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発明の名称 密封型転がり軸受
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10137(P2007−10137A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−13842(P2006−13842)
出願日 平成18年1月23日(2006.1.23)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 村松 誠 / 藤庭 郁雄
要約 課題
簡単かつ汎用性のある規定で密封型転がり軸受のシール性を的確に確保できるようにすることである。

解決手段
内輪1の周溝1aに設けられたシール摺接面1bへの接触シール5のシールリップ5dの押し付け力Pを1.6N以上に設定することにより、シールリップ5dの締め代を間接的に含むように押し付け力Pのみを規定して、シールリップ5dのシール摺接面1bへの良好な接触状態を保障し、簡単かつ汎用性のある規定で密封型転がり軸受のシール性を的確に確保できるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
接触シールの弾性部材で形成されたシールリップを内輪または外輪に設けたシール摺接面に押し付けて、前記内輪と外輪間の軸受空間を密封する密封型転がり軸受において、前記シールリップのシール摺接面への押し付け力を1.6N以上に設定したことを特徴とする密封型転がり軸受。
【請求項2】
前記シール摺接面の表面粗さをRmaxで2.0μm以下とした請求項1に記載の密封型転がり軸受。
【請求項3】
前記シール摺接面が前記内輪の外周面の周方向に延びる周溝の側壁に設けられ、この周溝の側壁に設けられたシール摺接面に、前記シールリップを軸方向から押し付けるようにした請求項1または2に記載の密封型転がり軸受。
【請求項4】
前記シールリップを形成する弾性部材を、水素添加ニトリルゴムとした請求項1乃至3のいずれかに記載の密封型転がり軸受。
【請求項5】
前記シールリップを形成する弾性部材を耐エステルアクリルゴムとした請求項1乃至3のいずれかに記載の密封型転がり軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内輪と外輪間の軸受空間を接触シールで密封する密封型転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車補機用プーリやエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ等に採用され、外部からの泥水等の侵入や内部からのグリース等の潤滑剤の漏れに対する高い密封性が要求される転がり軸受には、接触シールのシールリップを内輪または外輪に設けたシール摺接面に押し付けて内輪と外輪間の軸受空間を密封する密封型転がり軸受が用いられている。接触シールのシールリップはゴム等の弾性部材で形成され、シール摺接面に対する締め代を設定されており、通常、芯金に固着された弾性部材の芯金から先に延びる部分に設けられている。
【0003】
この種の密封型転がり軸受には、接触シールを外輪側に固定し、シール摺接面を内輪の外周面に形成した周溝の側壁に設けて、接触シールのシールリップをシール摺接面に軸方向から押し付けるようにしたものが多い(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたものは、芯金から先に延びるシールリップの軸方向厚みBを0.2〜0.4mmに設定するとともに、シールリップの径方向長さAと軸方向厚みBとの比を、4.5≦A/B≦7となるように設定し、シールリップの剛生を適度とすることにより、シールリップのシール摺接面に対する追従性を高め、シールリップの接触状態を安定させることを提案している。
【0005】
また、特許文献2に記載されたものは、シールリップをシール摺接面に押し付ける力Pとシールリップの軸方向締め代Lとの比P/Lを、2.9〜9.8N/mm、かつ、締め代Lを転動体であるボールの直径の1〜3%とすることにより、シール性低下に結び付く弾性部材の弾性変形を起きにくくし、シール性を確保することを提案している。
【0006】
【特許文献1】特許第3062673号公報(第1、2図)
