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発明の名称 温水循環装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3131(P2007−3131A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185856(P2005−185856)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 福井 浩人 / 園田 寿貴 / 柴田 裕史
要約 課題
温水循環装置において、温水循環流路内の水流検知の精度を向上させること。また温水循環流路内の状態把握を精度良く行うこと。

解決手段
温水循環流路内に超音波流速計6を設け、制御手段12は超音波流速計6からの計測量から温水循環流路内の循環流量および温水循環流路内の音速を演算し、演算された循環流量および音速に基づき諸動作制御を行うことで、温水循環流路内の水流検知および温水循環流路内の状態把握を精度良く行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱交換を行う熱交換部と、温水を循環させるための温水循環ポンプと、温水循環流路として前記熱交換部へ流入する温水が流れる温水戻り流路と、温水循環流路として前記熱交換部で受熱した後の温水が流れる温水往き流路と、温水循環流路中に備えられた超音波流速計と、前記超音波流速計での計測量から温水循環流路を通過する温水の循環流量を演算し、その循環流量に基づいて諸動作を制御する制御手段とを備えた温水循環装置。
【請求項2】
超音波流速計は前記温水戻り流路中に備える構成とした請求項1に記載の温水循環装置。
【請求項3】
超音波流速計は前記温水往き流路中に備える構成とした請求項1に記載の温水循環装置。
【請求項4】
制御手段は演算された循環流量に基づいて温水循環流路内の状態を把握する機能を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の温水循環装置。
【請求項5】
制御手段は前記超音波流速計での計測量から温水循環流路内の音速を演算し、その音速に基づいて諸動作を制御する機能を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の温水循環装置。
【請求項6】
制御手段は演算された音速に基づいて温水循環流路内の状態を把握する機能を備えた請求項5に記載の温水循環装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼熱や電気熱を温水に与える熱交換部を有し、温水循環ポンプによって温水を搬送して温水を加熱する温水循環装置において、温水が流れる温水循環流路中に超音波流速計を備え、超音波流速計での計測量から温水循環流路を流れる温水の循環流量や温水循環流路内の音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づく動作制御を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、従来の超音波流速計の構成について述べる。
【0003】
従来、この種の超音波流速計としては流体の流れ方向と平行に送波器と受波器を向かい合わせて2組備え、一方は流れの上流から下流へ、他方は流れの下流から上流に向かって超音波を送り、受波器で検出する。また流体の流れ方向と平行に送波器と受波器を配置することで流れの妨げとなる場合には、送波器と受波器を流路壁に配置し、上流側と下流側に一定の角度を持たせて配置することもある。これらの超音波流速計では計測時間差を測定して流速を求める方式であるが、音速の値すなわち温度の値に影響を受ける。
【0004】
音速の影響を受けない超音波流速計としては、流れの上流側と下流側に配置された送・受信系において、上流側から下流側への伝播時間と下流側から上流側への伝播時間から流速を求める方式がある(例えば、特許文献1参照)。この方式はシングアラウンド方式などと呼ばれる。
【0005】
図3は、特許文献1に記載された従来の超音波流速計の計測原理を示すものである。図3において、流路中の流体は右側から左側へ流速Uで流れているものとする。流路の上流側には上流側超音波振動子が、流路の下流側には下流側超音波振動子が、距離L、角度θで配置されている。上流側超音波振動子が送信側に下流側超音波振動子が受信側として振る舞い、上流側から下流側へ超音波が発射され、伝播距離Lの伝播時間をtとする。上流側超音波振動子が受信側に下流側超音波振動子が送信側として振る舞い、下流側から上流側へ超音波が発射され、伝播距離Lの伝播時間をtとする。音速をAとすると、tおよびtは下式で表される。
【0006】
=L/(A+Ucosθ) ・・・(1)
=L/(A−Ucosθ) ・・・(2)
(1)式と(2)式より音速Aを消去すると、流速Uは(3)式のように求まる。
【0007】
U=(L/2cosθ)(1/t−1/t) ・・・(3)
(3)式で算出される流速Uに流路面積を乗じれば流体の流量を表現することができる。また(1)式と(2)式より流速Uを消去すると、音速Aは(4)式のように求まる。
【0008】
A=(L/2)(1/t+1/t) ・・・(4)
次に従来の温水循環装置について述べる。温水循環装置としてたとえば、浴槽水を温水循環ポンプで搬送し、都市ガスなどの燃料ガスを燃焼させて得られる燃焼熱で加熱して浴槽水を追い焚きする強制循環式ガス風呂釜を考える。ここで強制循環式とは、装置内部に温水循環ポンプを有し、強制的に温水を循環させる方式のことを指し、与えられた熱から対流が生じることで温水が循環する自然対流式と区別している。
【0009】
図4は従来の強制循環式ガス風呂釜の基本構成図を示すものである。
【0010】
図4において従来の強制循環式ガス風呂釜は、空気を供給する燃焼用ファン1と、燃料ガスの供給量を調整するガスガバナ弁2と、燃料ガスを供給する燃料ガス噴射ノズル3と、前記燃料ガス噴射ノズル3から供給された燃料ガスを前記燃焼用ファン1で供給された空気で燃焼させる燃焼バーナー4と、前記燃焼バーナー4で発生する燃焼熱で温水を加熱するための熱交換部5と、浴槽18内の浴槽水19を装置内に循環させるための温水循環ポンプ7と、前記熱交換部5で加熱された温水が流れる温水往き流路8と、前記熱交換部に流入し加熱される前の温水が流れる温水戻り流路9と、前記温水往き流路8に備えられ前記熱交換部5で加熱された温水の温度を測定するための温水往きサーミスタ10と、前記温水戻り流路9に備えられ戻り温水の温度を測定するための温水戻りサーミスタ11と、温水循環流路内を流れる温水の水流を検知するための水流スイッチ31と、諸動作を制御するための制御手段12とから構成されている。なお温水循環ポンプ7としては、ここでは出力値が一定のAC駆動型のものを想定する。
