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発明の名称 冷蔵庫
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3181(P2007−3181A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−141192(P2006−141192)
出願日 平成18年5月22日(2006.5.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 川村 忠弘 / 大橋 祥記
要約 課題
圧縮機を本体上部に設置する冷蔵庫において、組み立て精度,生産効率が高く、音源から発生する騒音の抑制と、振動の伝播を抑制した冷蔵庫を提供する。

解決手段
外箱115の機械室113が対応する部分に切り欠き部116を設け、切り欠き部116に樹脂で形成した機械室の外郭114を係合させ、この機械室の外郭114上に圧縮機122,凝縮器123、強制冷却用の送風機128等を載置したものであり、圧縮機122等を収容する異形で複雑な形状の機械室部分を樹脂成形で別途一体に形成することができ、作業性の向上と組み立て精度の向上が図れる。また、鋼板製の外箱115に対して材質の異なる樹脂成形の機械室の外郭114を接合することによって圧縮機122,送風機128の騒音,振動が冷蔵庫本体101への伝播するのを抑制することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
外箱と内箱と前記外箱と前記内箱との間に設けた断熱材とよりなる断熱箱体と、前記断熱箱体の天面後方を庫内側に凹ませて形成した機械室と、前記機械室内に収容した冷凍サイクルの圧縮機とを有し、前記外箱を金属板で形成し、前記圧縮機を載置する前記機械室の外郭を樹脂で形成し、前記機械室内に前記圧縮機を強制冷却する送風機をさらに収容して前記送風機を樹脂で形成された機械室の前記外郭に固定した冷蔵庫。
【請求項2】
前記機械室内に前記圧縮機と冷媒配管で接続される凝縮器をさらに収容し、前記凝縮器を前記送風機により強制冷却する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記送風機の強制対流路中において、前記圧縮機の上流側に前記凝縮器を配置した請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記送風機を前記圧縮機と前記凝縮器との間に配置し、前記送風機により前記機械室内を左右に区画し、前記送風機を挟んで前記圧縮機を収容する第1の区画と前記凝縮器を収容する第2の区画とを区画形成した請求項2または3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記送風機は樹脂製の外郭を有し、樹脂製の前記外郭を樹脂で形成された機械室の前記外郭に係合させて前記第1の区画と前記第2の区画との間を区画した請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第1の区画と前記第2の区画との間に高さ方向の段差部を形成した請求項4または5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記機械室内と外部との空気の流通口を備えた機械室カバーをさらに設け、樹脂で形成された機械室の前記外郭に係合させて前記機械室の開放面を覆った請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
機械室カバーの前記流通口は、前記第1の区画に設けた排気口と前記第2の区画に設けた吸気口とよりなる請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記外箱の前記機械室が対応する部分に切り欠き部が設けられ、前記切り欠き部に樹脂で形成した前記機械室の外郭を係合させた請求項1から8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮機を天面部に載置した冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫は地球環境保護の観点から更なる省エネルギー化が進むとともに、その使い勝手や収納性の向上が求められている。
【0003】
従来この種の冷蔵庫は、最下部に配設された貯蔵室の収納容積の拡大を図る目的のために、断熱箱体の貯蔵室内最上部の後背部が下がるように窪ませた凹部を設け、その凹部に冷凍サイクルの構成機器を収納するという方法がとられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図8は、従来の冷蔵庫の断面図である。図9は従来の冷蔵庫を後方より見た要部斜視図である。
【0005】
図に示すように、断熱箱体1の外壁を形成する一般的には鋼板製の外箱2と、断熱箱体1の庫内壁を形成する一般的には樹脂製の内箱3と、外箱2と内箱3の間に発泡充填させた発泡ウレタン断熱材4からなり、上から順に、冷蔵室5、冷凍室6、野菜室7を有し、冷蔵室5の前面開口には、冷蔵室回転扉8を設けている。また、断熱箱体1の中央から下方部に位置する冷凍室6と野菜室7は収納性と使い勝手を考慮して、簡易に取り出しが行える引き出しタイプの冷凍室引き出し扉9と野菜室引き出し扉12を設けてある。
【0006】
断熱箱体1に設けた凹部20は、外箱上面21と外箱背面22に渡る天面後背部を冷蔵室5の最上部の後背部が下がるように凹ませた箇所である。凹部20はその左右が断熱箱体1の左右壁23,24にて塞がれ上方および背方に開放しており、この凹部20の開放部は、上板25とこれにほぼ直角な背板26とからなる凹部カバー27にて覆われている。また、凹部カバー25はネジなどにて外箱2の鋼板に取外し可能に固定されている。
【0007】
冷凍サイクルの構成機器である圧縮機31と凝縮器32は共に凹部20内に収まるように配設され、凝縮器32の前面に対向して設けられた凝縮器冷却用の機械室ファン33と併せて凹部カバー27にて覆われている。
【0008】
また、圧縮機31は弾性部材等を介して凹部20内の底壁に直接支持され載置されており、機械室ファン33も凹部20内の前壁に直接支持されている。
【0009】
また、凹部カバー27の上板25と背板26には、放熱のために複数の通気口34,35がそれぞれ設けられており、その配置構成から、上板25に開口した通気口34を吸気口とし、背板26に開口した通気口35を排気口としている。
