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発明の名称 密閉型圧縮機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16645(P2007−16645A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197178(P2005−197178)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 坪井 康祐
要約 課題
密閉型圧縮機の始動時のトルク変動やコギングトルクを抑制して、始動性の良くし、低騒音・低振動化を図るものである。

解決手段
電動要素103の回転子鉄心141の軸方向長さに対して永久磁石146を短く形成するとともに、回転子鉄心141の磁石非挿入区間161において、導体バー144を回転方向に傾斜させてスキューを持たせたものであり、始動時のトルク変動やコギングトルクを抑制して、始動性を良くすることができるものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧縮要素と、前記圧縮要素を駆動する電動要素を備え、前記電動要素は積層電磁鋼板から形成したコアに巻線を巻回した固定子と積層電磁鋼板から形成した回転子鉄心の外周に始動用かご形導体の導体バーを複数設け、その内側に複数個の永久磁石を内装してなる略円筒形の回転子とからなる自己始動形永久磁石式の同期電動機であり、前記回転子鉄心の軸方向長さに対して前記永久磁石を短く形成するとともに、前記回転子鉄心の磁石非挿入区間において、前記導体バーを回転方向に傾斜させてスキューを持たせた密閉型圧縮機。
【請求項2】
回転子鉄心の外周に設けた磁石短絡防止用のバリアを、前記回転子鉄心の磁石非挿入区間において、回転方向に傾斜させてスキューを持たせた請求項1に記載の密閉型圧縮機。
【請求項3】
永久磁石を希土類磁石で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
【請求項4】
回転子鉄心の軸方向長さに対して永久磁石を一端に配置させ、回転子鉄心の磁石非挿入区間において導体バーを回転方向に傾斜させてスキューを持たせた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
【請求項5】
圧縮要素は回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを軸支する軸受を備え、回転子鉄心の磁石非挿入区間側にボア部を設け、前記軸受を前記ボア部の内側に延在させた請求項4に記載の密閉型圧縮機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍冷蔵庫等の冷凍サイクルに用いられる密閉形圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、冷凍冷蔵庫等の冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、消費電力の低減のため高効率化が望まれると共に、低騒音・低振動化が望まれている。
【0003】
従来、この種の密閉型圧縮機は、効率を改善するため、電動要素を誘導電動機から回転子に永久磁石を内蔵した2極の永久磁石型同期電動機としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
【0005】
図4は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の永久磁石型同期電動機の回転子の軸方向断面図、図5は回転子鉄板Aの平面図、図6は回転子鉄板Bの平面図を示すものである。図4に示すように、回転子1の回転子鉄心2は、回転子鉄板A3を積層し、永久磁石埋め込み用穴4は軸方向に連なり、回転子鉄心2の軸方向端面5に回転子鉄板B6を1枚または複数枚積層して、永久磁石7が埋め込まれており、軸方向の位置決めがされている。
【0006】
回転子鉄板A3は、永久磁石埋め込み用穴4と始動用かご形導体の導体バー8を配設するためのスロット9を設けている。
【0007】
回転子鉄板B6は、磁束短絡防止用穴10と始動用かご形導体の導体バー8を配設するためのスロット9を設けており、磁束短絡防止用穴10は、回転子鉄板A3の永久磁石埋め込み用穴4と同じ位置に配置されており、且つ穴の幅Qは永久磁石埋め込み用穴4の幅Pよりも狭く設定されている。回転子鉄板B6の積層枚数は回転子鉄心2の軸方向長さの中心と永久磁石7の軸方向長さの中心が合致するよう設定されている。
【0008】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0009】
固定子(図示せず)に電流を流すことにより発生する磁界により電磁誘導の原理で導体バー8に電流が流れ、磁界が発生し固定子と回転子1に発生した双方の磁界による引き寄せる力と反発する力により回転し始める。そして、同期速度付近までこの作用により回転速度を上げていき、回転速度が同期速度付近になったところで、回転子内に埋設された永久磁石7の磁力の働きにより同期速度に引き込まれるようにして同期速度で回転数を保持し、回転し、圧縮要素(図示せず)を駆動する。
【0010】
また、ホルダを使用せずに回転子鉄心2のみで永久磁石7の軸方向の位置決めをすることができるので、組立および部品のコストを低減することができ、また永久磁石7の軸方向端部におけるNS両面の間の磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束を少なくすることができる。