【0011】
そして強制循環式ガス風呂釜は、温水往き配管接続口13で温水往き配管15と接続され、温水戻り配管接続口14で温水戻り配管16と接続される。温水往き配管15と温水戻り配管16は風呂アダプタ17で浴槽18と接続される。
【0012】
以上のように構成された従来の強制循環式ガス風呂釜の風呂追い焚き運転動作について以下説明する。
【0013】
使用者がリモートコントローラー等の外部入力手段で浴槽水19の風呂追い焚き温度(たとえば40℃)を設定し、制御手段12に風呂追い焚き運転開始の入力が行われると、制御手段12は温水循環ポンプ7を駆動させる。温水循環ポンプ7によって、浴槽18内の浴槽水19は温水戻り配管16および温水戻り流路9を経て熱交換部5へ流れる。温水循環流路内の水流検知は、温水循環流路内に設けられた水流スイッチ31によって判定される。図4においては、水流スイッチ31が温水戻り流路9に設けられた構成を示している。
【0014】
水流スイッチ31としては、たとえばバタフライ形状の構成が考えられる。このバタフライ部に所定の重さのマグネットを取り付けておき、温水循環流路の水流が所定流量(たとえば3L/min)以上となればバタフライ部が持ち上げられて電気同通状態を生じさせて、温水循環流路内に水流が生じていることを検知させることができる。また温水循環流路内の水流が所定流量(たとえば2L/min)以下となればバタフライ部を持ち上げることができず水流が生じていないことを検知させることができる。図4には水流スイッチ31の水流検知有無状態を模式的に示している。すなわち、破線の状態の時には水流が生じておらず水流スイッチ31がOFF時の状態を示し、実線の状態の時には水流が生じていてバタフライ部が持ち上げられ水流スイッチ31がON時の状態を示している。
【0015】
温水循環ポンプ7が駆動され水流スイッチ31がON状態を検知すると、制御手段12は温水循環流路内に水流が生じていることを検知して燃焼を開始させる。この時の燃焼制御はたとえば次のように行われる。
【0016】
制御手段12は装置として最大燃焼量出力値Qmax(たとえば7500kcal/h)で燃焼を開始させる。ここで循環流量がたとえば10L/min、燃焼開始時に温水戻りサーミスタ11で検出される浴槽水19の温度が20℃であるとすると、燃焼開始時に温水往きサーミスタ10で検出される温水往き温度は、
20+(7500/60/10)=32.5 ℃
であるが、浴槽水19の加熱が進み温水往きサーミスタ10で検出される温水往き温度がある所定の値(たとえば、「風呂追い焚き設定温度(ここでは40℃)」+3℃)に達す
ると、制御手段12は温水往きサーミスタ10で検出される温度がその所定の値(ここでは43℃)となるような燃焼制御を行う。すなわち装置としての最大燃焼量出力値Qmaから装置としての最小燃焼量出力値Qmin(たとえば3500kcal/h)まで燃焼量を徐々に絞るような燃焼制御を行う。燃焼量が装置としての最小燃焼量出力値Qmi(たとえば3500kcal/h)に達した場合には、制御手段12は装置としての最小燃焼量出力値Qminで固定燃焼を行う。このような燃焼制御を行う過程で温水戻りサーミスタ11で検出される浴槽水19の温度である温水戻り温度が風呂追い焚き設定温度(ここでは40℃)に達すると、風呂追い焚き運転動作は終了する。
【0017】
次に従来の温水循環装置として、浴槽水を追い焚きする強制循環式ガス風呂釜の機能に加え、所定量の湯を浴槽へお湯はりすることのできるガス給湯機付き風呂釜を考える。ガス給湯機付き風呂釜の風呂お湯はり方式としては、所定量の水量をカウントしてお湯はりする水量式と、浴槽水の水位を検出して所定水位までお湯はりする水位式があるが、ここでは後者の水位式の場合を考える。
【0018】
図5は従来の水位式のガス給湯機付き風呂釜の構成図を示すものである。
【0019】
図5において、図4のガス風呂釜の構成と異なるところは、浴槽水19を追い焚きする風呂追い焚き運転機能に加え、カランやシャワーなどにお湯を供給する給湯機能とその給湯機能を用いて浴槽18に所定水位のお湯はりを行う風呂お湯はり機能とが追加されたところである。図5では、給湯側水管と風呂追い焚き側水管の2水管が1つの熱交換部缶体に配置された1缶2水式の熱交換器の構成を示している。図5に示したガス給湯機付き風呂釜は、温水戻り流路9に備えられ浴槽水19の水位を検出するための水位センサ32と、給湯側流路から温水循環流路側へと注湯する際に開閉される注湯弁33と、1缶2水式熱交換部において風呂追い焚き運転時に閉止された給湯側流路が過熱された場合に温水循環流路側へ圧力を逃がすための過圧逃がし弁34と、前記注湯弁33を有し給湯側流路と温水循環流路を接続し注湯時に給湯側流路からのお湯が流れる注湯流路35と、燃焼バーナー4の燃焼部分切替えを行うために燃料ガスの供給部分の開閉を行うための切替電磁弁36と、装置内に供給される水が流れる入水流路37と、前記入水流路37を流れる水の温度を検出する入水サーミスタ38と、入水流量を検出するための水流センサ39と、装置内に供給された水と熱交換部5を出た湯の混合量を制御するための給湯バイパス制御弁40と、前記給湯バイパス制御弁40を有し前記入水流路37から分岐した給湯バイパス流路41と、熱交換部5を出た後の給湯側を流れる湯の温度を検出するための給湯側熱交換部出口サーミスタ42と、熱交換部5を出た湯と前記給湯バイパス流路41を流れる水とが混合された湯の温度を検出するための出湯サーミスタ43と、熱交換部5を出た後の湯および前記給湯バイパス流路41を流れる水で混合された後の湯が流れる出湯流路44と、給湯流量を制御するための水量制御弁45とから構成される。なおこれら以外の構成は図4で示した強制循環式ガス風呂釜の場合と同様であり省略する。
【0020】
以上のように構成された従来のガス給湯機付き風呂釜の各動作について以下説明する。
【0021】
まずカランやシャワーなどに設定温度のお湯を供給する給湯運転について図5を用いながら説明する。
【0022】
使用者がリモートコントローラー等でお湯の温度(たとえば40℃)を設定し、カラン等の給湯栓を開とすると給湯側の燃焼が開始する。給湯側流路への水流はたとえば入水流路37に設けられた水流センサ39で所定流量(たとえば2.5L/min)以上を検出すると給湯側流路に水流が生じたと判定することができる。ここで水流センサ39としては、流路中に羽根車を有して水流により生じた羽根車の回転を流量に対応したパルス信号として取り出すような構成が考えられる。制御手段12は、水流センサ39で検出される