【0010】
また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器36は冷凍室6の後背部に冷却ファン37と共に配設されており、最下部の貯蔵室である野菜室7は奥行き深く構成してある。
【0011】
これにより、断熱箱体1の背面下部に圧縮機31や凝縮器32を収納するものと比較して、野菜室7の内容積を大きく、深く構成できる。また、高圧機器を断熱箱体1の上部に配置しても、使用者の手が届きにくくて使いにくいために敬遠される天面後背部のスペースに高圧機器の収容部となる凹部20を設けているため、最上部の貯蔵室である冷蔵室5の使い勝手を実質的に損ねることがないものである。
【特許文献1】特開2001−99552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の構成では、断熱箱体1を直接凹ませて凹部20を形成しているため、圧縮機31などの比較的外形の大きな高圧機器等を収容する関係上、凹部20の両側部に左右壁23,24を有する場合は特に、外箱上面21と外箱背面22の鋼板を一体絞り加工したり、外箱上面21と外箱背面22の鋼板を折曲加工して接合したりする製造上相当に困難であり、作業性が悪く製造コストもかさむという問題点があった。
【0013】
また、凹部20の内壁が断熱箱体の外箱2の表面となるため、騒音,振動発生源である圧縮機31や機械室ファン33を外箱2に直接支持する構成となり、これらの騒音,振動は、凹部20を介し冷蔵室5等の庫内へ透過する。特に使用者が冷蔵庫回転扉8を開けた場合に、冷蔵庫正面側へ漏れやすく、その結果、騒音,振動発生源である圧縮機31,機械室ファン33が高さ的に人間の耳の高さに近い箇所にあるため、騒音が気になったり、扉開閉時等にヒンジ機構で断熱箱体1に枢支される冷蔵庫回転扉8に触れた場合に振動が伝わりやすく、冷蔵庫本体が共振して他の部品(例えば、冷蔵室5内の食品収納棚)へ伝播し、その部品が振動することによる共振音が発生する、という問題点があった。
【0014】
さらには、凹部20内への圧縮機31,凝縮器32,機械室ファン33等の収容部品の取り付けを凹部20の内壁面に直接行うことになるため、部品の位置決めなどを含めて作業性が悪く、取り付けばらつきが生じやすくなって騒音,振動を助長する原因にもなる、という問題点もあった。
【0015】
また、断熱箱体のフレームは、例えば0.5mm程度の鋼板製の外箱2と2mm程度の薄肉ABSでできた内箱3及びで内部の発泡ウレタン断熱材4を覆う3層構造となるが、断熱箱体1の上部は凹部20により矩形形状ではなく異形となるため、強度が不十分であった。
【0016】
したがって、圧縮機311および機械室ファン33が動作する時、これらによる振動が断熱箱体1に直接的に伝播すると、共振音がさらに大きくなる懸念があった。
【0017】
また、凹部20の周辺強度が不十分であると、冷蔵庫本体の運搬時に必要な取っ手の取り付け強度が不十分となり、運搬時の安全性を確保することが容易ではない、という問題点があった。
【0018】
また、凹部20内での凝縮器32と機械室ファン33の配置関係と吸気用の通気口34と,排気用の通気口35の配置関係が、凹部20の奥行き方向に並べられているため、凹部20内のスペースが有効に活用されておらず、機械室ファン33による圧縮機31の冷却効果も含めて凹部20内の放熱効率が十分に高められない構成であり、凹部20内の温度上昇により冷蔵室5内への熱漏洩による省エネルギー面での影響が生じる懸念があった。
【0019】
また、凹部20内に収容した圧縮機31,凝縮器32に冷凍サイクルの冷媒配管を接続する際には、外箱上面21と外箱背面22の鋼板を貫通して冷媒配管を配設しなければならず、貫通部における冷媒配管の支持固定やシール性が不十分なものになり、冷媒配管の折れ等の損傷や発泡ウレタン断熱材4の漏れ等が生じる問題点があった。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、圧縮機を断熱箱体の天面部に凹部を設けて設置する冷蔵庫において、圧縮機を収容する凹部の組み立ての簡素化と精度の向上を通じて構造強度の向上を図り、騒音,振動の伝播を抑制するとともに、省エネルギー化にも寄与する冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、外箱と内箱と前記外箱と前記内箱との間に設けた断熱材とよりなる断熱箱体と、前記断熱箱体の天面後方を庫内側に凹ませて形成した機械室と、前記機械室内に収容した冷凍サイクルの圧縮機とを有し、前記外箱を金属板で形成し、前記圧縮機を載置する前記機械室の外郭を樹脂で形成し、前記機械室内に前記圧縮機を強制冷却する送風機をさらに収容して前記送風機を樹脂で形成された機械室の前記外郭に固定したものである。
【0022】
これによって、圧縮機を収容する異形で複雑な形状の機械室部分を樹脂成形で別途一体に形成することができ、機械室の組み立て工程において簡素化による作業性の向上と組み立て精度の向上が図れる。また、機械室外郭の樹脂成形における補強構造や外箱との接合構造を適切なものとすることにより剛性が高くなり、かつ鋼板に代表される金属板製の外箱と材質の異なる樹脂成形の機械室外郭を接合することによって圧縮機の騒音,振動が冷蔵庫本体への伝播するのを抑制することができる。
【0023】
また、圧縮機と同じく駆動部分であるモーターやファンを有する送風機を樹脂成形の機械室外郭に取り付けることによって冷蔵庫本体への振動伝播が減衰し、庫内部品の共振等を避けることができる。また、送風機自体も機械室外郭に予め組み付けることができ、圧縮機の強制冷却機能を備えた機械室を合理的に形成できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の冷蔵庫は、圧縮機を収容する機械室を冷蔵庫本体の天面部に形成した冷蔵庫において、機械室の組み立て作業性と組み立て精度の向上が図れ、圧縮機上部配置型の冷蔵庫を高い品質で合理的に提供することができる。また、機械室外郭の剛性が高くなり、圧縮機および圧縮機強制冷却用の送風機の騒音,振動の伝播を抑制し、庫内部品の共振音の発生等も防止して使用者や居住者の不快感を拭うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
