米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> 松下電器産業株式会社

発明の名称 冷蔵庫
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3174(P2007−3174A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−316135(P2005−316135)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 小嶋 淑子 / 芦田 弥恵 / 中村 起子
要約 課題
比較的安全な長波長を有する光源を用いて保存性能を高める。

解決手段
冷蔵室2内部に温度の異なる区画である貯蔵ケース35を持つことを特徴とする冷蔵庫において、紫外領域の波長を持つLEDで構成する光源13を設置することで、貯蔵ケース35内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化させることができ、これにより切替室内部の衛生性が保たれるとともに、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となるので、常に貯蔵ケース内を清潔に保つことを可能とし保存性を向上させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室は内部に複数の区画を有し、前記複数の区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた冷蔵庫。
【請求項2】
前記光源によって照射される紫外光は、280nmから400nmの範囲の波長を有するものである請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記光源によって照射される紫外領域の波長を有するLEDは、特定の温度設定時のみに動作するものである請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記光源によって照射される紫外領域の波長を有するLEDとともに、400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射する請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記光源によって照射されるLEDの波長および照射強度を変えることができる請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
断熱区画された複数の貯蔵室を備えた本体と、圧縮機と凝縮器と減圧器と蒸発器とを順に備えて一連の冷媒流路を形成した冷凍サイクルとを有し、前記貯蔵室は少なくとも、冷凍室と冷蔵室とを備えたものであって、前記圧縮機は前記冷凍室の背面以外の場所に備えられたものである請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
本体に備えられた複数の貯蔵室のうち少なくとも1つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室であって、前記温度切替室以外の貯蔵室の内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有し、前記温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
本体の天面後方に凹み部を有するとともに前記凹み部に圧縮機を備え、断熱区画された複数の貯蔵室のうち、最上段に位置する貯蔵室に備えられた温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
貯蔵室に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた区画は、引き出し式の貯蔵ケースを備え、前記LEDは前記貯蔵ケースの外側の本体側に備えられるとともに、少なくとも前記LEDと対向する部分の前記貯蔵ケースは光透過性の素材からなるものである請求項1から8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉のうち少なくとも一方の扉の前方からの投影面内にLEDを設けた区画が位置する請求項1から9のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉の合わせ部で前記貯蔵室内を左右の領域に区画するとともに、前記左右の領域に区画された区画の少なくとも一方は内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つの区画に紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた請求項1から10のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、左右方向の幅寸法が小さい方の扉は引き出し式扉を備える請求項9に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、一つは引き出し式扉であり、他方は回転式扉であって、前記回転式扉側に位置する区画内にLEDを設けた区画が備えられた請求項9または10に記載の冷蔵庫。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外領域を含む波長を持つLEDにより、より保存性を高めた貯蔵区画を有する冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
女性の社会進出の拡大などの風潮により、冷凍保存のように解凍する手間がなく、すぐに調理ができるという利便性や、微凍結保存での鮮度維持による安心感から多くの主婦は、パーシャルフリージングなど食品の凍結点付近の温度で保存する方法を好んで使用している。しかしながら、これらの保存温度では微生物やカビの増殖を完全に抑制することは不可能であり、貯蔵食品によっては雑菌等が付着したまま貯蔵された場合、貯蔵室内に臭気が充満するばかりでなく、他の貯蔵品に悪臭が移り、又腐敗やカビ発生の原因にもなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図11は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫を示すものである。
【0004】
図11に示すように、冷蔵庫内に冷蔵室1、野菜室4、温度切替室6、冷凍室3等が設けられている。温度切替室6には引き出し式のケースが設けられ、温度切替室6の上壁に紫外線ランプ38が取り付けられている。紫外線ランプ38から紫外線を照射することでケース内に貯蔵された食品に付着している雑菌等を除菌する。
【0005】
このように特許文献1では、温度切替室6の上壁に紫外線ランプ38を取り付けることにより、除菌性を高めた冷蔵庫を提供していた。
【特許文献1】特開2003−287357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の冷蔵庫では温度切替室は引き出し式のケースにより構成されているために、扉開閉時に肉や魚などの生鮮食品が庫外の空気と接触する際に、雑菌が混入し食品に付着しやすかった。さらには、扉開閉時の温度上昇は、食品の劣化の要因であった。また、温度切替室の上壁に紫外線ランプを取り付け、短波長の紫外線を照射することは、紫外線による樹脂の劣化や、食品に対する脂質酸化を促進させていた。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、貯蔵室内部に区画された保存空間を設置し、さらに比較的長波長の紫外光を照射することで、より保存性を高めた保存空間を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室は内部に複数の区画を有し、前記複数の区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。これにより、生鮮食品を貯蔵する空間と外部との間には冷蔵室と断熱区画された貯蔵室の2つの扉が介在するため、雑菌が混入しにくく、また温度変動も抑制でき、より保存性能が向上する。さらに、各々の区画に紫外領域を含む波長を有する少なくとも一つのLEDを有していることで、区画内に付着した雑菌の繁殖を防ぎ、常に切替室内を清潔に保つことを可能とする。従って、従来より保存性を向上させた構造であるために、照射量が少なく、長波長の紫外光でも区画内の衛生性を保つ効果が得られやすい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の冷蔵庫は、区画内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化させることができ、区画内の衛生性が保たれるとともに、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となるので、LEDを備えた区画内を清潔に保つことを可能とし保存性を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
