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発明の名称 真空断熱材、および真空断熱材の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16927(P2007−16927A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199651(P2005−199651)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 明山 悠香子
要約 課題
真空断熱材端面からのガス侵入を抑制し、これによって内部の真空度を保持し、真空断熱材の断熱性能を長期に渡って維持する。

解決手段
真空断熱材10の外被材11の少なくとも一辺の溶着部が、外部加熱方式による溶着部14と内部加熱方式による溶着部15により形成されるものである。2つの方式を組み合わせることによって、端面の熱溶着層を薄肉化し、ガス侵入抵抗を増大することによって、ガス侵入を抑制、断熱性能を維持する。また、減圧下で外部加熱方式による溶着を行い、常圧下で内部加熱方式による溶着を行うために、減圧下で内部加熱方式による溶着を行うのに比べ、設備投資コストも低減できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも芯材と、前記芯材を被覆する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記外被材の少なくとも一辺の溶着部が、外部加熱方式による溶着部と内部加熱方式による溶着部により形成される真空断熱材。
【請求項2】
内部加熱方式が、超音波シールである請求項1の真空断熱材。
【請求項3】
内部加熱方式による溶着部が、凹凸形状を有する請求項1または2に記載の真空断熱材。
【請求項4】
内部加熱方式による溶着部が、外部加熱方式による溶着部よりも外周側にある請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
【請求項5】
内部加熱方式による溶着部が、蛇腹状である請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
【請求項6】
少なくとも芯材と、前記芯材を被覆する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材の製造方法であって、前記外被材の少なくとも一辺を、減圧下で外部加熱方式により溶着した後、常圧下で内部加熱方式によって溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材、真空断熱材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
真空断熱材の断熱性能を長期に渡って維持するためには、外被材にガスバリア性に優れたフィルムを使用することによって外部からのガス侵入を防ぎ、真空断熱材内部の真空度を維持する必要がある。このため、従来は、外被材には金属箔を含むフィルムや蒸着フィルムを含むラミネートフィルムが広く使用されて来た。
【0003】
しかし、フィルム面のバリア性を強化しても、端面はガス透過度の大きい熱溶着層が露出した状態であるため、端面からのガス侵入に対する対策が必要であった。
【0004】
そこで、外被材の封止部分において熱溶着層の一部を薄肉にした薄肉条部を設けた真空断熱材がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図9は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材の断面図である。図9に示すように、真空断熱材1は、外被材2の封止部分の熱溶着層3の一部が薄肉になっている。この薄肉条部4は外被材2の封止部分を特に強く加圧することにより、形成されたもので、外被材2の全周を取り巻くように形成されている。
【0006】
従来の構成は、薄肉条部4によってガスの侵入抵抗が増大し、内部へのガス侵入を抑制することで長期に渡って優れた断熱性能を発揮できた。
【0007】
また、端面を金属膜で覆った真空断熱材がある(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
図10は、特許文献2に記載された従来の真空断熱材の断面図である。図10に示すように、真空断熱材5は、端面が別の金属膜6で覆われており、真空断熱材5の全周を金属材料で囲んだ構成となっている。
【0009】
従来の構成は、端面の金属膜6がガス侵入を抑制することで、長期に渡って真空を維持できた。
【0010】
また、端面を外被材のうち一方のフィルムによって覆った真空断熱材の製造方法がある(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
図11は、特許文献に記載された従来の真空断熱材の断面図である。図11に示すように、真空断熱材7は、端面が一方のフィルム8によって覆われる構成となっている。これは、一方のフィルム8を他方のフィルム9よりはみ出す大きさにし、このはみ出した部分を他方のフィルム9に沿って折り返して他方のフィルム9に折り重ねた後、この折重ね部をシールすることで得られる。
【0012】
従来の構成は、端面の熱溶着層を2層以上とすることで、内側に形成される熱溶着層が外部に露出しないため、内部の真空度の低下が抑制され、断熱性能を維持できた。