請求項1に記載の発明は、外箱と内箱と前記外箱と前記内箱との間に設けた断熱材とよりなる断熱箱体と、前記断熱箱体の天面後方を庫内側に凹ませて形成した機械室と、前記機械室内に収容した冷凍サイクルの圧縮機とを有し、前記外箱を金属板で形成し、前記圧縮機を載置する前記機械室の外郭を樹脂で形成し、前記機械室内に前記圧縮機を強制冷却する送風機をさらに収容して前記送風機を樹脂で形成された機械室の前記外郭に固定したものであり、圧縮機を収容する異形で複雑な形状の機械室部分を樹脂成形で別途一体に形成することができ、機械室の組み立て工程において簡素化による作業性の向上と組み立て精度の向上が図れ、製造コストを抑えて、圧縮機上部配置型の冷蔵庫を高い品質で合理的に提供することができる。
【0026】
また、機械室外郭の樹脂成形における補強構造や外箱との接合構造を適切なものとすることにより剛性が高くなり、かつ鋼板に代表される金属板製の外箱と材質の異なる樹脂成形の機械室外郭を接合することによって振動伝播が減衰し、圧縮機の騒音,振動が冷蔵庫本体への伝播することが抑制され、庫内部品の共振音の発生等も防止できて、人の耳障りになりやすい配置となる圧縮機上部配置型の冷蔵庫においても使用者や居住者の不快感を拭うことができる。
【0027】
また、機械室外郭を別途樹脂で一体成型して冷蔵庫本体の外箱と接合する構成を採用することによって、製造工程においては冷蔵庫の外形の異なる製品間でも機械室部分の共用化や標準化を図れる可能性を有するものである。
【0028】
また、製造工程の工夫によっては、樹脂成形された機械室外郭に圧縮機をはじめとした各部品を予め装着して予備的に組み立てておき、この機械室の予備組み立て品を冷蔵庫本体の外箱に装着して接合させ、冷媒配管等を連結するなどの方法も考えられ、製造工程の一層の合理化による生産性の向上や予備組み立て品としての共用化、標準化を取り入れることによる製造コストの低減が図れる。
【0029】
さらに、圧縮機と同じく駆動部分であるモーターやファンを有する送風機を樹脂成形の機械室外郭に取り付けることによって冷蔵庫本体への振動伝播が減衰し、庫内部品の共振等を避けることができる。また、送風機自体も機械室外郭に予め組み付けることができ、圧縮機の強制冷却機能を備えた機械室を合理的に形成できる。
【0030】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記機械室内に前記圧縮機と冷媒配管で接続される凝縮器をさらに収容し、前記凝縮器を前記送風機により強制冷却するものであり、冷凍サイクルの高圧機器である凝縮器の一部を同時に収めることにより、送風機の強制通風効果を凝縮器の強制冷却用にも活用でき、高圧機器をユニット化してよりコンパクトで合理的な機械室組み立て品を構成できる。
【0031】
また、収容する凝縮器の一部を圧縮機の吐出側と直接接続される予冷配管とすれば、大きなスペースがなくても送風機の強制通風作用を利用して相当の顕熱分の放熱促進が可能であり、この予冷配管に続く凝縮器配管が断熱箱体の外箱内面に熱伝導的に配設されるものである場合などには、これらの配管温度を低減でき外箱の表面温度を低下させて使用者等が触れることによる不快感を軽減することができる。
【0032】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記送風機の強制対流路中において、前記圧縮機の上流側に前記凝縮器を配置したものであり、圧縮機の高熱が凝縮器の放熱を妨げることを回避しながら、圧縮機,凝縮器がともに強制冷却効果を享受することができる。
【0033】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記送風機を前記圧縮機と前記凝縮器との間に配置し、前記送風機により前記機械室内を左右に区画し、前記送風機を挟んで前記圧縮機を収容する第1の区画と前記凝縮器を収容する第2の区画とを区画形成したものであり、送風機を中間にして強制通風の上流側に凝縮器、下流側に圧縮機を区画配置でき圧縮機の高熱が凝縮器の放熱を妨げることを回避しながら圧縮機,凝縮器ともに強制冷却効果を享受することができる。
【0034】
また、送風機を中間にして圧縮機と凝縮器を左右に分ける配置となることにより、圧縮機が冷蔵庫本体の幅方向の中央よりも片側に偏在した配置となるため、特に本体上部の貯蔵室に観音開き式の扉を有する冷蔵庫においては、圧縮機の配置位置が観音開き式の両扉の合わせ目となる位置から離れて片側の扉の前方からみた投影面内に収まるような位置となる。観音開き式の両扉の合わせ目に近いほど観音式扉を閉めた際の衝撃で圧縮機が揺れて圧縮機の内部機構と圧縮機の容器が衝突して生じる釜当たり音が発生する懸念があるが、これにより、その衝撃を避けることができ使用者等に不快な異音を感じさせることを防止できる。
【0035】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記送風機は樹脂製の外郭を有し、樹脂製の前記外郭を樹脂で形成された機械室の前記外郭に係合させて前記第1の区画と前記第2の区画との間を区画したものであり、機械室の樹脂製の外郭と送風機の樹脂製の外郭とが係合した形で機械室の幅方向の中間部で接合されることによって梁が形成され、機械室外郭の幅方向の剛性が高くなり送風機自体や圧縮機の振動,騒音の伝達を抑制することができる。
【0036】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記第1の区画と前記第2の区画との間に高さ方向の段差部を形成したものであり、圧縮機の収容に必要な高さスペースと凝縮器の収容に必要な高さスペースの差異に着目し、凝縮器を収容する第2の区画の高さスペースを抑えることにより、機械室の幅方向の中間部に段差部による剛性強化部分を形成でき、機械室外郭の幅方向の剛性が高くなり圧縮機や送風機の振動,騒音の伝達を抑制することができる。
【0037】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記機械室内と外部との空気の流通口を備えた機械室カバーをさらに設け、樹脂で形成された機械室の前記外郭に係合させて前記機械室の開放面を覆ったものであり、樹脂製の機械室外郭であるので機械室カバーに合わせた係合構造を容易に形成することができ、一定の放熱性を維持しながら外観意匠面の問題や機械室内への埃や虫、鼠等の異物の侵入による機能弊害を避けることができ、また騒音の外部への透過を防止することができる。
【0038】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、機械室カバーの前記流通口は、前記第1の区画に設けた排気口と前記第2の区画に設けた吸気口とよりなるものであり、機械室の幅方向を効果的に放熱用の対流通路として利用することができ、放熱効率を最大限に引き出すことができる。
