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発明の名称 トルクリミッタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16844(P2007−16844A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197509(P2005−197509)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 本多 正明
要約 課題
段付きコイルばねを用いたばね式トルクリミッタにおいて、段付きコイルばねを複数用いることによって高トルク化を図る一方、発生トルク値の調整が可能であるようにしたトルクリミッタを提供することである。

解決手段
外環部材1、その外環部材1の内部に同芯状態に嵌合支持された内輪2、内輪2の外径面の軸方向に配置された2個の段付きコイルばね3a、3b及び前記外環部材1の両端部において強制回転可能に嵌合された蓋部材4a、4bとからなり、前記各コイルばね3a、3bの小径部12が前記内輪2の外径面に所要の弾性で緊縛され、各コイルばね3a、3bの大径部13側のフック15が各蓋部材4a、4bに、小径部12側のフック14が外環部材1の内径面に設けた環状部8にそれぞれ係合され、前記各コイルばね3a、3bの巻き方向が前記内輪2の外環部材1に対する相対的な一定方向の回転に伴いそれぞれの小径部12において同時に拡径作用が生じる方向に定められた構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
外環部材、その外環部材の内部に同芯状態に嵌合支持された内輪、その外環部材と内輪との間において該内輪外径面に装着されたコイルばね、及び前記外環部材の両端部において強制回転可能に嵌合され前記内輪を支持する蓋部材とからなり、前記コイルばねは大径部と小径部を有し、該小径部が前記内輪外径面に所要の弾性で緊縛され、該コイルばねの一端のフックが前記蓋部材に、他端のフックが前記外環部材にそれぞれ係合されたトルクリミッタにおいて、前記コイルばねが前記内輪の外径面に軸方向に配置された2個のコイルばねからなり、各コイルばねの軸方向内端側のフックがそれぞれ前記外環部材に係合され、軸方向外端側のフックがそれぞれ前記蓋部材に係合され、前記各コイルばねの巻き方向が前記内輪の外環部材に対する相対的な一定方向の回転に伴いそれぞれの小径部において同時に拡径作用が生じる方向に定められたことを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項2】
前記2個のコイルばねの大径部が軸方向外側、小径部が軸方向内側になる向きに配置され、かつ両方のコイルばねの巻き方向が反対であることを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ。
【請求項3】
前記2個のコイルばねの小径部と大径部の軸方向の向きが同一となる向きに配置され、かつ両方のコイルばねの巻き方向が同一であることを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ。
【請求項4】
前記各コイルばねの内端側のフックが、前記外環部材の内径面に環状に形成されたラジアル軸受部にそれぞれ係合されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトルクリミッタ。
【請求項5】
外環部材、その外環部材の内部に同芯状態に嵌合支持された内輪、その外環部材と内輪との間において該内輪外径面に装着されたコイルばね、及び前記外環部材の両端部において強制回転可能に嵌合され前記内輪を支持する蓋部材とからなり、前記コイルばねは大径部と小径部を有し、該小径部が前記内輪外径面に所要の弾性で緊縛され、該コイルばねの両端部のフックが直接的に、又は少なくとも一方の端部が前記蓋部材を介して間接的に前記外環部材に係合されたトルクリミッタにおいて、前記外環部材が軸方向に複数に分割された分割体の組み合わせからなり、前記コイルばねが前記内輪の外径面に軸方向に配置された3個以上のコイルばねからなり、そのうち両端部に配置される2個のコイルばねはそれぞれその軸方向外端側のフックが前記各蓋部材に係合され、これら2個のコイルばねの内端側のフック及びこれらのコイルばねの中間に配置された他のコイルばねの両端のフックがいずれも前記外環部材に係合され、前記各コイルばねの巻き方向が前記内輪の外環部材に対する相対回転に伴いそれぞれの小径部において同時に拡径作用が生じる方向に定められたことを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項6】
