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インホイールモータの軸受装置 - NTN株式会社
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発明の名称 インホイールモータの軸受装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16841(P2007−16841A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197340(P2005−197340)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
発明者 今中 宏則 / 石川 恭光 / 片山 康行
要約 課題

中空モータを支承する転がり軸受の加工性を向上させて所望の軸受精度を確保すると共に、低コスト化を図ったインホイールモータの軸受装置を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
中空モータを使用したインホイールモータの軸受装置であって、
前記モータのロータが内周面に固定された円筒状の外ケースと、
前記モータのステータが外周面に固定された円筒状の内ケースと、
内周に外側転走面が形成され、前記外ケースに内嵌された外輪と、外周に内側転走面が形成され、前記内ケースに外嵌された内輪、およびこの内輪と前記外輪との間に転動自在に収容された複数の転動体を有する転がり軸受と、
前記両ケースの開口端部に装着されたシールとを備えたインホイールモータの軸受装置において、
前記転がり軸受の外輪および内輪が炭素鋼からなり、少なくとも前記両転走面に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されていることを特徴とするインホイールモータの軸受装置。
【請求項2】
前記外輪の外周に取付フランジが一体に形成されると共に、前記内輪が前記外輪よりも肉厚に設定されている請求項1に記載のインホイールモータの軸受装置。
【請求項3】
前記外ケースが、両端部に径方向外方に延びるフランジを一体に有する外ケース本体と、この外ケース本体の軸方向外方部を閉塞する環状の蓋部材とからなり、前記外ケース本体と蓋部材の対向する端部内周に円筒状の嵌合部がそれぞれ形成され、これら嵌合部に前記外輪が所定の径方向すきまを介して内嵌されると共に、前記外ケース本体と蓋部材とで前記外輪の取付フランジが挟持され、当該取付フランジを貫通する固定ボルトを介して外輪が前記外ケースに締結されている請求項1または2に記載のインホイールモータの軸受装置。
【請求項4】
前記内ケースが、両端部に径方向外方に延びる固定フランジと、この固定フランジから軸方向外方に延びる円筒状の嵌合部および小径段部が形成された内ケース本体と、この内ケース本体の小径段部に圧入され、円筒状の嵌合部が形成された環状の固定リングとからなり、前記内ケース本体と固定リングの嵌合部に前記内輪が所定の径方向すきまを介して外嵌されると共に、前記固定フランジにピン孔が軸方向に貫通して形成され、このピン孔に対応して前記内輪の端面にピン孔が形成され、これらピン孔にピンが圧入されている請求項1乃至3いずれかに記載のインホイールモータの軸受装置。
【請求項5】
前記シールが、前記蓋部材の内周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第1のシール板と、この第1のシール板に対向配置して前記固定リングの外周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第2のシール板とからなり、この第2のシール板に、前記第1のシール板に一体接合された複数のシールリップが摺接されている請求項1乃至4いずれかに記載のインホイールモータの軸受装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のダイレクトドライブホイールを駆動輪とする車両に用いられるインホイールモータの軸受装置に関し、特に、軸受および軸受取付構造の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車等モータによって駆動される車両においては、モータを車輪に内蔵するインホイールモータシステムが採用されつつある。ここで、従来はモータステータ部が車両の懸架装置を構成するナックルにスピンドル軸が回転可能に固定されるため、ばね下重量がインホイールモータの分だけ増加し、その結果、タイヤ接地力変動が増加してロードホールディング性が悪化してしまうといった問題があった。
【0003】
そこで、こうした問題を解決するため、図3に示すようなインホイールモータが提案されている。このインホイールモータは、ステータ50Sを支持する非回転側ケース50aが、緩衝機構56を介してナックル57に対して弾性支持されると共に、ロータ50Rを支持する回転側ケース50bとホイール58とが、直動ガイド62、63を用いて連結したフレキシブルカップリング64により結合されている。ここで、緩衝機構56は、直動ガイド51を介して互いに車両の上下方向に作動するばね52およびダンパー53により結合された2枚のプレート54、55を備えている。また、直動ガイド62、63は、複数枚の中空円盤状のプレート59〜61の作動方向が互いに直交するように配置されている。