入水流量と給湯バイパス制御弁40開度の関係から熱交換部5を流れる流量を演算し、入水サーミスタ38で検出される入水温度を検出しながら、給湯側熱交換部出口サーミスタ42で検出される熱交換部5を出た後の湯の温度が所定温度(たとえば60℃)となるように燃焼量制御を行う。そして出湯サーミスタ43で検出される湯の温度が使用者の設定したお湯の温度(たとえば40℃)となるように給湯バイパス制御弁40の弁開度を調整する。このように給湯運転の場合、制御手段12は燃焼量制御と給湯バイパス制御弁40の弁開度調整を行い、出湯サーミスタ43で検出されるお湯の温度が使用者の設定した温度(たとえば40℃)となるような動作制御を行う。ここで燃焼制御においては、図4で示した従来の強制循環式ガス風呂釜の場合と同様に、ガスガバナ弁2の弁開度を調整することで燃料ガス供給量を調整し、燃焼バーナー4の燃焼部分は切替電磁弁36を開閉し燃焼バーナー4に供給する燃料ガスを開閉することによって行う。また給湯バイパス制御弁40の構成としては、たとえば制御手段12からの駆動パルス信号に応じてステッピングモーターが駆動され弁開度が調整される構成が考えられる。
【0023】
次に浴槽18に所定水位のお湯を注湯する風呂お湯はり運転について図5を用いながら説明する。
【0024】
使用者がリモートコンローラー等で注湯するお湯の温度(たとえば40℃)と設定水位(たとえば水位設定範囲「1」〜「10」のうち「6」)を入力して風呂お湯はり運転を開始させると、制御手段12は注湯弁33を開とし注湯流路35に水流が生じることで給湯側流路に水流が生じ、上述の給湯運転と同様な運転動作が行われる。注湯流路35は温水戻り流路9に接続され、給湯運転で供給された湯が温水戻り流路9の接続部で図5の矢印で示すように2方向に分岐される。すなわち一方は温水戻り流路9および温水戻り配管16を流れて浴槽18へ注湯され、他方は温水戻り流路9、熱交換部5、温水往き流路8、および温水往き配管15を流れて浴槽18へ注湯される。ここで風呂お湯はり運転時の給湯運転動作においては、制御手段12は出湯サーミスタ43で検出される注湯温度が、使用者が設定したお湯の温度(たとえば40℃)よりも所定の温度(たとえば2℃)だけ低い温度(ここでは38℃)となるように動作制御を行う。これは、注湯流路35から分岐した一方の湯が再び熱交換部5を流れる際に加熱されるからである。水位式の場合、制御手段12は水流センサ39で検出される入水流量をもとにして所定量の注湯を行うごとに、温水循環ポンプ7を駆動させて水流スイッチ31でON、OFF動作を確認する循環水チェック動作を行った後、温水循環ポンプ7を停止させて所定の時間(たとえば30秒)浴槽水19の水位が安定するのを待ち、水位センサ32で浴槽水19の水位を確認しながら使用者が設定した水位になるまで注湯動作を行う。使用者が設定した水位まで注湯されると、制御手段12は上述の強制循環式ガス風呂釜の場合と同様に風呂追い焚き運転を行い、使用者が設定した温度(たとえば40℃)まで風呂追い焚き運転を行い、風呂お湯はり運転は終了する。
【0025】
上述の循環水チェック動作後の水位センサ39の水位検出値が安定するまでの所定の待ち時間長さはガス給湯機付き風呂釜、浴槽18、風呂往き配管15、および風呂戻り配管16の設置条件ごとに設定する。一般に風呂往き配管15と風呂戻り配管16の配管長さが長くなれば長くなるほど配管内の水の流動が安定するまでには時間を要する。したがって、たとえば機器設置時に風呂往き配管15と風呂戻り配管16の配管長さが所定長さ(たとえば15m)以上であれば、施工業者等が制御手段12内に設けられたディップスイッチ等の切替えスイッチで配管長さ「長い」の設定を選択すれば、水位センサ39の水位検出時安定待ち時間を長く(たとえば90秒)設定させることができる。
【0026】
図5では水位式のガス給湯機付き風呂釜の構成を示し、上述で水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転動作について説明したが、風呂戻り配管9に水位センサ32を有さず水量センサ39から検出される流量から注湯量をカウントして所定量の湯を
浴槽18に注湯する水量式のガス給湯機付き風呂釜においては、浴槽18内に浴槽水19が存在した状態から風呂お湯はり運転を行う場合には、浴槽18内に存在する浴槽水19の量を演算する「残湯演算」動作を行う必要がある。この残湯演算によって、浴槽18内に浴槽水19の量がたとえば80Lであると演算されたとすると、使用者が設定した注湯量がたとえば180Lであるとするならば、制御手段12は残り100Lを水量センサ39で注湯量をカウントして風呂お湯はり運転動作を行う。この残湯演算はたとえば下記のように行われる。
【0027】
残湯演算は、浴槽18内の浴槽水19を所定の温度上昇分まで風呂追い焚き運転を行い、その間に循環温水が得た総熱量を計算し、その総熱量を所定の温度上昇分で割ることによって行う。
【0028】
浴槽18内の浴槽水19の残湯量をV(L)、所定の温度上昇分をΔTc(K)とすると、残湯量V(L)がΔTc(K)温度上昇することで得た熱量Q(kcal)は、(5)式で表せる。浴槽水19の温度は、温水戻りサーミスタ11で検出できるので、残湯演算開始時の浴槽水温度からの温度上昇分を監視することで所定の温度上昇分ΔTc(K)を測定することができる。ここで所定の温度上昇分ΔTc(K)としては、たとえば3K程度のような値である。
【0029】
Q=VΔTc ・・・ (5)
一方、制御手段12は所定の時間間隔Δt(min)ごとに、温水往きサーミスタ10で検出される温水往き温度と温水戻りサーミスタ11で検出される温水戻り温度との温度差ΔTi(K)を測定する。ここでΔTi(K)は、残湯演算を開始してから時刻iΔt(min)における温水往きサーミスタ10で検出される温水往き温度と温水戻りサーミスタ11で検出される温水戻り温度との温度差を表す。また所定の時間間隔Δt(min)としては、たとえば0.1min程度のような値である。機器設置時に行われる試運転時の循環流量学習値をq学習(L/min)とすると、時刻iΔt(min)における時間間隔Δt(min)に循環温水が得る熱量Qi(kcal)は、(6)式で表せる。
【0030】
Qi=q学習ΔtΔTi ・・・ (6)
ここで機器設置時に行われる試運転時の循環流量学習動作は、制御手段12が所定の燃焼量出力値(たとえば4800kcal/h)を保った状態で、温水往きサーミスタ10と温水戻りサーミスタ11との温度差を測定して行われる。この時温水往きサーミスタ10と温水戻りサーミスタ11との温度差がたとえば10Kであったとすると、循環流量は
4800/60/10=8 L/min
であると演算される。
【0031】
制御手段12は、浴槽18内の浴槽水19の残湯量V(L)が所定の温度上昇ΔTc(K)となるまでの間、(7)式で示すように、(6)式で計算されるΔt(min)間に循環温水の得た熱量Qi(kcal)をiについて足すことにより、浴槽18内の浴槽水19の残湯量V(L)が所定の温度上昇ΔTc(K)となるまでに循環温水が得た総熱量Q(kcal)を演算する。
