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発明の名称 被取付部材の取付構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−71249(P2007−71249A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256370(P2005−256370)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
発明者 在郷 毅 / 大田 城裕
要約 課題
被取付部材のクリップ座が斜め方向から引張られたとしても、その傾きを吸収してクリップがパネルの取付孔から抜脱され難くすると共に、クリップをパネルの取付孔に圧入する際の押圧力を低く抑えることが可能な被取付部材の取付構造を提供する。

解決手段
ドアトリム1から立設される有底円筒状のクリップ座2には、その側壁部2aに、その軸方向への収縮が規制されると共に所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部15が設けられており、クリップ座2が斜め方向から引張られてもクリップ座2が屈曲するために、クリップ4には斜め方向からの引張力が作用せず、取付孔6から抜脱され難くなる。しかも、ドアドリム1を押し込んでクリップ4を取付孔6に圧入する際には、クリップ座2はその軸方向に適宜な剛性を有しているので、ドアトリム1の押圧力を低く抑えることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
被取付部材に設けたクリップ座に取り付けられたクリップを取付面に装着して、前記被取付部材を前記取付面に組み付けるようにした被取付部材の取付構造において、
前記クリップ座は、前記被取付部材から立設するように有底筒状に設けられ、その底壁部に前記クリップが挿着されるクリップ取付孔が形成されると共に、その側壁部には、その軸方向の収縮が規制されると共に所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部が設けられていることを特徴とする被取付部材の取付構造。
【請求項2】
前記屈曲自在部は、前記クリップ座の側壁部の一部を内側に凹まして凹部を形成すると共に、この凹部に、前記クリップ座の軸方向に対向する隙間を設けるようにリブを一対配置して構成されることを特徴とする請求項1に記載の被取付部材の取付構造。
【請求項3】
前記屈曲自在部は、前記クリップ座の側壁部の一部に、周辺の側壁部よりも厚い厚壁部を設けると共に、該厚壁部に前記クリップ座の軸方向に対向する隙間を設けて構成されることを特徴とする請求項1に記載の被取付部材の取付構造。
【請求項4】
前記屈曲自在部は、前記被取付部材の所定部位が引張られて、前記クリップ座が前記クリップの軸方向に対して斜め方向に引張られる際、その引張られる方向に屈曲可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被取付部材の取付構造。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付部材に設けたクリップ座に取り付けられたクリップを取付面に装着し、被取付部材を取付面に組み付けるようにした被取付部材の取付構造に関し、特に、被取付部材に設けられたクリップ座の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被取付部材である例えばドアトリムを、取付面であるパネルに組み付ける際には、クリップを使用して組み付けるようにしているが、クリップは、ドアトリムとパネルとの間に隠れるように配置されて、クリップが外部に露出されないようになっている。
つまり、図5に示すように、ドアトリム1には、クリップ座2が、ドアトリム1から一体に立設して設けられている。このクリップ座2は、有底円筒状に形成されており、その底壁部22にクリップ4が挿着されるクリップ取付孔3が形成されている。
クリップ4は、図5及び図8に示すように、パネル5に形成された取付孔6に圧入固定される圧入部7と、パネル5の上面5aに当接されるフランジ部8と、クリップ座2のクリップ取付孔3に嵌入される鍔部9とから構成されている。
そして、ドアトリム1をパネル5に組み付ける際には、まず、ドアトリム1に設けられたクリップ座2のクリップ取付孔3にクリップ4の鍔部9を嵌入させた状態とする。次に、クリップ4の圧入部7をパネル5の所定位置に形成された取付孔6に当接させた状態で、ドアトリム1を押し込み、クリップ4の圧入部7をパネル5の取付孔6に圧入固定して、ドアトリム1をクリップ4を介してパネル5に組み付けている。このようにしてドアトリム1をクリップ4を介してパネル5に組み付ければ、クリップ4がドアトリム1とパネル5との間に隠れて外部に露出することはない。
【0003】