【特許文献1】実開昭62−141190号公報
【特許文献2】特開昭61−240084号公報
【特許文献3】特開2000−104889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1では、薄肉条部4を形成するために、一度溶着した部分に再度非常に強い力をかけながらフィルム(外被材2)を加熱する。このため、熱によるフィルム(外被材2)の劣化が起きてしまうという課題があった。
【0014】
また、上記特許文献2では、端面を覆うための別の材料(金属膜6)が必要となるため、材料コストがUPしてしまう。また、端部の金属膜6が、熱橋になるために断熱性能が低下してしまうという課題があった。
【0015】
また、上記特許文献3では、材料コストがUPするとともに折り重ねる工程やシールする工程が必要になるため製造コストもUPしてしまう。また、熱溶着層がフィルムの最外層にある構成であるため、シールバーにくっつき易くなり、製造効率が悪くなってしまうなどの課題があった。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するもので、端面からのガス侵入を抑制し、これによって、真空断熱材の断熱性能を長期に渡って維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、外被材の溶着部が、外部加熱方式による溶着部と内部加熱方式による溶着部により形成される。内部加熱方式による溶着により、端面の熱溶着層を薄肉化することで、ガス侵入を抑制する。これによって、長期に渡って断熱性能を維持する。
【0018】
また、内部加熱方式はフィルム界面または所望の樹脂層が、最も温度が高くなる溶着方式であるために、フィルムへの熱による劣化も外部加熱方式を繰り返すのに比べて抑えることができる。
【0019】
また、内部加熱方式による溶着を常圧下で行うために、減圧下で内部加熱方式による溶着を行うのに比べて、設備投資コストを低減できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の真空断熱材は、端面からのガス侵入が抑制されるために、長期に渡って断熱性能を維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、少なくとも芯材と、前記芯材を被覆する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記外被材の少なくとも一辺の溶着部が、外部加熱方式による溶着部と内部加熱方式による溶着部により形成されるものである。
【0022】
ここで、外部加熱方式とは、インパルスシール、ヒートシールなど外被材の最外層が最も高温になるような温度勾配を生じる加熱方式をいう。これに対して、内部加熱方式とは、超音波シール、高周波シールなど外被材の溶着面または所望の樹脂の界面が最も高温になるような温度勾配を生じる加熱方式をいう。
【0023】
ここで、超音波シールとは、超音波を振動に変換し、フィルム界面の摩擦により熱を生じ、この熱により溶着する方式である。また、高周波シールとは、高周波電界内に誘電体を入れることで分子が振動して隣接分子同士の摩擦により熱を生じ、この熱により溶着する方式であり、熱溶着層以外の溶着も可能である。
【0024】
ゆえに、内部加熱方式を用いると、熱溶着層や所望の樹脂層を効率よく加熱することができるため、外部加熱方式に比べてフィルムの他の層へのダメージが小さい。内部加熱方式によって、溶着層を薄肉化して端面の断面積を小さくしたり、端面のガス侵入経路を長くしたり、端面を被覆したりすることができるために、端面からのガス侵入が抑制され、長期に渡って断熱性能を維持できる。
【0025】
なお、内部加熱方式による溶着部は、外部加熱方式の溶着部に隣接していてもしていなくてもよい。隣接させるほうがよりひれ(断熱性能を有しない外被材のみからなる部分)の長さを短くできる。また、内部加熱方式による溶着部は、外部加熱方式による溶着部の外側にあっても内側にあっても両方にあってもよい。
【0026】
また、高周波シールを使用する場合、外部加熱方式により溶着した部分と同じ部分を再度溶着してもよいし、熱溶着層以外の層を溶着してもよい。なお、溶着部の面積が増えるほどガス侵入経路が長くなるため、ガス侵入を抑制する効果は高くなる。
【0027】
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における内部加熱方式を超音波シールとするものである。
【0028】
内部加熱方式の中でも、超音波シールは、ホーンの先端形状を選択することにより、溶着部に凹凸形状を形成することや、フィルムの溶着部を蛇腹状にすることが容易にできるため、他の方式に比べて適している。
【0029】
また、本発明における熱溶着層は、外部加熱方式と内部加熱方式の両方で溶着可能な樹脂を選択しなければならないが、超音波シールは、熱可塑性樹脂であれば、ほとんどの樹脂の溶着が可能であり、他の内部加熱方式に比べ溶着できる樹脂の種類が多いために、熱溶着層の材料の選択範囲が広い。
【0030】
また、超音波シールは、超音波により振動を発生し、フィルム界面の摩擦熱で溶着する方式であるため、この振動によりフィルム界面に付着した芯材などの挟雑物を除去でき、強固に溶着することが可能である。
【0031】