請求項1に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室は内部に複数の区画を有し、前記複数の区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたことで、貯蔵室内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化することで、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となり、貯蔵室内部の衛生性が保たれる。さらに、光源をLEDで構成したことで、発熱量が小さく、貯蔵空間内の温度上昇を防ぐことができ、食品の保存性を安定させることができる。
【0011】
また、LEDはランニングコストが安く、その上、耐久性に優れており、非常に汎用性が高くなることや、コンパクト化設計が可能である為、貯蔵区画の内容量を確保することが可能である。
【0012】
さらに、きのこ類や魚類には、骨や歯の成長に欠かせないビタミンとしてよく知られているビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を含む光源を貯蔵室内に設けることで、貯蔵室内の特定の食品、例えばしらすぼしは保存前と比較してビタミンD含有量を高めることが可能である。
【0013】
また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、5℃から10℃程度の比較的低温下で290nmから320nmの範囲の波長の光を照射することで生成が促進される。なお、アントシアニンはポリフェノールの一種であり、目にいいという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用などの効果が検証されており、非常に体によいとされている物質であり、保存中に栄養価を高めることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記LEDから照射される紫外光は、波長が長く比較的安全な紫外A領域である315nmから400nmの範囲の波長を有していることから、長時間照射されるとシミ・シワの原因となり皮膚の老化を促進するが、短時間であれば人体の日焼けに対する影響の度合いは非常に小さい。一方で、紫外線B領域である280nmから320nmで人体の日焼けに対する影響の度合いは長時間皮膚に照射した場合は、赤く腫れるなど皮膚の炎症を引き起こすこともあり危険であるが、ビタミンD合成を促進させるためには皮膚にとっても非常に有用な波長である。また、280nmより低い波長では皮膚の細胞が破壊されて、皮膚ガンになる危険があるとされ、人体に対する危険度が極めて高い。ところで、上記記載の断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室内に複数の温度の異なる区画と各々の区画から構成されている冷蔵庫では、例えば、貯蔵室の扉が開かれた場合においても、温度の異なる各々の区画はそれら固有の扉が閉められているため、扉開閉に伴う著しい温度上昇や、庫外からの雑菌の混入による貯蔵食品の劣化を抑制できる。従って、280nmから400nmの比較的人体に安全な波長でも、常に貯蔵区画内を清潔に保つことを可能とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室内に複数の温度の異なる区画と各々の区画から構成されている冷蔵庫において、区画内に設置された紫外領域の波長を有するLEDを特定の温度設定時のみに動作することで、例えば、パーシャル温度設定時に動作することを設定した場合、主にパーシャル温度設定時に貯蔵されている肉や魚など食品は氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくい。その上にさらに、紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である。一方で、冷蔵設定時には食品を長期間保存することが考えられることから、紫外領域の波長を有するLEDを連続照射することは、特に遮光包装をしていない食品の劣化促進する可能性があり、望ましくない。従って、紫外領域の波長を有するLEDを照射することで、保存性能を著しく向上させることが可能な特定の温度設定時にのみ、動作することは電気代や耐久性を考慮しても、さらに効果的である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで、例えば貯蔵区画を野菜の保存に適した温度に設定し、葉緑素を持つ野菜を保存している場合、葉の表面にある色素を用いて光合成を行う際に植物が使う色素の吸収スペクトルを持つ波長を同時に照射することで、太陽光線に類似した光を照射することが可能となり、クロロフィルの増量やビタミンCの増加などの効果が得られる。また、550nm付近の青色付近の波長では、カビを抑制する効果があり、紫外領域の光と併用することでさらに貯蔵内を清潔に保つことができる。また一方で、貯蔵区画の設定温度に対応して、赤色や緑色など光源の色を変えることで視覚的に区画内の設定温度を認識することができ、貯蔵室内の温度区分を明確にすることができ、より使い勝手を向上させる。従って、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光の波長を有するLEDを照射することは、雑菌やカビを抑制し保存性能を向上させることに加えて、使い勝手も向上させる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、照射されるLEDの波長および照射強度を変えることができることを特徴とすることで、例えば雑菌が繁殖しやすい貯蔵品の収納の場合には、照射強度を高め、波長を短波長に設定することが可能である。
【0018】
請求項6に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備えた本体と、圧縮機と凝縮器と減圧器と蒸発器とを順に備えて一連の冷媒流路を形成した冷凍サイクルとを有し、前記貯蔵室は少なくとも、冷凍室と冷蔵室とを備えたものであって、前記圧縮機は前記冷凍室の背面以外の場所に備えられたものであることを特徴とする。これによって、圧縮機を冷凍室の背面以外の場所に備える為、冷凍室のスペースをより拡大することができ、すなわち冷凍室の奥側の従来の圧縮機の設置の為に収納スペースとして使用できなかった部分を冷凍スペースとして利用することができるので、外形寸法を維持しながらも、有効庫内容積を大きくでき、使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、本体に備えられた複数の貯蔵室のうち少なくとも1つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室であって、前記温度切替室以外の貯蔵室の内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有し、前記温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0020】
