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内燃機関 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 内燃機関
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−71128(P2007−71128A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−259837(P2005−259837)
出願日 平成17年9月7日(2005.9.7)
代理人 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
発明者 中田 勇
要約 課題
排気浄化装置の熱劣化を抑制することができる内燃機関を提供すること。

解決手段
内燃機関1−1は、排気経路4の排気浄化装置42よりも上流側の排気ガスにより回転するタービン52と、このタービン52の回転により回転するコンプレッサ53とからなり、吸気経路3の吸入空気を過給するターボチャージャ5とボルテックスチューブ6を備える。ボルテックスチューブ6には、タービン52の上流側の排気ガスが導入され、この排気ガスを加熱排気ガスと冷却排気ガスとに分離する。このうち加熱排気ガスを排気経路4の排気浄化装置42よりも下流側に導入し、冷却排気ガスを排気経路4の排気浄化装置42よりも上流側で、かつタービン52の下流側に導入する。
特許請求の範囲
【請求項1】
排気経路の排気浄化装置よりも上流側の排気ガスにより回転するタービンと、前記タービンの回転により回転するコンプレッサとからなり、吸気経路の吸入空気を過給するターボチャージャを備える内燃機関において、
前記タービンの上流側の排気ガスが導入され、当該排気ガスを加熱排気ガスと冷却排気ガスとに分離し、当該加熱排気ガスを前記排気経路の排気浄化装置よりも下流側に導入し、当該冷却排気ガスを当該排気経路の排気浄化装置よりも上流側で、かつ当該タービンの下流側に導入するボルテックスチューブを備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記タービンの前後の排気ガスの圧力差に応じて、当該タービンの上流側と前記ボルテックスチューブとを連通する連通手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記連通手段は、前記ターボチャージャによる吸入空気の過給圧が所定圧力以上で開弁するウエストゲートバルブであることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
ターボチャージャは、前記内燃機関の運転状態に応じて開度を調整する可変ノズルをさらに備え、
前記可変ノズルは、前記タービン前後の排気ガスの圧力差が所定圧力差以上となるまで、前記開度を絞ることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関し、さらに詳しくは、吸気経路の吸入空気を過給するターボチャージャを備えた内燃機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、内燃機関に備えられるターボチャージャは、タービン、コンプレッサ、このタービンとコンプレッサとを連結するシャフトをハウジング内に収納することで構成されている。この従来のターボチャージャは、内燃機関から排気経路に排気される排気ガスによりタービンが回転し、シャフトを介してこのタービンと連結されているコンプレッサが回転し、吸気経路から内燃機関に吸気される吸入空気を過給、すなわち圧縮して供給するものである。ここで、このようなターボチャージャを備える内燃機関の排気経路には、特許文献1に示すように、内燃機関からこの排気経路に排気された排気ガスに含まれる有害物質(NOx、CO,HC)を浄化する排気浄化装置が備えられている。この排気浄化装置には、三元触媒などの排気浄化触媒が担持されている。
【0003】
このようなターボチャージャでは、吸気経路の吸入空気の過給圧が過剰に上昇することを抑制するために、ウエストゲートバルブを備える。このウエストゲートバルブは、この過給圧が所定過給圧以上となると開弁するものである。このウエストゲートバルブは、その一方の端部がタービンの上流側と連通しており、他方の端部がこのタービンの下流側と排気浄化装置との間に連通する連通通路に配置されている。従って、過給圧が所定過給圧以上となると、ウエストゲートバルブが開弁し、タービンに導入される排気ガスの一部が、連通通路を通り、このタービンを迂回して、排気浄化装置に導入されることとなる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−44509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記過給圧が所定過給圧以上となる内燃機関の運転状態とは、高回転時および/または高負荷時である。