【0039】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明において、前記外箱の前記機械室が対応する部分に切り欠き部が設けられ、前記切り欠き部に樹脂で形成した前記機械室の外郭を係合させたものであり、予め外箱の機械室相当部分を切り欠いておくことによって、機械室相当部分の異形で複雑な形状を外箱で形成する必要がなく、鈑金工程の難易度が抑えられて簡素化され、金属板である鋼板も高価な深絞り材等を用いる必要がなく合理的に筐体を形成できる。
【0040】
以下、本発明による冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先の実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室の斜視図である。図2は、同実施の形態における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図である。図3は、同実施の形態における冷蔵庫の機械室を機械室カバーで覆った状態を示す斜視図である。図4は、同実施の形態における冷蔵庫の正面図である。図5は、図4のA−A線における断面図である。
【0042】
図において、冷蔵庫本体101は断熱箱体102内に複数に区画された貯蔵室を有しており、上部より冷蔵室103,製氷室104及びこの製氷室104に並設された多目的室105,野菜室106,冷凍室107の順に配置されている。多目的室105は、冷凍,冷蔵,チルド,パーシャルフリージング等の温度帯の切替室や調理、熟成、解凍、乾燥,保温等の処理機能を備えた貯蔵室等である。
【0043】
各貯蔵室の前面開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した断熱扉が設けられ、冷蔵室103には観音開き式の扉108a,108b、製氷室104,多目的室105,野菜室106,冷凍室107には、それぞれ引き出し式の扉109,110,111,112が設けられている。
【0044】
断熱箱体102の天面後方のコーナー部には、冷蔵室103の庫内側に突出する形で凹ませた機械室113が形成されている。
【0045】
機械室113は、樹脂成型で形成された機械室の外郭114を鋼板製の外箱115を切り欠いた切り欠き部116に嵌め込んだ形で係合して接合して形成される。切り欠き部116は、外箱の天面板115aの領域内の切り欠き部116aと外箱の両側面板115bの上端部より背面板115cの上端部を下げて接合することによって形成される切り欠き部116bとで上方と後方の2方向に開放した形で構成される。
【0046】
機械室の外郭114は、冷蔵庫本体101の前方から見て、前壁114aと底壁114bと両側壁114cとを有する断面略L字状に樹脂で形成したものであり、前壁114aと底壁114bと両側壁114cの端面は折り曲げた形状のフランジ面114d,114e,114fがそれぞれ一体に形成され、機械室の外郭114の周縁のほぼ全週に渡ってフランジ面が形成されるよう構成されている。
【0047】
そして、このフランジ面114d,114e,114fと鋼板製の外箱の切り欠き部116の周縁端面とを接合して外箱を構成するが、外箱の天面板115aにおいて、切り欠き部116の周縁の両側部には平面部117を残した形で両側面板115bより折り曲げ形成されており、機械室の外郭114の両側部のフランジ面114fはこの平面部117上に重合するように接合される。これにより、外箱の両側面板115bと機械室の外郭の両側壁114cとがそれぞれ対面させて接合される。また、他のフランジ面114d,114e等は外箱115の天面板115aや背面板115cの端面とかみ合わせるように接合される。
【0048】
また、外箱の切り欠き部116の周縁端部の天面板115aには補強構造118を施されている。補強構造118は、天面板115aをプレス加工したビード状の形状や端面を折り返して二重構造とすることなどにより行う。
【0049】
外箱の両側面板115bと機械室外郭の両側壁114cとは空間119をおいてそれぞれ対面させ、この空間119内に略L字状の補強材120を挿入して機械室外郭の両側壁114cの上部と後背部に固定している。
【0050】
機械室113が接合された外箱115と樹脂製の内箱120は所定の間隔を有して接合され、この間隔内とこれに連通する空間119内にウレタンに代表されるような発泡断熱材121を充填発泡することで断熱箱体101が形成される。
【0051】
機械室113内には冷凍サイクル機器としては圧縮機122,凝縮器の一部となる予冷凝縮器123,乾燥器124等、冷凍サイクルの高圧側の機器が収容され、これらを繋ぐ冷媒配管125が複数出入する。本実施の形態では、予冷凝縮器123から外箱115の内面に熱伝導的に配設される凝縮器に至る冷媒配管125a、外箱115の内面に熱伝導的に配設される凝縮器から乾燥器124に至る冷媒配管125b、冷蔵庫本体101の下部で主として冷凍室107の後方に配置された蒸発器126から圧縮機122に至る冷媒配管125cである。
【0052】
圧縮機122は冷蔵庫本体101の上部への設置を考慮して低騒音、低振動化を図りやすい内部低圧型でかつ往復動型の圧縮機を適用している。また、冷凍サイクル内の冷媒としては、地球環境保全の観点から地球温暖化係数が小さい可燃性冷媒であるイソブタンを使用している。
【0053】
また、機械室の外郭114の外箱115との接合部近傍には、冷媒配管の連通溝127を形成しており、各連通溝127a,127b,127c内に各冷媒配管125a,125b,125cを位置決め配設して外箱115と機械室の外郭114との貫通部をも併せてシールしている。
【0054】
発熱を伴う高圧側の機器である圧縮機122,予冷凝縮器123の放熱促進を図るため、強制通風用の送風機128が圧縮機122と予冷凝縮器123との中間位置即ち機械室113の幅方向の中間位置に配置されている。送風機128を中間にして強制通風の上流側に予冷凝縮器123、下流側に圧縮機122を配置し、これにより、機械室113内は圧縮機122が配置される第1の区画129と予冷凝縮器123が配置される第2の区画130とに区画されている。
【0055】
送風機128は、略直方体状の樹脂製の外郭131で囲われた軸流ファンを有するモーター駆動の送風機で、送風機の樹脂製の外郭131は、冷蔵庫前方から見てその周壁の前壁と底壁とを機械室の樹脂製の外郭114と嵌め合わせ状態で係合固定されている。