【特許文献1】特開2001−140907号公報(第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたもののように、シールリップの寸法を規定してその剛性を適度とする密封型転がり軸受は、シールリップの締め代を直接的にも間接的にも規定するものではないので、的確にシール性を確保できない問題がある。また、シールリップの形状は、例えば特許文献2に記載されたもののように、軸方向厚みBが一定でなく定義できないものが多いので、汎用性に欠ける問題もある。
【0008】
一方、特許文献2に記載されたもののように、シールリップの押し付け力Pと軸方向締め代Lとの比P/L、および軸方向締め代Lを規定した密封型転がり軸受は、締め代Lを変化させると押し付け力Pも変化するので、締め代Lと比P/Lとを規定範囲に入れる管理が繁雑なものとなる問題がある。また、締め代Lが下限に近い場合は、小さな押し付け力Pでも比P/Lが規定範囲に入り、シール性を確保できないことがある。さらに、締め代Lをボールの直径との割合で規定しているので、玉軸受にしか適用できない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、簡単かつ汎用性のある規定で密封型転がり軸受のシール性を的確に確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、接触シールの弾性部材で形成されたシールリップを内輪または外輪に設けたシール摺接面に押し付けて、前記内輪と外輪間の軸受空間を密封する密封型転がり軸受において、前記シールリップのシール摺接面への押し付け力を1.6N以上に設定した構成を採用した。
【0011】
すなわち、シールリップのシール摺接面への押し付け力を1.6N以上に設定することにより、シールリップの締め代を間接的に含むように押し付け力のみを規定して、シールリップのシール摺接面への良好な接触状態を保障し、簡単かつ汎用性のある規定で密封型転がり軸受のシール性を的確に確保できるようにした。
【0012】
前記シール摺接面の表面粗さをRmaxで2.0μm以下、好ましくは1.2μm以下とすることにより、シールリップとの摩擦によるトルク損失の増大を防止できるとともに、シールリップの摩耗を抑制して、シールリップのシール摺接面への押し付け力を安定して保持することができる。
【0013】
上述した各密封型転がり軸受は、前記シール摺接面が前記内輪の外周面の周方向に延びる周溝の側壁に設けられ、この周溝の側壁に設けられたシール摺接面に、前記シールリップを軸方向から押し付けるものに好適である。
【0014】
前記シールリップを形成する弾性部材を水素添加ニトリルゴムとすることにより、電磁クラッチ等に採用される転がり軸受のように150℃以上の高温環境で使用しても、シールリップの耐熱性を十分に確保することができる。水素添加ニトリルゴムは、一般のニトリルゴムに対して、水素添加により不飽和結合に水素を付加したものであり、ニトリルゴムの耐熱温度が120℃程度であるのに対して、150℃以上の高い耐熱温度を有する。また、優れた耐薬品性も有し、エアコンのコンプレッサオイル等の油類が付着しても、安定した性状が保持される。
【0015】
前記シールリップを形成する弾性部材を耐エステルアクリルゴムとすることにより、電磁クラッチ等に採用される転がり軸受のように150℃以上の高温環境で使用しても、シールリップの耐熱性を十分に確保することができ、油類が付着しても安定した性状を保持することができる。耐エステルアクリルゴムは、アクリルゴムの優れた耐熱性を維持しつつ、アクリルゴムの欠点である耐薬品性を向上させたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の密封型転がり軸受は、シールリップのシール摺接面への押し付け力を1.6N以上に設定したので、シールリップの締め代を間接的に含むように押し付け力のみを規定して、シールリップのシール摺接面への良好な接触状態を保障し、簡単かつ汎用性のある規定で密封型転がり軸受のシール性を的確に確保することができる。
【0017】
前記シール摺接面の表面粗さをRmaxで2.0μm以下、好ましくは1.2μm以下とすることにより、シールリップとの摩擦によるトルク損失の増大を防止できるとともに、シールリップの摩耗を抑制して、シールリップのシール摺接面への押し付け力を安定して保持することができる。
【0018】
