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発明の名称 固定型等速自在継手の組立方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2869(P2007−2869A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180779(P2005−180779)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾
発明者 門田 哲郎
要約 課題

継手の高作動角を目的としてボールを外側継手部材の案内溝から外側に出しても脱落しないように保持器の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくした場合でも継手を組立可能にすること。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、前記ボールを保持する保持器とを備え、前記外側継手部材と内側継手部材が折曲角52°以上をとった状態で外側継手部材の外側に出る前記ボールを内側継手部材の案内溝に保持すべく前記ボールを収容する保持器の窓の外周側窓開き寸法を窓の内側に張出す張出し部によって前記ボールの径より小さくした固定型等速自在継手において、前記保持器内に内側継手部材を組込み、この保持器と内側継手部材を前記外側継手部材内に組込んだ後、内側継手部材を保持器に対して傾斜させ、この傾斜状態で保持器の窓に対してその内側からボールを装入することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項2】
請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の窓の外径側開口縁の一部を切欠いてボールを窓の外径側から装入し、その後、前記切欠きに別部材を充填して窓の内側に張出す張出し部を形成することにより窓の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくすることを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項3】
請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の窓の外径側開口縁の一部を切欠いてボールを窓の外径側から装入し、その後、前記切欠き部の近傍を加締めて窓の内側に張出す張出し部を形成することにより窓の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくすることを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項4】
請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の継手入口側内周面を前記内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、前記外側継手部材内に保持器を組込んだ後、前記ボールを保持器の窓にその内側から装入し、次いで内側継手部材を外側継手部材に対して同軸状態で軸方向に圧入し、最後に前記内側継手部材の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項5】
請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の継手入口側内周面を前記内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、前記外側継手部材内に保持器を組込んだ後、前記ボールを保持器の窓にその内側から装入し、次いで内側継手部材を外側継手部材に対して同軸状態で圧入直前位置まで挿入し、内側継手部材を外側継手部材に対して折曲げ、この折曲げ状態で内側継手部材を保持器内の正規位置まで圧入し、その後内側継手部材を前記同軸状態に戻し、最後に前記内側継手部材の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項6】
請求項1の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材を継手の入口側と奥側の両方を開放した円環状とするとともに、奥側の内径を内側継手部材の外径より大きくし、保持器の継手奥側内周面を内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、外側継手部材内に保持器を組込み、ボールを保持器の窓にその内側から装入し、内側継手部材を同軸状態で外側継手部材の奥側内径から挿入して保持器内に組込み、最後に前記保持器の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項7】
請求項1の固定型等速自在継手において、内側継手部材、ボール及び保持器を、請求項2又は3の方法で組立てた後、この組立体を外側継手部材に圧入することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項8】
