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内燃機関の燃料供給装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 内燃機関の燃料供給装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−71140(P2007−71140A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−260456(P2005−260456)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 古澤 真也
要約 課題
V型エンジンの2台の高圧燃料ポンプを、脈動を抑制しつつ、同位相またはほぼ同位相で作動させる。

解決手段
燃料供給システム12は、インテークカムシャフトに取り付けられた第1のカム210によりそのポンププランジャーが動作する第1の高圧燃料ポンプ200と、インテークカムシャフトに取り付けられた第2のカム310によりそのポンププランジャーが動作する第2の高圧燃料ポンプ300とを含む。第1のカム210と第2のカム310と同位相で動作するとともに、これらのカムのカムプロフィールが、上死点および下死点の位相は略同じであるが、吐出行程に対応する形状が異なり、異なる吐出特性を発現させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料タンクから燃料噴射手段に高圧燃料を供給する複数の高圧燃料ポンプを含む内燃機関の燃料供給装置であって、前記高圧燃料ポンプのプランジャーは内燃機関により駆動されるカムにより動作され、前記カムの角度に基づく所望のタイミングで前記高圧燃料ポンプの入口側の開閉弁を閉じた後の吐出行程において前記プランジャーにより所望の吐出量の高圧燃料が吐出され、
各前記高圧燃料ポンプ毎に異なるカムが設けられ、前記カムは、
上死点の位相と下死点の位相とは略同じであって、
吐出行程に対応するカムの形状が異なる、内燃機関の燃料供給装置。
【請求項2】
前記カムは、前記開閉弁が閉じる前の吸入行程に対応するカムの形状は同じである、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項3】
前記内燃機関は、
V型の内燃機関であって、
各バンクに前記燃料ポンプが配置された内燃機関である、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項4】
燃料タンクから燃料噴射手段に高圧燃料を供給する2台の高圧燃料ポンプを含む内燃機関の燃料供給装置であって、前記高圧燃料ポンプのプランジャーは内燃機関により駆動されるカムにより動作され、前記カムの角度に基づく所望のタイミングで前記高圧燃料ポンプの入口側の開閉弁を閉じた後の吐出行程において前記プランジャーにより所望の吐出量の高圧燃料が吐出され、
前記内燃機関は、V型の内燃機関であって、各バンクに複数の気筒を有し、各気筒毎に燃料噴射手段が設けられ、2台の高圧燃料ポンプからの吐出配管は接続され、
前記接続された吐出配管から分岐された、各前記バンク毎に高圧燃料を供給する2本の供給配管と、
分岐された後の供給配管にそれぞれ設けられた調圧弁と、
接続された吐出配管に設けられた、高圧燃料の圧力を検知するための検知手段とを含む、内燃機関の燃料供給装置。
【請求項5】
前記調圧弁は、予め設定された圧力になると開弁する、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項6】
前記燃料噴射手段は、筒内に高圧燃料を噴射するための燃料噴射手段である、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項7】
前記燃料噴射手段は、筒内に高圧燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段であって、
前記内燃機関は、フィードポンプと、吸気通路内にフィード圧の燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒内に向けて高圧で燃料を噴射する燃料噴射手段(筒内噴射用インジェクタ)を備えた内燃機関またはこの燃料噴射手段に加えて吸気通路または吸気ポート内に向けて燃料を噴射する燃料噴射手段(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えた内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、筒内噴射用インジェクタに燃料を供給する高圧燃料系統における燃料の圧力(以下、燃圧と記載する場合がある)の脈動を防止する、内燃機関の燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用エンジンにおいては、燃料タンクから燃料ポンプおよび燃料配管を介してエンジン(内燃機関)に燃料を供給し、インジェクタを介してエンジンに燃料を噴射している。