前記の両端部に配置される2個のコイルばねの大径部が軸方向外側、小径部が軸方向内側になる向きに配置され、かつ両方のコイルばねの巻き方向が反対であることを特徴とする請求項5に記載のトルクリミッタ。
【請求項7】
前記3個以上のコイルばねの小径部と大径部の軸方向の向きがすべて同一となる向きに配置され、かつ各コイルばねの巻き方向がすべて同一であることを特徴とする請求項5に記載のトルクリミッタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機やプリンタ等におけるトルク伝達部に用いられるコイルばね式のトルクリミッタに関し、特に高トルクの発生を可能としたものである。
【背景技術】
【0002】
コイルばね式トルクリミッタとして、従来から広く用いられているものを図8(a)に示す。このトルクリミッタ40は、外環部材41と、その内部に挿入され一端部のボス部42において相対回転可能に支持された内輪43と、該内輪43の外径面に所要の締め代で装着された左巻のコイルばね44と、前記外環部材41の他端部においてその内径面に嵌合固定され内輪43の外径面との間を閉塞するとともに該内輪43の他端部を回転自在に支持する蓋部材45とからなる。
【0003】
前記コイルばね44は大径部44aと小径部44bを有する段付きコイルばねであり、その大径部44aがボス部42側、また小径部44bが蓋部材45側となる向きに配置される。その小径部44bを前記内輪43の外径面に所要の締め代で緊縛させている。
【0004】
前記大径部44aの端部に軸方向に屈曲したフック46が設けられ、これを前記外環部材41のボス部42に係合させている。また小径部44bの端部にも軸方向に屈曲したフック47が設けられ、これを蓋部材45に係合させている(特許文献1参照)。
【0005】
上記のトルクリミッタ40は、外環部材41に対し内輪43及びこれに挿通され一体化された軸49が相対回転する場合、その回転方向がコイルばね44の大径部44aの方向から見て(矢印A参照)コイルばね44の巻き方向と同方向(左方向)に回転すると、小径部44bにおいて拡径作用が生じる。その拡径作用によって内輪43の外径面に対する緊縛力が低下して一定の大きさのトルク、即ち、規定トルク値を発生させる。内輪43と軸49が前記と反対方向に回転した場合は小径部44bにおいて縮径作用が生じ大きな緊縛力が作用し内輪43をロックさせるので、この場合はトルクリミッタとしての機能は果たし得ない。即ち、このトルクリミッタ40は一方向トルクリミッタとしての作用を行う。
【0006】
前記の規定トルク値の調整は、外環部材41を固定して蓋部材45を所要の工具を用いて外部から回転させると、コイルばね44の大径部44aの径が変化し、その変化に応じて小径部44bの締め代が変化するので規定トルク値が調整される。この場合、大径部44aの存在により蓋部材45の回転による調整量の変化が小径部44bの締め代の変化に与える影響は小さいため(即ち、蓋部材45の回転量の一部が大径部44aの径変化として吸収されるため)、大径部44aがなく小径部44bのみのコイルばね(単一径のコイルばね)に比べ広い範囲にわたるトルク調整が可能となる。
【0007】
なお、図8(b)のように、コイルばね44の大径部44aと小径部44bの軸方向の配置が反対となったトルクリミッタもあり得る。この場合のコイルばね44は右巻のものが使用される。内輪43と軸49が前記の場合と同様に左回転すると、小径部44bに拡径作用が生じ、一定のトルクを発生させる。内輪43と軸49が右回転するとロックする。
【0008】
上記のように、コイルばね44の小径部44bと大径部44aの軸方向の配置の向きが反対になると、内輪43の回転方向が一定の場合は、コイルばね44の巻き方向も反対にしないと所定のトルクを発生させることができない。ただし、小径部44bがボス42側になる図8(b)の配置の場合は、蓋部材45を回転操作してトルク調整することが困難となるので、この形式のトルクリミッタはトルク値の調整が不要な場合に採用される。
【0009】
以上のトルクリミッタ40は、例えば、事務機等の紙さばきローラ48の一端部に外環部材41のボス部42側の端部を連結し、内輪43に挿通した軸49を該内輪43に係合することにより使用に供される。