【0004】
こうしたインホイールモータシステムでは、モータ50を車両の足回り部品に対してフローティングマウントして、モータ50自身をダイナミックダンパーのウェイトとして作用させることができるので、不整路走行時の接地性能、乗り心地性能をともに向上させることができると共に、フレキシブルカップリング64により、モータ軸とホイール軸がどの方向にも偏心可能に結合されているので、モータ50からホイール58へのトルクを効率良く伝達させることができる。
【0005】
さらに、モータ50とホイール58間に形成される空隙にダストブーツ65、66を設けて外部から遮断するようにしたので空隙への石や塵芥等の侵入を防止でき、インホイールモータシステムの信頼性を向上させることができる。
【0006】
また、ケース50a、50b間には、ロータ50Rを回転自在に支持する軸受67が嵌合されている。図4に拡大して示すように、この軸受67の外側には固定カバー68、69が取り付けられている。これらの固定カバー68、69には、互いに対向する面に階段状の切欠き68k、69kが設けられ、これら切欠き68k、69kに蓋部材68p、69pを取り付けて中空部70が形成されている。そして、この中空部70内には、モータ50の軸方向に摺動可能な中空円盤状の隔壁を構成する樹脂リング71が収容されている。これにより、モータ50の運転時、発熱でモータ50内部の温度が上昇し、外気圧に対してモータ50の内圧が高くなっても、この圧力差によってモータ50内への水の浸入を防止することができ、コンパクトな構成の防水機構を実現することが可能となる。
【特許文献1】特開2004−90696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来のインホイールモータにおいて、乗り心地性能向上の観点からばね下重量を軽減する必要があり、軸受67に超薄肉の大径軸受が採用されている。然しながら、この種の超薄肉の大径軸受は以下に示すような問題点を抱えている。すなわち、軸受67の軌道輪は、一般的にSUJ2等の高炭素クロム鋼からなり、所望の転がり疲労寿命を確保するためにずぶ焼入れによって硬化処理されているが、超薄肉で大径のため熱処理時の変形が大きい。この変形を抑制するため、熱処理に特殊な治具等を使用して型焼入れをし、熱処理変形を防止することも実施されているが、これでは製造工数が増大してコスト的に好ましくない。したがって、この種の軸受67においては、予め熱処理変形を見込んで転走面等の研削取り代を大きく設定せざるを得なかった。ところが、このように後工程での研削取り代が大きいと、加工時間が増大してコスト高騰を招来するだけでなく、加工時に変形が生じることもあって、とりわけ転走面を所望の精度に仕上げるのが難しい。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、中空モータを使用したインホイールモータにおいて、モータのロータを回転自在に支承する転がり軸受の加工性を向上させて所望の軸受精度を確保すると共に、加工工数を低減させて低コスト化を図ったインホイールモータの軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、中空モータを使用したインホイールモータの軸受装置であって、前記モータのロータが内周面に固定された円筒状の外ケースと、前記モータのステータが外周面に固定された円筒状の内ケースと、内周に外側転走面が形成され、前記外ケースに内嵌された外輪と、外周に内側転走面が形成され、前記内ケースに外嵌された内輪、およびこの内輪と前記外輪との間に転動自在に収容された複数の転動体を有する転がり軸受と、前記両ケースの開口端部に装着されたシールとを備えたインホイールモータの軸受装置において、前記転がり軸受の外輪および内輪が炭素鋼からなり、少なくとも前記両転走面に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成された構成を採用した。
【0010】
このように、中空モータのロータが内周面に固定された円筒状の外ケースと、モータのステータが外周面に固定された円筒状の内ケースと、内周に外側転走面が形成され、外ケースに内嵌された外輪と、外周に内側転走面が形成され、内ケースに外嵌された内輪、およびこの内輪と外輪との間に転動自在に収容された複数の転動体を有する転がり軸受と、両ケースの開口端部に装着されたシールとを備えたインホイールモータの軸受装置において、転がり軸受の外輪および内輪が炭素鋼からなり、少なくとも両転走面に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されているので、内輪および外輪の転走面に所定の硬化層深さを比較的に簡単に管理することができ、所望の転がり疲労寿命を確保することができる。また、内輪および外輪の熱処理変形を抑制することができ、従来のように変形分を見込んで転走面の研削取り代を大きくする必要がなくなり、加工性を向上させて軸受精度を確保することができると共に、加工工数の低減による軸受の低コスト化を図ることができる。
【0011】
