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発明の名称 密閉型圧縮機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16646(P2007−16646A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197179(P2005−197179)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 梅岡 郁友 / 井出 照正 / 丸山 富美夫
要約 課題
小型吸入マフラーによる脈動音の低減と性能の安定化を図る。

解決手段
吸入マフラー140の連通管150の消音空間内開口端154および尾管152の消音空間内開口端158をともに消音空間142の長手方向の中心から離れた位置で同一方向に近接開口させたもので、吸入マフラー140の消音特性に反共鳴周波数171を生成させ、密閉容器内空間141の気柱共鳴周波数162と一致させることにより、効果的に脈動音を低減させるとともに、冷媒ガス200からオイル102の分離作用を促進させ性能の安定化を図ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ピストンが往復動するシリンダと消音空間を形成する吸入マフラーとを備えた圧縮要素を密閉容器内に収容し、前記吸入マフラーは一端が前記シリンダに連通し他端が前記消音空間に連通開口する連通管と、一端が前記密閉容器内空間に連通し他端が前記消音空間に連通開口する尾管とを備えるとともに、前記連通管の前記消音空間内開口端および前記尾管の前記消音空間内開口端をともに前記消音空間の長手方向の中心から離れた位置で同一方向に近接開口させた密閉型圧縮機。
【請求項2】
吸入マフラーの反共鳴周波数と密閉容器内の気柱共鳴周波数を一致させた請求項1に記載の密閉型圧縮機。
【請求項3】
連通管の消音空間内開口端を前記尾管の消音空間内開口端より延出させた請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
【請求項4】
連通管の消音空間内開口端を尾管の消音空間内開口端より上方に位置させた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
【請求項5】
尾管を構成する壁の一面は消音空間の壁と共有され、かつ前記尾管を構成する壁の延長部は前記消音空間が広がる方向に傾斜している請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭用の電気冷凍冷蔵庫などに使用されるインバータ制御方式の密閉型圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に対する要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置等においても、特に低騒音化および高効率化が強く要望されている。
【0003】
従来、この種の密閉型圧縮機としては、樹脂製の吸入マフラーを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
【0005】
図5は特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図6は従来の吸入マフラーの正面図、図7は図6の従来の吸入マフラーのA−A’線断面図である。
【0006】
図5から図7において、密閉容器1は、巻線部3aを保有する固定子3と回転子4からなる電動要素5と、電動要素5によって駆動される圧縮要素6と、密閉容器1の下部に貯留したオイル8を収容する。
【0007】
クランクシャフト10は、回転子4を圧入固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心部12を有するとともに、主軸部11の内部にはオイルポンプ13がオイル8中に開口するよう設けてある。シリンダーブロック20は、略円筒形の圧縮室22を有するとともに主軸部11を軸支する軸受け部23を有し、電動要素5の上方に形成されている。
【0008】
ピストン30は、圧縮室22に往復摺動自在に挿入され、偏心部12との間を連結手段31によって連結されている。バルブプレート32は圧縮室22の端面を封止しており、板バネ状の可動弁33は、バルブプレートに穿設され、圧縮室22と連通する吸入孔34とともに吸入バルブ35を構成する。ヘッド36は、高圧室を形成し、バルブプレート32の圧縮室22の反対側に固定される。吸入管39は、密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガスであるR134a(図示せず)を密閉容器1内に導く。
【0009】
ここで、密閉容器1は鉄板をプレス加工することで成型され、密閉容器1内の気柱共鳴周波数は冷媒ガスR134aを用いた時、約500Hzである。