【0010】
一方、コイルばね式トルクリミッタにおいて、トルクを発生させる単一径のコイルばね(前記のコイルばね44の小径部44bのみからなる単一径のコイルばね)を複数個軸方向に配列したものも知られている(特許文献2)。単一径のコイルばねの場合、前記の大径部44aが存在しないため、調整量の変化が直接コイルばねの締付力に影響し、締付力の変化分が急峻となりトルク調整は実質的に不可能である。また、何らかの手段で締め代の管理を行って調整ができるようにするとしても、コスト高になって実用的でなく、またばね1個当りの発生トルクのバラツキがあるため高い精度を望むことができない。
【特許文献1】特開平8−270673号公報(図4参照)
【特許文献2】特開平8−74889号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
複写機、プリンタ等の高速化が進むにつれ、紙さばき性能を上げるためにトルクリミッタには高速回転・高トルクの性能が要求されている現状にある。この観点から前記従来の段付きコイルばね44を用いたトルクリミッタについてみると、これを高速回転・高トルク下で使用した場合、コイルばねにかかる負担が大きくなり耐久性が低下する問題がある。すなわち、高速回転・高トルク下においては発熱量が増え、高面圧となるため潤滑剤の潤滑性能が早期に劣化する。その結果、コイルばねにかかる負担が増大しトルクの早期低下をもたらすこととなる。
【0012】
コイルばねの耐久性向上の対策として、コイルばねにかかる負担を分散すべく特許文献2のように複数のコイルばねを用いることが考えられるが、前記のように単一径のコイルばねの場合はトルク調整が実質的に不可能である問題がある。
【0013】
そこで、この発明はトルク調整可能な段付きコイルばねを複数用いることによって高トルク化を図る一方、個々のコイルばねの負担を軽減して耐久性を増し、さらに発生トルク値の調整が可能であるようにしたトルクリミッタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、この発明のトルクリミッタは、前記の段付きコイルばねを2個用いることとしたものである。即ち、2個のコイルばねが内輪の外径面に軸方向に配置され、各コイルばねの軸方向内端側のフックがそれぞれ外環部材に係合され、軸方向外端側のフックがそれぞれ両側の蓋部材に係合され、前記各コイルばねの巻き方向が前記内輪の外環部材に対する相対的な一定方向の回転に伴いそれぞれの小径部において同時に拡径作用が生じる方向に定められた構成からなる。
【0015】
上記構成のトルクリミッタは、2個のコイルばねのうち少なくとも1個についてはその大径部のフックが蓋部材に係合されるので、その蓋部材を回転操作してトルク調整を行うことができる。また、コイルばねの巻き方向は内輪の回転方向に応じて一義的に定まる。
【0016】
即ち、内輪の回転方向が一定の方向(例えば、左回転とする。図8(a)参照)に定められた場合、一方のコイルばねの巻き方向はその回転方向と同一方向(左巻)に定められ、他方のコイルばねの巻き方向はその反対(右巻)となる(図8(b)参照)。内輪が前記の方向に回転すると、両方の小径部において同時に拡径作用が生じ、それぞれ所定のトルクを発生させる。トルクリミッタ全体としてはそれらの総合トルクが規定トルク値となる。
【0017】
前記2個のコイルばねの大径部と小径部の向きと、コイルばねの巻方向の関係としては、2個のコイルばねの大径部が軸方向外側、小径部が軸方向内側になる向きに配置され、かつ両方のコイルばねの巻き方向が反対である関係と、2個のコイルばねの小径部と大径部の軸方向の向きが同一となる向きに配置され、かつ両方のコイルばねの巻き方向が同一である関係とがある。いずれの場合も前記の総合トルクが得られる。
【0018】
また、コイルばねを3個以上用いることも可能である。即ち、この場合はコイルばねの収納の便宜上、外環部材を軸方向に複数に分割された分割体の組み合わせにより構成する。内輪の外径面に軸方向に配置された3個以上のコイルばねのうち両端部に配置される2個のコイルばねはそれぞれその軸方向外端側のフックが前記各蓋部材に係合され、これら2個のコイルばねの内端側のフック及びこれらのコイルばねの中間に配置された他のコイルばねの両端のフックがいずれも前記外環部材に係合され、前記各コイルばねの巻き方向が前記内輪の外環部材に対する相対回転に伴いそれぞれの小径部において同時に拡径作用が生じる方向に定められた構成とする。