【0056】
圧縮機122が配置される第1の区画129と予冷凝縮器123が配置される第2の区画130との間には高さ方向の段差部132が形成されている。圧縮機122が収容される第1の区画129の高さを予冷凝縮器123が収容される第2の区画130の高さより大きくし、段差部132で機械室113内の底壁の高さを変えている。
【0057】
また、第1の区画129内に収容される圧縮機122は、冷蔵庫本体101の前方から見て冷蔵室の観音開き式の両扉108a,108bのいずれか片方の扉の投影面内に収まるような位置、すなわち観音開き式の両扉108a,108bの合わせ目となる位置から離れた位置に配置されている。
【0058】
圧縮機122は、比較的板厚の厚い載置板133上に立てられた支持ピン134に弾性部材135を介して脚136で支持されており、機械室の外郭の底壁114bの裏面に固定された補強板137上に載置板133を介して圧縮機122が支持固定される構造となっている。
【0059】
機械室113は上方と後方とが開放されており、この開放面を覆う形で機械室カバー138を機械室の外郭114に係合させて取り付けている。機械室カバー138は、樹脂で形成され、機械室114内と外部との空気の流通口139を備えている。空気の流通口139は、機械室内の第1の区画129に面して機械室カバー138の上面,背面に設けた排気口139a,139bと機械室内の第2の区画130に面して機械室カバー138の上面,背面に設けた吸気口139c,139dとで構成され、機械室113の幅方向に第2の区画130から第1の区画129の方向に送風機128による強制対流作用が行われるように構成されている。
【0060】
また、機械室カバー138は、少なくともその両側端部を機械室の外郭の両側壁114c内に固定された補強材120に対してビス止め等で固定される。機械室カバー138の上面前端部や背面下端部は樹脂製の機械室の外郭114にビス止め等で固定される。
【0061】
さらに、機械室カバー138にはその背面の両側部に渡って設けられた連結部材140が取り付けられ、この連結部材140は機械室カバー138,機械室の外郭114を介して機械室の外郭の両側壁114c内に固定された補強材120を連結するように固定されている。連結部材140は機械室カバー138を介さず直接機械室の外郭114を介して補強材120に固定してもよい。
【0062】
本実施の形態では、連結部材140を冷蔵庫を運搬する際の荷重に耐えられる強度と把持しやすい形状とすることにより、冷蔵庫運搬用の取っ手としても用いている。
【0063】
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その作用を説明する。
【0064】
まず、鋼板製の外箱115を形成するにあたり、両側面板115bと天面板115aとを併せた鋼板の板取りにおいて、天面板115aに相当する部分にプレス加工で両側部に平面部117を残して切り欠き部116aを打ち抜き、この平面部117を残した形で両側面板115bの部分を逆U字状に折り曲げ、次いで両側面板115bより長さの短い背面板115cと底面板(図示せず)を接合して外箱115の筐体としての外形を形成する。この方法は、少なくとも両側面板115bと天面板115aとを一体に折曲形成し、これに背面板115cの上部を空けて接合するものであり、特に機械室相当部分の切り欠き部116を合理的に形成する上で有効である。
【0065】
また、切り欠き部116aは、両側部に平面部117を残して形成するため、両側面板115bに打ち抜き加工時等の歪みや損傷を与えず、天面板115aと両側面板115bとを一体に折り曲げる場合には折曲部を奥行き方向の全長に渡って形成して外観を保つことができる。また、樹脂成形された機械室の外郭114を接合する際には両側部の接合相手の構造と成り得る。
【0066】
そして、天面板の切り欠き部116aと背面板115cが両側面板115bより長さが短いことにより背面上部に形成される切り欠き部116bとで構成される切り欠き部116に対して、樹脂で形成された機械室の外郭114を嵌め込む形で係合させフランジ面114d,114e,114fをそれぞれ外箱115の端面に固定することで冷蔵庫本体101の天面後方部に機械室113が形成される。これらの接合部は必要に応じて発泡断熱材の漏れ防止用のシール材を施す。
【0067】
外箱115には予め内面にアルミ箔等の良熱伝導性の固定部材で凝縮器となる冷媒配管が配設され、切り欠き部116aに対して冷媒配管125a,125bの端部が導出されている。凝縮器となる冷媒配管は外箱の折り曲げ前に配設しても、折り曲げ後に配設しても構わない。冷媒配管125a,125bの端部は発泡断熱材の漏れ防止用のシール材を施した上で、機械室の外郭の連通溝127a,127b内に位置決めされる。
【0068】
一方、蒸発器126からの戻り配管となる冷媒配管125cは外箱の背面板115cに接触することのないようにして機械室の外郭の連通溝127c内に位置決めされて機械室内に導出される。
【0069】
このようにして構成された天面後方部に機械室113を有する外箱115の接合体に対して、別途真空成型加工で形成された樹脂製の内箱を所定の間隔をおいて内側に係合させ、次いで断熱材の発泡工程でウレタン等の発泡断熱材を充填発泡させることで断熱箱体102が形成される。
【0070】
断熱箱体102の完成後に、機械室113内に対して冷凍サイクルの圧縮機122,予冷凝縮器123,乾燥器124等の機器、部品を収容する。そして、圧縮機122と予冷凝縮器123、予冷凝縮器123と冷媒配管125a、冷媒配管125bと乾燥器124、冷媒配管125cと圧縮機122とをそれぞれ溶接により連結し、各機器を機械室の外郭114に対して固定する。機器の固定と配管溶接の順序は製造工程の都合や作業性により適宜変更することが可能である。
【0071】
この後、強制通風用の送風機128を機械室の外郭114に固定した上で機械室カバー138を被せ、冷蔵庫運搬用の取っ手となる連結部材140を取り付ければ機械室113周りの構造体が完成する。
【0072】
以上のように構成された圧縮機上部配置型の冷蔵庫によると、圧縮機122を載置する機械室の外郭114を樹脂で形成したので、例えば、本実施の形態のように、外箱115の機械室113が対応する部分に天面板115aの切り欠き部116aと背面板115bの上部の切り欠き部116bとで構成される切り欠き部116を形成してこの機械室の外郭114を接合すれば、予め外箱115の機械室相当部分を切り欠いておくことによって、機械室相当部分の異形で複雑な形状を外箱115で形成する必要がなく、鈑金工程の難易度が抑えられて簡素化され、金属板である鋼板も高価な深絞り材等を用いる必要がない。