【0010】
吸入マフラー40は、内部に消音空間41を形成する。消音空間41は左右に分かれたA部屋40aとB部屋40bの2つの部屋と、これらA部屋40aとB部屋40bとを連通する連通空間40cとから形成されている。第1連通路42は可動弁33と消音空間41とを連通しており、約50度の角度で消音空間41内に屈曲して延出し、第1開口部42aが消音空間41内に開口している。第2連通路43は、密閉容器1内と消音空間41とを連通しており、消音空間41内で第2開口部43aが消音空間41内に延出開口している。なお、A部屋40aは約500Hzの共鳴型マフラーを形成している。
【0011】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0012】
電動要素5の回転子4はクランクシャフト10を回転させ、偏心部12の回転運動が連結手段31を介してピストン30に伝えられることでピストン30は圧縮室22内を往復運動することにより、冷却システム(図示せず)から密閉容器1内にR134a冷媒ガスが流入し吸入管39を通して密閉容器1内に導かれる。吸入されたR134a冷媒ガスは吸入マフラー40の第2連通路43を経てB部屋40bに開放した後、第1連通路42を経て吸入孔34を通り、可動弁33の開いた時に圧縮室22内に流入そして圧縮し、冷却システムへと吐き出される。
【0013】
ここで、圧縮室22内へ冷媒ガスR134aが吸い込まれるとき、可動弁33は開閉を行なうが、この際、可動弁33は開閉時、様々な周波数を含む圧力脈動を発生し、上記冷媒流れの逆向きに伝播していく。この圧力脈動のうち、気柱共鳴モードである500Hzが密閉容器1内に達するとこれが加振源となり、密閉容器1内で密閉容器1の気柱共鳴モードである500Hz帯域の騒音が増加する。しかしながら、A部屋40aは約500Hzの共鳴型マフラーを形成していることから、圧力脈動のうち500Hz帯域音はA部屋40aで大きく減衰される。
【特許文献1】特開2003−172265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の構成では、吸入マフラー40の消音空間41自体で特定の周波数に対する共鳴型マフラーを構成する必要があり、容積を小さくすることが困難であった。
【0015】
さらに、第1開口部42aと第2開口部43aの開口端が対向しているため、途中、消音空間41に開放され、冷媒ガスの流速が低下しオイル分離を行うが、殆どの冷媒ガスはそのまま第1連通路42により導かれオイル8を多分に含んだ冷媒ガスが圧縮室22へ導かれる。
【0016】
このため、内部形状を維持しながら小型化を図った従来の吸入マフラーでは十分な消音量が得られず脈動音を減衰させることができないとともに、オイル8を多く含んだ冷媒ガスを圧縮することになり性能を悪化させていた。
【0017】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、騒音が低く、かつ性能が安定した密閉型圧縮機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラーの連通管の消音空間内開口端および尾管の消音空間内開口端をともに前記消音空間の長手方向の中心から離れた位置に近接開口させることにより、吸入マフラーの消音特性に反共鳴部を生成させ、特定の対象周波数と一致させることにより、効果的に脈動音を低減させる作用を有する。
【0019】
また、連通管の消音空間内開口端および尾管の消音空間内開口端を同一方向に開口させるとともに、連通管の消音空間内開口端を尾管の消音空間内開口端より延出させることにより、吸入マフラー内での冷媒ガスのオイル分離を促進させる作用を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラーの消音空間が減少しても脈動音を効果的に減衰させ、冷媒ガスのオイル分離を促進させることで、騒音が低く、性能を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
請求項1に記載の発明は、ピストンが往復動するシリンダと消音空間を形成する吸入マフラーとを備えた圧縮要素を密閉容器内に収容し、前記吸入マフラーは一端が前記シリンダに連通し他端が前記消音空間に連通開口する連通管と、一端が前記密閉容器内空間に連通し他端が前記消音空間に連通開口する尾管とを備えるとともに、前記連通管の前記消音空間内開口端および前記尾管の前記消音空間内開口端をともに前記消音空間の長手方向の中心から離れた位置で同一方向に近接開口させたもので、吸入マフラーの消音特性に反共鳴部を生成させることができ、特定の周波数の音源を極めて低いレベルにまで低下させることで、問題となる脈動音を局所的に低減でき、冷媒ガスのオイル分離を促進し、性能を安定させることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