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発明の名称 ヒートポンプ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10287(P2007−10287A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194582(P2005−194582)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 中谷 和生 / 藤高 章 / 諌山 安彦
要約 課題
通常の給湯運転や高温の給湯運転を行う場合にも、圧縮機の性能を常に高く維持することにより、ヒートポンプ装置の性能を高くすることができ、また、高温の給湯を長時間運転する場合にも、圧縮機の信頼性を維持できるヒートポンプ装置を提供すること。

解決手段
圧縮機31、放熱器32、主絞り装置33、蒸発器34を順次接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機31の潤滑油41を冷却する補助熱交換器42を設け、前記潤滑油41を前記圧縮機31の吸入側に流入させたもので、シェル内の潤滑油41が冷却され、温度の下がった潤滑油が吸入ガスと共にメカ部に送られるので、高温の給湯運転でも、メカ部の隙間のシール性が良好となって十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧縮機、放熱器、主絞り装置、蒸発器を順次接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の潤滑油を冷却する補助熱交換器を設け、前記潤滑油を前記圧縮機の吸入側に流入させたことを特徴とするヒートポンプ装置。
【請求項2】
補助熱交換器の潤滑油の流路の入口または出口側に副絞り装置を設けたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ装置。
【請求項3】
補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、主絞り装置の出口から圧縮機の入口までの間の冷媒を用いたことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ装置。
【請求項4】
補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、放熱器入口から主絞り装置の入口までの間の冷媒を用いたことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ装置。
【請求項5】
補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、放熱器の吸熱源を用いたことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ装置。
【請求項6】
圧縮機のシェル内の圧力は、圧縮機の吐出圧力と略同等としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ装置。
【請求項7】
圧縮機の吐出温度を検知する吐出温度検出手段を設け、前記吐出温度検出手段の検出値と予め設定した所定値とを比較して、前記吐出温度検出手段の検出温度が、前記所定値より高い場合に、副絞り装置を開放する方向に動作させることを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ装置。
【請求項8】
放熱器の吸熱源として給湯水を用いたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートポンプ装置。
【請求項9】
冷媒として炭酸ガスを用いたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒートポンプ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はヒートポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒートポンプ装置は、たとえばヒートポンプ給湯機として利用された図4に示すものがある(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
図4は従来のヒートポンプ給湯機のサイクル構成図であり、圧縮機1、給湯用熱交換器2、絞り装置3、蒸発器4からなる冷媒循環回路と、貯湯槽5、循環ポンプ6、前記給湯用熱交換器2、補助加熱器19を接続した給湯回路からなり、前記圧縮機1より吐出された高温高圧の過熱ガス冷媒は前記給湯用熱交換器2に流入し、ここで前記循環ポンプ6から送られてきた給湯水を加熱する。
【0004】
そして、凝縮液化した冷媒は前記絞り装置3で減圧され、前記蒸発器4に流入し、ここで大気熱を吸熱して蒸発ガス化し、前記圧縮機1にもどる。一方、前記給湯用熱交換器2で加熱された湯は前記貯湯槽5の上部に流入し、上から次第に貯湯されていく。