【0032】
Q=ΣQi=q学習Δt(ΣΔTi) ・・・ (7)
(5)式と(7)式を等置し、Vについて解くと残湯量V(L)は(8)式のように表せる。
【0033】
V={q学習Δt(ΣΔTi)}/ΔTc ・・・ (8)
【特許文献1】特開平8−122117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかしながら、前記従来の強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜では、水流スイッチ31で水流の有無のみしか判定できず、温水循環流路の循環流量を測定することができないため、温水循環流路内の状態を詳細に判定できないという問題を有していた。たとえば温水循環流路内の状態を詳細に判定できない問題例としては、使用者が入浴中に風呂追い焚き運転を行った場合に、使用者がタオル等を風呂アダプタ17部分から詰まらせ、循環流量が低下したとしても水流スイッチ31がONとなっている限り、温水循環流路に詰まりが発生した等の異常状態を検出することができないことが挙げられる。また同様な場合で、髪の毛が長い女児が風呂アダプタに髪の毛を吸い込まれてその状態から逃れることができず、溺死に至ったという事例もある。また水流スイッチ31では、所定重さのマグネットが重さのばらつきやマグネットの磁力などの部品ばらつきにより、水流が検出される所定流量にばらつきが生じるという問題もあった。
【0035】
また水位式のガス給湯機付き風呂釜においては、風呂往き配管15と風呂戻り配管16の配管長さによって、水位センサ39の水位検出値の安定待ち時間を設定しなければならない手間が生ずるという問題もあった。
【0036】
また水量式のガス給湯機付き風呂釜においては、残湯演算を行う際に、温水循環流路内の循環流量を測定できないため、機器設置時に行う試運転時に循環流量学習動作を行う必要があるという問題もあった。
【0037】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、温水が流れる温水循環流路中に超音波流速計を備え、超音波流速計での計測量から温水循環流路を流れる温水の循環流量や温水循環流路内の音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づいて動作制御される温水循環装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
前記従来の課題を解決するために、本発明の温水循環装置は、温水が流れる温水循環流路中に超音波流速計を備え、超音波流速計の計測量から温水循環流路を流れる温水の循環流量や温水循環流路内の音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づく動作制御を行うようにしたものである。
【0039】
これによって、循環流量や音速に基づく動作制御や、循環流量や音速に基づいて温水循環流路内の状態把握を行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の温水循環装置は、温水が流れる温水循環流路中に超音波流速計を備え、超音波流速計の計測量から温水循環流路を流れる温水の循環流量や温水循環流路内の音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づいてより詳細な動作制御を実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
第1の発明は、温水循環流路中に超音波流速計を設け、その計測量から温水循環流路の循環流量の演算を制御手段で行い、制御手段は演算された循環流量に基づいて諸動作制御を行うことができる。
【0042】
第2の発明は、特に、第1の発明の超音波流速計を、温水循環流路のうちの温水戻り流路中に設けることで、温水戻り流路における超音波流速計の計測量から循環流量の演算を制御手段で行い、制御手段は演算された循環流量に基づいて諸動作制御を行うことができる。
【0043】
第3の発明は、特に、第1の発明の超音波流速計を、温水循環流路のうちの温水往き流路中に設けることで、温水往き流路における超音波流速計の計測量から循環流量の演算を制御手段で行い、制御手段は演算された循環流量に基づいて諸動作制御を行うことができる。
【0044】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の制御手段において、超音波流速計からの計測量から演算される循環流量に基づいて、温水循環流路内の状態を把握する機能を備えることで、制御手段は温水循環流路内の状態を詳細に把握することができる。
【0045】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の温水循環装置において、超音波流速計からの計測量から温水循環流路内の音速の演算を制御手段で行い、制御手段は演算された音速に基づいて諸動作制御を行うことができる。
【0046】
第6の発明は、特に、第5の発明の制御手段において、超音波流速計からの計測量から演算される音速に基づいて、温水循環流路内の状態を把握する機能を備えることで、制御手段は温水循環流路内の状態を詳細に把握することができる。
【0047】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0048】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、第1〜第3の発明に対応させ、従来の温水循環装置としての強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜の水流スイッチ31の水流検知機能の替わりとして、超音波流速計からの計測量による循環流量演算から水流検知を行う動作制御について述べる。
【0049】
図1は、第1〜第6の発明の実施の形態における強制循環式ガス風呂釜の構成図を示すものである。
【0050】
図1において、図4に示した従来の強制循環式ガス風呂釜の構成図と異なるところは、図4に示した水流スイッチ31の替わりに図3に示した超音波流速計6を配置し、制御手段12に超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから循環流量や音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づいた動作制御する機能を設けたところである。
【0051】
また図2は、第1〜第6の発明の実施の形態におけるガス給湯機付き風呂釜の構成図を示すものである。