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記外輪の外周に取付フランジが一体に形成されると共に、前記内輪が前記外輪よりも肉厚に設定されていれば、転がり軸受の剛性を高めて内輪および外輪の熱処理変形を抑制し、加工精度を向上させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明のように、前記外ケースが、両端部に径方向外方に延びるフランジを一体に有する外ケース本体と、この外ケース本体の軸方向外方部を閉塞する環状の蓋部材とからなり、前記外ケース本体と蓋部材の対向する端部内周に円筒状の嵌合部がそれぞれ形成され、これら嵌合部に前記外輪が所定の径方向すきまを介して内嵌されると共に、前記外ケース本体と蓋部材とで前記外輪の取付フランジが挟持され、当該取付フランジを貫通する固定ボルトを介して外輪が前記外ケースに締結されていれば、内ケースに対する外ケースの軸心が一致して回転精度を向上させることができると共に、外輪を圧入することなく外ケースに固定することができ、ケースの精度の影響を受けることなく軸受加工時の精度を確保することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明のように、前記内ケースが、両端部に径方向外方に延びる固定フランジと、この固定フランジから軸方向外方に延びる円筒状の嵌合部および小径段部が形成された内ケース本体と、この内ケース本体の小径段部に圧入され、円筒状の嵌合部が形成された環状の固定リングとからなり、前記内ケース本体と固定リングの嵌合部に前記内輪が所定の径方向すきまを介して外嵌されると共に、前記固定フランジにピン孔が軸方向に貫通して形成され、このピン孔に対応して前記内輪の端面にピン孔が形成され、これらピン孔にピンが圧入されていれば、内輪の回り止めを確実に行うことができ、内輪を圧入することなく内ケースに固定することができる。したがって、組立による転がり軸受の変形を可及的に抑制することができ、組立後の転がり軸受の精度を加工時の精度に確保することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、前記シールが、前記蓋部材の内周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第1のシール板と、この第1のシール板に対向配置して前記固定リングの外周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第2のシール板とからなり、この第2のシール板に、前記第1のシール板に一体接合された複数のシールリップが摺接されているので、長期間に亙って強固な、かつ安定した密封性を備え、転がり軸受の耐久性を向上させることができると共に、シールの嵌合による変形が転がり軸受に及ばず、組立後の転がり軸受の精度を加工時の精度に確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るインホイールモータの軸受装置は、中空モータを使用したインホイールモータの軸受装置であって、前記モータのロータが内周面に固定された円筒状の外ケースと、前記モータのステータが外周面に固定された円筒状の内ケースと、内周に外側転走面が形成され、前記外ケースに内嵌された外輪と、外周に内側転走面が形成され、前記内ケースに外嵌された内輪、およびこの内輪と前記外輪との間に転動自在に収容された複数の転動体を有する転がり軸受と、前記両ケースの開口端部に装着されたシールとを備えたインホイールモータの軸受装置において、前記転がり軸受の外輪および内輪が炭素鋼からなり、少なくとも前記両転走面に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されているので、内輪および外輪の転走面に所定の硬化層深さを比較的に簡単に管理することができ、所望の転がり疲労寿命を確保することができる。また、内輪および外輪の熱処理変形を抑制することができ、従来のように変形分を見込んで転走面の研削取り代を大きくする必要がなくなり、加工性を向上させて軸受精度を確保することができると共に、加工工数の低減による軸受の低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
中空モータを使用したインホイールモータの軸受装置であって、前記モータのロータが内周面に固定された円筒状の外ケースと、前記モータのステータが外周面に固定された円筒状の内ケースと、内周に外側転走面が形成され、前記外ケースに内嵌された外輪と、外周に内側転走面が形成され、前記内ケースに外嵌された内輪、およびこの内輪と前記外輪との間に転動自在に収容された複数の転動体を有する転がり軸受と、前記両ケースの開口端部に装着されたシールとを備えたインホイールモータの軸受装置において、前記転がり軸受の外輪および内輪が炭素鋼からなり、前記外輪の外周に取付フランジが一体に形成され、かつ、前記内輪が前記外輪よりも厚肉に設定され、少なくとも前記両転走面に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記外ケースが、両端部に径方向外方に延びるフランジを一体に有する外ケース本体と、この外ケース本体の軸方向外方部を閉塞する環状の蓋部材とからなり、これら外ケース本体と蓋部材とで前記外輪の取付フランジが挟持され、当該取付フランジを貫通する固定ボルトを介して前記外輪が前記外ケースに締結されている。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインホイールモータの軸受装置の一実施形態を示す要部断面図、図2は、図1の転がり軸受を示す縦断面図である。なお、この実施形態では、全体構成は、従来技術で説明した部分と共通するため重複した説明を避け、本発明に係る軸受装置の特徴部分のみの説明を行う。