これによって、温度切替室は使用者が使用頻度の高い任意の温度帯に設定して利用した上で、紫外領域の波長を有する光源としてLEDを備えた区画は、使用者がさらに保存性を高めたい食品等を貯蔵する場合に使用することができ、さらにこのLEDを設けた区画も使用者のニーズに応じた温度設定に設定することができるので、各貯蔵室および貯蔵区画を使用者のニーズに合わせて使い分けることができ、使用者の使い勝手をより向上させることが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、本体の天面後方に凹み部を有するとともに前記凹み部に圧縮機を備え、断熱区画された複数の貯蔵室のうち、最上段に位置する貯蔵室に備えられた温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0022】
これによって、使用者の手が最も届きにくく、利用しにくいスペースである最上段の貯蔵室の天面奥部に圧縮機を設置することで、使用者が利用しやすい貯蔵室のスペースをより広くすることができ、冷蔵庫の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、貯蔵室に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた区画は、引き出し式の貯蔵ケースを備え、前記LEDは前記貯蔵ケースの外側の本体側に備えられるとともに、少なくとも前記LEDと対向する部分の前記貯蔵ケースは光透過性の素材からなるものである。
【0024】
これによって、貯蔵ケースが比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には特に使用する光源の発熱による貯蔵ケース内の温度上昇が懸念されるが、光源であるLEDは貯蔵ケースの外側に設けられることによって貯蔵ケース内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴うLEDへの結露を防ぐことができる。このように、貯蔵ケース内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉のうち少なくとも一方の扉の前方からの投影面内にLEDを設けた区画が位置するものである。
【0026】
これによって、LEDを設けた区画に収納した収納物を取り出す際に、二つの扉を両方開けることなく、LEDを設けた区画に対応する一方の扉のみを開けるだけで、収納物を取り出すことが可能となるので、片手で扉の開閉を操作することができ、使用者の使い勝手をより向上させることができる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉の合わせ部で前記貯蔵室内を左右の領域に区画するとともに、前記左右の領域に区画された区画の少なくとも一方は内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つの区画に紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0028】
これによって、一般的に他の貯蔵室と比較して容量が大きい最上段の貯蔵室を左右の区画に分割し、それぞれの区画に対応して扉が備えられることとなるので、収納物を取り出す際には、必要な区画の扉のみを開け、他方の扉は閉めた状態で収納物を取り出すことができるので、最上段の貯蔵室の扉開閉に伴う著しい温度上昇や庫外からの雑菌の混入を防ぎ、最上段の貯蔵室に収納された貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、左右方向の幅寸法が小さい方の扉は引き出し式扉を備えるものである。
【0030】
これによって、左右方向の幅寸法が小さい方の扉は内部の収納物が取り出しにくく、実使用上は小さい方の扉の開閉のみで収納物を取り出すことが非常に難しかったが、小さい方の扉を引き出し式の貯蔵室とすることで、使用者が小さい方の扉のみの開閉でも、内部の収納物をスムーズに取り出すことができる。特に、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を引き出し式の貯蔵室収納することで、使用者が種別を認識しやすくなることに加えて、大きい方の扉を有する区画の温度上昇を防ぐことができ、最上段の貯蔵室の使い勝手を向上させるとともに、保存性を向上させることができる。
【0031】
請求項13に記載の発明は、貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、一つは引き出し式扉であり、他方は回転式扉であって、前記回転式扉側に位置する区画内にLEDを設けた区画が備えられたものである。
【0032】
これによって回転扉側に位置する貯蔵室内部の紫外領域の波長を含むLEDが備えられた区画は、引き出し式扉の開放時においても、各々の区画はそれら固有の扉が閉められているため、扉開閉に伴う著しい温度上昇や、庫外からの雑菌の混入による貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0033】
さらにまた、回転扉と貯蔵室内の温度区画の横幅寸法を合わせるような区割りをすることによって、回転扉を開口することで、引き出し式のケースで構成されている貯蔵室内の温度区画に貯蔵している食品などを、簡単に取り出すことが可能となる。従って、280nmから400nmの比較的人体に安全な波長でも、常に貯蔵室の温度区画内を清潔に保つことを可能とする。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0036】
図1において、本体1はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24はたとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
【0037】
また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の璧厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25貼付け面に全面塗布されている。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
【0038】
本体1は複数の断熱区画に区分されており上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切り替え室6および製氷室5と、引出し式の野菜室4と引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切り替え室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
【0039】
冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚8が設けられてある。また冷蔵室2の最下部には樹脂カバーにより区画され、若干の隙間は有するが、食品等の固体物はそのままでは入れられない程度のほぼ閉空間となっている区画として貯蔵ケース35が設けてある。さらに、貯蔵ケース35内には光源13が設置されている。光源13の個数は一つには限定しておらず、複数個から構成されていてもよい。また、強度も特に限定しておらず、制御基盤37を通じて、最適な光強度に調整されるとともに、必要に応じて点灯や消灯の動作も行われる。光源13の少なくとも一つは280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDであり、その光源により、食品や区画された貯蔵ケース35の壁面に付着する菌の増殖が抑制され、食品の保存性能が向上する。さらに壁面に付着する菌の増殖が抑制し保存性能を向上させたい時には、280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDの個数を増やすことが可能である。また、400nmから800nmの可視光を含むLEDを280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDと併用させることで、冷蔵室回転扉7の開放時には、光源13から照射される可視光により、使用者が貯蔵ケース35内の光の色を認識することが可能である。なお、貯蔵ケース35内の光源13の設置場所は特に限定されていないが、使用者が冷蔵室の回転扉7を開放した時に、光源13が直接使用者の眼球を刺激しないように設置することが好ましい。また、光源13にカバーを取り付けることにより直接使用者の眼球を刺激しないようにしてもよい。光源13のカバーの素材は限定しないが、例えば、波長を変化できるタイプの素材を用いて、一つの光源を用いるだけで光の色を調整してもよい。