【0052】
図2において、図5に示した従来のガス給湯機付き風呂釜の構成図と異なるところは、図1に示した本発明の第1〜第6の発明の実施の形態における強制循環式ガス風呂釜の、図4に示した従来の強制循環式ガス風呂釜の構成図と異なるところと同様に、図5に示した水流スイッチ31の変わりに図3に示した超音波流速計6を配置し、制御手段12に超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから循環流量や音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づいた動作制御する機能を設けたところである。
【0053】
なお図1および図2における超音波流速計6の温水循環流路内での配置は、第2の発明における温水戻り流路9内に行っているが、第3の発明における温水往き流路8内に超音波流速計6を配置させてもその効果は同様である。なお以下のすべての実施の形態においては、図1および図2に示したように、超音波流速計6を温水循環流路のうちの温水戻り
流路9中に配置させた構成で説明するものとする。
【0054】
以上のように構成された強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜について、以下その動作、作用について説明する。
【0055】
図1および図2において、温水循環流路内に超音波流速計6を設け、制御手段12で超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから循環流量を演算することで、図4や図5に示した従来の水流スイッチ31の水流検知機能の替わりの機能とすることができる。すなわち風呂追い焚き運転時に、制御手段12は温水循環ポンプ7を駆動させて循環流量を演算し、所定の循環流量(たとえば3L/min)以上を検出した時点で温水循環流路中に水流が生じたことを検出する動作制御を行う。ここで循環流量qは、温水循環流路の断面積をSとすると(3)式を用いて(9)式のように演算できる。
【0056】
q=SU=S(L/2cosθ)(1/t−1/t) ・・・(9)
以上のように、本実施の形態においては超音波流速計6を温水循環流路内に設け、制御手段12で超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから(9)式によって循環流量を演算することで、従来の水流スイッチ31の水流検知機能の代替機能とすることができる。これによって循環流量qに基づく水流検知を行うことができるので、従来の温水循環装置の水流スイッチ31の部品ばらつきによる水流検知ばらつきを解消することができる。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、第4の発明に対応させ、従来の温水循環装置としての強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜において、風呂アダプタ17が浴槽水19に水没しているかどうかの温水循環流路内の状態把握を、超音波流速計6からの計測量による循環流量演算から行う動作制御について述べる。
【0058】
従来の温水循環装置としての強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜において、風呂追い焚き運転を行う際には、制御手段12はまず温水循環ポンプ7を駆動させて水流スイッチ31の検出信号から風呂アダプタ17が浴槽水19に水没しているかどうかの状態把握をたとえば次のように行っていた。
<状態1>水流スイッチ31が所定の時間(たとえば60秒間)OFFの場合
風呂アダプタ17が浴槽水19に全く水没していない。
<状態2>水流スイッチ31が所定の時間(たとえば60秒間)ON/OFFを繰り返す場合
風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没していない。
<状態3>水流スイッチ31が所定の時間(たとえば60秒間)ONの場合
風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没している。
【0059】
ここで風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没した<状態3>の場合にのみ、制御手段12は風呂追い焚き運転を続けて行うことが可能である。<状態1>や<状態2>の場合、たとえば従来の強制循環式ガス風呂釜においては風呂アダプタ17が浴槽水19に水没していないということで風呂追い焚き運転を継続することができないためエラー停止させたり、使用者に風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没するまで浴槽水を追加する内容の報知を行っていた。また<状態1>や<状態2>の場合、たとえば従来のガス給湯機付き風呂釜においては、風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没するまで注湯弁33を開として浴槽水を追加させるような動作制御を行っていた。
【0060】
また従来の水流スイッチ31では、<状態3>を検出した場合でも、水流スイッチ31の部品ばらつきによって、たとえば水流スイッチ31のマグネット重さが軽かったような
場合、風呂アダプタ17が完全に浴槽水19に水没していない場合でも完全に水没している場合に検知してしまうことがあった。
【0061】
そこで本実施の形態においては、温水循環流路内に超音波流速計6を設け、超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量に基づいて、風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を従来の水流スイッチ31の場合よりもより精度良く検出する方法について述べる。
【0062】
まず制御手段12は温水循環ポンプ7を駆動して正常に風呂追い焚き運転を行っている際に、所定の循環流量(たとえば3L/min)以上の範囲での循環流量最大値qmaxを記憶し、qmaxを風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没した状態であると学習する。ここで循環流量最大値qmaxは、温水循環ポンプ7の搬送能力や機器、浴槽18、風呂往き配管15、および風呂戻り配管16の設置条件が同じであればいつも同じ値を示すはずであるが、経年時の影響や測定誤差を含めてたとえば随時更新できるようにしておく。
【0063】