【0005】
そして、前記給湯用熱交換器2の入口水温が設定値に達すると水温検知器20が検知し、前記圧縮機1によるヒートポンプ運転を停止して、前記補助加熱器19の単独運転に切り換えるものである。なお、ここでは圧縮機1はシェル内が略吐出圧力となっている高圧シェル型圧縮機を搭載している。
【特許文献1】特開昭60−164157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の構成では、給湯用に供する湯をたとえば90℃程度に高温加熱する場合には、給湯用熱交換器2での冷媒凝縮温度を高くする必要があり、そのためには圧縮機1の吐出ガス圧力を上昇し、吐出ガス温度を上昇させる必要がある。
【0007】
圧縮機1は高圧シェル型圧縮機であるので、メカ部から吐出された高温高圧の潤滑油を含んだ吐出ガスがシェル内に一旦吐出され、モータ部を冷却して、自らはさらに高温のガスとなって圧縮機1の外部に吐出されるためシェル内は高温の状態となる。
【0008】
また、圧縮機1のシェル下部には潤滑油が貯留されており、油ポンプによりメカ部に送られ、メカ部を潤滑する。先に述べたようにシェル内は高温のため、貯留されている潤滑油の温度は吐出ガスと同程度に高く、メカ部に送られる潤滑油もシェル内のメカ回転軸を通ってメカ部に高温のまま送られる。
【0009】
一般的に圧縮機1の潤滑油は温度が上がるほどその粘度が低下するため、高温の潤滑油はメカ部の隙間のシール性が悪いため、十分な圧縮ができなくなる。そのため従来の構成では、高温でも潤滑油の粘度を比較的高く保てるようにするため、低温での粘度を必要以上に高いものを使用していた。そのため、通常の給湯運転時には、潤滑油の粘性抵抗によりメカ部の機械効率が低下し、圧縮機効率が低下し、ヒートポンプ性能が低下していた。
【0010】
また、高温の給湯を長時間運転する場合には、潤滑油が長時間高温となるため潤滑油の劣化が早まり、圧縮機の信頼性に悪い影響を及ぼしていた。
【0011】
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、通常の給湯運転や高温の給湯運転を行う場合にも、圧縮機の性能を常に高く維持することにより、ヒートポンプ装置の性能を高くすることができ、また、高温の給湯を長時間運転する場合にも、圧縮機の信頼性を維持できるヒートポンプ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ装置は、圧縮機、放熱器、主絞り装置、蒸発器を順次接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の潤滑油を冷却する補助熱交換器を設け、前記潤滑油を前記圧縮機の吸入側に流入させたことを特徴とするもので、冷却された潤滑油が圧縮機の吸入側に流入するため、温度の下がった潤滑油がメカ部に送られるので、高温の給湯運転でも潤滑油の粘度が低下することがなくなり、メカ部の隙間のシール性が良好となって十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となる。
【0013】
また、メカ部に供給される潤滑油の温度が、通常の給湯運転時と高温給湯運転時とでほぼ同等にできるので、潤滑油の粘度をいずれの条件でも好適にできるため、高効率な運転が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、いずれの条件においても圧縮機のメカ部に流入する潤滑油の粘度を好適に保てるので、メカ部の隙間のシール性が良好となり、高効率な運転ができるヒートポンプ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、圧縮機、放熱器、主絞り装置、蒸発器を順次接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の潤滑油を冷却する補助熱交換器を設け、前記潤滑油を前記圧縮機の吸入側に流入させたもので、シェル内の潤滑油が冷却され、温度の下がった潤滑油が吸入ガスと共にメカ部に送られるので、高温の給湯運転でも、メカ部の隙間のシール性が良好となって十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の補助熱交換器の潤滑油の流路の入口または出口側に副絞り装置を設けるもので、起動時等の潤滑油温度が低い場合には、冷却を停止することができ、潤滑油の温度を制御して、粘度を好適にできるため、起動時にも高効率な運転が可能となる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、主絞り装置の出口から圧縮機の入口までの間の冷媒を用いたもので、熱交換効率が良くなり、補助熱交換器を小型にして、高効率な運転が可能となる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1または第2の発明の補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、放熱器入口から主絞り装置入口までの間の冷媒を用いるもので、放熱器出口温度が上昇するので、蒸発器入口エンタルピーが増加するので、空気からの吸熱量を少なくできるので、低圧が上昇し、圧縮機の必要動力が減少できるので高効率な運転が可能となる。