請求項1の固定型等速自在継手において、内側継手部材、ボール及び保持器を、請求項2又は3の方法で組立てた後、この組立体を、熱膨張させた外側継手部材に挿入することを特徴とする固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項9】
前記外側継手部材の入口側内周面を円筒面にしたことを特徴とする請求項8の固定型等速自在継手の組立方法。
【請求項10】
前記外側継手部材の円筒面を加締めて保持器の外周面に摺接させたことを特徴とする請求項9の固定型等速自在継手の組立方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車をはじめ各種産業機械の動力伝達用として使用される固定型等速自在継手の組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定型等速自在継手が一般に使用される。この固定型等速自在継手として、従来、ゼッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型(以下UJ型という)等速自在継手が知られている。ゼッパ型の特徴は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、それぞれ、継手中心から軸方向に等距離離れた点を中心とする二つの球の子午線となっていることである(特許文献1参照)。
【0003】
これに対してUJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手の最大折曲角(概ね48゜)よりも高作動角(概ね52°)とするために発明されたもので、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、上記ゼッパ型の子午線の円弧のうち、継手中心を通る軸直角断面より外側継手部材の開口側の部分が継手軸と平行な直線となっている(特許文献2参照)。
【0004】
ところで、従来のゼッパ型等速自在継手あるいはUJ型等速自在継手の組立は、まず保持器内に内側継手部材を組込み、次にそれらを外側継手部材内に組込み、最後に保持器の窓が外側継手部材の入口端面から顕になるほどに内側継手部材を傾け、この傾斜状態でボールを窓の外側から挿入する方法で組立てていた(特許文献3参照)。
【0005】
また、別の組立方法として、まず外側継手部材内に保持器を組込み、次にボールを保持器の窓にその内側から装入し、最後に内側継手部材を外側継手部材に対して同軸状態にして保持器内に圧入する方法がある(特許文献4参照)。
【0006】
継手の作動角をUJ型の52°よりもさらに大きく、例えば60°程度にするには、ボールを外側継手部材の案内溝から外側に出さざるを得ない。そのとき、保持器の軸方向に対向する一対のボール案内面が保持器の半径方向に平行な平面であると、ボールが保持器の窓から外側に脱落してしまい、等速自在継手はその機能を失う。
【0007】
【特許文献1】米国特許第2046584号公報
【特許文献2】特開昭53−65547号公報
【特許文献3】特開2001−349333号公報
【特許文献4】特開平7−98023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
保持器の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくすれば、ボールを外側継手部材の案内溝から外側に出しても内側継手部材の案内溝にボールを保持することができる。したがって、継手の作動角を60°以上にすることも可能である。しかし、その場合、保持器の窓に対してその外側からボールを装入することが不可能になる。このため、少なくとも特許文献3の従来の継手の組立方法は採用することができないことになる。
本発明は、斯かる実情に鑑み固定型等速自在継手の新規な組立方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1の発明は、球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、前記ボールを保持する保持器とを備え、前記外側継手部材と内側継手部材が折曲角52°以上をとった状態で外側継手部材の外側に出る前記ボールを内側継手部材の案内溝に保持すべく前記ボールを収容する保持器の窓の外周側窓開き寸法を窓の内側に張出す張出し部によって前記ボールの径より小さくした固定型等速自在継手において、前記保持器内に内側継手部材を組込み、この保持器と内側継手部材を前記外側継手部材内に組込んだ後、内側継手部材を保持器に対して傾斜させ、この傾斜状態で保持器の窓に対してその内側からボールを装入することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の窓の外径側開口縁の一部を切欠いてボールを窓の外径側から装入し、その後、前記切欠きに別部材を充填して窓の内側に張出す張出し部を形成することにより窓の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくすることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の窓の外径側開口縁の一部を切欠いてボールを窓の外径側から