次に制御手段12は、風呂追い焚き運転(9)式によって演算される循環流量qと記憶している循環流量最大値qmaxと比較して図1に示した強制循環式ガス風呂釜においては、たとえば次のような動作制御を行い、風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を検出するものとする。
<場合1>qが0.95qmax以下
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に水没していない状態を検出し、温水循環ポンプ7の駆動を停止させ、使用者に浴槽水19の量が風呂追い焚き運転を行うには不十分であることの内容を報知し、浴槽水19を追加するように促す。
<場合2>q>0.95qmax
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没している状態を検出し、そのまま風呂追い焚き運転を行う。
【0064】
以上のように、本実施の形態においては超音波流速計6を温水循環流路内に設け、制御手段12で超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから(9)式によって演算される循環流量に基づいて温水循環流路内の状態把握を行うことで、従来の水流スイッチ31を用いた水流検知よりもより精度良く風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を検出することができる。
【0065】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、第4の発明に対応させ、温水循環装置としての強制循環式ガス風呂釜やガス給湯機付き風呂釜において、入浴中に使用者が風呂追い焚き運転を行っている際に、誤ってタオルや髪の毛を風呂アダプタ17に吸い込まれた詰まり状態を、超音波流速計6からの計測量によって演算される循環流量を用いて温水循環流路内の状態把握を行うことで検出する動作制御について述べる。
【0066】
この場合、図1や図2において、制御手段12は風呂追い焚き運転時に超音波流速計6からの計測量による循環流量演算値から、所定の時間内(たとえば30秒間)の循環流量演算値の変化量を監視しておく。通常に問題なく風呂追い焚き運転が行われている場合には、循環流量演算値qは実施の形態2で述べた循環流量最大値qmaxとほぼ同じ値(たとえば、0.95qmax<q<1.05qmax)となる。ここで風呂アダプタ17においてタオルや髪の毛が吸い込まれた場合、結果として温水循環流路が閉塞されるため循環流量演算値qは減少する。この状態を制御手段12にたとえば次の詰まり検出条件として認識させる。
<詰まり検出条件>
所定の時間内(たとえば30秒間)で、循環流量演算値qが連続して所定の時間(たとえば5秒)循環流量最大値qmaxの所定比率(たとえばqmaxの80%に対応した0.8qmax)未満に急変した場合、温水循環流路に詰まりが生じた状態として検出する。
【0067】
上記詰まり検出を行った場合には、制御手段12は風呂追い焚き運転を停止させ、たとえば警報音を発して周囲に報知するなどの動作制御を行う。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては超音波流速計6を温水循環流路内に設け、制御手段12で超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから(9)式によって演算される循環流量を監視することで、温水循環流路内の詰まり状態を検出することができる。これによって入浴中に使用者が風呂追い焚き運転を行っている際に、誤ってタオルや髪の毛を風呂アダプタ17に吸い込まれた状態を検出することができ、使用者の安全を確保することができる。
【0069】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、第5および第6の発明に対応させ、上述実施の形態2の風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を、超音波流速計6からの計測量によって(4)式から演算される音速Aによる温水循環流路内の状態把握を行うことで検出する動作制御について述べる。
【0070】
音速は気体中と液体中では液体中の方が大きく、たとえば0℃の場合、空気中では約330m/sであるが、水中では約1400m/sである。音速は温度の影響を大きく受けるが、空気中と水中では音速のオーダーが10異なることを考慮すると、風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を判定する程度であれば温度の影響を無視しても実使用上問題ないと考えられる。また、図1や図2において、上述実施の形態2の<状態2>における風呂アダプタ17が完全に浴槽水19に水没していない状態であれば、温水循環流路中に空気が存在していると考えられ、その分温水循環流路が完全に温水に満たされた<状態3>の場合よりも音速が低下するはずである。そこで制御手段12はたとえば下記条件に従い、上述実施の形態2と同様な風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を検出し、動作制御を行うものとする。
<場合1>音速Aが1300m/s以下
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に水没していない状態を検出し、温水循環ポンプ7の駆動を停止させ、使用者に浴槽水19の量が風呂追い焚き運転を行うには不十分であることの内容を報知し、浴槽水19を追加するように促す。
<場合2>音速A>1300m/s
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没している状態を検出し、そのまま風呂追い焚き運転を行う。
【0071】
以上のように、本実施の形態においては超音波流速計6を温水循環流路内に設け、制御手段12で超音波流速計6からの計測量である伝播時間tおよび伝播時間tから(4)式によって演算される音速に基づいて温水循環流路内の状態把握を行うことで、従来の水流スイッチ31を用いた水流検知よりもより精度良く風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態を検出することができる。
【0072】
(実施の形態5)
本実施の形態においては、第5および第6の発明に対応させ、超音波流速計6からの計測量によって(4)式から演算される音速Aと、(9)式から演算される循環流量qとの両方を用いることで温水循環流路内の状態把握を行い、諸動作制御を行う場合について述べる。
【0073】