、吸入マフラーの反共鳴周波数と密閉容器内の気柱共鳴周波数を一致させたもので、密閉容器内の気柱共鳴を励起させる吸入マフラーからの音響放射成分が激減し、脈動音を効果的に低減することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、連通管の消音空間内開口端を前期尾管の消音空間内開口端より延出させたもので、オイルミストを含んだ冷媒ガスが連通管の消音空間内開口端から吸い込まれる際に、連通管の消音空間内開口端部の壁面に冷媒ガスが衝突しながら吸い込まれことから、冷媒ガス中のオイル分離が促進され、高効率化が図れるとともに性能を安定させることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、連通管の消音空間内開口端を尾管の消音空間内開口端より上方に位置させたもので、連通管の消音空間内開口端の下方の壁面でオイル分離し消音空間の下方に落下することから、連通管の消音空間内開口端からこの落下するオイルを吸い込むことが無く、より純度の高い冷媒ガスをシリンダ内へ導くことができ、飛躍的に効率を向上させるとともに性能を安定させることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、尾管を構成する壁の一面は消音空間の壁と共有され、かつ前記尾管を構成する壁の延長部は前記消音空間が広がる方向に傾斜しているもので、オイルミストを含んだ冷媒ガスは尾管内を流れる際に尾管を構成する壁によりオイルが分離され、冷媒ガスが尾管の消音空間内開口端から消音空間内へ流出する際に分離されたオイルは延長部を伝わり、冷媒ガスが吸い込まれる連通管の消音空間内開口端から離れるように移動していき、その後消音空間の下方へ落下することから、冷媒ガス中のオイル分離が促進され、高効率化が図れるとともに性能を安定させることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図であり、図2は、吸入マフラーの縦断面図、図3は、図2の吸入マフラーのA−A’線断面図、図4は、吸入マフラーの音響特性図である。
【0028】
図1から図4において、本実施例は例えば全高が従来に対して約Δ20mm程度低く、密閉容器101内底部にオイル102を貯留するとともに、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素120とからなる圧縮機本体104を収容し、例えばR600aなどの温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒を充填している。また密閉容器101には電動要素110に電源を供給するための電源端子108が取り付けられている。
【0029】
まず、電動要素110について説明する。
【0030】
電動要素110は、突極集中巻き方式のDCブラシレスモータを形成しており、固定子112と回転子114とを備え、電源端子108を経由して、インバータ駆動回路(図示せず)と導線により接続されている。
【0031】
固定子112は、鉄損の少ない電磁鋼板で形成された固定子鉄心の磁極歯に絶縁材を介して巻線が直接巻回して形成されている。回転子114は、固定子112の内径側に配置され、回転子鉄心と、回転子鉄心内に配置される永久磁石とから構成され、クランクシャフト121の主軸122に固定される。
【0032】
また、電動要素110は、インバータ駆動により、18r/sから81r/sの間の複数の周波数で運転を行う。
【0033】
次に圧縮要素120の詳細を以下に説明する。
【0034】
圧縮要素120は電動要素110の上方に配設されている。
【0035】
圧縮要素120を構成するクランクシャフト121は主軸122及び偏心軸124を備えるとともに、オイル102に浸漬される主軸122下端から偏心軸124の上端までを連通する給油機構125が設けられている。ブロック126には主軸122を回転自在に軸支する軸受部127およびシリンダ130を備える。
【0036】
ピストン128はシリンダ130に往復自在に挿入されており、シリンダ130の端面に配設されるバルブプレート132とともに圧縮室134を形成する。ピストン128は連結手段136によって偏心軸124と連結されている。
【0037】
吸入マフラー140は、バルブプレート132とシリンダヘッド138に挟持されることで固定され、主にガラス繊維を添加した結晶性樹脂であるポリブチレンテレフタレートなどの合成樹脂で形成されている。
【0038】
さらに、吸入マフラー140は、内部に消音空間142を形成し、連通管150と尾管152を備えており、連通管150は一端が消音空間142に開口している消音空間内開口端154と、他端がシリンダ130の圧縮室134に連通する圧縮室開口端156とを備え、尾管152は一端が消音空間142に開口している消音空間内開口端158と、他端が密閉容器内空間141に開口する密閉容器内開口端160とを備えている。