【0019】
上記構成のトルクリミッタは、内輪の一定方向の回転時にすべてのコイルばねの小径部において所定のトルクが発生し、大きい総合トルクが得られる。
【0020】
なお、両端部に配置される2個のコイルばねの配置関係は、前述の2個のコイルばねを使用する場合と同様である。
【発明の効果】
【0021】
前記のように、この発明に係るトルクリミッタは、複数の段付きコイルばねを直列的に配置し、これらのコイルばねの巻方向を、内輪に緊縛された小径部が同時に拡径作用を生じる方向に定めたことにより、各小径部において発生するトルクを総合した大きい規定トルク値を得ることができ、トルクリミッタの高トルク化を図ることができ、同時に個々のコイルばねの負担が軽減されるので、耐久性を向上させることができる。また、少なくとも1個のコイルばねの大径部を蓋部材に係合したことにより、発生トルク値の調整が可能である便利さがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下のこの発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1、図2に示した実施形態1のトルクリミッタは、2つの段付きコイルばね3a、3bを用いたものである。
【0023】
その基本構造は、従来の場合と同様に、外環部材1、その外環部材1の内部において同芯状態に嵌合支持された内輪2、その外環部材1と内輪2との間において該内輪2の外径面に嵌合された左巻きの第1コイルばね3aと右巻きの第2コイルばね3b、及び前記外環部材1の両端部において、内輪2との間に該外環部材1に対して強制回転可能に嵌合された第1蓋部材4aと第2蓋部材4bからなるものである。
【0024】
前記の外環部材1は円筒形をなし、その外径面の対向位置にトルク調整時の把持用カット部5、5が設けられ、また、その両端部内径面に嵌合溝6、7が設けられる。さらに、その外環部材1の内径面中央部分に突き出した環状部8が設けられ、その環状部8の中心対称の2箇所に係合凹部9、9’が軸方向反対向きに設けられる。
【0025】
内輪2は前記外環部材1に嵌入され、その中間部分の外径面が前記の環状部8において同芯状態に支持される。この環状部8が内輪2の中間部分を回転自在に支持するラジアル軸受部となる。内輪2の一端部は外環部材1の内部にあるが、他端部は外環部材1の外部に突き出す。その突き出した部分に軸と係合させるための切欠き部11が設けられる。
【0026】
第1コイルばね3aと第2コイルばね3bは巻方向反対で同一サイズのものであり、いずれも断面四角形の素材線により形成された小径部12と大径部13を有する段付きコイルばねであり、小径部12と大径部13の端部には、アキシャル方向に突き出したフック14、15がそれぞれ設けられる。これらのコイルばね3a、3bは、内輪2の外径面に前記環状部8の両側において小径部12、12が内側となる向き、即ち、環状部8を基準にして対称形に配置され、各小径部12、12が内輪2の外径面に所要の緊縛力をもって装着される。各小径部12、12のフック14、14がそれぞれ環状部8の係合凹部9、9’に挿入され、該環状部8に対してラジアル方向に係合される。
【0027】
前記第1コイルばね3a側の外環部材1の端部において、その内径面と内輪2の外径面との間に環状の第1蓋部材4aが嵌合される。第1蓋部材4aの外径面に設けられた係合リブ16が前記の嵌合溝6に強制嵌合される。その嵌合の強さは、トルクリミッタとして通常の作動を行う場合には回転することのない程度の強い摩擦力が作用するが、その摩擦力はトルク調整のために外部から工具をもってすれば回転できる程度に設定される。また、第1蓋部材4aの外端面には噛みさばきローラ31に対する一対の係合突起19が軸方向に突き出して設けられる。
【0028】
上記の第1蓋部材4aは、その内面側に内輪2と同径の小径部17(図1参照)が設けられ、その小径部17の先端面が内輪2の一方の端面に突き当てられスラスト軸受部18を形成している。また、前記小径部17より外径側の第1蓋部材4aの内面に軸方向内向きに開放された係合凹部21が設けられ、その係合凹部21に第1コイルばね3aのフック15が挿入されラジアル方向に係合される。
【0029】
