込むことによって内輪3を外輪6と同心の位置へ移動させるので、内輪3が外輪6に対する振れ回りを生じることはない。そして、内輪3の振れ回りを防止することにより、各ころ10を設計通りの位置に保持して、保持器9が各ころ10のロック(外輪6内周面および内輪3外周面との係合)を解除するタイミングを確実に一致させることができる。その結果、ロック解除に必要なトルクが安定するので、ロック解除時にころ10に過大な荷重が加わってカム面3aが損傷する心配もなくなり、内輪3の寿命延長が図れる。
【0026】
図6および図7は第2の実施形態を示す。この実施形態では、固定部材13の外輪14とハウジング15とが一体に形成され、外輪14の一端のフランジ部に押え蓋16が取付けられている。一方、出力側部材17の出力軸18と内輪19とは、別体に形成されており、出力軸18のフランジ部18aが内輪19の薄肉部19a内周側に挿入され、両者の凹部18bと凸部19bが嵌め合わされて、一体回転可能に連結されている。しかも、出力軸フランジ部18aの外径を内輪薄肉部19aの内径よりも小さくし、出力軸18の凹部18bの幅を内輪19の凸部19bの幅よりも広く形成することにより、内輪19を出力軸18に対して偏心可能としている。また、内輪19のカム面19cは傾斜方向の異なるものが周方向に交互に形成され、ころ20が1個ずつ保持器21の柱部21aとばね(図示省略)との間に配されるようになっているが、その他の構成、および入力軸22から出力軸18への回転を伝達し、出力軸18からの逆入力を防止する機構は、第1の実施形態と同じである。
【0027】
従って、この実施形態のクラッチも、第1の実施形態と同様に、出力軸18および内輪19の加工がしやすく、安価に製造できる。また、出力軸18と内輪19とが偏心可能に連結されているので、内輪19の振れ回りが生じにくく、長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態のクラッチの分解斜視図
【図2】図1のクラッチの縦断正面図
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図
【図4】出力軸と内輪との連結構造の変形例の縦断正面図
【図5】図4のV−V線に沿った断面図
【図6】第2実施形態のクラッチの縦断正面図
【図7】図6のクラッチの出力側部材の分解斜視図
【図8】aは従来のクラッチの縦断正面図、bはaのVIII−VIII線に沿った断面図
【符号の説明】
【0029】
1 入力軸
1a 平面部
2 出力軸
2b フランジ部
2c 凸部
3 内輪(カム部材)
3a カム面
3b 軸挿入孔
3c 凹部
4 出力側部材
5 ハウジング
6 外輪
7 押え蓋
8 固定部材
9 保持器
9a 柱部
10 ころ(転動体)
11 ばね(弾性部材)
12 楔形空間
13 固定部材
14 外輪
15 ハウジング
16 押え蓋
17 出力側部材
18 出力軸
18a フランジ部
18b 凹部
19 内輪(カム部材)
19a 薄肉部
19b 凸部
19c カム面
20 ころ(転動体)
21 保持器
21a 柱部
22 入力軸




 

 


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