【0073】
すなわち、圧縮機122を収容する異形で複雑な形状の機械室部分を外箱115の鋼板とは別体で予め形成することができ、外箱用の鋼板を折り曲げ加工したり、プレスで絞り加工したりして形成するような難易度が高く、成形精度もばらつき易い手段と比べて、機械室113を形成する組み立て工程において簡素化による作業性の向上と組み立て精度の向上が図れ、工数や歩留まりも含めた総合的な製造コストを抑えて、圧縮機上部配置型の冷蔵庫を高い品質で合理的に提供することができる。
【0074】
樹脂製の機械室の外郭114を外箱115とどのように係合させ、接合固定するかは、本実施の形態の切り欠き部116に嵌め込む方法以外にも他の手段があるが、どの方法であっても機械室の外郭114を樹脂で成型した別体構成とする効果は享受することができる。
【0075】
なお、機械室の外郭114の樹脂成形は極力全体の一体成形が好ましいが、成形上の都合によっては、部分的に複数の成型品の組み合わせとなっても構わない。
【0076】
また、機械室の外郭114の樹脂成形においては、板厚,樹脂材料等を選定し、リブ成型等の補強構造を適宜施したり、外箱115との接合構造を確実で適切なものとすることにより樹脂成形であっても剛性を一定以上に高めることができる。
【0077】
機械室の外郭114を前壁114aと底壁114bと両側壁114cとを有する断面略L字状に樹脂で形成することにより、樹脂で形成された機械室の外郭114自体の構造強度をまず高めることができ、圧縮機122や送風機128の振動,騒音の伝達を抑制する基盤構成とすることが可能である。
【0078】
機械室の外郭114の各壁114a,114b,114cの端面にフランジ面114d,114e,114fを形成することにより、機械室の外郭114の各壁端面をそのままでなく、折曲形成することによる剛性の強化が図れ、外箱115との接合構造において圧縮機122や送風機128の振動,騒音の伝達を抑制することが可能である。
【0079】
また、鋼板製の外箱115とは材質の異なる樹脂成形の部材を接合することになるので、載置された圧縮機122からの振動伝播が減衰し、振動や共振音が冷蔵庫本体101に伝播することが抑制され、例えば冷蔵室103内に取り付けられた庫内部品の共振音の発生等も防止できる。
【0080】
圧縮機上部配置型の冷蔵庫は、使用者等の人の耳の高さに機械室113の配置高さが近くなるため、圧縮機122等の発生する騒音や振動音が耳障りになりやすいが、機械室の外郭114を別体の樹脂成形で組み合わせることによって、圧縮機上部配置型の冷蔵庫においても使用者や居住者の不快感を拭うことができる。
【0081】
また、冷蔵庫の外形の異なる製品間にあっては、機械室113を外箱115の加工により形成するものであると、製造工程で各製品の外形寸法に合わせてそれぞれ機械室を形成する外箱仕様が異なってしまい生産性を高めにくいが、機械室の外郭114を別途樹脂で一体成型して冷蔵庫本体の外箱115と接合する構成を採用することによって、冷蔵庫の外形の異なる製品間でも機械室部分の共用化や標準化を図り生産性を高め、全体的な製造コストの低減に結びつけることも可能である。
【0082】
また、製造工程の工夫によっては、樹脂成形された機械室の外郭114に圧縮機122をはじめとした各部品を予め装着して予備的に組み立てておき、この機械室の予備組み立て品を外箱の切り欠き部116に装着して接合させ、冷媒配管125a,125b,125c等を連結するなどの方法も考えられ、製造工程の一層の合理化による生産性の向上や予備組み立て品としての共用化、標準化を取り入れることによる製造コストの更なる低減が図れる。
【0083】
機械室113内に収容された圧縮機122を強制冷却する送風機128は、樹脂で形成された機械室の外郭114に固定したものであり、圧縮機122と同じく駆動部分であるモーターやファンを有する送風機128を樹脂成形の機械室の外郭114に取り付けることによって冷蔵庫本体101への振動伝播が減衰し、冷蔵室103内等の庫内部品の共振や共振音の発生を避けることができる。また、送風機128自体も機械室の外郭114に予め組み付けることができ、製造工程等において、圧縮機122の強制冷却機能を備えた機械室113を合理的に別体で準備でき主幹の製造工程を簡略化できる。
【0084】
予冷凝縮器123は圧縮機122の吐出配管側に接続され、外箱115の内面や冷蔵庫本体1の底面に配設される主凝縮器(図示せず)に至るまでの凝縮器の一部となる凝縮配管であり、本実施の形態では圧縮機122からの振動伝達を抑制する目的も含めて配管をループ状に旋回させた形状をとり、この部で圧縮機122から吐出される高温の冷媒ガスの放熱を促進する。この予冷凝縮器123を送風機128の強制対流路中に組み込むことにより圧縮機122の強制冷却に加えて予冷凝縮器123も強制冷却されることになり、強制冷却式の高圧ユニットを組み込んだ機械室組み立て品をコンパクトで合理的に構成できる。
【0085】
また、大きなスペースがなくても送風機128の強制通風作用を利用して予冷凝縮器123において相当の顕熱分の放熱促進が可能であり、この予冷凝縮器123に続く凝縮器配管が断熱箱体の外箱115の内面に熱伝導的に配設されるものである場合などには、これらの配管温度を効果的に低減でき外箱115の相当部分の表面温度を低下させて使用者等が触れることによる不快感を軽減することができる。
【0086】
なお、本実施の形態では予冷凝縮器123を用いたが、設置スペースが許せばフィンチューブ型熱交換器等の熱交換効率の高い凝縮器を収容して、主凝縮器の強制冷却を行わせることももちろん可能である。
【0087】
また、機械室の外郭114には各冷媒配管の連通溝127a,127b,127cを形成しているので、圧縮機122や予冷凝縮器123と連結される各冷媒配管125a,125b,125cが機械室113内に出入する部位の位置決めが明確になり、組み立て作業性や組み立て精度が高くなり、発泡断熱材121の漏れシール等の構造も併せて確実に行うことができる。
【0088】
機械室113内の幅方向のスペースにおいて、圧縮機122が配置される第1の区画129と予冷凝縮器123が配置される第2の区画130とを区画するように送風機128を圧縮機122の上流側で予冷凝縮器123の下流側に配置しているので、圧縮機122の高熱が予冷凝縮器123の放熱を妨げることを回避しながら圧縮機122,予冷凝縮器123がともに強制冷却効果を享受することができる。