風呂追い焚き運転時などの温水循環ポンプ7が駆動されている場合に、循環流量qはほぼ循環流量最大値qmaxの値(たとえばq>0.9qmax)であるが、音速Aが上述実施の形態4における1300m/s以下の場合、配管途中に配管接続不良や配管破損が生じ、温水循環流路系に空気噛みが生じている状態であると考えられる。このような場合、たとえば制御手段12は配管異常状態を検知し、使用者にその状態を報知するような動作制御を行う。
【0074】
また上記実施の形態3に対応させ、温水循環流路に詰まりが生じた場合には、実施の形態3中の<詰まり検出条件>に記載したように急激な循環流量低下が生じる条件に加え、音速A>1300m/sの条件を同時に満たすと温水循環流路に詰まりが生じた状態を検出することができる。
【0075】
以上のように、本実施の形態においては超音波流速計6を温水循環流路内に設け、超音波流速計6からの計測量によって(4)式から演算される音速Aと、(9)式から演算される循環流量qとの両方を用いることで温水循環流路内の状態把握でき、配管異常状態の検出や上述実施の形態3の場合よりもより詳細な詰まり検出を行うことができる。
【0076】
(実施の形態6)
本実施の形態においては、第5および第6の発明に対応させ、上述実施の形態4および実施の形態5における温水循環流路が温水で満たされた場合の音速Aを、各温水温度に対して学習し、温水温度を考慮してより精度良く温水循環流路内の状態把握を行って諸動作制御する方法について述べる。
【0077】
各温水温度に対する音速Aの学習は、たとえば風呂追い焚き運転を行う際に、温水循環流路が温水で満たされた(たとえば0.95qmax<q<1.05qmax)条件下で、音速Aを演算し温水温度が1℃ごと変化するたびにその時の音速値を学習することが考えられる。ここで温水温度は図1や図2における温水戻りサーミスタ11で検出することが可能である。このようにして得られた温水温度T℃における温水循環流路が温水で満たされた条件下での音速Aを、制御手段12は温水温度T℃の関数A(T)として学習する。
【0078】
あるいは、機器設置時に行う試運転時に、風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没して温水循環流路内が温水で満たされた状態で風呂追い焚き運転を行い、所定の数箇所の温水温度(たとえば6箇所の、30℃、34℃、38℃、42℃、46℃、50℃)時の音速Aを測定し、制御手段12はこれらの測定された音速Aを基にしてたとえば最小二乗法で温水温度T℃における音速Aを、温水温度T℃の関数A(T)として学習する。
【0079】
このようにして温水温度T℃の関数A(T)としての音速Aを用いて、上述実施の形態4での風呂アダプタ17の浴槽水19への水没状態はたとえば次のような条件で精度良く判定することができる。
<場合1>温水温度T℃において演算された音速Aが、0.95A(T)以下
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に水没していない状態を検出し、温水循環ポンプ7の駆動を停止させ、使用者に浴槽水19の量が風呂追い焚き運転を行うには不十分であることの内容を報知し、浴槽水19を追加するように促す。
<場合2>温水温度T℃において演算された音速Aが、A>0.95A(T)
制御手段12は風呂アダプタ17が浴槽水19に完全に水没している状態を検出し、そのまま風呂追い焚き運転を行う。
【0080】
また温水温度T℃の関数A(T)としての音速Aを用いて、上述実施の形態5に対応さ
せると、風呂追い焚き運転時などの温水循環ポンプ7が駆動されている場合に、循環流量qはほぼ循環流量最大値qmaxの値(たとえばq>0.9qmax)であるが、温水温度T℃において演算された音速Aが0.95A(T)以下の場合、温水循環流路系に空気噛みが生じている状態と認識して配管異常状態を検出できる。
【0081】
また同様に温水温度T℃の関数A(T)としての音速Aを用いて、上述実施の形態5に対応させると、上述実施の形態3中の<詰まり検出条件>に記載したように急激な循環流量低下が生じる条件に加え、音速A>0.95A(T)の条件を同時に満たすと温水循環流路に詰まりが生じた状態を検出することができる。
【0082】
以上のように本実施の形態においては、温水戻りサーミスタ11で温水温度を測定しながら、制御手段12は学習した温水温度T℃の関数A(T)としての音速Aを用いて諸動作制御することができるので、上述実施の形態4および実施の形態5よりもさらに精度良く諸動作制御を行うことが可能となる。
【0083】
(実施の形態7)
本実施の形態においては、第1〜第3の発明に対応させ、図2に示した水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定待ち時間を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量に基づいて動作制御を行う場合について述べる。
【0084】
上述背景技術のように、水位式のガス給湯機付き風呂釜では、図5において制御手段12は水流センサ39で検出される流量をもとに所定量の注湯を行うごとに、温水循環ポンプ7を駆動させて水流スイッチ31でON、OFF動作を確認する循環水チェック動作を行った後、温水循環ポンプ7を停止させて所定の時間(たとえば30秒)浴槽水19の水位が安定するのを待ち、水位センサ32で浴槽水19の水位を確認しながら使用者が設定した水位になるまで注湯動作を行う。ここで水流スイッチ31による循環水チェック動作については、たとえば上述実施の形態1のように演算される循環流量から水流を判定する方法が適用できる。本実施の形態においては、温水循環ポンプ7が停止した後に水位センサ32の水位検出値安定待ち時間を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量に基づいて決定して動作制御を行う方法について述べる。
【0085】
循環流量は、温水往き配管15や温水戻り配管16の配管長さや配管途中の曲がり数の設置条件に大きく影響され、配管長さが長い場合や配管途中の曲がり数が多くなれば流路抵抗が増加して循環流量は小さくなる。したがって図2において、超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量が小さければ小さいほど、配管の流路抵抗が大きい設置状態、すなわち長い配管であったり配管途中の曲がり数が多い設置状態であると考えられ温水循環流路内の温水流動が安定するまで時間を要するため、水位センサ32の水位検出値安定待ち時間を長く設定する必要がある。そこで制御手段12は、たとえば次に示すような循環流量条件に基づき、風呂お湯はり運転時の動作制御を行う。
<条件1>循環水チェック時に演算されるq(ただし、0.95qmax<q<1.05qmaxの場合)が、5L/min未満の場合
水位センサ検出値安定待ち時間を90秒とする。