【0003】
ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタを備える直噴エンジンや、ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタおよび吸気通路内に燃料を噴射するための吸気通路噴射用インジェクタを備えエンジンの回転数や内燃機関の負荷に応じて、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで燃料を噴き分けるエンジンが公知である。筒内噴射用インジェクタを含む高圧燃料系統においては、高圧燃料ポンプで燃圧が高められた燃料がデリバリーパイプを介して筒内噴射用インジェクタに供給され、筒内噴射用インジェクタは、内燃機関の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
【0004】
このような高圧燃料を発生させるために、内燃機関のクランクシャフトに連結されたドライブシャフト(インテークカムシャフトまたはエキゾーストカムシャフト等のドライブシャフト)に設けられたカムによりポンププランジャーを駆動する高圧燃料ポンプが用いられる。高圧燃料ポンプは、カムの回転によりシリンダ内で往復移動するポンププランジャーと、シリンダとポンププランジャーとにより構成される加圧室とを備えている。この加圧室には、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと連通するポンプ供給パイプ、ポンププランジャーからのリーク燃料を燃料タンクに戻すリターンパイプおよび加圧室内の燃料を筒内噴射用インジェクタに向けて圧送する高圧デリバリパイプがそれぞれ接続されている。また、高圧燃料ポンプには、ポンプ供給パイプおよび高圧デリバリパイプと加圧室との間を開閉する電磁スピル弁が設けられている。
【0005】
電磁スピル弁が開いた状態にあって、加圧室の容積が大きくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが吸入行程にあるとき、ポンプ供給パイプから加圧室内に燃料が吸入される。また、加圧室の容積が小さくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが吐出行程にあるときに電磁スピル弁を閉じると、ポンプ供給パイプと加圧室との間が遮断され、加圧室内の燃料が高圧デリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタに圧送される。
【0006】
このような高圧燃料ポンプにおいては、吐出行程中における電磁スピル弁の閉弁期間中のみ筒内噴射用インジェクタに向けて燃料が圧送されるため、電磁スピル弁の閉弁開始時期を制御することで(電磁スピル弁の閉弁期間を調整することで)燃料圧送量が調整されるようになる。すなわち、電磁スピル弁の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすることで燃料圧送量が多くなり、電磁スピル弁の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすることで燃料圧送量が少なくなる。燃料圧送量が多くなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が上昇して、燃料圧送量が少なくなると高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力が低下する。
【0007】
このように、フィードポンプから送り出された燃料を高圧燃料ポンプで加圧し、この加圧後の燃料を適切な燃料圧力で筒内噴射用インジェクタに向けて圧送することで、燃焼室に直接燃料を噴射供給する内燃機関にあっても、その燃料噴射を的確に行なうことができる。
【0008】