【0040】
さらに、同一区画内における複数個の光源の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源が同一区画内の異なる場所に設置されても構わない。
【0041】
冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定をとする場合もある。
【0042】
また、本実施の形態では、貯蔵ケース35は肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度まで、温度の切り替えが可能であり、たとえば−3〜5℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温高湿にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
【0043】
複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室である切り替え室6はユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から微凍結温度帯であるパーシャルフリージング、冷蔵温度帯まで所定の温度設定にすることができ、冷蔵室回転式扉7上のスイッチ14を操作することにより、切り替え室内の温度調節が行われ、切り替え室6内の温度は検知手段17により検知される。
【0044】
また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
【0045】
冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
【0046】
本体1は天面後方部を窪ませた凹み部である機械室12を設けてある。また機械室12の下方背壁面に第二の機械室36を設けた。
【0047】
冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを順に環状に接続して一連の冷媒流路を構成している。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
【0048】
このように、最上段の貯蔵室である冷蔵室2の天面奥部に圧縮機16が設置されている。
【0049】
また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
【0050】
冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
【0051】
また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
【0052】
なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
【0053】
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0054】
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
【0055】
冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパなどで分配することで各室の冷却を行う。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却が行われる。
【0056】
冷蔵室2内の貯蔵ケース35では、使用者の目的や好みに応じて数段階に温度を切り替えることが可能である。本実施の形態では、貯蔵ケース35の温度区分を約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度に切り換えることができる。
【0057】
また、貯蔵ケース35のように比較的、内容積の小さい貯蔵空間内で使用する光源では、ランプの発熱による貯蔵空間内の温度上昇、近距離からの光の照射による貯蔵空間に用いられている樹脂などの材料の劣化促進、食品の酸化促進などが危惧される。従って、光源13のうち少なくとも一つには波長が長く比較的人体に安全な上、材料や食品の劣化促進効果の小さい紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持ち、かつ、ランプ自体の発熱がほとんどなく、ランニングコストや耐久性の面でも優れているLEDを使用している。これによって、光源13は制御基盤37によって最適な波長および強度に調節されるが、常時点灯していてもよい。特に、貯蔵ケース35の温度区分をパーシャルフリージング温度、すなわち食品を少し凍結させた温度とする場合は、紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長においても、抗菌効果が得られやすく、保存性能の向上が期待できる。
【0058】
これにより貯蔵ケース35内部の衛生性が保たれるとともに、食品については微生物の増殖によって生じる変色や腐敗臭、食品表面のネト発生を遅らせることが可能となる。このように紫外光を含む光源13を設けることにより、食品の保存性を高めた衛生的な保存が行える。
【0059】
さらに、きのこ類や魚類には、ビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を含む光源13を貯蔵ケース35内に設けることで、貯蔵ケース35内の特定の食品のビタミンD含有量を高めながら保存することができる。
【0060】
発光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成し、それらの波長を同一基盤で制御することにより、太陽光に類似した波長を照射することも可能である。波長の限定はしないが、例えば、550nm付近の青色の波長を用いた場合は、カビの繁殖を抑制することが可能であり、紫外AおよびB領域の波長と併用させることで、より保存性能を向上させることが可能である。
【0061】
また、光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDとともに、赤色光である650nm付近の波長を持つLEDで構成し、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能である。アントシアニンは、野菜や果物の実に多く含まれるため、貯蔵ケース35内の設定温度は、野菜や果実の凍結点である約ー2℃以上に制御する場合、野菜や果物の細胞が破壊されることが無い為、比較的良好な保存が可能である。
【0062】
また、可視領域の波長のLEDを貯蔵ケース35内の温度と連動して例えば、赤色、緑色、青色など温度帯の持つイメージに適合した色に制御することも可能である。このようにあらかじめ設定した温度設定の変更による光の色調の変化により、貯蔵ケース35内の温度設定や温度変化を目視により認識することができ、またその色調から使用者は容易に保存対象物を連想することができる。そのため、食品を貯蔵ケース35内へ収納する際、使用者の混乱を防止しながら設定温度に適した食品の収納を促すことができる。
【0063】
また、このような光源13の入力は、検知手段17の反応によりおこなわれる。検知手段17には、温度センサーを用い、一定温度の検知後に入力をおこなうものとしたが、たとえば検知手段17がドアスイッチである場合は、扉開放を検知したのちの一定時間後に入力をおこなうとしてもよく、特に指定するものではない。
【0064】
切り替え室6は、冷蔵室2の下方に位置するとともに、野菜室4と冷凍室3の上方に位置しているものである。このようなレイアウトにすることにより、平均身長の女性が腰をかがめずに切り替え室6の扉の開閉を行うことができ、また食品の出し入れについても腰をかがめず、楽な姿勢で行うことができるので、使い勝手性がよい。
【0065】