【0019】
第5の発明は、特に、第1または第2の発明の補助熱交換器で潤滑油と熱交換する冷却熱源として、放熱器の吸熱源を用いることにより、吸熱源の放熱器への入口温度が上昇して加熱能力に寄与でき、高効率なヒートポンプ装置を提供できる。
【0020】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかの発明の圧縮機のシェル内の圧力は、前記圧縮機の吐出圧力と略同等とするもので、潤滑油のあるシェル内はヒートポンプ装置内意
で最も高温となるため、潤滑油の温度を低減するための冷却源の選択の自由度が増し、容易に簡単な回路を構成することができる。
【0021】
第7の発明は、特に、第2の発明の圧縮機の吐出温度を検知する吐出温度検出手段を設け、前記吐出温度検出手段の検出値と予め設定した所定値とを比較して、前記吐出温度検出手段の検出温度が、前記所定値より高い場合に、副絞り装置を開放する方向に動作させることを特徴とするもので、潤滑油温度が高い時にのみ潤滑油を冷却することができ、メカ部に供給される潤滑油の温度を制御していずれの条件でも好適な粘度にできるため、いずれの条件でも高効率な運転が可能となる。
【0022】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれかの発明の放熱器の吸熱源として、給湯水を用いるもので、給湯水の放熱器への入口温度が上昇して加熱能力に寄与でき、また、水部品による回路構成が可能なため耐圧部品を設ける必要がなく、安価なヒートポンプ装置を構成できる。
【0023】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれかの発明の冷媒として炭酸ガスを用いるもので、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくなる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、各実施の形態において、同じ構成、同じ動作をする部分については同一符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ装置の構成図を示すものである。図1において、圧縮機31、放熱器32、主絞り装置33、蒸発器34を順に環状に接続し、冷媒として炭酸ガスを封入して冷媒循環回路を形成し、蒸発器34は外気を送風するためのファン35を備えている。
【0026】
また、貯湯槽36、循環ポンプ37、放熱器32を順に接続した給湯回路を形成しており、圧縮機31より吐出された高温高圧の過熱ガス冷媒は放熱器32に流入し、ここで循環ポンプ37から送られてきた給湯水を加熱するようになっている。
圧縮機1は、吸入配管38から低圧の冷媒ガスを吸入し、吐出配管39より高圧の冷媒ガスを吐出する。また、シェル40の内部には潤滑油41が貯留されており、圧縮機1のメカ部を潤滑する役目をなしている。
【0027】
さらに、主絞り装置33と蒸発器34との間に、補助熱交換器42を設けている。また、圧縮機1のシェル40の下部には、潤滑油出口管43を設けてあり、補助熱交換器42と副絞り装置44を直列に接続して、吸入配管38入口と接続している。したがって、補助熱交換器42では、主絞り装置33と蒸発器34との間の冷媒と、潤滑油出口管43から出た潤滑油41が間接的に熱交換するようにしている。
【0028】
さらに、圧縮機31の吐出配管39近傍に、吐出ガス温度を検知する吐出ガス温度センサー45と、その温度を検知し副絞り装置44の開度を制御する制御装置46が設けられている。この、制御装置46は、吐出ガス温度センサー45の温度と、あらかじめ設定した温度とを比較して、吐出ガス温度が設定温度より高い場合に副絞り装置44の開度を開放する方向に動作するように制御する。また、冷媒としては炭酸ガスが封入されている。
【0029】
以上のように構成されたヒートポンプ装置について、以下に、その動作、作用を説明する。
【0030】
圧縮機31で高温高圧の超臨界状態に圧縮された冷媒(炭酸ガス)は、放熱器32で給湯回路を流れる水と熱交換し、自らは中温高圧の冷媒となり、主絞り装置33で減圧された後、蒸発器34に流入し、ここでファン35により送風された外気と熱交換して蒸発ガス化する。一方、循環ポンプ37で貯湯槽36の下部より放熱器32に送られた給湯水は加熱され、高温の湯となって貯湯槽36の上部に貯湯されていく。
【0031】