このような高圧燃料ポンプは、1個のプランジャーが吸入行程と吐出行程とを繰り返す運動をするために高圧燃料ポンプの吐出圧は脈動しているから、高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力(燃圧)は高圧燃料ポンプの吐出脈動に応じて変動する。したがって、筒内噴射用インジェクタからシリンダ内へ噴射される燃料の噴射量は、高圧デリバリパイプ内の燃圧が高い時に多くなり、燃圧が低い時に少なくなる。このようにシリンダ内へ噴射される燃料の噴射量が燃圧の変動に応じて変化すると、エンジントルクも変動し、エミッションの悪化等も発生するという問題が生じる。
【0009】
特に、V型8気筒のような多気筒内燃機関において、左右のバンクに対応して1本ずつ設けられた2本の高圧デリバリパイプにそれぞれ高圧燃料ポンプを設けて、それら2つの高圧燃料ポンプによって燃料を各高圧デリバリパイプへ供給するようにした燃料噴射装置においては、たとえば2つの高圧燃料ポンプの吐出タイミングをずらして、それら2つの高圧燃料ポンプが発生する吐出脈動が相互に打ち消し合うように構成することによって、燃圧の変動を低減させることができる。
【0010】
たとえば、特開2002−213326号公報(特許文献1)の図1は、このような内燃機関の燃料供給装置を開示する。この公報に開示された燃料供給装置においては、2つの高圧燃料ポンプのプランジャーを駆動するカムの位相を90゜ずらしている。このため、片方の高圧燃料ポンプが吐出行程であるときに、もう一方の高圧燃料ポンプが吸入行程であるので、燃料の脈動の大きさ(最高圧と最低圧との差の絶対値)を小さくすることができる。
【特許文献1】特開2002−213326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような高圧燃料系の手前の低圧配管に設けられるパルセーションダンパーのダイヤフラムの信頼性を確保するためには、2つの高圧燃料ポンプのプランジャーを駆動するカムの位相を同位相や同位相に近い位相にすることが求められる場合がある。これは、カムの逆位相の場合には、同位相であるときに比べて、パルセーションダンパーのダイヤフラムのアイドル時の振幅が大きくなるためである。
【0012】
このような場合に、カムの位相を同位相や同位相に近い位相にすると、片方の高圧燃料ポンプの吐出に対応するインジェクタからの燃料噴射回数が増加してしまいその脈動の大きさは、逆位相にした場合の脈動の大きさの2倍になる。脈動の大きさが増大すると、燃料の噴射量が変動して、エンジントルクも変動したり、エミッションが悪化したりするという問題が発生し得る。
【0013】
このように、脈動の大きさを低減することと、高圧燃料ポンプを駆動するカムの位相を同位相(または同位相に近い位相)にすることとは相反する事象となる。
【0014】
なお、脈動の大きさを低減させるために、高圧燃料系統の容積を大きくすることも考えられるが、燃料圧力が低いときからの昇圧に時間がかかる。また、高圧燃料系統を左右のバンクで完全に区別して構成すると、燃圧センサ等が2系統分必要になりコストの増加を招くことは言うまでもない。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数(たとえば2台)の高圧燃料ポンプを用いた内燃機関において、燃料の圧力の脈動を抑制しつつ、同位相またはほぼ同位相で高圧燃料ポンプを作動させることができる、内燃機関の燃料供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、燃料タンクから燃料噴射手段に高圧燃料を供給する複数の高圧燃料ポンプを含む内燃機関の燃料供給装置である。高圧燃料ポンプのプランジャーは内燃機関により駆動されるカムにより動作され、カムの角度に基づく所望のタイミングで高圧燃料ポンプの入口側の開閉弁を閉じた後の吐出行程においてプランジャーにより所望の吐出量の高圧燃料が吐出される。各高圧燃料ポンプ毎に異なるカムが設けられる。これらのカムは、上死点の位相と下死点の位相とは略同じであって、吐出行程に対応するカムの形状が異なるものである。
【0017】
第1の発明によると、高圧燃料ポンプのプランジャーを動作させるカムの形状(カムプロフィール)は、吐出行程に対応する部分が、高圧燃料ポンプ毎に異なる。たとえば、V型内燃機関のバンクごとに2台の高圧燃料ポンプが設けられている場合において、2台の高圧燃料ポンプのカムの吐出行程に対応するプロフィールが、異なる。このため、2台の高圧燃料ポンプが同じであっても、吐出特性(吐出量の時間変化)を異なるようにすることができる。このため、同じカムを単に同位相で動作させた場合に発生する脈動の大きさを、吐出特性が異なることにより、より小さくすることができる。その結果、2台の高圧燃料ポンプを用いた内燃機関において、燃料の圧力の脈動を抑制しつつ、同位相またはほぼ同位相で高圧燃料ポンプを作動させることができる、内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。