また、本実施の形態においては、本体1に備えられた複数の貯蔵室のうち少なくとも1つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室である切り替え室6が備えられており、切り替え室6とは異なる貯蔵室である冷蔵室2の内部には、冷蔵温度帯に設定されている収納棚等を備えた貯蔵空間に加えて、使用者の目的や好みに応じて数段階に温度を切り替えることが可能である温度切替機能を有した区画があり、この区画に貯蔵ケース35が樹脂からなる仕切り壁で区画して形成されている。
【0066】
この貯蔵ケース35は使用者によって任意の温度帯に設定することができ、温度区分を通常の冷蔵温度帯に加え、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度に切り換えることができるようになっており、この温度切替機能を有した区画に紫外領域の波長を有する光源としてLEDが備えられている。
【0067】
これによって、切り替え室6は使用者が使用頻度の高い任意の温度帯に設定して利用した上で、冷蔵室2に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを備えた区画は、使用者がさらに保存性を高めたい食品等を貯蔵する場合に使用することができ、さらにこのLEDを設けた区画も使用者のニーズに応じた温度設定に設定することができるので、各貯蔵室および貯蔵区画を使用者のニーズに合わせて使い分けることができ、使用者の使い勝手をより向上させることが可能となる。
【0068】
また、冷蔵室2に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた区画に備えられたLEDからなる光源13は貯蔵ケースの外側の本体側に備えられるとともに、引き出し式の貯蔵ケース35の、少なくともLEDと対向する部分は光透過性の素材からなる樹脂とした。
【0069】
これによって、本実施の形態のように、貯蔵ケース35が比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には、特に使用する光源13の発熱による貯蔵ケース内の温度上昇が懸念されるが、光源13であるLEDは貯蔵ケース35の外側に設けられることによって貯蔵ケース35内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴う光源13であるLEDへの結露を防ぐことができる。
【0070】
このように、貯蔵ケース内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、光源13としてのLEDが備えられた区画は、温度切替機能を有した区画としたが、製品の形態によっては、例えば、この区画に備えられた貯蔵ケース35内の温度は温度切替せずに予め設定されているようなものであっても良く、その場合には、例えば、貯蔵ケース35内には、短期間の保存を前提とした食品等で紫外領域の光によって抗菌やアミノ酸増加等の有用な効果を得たいものを保存し、貯蔵ケース35外の冷蔵室の他の区画には一般の食品や、例えば長期間の保存を前提とする為に紫外光による劣化が生じる可能性のある調味料等の食品を保存するといった使い分けも可能である。
【0072】
なお、上記のように、貯蔵ケース35内が予め設定されているような場合では、貯蔵ケース35外の冷蔵室の冷蔵温度帯よりも若干低い温度帯である、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度等に予め設定しておくと、冷蔵温度帯と比較して紫外領域の光による抗菌効果やアミノ酸増加効果がより向上する為、光源を有する区画が温度切替機能を有しない場合には、冷蔵温度帯より若干低い温度帯に設定しておくことが、紫外領域の光効果が最大限に発揮されるのでより望ましい。
【0073】
なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
【0074】
以上より本実施の形態の冷蔵室2内に、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源13を設置した貯蔵ケース35は、食品の出し入れ時にも温度上昇が抑制でき、庫外からの雑菌の混入も抑制できるため、光源13が長波長であるにもかかわらず抗菌性の高い保存が可能である。
【0075】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0076】
図2において、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、冷蔵庫本体の消費エネルギー量を低減することができる。
【0077】
また、断熱材18で仕切られていることで、紫外光が隣接する別の区画に届くのを防止することができるので、紫外光を照射する区画と照射しない区画で食品の保存状態を変えて使い分けをしたい場合などには有効である。
【0078】
さらに、断熱材18を光遮蔽性の材料で被覆することにより、光遮蔽部材が光の外部への散乱を抑えることができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、より保存性が向上する。
【0079】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0080】
なお、実施の形態1および2と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
図3において、光源13は貯蔵ケース35内に設置されており、また圧縮機16や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室12は、冷蔵室2の最上段の背面に設置されている。
【0082】
従来、機械室12は本体1の最下部である冷凍室3の背面に位置しており、そのため冷凍室3の容積を減少させていたが、機械室12を従来の冷蔵庫庫内において位置が高く手が届きにくい為、有効に利用されていなかった冷蔵室2の最上部の背面に配置したことにより、従来の機械室12の部分を冷凍スペースとして利用することができる。従って、外形寸法を変化させることなく、冷凍室3の有効庫内容積を拡大できる。
【0083】
また、従来は冷蔵室2の最上部の棚の奥の方に収納した物は、取り出しにくかった。しかし、機械室12の設置により必然的に棚の奥行きが浅くなったので、収納物を見渡しやすくかつ取り出しやすくなった。すなわち、冷蔵室2の収納方法を改善し、各棚において収納物を取り出しやすくすることは、冷蔵室2の冷蔵室回転扉7の開放時間を短くすることができるので、冷蔵室2内の温度上昇を抑制でき、冷蔵室2内の収納物の保存性を向上させることができる。従って、貯蔵ケース35は比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する比較的安全な長波長の光源13を設置するだけで、保存性能が向上する。
【0084】
また、本実施の形態では、本体1の最上段の貯蔵室である冷蔵室2の天面後方に凹み部である機械室12を有し、この機械室12に圧縮機を備えているので、使用者の手が最も届きにくく、利用しにくいスペースである最上段の貯蔵室の天面奥部に圧縮機を設置することで、使用者が利用しやすい貯蔵室のスペースをより広くすることができ、冷蔵庫の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0085】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0086】
図5は、本発明の実施の形態4における光源の断面図である。
【0087】
なお、実施の形態1から3と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
図において、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には光遮蔽部材である断熱材18が設置されており、また圧縮機16や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室12は、本体1の天面後方部に設置されている。
【0089】
