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発明の名称 クラッチ機構および電動アクチュエータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2934(P2007−2934A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184509(P2005−184509)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 立石 康司
要約 課題
クラッチ機構の複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減できるようにすることである。

解決手段
クラッチ機構1の外輪2に振動を付与する高周波振動を付与する圧電素子7を設け、内輪3と外輪2の相対回転のロックを解除するときに、係合子としてのころ5がカム面2a、3aに係合する摩擦力を低減することにより、各ころ5を損傷することなく、その解除トルクを同じタイミングで簡単に低減できるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
内輪と外輪の間に保持器で保持した複数の係合子を介在させ、これらの係合子を前記内輪と外輪に設けたカム面に摩擦力で係合させて、前記内輪と外輪の相対回転をロックするクラッチ機構において、前記内輪、外輪または保持器の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段を設け、前記内輪と外輪の相対回転のロックを解除するときに、前記係合子が前記カム面に係合する摩擦力を低減するようにしたことを特徴とするクラッチ機構。
【請求項2】
前記振動付与手段が、圧電素子によって高周波振動を付与するものである請求項1に記載のクラッチ機構。
【請求項3】
電動モータの回転駆動力をボールねじ機構で直線駆動力に変換して出力し、前記電動モータへの逆入力を防止するクラッチ機構を前記回転駆動力の伝達部に設けた電動アクチュエータにおいて、前記クラッチ機構に、請求項1または2に記載のクラッチ機構を採用したことを特徴とする電動アクチュエータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチ機構とクラッチ機構を備えた電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車では、ブレーキ装置、パワーウィンドウ等の各種作動装置に対して、多様な作動制御が可能なBY−WIRE化の動きが進んでおり、これらの駆動源として電動モータを使用した電動アクチュエータを適用することが進んでいる。電動アクチュエータは、電動モータの回転駆動力を直線駆動力に変換して出力するものが多く、この駆動力変換機構には、変換ロスの少ないボールねじ機構を用いたものが多く採用されている。
【0003】
このように駆動力変換機構にボールねじ機構を用いた電動アクチュエータは、ボールねじは一般的なすべりねじと異なり、ねじ軸とナット間の摩擦抵抗が非常に小さく、電動モータへの逆入力を遮断することができないので、回転駆動力の伝達部に逆入力を防止するクラッチ機構を設けたものが多い(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたものでは、電動モータの回転駆動力をボールねじ機構のナットに伝達してねじ軸の直線駆動力に変換するようにし、電動モータへの逆入力を防止するクラッチ機構を、電動モータからナットへの回転駆動力の伝達部に設けている。また、特許文献2に記載されたものでは、電動モータの回転駆動力をボールねじ機構のねじ軸に伝達してナットの直線駆動力に変換し、クラッチ機構をねじ軸への回転駆動力の伝達部に設けている。
【0005】
上述したような回転駆動力の伝達部に設けられるクラッチ機構には、内輪と外輪の間に保持器で保持した複数のころやスプラグ等の係合子を介在させ、これらの係合子を内輪と外輪に設けたカム面に摩擦力で係合させて、内輪と外輪の相対回転をロックするものが多く採用されている。この種のクラッチ機構では、一度カム面に係合子が係合すると、その係合を解除するのに係合時のトルクの1.5〜2倍程度の解除トルクを必要とするのが一般的である。このため、従来は、十分に大きな解除トルクを付与できる電動モータを採用しており、電動アクチュエータの小型化や低コスト化が難しい問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−144124号公報(第1−4図)
【特許文献2】特開2003−232390号公報(第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された電動アクチュエータのクラッチ機構では、前記解除トルクを低減するために、係合子であるころの係合解除側に当接される保持器のポケット端面に、ころの外周面をその中心位置よりも半径方向外側で押圧する突出部を形成し、係合解除側に押圧されるころにモーメント荷重を付与するようにしている。
【0008】