しかしながら、図6及び図7に示すように、乗員によってドアが開閉される際、プルハンドル部位10が引張られる(矢印A方向)と、ドアトリム1にはパネル5から離れる方向に引張力が作用し、ドアトリム1のクリップ座2には、プルハンドル部位10の方向(矢印B方向)からの引張力が作用する。さらに、クリップ4には、ドアトリム1のクリップ座2と同様に、クリップ4の軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用する。つまり、通常、クリップ4がパネル5の取付孔6に圧入固定されている位置は、図7に示すように、プルハンドル部位10から離れた位置であるために、プルハンドル部位10が引張られると、クリップ4には、プルハンドル部位10の方向(矢印B方向)からの引張力、すなわちクリップ4の軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用するようになる。
【0004】
ところで、クリップ4は、引張力が作用する傾斜角度θ(図8参照)が大きくなるにつれて、パネル5の取付孔6との固定力が低下するため、上述したように、クリップ4に、その軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用した場合、クリップ4がパネル5の取付孔6から抜脱され易くなり、乗員による通常の操作によって、クリップ4がパネル5の取付孔6から抜脱されて、ドアトリム1がパネル5から外れる虞があった。
【0005】
なお、上述したような従来のドアトリムの取付構造において、クリップ4へ作用する引張力の傾斜角度θ(図8参照)とクリップ4が抜脱される引張力との関係は、傾斜角度θが0°、3°、6°、10°と大きくなるにつれて、抜脱される引張力(クリップ4と取付孔6との固定力)は、120N、101N、84N、61Nと次第に小さくなり、クリップ4へ作用する引張力の傾斜角度θが大きくなるにつれて、より小さい引張力によってクリップ4がパネル5の取付孔6から抜脱されることが解っている。
【0006】
また、ドアトリムの取付構造の従来技術として特許文献1には、クリップによる部品取付構造が開示されている。
すなわち、ドアトリムに一体成型されたクリップ座のクリップ取付孔において、該クリップ取付孔は、その一部が切離され、この切離部における切片が食い違うように形成されており、また、このクリップ取付孔は、その平面的形状では切離されず連続して形成されている。そして、クリップをクリップ座のクリップ取付孔に回転させながらねじ込むことにより、クリップをその鍔部から切離部を介してクリップ取付孔に簡単に挿着でき、挿着後は、クリップ取付孔は、平面方向では実質的には閉じているため、クリップを確実に、且つ正確に位置決めして保持することが可能となっている。
【特許文献1】特開平8−177819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来のドアトリムの取付構造においては、プルハンドル部位10が引張られると、クリップ座2がプルハンドル部位10の方向に傾斜するように引張られるため、クリップ4もクリップ座2と同方向で、軸方向に対して斜め方向に引張られることになる。そのために、クリップ4のパネル5の取付孔6との固定力が低下して、ドアトリム1がパネル5から容易に外れてしまう虞があった。
こうした問題を解決するために、クリップ座2が多少傾斜した場合でも、高い固定力を保持できるクリップを採用することも考慮できるが、この高い固定力を保持できるクリップを採用した場合、このクリップをパネルの取付孔に圧入固定する際、非常に大きな押圧力が必要となり、作業者にとって大きな負担になる。しかも、このような高い固定力を保持できるクリップは、コストが高いために採用することが困難である。
また、特許文献1の発明は、ドアトリムのクリップ座とクリップとの嵌合をより確実するためのクリップ座のクリップ取付孔を改良したものであって、上述した問題を解決することは到底できない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被取付部材のクリップ座がクリップの軸方向に対して斜め方向から引張られたとしても、その傾きを吸収することでクリップがパネルの取付孔から抜脱され難くすると共に、クリップをパネルの取付孔に圧入する際のドアトリムの押圧力を低く抑えることが可能な被取付部材の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した被取付部材の取付構造の発明は、被取付部材に設けたクリップ座に取り付けられたクリップを取付面に装着して、前記被取付部材を前記取付面に組み付けるようにした被取付部材の取付構造において、前記クリップ座は、前記被取付部材から立設するように有底筒状に設けられ、その底壁部に前記クリップが挿着されるクリップ取付孔が形成されると共に、その側壁部には、その軸方向の収縮が規制されると共に所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載した被取付部材の取付構造の発明は、請求項1に記載した発明において、前記屈曲自在部は、前記クリップ座の側壁部の一部を内側に凹まして凹部を形成すると共に、この凹部に、前記クリップ座の軸方向に対向する隙間を設けるようにリブを一対配置して構成されることを特徴とするものである。