【0089】
機械室113の上方,後方の開放面を覆う機械室カバー138に形成された外部からのとの空気の吸気口139c,139dは第2の区画130に面して設けられ、外部への空気の排気口139a,139bは第1の区画129に面して設けられているので、外部からの空気は送風機128の運転により、まず第2の区画130内に導入されて予冷凝縮器123を冷却し、次いで第1の区画内に導入されて圧縮機122を冷却した後外部へ排気され、放熱が促進される。これにより、機械室の幅方向を効果的に放熱用の対流通路として利用することができ、放熱効率を最大限に引き出すことができる。
【0090】
機械室カバー138は、樹脂で形成された機械室の外郭114に係合させて機械室113の開口面を覆うものであり、係合相手が樹脂製の機械室外郭114であるので機械室カバー138に合わせた係合構造を容易に形成することができ、一定の放熱性を維持しながら外観意匠面の問題や機械室内への埃や虫、鼠等の異物の侵入による機能弊害を避けることができ、また騒音の外部への透過を防止することができる。
【0091】
送風機128は樹脂製の外郭131を有し、樹脂製の外郭131を樹脂で形成された機械室の外郭114に係合させて第1の区画129と第2の区画130との間を区画するので、機械室の樹脂製の外郭114と送風機の樹脂製の外郭131とが係合した形で機械室113の幅方向の中間部で接合されることによって梁が形成され、機械室の外郭114の幅方向の剛性が結果的に高くなり送風機128自体や圧縮機122の振動,騒音の伝達を抑制することができる。
【0092】
また、送風機128を中間にして圧縮機122と予冷凝縮器123を左右に分ける配置となることにより、圧縮機122が冷蔵庫本体101の幅方向の中央よりも片側に偏在した配置となるため、本実施の形態のように、本体上部の冷蔵室103に観音開き式の扉108a,108bを有する冷蔵庫においては、圧縮機122の配置位置が観音開き式の両扉108a,108bの合わせ目となる位置から離れて観音開き式の両扉108a,108bのいずれか片側の扉の前方からみた投影面内に収まるような位置となる。観音開き式の両扉108a,108bの合わせ目に近いほど扉を閉めた際の衝撃で圧縮機122が揺れて圧縮機122の内部機構と圧縮機122の容器が衝突して生じる釜当たり音が発生する懸念があるが、この配置により、その衝撃が強い位置を避けて圧縮機122を配置することができ使用者等に不快な異音を感じさせることを防止できる。
【0093】
圧縮機122の載置は別途設ける載置板133上で組み付けが行われて弾性的に支持されるため、この組み付け品を載置板133ごと機械室外郭の底壁114bの裏面に固定した補強板137にビス等で固定すれば圧縮機122の微妙な取り付けばらつきを抑制して精度よく圧縮機122を配置でき振動拡大の要因を抑えることができる。また、予め圧縮機の脚部を載置板上に支持固定することになるため、作業性が良好であり確実な支持が行える。
【0094】
また、重量の重い圧縮機122の支持基盤を樹脂製の外郭114のみに依存せず、比較的厚みのある金属板等の補強板137でバックアップすることにより支持強度を高めて振動伝達を抑制することができる。また、補強板137の下部が発泡断熱材121で密着接合されていれば、さらに振動伝達を減衰することができる。
【0095】
圧縮機122の収容に必要な高さスペースと予冷凝縮器123の収容に必要な高さスペースの差異に着目し、予冷凝縮器123を収容する第2の区画130の高さスペースを抑えることにより、第1の区画129と第2の区画130との間に高さ方向の段差部132を形成しているので、機械室の幅方向の中間部に段差部132による剛性強化部分を形成でき、機械室の外郭114の幅方向の剛性が高くなり圧縮機122や送風機128の振動,騒音の伝達を抑制することができる。
【0096】
また、外箱の天面板115aには、切り欠き部116aの周縁端部に補強構造118を施しており、平板の端面の強度を高め、波打ちを防止して樹脂成形の機械室の外郭114との接合強度を向上することができる。
【0097】
樹脂製の機械室の外郭114の両側壁114cは、外箱の両側面板115cと対面して平面部117でフランジ面114fと重ね合わせて接合したものであり、平面部117の裏面に固定された略L字状の補強材120にビス止めすることによって、機械室113の両側部の外箱強度を補強することができ機械室113から外箱115への振動伝播を抑制することができる。
【0098】
外箱の両側面板115cと機械室の外郭の両側壁114cとの間に形成した空間119内に断熱箱体102に充填発泡する際のウレタン等の発泡断熱材121を充填させることによって、両側面板115cと機械室の外郭の両側壁114cの接合部の強度を補強し、剛性を高めることができる。これにより、機械室113の両側部からの騒音の透過を減衰し圧縮機122,送風機128の外部への騒音影響を低減することができ、圧縮機122,送風機128の振動により側壁が振動することによる冷蔵室103内の庫内共振音を抑えることができる。
【0099】
また、機械室カバー138や運搬用取っ手140等の取り付けの基部としての強度を持たせることもできる。さらに補強材120を設けているので、機械室カバー138や運搬用取っ手140等の取り付けを行う際、ビス止め等の固定が堅牢となるほか、冷蔵庫運搬用の取っ手140を設ける際には、荷重を受ける取っ手140を強固に取り付ける基材とすることができる。機械室カバー138の取り付け強度を高めることにより、圧縮機122や送風機128の振動により機械室カバー138が共振することによる共振音が発生するのを抑制することができる。
【0100】
取っ手140は、両側に設けた補強材120を連結するように設けると、機械室の外郭14の幅方向の連結部材とすることができ、機械室両側部の幅方向への変形を防止し機械室部分の剛性を一層高めて振動,騒音対策や冷蔵庫運搬時の補強対策として有効な構造体とすることができる。
【0101】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【0102】
図において、外箱の両側面板115bの内面には真空断熱材201が例えば、ホットメルト等の接着剤で貼着されている。この真空断熱材201は両側面板115bの上部にまで設けられて、機械室の外郭の両側壁114cとの間の空間129内にも延在して貼着されている。
【0103】