このクラッチ機構は、係合子であるころの解除トルクを低減するために、ころの外周面を押圧する尖った突出部を保持器のポケット端面に形成しているので、係合子や突出部が損傷しやすい問題がある。また、複数の係合子を個別に各突出部で押圧するので、各突出部間に寸法のばらつきがあると、各係合子を押圧するタイミングがずれ、一部の係合子に押圧力が集中して、より損傷が発生しやすくなる問題もある。さらに、各突出部を精度よく成形するのに手間がかかる問題もある。
【0009】
そこで、本発明の課題は、クラッチ機構の複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明のクラッチ機構は、内輪と外輪の間に保持器で保持した複数の係合子を介在させ、これらの係合子を前記内輪と外輪に設けたカム面に摩擦力で係合させて、前記内輪と外輪の相対回転をロックするクラッチ機構において、前記内輪、外輪または保持器の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段を設け、前記内輪と外輪の相対回転のロックを解除するときに、前記係合子が前記カム面に係合する摩擦力を低減する構成を採用した。
【0011】
すなわち、内輪、外輪または保持器の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段を設け、内輪と外輪の相対回転のロックを解除するときに、係合子がカム面に係合する摩擦力を低減することにより、複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減できるようにした。
【0012】
前記振動付与手段を、圧電素子によって高周波振動を付与するものとすることにより、優れた応答性で振動を付与することができる。
【0013】
また、本発明の電動アクチュエータは、電動モータの回転駆動力をボールねじ機構で直線駆動力に変換して出力し、前記電動モータへの逆入力を防止するクラッチ機構を前記回転駆動力の伝達部に設けた電動アクチュエータにおいて、前記クラッチ機構に、上述したいずれかのクラッチ機構を採用することにより、クラッチ機構の複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減できるようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明のクラッチ機構は、内輪、外輪または保持器の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段を設け、内輪と外輪の相対回転のロックを解除するときに、係合子がカム面に係合する摩擦力を低減するようにしたので、複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減することができる。
【0015】
前記振動付与手段を、圧電素子によって高周波振動を付与するものとすることにより、優れた応答性で振動を付与することができる。
【0016】
また、本発明の電動アクチュエータは、電動モータの回転駆動力をボールねじ機構で直線駆動力に変換して出力し、電動モータへの逆入力を防止するクラッチ機構を回転駆動力の伝達部に設けた電動アクチュエータにおいて、クラッチ機構に、上述したいずれかのクラッチ機構を採用したので、クラッチ機構の複数の係合子を損傷することなく、各係合子の解除トルクを同じタイミングで簡単に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1(a)、(b)は、第1の実施形態のクラッチ機構1を採用したトルクダイオードを示す。このトルクダイオードは、入力軸11と出力軸12が同軸上にそれぞれ玉軸受16、17で支持され、出力軸12の端面に設けられた2本のピン13が入力軸11の端面に設けられた長穴14に隙間を設けて挿入されており、これらのピン13と長穴14の係合によって入力軸11の回転が出力軸12に伝達されるとともに、ハウジング15に設けられた外輪2、出力軸12に設けられた内輪3、およびこれらの間に入力軸11に設けられた保持器4で保持された係合子としての複数のころ5によって、出力軸12の回転を外輪2にロックするクラッチ機構1が形成されている。
【0018】
前記クラッチ機構1の外輪2の内径面は円筒面、内輪3の外径面は六角筒面とされ、間にばね6を介在させて2本ずつを1組としたころ5が、内輪3の六角筒面の各カム面3aに相当する位置で、保持器4の各ポケット4aに収納されている。また、外輪2には、各ころ5の解除トルクを低減するために高周波振動を付与する圧電素子7が、120°の位相で3箇所に取り付けられている。
【0019】
以下に、前記クラッチ機構1の作用を説明する。入力軸11が駆動されずに停止しているときは、図2(a)に示すように、2本1組の各ころ5はばね6で互いに離反する方向へ押圧され、それぞれ外輪2と内輪3の各カム面2a、3aと係合して、出力軸12を正逆両方向でロックする。
【0020】
図2(b)に示すように、前記入力軸11が例えば正方向(右回り)に回転すると、出力軸12と一体に形成された保持器4が左側のころ5を各カム面2a、3aから離脱する方向に押圧する。このとき、圧電素子7が作動されて高周波振動が外輪2に付与され、左側のころ5の各カム面2a、3aへの係合が同じタイミングで簡単に解除される。なお、右側のころ5は、正方向回転のときは各カム面2a、3aと係合しない。