このような、高回転時および/または高負荷時においては、内燃機関から排気経路に排気される排気ガスの温度が上昇し、高温となる。従って、排気浄化装置には、熱エネルギーがタービンを回転させることで消費され、内燃機関から排気経路に排気された直後の高温の状態からその温度が低下した排気ガスのみならず、ウエストゲートバルブが開弁することで、連通通路を通り、このタービンを迂回することで、内燃機関から排気経路に排気された直後の高温の状態のままの排気ガスも導入される。つまり、排気浄化装置には、内燃機関から排気経路に排気された直後の高温の排気ガスが導入されることとなる。従って、従来のターボチャージャを備える内燃機関では、連通通路からタービンを迂回せず直接導入される排気ガスにより、排気浄化装置が熱劣化する虞があった。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排気浄化装置の熱劣化を抑制することができる内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、排気経路の排気浄化装置よりも上流側の排気ガスにより回転するタービンと、前記タービンの回転により回転するコンプレッサとからなり、吸気経路の吸入空気を過給するターボチャージャを備える内燃機関において、前記タービンの上流側の排気ガスが導入され、当該排気ガスを加熱排気ガスと冷却排気ガスとに分離し、当該加熱排気ガスを前記排気経路の排気浄化装置よりも下流側に導入し、当該冷却排気ガスを当該排気経路の排気浄化装置よりも上流側で、かつ当該タービンの下流側に導入するボルテックスチューブを備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、ボルテックスチューブは、排気ガスが導入される側がタービンの上流側と連通し、排気ガス(加熱排気ガス、冷却排気ガス)が排出される側がタービンの下流側と連通している。従って、ボルテックスチューブは、タービンの上流側と下流側とにおける排気ガスの圧力差により、内燃機関から排気経路に排気された直後(タービン上流側)の排気ガスがこの排気ガスよりも温度の高い加熱排気ガスと、この排気ガスよりも温度が低い冷却排気ガスとに分離される。そして、冷却排気ガスが排気経路の排気浄化装置の上流側に導入され、加熱排気ガスが排気経路の排気浄化装置の下流側に導入される。これにより、内燃機関から排気経路に排気された直後の排気ガスよりも温度が高い排気ガスが排気浄化装置に導入されず、内燃機関から排気経路に排気された直後の排気ガスよりも温度が低い冷却排気ガスが排気浄化装置に導入されるため、この排気浄化装置が冷却することができる。
【0009】
また、この発明では、上記内燃機関において、前記タービンの前後の排気ガスの圧力差に応じて、当該タービンの上流側と前記ボルテックスチューブとを連通する連通手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ボルテックスチューブは、タービンの前後の排気ガスの圧力差の増加に伴い、冷却排気ガスの温度が低下する。連通手段は、タービンの前後の排気ガスの圧力差が冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置を冷却することができる温度以下となる圧力差となることで、タービンの上流側とボルテックスチューブとを連通させることができる。これにより、排気浄化装置の冷却を確実に行うことできる。
【0011】
また、この発明では、上記内燃機関において、前記連通手段は、前記ターボチャージャによる吸入空気の過給圧が所定圧力以上で開弁するウエストゲートバルブであることを特徴とする。
【0012】
この発明によればウエストゲートバルブは、吸入空気の過給圧が所定圧力以上となるまで開弁しない。ここで、タービンの前後の排気ガスの圧力差は、吸入空気の過給圧の上昇、すなわちタービンの回転の上昇とともに増加する。従って、ウエストゲートバルブは、タービンの前後の排気ガスの圧力差が増加するまで開弁しない。これにより、タービンの前後の排気ガスの圧力差が増加し、排気浄化装置の冷却を確実に行うことできる。
【0013】