また、光源13は波長ピーク387nmの紫外光を放射する紫外LED26と、波長ピーク468nmの青色光を放射する青色LED27とを備えた光源用基盤28からなり、カバー29により被覆され、使用者が光源13を直視できないような構成をとっている。また、光源13は貯蔵ケース35天面において、紫外LED26と青色LED27が底面を照らすよう、図示しないビスなどで下方向に向けて固定され、設置されている。またカバー29と貯蔵ケース35の間のクッション30や、カバー29周囲に設けられたツメ31は水滴などの侵入を防止している。
【0090】
また、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、さらに冷蔵庫本体の消費エネルギー量の悪化を低減することができる。
【0091】
このように、本実施の形態では、光源13が設置されている貯蔵ケース35を備えた区画の天面側に光遮断部材である断熱材18が備えられているので、光遮蔽部材によって光源13による紫外光が外部への散乱を抑えることで、貯蔵ケース35内に集中して紫外光を与えることができ、紫外光による有用な効果が貯蔵ケース35内によってより高められる。
【0092】
なお、本実施の形態では、光遮断部材として断熱材を用いて、光遮断効果と断熱効果の双方を実現したが、特に大きな断熱効果を必要としない場合には、光遮蔽部材の材料としては、たとえば不透明な樹脂や、着色された樹脂、または金属類等でもかまわない。
【0093】
なお、金属類などの光の反射効果が大きい材料を用いた場合には、一層貯蔵ケース35内における光の照射量を高めるほか、貯蔵ケース35内でのすみずみまで光を拡散させることが可能となる。
【0094】
よって、例えば本実施の形態の断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の材料で被覆することにより、光貯蔵ケース内においては、光を反射することができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、すみずみまで光を拡散させることが可能となり、紫外光による効果がより向上し、食品等の保存性を向上させることができる。
【0095】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の正面図を示すものであり、図7は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の扉をはずした状態の正面図を示すものである。図8は、本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大正面図であり、図9は本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大断面図であり、図10は本実施の形態における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図である。
【0096】
図において、本体である冷蔵庫本体101は断熱箱体102と後述する各扉で形成され、上下に分割する区画壁103により上部区画104と下部区画105に分割されている。上部区画104はその内部を第1の仕切壁106によって、左右の領域となる左側領域107と右側領域108とに区画されている。左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉としては引き出し式扉109を配置し、右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉としてはヒンジ開閉式扉110を配置している。引き出し式扉109の幅はヒンジ開閉式扉110の幅よりも小さく、したがって左側領域107の内容積は右側領域108の内容積よりも小さい。そして、引き出し式扉109と隣り合う辺の反対側の辺にヒンジ開閉式扉110のヒンジ部111を設けた構成となっている。上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を併せてともに冷蔵温度帯に設定された冷蔵室となっている。引き出し式扉109で開閉される左側領域107内には複数の収納棚113が設けられ、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されている。
【0097】
引き出し式扉109と反対側のヒンジ開閉式扉110で開閉される右側領域108内には収納物を載置する複数の棚114を備えていて、一方の側端部を断熱箱体の内箱115に棚受けを設けて支持固定し、他方の側端部を第1の仕切壁106の側壁面に棚受けを設けて支持固定するよう構成されている。
【0098】
貯蔵ケース(区画)35は、冷蔵温度帯に加え、主として肉、魚介類等の生鮮食料品を1〜−3℃程度の冷蔵温度帯よりも若干低めの約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度といった任意の温度で貯蔵するよう冷蔵温度帯内で樹脂カバーによって区画された温度切替可能な収納区画である。貯蔵ケース(区画)35内には光源13が設置されている。貯蔵ケース35の背面の最上部には光源13が設けられており、また光源13は貯蔵ケースの背面に対して垂直よりやや、下方を向いて設置されている。これにより光源13より照射される光が保存する食品に対して照射強度が強くなることによって、保存性が向上する。また、ヒンジ開閉式扉110を開放した時に、光源13より照射される光をユーザーが直接目視しないように安全を考慮して設置されている。
【0099】
下部区画105は左右に分割する第2の仕切壁127により、左区画と右区画に分割され、左区画は上から順に引き出し式扉128を備えた製氷室129、引き出し式扉130を備えた冷凍室131が配置され、右区画は上から順に引き出し式扉132を備えた野菜室133、引き出し式扉134を備えた冷凍室135が配置されている。
【0100】
以上によって構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0101】
近年、冷蔵庫の大型化に伴い、一般家庭においても多種多様な飲料用ペットボトル類やドレッシング類の収納量が増加している。通常そのようなボトル類は冷蔵庫の回転式扉部分に収納されていることが多く、冷蔵室の扉開閉の中でも、かなり多くの場合が、それらボトル類を取り出すために行なわれているという調査結果もある。
【0102】
このようなボトル類の取り出しが頻繁であるほど扉開閉の回数が増えることで冷蔵室の温度上昇が伴い、特に夏場は温度上昇による食品の保存品質の劣化が懸念されている。こういった課題に対して本実施の形態では、仕切り壁106によって冷蔵室内で独立した左側の領域を引き出し式扉と一体化した収納棚で構成することで、引き出し式扉側にはペットボトル類などの飲料や瓶、缶類を区分して収納することが可能となり、頻繁にボトルを取り出しても、ヒンジ開閉式扉側の食品類に対して温度上昇の低減が図れ、食品の保存性が向上し、省エネにも繋がる。さらに、ヒンジ開閉式扉側の最下部に位置し、冷蔵温度帯内で樹脂カバーによって区画された収納区画である、貯蔵ケース(区画)35は、肉、魚介類などの生鮮食品が保存されることが多い。これらの食品は、温度上昇による菌の繁殖が生じやすい食品であり、頻繁な扉開閉による温度上昇が特に懸念されていたが、本実施の形態によると、ペットボトル類などの取り出しによる、貯蔵ケース35の温度上昇を、抑制することが可能となることに加えて、少なくとも一つは280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDである光源13を設置することにより、食品や区画された貯蔵ケース35の壁面に付着する菌の増殖が抑制され、さらに食品の保存性能が向上する。また、光源13の個数は一つには限定しておらず、複数個から構成されていてもよい。すなわち、壁面に付着する菌の増殖を抑制し保存性能を向上させたい時には、280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDの個数を増やすことが可能である。紫外領域である280nmから400nmに加えて、可視領域の波長を有するLEDを併用してもよい。
【0103】
例えば、青色光を同時に照射することによって、黴などの真菌類の増殖を抑制することが可能となり、より保存性能が向上する。また、照射強度は特に限定しておらず、制御基盤37を通じて、最適な光強度に調整されるとともに、必要に応じて点灯や消灯の動作も行われる。
【0104】