【0018】
インホイールモータの軸受装置は、中空状のモータ1と、このモータ1が装着された円筒状の外ケース2および内ケース3と、これらケース2、3間に固定された一対の転がり軸受4、4と、ケース2、3間に形成される環状の開口空間を密閉するシール5、5とを備えている。モータ1は、ロータ1aと、このロータ1aに所定の径方向すきまを介して対向配置されたステータ1bとからなる。
【0019】
ロータ1aは、円筒状をなす回転側の外ケース2の内周面に固定されている。この外ケース2は、両端部に径方向外方に延びるフランジ6bを一体に有する外ケース本体6と、この外ケース本体6の軸方向外方部を閉塞する蓋部材7とからなる。一方、ステータ1bは、円筒状をなす固定側の内ケース3の外周面に固定されている。この内ケース3は、両端部に径方向外方に延びる固定フランジ8bを一体に有する内ケース本体8と、この内ケース本体8に外嵌された固定リング9とからなる。
【0020】
後述する転がり軸受4は内ケース3に対して外ケース2を回転自在に支持し、これらケース2、3間に固定されている。具体的には、外ケース本体6および蓋部材7の対向する端部内周に円筒状の嵌合部6a、7aが形成され、これら嵌合部6a、7aに転がり軸受4の外輪17が所定の径方向すきまを介して内嵌されると共に、外輪17の外周に一体に形成された取付フランジ17bが外ケース本体6と蓋部材7とで挟持された状態で、取付フランジ17bを貫通する固定ボルト10によって固定されている。ここで、外ケース本体6には周方向に複数のボルト孔6cが穿設されると共に、蓋部材7には、このボルト孔6cに対応する位置に雌ねじ7bが形成されている。そして、外輪17の取付フランジ17bに、これらボルト孔6cおよび雌ねじ7bに対応して取付孔17cが形成され、固定ボルト10がボルト孔6cおよび取付孔17cを介して雌ねじ7bに締結されている。
【0021】
内ケース本体8には、固定フランジ8bから軸方向に延びる円筒状の嵌合部8aおよび小径段部8cが形成され、この小径段部8cに環状の固定リング9が圧入されている。そして、内ケース本体8と固定リング9の対向する端部外周に形成された円筒状の嵌合部8a、9aに内輪18が所定の径方向すきまを介して外嵌されている。ここで、内ケース本体8の固定フランジ8bにはピン孔8dが軸方向に貫通して形成され、このピン孔8dに対応する内輪18の端面にピン孔18bがそれぞれ形成されている。そして、これらピン孔8d、18bにピン11が軽圧入され、内輪18の回り止めをしている。これにより、内輪18を圧入することなく内ケース3に固定することができ、組立による転がり軸受4の変形を可及的に抑制することができる。なお、ここでは、ピン11により内輪18を固定する方法を例示したが、この方法に限らず、無論、内ケース3の嵌合部8a、9aに内輪18を僅かなシメシロ(とまりばめ)で外嵌することにより内輪18の回り止めを行っても良い。
【0022】
両ケース2、3の両端部、すなわち、蓋部材7と固定リング9とで形成される環状の開口部にはシール5が装着されている。このシール5は、蓋部材7の内周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第1のシール板12と、この第1のシール板12に対向配置して固定リング9の外周面に嵌合され、断面が略L字状で、全体として円環状に形成された第2のシール板13とからなる。
【0023】
第1のシール板12は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成された芯金14と、この芯金14に一体に加硫接着され、内縁部にサイドリップ15aおよび一対のラジアルリップ15b、15cを有するシール部材15とからなる。
【0024】
第2のシール板13は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。この第2のシール板13は、固定リング9に圧入される円筒部13aと、この円筒部13aから径方向外方に延びる立板部13bとからなる。そして、前記第1のシール板12のサイドリップ15aがこの立板部13bに摺接されると共に、一対のラジアルリップ15b、15cが円筒部13aに摺接され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。ここで、第1のシール板12と第2のシール板13の外縁とは僅かな径方向すきまを介して対峙し、所謂ラビリンスシール16を構成している。本実施形態のシール5は、このようなシール構成を採用しているので、長期間に亙って強固な、かつ安定した密封性を備え、転がり軸受4の耐久性を向上させることができると共に、シール5の嵌合による蓋部材7および固定リング9の変形が、直接転がり軸受4に及ぶことがなく、組立後の転がり軸受4の精度を加工時の精度に確保することができる。
【0025】