また、この発明では、上記内燃機関において、ターボチャージャは、前記内燃機関の運転状態に応じて開度を調整する可変ノズルをさらに備え、前記可変ノズルは、前記タービン前後の排気ガスの圧力差が所定圧力差以上となるまで、前記開度が絞ることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、可変ノズルは、その開度を絞ることで、タービンの前後の排気ガスの圧力差を、冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置を冷却することができる温度以下となる圧力差まで増加することができる。これにより、タービンの前後の排気ガスの圧力差を可変ノズルの開度を絞ることで増加させることができるので、排気浄化装置の冷却を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明にかかる内燃機関は、ボルテックスチューブにより分離された内燃機関から排気経路に排気された直後の排気ガスよりも温度が低い冷却排気ガスを排気浄化装置に導入するので、排気浄化装置の熱劣化を抑制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例により、この発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。また、以下の実施例における内燃機関は、ターボチャージャを備える内燃機関であれば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、天然ガスエンジンなどのいずれであっても良い。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1にかかる内燃機関の概略構成例を示す図である。図2−1は、ボルテックスチューブの構成例を示す図である。図2−2は、図2−1のA−A断面図である。図1に示すように、実施例1にかかる内燃機関1−1は、内燃機関本体2と、吸気経路3と、排気経路4と、ターボチャージャ5と、ボルテックスチューブ6と、ウエストゲートバルブ7とを備えるものである。なお、8は、内燃機関1−1の運転制御を行うECU(Engine Control Unit)である。また、9は、内燃機関1−1に燃料を供給する図示しない燃料供給装置に備えられる燃料噴射弁である。
【0018】
内燃機関本体2は、図示しないシリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、点火プラグと、吸気バルブおよび排気バルブを有するバルブ装置などにより構成されており、複数の気筒からなるものである。この内燃機関本体2の図示しない各気筒には、吸気経路4から外部の空気が吸気される。また、例えば吸気経路4に配置された燃料噴射弁9から噴射された燃料が供給される。そして、この内燃機関本体2のこの図示しない各気筒内において、吸入空気と燃料の混合ガスが燃焼することにより、上記図示しないクランクシャフトを回転させるものである。
【0019】
吸気経路3は、外部から空気を吸気し、ターボチャージャ5の後述するコンプレッサ23を介して、この吸気された空気を内燃機関1−1の運転状態に応じて過給し、内燃機関本体2の図示しない各気筒に導入するものである。この吸気経路3は、エアクリーナ31およびエアフロメータ32と、インタークーラ33と、スロットルバルブ34と、インテークマニホールド35と、エアクリーナ31からインテークマニホールド35までを連通する吸気通路36とにより構成されている。エアクリーナ31により粉塵が除去された外部の空気は、吸気通路36、ターボチャージャ5の後述するコンプレッサ53およびインテークマニホールド35を介して、内燃機関本体2の図示しない各気筒に導入される。エアフロメータ32は、図示しない各気筒に導入される吸入空気の吸入空気量を検出し、ECU8に出力するものである。インタークーラ33は、内燃機関本体2の図示しない各気筒に導入される吸入空気を冷却するものである。スロットルバルブ34は、ステッピングモータなどのアクチュエータ34aにより駆動され、内燃機関本体2の図示しない各気筒に導入される吸入空気量を調整するものである。このスロットルバルブ34の開度の制御、すなわちスロットルバルブ開度制御は、後述するECU8により行われる。
【0020】
排気経路4は、内燃機関本体2の図示しない各気筒から排出された排気ガスをターボチャージャ5のタービン52を介して外部に排出するものである。この排気経路4は、エキゾーストマニホールド41と、排気浄化装置42と、図示しない消音装置と、エキゾーストマニホールド41から図示しない消音装置までを連通する排気ガス通路43とにより構成されている。内燃機関本体2から排出された排気ガスは、排気浄化装置42に担持された浄化触媒42aにより有害物質が浄化される。この有害物質が浄化された排気ガスは、図示しない消音装置を介して外部に排気される。ここで、排気浄化装置42の上流側の排気ガス通路43には、この排気ガス通路43に排気される排気ガスの空燃比を検出し、ECU8に出力するA/Fセンサ44が設けられている。なお、排気ガスの空燃比の検出は、このA/Fセンサ44に限られず、例えばこの排気ガス通路43に排気される排気ガスの酸素濃度を検出するO2センサであっても良い。
【0021】