【0018】
第2の発明に係る内燃機関の燃料供給装置においては、第1の発明の構成に加えて、これらのカムは、開閉弁が閉じる前の吸入行程に対応するカムの形状は同じである。
【0019】
第2の発明によると、2台の高圧燃料ポンプを、吸入行程においては同じように動作させて、吐出行程においては異なるように動作させることができる。
【0020】
第3の発明に係る内燃機関の燃料供給装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、内燃機関は、V型の内燃機関であって、各バンクに燃料ポンプが配置された内燃機関である。
【0021】
第3の発明によると、V型内燃機関の各バンクに設けられた2台の高圧燃料ポンプを、吸入行程においては同じように動作させて、吐出行程においては異なるように動作させることができる。
【0022】
第4の発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、燃料タンクから燃料噴射手段に高圧燃料を供給する2台の高圧燃料ポンプを含む内燃機関の燃料供給装置である。高圧燃料ポンプのプランジャーは内燃機関により駆動されるカムにより動作され、カムの角度に基づく所望のタイミングで高圧燃料ポンプの入口側の開閉弁を閉じた後の吐出行程においてプランジャーにより所望の吐出量の高圧燃料が吐出される。内燃機関は、V型の内燃機関であって、各バンクに複数の気筒を有し、各気筒毎に燃料噴射手段が設けられる。2台の高圧燃料ポンプからの吐出配管は接続される。この内燃機関の燃料供給装置は、接続された吐出配管から分岐された、各バンク毎に高圧燃料を供給する2本の供給配管と、分岐された後の供給配管にそれぞれ設けられた調圧弁と、接続された吐出配管に設けられた、高圧燃料の圧力を検知するための検知手段とを含む。
【0023】
第4の発明によると、2台の高圧燃料ポンプからの吐出配管は一旦接続された後に、分岐される。分岐後において各供給配管には調圧弁(予め設定された圧力になると開弁するチェックバルブ)が設けられる。このため、2つの調圧弁がそれぞれの供給配管に設けられているので、2台の高圧燃料ポンプが同位相や逆位相で動作するようになっても、各供給配管内の燃圧に応じて、配分されることになる。このため、脈動を低減させることができる。さらに、検知手段は、各供給配管に設けられるのではなく、接続された吐出配管に設けられるので、1台で済む。その結果、2台の高圧燃料ポンプを用いた内燃機関において、燃料の圧力の脈動を抑制しつつ、同位相またはほぼ同位相で高圧燃料ポンプを作動させることができる、内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。
【0024】
第5の発明に係る内燃機関の燃料供給装置においては、第4の発明の構成に加えて、調圧弁は、予め設定された圧力になると開弁するものである。
【0025】
第5の発明によると、極低圧で開弁するように設定しておいて、少しでも脈動が発生すると、チェックバルブが開弁するので、脈動を小さくすることができる。
【0026】
第6の発明に係る内燃機関の燃料供給装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、燃料噴射手段は、筒内に高圧燃料を噴射するための燃料噴射手段である。
【0027】
第6の発明によると、筒内に高圧燃料を直接噴射するガソリンエンジンにおいて、高圧燃料ポンプを、同位相でかつ脈動を抑制して、動作させることができる。
【0028】
第7の発明に係る内燃機関の燃料供給装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、燃料噴射手段は、筒内に高圧燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段であって、内燃機関は、フィードポンプと、吸気通路内にフィード圧の燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とをさらに含む。
【0029】
第7の発明によると、筒内に高圧燃料を直接噴射するとともに、吸気通路内に燃料を噴射するガソリンエンジンにおいて、高圧燃料ポンプを、同位相でかつ脈動を抑制して、動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
<第1の実施の形態>