例えば、扉開閉と連動し、点灯や消灯を行なう場合、ヒンジ開閉式扉を開けた場合は消灯するが、例えば、目に入らない位置に光源が設置されているような引き出し式扉の開閉時は点灯し続けてもよい。特に、紫外領域を含む光は人の目には見えないので、例えば、扉を開けた時に、紫外線領域を含む光は消灯し、可視光線等の安全性の高い光は点灯させたままにすることで、安全な範囲の波長のみの光の点灯を使用者が認識することができ、扉を閉めた時に行われるLEDの照射によるアミノ酸増加等の有用な効果を連想させることで、使用者の抱く冷蔵庫の品位を高めることも可能である。
【0105】
なお、貯蔵ケース35内の光源13の設置場所は特に限定されていないが、使用者が冷蔵室の回転式扉109を開放した時に、光源13は直接使用者の目に見える範囲から外した位置に配置し、眼球を刺激しないように設置することが好ましい。これは、例えば日本で使用する冷蔵庫の場合では、日本人の平均身長の女性が直立した状態で回転扉109を開けた場合に、光源13が直接見えない部分に配置するのが望ましい。他国で使用される場合においては、その国の女性の平均身長に合わせて、設置位置を工夫することが望ましい。
【0106】
また、光源13にカバーを取り付けることにより直接使用者の眼球を刺激しないようにしてもよい。光源13のカバーの素材は限定しないが、部分的に光を偏向させる効果を有する梨地加工等を施されたものであれば、光の拡散性を高めることができる。さらに、同一区画内における複数個の光源の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源が同一区画内の異なる場所に設置されても構わない。
【0107】
このような視点で本実施の形態においては、光源の上部に光遮断性の高い部材として断熱材を備えており、使用者の目に直接光源13からの光が入らないように工夫された上で、断熱材によって、貯蔵ケース35内外の温度差をより保てるようにすることで、貯蔵ケース35内の保存性をより向上させている。
【0108】
上記のように光遮蔽部材によって光源13による紫外光が外部への散乱を抑えることで、貯蔵ケース35内に集中して紫外光を与えることができ、紫外光による有用な効果が貯蔵ケース35内によってより高められる。
【0109】
なお、本実施の形態では、光遮断部材として断熱材を用いて、光遮断効果と断熱効果の双方を実現したが、特に大きな断熱効果を必要としない場合には、光遮蔽部材の材料としては、たとえば不透明な樹脂や、着色された樹脂、または金属類等でもかまわない。
【0110】
なお、金属類などの光の反射効果が大きい材料を用いた場合には、一層貯蔵ケース35内における光の照射量を高めるほか、貯蔵ケース35内でのすみずみまで光を拡散させることが可能となる。
【0111】
よって、例えば本実施の形態の断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の材料で被覆することにより、光貯蔵ケース内においては、光を反射することができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、すみずみまで光を拡散させることが可能となり、紫外光による効果がより向上し、食品等の保存性を向上させることができる。
【0112】
具体的には、貯蔵ケース35と冷蔵室の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、さらに冷蔵庫本体の消費エネルギー量の悪化を低減することができる。また、断熱材18で仕切られていることで、紫外光が隣接する別の区画に届くのを防止することができるので、紫外光を照射する区画と照射しない区画で食品の保存状態を変えて使い分けをしたい場合などには有効である。
【0113】
さらに、断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の高い材料で被覆することにより、光遮蔽効果のある断熱部材が光の外部への散乱を抑えることができ、貯蔵ケース35側においては、光反射性が高いことで貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、より保存性が向上する。
【0114】
このように貯蔵ケース35の上部に配置された断熱材および斜光板によって、光源13の照射強度を高め、さらに保存性能を向上させることが可能となる。
【0115】
また、本実施の形態では、冷蔵室の右側領域108に備えられた紫外領域の波長を有する光源13としてLEDを設けた区画は、引き出し式の貯蔵ケース35を備えており、この光源13は貯蔵ケース35の外側の本体側に備えられるとともに、少なくとも光源13と対向する部分の貯蔵ケース35は光透過性の素材からなるものである。
【0116】
これによって、貯蔵ケース35が比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には特に使用する光源の発熱による貯蔵ケース35内の温度上昇が懸念されるが、光源13は貯蔵ケース35の外側に設けられることによって貯蔵ケース35内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴う光源13への結露を防ぐことができる。このように、貯蔵ケース35内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース35内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0117】
また、本実施の形態においては、貯蔵ケース35は製氷用の給水タンク136と隣接している。製氷用の給水タンクは、雑菌の繁殖が懸念されており、特に塩素処理が施された水道水でなく市販されている水を使用した場合などは、水道水に比べて水の雑菌による腐敗が顕著であるため、貯蔵ケース35および、給水タンク136の材質を光透過性の高い素材を用いた場合、光源13の光が給水タンク136内の雑菌に対しても、増殖抑制効果が生じる。すなわち、光源13の光強度を向上させる、あるいは、光源13の光拡散性を向上させることによって、貯蔵ケース35に隣接する領域に対しても菌増殖抑制効果が発揮できる。
【0118】
このように本実施の形態では、冷蔵庫本体101は断熱区画された複数の貯蔵室を備え、複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室である上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を含めた冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉としては引き出し式扉109を配置し、右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉としてはヒンジ開閉式扉110を配置している。この二つの扉のうち右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉であるヒンジ開閉式扉110前方からの投影面内に光源13であるLEDを設けた区画が位置するものである。
【0119】
これによって、光源13を設けた区画に収納した収納物を取り出す際に、二つの扉を両方開けることなく、光源13を設けた区画に対応する一方の扉のみを開けるだけで、収納物を取り出すことが可能となるので、片手で扉の開閉を操作することができ、使用者の使い勝手をより向上させることができる。
【0120】
また、本実施の形態では、冷蔵庫本体101は断熱区画された複数の貯蔵室を備え、複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室である上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を含めた冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、この二つの扉の合わせ部で冷蔵室内を左右の領域である左側領域107と右側領域108に区画するとともに、この左右の領域に区画された区画の少なくとも一方である右側領域108の内部にさらに複数の区画を有し、光源13であるLEDを設けた区画には貯蔵ケース35を備えたものである。
【0121】