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または2に記載の発明において、内部加熱方式による溶着部が、凹凸形状を有するものである。
【0032】
溶着部に凹凸形状を設けることで、部分的に熱溶着層の厚さを薄くできるために端面の断面積が減り、ガスの侵入抵抗が増すためにガス侵入を抑制できる。また、熱溶着層を薄肉化しても凹凸形状によりフィルム同士の噛み合わせが強固になるため、シール強度を確保できる。
【0033】
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、内部加熱方式による溶着部が、外部加熱方式による溶着部より外周側に位置するものである。
【0034】
内部加熱方式による溶着は、外部加熱方式による溶着に比べ、フィルムへのダメージが少ないものの、薄肉化によるフィルムへの負荷はゼロではない。よって、外部加熱方式による溶着部よりも外側に設けることは、薄肉化によるフィルムへの負荷を低減できる。
【0035】
また、内部加熱方式が超音波シールの場合、外側のほうがより振動が伝わりやすいために、溶着が容易であり、挟雑物の除去も容易である。
【0036】
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、内部加熱方式による溶着部が、蛇腹状になっているものである。
【0037】
蛇腹状にすることによって、見かけの溶着部の長さが短くなるため、従来同等のひれ長さで比較した場合、ガスの侵入距離が長くなるため、ガス侵入が抑制できる。
【0038】
請求項6に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、少なくとも芯材と、前記芯材を被覆する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材の製造方法であって、前記外被材の少なくとも一辺を、減圧下で外部加熱方式により溶着した後、常圧下で内部加熱方式によって溶着することを特徴とする。
【0039】
内部加熱方式は、効率的に熱溶着層を加熱するため、外層のフィルムの劣化を抑制できる。また、常圧下で内部加熱方式により溶着することは、減圧下で内部加熱方式によって溶着するのに比べ、大きな設備投資が必要ない。
【0040】
以下に、さらに本発明の詳細を説明する。
【0041】
本発明の外被材のラミネート構成は、特に指定するものではない。例えば、最内層の熱溶着層には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLと略す)、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ナイロン、無延伸エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂などが使用可能であり、特に指定するものではない。また、熱溶着層に吸着剤を含有させてもよい。
【0042】
また、外部からのガス侵入を抑制するために、金属箔や、蒸着フィルム、コーティングフィルム、蒸着コーティングフィルムなどが使用可能である。金属箔は、アルミニウム、ステンレス、鉄やその混合物など、特に指定するものではない。また、蒸着やコーティングの基材となるプラスチックフィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOHと略す)、ポリエチレンナフタレート(以下PENと略す)、ナイロン、延伸ポリプロピレン(以下OPPと略す)、ポリアミド、ポリイミドなど特に指定するものではない。
【0043】
また、蒸着の材料としては、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、シリカ、アルミナ、ダイヤモンドライクカーボンやそれらの混合物など、特に指定するものではない。また、コーティングの材料としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系樹脂やその混合物など特に指定するものではない。また、蒸着コーティングフィルムにおける蒸着とコーティングの積層順序は特に指定するものではない。
【0044】
また、耐ピンホール性や耐摩耗性の向上、難燃性の付与、さらなるバリア性の向上などを目的としてさらに外層や中間層にフィルムを設けることも可能である。
【0045】
ここで、外層や中間層に設けるフィルムは、ナイロン、エチレン・4フッ化エチレン共重合体樹脂、PET、PEN、OPP、EVOHなど、その種類や積層数は、特に指定するものではない。また、蒸着フィルムやコーティングフィルムであってもよい。
【0046】
また、外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋、センターテープシール袋など、特に指定するものではない。
【0047】
また、芯材は、繊維、粉末、発泡樹脂、多孔質体、薄膜積層体など、高い空隙率を有するものであれば特に指定するものではない。例えば繊維系では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維などが使用可能であり、粉末系ではシリカ、パーライト、カーボンブラック、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォームなどが使用可能である。また、これらの混合体や成形体を使用することも可能である。
【0048】