図1に、本発明の実施の形態に係るエンジンの燃料供給システム10を示す。このエンジンは、V型8気筒のガソリンエンジンであって、各気筒の筒内に燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタ110と、各気筒の吸気通路に燃料を噴射する吸気通路噴射用インジェクタ120とを有する。なお、本発明はこのようなエンジンに限定されて適用されるものではなく、他の形式のガソリンエンジンであって少なくとも筒内噴射用インジェクタ110を有するガソリンエンジン(後述する図2に示すエンジン)や、コモンレール式ディーゼルエンジンであってもよい。さらに、高圧燃料ポンプは2台に限定されない。さらに、エンジンの形式はV型8気筒に限定されず、V型6気筒、直列4気筒、直列6気筒などの形式であってもよい。さらに、高圧燃料ポンプを駆動するカムの形状は、以下に示す2山の形状に限定されない(気筒数により変化する)。
【0032】
図1に示すように、この燃料供給システム10は、燃料タンクに設けられ、低圧(プレッシャーレギュレータ圧力である400kPa程度)の吐出圧で燃料を供給するフィードポンプ100と、第1のカム210により駆動される第1の高圧燃料ポンプ200と、第1のカム210とは吐出の位相が異なる第2のカム310により駆動される第2の高圧燃料ポンプ300と、筒内噴射用インジェクタ110に高圧燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた高圧デリバリパイプ112と、高圧デリバリパイプ112に設けられた左右のバンク各4個ずつの筒内噴射用インジェクタ110と、吸気通路噴射用インジェクタ120に燃料を供給するための左右のバンク毎に設けられた低圧デリバリパイプ122と、低圧デリバリパイプ122に設けられた左右のバンク各4個ずつの吸気通路噴射用インジェクタ120とを含む。たとえば、左バンクに第1の高圧燃料ポンプ200が、右バンクに第2の高圧燃料ポンプ300が、設けられていると想定する。
【0033】
燃料タンクのフィードポンプ100の吐出口は、低圧供給パイプ400に接続され、低圧供給パイプ400は、第1の低圧デリバリ連通パイプ410とポンプ供給パイプ420とに分岐する。第1の低圧デリバリ連通パイプ410は、V型バンクの片方のバンクの低圧デリバリパイプ122との分岐点より下流側で、第2の低圧デリバリ連通パイプ430となり、もう片方のバンクの低圧デリバリパイプ122に接続されている。
【0034】
ポンプ供給パイプ420は、第1の高圧燃料ポンプ200および第2の高圧燃料ポンプ300の入り口にそれぞれ接続される。第1の高圧燃料ポンプ200の入り口の手前には、第1のパルセーションダンパー220が、第2の高圧燃料ポンプ300の入り口の手前には、第2のパルセーションダンパー320が、それぞれ設けられ、燃料脈動の低減を図っている。
【0035】
第1の高圧燃料ポンプ200の吐出口は、第1の高圧デリバリ連通パイプ500に接続され、第1の高圧デリバリ連通パイプ500は、V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。第2の高圧燃料ポンプ300の吐出口は、第2の高圧デリバリ連通パイプ510に接続され、第2の高圧デリバリ連通パイプ510は、V型バンクのもう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112に接続される。V型バンクの片方のバンクの高圧デリバリパイプ112ともう片方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により接続される。
【0036】
高圧デリバリパイプ112に設けられた電磁リリーフバルブ114は、高圧デリバリリターンパイプ610を介して高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプ200および高圧燃料ポンプ300のリターン口は、高圧燃料ポンプリターンパイプ600に接続される。高圧燃料ポンプリターンパイプ600は、リターンパイプ620およびリターンパイプ630に接続され、燃料タンクに接続される。
【0037】
図2に、本発明の実施の形態に係る他のエンジンの燃料供給システム12を示す。図2に示す燃料供給システム12は、図1に示すエンジンの燃料供給システム10の筒内噴射用インジェクタ110を有し、吸気通路噴射用インジェクタ120を有さない。図2に示すエンジンの燃料供給システム12においては、図1に示すエンジンの燃料供給システム10と同じ機能を有する構成部品については同じ符号および名称としている。そのため、これらについての詳細な説明は、ここでは繰り返さない。なお、図2に示すエンジンにおいても図1に示すエンジンと同様、エンジンの形式はV型8気筒に限定されず、V型6気筒、直列4気筒、直列6気筒などの形式であってもよい。さらに、高圧燃料ポンプを駆動するカムの形状は、以下に示す2山の形状に限定されない(気筒数により変化する)。