運転の起動時等、圧縮機31の温度が低い場合、圧縮機31の吐出ガス温度も低いため、吐出ガス温度センサー45で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より低いので、制御装置46は副絞り装置44の開度を閉止する方向に動作するように制御する。この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器42を通って吸入配管38に潤滑油41はほとんど流れず、補助熱交換器42での熱交換もほとんどない。ここにおいては、潤滑油41の温度は低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。
【0032】
一方、通常の給湯運転時や、特に貯湯槽36に貯湯する湯の温度を高くする場合には、放熱器32の平均冷媒温度を高くする必要があるため、吐出ガス圧力と吐出ガス温度が上昇する。吐出ガス温度センサー45で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より高いので、制御装置46は副絞り装置44の開度を開放する方向に動作するように制御する。
【0033】
この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器42を通って吸入配管38に潤滑油41が流れ、補助熱交換器42では蒸発器34の入口の低温の冷媒と間接的に熱交換し、潤滑油41の温度も低下した状態で、吸入配管38に流入する。ここにおいては、吸入管に流入する潤滑油41の温度が低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。また、メカ部の軸受けや機械的接触部(図示せず)における潤滑も十分に保てるので、信頼性も向上するものである。
【0034】
このように、本実施の形態においては、シェル内の潤滑油が冷却され、温度の下がった潤滑油が吸入管を通ってメカ部に送られるので、特に高温の給湯運転でも潤滑油の粘度が低下することがなくなり、メカ部の隙間のシール性が良好となって体積効率が向上して十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となるものである。
【0035】
また、補助熱交換器の前記潤滑油の流路の入口または出口側に副絞り装置を設けることにより、起動時等の潤滑油温度が低い場合には、冷却を停止することができ、潤滑油の温度を制御して、粘度を好適にできるため、起動時にも高効率な運転が可能となる。さらに、補助熱交換器41内を流れる冷却熱源として、蒸発器34と圧縮機31の間の冷媒を用いることにより、圧縮機31の吸入ガス温度を上昇させ、吐出ガス温度を上昇させることができるので、高温給湯運転時に高圧を低下させることができて、さらに高効率な運転が可能となる。
【0036】
また、潤滑油41の温度が高い時にのみ潤滑油41を冷却することができ、メカ部51に供給される潤滑油41の温度を制御でき、いずれの条件でも好適な粘度にでき、高効率な運転が可能となるものである。さらに、冷媒として炭酸ガスを用いたことにより、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくなるものである。
【0037】
なお、副絞り装置44は補助熱交換器42の上流下流いずれに設けても同様の効果が得
られ、これらも本発明に含まれる。また、副絞り装置44は開閉弁としても同様な効果があり、これらも本発明に含まれる。さらに、補助熱交換器42は、二重管構造や外接式熱交換器等の形状等でもよく、これらも本発明に含まれる。
【0038】
さらに、吐出ガス温度センサー45に代わって、シェル40の表面温度や潤滑油41そのものの温度、放熱器32の入口冷媒温度や出口給湯水温度を検知するセンサーとしても良い。また、潤滑油41の粘度を間接的に検知するセンサー等であっても同様の効果が得られることは明白であり、これらも本発明に含まれるものである。
【0039】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプ装置の構成図を示すものである。図2において、実施の形態1で示した図1と同様の構成で同様の機能を有する部品については同一の番号を付してあり、説明は省略する。
【0040】
本実施の形態においては、放熱器32と主絞り装置33との間に、補助熱交換器50を設けている。また、圧縮機31のシェル40の下部には、潤滑油出口管43を設けてあり、補助熱交換器50と副絞り装置51を直列に接続して、吸入配管38入口と接続している。したがって、補助熱交換器50では、放熱器32と主絞り装置33との間の冷媒と、潤滑油出口管43から出た潤滑油41が間接的に熱交換するようにしている。
【0041】
さらに、圧縮機31の吐出配管39近傍に、吐出ガス温度を検知する吐出ガス温度センサー52と、その温度を検知し副絞り装置51の開度を制御する制御装置53が設けられている。この、制御装置53は、吐出ガス温度センサー52の温度と、あらかじめ設定した温度とを比較して、吐出ガス温度が設定温度より高い場合に副絞り装置51の開度を開放する方向に動作するように制御する。また、冷媒としては炭酸ガスが封入されている。