これによって、一般的に他の貯蔵室と比較して容量が大きい最上段の冷蔵室を左右の区画に分割し、それぞれの区画に対応して扉が備えられることとなるので、収納物を取り出す際には、必要な区画の扉のみを開け、他方の扉は閉めた状態で収納物を取り出すことができるので、最上段の貯蔵室の扉開閉に伴う著しい温度上昇や庫外からの雑菌の混入を防ぎ、最上段の貯蔵室に収納された貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0122】
また本実施の形態では、冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、左右方向の幅寸法が小さい方の扉である左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉として複数の収納棚113を備えた引き出し式扉109を配置され、複数の収納棚113は、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されている。
【0123】
これによって、従来は左右方向の幅寸法が小さい方の扉は内部の収納物が取り出しにくく、実使用上は小さい方の扉の開閉のみで収納物を取り出すことが非常に難しかったが、小さい方の扉を引き出し式扉109とすることで、使用者が小さい方の扉のみの開閉でも、内部の収納物をスムーズに取り出すことができる。特に、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を引き出し式の貯蔵室収納することで、使用者が種別を認識しやすくなることに加えて、大きい方の扉を有する区画の温度上昇を防ぐことができ、最上段の貯蔵室の使い勝手を向上させるとともに、保存性を向上させることができる。
【0124】
複数の収納棚113は、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されているので、引き出し式扉109を開けると、内部が引き出し式扉109の側面から一覧できるようになる為、内部の収納物をよりスムーズに取り出すことが可能となる。
【0125】
このように、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を左側領域107の引き出し式の貯蔵室に収納することで、右側領域108に備えられたヒンジ開閉式扉110の開閉頻度が大幅に減少するので光源13を備えた区画に備えられた貯蔵ケース35の温度上昇が抑えられ、光源13の紫外領域の光による保存性をより向上させることができる。
【0126】
ここで、本実施の形態の貯蔵ケース35を用いて、動物性食品の抗菌効果を確認した実験結果について説明する。貯蔵ケース35内において、庫内温度−1℃の設定で貯蔵ケース35に一般的によく保存される食品として選出された生サケをサンプルとして、光源13を照射しながら保存し、紫外LED326の照射量を変えることによって、7日間保存した時の生菌数の変化を示している。横軸に紫外LED326の照射量、縦軸に生サケ1週間保存後の生菌数を示している。その結果、紫外LED326の照射量と抗菌性には有意な相関性を確認でき、紫外LED326の照射量が強いほど、生菌数の増加は抑制されていることが示された。
【0127】
また、一方で、大腸菌(Escherichia coli IFO 3972)を用いて、抗菌製品技術協議会の定める光触媒抗菌試験法III(2003年度版)を参考にした紫外線照射抗菌性能評価を行なった結果、光源13により光照射条件と光源13を用いない暗条件(対照区)と比較して、光照射条件では保存後の生菌数に100倍以上の差を生じることから、抗菌活性値=2.03となり、抗菌性能が認められることも確認された(図示せず)。
【0128】
また、家庭用の冷蔵庫においては抗菌性能と共に、紫外LED326の照射量を人体への有害性が極めて低く、使用者の安全性上問題ないレベルに設定することが望ましい。一方で、チルドやパーシャル温度帯では、保存される食品は凍結していないか、もしくは微凍結の状態であるため、細胞内のタンパク質の酵素活性は維持される。例えば、保存食品として肉や魚を用いた場合、それらの細胞内のタンパク質分解に伴う、遊離アミノ酸の生成に寄与するアミノペプチダーゼの活性は十分に高く(図示せず)、このことは保存期間中に旨味成分であるアミノ酸が増加することを意味する。従って、本実施の形態3においては、氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくいパーシャルフリージングやチルド温度での保存時に、さらに、紫外LED26による紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である、またこれらの温度帯の保存は、解凍時にドリップを抑制でいるためさらに美味しさが向上する。
【0129】
また、チルドやパーシャル温度設定時に、肉や魚以外の食品で、例えばりんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能であるほか、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切り替え室6の保存性能を高める効果も得られる。
【0130】
なお、本実施の形態では、光源13としてのLEDが備えられた区画は、温度切替機能を有した区画としたが、製品の形態によっては、例えば、この区画に備えられた貯蔵ケース35内の温度は温度切替せずに予め設定されているようなものであっても良く、その場合には、例えば、貯蔵ケース35内には、短期間の保存を前提とした食品等で紫外領域の光によって抗菌やアミノ酸増加等の有用な効果を得たいものを保存し、貯蔵ケース35外の冷蔵室の他の区画には一般の食品や、例えば長期間の保存を前提とする為に紫外光による劣化が生じる可能性のある調味料等の食品を保存するといった使い分けも可能である。
【0131】
なお、上記のように、貯蔵ケース35内が予め設定されているような場合では、貯蔵ケース35外の冷蔵室の冷蔵温度帯よりも若干低い温度帯である、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度等に予め設定しておくと、冷蔵温度帯と比較して紫外領域の光による抗菌効果やアミノ酸増加効果がより向上する為、光源を有する区画が温度切替機能を有しない場合には、冷蔵温度帯より若干低い温度帯に設定しておくことが、紫外領域の光効果が最大限に発揮されるのでより望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上の様に、本発明にかかる冷蔵庫は、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源613から照射される光によって、貯蔵ケース35内の保存性向上させたものである。よって、比較的安全な光源を用いて保存性能を高めることを目的とする、機器においても適用することができ、例えばショーケースやクーラーボックス、業務用冷蔵庫などの保存性の向上に対して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図
【図2】本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図
【図3】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図
【図4】本発明の実施の形態4における冷蔵庫の縦断面図
【図5】本発明の実施の形態4における光源の断面図
【図6】本発明の実施の形態5における冷蔵庫の正面図
【図7】本発明の実施の形態5における冷蔵庫の扉をはずした状態の正面図
【図8】本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大正面図
【図9】本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大断面図
【図10】本実施の形態における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図
【図11】従来の冷蔵庫の縦断面図
【符号の説明】
【0134】
1 本体
2 冷蔵室
3 冷凍室
4 野菜室
6 切り替え室
12 機械室
13 光源
35 貯蔵ケース(区画)




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013