ターボチャージャ5は、ハウジング51と、タービン52と、コンプレッサ53と、シャフト54とにより構成されている。ハウジング51は、センターハウジング51aと、タービンハウジング51bと、コンプレッサハウジング51cとにより構成されている。このセンターハウジング51aは、その両端部にタービンハウジング51bおよびコンプレッサハウジング51cがそれぞれ固定されている。
【0022】
タービン52は、タービンハウジング51b内に収納されており、シャフト54と連結、あるいはこのシャフト54と一体に成型されている。ここで、タービンハウジング51bは、排気経路5のエキゾーストマニホールド41と排気浄化装置42との間の排気ガス通路43に配置されている。つまり、このタービンハウジング51bは、タービン52の上流側の排気ガス通路53を介してエキゾーストマニホールド51と連通し、タービン52の下流側の排気ガス通路53を介して排気浄化装置42と連通している。このタービンハウジング51b内には、エキゾーストマニホールド41を介して内燃機関本体2から排気された排気ガスが導入される。このタービンハウジング51b内に導入された排気ガスは、同図矢印Bに示すように、タービン22の図示しないブレードを押してこのタービンハウジング51bと排気浄化装置42との間の排気ガス通路43に流出する。これにより、タービン52は、同図矢印Dに示す方向に回転する。
【0023】
コンプレッサ53は、コンプレッサハウジング51c内に収納されており、シャフト54と連結されている。従って、タービン52とコンプレッサ53とは、シャフト54により連結されている。ここで、コンプレッサハウジング51cは、エアフィルタ31とインタークーラ33との間の吸気通路36に配置されている。つまり、コンプレッサハウジング51cは、コンプレッサ53の上流側の吸気通路36を介して外部と連通し、このコンプレッサ53の下流側の吸気通路36を介してインテークマニホールド35と連通している。タービン52が排気ガスにより回転すると、シャフト54を介してコンプレッサ53が同一方向、すなわち同図矢印D方向に回転する。コンプレッサ53が回転することにより、外部の空気は、吸気経路3のコンプレッサ53の上流側の吸気通路36を介してコンプレッサ53に吸引される。そして、コンプレッサ53に吸引された空気は、同図矢印Cに示すように、このコンプレッサ53の図示しないブレードにより圧縮されて、コンプレッサ53の下流側の吸気通路36およびインテークマニホールド35を介して内燃機関本体2の図示しない各気筒に供給される。これにより、ターボチャージャ5による内燃機関1−1に吸気される吸入空気の過給が行われる。
【0024】
シャフト54は、センターハウジング51a内に図示しない軸受により回転自在に支持されている。
【0025】
ボルテックスチューブ6は、排気経路4に配置されており、排気ガス通路43から排気ガスが導入され、導入された排気ガスを冷却排気ガスと加熱排気ガスとに分離するものである。このボルテッスクチューブ6は、図2−1および図2−2に示すように、チューブ本体61と、排気ガス導入通路62と、冷却排気ガス通路63と、加熱排気ガス通路64とにより構成されている。
【0026】
チューブ本体61は、ケーシング61aの内部に排気ガス導入部61bと分離部61cとが形成されている。また、ケーシング61aの内部には、ボルテックスジェネレータ61dと、バルブ61eが配置されている。排気ガス導入部61aは、リング状の空間部であり、その外周面に上記排気ガス導入通路62と連通する排気ガス導入開口部61fが形成されている。分離部61bは、円柱状の空間部であり、その一方の端部に上記冷却排気ガス通路63と連通する冷却排気ガス側開口部61gが形成され、その他方の端部に上記加熱排気ガス通路64と連通する加熱排気ガス側開口部61hが形成されている。
【0027】
ボルテックスジェネレータ61dは、排気ガス導入部61bと分離部61cとの間に複数個配置されている。このボルテックスジェネレータ61dは、翼形状であり、各ボルテックスジェネレータ61dとの間に所定の隙間となるように、円周上に例えば等間隔で配置されている。ここで、排気ガス導入部61bに導入された排気ガスは、この各ボルテックスジェネレータ61dとの間の隙間から分離部61cに流入する。
【0028】
バルブ61eは、分離部61cの他方の端部である加熱排気ガス側開口部61hに配置されている。このバルブ61eは、分離部61c内の排気ガスを加熱排気ガスと冷却排気ガスとに分離するものである。そして、バルブ61eは、加熱排気ガスをこの加熱排気ガス側開口部61hから排出させ、冷却排気ガスを一方の端部である冷却排気ガス側開口部61gに押し戻すものでもある。
【0029】
排気ガス導入通路62は、その一方の端部がタービン52の上流側、すなわちエキゾーストマニホールド41とタービン52との間の排気ガス通路43と連通しており、他方の端部がチューブ本体61の排気ガス導入開口部61fと連通している。つまり、ボルテックスチューブ6は、タービン52の上流側の排気ガスが導入される。
【0030】