転がり軸受4は深溝玉軸受からなり、図2に拡大して示すように、外輪17と内輪18、およびこれら外輪17と内輪18間に保持器19を介して転動自在に収容された複数の転動体(ボール)20とを備えている。外輪17は、外周に径方向外方に延びる取付フランジ17bを一体に有し、内周に外側転走面17aが形成されている。なお、転がり軸受4は深溝玉軸受に限らず、ラジアル荷重とスラスト荷重が負荷できる転がり軸受であれば良く、例えば、アンギュラ玉軸受や円錐ころ軸受でも良い。
【0026】
ここで、外輪17はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、少なくとも外側転走面17aに高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層21が形成されている(図中クロスハッチングで示す)。これにより、所望の転がり疲労寿命を確保することができる。さらに、硬化処理に比較的容易に硬化層深さを管理することができる高周波焼入れを採用することにより、外側転走面17a等、所望の硬化層深さに部分焼入れが可能となり、取付フランジ17bによる剛性増しと相俟って外輪17の熱処理変形を抑制することができる。この熱処理変形が小さくなることにより、従来のように変形分を見込んで外側転走面17aの研削取り代を大きくする必要がなくなり、加工性アップによる加工精度の向上と共に、加工工数の低減ができ低コスト化を図ることができる。
【0027】
一方、内輪18は外輪17に比べ厚肉に設定され、外周に前記外側転走面17aに対向する内側転走面18aが形成されると共に、一端面にピン孔18bが穿設されている。この内輪18は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、少なくとも内側転走面18aに高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層22が形成されている(図中クロスハッチングで示す)。これにより、所望の転がり疲労寿命を確保することができる。さらに、外輪17と同様、硬化処理に高周波焼入れを採用することにより所望の硬化層深さに部分焼入れが可能となり、肉厚による剛性増しと相俟って内輪18の熱処理変形を抑制することができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係るインホイールモータの軸受装置は、中空モータを使用したインホイールモータにおいて、モータを支持する転がり軸受を備えた軸受装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るインホイールモータの軸受装置の一実施形態を示す要部断面図である。
【図2】図1の転がり軸受を示す縦断面図である。
【図3】従来のインホイールモータシステムの全体構成を示す縦断面図である。
【図4】図3の軸受部を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0031】
1・・・・・・・・・・・モータ
1a・・・・・・・・・・ロータ
1b・・・・・・・・・・ステータ
2・・・・・・・・・・・外ケース
3・・・・・・・・・・・内ケース
4・・・・・・・・・・・転がり軸受
5・・・・・・・・・・・シール
6・・・・・・・・・・・外ケース本体
7・・・・・・・・・・・蓋部材
6a、7a、8a、9a・嵌合部
6b・・・・・・・・・・フランジ
6c・・・・・・・・・・ボルト孔
7b・・・・・・・・・・雌ねじ
8・・・・・・・・・・・内ケース本体
8b・・・・・・・・・・固定フランジ
8c・・・・・・・・・・小径段部
8d、18b・・・・・・ピン孔
9・・・・・・・・・・・固定リング
10・・・・・・・・・・固定ボルト
11・・・・・・・・・・ピン
12・・・・・・・・・・第1のシール板
13・・・・・・・・・・第2のシール板
14・・・・・・・・・・芯金
15・・・・・・・・・・シール部材
15a・・・・・・・・・サイドリップ
15b、15c・・・・・ラジアルリップ
16・・・・・・・・・・ラビリンスシール
17・・・・・・・・・・外輪
17a・・・・・・・・・外側転走面
17b・・・・・・・・・取付フランジ
17c・・・・・・・・・取付孔
18・・・・・・・・・・内輪
18a・・・・・・・・・内側転走面
18b・・・・・・・・・ピン孔
19・・・・・・・・・・保持器
20・・・・・・・・・・転動体
21、22・・・・・・・硬化層
50・・・・・・・・・・モータ
50R・・・・・・・・・ロータ
50S・・・・・・・・・ステータ
50a・・・・・・・・・非回転側ケース
50b・・・・・・・・・回転側ケース
51、62、63・・・・直動ガイド
52・・・・・・・・・・ばね
53・・・・・・・・・・ダンパー
54、55・・・・・・・プレート
56・・・・・・・・・・緩衝機構
57・・・・・・・・・・ナックル
58・・・・・・・・・・ホイール
59、60、61・・・・円盤状のプレート
64・・・・・・・・・・フレキシブルカップリング
65、66・・・・・・・ダストブーツ
67・・・・・・・・・・軸受
68、69・・・・・・・固定カバー
68k、69k・・・・・切欠き
68p、69p・・・・・蓋部材
70・・・・・・・・・・中空部
71・・・・・・・・・・樹脂リング




 

 


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