前記シールリップを形成する弾性部材を水素添加ニトリルゴムとすることにより、電磁クラッチ等に採用される転がり軸受のように150℃以上の高温環境で使用しても、シールリップの耐熱性を十分に確保することができる。
【0019】
前記シールリップを形成する弾性部材を耐エステルアクリルゴムとすることにより、電磁クラッチ等に採用される転がり軸受のように150℃以上の高温環境で使用しても、シールリップの耐熱性を十分に確保することができ、油類が付着しても安定した性状を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この密封型転がり軸受は、図1(a)に示すように、内輪1と外輪2の間にボール3が保持器4で保持された軸受空間を、外輪2の内周面に設けられた係止溝2aに固定した接触シール5で密封した深溝玉軸受である。
【0021】
図1(b)に示すように、前記接触シール5は芯金5aと弾性部材5bとから成り、弾性部材5bは水素添加ニトリルゴムまたは耐エステルアクリルゴムで形成されている。弾性部材5bの芯金5aから先に延びる部分にはネック部5cが設けられ、その先にシールリップ5dが設けられて、内輪1の外周面で周方向に延びる周溝1aの側壁に設けられたシール摺接面1bに、軸方向の外側から押し付けられている。シールリップ5dのシール摺接面1bへの押し付け力Pは1.6N以上に設定されている。また、シール摺接面1bの表面粗さRmaxは1.2μm以下とされている。
【実施例】
【0022】
実施例として、シールリップの押し付け力Pを1.6N以上に設定した図1に示したような密封型深溝玉軸受を用意した。比較例として、シールリップの押し付け力Pと軸方向締め代Lとの比P/Lが4.8〜8.8N/mmで、押し付け力Pを1.6N未満とした同様の密封型深溝玉軸受も用意した。各シールリップの押し付け力Pは、図2に示すように、接触シール5を装着した外輪2を圧縮試験機11の架台12に水平にセットし、その加圧ヘッド13で接触シール5のシールリップ5dを、所定の軸方向締め代に相当する垂直変位量だけ押圧したときの荷重を測定することにより求めた。なお、実施例と比較例の深溝玉軸受は、いずれも図1(b)に示した接触シール5のネック部5cとシールリップ5dを含む径方向長さaとネック部5cの軸方向厚みbの比a/b、すなわち、特許文献1に規定されたシールリップの径方向長さAと軸方向厚みBの比A/Bに相当するものを3.2とした。また、シール摺接面の表面粗さRmaxはいずれも1.2μm以下とした。
【0023】
上述した実施例と比較例の密封型深溝玉軸受を、泥水が噴霧される環境下で回転試験機に取り付け、泥水の軸受空間への浸入量を調査する耐泥水性試験を行った。なお、泥水の浸入量は、試験前後の軸受の質量増加量Wを測定することにより求めた。試験条件は以下の通りである。
・泥水 :関東ローム粉JIS8種(泥分濃度5質量%)
・回転速度:2000rpm
・試験時間:3時間
【0024】
図3に上記耐泥水性試験の結果を示す。シールリップの押し付け力Pを1.6N以上に設定した実施例のものは、前記シールリップの径方向長さAと軸方向厚みBの比A/Bに相当する比a/bが、特許文献1に記載された発明の範囲を外れているが、いずれも軸受の質量増加量Wが顕著に認められず、優れたシール性を有することが分かる。これに対して、押し付け力Pを1.6N未満としたものは、前記シールリップの押し付け力Pと軸方向締め代Lとの比P/Lが、特許文献2に記載された発明の範囲に入っているが、いずれも軸受の質量増加量Wが顕著に認められ、十分なシール性が確保されていない。
【0025】
上述した実施形態では、密封型転がり軸受を深溝玉軸受としたが、本発明に係る密封型転がり軸受は、他の玉軸受やころ軸受等の他の種類の転がり軸受にも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】aは密封型転がり軸受の実施形態を示す一部省略縦断面図、bはaの要部を拡大して示す断面図
【図2】aは図1の接触シールのシールリップの押し付け力Pを測定する方法を示す縦断面図、bはaの要部を拡大して示す断面図
【図3】耐泥水性試験の結果を示すグラフ
【符号の説明】
【0027】
1 内輪
1a 周溝
1b シール摺接面
2 外輪
2a 係止溝
3 ボール
4 保持器
5 接触シール
5a 芯金
5b 弾性部材
5c ネック部
5d シールリップ
11 圧縮試験機
12 架台
13 加圧ヘッド




 

 


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