請求項3に記載した被取付部材の取付構造の発明は、請求項1に記載した発明において、前記屈曲自在部は、前記クリップ座の側壁部の一部に、周辺の側壁部よりも厚い厚壁部を設けると共に、該厚壁部に前記クリップ座の軸方向に対向する隙間を設けて構成されることを特徴とするものである。
請求項4に記載した被取付部材の取付構造の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、前記屈曲自在部は、前記被取付部材の所定部位が引張られて、前記クリップ座が前記クリップの軸方向に対して斜め方向に引張られる際、その引張られる方向に屈曲可能な位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
従って、請求項1に記載した被取付部材の取付構造の発明では、被取付部材から立設された有底筒状のクリップ座には、その側壁部に、その軸方向の収縮が規制されると共に所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部が設けられているので、被取付部材の所定部位が引張られて、クリップ座がクリップの軸方向に対して斜め方向に引張られても、クリップ座はその引張られる方向に屈曲するために、クリップ座の底壁部に挿着されたクリップには、その軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用することなく、クリップが容易にパネルの取付孔から抜脱されることはない。一方、クリップ座に挿着されたクリップをパネルの取付孔に圧入固定する際、被取付部材を押し込む時には、クリップ座の側壁部は、屈曲自在部により、その軸方向には収縮しないように構成されているので、クリップ座の座屈を防ぎ、クリップのパネルの取付孔への挿入力を低く抑えることが可能となる。
請求項2に記載した被取付部材の取付構造の発明では、被取付部材の所定部位が引張られて、クリップ座が、クリップの軸方向に対して斜め方向から引張られても、クリップ座の側壁部に設けた一対のリブ間の隙間が開き、クリップ座が引張られる方向に屈曲されるために、クリップ座の底壁部に挿着されたクリップには、その軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用することなく、クリップが容易にパネルの取付孔から抜脱されることはない。一方、被取付部材のクリップ座に挿着されたクリップをパネルの取付孔に圧入固定する際、被取付部材を押し込む時には、クリップ座の側壁部は、隙間が閉まり一対のリブが当接することで、その軸方向に収縮せずに適宜の剛性を有するために、クリップのパネルの取付孔への挿入力を低く抑えることが可能となる。
請求項3に記載した被取付部材の取付構造の発明では、被取付部材の所定部位が引張られて、クリップ座がクリップの軸方向に対して斜め方向から引張られても、クリップ座の側壁部に設けた厚壁部の隙間が開き、クリップ座が引張られる方向に屈曲するために、クリップ座の底壁部に挿着されたクリップには、その軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用することなく、クリップが容易にパネルの取付孔から抜脱されることはない。一方、被取付部材のクリップ座に挿着されたクリップをパネルの取付孔に圧入固定する際、被取付部材を押し込む時には、クリップ座の側壁部は、隙間が閉まり厚壁部になることで、その軸方向に収縮せずに適宜の剛性を有するために、クリップのパネルの取付孔への挿入力を低く抑えることが可能となる。
請求項4に記載した被取付部材の取付構造の発明では、被取付部材の所定部位が引張られて、クリップ座に、クリップの軸方向に対して斜め方向からの引張力が作用しても、クリップ座は引張られる方向にスムーズに屈曲されるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被取付部材のクリップ座がクリップの軸方向に対して斜め方向から引張られたとしても、その傾きを吸収してクリップがパネルの取付孔から抜脱され難くすると共に、クリップをパネルの取付孔に圧入する際のドアトリムの押圧力を低く抑えることが可能な被取付部材の取付構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図4に基いて詳細に説明する。従来例と同一部材及び相当する部品は、同一の符号を使用して説明する。
自動車のドアトリム(被取付部材)1は、図1に示すように、ドアトリム1から一体に立設されたクリップ座2に挿着されたクリップ4を、パネル(取付面)5の所定位置に設けられた取付孔6に圧入固定することで、パネル5に組み付けられている。
なお、通常、ドアパネル1には複数のクリップ座2が設けられると共に、パネル5にも複数の取付孔6が設けられている。
【0013】
図1に示すように、ドアトリム1には、クリップ座2が、ドアトリム1から一体に立設して設けられている。このクリップ座2は、有底円筒状に形成されており、その底壁部22にクリップ4の鍔部9(図8参照)が嵌入されるクリップ取付孔3が形成されている。さらに、クリップ座2の側壁部2aには、その軸方向の収縮が規制されると共に、所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部15が設けられている。