冷却排気ガス通路63は、その一方の端部がタービン52の下流側、ここではタービン52と排気浄化装置42との間の排気ガス通路43と連通しており、他方の端部がチューブ本体61の冷却排気ガス側開口部61gと連通している。つまり、ボルテックスチューブ6において、排気ガスが分離することで生成された冷却排気ガスは、排気浄化装置42の上流側に導入される。
【0031】
加熱排気ガス通路64は、その一方の端部がタービン52の下流側、ここでは排気浄化装置42よりも下流側の排気ガス通路43と連通しており、他方の端部がチューブ本体61の加熱排気ガス側開口部61hと連通している。つまり、ボルテックスチューブ6において、排気ガスが分離することで生成された加熱排気ガスは、排気浄化装置42の下流側に導入される。
【0032】
ウエストゲートバルブ7は、タービン52の上流側とボルテックスチューブ6とを連通する連通手段であり、開弁することにより、排気ガス導入通路62を介してエキゾーストマニホールド41とタービン52との間の排気ガス通路43とチューブ本体61との連通を行うものである。このウエストゲートバルブ7は、ターボチャージャ5により過給された吸入空気の過給圧が所定過給圧以上となると、この過給圧により開弁するように構成されている。例えば、図示は省略するが、コンプレッサ53の下流側の吸入空気の圧力(過給圧)が所定過給圧以上となると、ウエストゲートバルブ本体が矢印Eに示す方向に移動し、タービン52の上流側とボルテックスチューブ6とを連通するようにしても良い。ここで、所定過給圧とは、内燃機関1−1の運転状態が高回転時および/または高負荷時であって、内燃機関本体2の図示しない各気筒に導入される吸入空気の過給圧が過剰に上昇した際の圧力をいう。
【0033】
ECU8は、内燃機関1−1の運転制御を行うものであり、内燃機関本体2の図示しないクランクシャフトのクランク角度(機関回転数)、エアフロメータ32により検出された吸入空気量、A/Fセンサ44により検出された排気ガスの空燃比、図示しないアクセルペダルの踏み込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサから検出されたアクセル開度などの入力信号が入力され、これらに基づいてスロットルバルブ34のスロットルバルブ開度制御、燃料噴射弁9の噴射制御(燃料噴射量、噴射タイミング)を行う出力信号を出力するものである。
【0034】
このECU8には、図示は省略するが、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)と、処理部と、記憶部とにより構成されている。この処理部は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、内燃機関1−1の運転制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、この内燃機関1−1の運転制御方法を実現させるものであっても良い。また、記憶部は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な不揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0035】
次に、実施例1にかかる内燃機関1−1の動作、特にボルテックスチューブ6の動作について説明する。まず、このボルテックスチューブ6に排気ガスを導入するためには、ウエストゲートバルブ7を開弁することとなる。具体的には、ECU8による運転制御により、内燃機関1−1の機関回転数および/または負荷が上昇すると、内燃機関本体2から排気経路4に排気される排気ガスの温度が上昇し、この排気ガスの流量が増加する。つまり、内燃機関1−1の運転状態が高回転時および/または高負荷時となると、内燃機関本体2から高温の排気ガスが大量に排気経路4に排気される。従って、大量の高温の排気ガスにより、タービン52の回転が上昇し、これに伴いシャフト54を介して連結されているコンプレッサ53の回転も上昇する。このコンプレッサ53の回転の上昇に伴いコンプレッサ53の下流側の吸入空気の過給圧が上昇する。そして、ターボチャージャ5により過給された吸入空気の過給圧が所定過給圧以上となると、ウエストゲートバルブ7が開弁する。
【0036】
ここで、上述のように、ECU8による運転制御により、内燃機関1−1の機関回転数および/または負荷が上昇すると、タービン52の回転が上昇し、このタービン52の上流側の排気ガスの圧力P1が上昇し、タービン52の下流側の排気ガスの圧力P2との圧力差(P1−P2)が大きくなる。つまり、内燃機関1−1の運転状態が高回転時および/または高負荷時となると、この圧力差(P1−P2)が十分に増加することとなる。つまり、ウエストゲートバルブ7は、ターボチャージャ5による吸入空気の過給圧が所定圧力以上で開弁することで、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)に応じて、ここではこの圧力差(P1−P2)が十分に増加してから、タービン52の上流側とボルテックスチューブ6との連通を行うこととなる。