【0038】
図3に、図1および図2の第1の高圧燃料ポンプ200付近の拡大図を示す。第2の高圧燃料ポンプ300も同様の構成を有する。特徴的であるのは、カムの位相が同位相(またはほぼ同位相)であるが、吐出行程に対応するカムプロフィールを異ならしめて、燃料の吐出タイミングをずらして脈動の発生を抑制している点である。また、第1の高圧燃料ポンプ200と第2の高圧燃料ポンプ300の特性は、同じであると想定する。また、この図3を用いた説明では、高圧燃料ポンプ200について説明し、高圧燃料ポンプ300の構成部品については括弧書きで示す。
【0039】
高圧燃料ポンプ200(高圧燃料ポンプ300)は、第1のカム210(第2のカム310)で駆動され上下に摺動するポンププランジャー206(ポンププランジャー306)と、電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)とチェックバルブ204(チェックバルブ304)とを主な構成部品としている。
【0040】
第1のカム210(第2のカム310)によりポンププランジャー206(ポンププランジャー306)が下方向に移動しているときであって電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)が開いているときに燃料が導入され(吸い込まれ)、第1のカム210(第2のカム310)によりポンププランジャー206(ポンププランジャー306)が上方向に移動しているときに電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)を閉じるタイミングを変更して、高圧燃料ポンプ200(高圧燃料ポンプ300)から吐出される燃料量を制御する。ポンププランジャー206(ポンププランジャー306)が上方向に移動している吐出行程中における電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)を閉じる時期が早いほど多くの燃料が吐出され、遅いほど少ない燃料が吐出される。この最も多く吐出される場合の電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)の駆動デューティを100%とし、この最も少なく吐出される場合の電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)の駆動デューティを0%としている。電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)の駆動デューティが0%の場合には、電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)は閉じることなく開いたままの状態になり、第1のカム210(第2のカム310)が回転している限り(エンジンが回転している限り)ポンププランジャー206(ポンププランジャー306)は上下方向に摺動するが、電磁スピル弁202(電磁スピル弁302)が閉じないので、燃料は加圧されない。
【0041】
加圧された燃料は、チェックバルブ204(チェックバルブ304)(設定圧60kPa程度)を押し開けて第1の高圧デリバリ連通パイプ500(第2の高圧デリバリ連通パイプ510)を介して高圧デリバリパイプ112へ圧送される。このとき、左右のバンクの高圧デリバリパイプ112にそれぞれ設けられた燃圧センサにより検知された燃圧を用いて、各高圧燃料ポンプ200,300が、それぞれフィードバック制御される。また、前述の通り、V型の一方のバンクの高圧デリバリパイプ112と他方のバンクの高圧デリバリパイプ112とは、高圧連通パイプ520により連通している。
【0042】
なお、第1のカム210と第2のカム310とは、同位相(ほぼ同位相であることを含む)になるように、各バンクのカムシャフト(インテークカムシャフトまたはエキゾーストカムシャフト)に設けられている。本実施の形態に係る燃料供給システムの特徴は、このように、第1のカム210と第2のカム310とが同位相になるようにしつつ、燃料圧力の脈動が小さくなるように、第1のカム210および第2のカム310のカムプロフィールが設定されている。
【0043】
