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発明の名称 等速自在継手
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10086(P2007−10086A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194158(P2005−194158)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾
発明者 宇根 直宏
要約 課題
スナップリングの組付作業の作業性向上

解決手段
スナップリングが斜めのスリットを有する有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリングに装着するものであって、スナップリングをアウターリングに装着する際に、スナップリングの端部が干渉しないように、スナップリングの少なくとも一方の端部に面取りを施した。これにより、スナップリングをアウターリングに装着する組付作業の作業性が悪くなることがなく、スナップリングの組み付け不良を確実に防止することができ、不良部品の発生を少なくすることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内周部にトラック溝が形成された外側継手部材と、外側継手部材のトラック溝に向けて半径方向に突出した脚軸を有したトリポード部材と、トリポード部材の各脚軸に外嵌したインナーリングと、インナーリングに回動自在に支持し、外側継手部材のトラック溝に挿入したアウターリングと、アウターリングの内周面に形成したスナップリング溝に装着され、インナーリングの軸方向の動きを規制するスナップリングとを備えた等速自在継手において、
前記スナップリングは、斜めにスリットを形成した有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリングのスナップリング溝に装着するものであって、前記スナップリングをアウターリングに装着する際に、スナップリングの端部が干渉しないように、スナップリングの少なくとも一方の端部に面取りを施したことを特徴とする等速自在継手。
【請求項2】
前記スナップリングの斜めに形成したスリットの内径側に延在した端部の外径側の角と、スリットの外径側に延在した端部の外径側の角の少なくとも一方に面取りを施し、スナップリングの端部に段差を形成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項3】
前記スリットの内径側に延在した端部の外径側の角又はスリットの外径側に延在した端部の外径側の角を、全体的にC面取りを施し、両端部を異なる角度で傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項4】
前記スナップリングの外周縁では、インナーリング側の角部の面取量をAとし、インナーリングとは反対側の角部の面取量をBとしたとき、A<Bを満足する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項5】
前記スナップリングの内周縁では、インナーリング側の角部の面取量をAとし、インナーリングとは反対側の角部の面取量をBとしたとき、A<Bを満足する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は等速自在継手に関するものであり、特に、トリポード型等速自在継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トリポード型等速自在継手30Aは、例えば、図1に示すように、半径方向に突出した三本の脚軸5を備えたトリポード部材2を一方の軸に結合し、軸方向に延びる三つのトラック溝3を備えた中空円筒状の外側継手部材1を他方の軸に結合し、外側継手部材1のトラック溝3内に、トリポード部材2の脚軸5に外嵌したローラ20Aを収容して回転トルクの伝達を行っている。このトリポード型等速自在継手は、例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する継手として使用されている。
【0003】
トリポード型等速自在継手は、外側継手部材とトリポード部材とが作動角をとりつつ回転トルクを伝達する際、脚軸の傾きに伴ってローラとローラ案内面とが互いに斜交した状態になると、両者の間に滑りが生じ、ローラの円滑な転動が妨げられて誘起スラストが大きくなる。また、ローラとローラ案内面との間の摩擦力によって、外側継手部材とトリポード部材とが軸方向に相対変位する際のスライド抵抗が大きくなる。
【0004】
このような誘起スラストやスライド抵抗は、等速自在継手が例えば自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに用いられる場合は車体の振動や騒音の発生原因となり、自動車のNVH性能に悪影響を与える。斯かる誘起スラストやスライド抵抗を低減するため、図2に示すように、脚軸5に対するローラ20Aの傾動を自在にする機構を備えたトリポード型等速自在継手が提案されている。
【0005】