【0037】
ウエストゲートバルブ7が開弁すると、タービン52の上流側、すなわち内燃機関本体2から排気された直後の高温の排気ガス(以下、単に「高温排気ガス」と称する)がこのタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)により、排気ガス導入通路62を介してチューブ本体61に導入される。つまり、ウエストゲートバルブ7が開弁することで、ボルテックスチューブ6にタービン52の上流側の排気ガスが導入される。
【0038】
高温排気ガスは、図2−2に示すように、排気ガス導入通路62および排気ガス導入開口部61fを介して、排気ガス導入部61bに導入される。この排気ガス導入部61bに導入された高温排気ガスは、同図Eに示す方向に、各ボルテックスジェネレータ61dとの間の隙間から分離部61cに流出する。このとき、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)、すなわち排気ガス導入部61bと分離部61cとの圧力差(圧力比)は大きいため、各ボルテックスジェネレータ61dとの間の隙間から断熱膨張に近似した状態で分離部61cに流出する。従って、高温排気ガスは、分離部61cに流出することで、その圧力と温度が低下し、分離部内排気ガスとなる。
【0039】
この分離部61cには、分離部内排気ガスによる2つの旋回流が形成される。一方は、同図矢印Fに示す方向、すなわち径方向外側を回転し、排気ガス導入部61bから分離部61cの他方の端部である加熱排気ガス側開口部61hに向かう方向の外側旋回流である。他方は、この外側旋回流の一部がバルブ61eにより押し戻され、同図矢印Gに示す方向、すなわち径方向内側を回転し、分離部61cの他方の端部である加熱排気ガス側開口部61hから排気ガス導入部61bに向かう方向の内側旋回流である。つまり、外側旋回流と内側旋回流とは、同じ回転方向で、反対方向に向かって流れるものである。この外側旋回流と内側旋回流との間では、内側旋回流から外側旋回流に向かって熱が移動する。つまり、外側旋回流である分離部内排気ガスが加熱され加熱排気ガスとなり、内側旋回流である分離部内排気ガスが冷却された冷却排気ガスとなることで、ボルテックスチューブ6に導入された高温排気ガスは、冷却排気ガスと加熱排気ガスとに分離される。
【0040】
分離部61c内の冷却排気ガスは、冷却排気ガス側開口部61gから冷却排気ガス通路63に排出され、排気浄化装置42の上流側に導入される。この排気浄化装置42の上流側に導入される冷却排気ガスは、この高温排気ガスよりも十分に温度が低いものである。従って、内燃機関1−1の運転状態が高回転時および/または高負荷時となり、タービン52を通過した高温排気ガスが排気浄化装置42に導入されることで、この排気浄化装置42の温度が上昇しても、冷却排気ガスが導入されることでこの排気浄化装置42を冷却することができる。
【0041】
分離部61c内の加熱排気ガスは、加熱排気ガス側開口部61hから加熱排気ガス通路64に排出され、排気浄化装置42の下流側に導入される。この排気浄化装置42の下流側に導入される加熱排気ガスは、この高温排気ガスよりも十分に温度が高いものである。従って、内燃機関1−1の運転状態が高回転時および/または高負荷時となり、タービン52を通過した高温排気ガスが排気浄化装置42に導入されることで、この排気浄化装置42の温度が上昇した状態で、加熱排気ガスがこの排気浄化装置42を導入されることはない。
【0042】
以上のように、ボルテックスチューブ6により分離された高温排気ガスよりも温度の低い冷却排気ガスが排気浄化装置42に導入されるため、排気浄化装置42の冷却を行うことができ、この排気浄化装置42の熱劣化を抑制することができる。また、ボルテックスチューブ6により分離された高温排気ガスよりも温度の高い加熱排気ガスが排気浄化装置42に導入されないため、排気浄化装置42の温度の上昇を抑制することができ、この排気浄化装置42の熱劣化を抑制することができる。
【0043】