図4に第1のカム210の拡大図を、図5に第2のカム310の拡大図をそれぞれ示す。図4および図5に示すように、これら2つのカム210,310は、吸入行程に対応するカムプロフィールは同じであって、吐出行程に対応するカムプロフィールが互いに異なる。なお、図4および図5に、カムの回転方向、カムの回転角度に対応した行程名称(吸入行程および吐出行程のいずれかの行程)、TDC(Top Dead Center)およびBDC(Bottom Dead Center)を示す。図4および図5の吐出行程に点線で示したカムプロフィールが吸入行程におけるカムプロフィールであって、通常(たとえば従来のカム)のカムプロフィールである。
【0044】
図4に示す第1のカム210のカムプロフィールは、図5に示す第2のカム310のカムプロフィールとの比較にすると、以下のようであることがわかる。
【0045】
第1のカム210のカムプロフィールは、BDCからTDCまでの吐出行程において、第2のカム310よりも早くポンププランジャー206が最大リフト量近傍に到達するように設定されている。また、第1のカム210のカムプロフィールは、吐出行程における早い位相において(BDC側において)第2のカム310によるポンププランジャー306のリフト量よりも、ポンププランジャー206のリフト量が大きくなるように、設定されている。これとは反対のことが、第2のカム310のカムプロフィールに当てはまる。第1のカム210および第2のカム310は、このような特徴で表わされるカムプロフィールを有する。
【0046】
なお、図4および図5のカムプロフィールは一例であって、上記したような特徴を発現しさえすればよく、本発明は、図4および図5のカムプロフィール自体の形状に限定されるものではない。
【0047】
以上のような構造を有するエンジンの燃料供給システムの動作について説明する。
エンジンが始動されると、クランクシャフトが回転され、クランクシャフトにタイミングベルト等で連結された、カムシャフト(左右バンクにインテークカムシャフトとエキゾーストカムシャフトと2本ずつ)が回転される。たとえば、左バンク(第1の高圧燃料ポンプ200側とする)のインテークカムシャフトの#3気筒と#4気筒との間に設けられた第1のカム210と、右バンク(第2の高圧燃料ポンプ300側とする)のインテークカムシャフトの#7気筒と#8気筒との間に設けられた第2のカム310とが回転する。第1のカム210および第2のカム310のカムプロフィールが図4および図5に示すような形状を有するので、吐出行程において異なる吐出特性(吐出量)を発現する。
【0048】
図6に、第1のカム210により駆動される第1の高圧燃料ポンプ200における、カムの回転角度(吐出行程)とリフト量(吐出量)との関係を、図7に、第2のカム310により駆動される第2の高圧燃料ポンプ300における、カムの回転角度(吐出行程)とリフト量(吐出量)との関係を、それぞれ示す。図6および図7に示すように吐出特性を左バンクの第1の高圧燃料ポンプ200と右バンクの第2の高圧燃料ポンプ300とで異ならせることができる。このため、図8に示すように、従来のように同じカムで単に同位相にした場合(図8の点線)に比べて、本発明においては脈動の大きさを小さくすることができる(図8の実線)。これは、ある吐出量が必要な場合において、左右のバンクの高圧燃料ポンプによる燃圧の昇圧タイミングが変化して、インジェクタからの燃料噴射と重なることにより脈動を減少させているのである。
【0049】
以上のようにして、本実施の形態に係るエンジンの燃料供給装置によると、左右のバンクにそれぞれ設けられた高圧燃料ポンプを駆動するカムの吐出行程におけるプロフィールを異ならしめた。このため、左右の高圧燃料ポンプの吐出性能が異なり、たとえ同位相で動作させたとしても、同じ吐出特性を有さないので、燃圧の脈動を小さくすることができる。その結果、同位相で左右の高圧燃料ポンプを動作させるので、逆位相で左右の高圧燃料ポンプを動作させる場合の問題を解決しつつ、燃圧の脈動を小さくすることができ、脈動に起因する燃料噴射量の変動等の問題を回避できる。
【0050】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係るエンジンの燃料供給システムについて説明する。本実施の形態に係るエンジンの燃料供給システム13は、基本的な構成を前述の第1の実施の形態に係るエンジンの燃料供給システム12(図2)と同じであって、その一部の構成が異なる。以下、その相違点について説明し、同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0051】