<条件2>循環水チェック時に演算されるq(ただし、0.95qmax<q<1.05qmaxの場合)が、5L/min以上8L/min未満の場合
水位センサ検出値安定待ち時間を60秒とする。
<条件3>循環水チェック時に演算されるq(ただし、0.95qmax<q<1.05qmaxの場合)が、8L/min以上の場合
水位センサ検出値安定待ち時間を30秒とする。
【0086】
あるいは、下記(10)式に示すように循環水チェック時に演算されるq(ただし、0.95qmax<q<1.05qmaxの場合)の関数として水位センサ検出値安定待ち時間を決定することも考えられる。ただし(10)式において、qは3L/min以上とする。
【0087】
(水位センサ検出値安定待ち時間 秒)=−10q+140 ・・・(10)
以上のように本実施の形態においては、水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定待ち時間を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量に基づいて動作制御を行うため、図5に示した従来のガス給湯機付き風呂釜において、風呂往き配管15と風呂戻り配管16の配管長さによって、施工業者が機器設置時に行う制御手段12内に設けられたディップスイッチ等の切替えスイッチで配管長さ「長い」の設定を行う手間を省くことができる。
【0088】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、第1〜第4の発明に対応させ、図2に示した水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定状態を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量から判定する動作制御について述べる。
【0089】
実施の形態7では温水循環ポンプ7を駆動させることによる循環水チェック時の循環流量演算値から、流路抵抗を想定した水位センサ32の水位検出値安定待ち時間に基づく風呂お湯はり運転動作を行う方法を示したが、本実施の形態では温水循環ポンプ7を駆動させることによる循環水チェック後に、温水循環ポンプ7の駆動を停止した時点からの温水循環流路内の循環流量を演算して、その循環流量演算値から温水循環流路内の温水の流動状態を判断する。すなわち、循環水チェック後に温水循環ポンプ7の駆動を停止させても、しばらくの間は慣性のために温水循環流路内の温水は流動するが、やがて温水流動が減衰して循環流量演算値qがある所定の値の範囲(たとえば、−0.5L/min<q<0.5L/min)となれば、制御手段12は温水循環流路内の温水流動が収束し水位センサ32の水位検出値を取り込むような動作制御を行う。
【0090】
以上のように本実施の形態においては、水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定状態を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量から判定するため上述実施の形態7の場合よりもより簡素かつ精度良く水位センサ32の水位検出値を取り込むことができる。
【0091】
(実施の形態9)
本実施の形態においては、第5〜第6の発明に対応させ、図2に示した水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定状態を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量および音速から判定する動作制御について述べる。
【0092】
温水循環流路内に空気噛みが生じた場合、もしその空気塊が水位センサ32の水圧検知部分に存在すると、水位センサ32で正しく浴槽水19の水位を検出することができない。そこで本実施の形態においては、実施の形態8で述べた温水循環ポンプ7駆動停止後の循環流量の減衰状態から水位センサ32の水位検出値取り込みを行うことに加え、循環水チェック時の音速演算値から温水循環流路内に空気噛みが存在しないことを確認する動作制御を行う。ここで循環水チェック時の音速演算値には、たとえば上述実施の形態6のように温水戻りサーミスタ11で検出される温度T℃における音速A(T)を適用する。
【0093】
以上のように本実施の形態においては、水位式のガス給湯機付き風呂釜における風呂お
湯はり運転時に、水位センサ32の水位検出値安定状態を超音波流速計6からの計測量から演算される循環流量から判定することに加え、循環水チェック時に水位センサ32の水位検出値に影響を与える空気噛みの有無を音速演算値から確認する動作制御を行うため、上述実施の形態8の場合よりもより精度良く水位センサ32の水位検出値を取り込むことができる。
【0094】
(実施の形態10)
本実施の形態においては、第1〜第3の発明に対応させ、水量式のガス給湯機付き風呂釜において、上述背景技術の残湯演算に用いる循環流量に超音波流速計から演算される循環流量を用いる方法について述べる。
【0095】
本発明においては、たとえば図2に示すように温水循環流路内に設けた超音波流速計6による計測量から循環流量を演算できるので、この循環流量を用いて背景技術で述べた残湯演算を行うことができる。
【0096】
以上のように本実施の形態においては、温水循環流路内に設けた超音波流速計6による計測量から循環流量を演算できるため、従来の水量式ガス給湯機付き風呂釜において機器設置時に行う試運転時の循環流量学習動作を不要とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明にかかる温水循環装置は、温水循環流路内に超音波流速計6を設け、その計測量から温水循環流路を流れる温水の循環流量や温水循環流路内の音速を演算し、これらの循環流量や音速に基づく動作制御や温水循環流路内の状態把握を行うことができる。したがって本発明の技術を応用すれば、相変化を伴う流体が流れる流路における流路内解析等に利用することができる。たとえば気液二相流ならば、音速を測定することから流路内の気体の存在割合を表すボイド率を算出することが可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1〜6における強制循環式ガス風呂釜の構成図
【図2】本発明の実施の形態1〜10におけるガス給湯機付き風呂釜の構成図
【図3】超音波流速計の計測原理の説明図
【図4】従来の強制循環式ガス風呂釜の構成図
【図5】従来のガス給湯機付き風呂釜の構成図
【符号の説明】
【0099】
5 熱交換部
6 超音波流速計
7 温水循環ポンプ
8 温水往き流路
9 温水戻り流路
12 制御手段




 

 


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