また、このボルテックスチューブ6では、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が増加すると、外側旋回流および内側旋回流の流速が増加する。外側旋回流および内側旋回流の流速が増加すると、内側旋回流から外側旋回流に向かって熱が多く移動することとなる。従って、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)の増加に応じて冷却排気ガスと加熱排気ガスとの温度差が大きくなる、すなわち、冷却排気ガスの温度が高温排気ガスの温度よりもさらに低くなり、加熱排気ガスの温度が高温排気ガスの温度よりもさらに高くなる。上記実施例1にかかる内燃機関1−1では、ウエストゲートバルブ7が開弁され、高温排気ガスがボルテックスチューブ6に導入される際には、このタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が十分に増加されている。つまり、ウエストゲートバルブ7は、このタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が十分に増加するまでは、開弁しない。従って、連通手段であるウエストゲートバルブ7は、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が冷却排気ガスの温度をこの冷却排気ガスにより排気浄化装置42を冷却することができる温度以下となる圧力差で、タービン52の上流側とボルテックスチューブ6とを連通させることができる。これにより、排気浄化装置42の冷却を確実に行うことできる。
【実施例2】
【0044】
次に、実施例2にかかる内燃機関1−2について説明する。図3は、実施例2にかかる内燃機関の概略構成例を示す図である。図3に示す実施例2にかかる内燃機関1−2が、図1に示す実施例1にかかる内燃機関1−1と異なる点は、ターボチャージャ5が内燃機関1−2の運転状態に応じて開度を制御する可変ノズル55をさらに備える点である。なお、この実施例2にかかる内燃機関1−2は、実施例1にかかる内燃機関1−1と基本的構成の大部分共通するため、同一部分(図3において、図1と同一符号部分)の説明は省略する。
【0045】
可変ノズル55は、ターボチャージャ5の動作領域、すなわちターボチャージャ5により吸入空気の過給を行うことができる内燃機関1−2の運転領域を広げるものであり、ノズル本体部55aと、ノズル駆動部55bとにより構成されている。ノズル本体部55aは、タービン52と、エキゾーストマニホールド41とタービン52との間の排気ガス通路43との間に配置されている。タービン52の図示しないブレードに当たる排気ガスの流量は、このノズル本体部55aの開度が変化することで調整されるものである。ノズル駆動部55bは、このノズル本体部55aの開度を変更するものである。例えば、可変ノズル55は、ノズル駆動部55bにより、ノズル本体部55aの開度を絞ると、タービン52の図示しないブレードに当たる排気ガスの流量が増加するため、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が増加することとなる。一方、可変ノズル55は、ノズル駆動部55bにより、ノズル本体部55aの開度を広げると、タービン52の図示しないブレードに当たる排気ガスの流量が減少するため、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が減少することとなる。なお、この可変ノズル55の開度の調整、すなわち可変ノズル開度制御は、後述するECU8により行われる。
【0046】
なお、タービン52の上流側、すなわちエキゾーストマニホールド41とタービン52との間の排気ガス通路43には、このタービン52の上流側の排気ガスの圧力P1を検出し、ECU8に出力する上流側圧力センサ45が設けられている。また、タービン52の下流側、ここではタービン52と排気浄化装置42との間の排気ガス通路43には、このタービン52の下流側の排気ガスの圧力P2を検出し、ECU8に出力する下流側圧力センサ46が設けられている。また、排気浄化装置42には、この排気浄化装置42に担持されている浄化触媒42aの温度Tを検出し、ECU8に出力する温度センサ47が設けられている。
【0047】
次に、実施例2にかかる内燃機関の動作、特にターボチャージャ5の動作について説明する。図4は、実施例2にかかるターボチャージャの制御フローを示す図である。
【0048】
まず、ECU8は、温度センサ47により検出された排気浄化装置42の浄化触媒42aの温度Tが耐久限度温度T1以下であるか否かを判断する(ステップST1)。ここで、耐久限度温度T1とは、内燃機関1−2の運転状態が高回転時および/または高負荷時となり、高温排気ガスがタービン52を介して排気浄化装置42に導入され、この排気浄化装置42を熱劣化させる温度をいうものである。なお、ECU8は、検出された温度Tが耐久限度温度T1以下であるかと判断すると、耐久限界温度T1を超えるまで、検出された温度Tと耐久限度温度T1との比較を繰り返す。
【0049】