図9に、本発明の実施の形態に係るエンジンの燃料供給システム13を示す。この燃料供給システム13は、図2の燃料供給システム12に対応する。なお、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、筒内噴射用インジェクタ110に加えて吸気通路噴射用インジェクタ120を有するエンジンに適用されてもよい。
【0052】
図2に示す燃料供給システム12と、図9に示す燃料供給システム13とでは、以下の点が異なる。
1)燃料供給システム12に高圧連通パイプ520が設けられているが、燃料供給システム13には設けられていない点(すなわち、高圧デリバリパイプ112を左右のバンクで分離させた)、
2)高圧デリバリパイプ112への接続の手前で第1の高圧デリバリ連通パイプ500と第2の高圧デリバリ連通パイプ510とを連結した点、
3)第1の高圧デリバリ連通パイプ500と第2の高圧デリバリ連通パイプ510との連結後において、チェックバルブ501Bを介して接続された第1の高圧デリバリ連通パイプ501を経由して左バンクの高圧デリバリパイプ112に接続した点、
4)第1の高圧デリバリ連通パイプ500と第2の高圧デリバリ連通パイプ510との連結後において、チェックバルブ511Bを介して接続された第2の高圧デリバリ連通パイプ511を経由して右バンクの高圧デリバリパイプ112に接続した点、
5)連結後において燃圧センサ521を設けた点、である。
【0053】
チェックバルブ501Bおよびチェックバルブ511Bの開弁圧は極低圧である。このチェックバルブ501Bおよびチェックバルブ511Bにより、高圧燃料ポンプ200と高圧燃料ポンプ300とが同位相で動作するようになっても、各高圧デリバリパイプ112内の燃圧に応じて、配分されることになる。このため、脈動を低減させることができる。
【0054】
また、燃圧センサ521は、第1の高圧デリバリ連通パイプ500と第2の高圧デリバリ連通パイプ510との連結後において設けたため、第1の高圧デリバリ連通パイプ500および第2の高圧デリバリ連通パイプ510で各1個設ける場合よりも、燃圧センサの数が少なくて済む。
【0055】
また、図9には、リリーフバルブ114を左右バンクのそれぞれの高圧デリバリパイプ112に設けるようにしたが、本発明はいずれか一方のバンクの高圧デリバリパイプ112に設けるようにしてもよい。そのようにすると、リリーフバルブの数も少なくて済む。
【0056】
このように構成すると、2台の高圧燃料ポンプが同位相および逆位相のいずれであっても、高圧燃料ポンプが1台であっても、脈動を抑制することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る、ガソリンエンジンの燃料供給システムの全体概要図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る、ガソリンエンジンの燃料供給システムの全体概要図(その2)である。
【図3】図1および図2の部分拡大図である。
【図4】図3の第1のカムの拡大図である。
【図5】図3の第2のカムの拡大図である。
【図6】第1のカムの回転角度とリフト量との関係を示す図である。
【図7】第2のカムの回転角度とリフト量との関係を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係る、ガソリンエンジンの燃料供給システムにおける高圧燃料の圧力の変化を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る、ガソリンエンジンの燃料供給システムの全体概要図である。
【符号の説明】
【0059】
10,12,13 燃料供給システム、100 フィードポンプ、110 筒内噴射用インジェクタ、112 高圧デリバリパイプ、114 電磁リリーフバルブ、120 吸気通路噴射用インジェクタ、122 低圧デリバリパイプ、200 第1の高圧燃料ポンプ、202 電磁スピル弁、204 チェックバルブ、206 ポンププランジャー、210 第1のカム、220 第1のパルセーションダンパー、300 第2の高圧燃料ポンプ、310 第2のカム、320 第2のパルセーションダンパー、400 低圧供給パイプ、410 第1の低圧デリバリ連通パイプ、420 ポンプ供給パイプ、430 第2の低圧デリバリ連通パイプ、500 第1の高圧デリバリ連通パイプ、510 第2の高圧デリバリ連通パイプ、520 高圧連通パイプ、600 高圧燃料ポンプリターンパイプ、610 高圧デリバリリターンパイプ、620,630 リターンパイプ。




 

 


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