例えば、特開2000−320563号公報、特開2001−132766号公報に開示されたものは、トリポード部材の脚軸にローラアッセンブリが取り付けてある。ローラアッセンブリは、例えば、図3に示すように、アウターリング6、総ころ状態の針状ころ7、一対のスナップリング10及びインナーリング8で構成されている。アウターリング6は針状ころ7を介してインナーリング8の外周に回転可能に外嵌している。
【0006】
インナーリング8と脚軸の組み合わせ方は、インナーリング8の内周面8aを図3のように凸曲面状にする場合は、図1に示すように、脚軸5の横断面を例えば楕円形にするとよい。また、図4に示すように、インナーリング8の内周面8aを円筒面とする場合は、図5に示すように、脚軸5の外周面5aを例えば真球面にするとよい。いずれの組み合わせ方も、インナーリング8に対して脚軸が首振り自在になるため、ローラアッセンブリ20A、20Bがローラ案内面4に対して斜行するのを抑えることができる。これにより、ローラアッセンブリ20A、20Bをローラ案内面4に対して定姿勢で円滑に転動させることができ、前述の誘起スラストやスライド抵抗を低減させることができる。
【0007】
総ころ状態の針状ころ7とインナーリング8は、図3、図4のように、一対のスナップリング10によって抜止め規制している。すなわち、アウターリング6の内周面6aの幅方向両側に、針状ころ7の長さに略対応する内幅寸法Uで一対のスナップリング溝9を形成し、このスナップリング溝9に一対のスナップリング10を嵌合している。スナップリング10は、図6に示すように、斜めにスリット11を形成した有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリング6のスナップリング溝9に装着している。
【特許文献1】特開2000−320563号公報
【特許文献2】特開2001−132766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スナップリング10は、弾性的に縮径させてアウターリング6のスナップリング溝9に装着する際に、螺旋状に弾性変形させつつ縮径させるが、このときスリット11の端部12、13が干渉する場合があり、組付作業の作業性が悪い場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る等速自在継手は、斯かるローラアッセンブリについて、スナップリングが、斜めにスリットを形成した有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリングのスナップリング溝に装着するものであって、スナップリングをアウターリングに装着する際に、スナップリングの端部が干渉しないように、スナップリングの少なくとも一方の端部に面取りを施したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この等速自在継手によれば、スナップリングが斜めのスリットを有する有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリングに装着するものであって、スナップリングをアウターリングに装着する際に、スナップリングの端部が干渉しないように、スナップリングの少なくとも一方の端部に面取りを施したので、スナップリングをアウターリングに装着する組付作業の作業性が悪くなることがなく、スナップリングの組み付け不良を確実に防止することができ、不良部品の発生を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る等速自在継手を図面に基づいて説明する。なお、図面には同じ作用を奏する部材・部位に同じ符号を付している。
【0012】
第1の形態に係る等速自在継手30Aは、図1及び図2に示すように、外側継手部材1とトリポード部材2とを主体として構成され、駆動側と従動側で連結すべき二軸(図示省略)の一方が外側継手部材1に連結され、他方がトリポード部材2に連結される。この等速自在継手30Aは、図2のように連結される2軸が作動角θをとった場合でも、等速で回転トルクを伝達すると共に、軸方向の相対変位を許容する。
【0013】
外側継手部材1は一端が開口し他端が閉塞した略円筒カップ状をなし(図2参照)、その他端に一方の軸が一体的に設けられ、内周部に軸方向に延びる三本のトラック溝3が中心軸の周りに120°間隔で形成される。各トラック溝3は、その円周方向で向かい合った側壁にそれぞれ凹曲面状の一対のローラ案内面4を軸方向に形成する。
【0014】
トリポード部材2は、半径方向に突出した三本の脚軸5を有し、他方の軸にセレーション(又はスプライン)嵌合により保持される。各脚軸5にはアウターリング6が取り付けてあり、このアウターリング6が外側継手部材1のトラック溝3内に収容される。アウターリング6の外周面は、ローラ案内面4に適合する凸曲面状を成す。詳しくは、アウターリング6の外周面は、脚軸5の軸線から半径方向に離れた位置に曲率中心を有する円弧を母線とする凸曲面であり、ローラ案内面4の断面形状は二つの曲率半径からなるゴシックアーチ状をなし、これにより、アウターリング6の外周面とローラ案内面4とをアンギュラ接触させる。図1に、アンギュラ接触する二つの接触点の作用線を一点鎖線aで示す。アウターリング6の凸曲面状の外周面に対してローラ案内面4の断面形状をテーパ形状としても両者のアンギュラ接触が実現する。
【0015】