次に、ECU8は、温度センサ47により検出された温度Tが耐久限度温度T1を超えると判断すると、上流側圧力センサ45および下流側圧力センサ46により検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が所定圧力差以上であるか否かを判断する(ステップST2)。ここで、所定圧力差とは、ボルテックスチューブ6から排気浄化装置42の上流側に導入される冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置42を冷却することができる温度以下となる圧力差をいうものである。つまり、EUC8は、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が冷却排気ガスにより排気浄化装置42を冷却することができる程度に十分に増加しているか否かを判断する。
【0050】
次に、ECU8は、検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が所定圧力差未満であると判断すると、可変ノズル55の開度を絞る(ステップST3)。つまり、ECU8は、可変ノズル駆動部55bに、可変ノズル本体55aの開度を絞る方向に変化させる信号を出力する。そして、この可変ノズル駆動部55bは、このECU8からの出力信号により、可変ノズル本体部55aの開度を絞る方向に変更する。これにより、可変ノズル55の開度は絞られる。ここで、ECU8は、検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が所定圧力差以上となるまで、可変ノズル55の開度を絞り続ける。つまり、可変ノズル55は、排気浄化装置42の浄化触媒42aの温度がこの排気浄化装置42を熱劣化させる温度T1である場合であって、かつタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置42を冷却することができる温度以下となる圧力差以上でない場合に絞られる。これにより、EUC8により可変ノズル55がその開度を絞ることで、タービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)を、冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置を冷却することができる温度以下となる圧力差まで増加することができる。
【0051】
そして、ECU8は、検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が所定圧力差以上であると判断すると、可変ノズル55の開度を絞ることを終了する。これにより、検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)は所定圧力差以上に常に維持されることとなる。従って、この状態において、ウエストゲートバルブ7が開弁し、ボルテックスチューブ6に高温排気ガスが導入されれば、検出されたタービン52の前後の排気ガスの圧力差(P1−P2)が冷却排気ガスの温度がこの冷却排気ガスにより排気浄化装置42を冷却することができる温度以下となる圧力差であるため、このボルテックスチューブ6から排気浄化装置42に導入された冷却排気ガスによりこの排気浄化装置42の冷却を確実に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、この発明にかかる内燃機関は、ターボチャージャと排気浄化装置とを備える内燃機関に有用であり、特に、排気浄化装置の熱劣化を抑制するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1にかかる内燃機関の概略構成例を示す図である。
【図2−1】ボルテックスチューブの構成例を示す図である。
【図2−2】図2−1のA−A断面図である。
【図3】実施例2にかかる内燃機関の概略構成例を示す図である。
【図4】この実施例2にかかるターボチャージャの制御フローを示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1−1,1−2 内燃機関
2 内燃機関本体
3 吸気経路
31 エアクリーナ
32 エアフロメータ
33 インタークーラ
34 スロットルバルブ
35 インテークマニホールド
36 吸気通路
4 排気経路
41 エキゾーストマニホールド
42 排気浄化装置
43 排気ガス通路
44 A/Fセンサ
45 上流側圧力センサ
46 下流側圧力センサ
47 温度センサ
5 ターボチャージャ
51 ハウジング
52 タービン
53 コンプレッサ
54 シャフト
55 可変ノズル
55a 可変ノズル本体部
55b 可変ノズル駆動部
6 ボルテックスチューブ
61 チューブ本体
61a ケーシング
61b 排気ガス導入部
61c 分離部
61d ボルテックスジェネレータ
61e バルブ
61f 排気ガス導入開口部
61g 冷却排気ガス側開口部
61h 加熱排気ガス側開口部
62 排気ガス導入通路
63 冷却排気ガス通路
64 加熱排気ガス通路
7 ウエストゲートバルブ
8 ECU
9 燃料噴射弁




 

 


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