また、機械室の外郭の各壁114a,114b,114cの裏面にも、それぞれの大きさに見合った真空断熱材201と同様の材料で構成された小型の真空断熱材202が貼着されている。真空断熱材122は必ずしも機械室の外郭の各壁114a,114b,114cの全ての面に設けなくてもよく、機械室113内の部品の取り付けや効果の度合いとの絡みで適宜設ける部位を選定すればよい。
【0104】
真空断熱材201は、芯材材料としてガラス繊維を層状に重ねたボード材を用い、これをアルミ等の金属箔や金属蒸着フィルム等をガスバリアー性のベースにした多層樹脂フィルムよりなる外被材で覆い、内部を真空排気処理した高性能の断熱材であり、芯材材料としてはシリカ,パーライトなど粉末状のものや連通フォームのウレタン樹脂等を選択することもできるが、本実施の形態では、特に無機材料でガス発生による経時的な断熱性の劣化が少なく、芯材としての形状保持効果高くて平面性や薄板化などの加工性に優れ、伝熱抵抗が高く高性能化が図りやすいガラス繊維を芯材として選定している。
【0105】
このような真空断熱材201は、主として断熱性能の強化の目的に用いることが主であるが、ウレタン等の発泡断熱材121中に埋設させ、異種または構造の異なる部材や材料による複層構造とすることによって、騒音透過に対する減衰効果を高めることができる。ガラス繊維を芯材に用いた真空断熱材201であると、ガラス繊維が複雑に絡み合ったWeb状に存在し、かつ内部が真空であるため騒音や振動の透過を減衰させる効果が大きいという利点がさらに得られ、この点においても極めて有効である。
【0106】
真空断熱材201,202を設けることにより、騒音透過に対する減衰効果を高めるとともに単一材料で遮音する場合と比べてより広い周波数域における騒音を減衰することができるので、外部へ伝達する騒音の漏れを減少させることができ、庫内への騒音の透過を抑制することができるので、圧縮機122を上部に配置した冷蔵庫においては特に、使用者等の人の耳への耳障りな音の伝達を抑え、騒音を低減することができる。
【0107】
また、機械室の外郭114の裏面に真空断熱材202を帖着すると、圧縮機122,予冷凝縮器123等発熱を伴う機器を収容する機械室113内から冷蔵室103等の庫内への熱漏洩を効果的に高めることができる。
【0108】
真空断熱材202は機械室の外郭114に予め組み付けておくことができるため、貼り付け部位が樹脂成形で枠組みできるなど貼り付け精度がよく作業性もよい。また、真空断熱材202の外被材の端部で発泡断熱材121の流動性を妨げないように端部を織り込んだりする処理を貼り付け部位の樹脂成形の枠組み内で行いやすくなり、最も温度差が大きく断熱効果を要求される機械室113と冷蔵室103等庫内間の断熱構造としての信頼性を高めることができる。
【0109】
さらに芯材材料としてガラス繊維を選定すると、平面性が高く加工性にも優れるので機械室の外郭114の各壁に帖着しやすく好ましいものである。
【0110】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【0111】
図において、外箱301は、機械室113の対応する部分が段差状に折り曲げられた凹部302となった天面板303と背面板304とが2枚の側面板305に別々に接合され、筐体を構成している。
【0112】
凹部302に樹脂で形成した機械室の外郭114を重合させることにより、機械室相当部分が鋼板と樹脂の二重構造になって構造強度が高められ、柔軟性部材等を介して両者の接合構造に配慮をすれば圧縮機122や送風機128の振動,騒音の伝達をより抑制することが可能である。
【0113】
また、機械室相当部分を切り欠いて樹脂製の機械室の外郭114を嵌め込む方法でないため、切り欠き部周縁の接合部での発泡断熱材121のシール構造を懸念する必要がない。
【0114】
また、外箱301は、少なくとも両側面板305と天面板303とを分離された鋼板で接合形成したものであり、外箱形成の自由度が拡がる。例えば、上記のような二重構造とせず、機械室113の相当部分に切り欠き部を設ける場合は切り欠き形成が必要でなく、天面板303の長さを調整すれば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、圧縮機上部配置型の冷蔵庫を高い品質で合理的に提供することができ、圧縮機の騒音,振動の伝播を抑制し、庫内部品の共振音の発生等も防止して使用者や居住者の不快感を拭うことができる実用効果の高いものであるので、家庭用の冷蔵庫のみならず、圧縮機を本体上部に配置する機器の機械室構成として幅広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室の斜視図
【図2】同実施の形態における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図
【図3】同実施の形態における冷蔵庫の機械室を機械室カバーで覆った状態を示す斜視図
【図4】同実施の形態における冷蔵庫の正面図
【図5】図4のA−A線における断面図
【図6】本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図
【図7】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室の組み立て状態を示す分解斜視図
【図8】従来の冷蔵庫の断面図
【図9】従来の冷蔵庫を後方より見た要部斜視図
【符号の説明】
【0117】
101 冷蔵庫本体
102 断熱箱体
113 機械室
114 機械室の外郭
114a,114b,114c 機械室の外郭の壁面
114d,114e,114f 機械室の外郭のフランジ面
115,301 外箱
115a,303 天面板
115b,305 側面板
115c,304 背面板
116,116a,116b 切り欠き部
117 平面部
118 補強構造
119 空間
120 補強剤
121 発泡断熱材
122 圧縮機
123 予冷凝縮器(凝縮器)
125,125a,125b,125c 冷媒配管
127,127a,127b,127c 連通溝
128 送風機
129 第1の区画
130 第2の区画
131 送風機の外郭
132 段差部
133 載置板
137 補強板
138 機械室カバー
139a,139b 排気口
139c,139d 吸気口
140 連結部材(取っ手)
201,202 真空断熱材
302 凹部




 

 


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