図3に示すように、アウターリング6の内周面6aには、針状ころ7を介してインナーリング8が回転自在に内嵌される。針状ころ7とインナーリング8は、一対のスナップリング10によって抜け止め規制される。このスナップリング10は、針状ころ7の長さないしインナーリング8の厚み幅に対応してアウターリング6の内周面6aに形成された一対のスナップリング溝9に嵌合される。
【0016】
次に、第2の形態に係る等速自在継手30Bを説明する。なお、等速自在継手30Bは、基本構成が第1の形態に係る等速自在継手30A(図1参照)と同じであり、両者において同様の作用を奏する部材、部位に同じ符号を付して説明する。
【0017】
第2の形態に係る等速自在継手30Bは、図5に示すように、トリポード部材2の脚軸5の外周面を真球面5aにし、この真球面5aに、図4に示すローラアッセンブリ20Bのインナーリング8を揺動可能かつ摺動可能に外嵌している。また、外側継手部材1のローラ案内面4は部分円筒面とし、アウターリング6の外周面は部分球面で構成している。また、外側継手部材1のローラ案内面4に隣接して鍔部1aを形成し、この鍔部1aによってローラアッセンブリ20Bのアウターリング6を定姿勢でトラック溝3の方向にガイドしている。その他の構成は、第1の形態に係る等速自在継手30A(図1参照)と同様であって、ローラアッセンブリ20Bの針状ころ7がインナーリング8の円筒形外周面とアウターリング6の円筒形内周面との間に総ころ状態で配設されるとともに、針状ころ7とインナーリング8の両端面が円環状のスナップリング10で抜け止め規制されている。
【0018】
斯かる第1の形態、第2の形態に係る等速自在継手30A、30Bにおいて、スナップリング10は、斜めにスリットを形成した有端リングで、弾性的に縮径させてアウターリング6に装着するものである。そして、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スナップリング10の端部が干渉しないように、スナップリング10の少なくとも一方の端部に面取りを施している。
【0019】
この実施形態では、スナップリング10は、図7に示すように、斜めに形成したスリット11の内径側に延在した端部12の外径側の角12aを面取りして段差を設けて、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないようにした。
【0020】
これにより、スナップリング10をやや螺旋状にして縮径させてアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないので、スナップリング10をアウターリング6に装着する際の作業性がよく、組み付け不良を確実に防止することができ、スナップリング10について不良部品が発生するのを防止することができる。
【0021】
また、他の実施形態として、図8に示すように、スリット11の外径側に延在した端部13の内径側の角13aを面取りして段差を設けて、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないようにしてもよい。この場合も、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉せず、螺旋状に縮径させることができるから、スナップリング10をアウターリング6に装着する際の作業性がよく、組み付け不良を確実に防止することができ、スナップリング10について不良部品の発生を少なくすることができる。
【0022】
なお、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないようにすればよいので、面取りの方法は上記の実施形態に限定されない。
【0023】
例えば、上記の実施形態では、スリット11の内径側に延在した端部12の外径側の角12a又はスリット11の外径側に延在した端部13の外径側の角13aをC面取りしたものを例示したが、斯かる部位をC面取りする代わりに、R面取りを施してスナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないようにしてもよい。また、スリット11の内径側に延在した端部12の外径側の角12aと、スリット11の外径側に延在した端部13の外径側の角13aの両方に面取りを施して、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉しないようにしてもよい。また、面取りを行う場合は、図9に示すように、スリット11の内径側に延在した端部12の外径側の角12a又はスリット11の外径側に延在した端部13の外径側の角13aの何れか一方の端部(図9では、端部12)を全体的に面取りし、両端部を異なる角度で傾斜させてもよい。
【0024】
これにより、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スリット11の両側の端部12、13が干渉せず、螺旋状に縮径させることができるから、スナップリング10をアウターリング6に装着する際の作業性がよく、組み付け不良を確実に防止することができ、スナップリング10について不良部品の発生を少なくすることができる。
【0025】
なお、上記の形態において、スナップリング10の端部12、13に施したR又は面取りは、スナップリング10はアウターリング6に装着した際に、アウターリング6と、インナーリング8および針状ころ7を係合させるというスナップリング10本来の機能が損なわない程度に行う。
【0026】