【0042】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0043】
運転の起動時等、圧縮機31の温度が低い場合、圧縮機31の吐出ガス温度も低いため、吐出ガス温度センサー52で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より低いので、制御装置53は副絞り装置51の開度を閉止する方向に動作するように制御する。この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器50を通って吸入配管38に潤滑油41はほとんど流れず、補助熱交換器50での熱交換もほとんどない。ここにおいては、潤滑油41の温度は低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。
【0044】
一方、通常の給湯運転時や、特に貯湯槽36に貯湯する湯の温度を高くする場合には、放熱器32の平均冷媒温度を高くする必要があるため、吐出ガス圧力と吐出ガス温度が上昇する。吐出ガス温度センサー52で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より高いので、制御装置53は副絞り装置51の開度を開放する方向に動作するように制御する。
【0045】
この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器50を通って吸入配管38に潤滑油41が流れ、補助熱交換器50では放熱器32出口の比較的低温の冷媒と間接的に熱交換し、潤滑油41の温度も低下した状態で、吸入配管38に流入する。ここにおいては、吸入管に流入する潤滑油41の温度が低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。
【0046】
また、前記補助熱交換器で前記潤滑油と熱交換する冷却熱源として、前記放熱器入口から前記主絞り装置入口までの間の冷媒を用いることにより、放熱器出口温度が上昇するので、蒸発器入口エンタルピーが増加するので、空気からの吸熱量を少なくできるので、低圧が上昇し、圧縮機の必要動力が減少できるので高効率な運転が可能となる。さらに、メカ部の軸受けや機械的接触部(図示せず)における潤滑も十分に保てるので、信頼性も向上するものである。
【0047】
このように、本実施の形態においては、シェル内の潤滑油が冷却され、温度の下がった潤滑油が吸入管を通ってメカ部に送られるので、特に高温の給湯運転でも潤滑油の粘度が低下することがなくなり、メカ部の隙間のシール性が良好となって体積効率が向上して十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となるものである。
【0048】
また、潤滑油41の温度が高い時にのみ潤滑油41を冷却することができ、メカ部に供給される潤滑油41の温度を制御でき、いずれの条件でも好適な粘度にでき、高効率な運転が可能となるものである。さらに、冷媒として炭酸ガスを用いたことにより、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくなるものである。
【0049】
なお、副絞り装置61は補助熱交換器60の上流下流いずれに設けても同様の効果が得られ、これらも本発明に含まれる。また、副絞り装置61は開閉弁としても同様な効果があり、これらも本発明に含まれる。さらに、補助熱交換器61は、二重管構造や外接式熱交換器等の形状等でもよく、これらも本発明に含まれる。
【0050】
さらに、吐出ガス温度センサー62に代わって、シェル40の表面温度や潤滑油41そのものの温度、放熱器32の入口冷媒温度や出口給湯水温度を検知するセンサーとしても良い。また、潤滑油41の粘度を間接的に検知するセンサー等であっても同様の効果が得られることは明白であり、これらも本発明に含まれるものである。
【0051】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図3において、実施の形態1で示した図1と同様の構成で同様の機能を有する部品については同一の番号を付してあり、説明は省略する。
【0052】
本実施の形態においては、循環ポンプ37と放熱器32との間に、補助熱交換器60を設けている。また、圧縮機31のシェル40の下部には、潤滑油出口管43を設けてあり、補助熱交換器60と副絞り装置61を直列に接続して、吸入配管38入口と接続している。したがって、補助熱交換器60では、循環ポンプ37と放熱器32との間の給湯水と、潤滑油出口管43から出た潤滑油41が間接的に熱交換するようにしている。
【0053】
さらに、圧縮機31の吐出配管39近傍に、吐出ガス温度を検知する吐出ガス温度センサー62と、その温度を検知し副絞り装置61の開度を制御する制御装置63が設けられている。この、制御装置63は、吐出ガス温度センサー52の温度と、あらかじめ設定した温度とを比較して、吐出ガス温度が設定温度より高い場合に副絞り装置61の開度を開放する方向に動作するように制御する。また、冷媒としては炭酸ガスが封入されている。