【0021】
図2(c)に示すように、前記入力軸11がさらに正方向に回転すると、出力軸12に設けられたピン13が入力軸11に設けられた長穴14に係合し、入力軸11の正回転が出力軸12に伝達される。図示は省略するが、入力軸11が逆方向に回転する場合も同様の作用で出力軸12に逆回転が伝達され、この場合は、圧電素子7で付与される高周波振動によって、右側のころ5の各カム面2a、3aへの係合が同じタイミングで簡単に解除される。
【0022】
図3は、第1の実施形態のクラッチ機構のカム面へ高周波振動を付与する変形例を示す。この変形例では、前記圧電素子7が出力軸12の端面に、スラスト針状ころ軸受18を介して取り付けられており、高周波振動が出力軸12の端面から内輪3に付与されて、ころ5の各カム面2a、3aへの係合が解除される。
【0023】
図4および図5は、第2の実施形態のクラッチ機構を採用した電動アクチュエータを示す。この電動アクチュエータは、図4に示すように、ハウジング31に電動モータ32、遊星歯車減速機構33およびボールねじ機構34を組み込んだものであり、電動モータ32のロータ32bの回転が遊星歯車減速機構33を介してボールねじ機構34のナット34aに伝達され、ナット34aの回転がボール34bを介してねじ軸34cの直線運動に変換されるようになっている。ハウジング31には、ねじ軸34cの先端が突き出す開口を有する前蓋31aと、ねじ軸34cの回り止めピン35が取り付けられた後蓋31bとが取り付けられている。
【0024】
前記電動モータ32のステータ32aは円筒状のハウジング31の内径面に固定され、ロータ32bの前方への延長部の外径面に遊星歯車減速機構33の太陽歯車33aが設けられ、ハウジング31の内径面に固定された内歯車33bの間に遊星歯車33cが噛み合わされている。遊星歯車33cは、ボールねじ機構34のナット34aをキャリヤとして、軸ピン36に回転自在に支持されている。
【0025】
前記ボールねじ機構34のナット34aは、ハウジング31の内径面に玉軸受37で回転自在に支持されるとともに、クラッチ機構21で逆回転をロックされ、電動モータ32への逆入力が防止されるようになっている。
【0026】
前記クラッチ機構21は、図5に示すように、ハウジング31の内径面に固定された外輪22、ナット34aに設けられた内輪23、およびこれらの間に保持器24で保持された係合子としての複数のころ25とで形成されており、第1の実施形態のものと同様に、各ころ25の解除トルクを低減するために、外輪22に高周波振動を付与する圧電素子27が取り付けられている。
【0027】
前記保持器24は内輪23側に回転を固定され、保持器24のポケット24aに収納された各ころ25は、外輪22と内輪23に設けられた各カム面22a、23aと係合する方向へばね26で付勢されている。各ころ25は、内輪23が右回りの回転を電動モータ32から伝達されるときは各カム面22a、23aと係合せず、逆入力によって内輪23が左回りに逆回転するときに各カム面22a、23aと係合して、内輪23すなわちナット34aがロックされる。この実施形態の場合も、各ころ25の各カム面22a、23aへの係合は、圧電素子27で付与される高周波振動によって同じタイミングで簡単に解除される。
【0028】
上述した各実施形態では、解除トルクを低減する高周波振動を圧電素子で外輪や内輪に付与したが、高周波振動は保持器に付与してもよく、振動付与手段も圧電素子に限定されることはない。
【0029】
また、上述した各実施形態では、クラッチ機構の係合子をころとしたが、本発明に係るクラッチ機構は、スプラグを係合子とするものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】aは第1の実施形態のクラッチ機構を採用したトルクダイオードを示す縦断面図、bはaのIb−Ib線に沿った断面図
【図2】a、b、cは、それぞれ図1のクラッチ機構の作用を説明する断面図
【図3】第1の実施形態のクラッチ機構のカム面へ高周波振動を付与する変形例を示す縦断面図
【図4】第2の実施形態のクラッチ機構を採用した電動アクチュエータを示す縦断面図
【図5】図4のV−V線に沿った断面図
【符号の説明】
【0031】
1 クラッチ機構
2 外輪
3 内輪
2a、3a カム面
4 保持器
4a ポケット
5 ころ
6 ばね
7 圧電素子
11 入力軸
12 出力軸
13 ピン
14 長穴
15 ハウジング
16、17 玉軸受
18 スラスト針状ころ軸受
21 クラッチ機構
22 外輪
23 内輪
22a、23a カム面
24 保持器
24a ポケット
25 ころ
26 ばね
27 圧電素子
31 ハウジング
31a 前蓋
31b 後蓋
32 電動モータ
32a ステータ
32b ロータ
33 遊星歯車減速機構
33a 太陽歯車
33b 内歯車
33c 遊星歯車
34 ボールねじ機構
34a ナット
34b ボール
34c ねじ軸
35 回り止めピン
36 軸ピン




 

 


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