以上、本発明の一実施形態に係る等速自在継手、特にスナップリングを説明したが、本発明に係る等速自在継手は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0027】
例えば、従来のスナップリング10は、図10に示すように、端面が略矩形で各角部10a、10b、10c、10dを、それぞれ一様に(例えば、roで)面取りしたものである。本発明においては、スナップリング10を、同様に、端面が略矩形で各角をそれぞれ一様に面取りしたものを採用することができる。
【0028】
しかし、ローラアッセンブリの組付けにおいては、スナップリング10をやや縮径させた状態で、図11に示すように、傾斜させてアウターリング6のスナップリング溝9内に向けて矢印bの方向に装着するが、スナップリング10の厚さtに対してスナップリング溝9の溝幅Wはあまり広くない。
【0029】
これはスナップリング10自体のガタつき、ひいてはインナーリング8及び針状ころ7のガタつきを抑制するためである。このため、スナップリング溝9にスナップリング10を挿入する時、スナップリング溝9の外側エッジ部9aがスナップリング10の外側面に接触して擦れ、この擦れによる摩擦抵抗のためにスナップリング10を挿入しにくく、組み立てに時間が掛かる場合がある。
【0030】
そこで、上述のように、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スナップリング10の端部が干渉しないように、スナップリング10の端部12、13のうち少なくとも一方の端部に面取りを施すことと併せて、図12に示すように、スナップリング10の外周縁16で、インナーリング8とは反対側(アウターリング6に装着した際に外側となる側)に位置する角部10aの面取量を、スナップリング溝9にスナップリング10を挿入する時、スナップリング溝9の外側エッジ部9aに対するスナップリング10の摩擦抵抗が軽減される程度に大きくするとよい。なお、ここで「面取量」は、R面取り又はC面取りで切除された部分の直交2辺の一辺の長さである。
【0031】
また、スナップリング10の他の問題として、アキシャル荷重の程度によってはスナップリング10の装着状態が不安定になるという問題がある。すなわち、図13はスナップリング10の傾斜をやや誇張して示しているが、例えばインナーリング8からスナップリング10に向けて矢印cで示すように外側方向のアキシャル荷重が負荷されると、スナップリング10が外側方向にたわむ(たわみ量δ)。このとき、スナップリング10の外周縁16で、内側の角部10bがスナップリング溝9の内側面9bと擦れることで、ある程度、スナップリング10の外側方向へのたわみ量は抑制される。しかし、角部10bの面取量が大き過ぎるような場合には、たわみ量δが大きくなり、アキシャル荷重の程度によってはスナップリング10の装着状態が不安定になる。
【0032】
そこで、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スナップリング10の端部が干渉しないように、スナップリング10の少なくとも一方の端部に面取りを施すことと併せて、スナップリング10の外周縁16で、インナーリング側(アウターリング6に装着した際に内側となる側)に位置する角部10bの面取量を小さくするとよい。
【0033】
これにより、図14に示すように、インナーリング8からスナップリング10にアキシャル荷重が加わった際にスナップリング溝9の内側面9bとスナップリング10の角部10bとを少ないたわみ量で接触させることができ、スナップリング10がアウターリング6に装着された状態が安定する。
【0034】
また、スナップリング10の他の問題として、アキシャル荷重によるスナップリング10の疲労の問題がある。すなわち、図13に示すように、インナーリング8からスナップリング10の内側面10eに対して矢印で示すように外側方向へのアキシャル荷重が負荷されると、前述したようにスナップリング10が外側方向にたわむ。この際、スナップリング10の内周縁で、外側の角部10cは、変形量が大きく、この角部10cの近傍に最大引張応力が発生する。この最大引張応力は、継手の回転により繰り返し発生するから、この角部10c近傍は金属疲労を起こしやすい。
【0035】
そこで、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スナップリング10の端部が干渉しないように、スナップリング10の少なくとも一方の端部に面取りを施すことと併せて、図13に示すように、この角部10cの面取量を大きくするとよい。これにより、スナップリング10にアキシャル荷重が加わった際にスナップリング10の当該角部10cに生じる最大引張応力を低減することができ、当該部位における金属疲労を軽減することができる。
【0036】
また、スナップリング10の他の問題として、スナップリング10からインナーリング8に伝達される回転力が減少する問題がある。すなわち、図15に示すように、アウターリング6が回転すると、その回転力は、主としてスナップリング10を経てインナーリング8に伝達されるが、スナップリング10の内周縁17で、内側の角部10dの面取量が大き過ぎるような場合には、インナーリング8とスナップリング10の引っ掛かり代Sが減るので、この部分での摩擦力が低下し、スナップリング10からインナーリング8に伝達される回転力が減少することになる。インナーリング8の回転力が減少すると、アウターリング6とインナーリング8の相対回転量が増大し、インナーリング8と針状ころ7の寿命が低下する場合があり、等速自在継手全体の耐久性を低下させないようにするためには、斯かる事象は好ましくない。