【特許文献1】特開2001−37119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の構成では、回転子鉄板A3を積層するので、板状等の単純な形状の永久磁石7で構成する場合、磁極や導体バー8を回転子1の軸心と平行に形成する必要があり、その結果、導体バー8にスキューを形成することができないので、始動時のトルク変動による始動性のばらつきが発生する可能性があるという課題を有していた。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、始動性の良い、低騒音・低振動のコストが安い圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、回転子鉄心の軸方向長さに対して永久磁石を短く形成するとともに、回転子鉄心の磁石非挿入区間において、導体バーを回転方向に傾斜させてスキューを持たせたもので、導体バーの傾斜により連続的にトルクを発生するため、始動時のトルク変動を抑制するという作用を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の密閉型圧縮機は、電動要素の発生トルクの安定性が向上するので、始動性を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
請求項1に記載の発明は圧縮要素と、前記圧縮要素を駆動する電動要素を備え、前記電動要素は積層電磁鋼板から形成したコアに巻線を巻回した固定子と積層電磁鋼板から形成した回転子鉄心の外周に始動用かご形導体の導体バーを複数設け、その内側に複数個の永久磁石を内装してなる略円筒形の回転子とからなる自己始動形永久磁石式の同期電動機であり、前記回転子鉄心の軸方向長さに対して前記永久磁石を短く形成するとともに、前記回転子鉄心の磁石非挿入区間において、前記導体バーを回転方向に傾斜させてスキューを持たせたもので、導体バーの傾斜により連続的にトルクを発生するため、始動時のトルク変動を抑制するので、電動要素の発生トルクの安定性が向上するので、始動性を良くすることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、回転子鉄心の外周に設けた磁石短絡防止用のバリアを、前記回転子鉄心の磁石非挿入区間において、回転方向に傾斜させてスキューを持たせたもので、回転子の磁極を傾斜させ、コギングトルクを抑制するので、請求項1に記載の発明の効果に加えて、騒音・振動を低くすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に、更に、永久磁石を希土類磁石で形成したことを特徴とするもので、強い磁力を得ることができるので、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、永久磁石の体積、そして回転子や電動要素の体積を小さくすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明に、更に、回転子鉄心の軸方向長さに対して永久磁石を一端に配置させ、回転子鉄心の磁石非挿入区間において導体バーを回転方向に傾斜させてスキューを持たせたもので、請求項1から3のいずれか一項に記載の効果に加えて、永久磁石の他端側で導体バーをスキューさせるために生じる磁石挿入孔のずれにより、永久磁石の位置決めができるので、位置決め用の固定子鉄板は別途作る必要がないので、生産性が良くなりコストを安くすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明に、更に、圧縮要素は回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを軸支する軸受を備え、回転子鉄心の磁石非挿入区間側にボア部を設け、前記軸受を前記ボア部の内側に延在させたもので、軸受が磁性体であっても永久磁石の磁界がこれを切ることで発生するブレーキトルクが生じないため、高い効率を維持することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態の回転子鉄心の斜視断面図である。図3は、同実施の形態の電動要素のトルク特性図である。
【0022】
図1、図2において、密閉容器101内に潤滑油102を貯溜するとともに、電動要素103と電動要素103によって駆動される圧縮要素104を収容している。
【0023】
圧縮要素104は偏心軸部111と主軸部112を有したシャフト113と、シャフト113の主軸部112を軸支する軸受114を備えている。鋳鉄からなるシリンダブロック116は、略円筒形の圧縮室117を有するとともに、軸受114が一体に形成されている。ピストン118は、シリンダブロック116の圧縮室117に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部111との間を連結手段119によって連結されている。
【0024】
尚、本圧縮機に使用される冷媒は、オゾン破壊係数がゼロのR134aやR600aに代表される温暖化係数の低い自然冷媒である炭化水素系冷媒等であり、それぞれ相溶性の有る潤滑油と組み合わせてある。
【0025】
電動要素103は、固定子121と回転子122からなる自己始動形永久磁石式の同期電動機である。
【0026】
固定子121は電磁鋼板を積層することで形成したコア131に巻線132を巻回している。
【0027】
回転子122は電磁鋼板142を積層することで形成した略円筒形の回転子鉄心141を備え、回転子鉄心141の外周近傍に配設した複数の導体バー144と回転子鉄心141の軸方向の両端に位置する短絡環153とをアルミダイカストで一体に成型することで、アルミダイカストからなる始動用かご形導体を形成する。
【0028】
導体バー144の内側には回転子鉄心141の山形状の磁石挿入孔145を設け、複数個の同極性の永久磁石146を、突き合わせるように挿入配置することで一対の永久磁石146で1極の回転子磁極を形成し、回転子122全体で2極の回転子磁極を形成している。永久磁石146は平板形の希土類磁石であるネオジウム・鉄・ボロン系の強磁性体からなる。
【0029】