初期断熱性能を要求する場合は、繊維を伝熱方向に対して垂直に積層した繊維またはその成形体を、経時断熱性能を要求する場合は粉末や粉末の成形体を使用するとよい。
【0049】
また、真空断熱材の初期断熱性能や経時断熱性能をより一層向上させるために、水分吸着剤やガス吸着剤を使用することも可能である。使用する吸着剤の種類は、特に指定するものでなく、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイトなどが使用可能であり、これらを単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。また、取り扱い性を向上するために、これらの吸着剤は通気性を有する袋に入れて使用してもよい。
【0050】
真空断熱材の作製方法も、特に指定するものではなく、ラミネートフィルムから外被材を製袋してから、外被材中に芯材を挿入し、内部を減圧し封止して得てもよく、また、真空チャンバー内に芯材と外被材を設置し、外被材を芯材に沿わした状態で、芯材を含有する部分ごと熱溶着して得てもよい。
【0051】
ここで、後者の作製方法の場合は、外被材全面に熱がかかることによるフィルムの劣化が考えられるため、熱溶着層に使用する樹脂の融点に対して、熱溶着層以外に使用する樹脂の融点を40℃以上高いものに設定することが望ましい。
【0052】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0053】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図1において、真空断熱材10は、外被材11と芯材12と吸着剤13とから構成されており、外被材の四辺の溶着部は、外部加熱方式による熱溶着部14と内部加熱方式による熱溶着部15とからなっている。
【0054】
まず、真空断熱材10の製造方法を説明する。
【0055】
まず、同じ大きさの長方形に切った2枚のラミネートフィルムの熱溶着同士を向かい合わせて三辺をヒートシールし、袋状の外被材11を作製する。
【0056】
次に、外被材11の開口部から140℃の乾燥炉にて1時間程度乾燥させた芯材12と吸着剤13を挿入する。これをチャンバー内に設置し、内部を10Pa以下まで減圧した後、開口部をヒートシールする。さらに常圧下で、ヒートシールした溶着部の外側に隣接するように四辺とも超音波シールすることで真空断熱材10を得る。
【0057】
なお、超音波シールによる溶着部は凹凸形状を有しており、ヒートシールによる溶着部の幅、超音波シールによる溶着部の幅はそれぞれ10mmである。
【0058】
次に、真空断熱材10の構成を説明する。
【0059】
外被材11は、二枚の異なる構成のラミネートフィルムにより作製した。外被材11の1枚が、熱溶着層がLL、その外側にアルミ箔、その外側にPET、最外層にナイロンを設けた構成である。また、もう1枚は熱溶着層がLLその外側に蒸着層を有するEVOH、その外側に蒸着層を有するPET、最外層にナイロンを設けた構成であり、蒸着層同士が向き合うようにラミネートされている。また、芯材12は、ガラス繊維から構成される成形体であり、吸着剤13は酸化カルシウムである。
【0060】
ヒートシールで溶着した溶着部14の外側を、超音波シールにより溶着することによって、端面の熱溶着層を薄くできるために、端面の断面積が低下し、ガス侵入抵抗が増大することによって、ガス侵入を抑制し、真空断熱材10の断熱性能を維持できた。
【0061】
このため、芯材12が圧力依存性に優れない繊維系芯材でも断熱性能を維持することができる。さらに、超音波シールを常圧下で行ったため、設備投資コストも低減できた。
【0062】
なお、本実施の形態では最後に四辺を超音波シールしたが、三辺をヒートシールして袋を作製したときに三辺を超音波シールしておいてから真空断熱材10を作製してもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、ヒートシールによる溶着部14と超音波シールによる溶着部15が隣接しているが、隣接していなくてもよい。
【0064】
また、本実施の形態では超音波シールによる溶着部15に凹凸形状を設けたが、図2、図3のように凹凸形状を設けず一部を薄肉化した構成であってもよい。
【0065】
また、本実施の形態では、外部加熱方式としてヒートシール、内部加熱方式として超音波シールを行ったが、その他の外部加熱方式、および内部加熱方式の組み合わせでも同様の効果が得られる。
【0066】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図である。図4において、真空断熱材16は外被材17と芯材18と吸着剤19とから構成されており、外被材の四辺の溶着部は、外部加熱方式による熱溶着部20と内部加熱方式による熱溶着部21とからなっている。
【0067】
まず、真空断熱材16の製造方法を説明する。
【0068】
まず、同じ大きさの長方形に切った2枚のラミネートフィルムの熱溶着同士を向かい合わせて三辺をヒートシールし、袋状の外被材17を作製する。
【0069】
次に、外被材17の開口部から140℃の乾燥炉にて1時間程度乾燥させた芯材18と吸着剤19を挿入する。これをチャンバー内に設置し、内部を10Pa以下まで減圧した後、開口部をヒートシールする。
【0070】
さらに常圧下で、ヒートシールした溶着部の外側に隣接するように四辺とも超音波シールすることで真空断熱材16を得る。なお、超音波シールによる溶着部21は蛇腹状になっており、ヒートシールによる溶着部20の幅、超音波シールによる溶着部21の幅はそれぞれ10mmである。