【0014】
屈曲自在部15は、以下に説明するように、第1又は第2の実施の形態で構成されるようになる。
まず、屈曲自在部15の第1の実施の形態を、図1及び図2に基いて説明する。
ドアトリム1から立設されるクリップ座2の側壁部2aの一部に、外方から内方に向って湾曲状に凹ませた凹部16が形成される。この凹部16は、プルハンドル部位10(図7参照)を臨む側とは反対側の面でその周方向に略半円の範囲に亘って形成されている。なお、クリップ座2は、通常、ドアトリム1の所定位置に複数点在しており、プルハンドル部位10との位置関係がそれぞれ相違するため、個々のクリップ座2において、凹部16が形成される位置が相違することになる。
また、クリップ座2に設けた凹部16に、クリップ座2とは別体で構成されるリブ17、17を、クリップ座2の軸方向に対向する(略直交する)隙間18を設けるように一対配置する。これら一対のリブ17、17間に設けられた隙間18の深さは、凹部16の最大深さと略同一に設定されている。さらに、これらの一対のリブ17、17は、クリップ座2の底壁部22に挿着されたクリップ4をパネル5の取付孔6に圧入固定する際、クリップ座2がその軸方向に押圧されても変形しない程度の硬さを有する樹脂で構成されている。
【0015】
次に、屈曲自在部15の第2の実施の形態を、図3及び図4に基いて説明する。
ドアトリム1から立設されるクリップ座2の側壁部2aの一部に、周辺の側壁部2aよりも厚い厚壁部20が形成される。この厚壁部20は、クリップ座2の内壁を内方に湾曲状に突出させるようにして径方向の厚みを増加させている。この厚壁部20は、プルハンドル部位10(図7参照)を臨む側とは反対側の面でその周方向に略半円の範囲に亘って形成されている。なお、クリップ座2は、通常、ドアトリム1の所定位置に複数点在しており、プルハンドル部位10との位置関係がそれぞれ相違するため、個々のクリップ座2において、厚壁部20が形成される位置が相違することになる。また、この厚壁部20は、図4(a)に示すように、略半円の範囲において、半円弧上の略中央の部位21に最大厚みt1を有し、この部位21から両側の周方向に沿ってその厚みが漸次薄くなる形態でもよいし、図4(b)に示すように、略半円の範囲に亘って、一定の厚みt1を有する形態でもよい。さらに、この厚壁部20には、図3に示すように、クリップ座2の軸方向略中間に、クリップ座2の軸方向に対向する(略直交する)隙間18が形成されている。この隙間18の深さは、厚壁部20の径方向の厚みに応じて適宜設定されている。
【0016】
クリップ4は、図1及び図8に示すように、パネル5に設けられた取付孔6に圧入固定される圧入部7と、パネル5の上面5aに当接されるフランジ部8と、クリップ座2のクリップ取付孔3に嵌入される鍔部3とから構成されている。
【0017】
そして、まず、ドアトリム1がパネル5に組み付けられる手順を説明する。この説明において、屈曲自在部15は、図1及び図2に示す第1の実施の形態が採用されたものとする。
まず、ドアトリム1に一体に立設されたクリップ座2のクリップ取付孔3に、クリップ4の鍔部9が嵌入される。次に、クリップ4の圧入部7をパネル5の所定位置に形成された取付孔6に当接させる。そして、ドアトリム1を、クリップ4の圧入部7がパネル5の取付孔6に挿着された際の節度感を得るまで押し込み、クリップ4の圧入部7をパネル5の取付孔6に圧入固定して、ドアトリム1がパネル5に組み付けられる。
そこで、ドアトリム1を押し込む際には、クリップ座2の側壁部2aに設けた一対のリブ17、17が当接することで、クリップ座2の側壁部2aは、その軸方向への収縮が規制されて適宜の剛性を有するようになり、ドアトリム1からの押圧力がクリップ座2を介してクリップ4にスムーズに伝達される。
なお、作業者が手の平によってドアトリム1を押し込む押圧力は、1個のクリップ4に対して約30Nに抑えられており、人間工学的に満足するものになっている。
【0018】
次に、上述したように、ドアトリム1がパネル5に組み付けられた状態において、乗員によりドアトリム1のプルハンドル部位10(図7参照)が引張られた際のクリップ座2及びクリップ4の作用を説明する。
乗員によりプルハンドル部位10が引張られると、図2に示すように、ドアトリム1にはパネル5から離間する方向に引張力が作用し、クリップ座2には、プルハンドル部位10の方向(図7の矢印B方向)からの引張力、すなわちクリップ4の軸方向に対して斜め方向(図2の矢印B方向)からの引張力が作用するようになる。そして、クリップ座2には、プルハンドル部位10を臨む側とは反対側の面に、略半円の範囲に亘って隙間18が形成されているために、クリップ座2に斜め方向からの引張力が作用しても、隙間18が開いて、クリップ座2は引張られる方向に屈曲するようになる。これにより、クリップ座2の底壁部22はパネル5と略平行に維持され、クリップ4に斜め方向(図2の矢印B方向)からの引張力が作用することはない。
【0019】