【0037】
そこで、スナップリング10をアウターリング6に装着する際に、スナップリング10の端部が干渉しないように、スナップリング10の少なくとも一方の端部に面取りを施すことと併せて、図16に示すように、この角部10dの面取量を小さくするとよい。これにより、インナーリング8と当接するスナップリング10の引っ掛かり代Sが増加するから、アウターリング6からスナップリング10を経由してインナーリング8に伝達するトルクが増大し、アウターリング6とインナーリング8の相対回転量が低減し、等速自在継手全体の耐久性が低下するのを防止できる。
【0038】
このように、スナップリング10の端面は、スナップリング10の外周縁16では、インナーリング8とは反対側に位置する角部10aの面取量を大きくし、インナーリング8側に位置する角部10bの面取量を小さくするとよい。また、スナップリング10の内周縁17では、インナーリング8とは反対側の角部10cの面取量を大きくするとよく、インナーリング側の角部10dの面取量を小さくするとよい。従って、スナップリング10の外周縁16では、インナーリング8側の角部10bの面取量をAとし、インナーリング8とは反対側の角部10aの面取量をBとしたとき、A<Bを満足する構成にするとよい。また、スナップリングの内周縁17では、インナーリング8側の角部10dの面取量をAとし、インナーリング8とは反対側の角部10cの面取量をBとしたとき、A<Bを満足する構成にするとよい。
【0039】
なお、スナップリング10の端面については、上記の実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、図17に示すように4つの角部10a、10b、10c、10dに施す面取りは、R面取り、C面取りの何れでもよく、これらの面取りを任意に組み合わせてもよい。また、前記実施の形態ではR面取り又はC面取りの典型的な形状として円弧又は直線を例示したが、R面取りの円弧は厳密な意味の円弧である必要は必ずしもなく、円弧に近い曲線で実質的にR面取りを構成してもよいし、直線に近い曲線で実質的にC面取りを構成してもよい。また、R面取り又はC面取りの面取量は、上述した作用効果が得られる範囲であれば、実際にスナップリング10を使用する等速自在継手のアウターリング6やインナーリング8の内外径、或いはスナップリング溝9の形成位置等に応じて適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の形態に係るトリポード型等速自在継手を示す縦断面図。
【図2】第1の形態に係るトリポード型等速自在継手を示す横断側面図。
【図3】第1の形態に係るトリポード型等速自在継手のローラアッセンブリを示す断面図。
【図4】第2の形態に係るトリポード型等速自在継手のローラアッセンブリを示す断面図。
【図5】第2の形態に係るトリポード型等速自在継手を示す縦断面図。
【図6】ローラアッセンブリに用いられるスナップリングを示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングを示す図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る等速自在継手のスナップリングを示す図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る等速自在継手のスナップリングを示す図。
【図10】ローラアッセンブリに用いられるスナップリングを示す断面図。
【図11】アウターリングにスナップリングを装着する際の状態を示す断面図。
【図12】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングに関し、アウターリングにスナップリングを装着する際の状態を示す断面図。
【図13】等速自在継手のスナップリングの使用状態を示す断面図。
【図14】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングの使用の状態を示す断面図。
【図15】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングの使用の状態を示す断面図。
【図16】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングの使用の状態を示す断面図。
【図17】本発明の一実施形態に係る等速自在継手のスナップリングを示す断面図。
【符号の説明】
【0041】
1 外側継手部材
2 トリポード部材
3 トラック溝
4 ローラ案内面
5 脚軸
6 アウターリング
6a 内周面
8 インナーリング
8a 内周面
9 スナップリング溝
9b 内側面
9a 外側エッジ部
10 スナップリング
10a〜10d 角部
10e 内側面
11 スリット
12 内径側に延在した端部
13 外径側に延在した端部
16 外周縁
17 内周縁
20A、20B ローラアッセンブリ
30A、30B 等速自在継手




 

 


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