【0054】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0055】
運転の起動時等、圧縮機31の温度が低い場合、圧縮機31の吐出ガス温度も低いため
、吐出ガス温度センサー62で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より低いので、制御装置63は副絞り装置61の開度を閉止する方向に動作するように制御する。
【0056】
この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器60を通って吸入配管38に潤滑油41はほとんど流れず、補助熱交換器60での熱交換もほとんどない。ここにおいては、潤滑油41の温度は低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。
【0057】
一方、通常の給湯運転時や、特に貯湯槽36に貯湯する湯の温度を高くする場合には、放熱器32の平均冷媒温度を高くする必要があるため、吐出ガス圧力と吐出ガス温度が上昇する。吐出ガス温度センサー62で検知された吐出ガス温度が、あらかじめ設定した温度より高いので、制御装置63は副絞り装置61の開度を開放する方向に動作するように制御する。
【0058】
この動作により、潤滑油出口管43から補助熱交換器60を通って吸入配管38に潤滑油41が流れ、補助熱交換器60では循環ポンプ37出口の比較的低温の給湯水と間接的に熱交換し、潤滑油41の温度も低下した状態で、吸入配管38に流入する。ここにおいては、吸入管に流入する潤滑油41の温度が低いため、粘度は比較的高く、冷媒ガスを圧縮する圧縮室(図示せず)の隙間を十分にシールすることが可能となり体積効率が向上して、圧縮機効率が向上する。
【0059】
また、前記補助熱交換器で前記潤滑油と熱交換する冷却熱源として、前記放熱器入口から前記主絞り装置入口までの間の冷媒を用いることにより、放熱器出口温度が上昇するので、蒸発器入口エンタルピーが増加するので、空気からの吸熱量を少なくできるので、低圧が上昇し、圧縮機の必要動力が減少できるので高効率な運転が可能となる。さらに、メカ部の軸受けや機械的接触部(図示せず)における潤滑も十分に保てるので、信頼性も向上するものである。
【0060】
このように、本実施の形態においては、シェル内の潤滑油が冷却され、温度の下がった潤滑油が吸入管を通ってメカ部に送られるので、特に高温の給湯運転でも潤滑油の粘度が低下することがなくなり、メカ部の隙間のシール性が良好となって体積効率が向上して十分な圧縮ができ、高効率な運転が可能となるものである。補助熱交換器60の吸熱源として給湯水を用いたことにより、給湯水の放熱器32への入口温度が上昇して加熱能力に寄与でき、また、水側は冷媒のような耐圧部品を設ける必要がなく、安価なヒートポンプ装置を構成できる。
【0061】
また、潤滑油41の温度が高い時にのみ潤滑油41を冷却することができ、メカ部に供給される潤滑油41の温度を制御でき、いずれの条件でも好適な粘度にでき、高効率な運転が可能となるものである。さらに、冷媒として炭酸ガスを用いたことにより、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくなるものである。
【0062】
なお、副絞り装置61は補助熱交換器60の上流下流いずれに設けても同様の効果が得られ、これらも本発明に含まれる。また、副絞り装置61は開閉弁としても同様な効果があり、これらも本発明に含まれる。さらに、補助熱交換器61は、二重管構造や外接式熱交換器等の形状等でもよく、これらも本発明に含まれる。
【0063】
さらに、吐出ガス温度センサー62に代わって、シェル40の表面温度や潤滑油41そ
のものの温度、放熱器32の入口冷媒温度や出口給湯水温度を検知するセンサーとしても良い。また、潤滑油41の粘度を間接的に検知するセンサー等であっても同様の効果が得られることは明白であり、これらも本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ装置は、給湯機の高性能化や信頼性向上が可能となるので、高温を得るヒートポンプ給湯機や高温風を得る空調機等の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態2におけるヒートポンプ装置の構成図
【図3】本発明の実施の形態3におけるヒートポンプ装置の構成図
【図4】従来のヒートポンプ給湯装置の構成図
【符号の説明】
【0066】
31 圧縮機
32 放熱器
33 主絞り装置
34 蒸発器
35 ファン
36 貯湯槽
37 循環ポンプ
38 吸入配管
39 吐出配管
40 シェル
41 潤滑油
42、50、60 補助熱交換器
43 潤滑油出口管
44、51、61 副絞り装置
45、52、62 吐出温度センサー
46、53、63 制御装置




 

 


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