一方、第2コイルばね3b側の外環部材1の端部において、その内径面と内輪2の端面との間に環状の第2蓋部材4bが嵌合される。この第2蓋部材4bの外径面に係合リブ22が設けられ、その係合リブ22が嵌合溝7に前記第1蓋部材4aと同様の摩擦力で嵌合される。また、第2蓋部材4bの内面に軸方向内向きに開放された係合凹部23が設けられ、第2コイルばね3bのフック15が挿入され係合される。
【0030】
実施形態1のトルクリミッタは以上のようなものであり、内輪2の内径面に挿通した軸32に突起33を設け、その突起33を内輪2の切欠き部11において係合させるとともに、係合突起19を紙さばきローラ31等に係合させて使用に供される。内輪2は前記の軸と共に、第2蓋部材4bの内径面と環状部8の内径面とにおけるラジアル軸受部及び第1蓋部材4aとの突き当て面におけるスラスト軸受部18において位置決めして回転自在に支持される。
【0031】
内輪2が図1の矢印Aの方向から見て第1コイルばね3aの巻き方向(左巻)に回転した場合、第1コイルばね3aの小径部12と第2コイルばね3bの小径部12において拡径作用が生じ、内輪2には両方の小径部12、12において発生するトルクの総合トルクが規定トルク値として得られる。
【0032】
そのトルク値の調整は、第1コイルばね3aについては、外環部材1の把持用カット部5、5を工具等で把持固定したうえで、第1蓋部材4aを適宜な工具で回転操作することにより行う。第1蓋部材4aをコイルばね3aの巻方向と逆方向(右方向)に回転操作すると、大径部13が縮径され、その縮径に伴って小径部12も縮径されるので発生トルクが増大する方向に調整される。逆の方向に回転操作すると小径部12が拡径される結果、発生トルクが減少する方向に調整される。第2コイルばね3bについてのトルク調整も同様に、第2蓋部材4bを回転操作することにより行うことができる。
【0033】
なお、内輪2が前記と逆方向に回転(右回転)すると、各小径部12、12においてロックして内輪2は回転不能となり、トルクリミッタの機能を果たし得ない。
【0034】
内輪2の回転方向が前記と逆の場合は、第1及び第2コイルばね3a、3bの巻き方向も前記と逆方向のものを用いることにより、同様の規定トルク値を得ることができる。
【0035】
次に、図3及び図4に示した実施形態2のトルクリミッタは、第2コイルばね3bのアキシャル方向の向きが前記の実施形態1の場合と逆になっている。即ち、小径部12が第2蓋部材4b側(外向き)になるように配置される。巻方向は第1及び第2コイルばね3a、3bともに左巻きである。上記以外の構成は実施形態1の場合と同様である。
【0036】
この実施形態2のトルクリミッタは、矢印A方向から見て内輪2が相対的に左回転すると、第1及び第2コイルばね3a、3bの各小径部12、12において拡径作用が生じ、両方の発生トルクを総合した規定トルク値が得られる。但し、この場合のトルク調整は、第1蓋部材4a側から第1コイルばね3aに対する調整しか行うことができない。
【0037】
次に、図5及び図6に基づいて実施形態3のトルクリミッタについて説明する。このトルクリミッタは、前記実施形態1のトルクリミッタに、さらにもう一つの同様のコイルばね、即ち第3コイルばね3cを、第1及び第2コイルばね3a、3bに対し直列的に追加したものである。
【0038】
その構造は、軸方向に2つに分割された外環本体部材1aと外環補助部材1bとを軸方向に連結一体化して外環部材1を構成し、その外環部材1の内部に内輪2を同芯状態に嵌合支持させている。
【0039】
前記の第1及び第2コイルばね3a、3bを前記外環本体部材1a内において内輪2に嵌合させているが、その具体的な構成は、前記の実施形態1の場合と同様である。
【0040】
前記の外環補助部材1bは第3コイルばね3cを収納するに足りる長さに形成され、その内端部に外環本体部材1aの端部内径面に嵌合される環状連結部25が設けられ、その環状連結部25の外径面に前記の嵌合溝6に強制嵌合される係合リブ26が設けられる。環状連結部25の内径面は内輪2に対するラジアル軸受部を形成している。また、その環状連結部25には軸方向反対向きに開放された係合凹部27、27’が中心対称の位置に設けられる。外環補助部材1bの外端部の内径面には嵌合溝28が設けられる。外環補助部材1bの外端部に第1蓋部材4aが嵌合され、その外径面に形成された係合リブ29が前記嵌合溝28に強制的に嵌合される。第1蓋部材4aは、前記実施形態1の場合と同様の構造であり、内面に小径部17を有し、内輪2の端面と当接してスラスト軸受部18を形成する。
【0041】