装入し、その後、前記切欠き部の近傍を加締めて窓の内側に張出す張出し部を形成することにより窓の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくすることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の継手入口側内周面を前記内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、前記外側継手部材内に保持器を組込んだ後、前記ボールを保持器の窓にその内側から装入し、次いで内側継手部材を外側継手部材に対して同軸状態で軸方向に圧入し、最後に前記内側継手部材の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、前記保持器の継手入口側内周面を前記内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、前記外側継手部材内に保持器を組込んだ後、前記ボールを保持器の窓にその内側から装入し、次いで内側継手部材を外側継手部材に対して同軸状態で圧入直前位置まで挿入し、内側継手部材を外側継手部材に対して折曲げ、この折曲げ状態で内側継手部材を保持器内の正規位置まで圧入し、その後内側継手部材を前記同軸状態に戻し、最後に前記内側継手部材の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材を継手の入口側と奥側の両方を開放した円環状とするとともに、奥側の内径を内側継手部材の外径より大きくし、保持器の継手奥側内周面を内側継手部材を同軸状態で挿入可能な円筒面とし、外側継手部材内に保持器を組込み、ボールを保持器の窓にその内側から装入し、内側継手部材を同軸状態で外側継手部材の奥側内径から挿入して保持器内に組込み、最後に前記保持器の円筒面に内側継手部材の球面状外周面と摺接する座面用部材とその止め輪を装着することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、内側継手部材、ボール及び保持器を、請求項2又は3の方法で組立てた後、この組立体を外側継手部材に圧入することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1の固定型等速自在継手において、内側継手部材、ボール及び保持器を、請求項2又は3の方法で組立てた後、この組立体を、熱膨張させた外側継手部材に挿入することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、前記外側継手部材の入口側内周面を円筒面にしたことを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、前記外側継手部材の円筒面を加締めて保持器の外周面に摺接させたことを特徴とする。
【0019】
以上の組立方法によれば、保持器の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくしても組立可能である。したがって、従来にない60°を超える折曲角を持つ固定型等速自在継手を実現することができる。
【0020】
ボールは保持器の窓の内径側から装入する他、保持器の窓の外径側からも装入することができる。この場合、はじめに保持器の窓の外径側にボールを装入可能なように肉盗みを作っておき、ボールを保持器の窓に装入した後、その肉盗みに別部材を充填するか、あるいは窓の外径側縁部近傍を塑性加工等で変形させて肉を盛り上げボールの抜け止めを形成する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の固定型等速自在継手の組立方法によれば、保持器の外周側窓開き寸法をボールの径より小さくしても組立可能であるから、従来にない60°を超える折曲角を持つ固定型等速自在継手を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1(A)〜(C)は、本発明の第1の組立方法を適用する固定型等速自在継手の一形態を示すもので、図1(A)は組立完了前、(B)は組立完了後で折曲角0°の状態、(C)は組立完了後で折曲角60°の状態を示す。この固定型等速自在継手は、図2のように、内周球面1aに8本の曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した軸付きカップ状の外側継手部材1と、外周球面2aに8本の曲線状の案内溝2bを軸方向に形成し、スプライン(またはセレーション)孔2cを有する内側継手部材2と、スプライン孔2cに一端が嵌合されたシャフト3と、外側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2bとが協働して形成する8本のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボール4と、ボール4を保持する保持器5とで構成される。
【0023】
固定型等速自在継手はダブルオフセット型と呼ばれるもので、外側継手部材1と内側継手部材2の二つの案内溝1b,2bの中心は、外側継手部材1の内周球面1aと内側継手部材2の外周球面2aの共通の中心Oに対して、それぞれ、軸方向反対側に等距離だけオフセットされる。これにより、案内溝1bと、これに対応する案内溝2bとが協働して形成するボールトラックは、継手の開口側に向って開いた楔状となる。