【0039】
また、連通管150の消音空間内開口端154および尾管152の消音空間内開口端158をともに消音空間142の長手方向の中心から離れた位置で同一方向に互いの開口端が近接して配置されている。
【0040】
また、脈動音の主成分は密閉容器内空間141の気柱共鳴音であり、密閉容器内空間141の気柱共鳴周波数162と吸入マフラー140の音響特性170の反共鳴周波数171を一致させている。
【0041】
また、消音空間内開口端154を消音空間内開口端158より延出させている。
【0042】
また、連通管150の消音空間内開口端154を尾管152の消音空間内開口端158より上方に位置させている。
【0043】
また、尾管152を構成する壁212の一面は消音空間142の壁212と共有され、かつ尾管152を構成する壁212の延長部214は消音空間142が広がる方向に傾斜させている。
【0044】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
インバータ駆動回路より電動要素110に通電されると、固定子112に発生する磁界により回転子114はクランクシャフト121とともに回転する。主軸122の回転に伴い、偏心軸124は偏心回転し、この偏心運動は連結手段136を介して往復運動に変換され、ピストン128をシリンダ130内で往復運動させることで密閉容器101内の冷媒ガスを圧縮室134内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
【0046】
また、圧縮動作に伴う吸入行程において、密閉容器101内の冷媒ガスは、吸入マフラー140を介して圧縮室134内に間欠的に吸入され、圧縮された後、吐出配管などを経由して密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。吸入マフラー140は、連通管150、尾管152、消音空間142で、間欠的な冷媒ガスの吸入により発生する脈動音を低減する。また、吸入マフラー140は、金属などに比べ大幅に熱伝達の少ないポリブチレンテレフタレート樹脂で形成され、冷凍サイクルから戻った温度の低い冷媒の加熱を防止し、性能の低下を防いでいる。
【0047】
ここで、吸入マフラー140の消音効果について詳細に説明する。
【0048】
図4は、吸入マフラー140の消音空間142の音響特性を表しており、横軸は周波数で、縦軸は吸入マフラー140の尾管152の密閉容器内開口端160から放射される音圧レベルであり、この音圧レベルがマイナスになるほど消音量が大きいことを示している。また、本実施の形態の音響特性170を実線で示し、尾管152の消音空間内開口端158を吸入マフラー140の長手方向の中心線に設定された時の音響特性173を破線で示している。
【0049】
尾管152の消音空間内開口端158が連通管150の消音空間内開口端154から遠ざかり、中心線に近づくほど反共鳴周波数171が、反共鳴周波数174のように高域側へ移動する。また、反共鳴周波数171の消音量は、共鳴周波数172と接近することにより、反共鳴周波数174のように消音量が著しく低下する。
【0050】
このことから、尾管152の消音空間内開口端158を中心線から離れた位置に開口し、かつ連通管150の消音空間内開口端154に近づくほど反共鳴周波数171の消音量を大きくすることができ、密閉型圧縮機の問題となる脈動音の特定の対象周波数とこの反共鳴周波数171を一致させることで脈動音を極めて低くすることができる。
【0051】
ここで、音響特性170の共鳴周波数172のピークレベルは、音響特性173の共鳴周波数175のピークレベルより大きいが、密閉型圧縮機の問題となる脈動音の特定の対象周波数からずれていることから、増幅することなく大きな騒音となって圧縮機から放射することは殆どない。
【0052】
このため、圧縮機の小型化により消音空間142の容量が小さくなって、マフラーとしての基本的な消音能力が低下しても、特定の対象周波数における消音効果を劇的に向上させることができる。
【0053】
また、この特定の対象周波数を密閉容器内空間141の気柱共鳴周波数162に一致させることにより、本実施の形態における圧縮機は極めて低い騒音特性を実現することができる。
【0054】
さらに、圧縮動作とともに、密閉容器101の下部に貯留されたオイル102は、クランクシャフト121の給油機構125により、主軸122下端から偏心軸124の上端まで導かれ、各摺動部位及び、密閉容器101内に噴霧され、一部はオイルミストとなり冷媒ガスに混入するが、大部分は密閉容器101内の下部へ導かれ貯留される。
【0055】
このオイルミストを多分に含んだ冷媒ガス200は、尾管152を介して密閉容器内空間141から消音空間142内に導かれ、連通管150の消音空間内開口端154から吸い込まれる。この際、連通管150の消音空間内開口端154と、尾管152の消音空間内開口端158は同一方向に開口していることから、消音空間内開口端158から消音空間142内へ噴出した冷媒ガス200の大部分は一端、消音空間内開口端154を構成する壁面に衝突しながら吸い込まれる。