隣り合う永久磁石146間の磁束短絡を防止するために磁束短絡防止用のバリア147が形成されている。バリア147は回転子鉄心141に設けた孔内にアルミダイカストを充填して構成されている。
【0030】
永久磁石146は回転子鉄心141の軸方向長さに対して短く形成されるとともに、回転子の軸方向の一端に寄せて配置させることで、回転子鉄心141は軸方向に、磁石挿入区間160と磁石非挿入区間161とに区分される。
【0031】
回転子鉄心141は磁石挿入区間160においては電磁鋼板142を回転子の軸方向に平行となるよう積層し、また磁石非挿入区間161においては電磁鋼板142を回転方向(図2の矢印R)に少しずつずらして積層することで導体バー144とバリア147は磁石非挿入区間161において、回転方向に傾斜したスキューを形成する。
【0032】
回転子122はシャフト113に固定されており、回転子122の磁石非挿入区間161側にボア部151を設けて、軸受114をボア部151の内側に延在させている。
【0033】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
【0034】
電動要素103の回転子122がシャフト113を回転させ、偏心軸部111の回転運動が連結手段119を介してピストン118に伝えられることで、ピストン118は圧縮室117内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室117内へ吸入・圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
【0035】
次に、電動要素103の動作について説明する。
【0036】
図3は電動要素103が始動してから同期回転数になるまでの回転数に対するトルクの変化を示す。図3中の太線は本発明品、細線は従来品のトルクの変化を示している。
【0037】
電動要素103は、固定子121の巻線132に電流を流すことにより発生する磁界により電磁誘導の原理で導体バー144に電流が流れ、磁界が発生し固定子121と回転子122に発生した双方の磁界による引き寄せる力と反発する力によりインダクショントルクを発生して回転し始動を開始する(図3中のL)。
【0038】
その間、永久磁石146により発生する磁力はブレーキトルクとして働く。そのため、図3に示す様に、従来はトルク変動が起こりやすく、トルクが最低となる回転数付近(図3中のM)でトルク不足が生じ、始動しない場合があった。
【0039】
しかしながら本発明では磁石非挿入区間161において、導体バー144が傾斜し回転方向に傾斜したスキューを形成していることによって連続的にインダクショントルクを発生するため、トルク変動が抑制され最低トルクがT1からT2へと向上する。このように電動要素103の発生トルクの低下を抑制することで始動性が大きく改善される。
【0040】
次に、同期速度付近まで回転速度が上昇すると、(図3中のN)で、回転子122内に埋設された永久磁石146の磁力の働きにより同期速度に引き込まれ、導体バー144には電流が微小にしか流れなくなり、固定子121の巻線132に流れる電流が形成する回転磁界に回転子122内に埋設された永久磁石146の磁界が引っ張られ、同期速度で回転する同期運転(図3中のO)に入る。この際、導体バー144には電流が微小にしか流れなくなるので、高い運転効率を得ることができる。
【0041】
一方、この同期運転時においても、固定子121と回転子122の磁極の位置関係によりコギングトルクが発生し、トルク変動(図3中のT3)が生じている。しかし、本発明ではバリア147を回転方向に傾斜させてスキューを持たせているので、永久磁石146の発生する磁極を傾斜させることになり、その結果コギングトルクを抑制することでトルク変動(図3中のT4)を抑制できるため、トルク変動によって発生する騒音・振動を低くすることができる。
【0042】
更に永久磁石146は、希土類磁石を用いているので極めて強い磁力を得ることができるので、本実施の形態のように永久磁石146を回転子鉄心141の軸方向長さに対して短く形成しても同期運転に必要な強い磁界を形成することができ、高い効率を維持することができる。
【0043】
また、回転子鉄心141は磁石非挿入区間161においては電磁鋼板142を回転方向に少しずつずらして積層しているので磁石挿入孔145も回転方向に傾斜するため、磁石非挿入区間161においては磁石挿入孔145に永久磁石146が入らない。その結果、永久磁石146は磁石挿入区間160の区間でのみ磁石挿入孔145に収納されるため、位置決め用の固定子鉄板は別途作る必要がないので、生産性が良くなりコストを安くすることができる。
【0044】
また、ボア部151が形成されているのは磁石非挿入区間161であるため、永久磁石146の磁界が、磁性体である鋳鉄からなる軸受114を切ることで発生するブレーキトルクが生じないため、高い効率を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、電動要素の発生トルクの安定性が向上し、かつ騒音・振動を低くすることができるので、エアーコンディショナーや自動販売機等の密閉型圧縮機の用途にも展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図
【図2】同実施の形態の密閉型圧縮機の回転子鉄心の斜視断面図
【図3】同実施の形態の電動要素のトルク特性図
【図4】従来の密閉型圧縮機の回転子の軸方向断面図
【図5】従来の密閉型圧縮機の回転子鉄板Aの平面図
【図6】従来の密閉型圧縮機の回転子鉄板Bの平面図
【符号の説明】
【0047】
103 電動要素
104 圧縮要素
113 シャフト
114 軸受
121 固定子
122 回転子
131 コア
132 巻線
141 回転子鉄心
142 電磁鋼板
144 導体バー
146 永久磁石
147 バリア
151 ボア部
161 磁石非挿入区間




 

 


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