【0024】
図1(B)に示すように、二軸間に角度変位がない場合、すなわち二軸の回転軸線が一直線となった状態では、すべてのトルク伝達ボール4の中心が継手中心Oを含み回転軸線に垂直な平面内にある。外側継手部材1と内側継手部材2とが図1(C)のように例えば角度θだけ角度変位すると、保持器5によってトルク伝達ボール4が、角度θを二等分する平面内に配向せしめられ、これにより継手の等速性が確保される。
【0025】
保持器5は円環状部材で構成され、その外周面は外側継手部材1の内周球面1aと摺接する外周球面5aとされるとともに、内周面は内側継手部材2の外周球面2aと摺接する内周球面5bとされる。保持器5の周壁に、ボール4と同数の窓6が研削やミーリング等で貫通形成される。窓6の形状は例えば矩形であって、保持器5の円周方向に等間隔で形成される。
【0026】
本発明を適用する等速自在継手は、外側継手部材1と内側継手部材2が折曲角52°以上をとった状態で外側継手部材1の外側にボール4が出るようになっている。保持器5の窓6の外周側窓開き寸法は、窓6の内側に張出す張出し部によってボール4の径より小さくしているので、図1(C)のように折曲角60°の状態で外側継手部材1の入ロ側のボール4は外側継手部材1の案内溝1bから完全に外側に外れているが、ボール4は保持器5の窓6から脱落することなく依然として内側継手部材2の案内溝2bに保持される。詳しくは、図3のように、窓6の外周側窓開き寸法を、内側に張出す張出し部(6a2と6b2)によって、ボール4の径(間隔D1と等しい)よりもやや狭くしている。すなわち、保持器5の窓6の継手軸方向に対向する一対のボール案内面6a、6bを、保持器5の外周球面5aと内周球面5bの中間に位置する仮想球面Sの内側部分6a1、6b1では互いに平行にするが(間隔D1)、仮想球面の外側部分6a2、6b2ではボール4の表面曲率に合わせた円筒面とする(最小間隔D2)。図3ではボール案内面6a、6bの内側部分6a1、6b1を仮想球面Sよりもやや外側寄りまで延在した状態で図示するが、これは保持器5の内外のボール突出量の遊びを設けるためである。
【0027】
保持器5の継手入口側内周面は、内側継手部材2を同軸状態で挿入可能な大きさの円筒面5cとされる。この円筒面5cに、継手の組立完了後に止め輪7を嵌合する溝部5dが形成される。
【0028】
継手の組立方法は、まず保持器5を外側継手部材1内に組み込み、次にボール4を保持器5の窓6に対してその内径側から装入する。次に、内側継手部材2を外側継手部材1に対して同軸に保持した状態で保持器5の内径に圧入する。図1(A)は内側継手部材2を保持器5に圧入する直前の状態を示す。最後に、前記保持器5の円筒面5cに内側継手部材2の外周球面2aと摺接する座面用部材8とその止め輪7を装着して継手の組立を完了する。
【0029】
図4に示す組立方法は、ボール4を保持器5の窓6に対してその外径側から装入する本発明の第2の組立方法の一例である。この組立方法を適用する継手の保持器5には、前述した図3のような円筒面5cはなく、保持器5の内周は完全な内周球面5bとされる。外側継手部材1の入口側に位置する保持器5の窓6のボール案内面の縁部に、肉盗みとなる溝部5eを予め形成しておく。すなわち、継手の完成状態では、保持器5の窓6の外周側窓開き寸法を窓6の内側に張出す張出し部によってボール4の径より小さくしているが、これでは窓6の外側からボール4を挿入することができない。張出し部を暫定的に無くしておくことにより、ボール4を保持器5の窓6に対してその外径側から装入することが可能となる。ボール4を窓6の外側から装入した後、溝部5eに別部材9を充填することによって元のように張出し部を復活させ、ボール4を保持器5の窓6内に抱え込む。これで継手の組立を完了する。
【0030】
図5に示す組立方法は、ボール4を保持器5の窓6に対してその外径側から組み込む本発明の第3の組立方法の例である。この組立方法を適用する継手は、保持器5の窓6の外周側窓開き寸法を暫定的にボール4の径とほぼ等しいか、若干大きくしている。すなわち、継手の完成状態では、保持器5の窓6の外周側窓開き寸法を窓6の内側に張出す張出し部によってボール4の径より小さくしているが、このままでは窓6の外側からボール4を挿入することができない。保持器5の窓6の外径側窓開き寸法を、最初はボール4の径とほぼ同じか若干大き目にしておくことにより、ボール4を保持器5の窓6に対してその外径側から装入することが可能となる。保持器5の材料(少なくとも保持器5の窓6の外径側縁部の材料)は、塑性加工が可能なように軟質にしておく。そのことにより、ボール4を窓6に対してその外径側から装入した後、保持器5の窓6の外径側縁部近傍を先端がR面の加締め工具Tで押え、保持器5の窓6のボール案内面内側に保持器材料の肉を盛り上げることで、ボール4を保持器5の窓6内に抱え込むことができる。これで継手の組立を完了する。
【0031】