第1コイルばね3aと第2コイルばね3b及び第3コイルばね3cは同一サイズのものであり、いずれも断面四角形の素材線により形成された小径部12と大径部13を有する段付きコイルばねである。図示の場合第1コイルばね3aと第3コイルばね3cは左巻であり、第2コイルばね3bは右巻である。これら各コイルばねの小径部12と大径部13の端部には、軸方向に突き出したフック14、15がそれぞれ設けられる。第1コイルばね3aと第3コイルばね3cは、その大径部13が第1蓋部材4a側に向けて配置され、また第2コイルばね3bは、大径部13が第2蓋部材4b側に向けて配置される。
【0042】
第1コイルばね3aのフック14は環状部8の係合凹部9に、また他方のフック15は環状連結部25の係合凹部27’にそれぞれ挿入係合される。第2コイルばね3bのフック14は環状部8の係合凹部9’に、また他方のフック15は第2蓋部材4bの係合凹部23にそれぞれ挿入係合される。第3コイルばね3cのフック14は環状連結部25の係合凹部27に、またフック15は第1蓋部材4aの係合凹部21にそれぞれ挿入係合される。
【0043】
前記各コイルばね3a〜3cの各小径部12は所定の弾力をもって内輪2の外径面に緊縛される。
【0044】
なお、第1コイルばね3aの大径部13は外環部材1の内径面及び内輪2の外径面のいずれにも接触しない。
【0045】
実施形態3のトルクリミッタは以上のようなものであり、内輪2は軸32と共に、第2蓋部材4bの内径面、環状部8の内径面及び環状連結部25の内径面における各ラジアル軸受部及び第1蓋部材4aとの突き当て面におけるスラスト軸受部18において位置決めされた状態で回転される。
【0046】
内輪2が軸32とともに相対的に左回転した場合、各コイルばね3aから3cの小径部12において拡径作用が生じ、3箇所の小径部12において発生する総合トルクによる規定トルク値が得られる。
【0047】
そのトルク値の調整は、第2コイルばね3bについては、外環本体部材1aの把持用カット部5、5を把持固定したうえで、第2蓋部材4bを適宜な工具で回転操作して行う。第3コイルばね3cについては外環補助部材1bのカット部5’を同様に固定して、第1蓋部材4aを回転操作することにより行う。第1コイルばね3aについてはいずれの蓋部材にも連結されていないのでトルク調整を行うことはできない。
【0048】
次に、図7に示した実施形態4は、前記実施形態3(図5及び図6参照)における第2コイルばね3bを左巻きに変え、小径部12及び外径部13の軸方向の配置を他の第1コイルばね3a、第3コイルばね3cと同じにしたものである。この場合も内輪2が左回転した場合に、3個のコイルばね3a、3b、3cによる総合トルクによる規定トルク値が得られる。但し、この場合は第1コイルばね3a、第2コイルばね3bのトルク調整を行うことができず、トルク調整は第3コイルばね3cについてのみ行われる。
【0049】
なお、内輪2が右回転する場合は、前記各コイルばね3a〜3cの巻き方向はそれぞれ逆になる。
【0050】
コイルばねの数がさらに増加した場合は、外環部材1の分割数を増加することによりコイルばねの収納が可能であるようにするほか、各コイルばねの巻方向及び大径部と小径部の向きについては、前記各実施形態の場合と同様に内輪2の回転方向によって一義的に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態1の断面図
【図2】同上の分解斜視図
【図3】実施形態2の断面図
【図4】同上の分解斜視図
【図5】実施形態3の断面図
【図6】同上の分解斜視図
【図7】実施形態4の断面図
【図8】(a)(b)従来例の断面図
【符号の説明】
【0052】
1 外環部材
1a 外環本体部材
1b 外環補助部材
2 内輪
3a 第1コイルばね
3b 第2コイルばね
3c 第3コイルばね
4a 第1蓋部材
4b 第2蓋部材
5、5’ 把持用カット部
6 嵌合溝
7 嵌合溝
8 環状部
9、9’ 係合凹部
11 切欠き部
12 小径部
13 大径部
14 フック
15 フック
16 係合リブ
17 小径部
18 スラスト軸受部
19 係合突起
21 係合凹部
22 係合リブ
23 係合凹部
25 環状連結部
26 係合リブ
27、27’ 係合凹部
28 嵌合溝
29 係合リブ
31 紙さばきローラ
32 軸
33 突起




 

 


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