【0071】
次に、真空断熱材10の構成を説明する。外被材17の構成、芯材18、吸着剤19は実施の形態1と同様である。
【0072】
ヒートシールで溶着した溶着部20の外側を、超音波シールにより蛇腹状に溶着することによって、ガス侵入経路を長くできるためにガス侵入を抑制し、真空断熱材16の断熱性能が維持できる。このため、芯材18が圧力依存性に優れない繊維系芯材でも断熱性能を維持することができる。さらに、超音波シールを常圧下で行ったため、設備投資コストも低減できた。
【0073】
なお、本実施の形態では最後に四辺を超音波シールしたが、三辺をヒートシールして袋を作製したときに三辺を超音波シールしておいてから真空断熱材16を作製してもよい。
【0074】
また、本実施の形態ではヒートシールによる溶着部20と超音波シールによる溶着部21が隣接しているが、隣接していなくてもよい。
【0075】
また、本実施の形態では、外部加熱方式としてヒートシール、内部加熱方式として超音波シールを行ったが、その他の外部加熱方式、および内部加熱方式の組み合わせでも同様の効果が得られる。
【実施例】
【0076】
(実施例1)
実施の形態1において、超音波シールをヒートシールによる溶着部14の内側と外側の両方に隣接するように行った(図5参照)。ヒートシールによる溶着部14の幅は10mm、超音波シールによる溶着部15の幅は内側、外側ともに5mmである。
【0077】
(実施例2)
実施の形態1において、超音波シールをヒートシールによる溶着部14の内周側に隣接するように行った(図6参照)。ヒートシールによる溶着部14の幅は10mm、超音波シールによる溶着部15の幅は10mmである。
【0078】
(実施例3)
実施の形態1において、超音波シールの代わりに高周波シールを行い、最外層のナイロン層を溶着した(図7参照)。
【0079】
実施例1から3のいずれにおいても、外部加熱方式による溶着のみの場合に比べ、ガス侵入が抑制されたために、経時断熱性能が向上した。
【0080】
実施の形態1と実施例1、実施例2を比較すると、トータルの溶着部の面積は同じであるにもかかわらず、実施の形態1が最も経時断熱性能に優れており、続いて実施例1、実施例2の順であった。実施の形態1がヒートシールによる溶着部14の外側のみに超音波シールを行ったのに対し、実施例1では両側に、実施例2では内周側のみに行っている。ゆえに、外部加熱方式による溶着部の内周側に内部加熱方式でのシールを行うと、ごくわずかながらも薄肉化によるフィルムに負荷がかかり、ガスバリア性に影響を与えたことが考えられる。
【0081】
実施例3は、高周波シールで最外層のナイロンを溶着し、端部をナイロンによって覆った構成とすることにより端面からのガス侵入を抑制した。これと同様の構成を狙って外部加熱方式によって最外層のナイロンを溶着する場合、外被材11に250℃以上の熱がかかるため、他のフィルムの劣化が避けられない。しかし、高周波シールではナイロン層を効率的に加熱できるため、他のフィルムへの影響を極力低減できる。
【0082】
(比較例1)
実施の形態1において、超音波シールの代わりにヒートシールを2回行った(図8参照)。2回目のヒートシールは、1回目のヒートシールと同じ部分に行った。2回目のシールは熱溶着層の薄肉化のため1回目に比べて温度、圧力ともに上げた。なお、2回のヒートシールによる溶着部14の幅は合計で20mmである。
【0083】
ヒートシールを繰り返したことによって、高熱と高圧によるフィルムの劣化が生じたために、熱溶着層の薄肉化による改善効果は得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、外被材のガスバリア性が優れているため、長期に渡って断熱性能を維持できる。このため、冷蔵庫のような保冷機器や電気湯沸かし器、炊飯器、保温調理器、給湯器などの保温機器に使用すれば長期に渡り優れた省エネ効果を示す。また、保温保冷機器に限らず、ノート型コンピューターやコピー機、プリンター、プロジェクターのような事務機器への適用や、コンテナボックスやクーラーボックスなどの保冷が必要な用途への適用も可能である。また、さらに、建築材料としての使用や、防寒具や寝具など用途への適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図
【図2】同実施の形態における真空断熱材の変形例を示す断面図
【図3】同実施の形態における真空断熱材の別の変形例を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図
【図5】本発明の実施の形態1の実施例1における真空断熱材の断面図
【図6】本発明の実施の形態1の実施例2における真空断熱材の断面図
【図7】本発明の実施の形態1の実施例3における真空断熱材の断面図
【図8】比較例1における真空断熱材の断面図
【図9】従来の真空断熱材の断面図
【図10】別の従来の真空断熱材の断面図
【図11】さらに別の従来の真空断熱材の断面図
【符号の説明】
【0086】
10 真空断熱材
11 外被材
12 芯材
14 外部加熱方式による熱溶着部
15 内部加熱方式による熱溶着部
16 真空断熱材
17 外被材
18 芯材
20 外部加熱方式による熱溶着部
21 内部加熱方式による熱溶着部




 

 


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