【0056】
このため、冷媒ガス200に含まれたオイルミストは消音空間内開口端154の壁面に付着し、冷媒ガス200からオイル102が分離される。分離されたオイル102は消音空間142内の下部に落下し、オイル排出孔178から密閉容器内空間141へ排出され、密閉容器101内の下部に貯留される。
【0057】
このことから、連通管150の消音空間内開口端154からより純度の高い冷媒ガスをシリンダ130内へ導くことができ、性能を安定させることができる。
【0058】
また、連通管150の消音空間内開口端154を尾管152の消音空間内開口端158より延出させることにより、オイルミストが衝突する消音空間内開口端154を構成する壁面の面積が大きくなり、冷媒ガス200のオイル分離作用が促進され、より高効率で安定した性能を得ることができる。
【0059】
また、連通管150の消音空間内開口端154を尾管152の消音空間内開口端158より上方に位置させることで、連通管150の消音空間内開口端154の下方の壁面でオイル分離され、分離されたオイル102は消音空間142の下方に落下する。このため、連通管150の消音空間内開口端154からこの落下するオイル102を吸い込むことが無く、より純度の高い冷媒ガスをシリンダ130内へ導くことができ、飛躍的に効率が向上し、より安定した性能を得ることができる。
【0060】
また、尾管152を構成する壁212の一面は消音空間142の壁212と共有され、かつ尾管152を構成する壁212の延長部214は消音空間142が広がる方向に傾斜させることで、オイルミストを含んだ冷媒ガス200は尾管152内を流れる際に尾管152を構成する壁212に衝突しながら流れることから、オイル102が尾管152内で分離されて、冷媒ガス200が尾管152の消音空間内開口端158から消音空間142内へ流出する。
【0061】
この際にオイル102は冷媒ガス200の流れから遠ざかるように反対方向の延長部214を伝わり、その後、消音空間142の下方に落下する。このため、連通管150の消音空間内開口端154から吸い込まれる冷媒ガス200は、冷媒純度の非常に高いものとなり、密閉型圧縮機の効率を飛躍的に向上させるとともに性能を安定させることができる。
【0062】
尚、本実施例の電動要素110は突極集中巻き方式のDCブラシレスモータであるが、分布巻き方式のインダクションモータにおいても、本発明の高さ方向の寸法を小さくした内容積の小さい吸入マフラー140を用いることで、低騒音化が図れ、性能を安定させるとともに、密閉型圧縮機を小型化することができる。
【0063】
特に、強力な磁力を得ることができる希土類磁石を用いた電動要素110では、高さ方向の寸法をさらに小さくすることができるので、高さが低くても騒音を低減できる本発明の効果は顕著であり、密閉型圧縮機の高さをさらに低くすることが可能となる。
【0064】
さらに、本発明の密閉型圧縮機では、インバータにより回転数を広い範囲で運転し、オイル102の飛散の状況も回転数により大きく変化するが、多量にオイル102が飛散し、吸入マフラー140へオイル102が吸入されやすい高回転の運転でも、尾管152の壁212に衝突する冷媒ガス流速が増し、オイル分離作用も促進されることから、広い運転範囲でオイル102の圧縮室134への吸入を防止し、密閉型圧縮機の効率を向上させるとともに性能を安定させることができる。
【0065】
以上のように、本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラー140の音響特性の最適化が図れ、かつ冷媒ガス中のオイル102を確実に分離できることから、低騒音で安定した性能にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、圧縮機の低騒音化と性能を安定させることができるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図
【図2】同実施の形態における吸入マフラーの断面図
【図3】同実施の形態における図2の吸入マフラーのA−A’線断面図
【図4】同実施の形態における吸入マフラーの音響特性図
【図5】従来の密閉型圧縮機の縦断面図
【図6】従来の吸入マフラーの正面図
【図7】図6の従来の吸入マフラーのA−A’線断面図
【符号の説明】
【0068】
101 密閉容器
102 オイル
120 圧縮要素
128 ピストン
130 シリンダ
140 吸入マフラー
141 密閉容器内空間
142 消音空間
150 連通管
152 尾管
154,158 消音空間内開口端
162 気柱共鳴周波数
171,174 反共鳴周波数
212 壁
214 延長部




 

 


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