図6に示す組立方法は、本発明の第4の組立方法の一例であって、図1と同じ継手を使用する。この継手の組立方法は、まず保持器5を外側継手部材1内に組み込み、次にボール4を保持器5の窓6に対してその内径側から組み込む。次に、内側継手部材2を外側継手部材1に対して同軸に保持した状態で保持器5内の圧入直前位置まで挿入する。次に、内側継手部材2を外側継手部材1に対して折曲角を付けた姿勢を保持しつつ、内側継手部材2を保持器5に圧入する。図6はこの圧入直前の状態を示す。内側継手部材2を保持器5に圧入した後、内側継手部材2を外側継手部材1に対して折曲角0°の状態に戻し、図3と同様に、保持器5の円筒面5cに内側継手部材2の外周球面2aと摺接する座面用部材8とその止め輪7を装着して継手の組立を完了する。
【0032】
図7に示す組立方法は、本発明の第5の組立方法の一例であって、円環状にした外側継手部材1’を使用する。すなわち、この外側継手部材1’は入口側と奥側の両方を開口させたもので、奥側の内径D3は内側継手部材2をここから挿入できるように、内側継手部材2の外径D4よりやや大き目にしておく(D4<D3)。また、保持器5の継手奥側内周面を、内側継手部材2を同軸状態で挿入可能な円筒面とする(図3の左右反転形状に相当)。継手の組立は、まず外側継手部材1’内に保持器5を組込み、ボール4を保持器5の窓6にその内側から装入し、内側継手部材2を同軸状態で外側継手部材1’の奥側内径D3から挿入して保持器5内に組込む。最後に、保持器5の前記円筒面に内側継手部材2の球面状外周面と摺接する座面用部材8とその止め輪7を装着して継手の組立を完了する。この組立方法によれば、内側継手部材2を外側継手部材1’に圧入することなく組み込むことができる。
【0033】
図8(A)(B)に示す組立方法は、本発明の第6の組立方法の一例であって、まず保持器5と内側継手部材2を組み込み、次に保持器5と内側継手部材2を傾けて保持器5の内径側からボール4を組み込み、最後に保持器5と内側継手部材2とボール4が組み上がったものを外側継手部材1に同軸状にして押し込む。これで継手の組立を完了する。この押し込みの際、外側継手部材1の開口側が半径方向外方にわずかに弾性変形して、外側継手部材1の案内溝1bに対するボール4の挿入と、外側継手部材1の内周球面1aに対する内側継手部材2の外周球面2aの嵌合を許容する。案内溝1bにボール4を挿入した後、外側継手部材1の開口側は元の内径に弾性復帰する。
外側継手部材1に対する押し込み力を軽減するため、外側継手部材1を予め熱膨張させておき、保持器5と内側継手部材2とボール4が組み上がったものを押し込んだ後、外側継手部材1を冷却するようにしてもよい。
【0034】
図9(A)(B)に示す組立方法は、本発明の第7の組立方法の一例であって、図8(A)の外側継手部材1への圧入力を軽減するために、外側継手部材1の入ロ側球面内径を円筒状にしたものである。図9(A)は、内側継手部材2とボール4と保持器5を組立てたものを、外側継手部材1に同軸状に圧入する直前の状態である。図9(B)のように、内側継手部材2とボール4と保持器5を組立てたものを、外側継手部材1に圧入した後、外側継手部材1の入口側端面を工具Tにより加締め、保持器5の抜け止めを行なって継手の組立を完了する。
【0035】
なお、本発明の固定型等速自在継手の組立方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(A)〜(C)は本発明の第1の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図であって、(A)は内側継手部材の圧入直前状態、(B)は組立完了状態、(C)は限界作動角をとった状態を示す。
【図2】本発明の第1の組立方法を適用する固定型等速自在継手の横断面図である。
【図3】保持器の窓部分の断面図である。
【図4】本発明の第2の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図である。
【図5】本発明の第3の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図である。
【図6】本発明の第4の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図である。
【図7】本発明の第5の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図である。
【図8】(A)(B)は、本発明の第6の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図であって、(A)は内側継手部材の圧入直前状態、(B)は組立完了状態を示す。
【図9】(A)(B)は、本発明の第7の組立方法を適用する固定型等速自在継手の縦断面図であって、(A)は内側継手部材の圧入直前状態、(B)は組立完了状態を示す。
【符号の説明】
【0037】
1 外側継手部材
1a 内周球面
1b 案内溝
2 内側継手部材
2a 外周球面
2b 案内溝
2c スプライン孔
3 シャフト
4 トルク伝達ボール
5 保持器
5a 外周球面
5b 内周球面
5c 円筒面
5d 溝部
5e 溝部
6 窓
6a ボール案内面
6a1 内側部分
6a2 外側部分
7 止め輪
8 座面用部材
9 別部材
T 工具




 

 


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