なお、本発明の実施の形態に係るドアトリムの取付構造(屈曲自在部15は第1の実施形態を採用)では、クリップ座2が、クリップ4の軸方向に対する傾斜角度θ(図2参照)が3°、6°、10°のそれぞれの場合で引張られた際、クリップ4が抜脱される引張力(クリップ4と取付孔6との固定力)はそれぞれ144N、115N、108Nとなり、一方、従来のドアトリムの取付構造では、クリップ座2が、傾斜角度θ(図6参照)が3°、6°、10°のそれぞれの場合で引張られた際、クリップ4が抜脱される引張力(クリップ4と取付孔6との固定力)はそれぞれ101N、84N、61Nとなる。この結果から、本発明の実施の形態に係るドアトリムの取付構造は、ドアトリム1から立設されたクリップ座2がクリップ4の軸方向に対して斜め方向に引張られた際、従来のドアトリムの取付構造よりも高いドアトリム1の固定力を有していることが解る。
【0020】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るドアトリムの取付構造では、ドアトリム1から立設させた有底円筒状のクリップ座2の側壁部2aに、所定方向への屈曲が自在となる屈曲自在部15が設けられているので、乗員によりドアトリム1のプルハンドル部位10が引張られ(図7の矢印A方向)、ドアトリム1のクリップ座2がクリップ4の軸方向に対して斜め方向(図2の矢印B方向)に引張られても、クリップ座2が引張られる方向に屈曲して、クリップ座2の底壁部22がパネル5と略平行に維持されるため、クリップ4には斜め方向からの引張力が作用することなく、クリップ4が容易にパネル5の取付孔6から抜脱されることはない。
【0021】
一方、ドアトリム1のクリップ座2に挿着されたクリップ4を、パネル5の取付孔6に圧入固定する際には、クリップ座2の側壁部2aに設けられた屈曲自在部15は、側壁部2aの軸方向への収縮を規制する構成であるため、ドアトリム1を押し込む押圧力を、クリップ座2を介して確実にクリップ4へ伝達することができ、その押圧力を抑制することができる。
【0022】
また、屈曲自在部15は、第1の実施形態及び第2の実施形態のように、有底円筒状のクリップ座2の側壁部2aの一部に、開閉可能な隙間18を設ける簡易な構造で達成されており、クリップ座2に斜め方向からの引張力が作用しても、クリップ座2は、隙間18が開くことで容易に屈曲されて、クリップ4に斜め方向からの引張力が伝達されず、且つドアトリム1をパネル5に組み付ける際、ドアトリム1を押し込みクリップ4をパネル5の取付孔6に圧入する時には、クリップ座2の側壁部2aは、隙間18が閉まり適宜の剛性を有する形態になるので、ドアトリム1からの押圧力をクリップ座2を介して確実にクリップ4へ伝達することができる。
【0023】
また、本発明の実施の形態に係るドアトリムの取付構造では、ドアトリム1を押し込む際の押圧力を、人間工学的に満足する値に抑制すると共に、乗員によりプルハンドル部位10が引張られた際、ドアトリム1の固定力を従来よりも大きくすることができたので、本発明の実施の形態に係るドアトリムの取付構造を採用すれば、高い固定力を有する一方で圧入の際に大きい押圧力(人間工学的に満足されない大きい押圧力)が必要な高価なクリップを採用する必要がなく、通常汎用されている安価なクリップを採用することができ、実用的である。
【0024】
なお、本発明の実施の形態では、被取付部材をドアトリム1として構成し、被取付部材の引張られる所定部位をドアトリム1のプルハンドル部位10として、この形態に沿うように、ドアトリム1のクリップ座2の構造、特に屈曲自在部15の位置等が決定されているが、当然ながら、被取付部材及びその引張られる部位が相違すれば、その形態に沿ったクリップ座2の構造、特に、屈曲自在部15の形態や位置等が適宜決定されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る被取付部材の取付構造を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る被取付部材の取付構造において、クリップ座が斜め方向から引張られて屈曲した状態を示す図である。
【図3】図3は、屈曲自在部に係る第2の実施の形態を示す図である。
【図4】図4は、図3のC−C線に沿った断面図であり、厚壁部の実施例を2例示した図である。
【図5】図5は、従来の被取付部材の取付構造を示す図である。
【図6】図6は、従来の被取付部材の取付構造において、クリップ座が斜め方向から引張られた状態を示した図である。
【図7】図7は、プルハンドル部位とクリップとの位置関係を示した図である。
【図8】図8は、クリップが斜め方向から引張られた状態を示した図である。
【符号の説明】
【0026】
1 ドアトリム(被取付部材)、2 クリップ座、2a 側壁部、3 クリップ取付孔、4 クリップ、5 パネル(取付面)、6 取付孔、10 プルハンドル部位、15 屈曲自在部、16 凹部、17 リブ、18 隙間、20 厚壁部、22 底壁部





 

 


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