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電動アシスト機能付きターボチャージャシステム - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 電動アシスト機能付きターボチャージャシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−71116(P2007−71116A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−259481(P2005−259481)
出願日 平成17年9月7日(2005.9.7)
代理人 【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
発明者 小林 雅志
要約 課題
この発明は電動アシスト機能付きターボチャージャシステムに関し、ターボチャージャによる過給要求の発生を道路情報を利用して予測することにより、車両の走行中におけるターボラグを可能な限り解消することを目的とする。

解決手段
ターボチャージャによる過給をアシストする電動機を設ける。車両の走行中に、道路情報を読み込む(ステップ100)。ターボ回転数が既に高回転でなく(ステップ102)、車両が加速可能な環境に置かれており(ステップ106)、かつ、現在の走行地点が、道路情報に基づいて既定の加速ポイントであると判断された場合は(ステップ108)、電動機によるターボチャージャのプレアシストを開始する(ステップ110,112)。
特許請求の範囲
【請求項1】
電動アシスト機能付きターボチャージャシステムであって、
ターボチャージャによる過給をアシストする電動機と、
道路情報を出力する道路情報出力手段と、
前記道路情報に基づいて、ターボチャージャによる過給要求の予兆を検知する過給予兆検知手段と、
前記過給要求の予兆が検知された時点で、前記電動機を所定回転数で回転させ始めるプレアシスト駆動手段と、
を備えることを特徴とするターボチャージャシステム。
【請求項2】
前記過給予兆検知手段は、車両の走行地点が、スロットル開度の拡大が予測される加速ポイントと一致した時点で前記予兆の発生を判定する予兆発生判定手段を含むことを特徴とする請求項1記載のターボチャージャシステム。
【請求項3】
加速可能な環境が整っているか否かを判断する加速環境判断手段を備え、
前記過給要求予測手段は、前記加速可能な環境が整っている場合に限って前記予兆の発生を認める予兆判定許可手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のターボチャージャシステム。
【請求項4】
前記道路情報は、車両前方に確保されている直線距離の長さを含み、
前記加速環境判断手段は、前記加速可能な環境が整っているか否かを、前記直線距離に基づいて判断する直線距離判断手段を含むことを特徴とする請求項3記載のターボチャージャシステム。
【請求項5】
前記道路情報は、車両前方のカーブの曲率を含み、
前記加速環境判断手段は、前記加速可能な環境が整っているか否かを前記曲率に基づいて判断する曲率判断手段を含むことを特徴とする請求項3又は4記載のターボチャージャシステム。
【請求項6】
前記道路情報は、車両前方に確保されている直線距離の長さを含み、
前記所定回転数を前記直線距離に基づいて設定する回転数設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のターボチャージャシステム。
【請求項7】
前記道路情報は、車両前方のカーブの曲率を含み、
前記所定回転数を前記曲率に基づいて設定する回転数設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のターボチャージャシステム。
【請求項8】
車両情報を出力する車両情報出力手段を備え、
前記過給予兆検知手段は、前記過給要求の予兆の発生を、前記道路情報及び前記車両情報に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のターボチャージャシステム。
【請求項9】
前記電動機の作動によって送風された空気を、内燃機関に吸入されないようにバイパスさせるバイパス通路と、
前記バイパス通路の導通状態を制御するバイパス弁と、
前記プレアシスト駆動手段によって前記電動機の作動が開始された後、スロットル開度に判定値を超える増加が認められるまで、前記バイパス弁を開状態とするプレアシストバイパス手段と、
前記プレアシスト駆動手段によって前記電動機の作動が開始された後、スロットル開度に判定値を超える増加が認められた時点で、前記バイパス弁を閉状態とするバイパス終了手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載のターボチャージャシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動アシスト機能付きターボチャージャシステムに係り、特に、車載用内燃機関との組み合わせに適した電動アシスト機能付きターボチャージャシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開平4−5432号公報に開示されるように、電動アシスト機能付きのターボチャージャシステムが知られている。ターボチャージャは、内燃機関の排気圧力を利用して過給を実現する装置であるため、排気圧力が小さい軽負荷領域では、十分な過給能力を発揮することができない。このため、ターボチャージャを搭載する内燃機関では、軽負荷領域でアクセルペダルが踏み込まれた際に、レスポンスの遅れ、つまり、所謂ターボラグが生じ易い。
【0003】
上記従来のシステムは、車両の発進時にターボチャージャの過給機能を十分に活用して良好な発進特性を実現しようとしたものである。この機能を実現するために、上記のシステムでは、車両の停止時に、電動機によってターボチャージャの回転をアシストすることとしている。この場合、車両の発進時には、ターボラグを伴わずに、過給圧が速やかに上昇する。その結果、迅速なトルクの立ち上がりを得ることができ、良好な発進特性が実現できる。
【0004】
更に、上記従来のシステムは、車両に搭載した勾配センサにより、車両の停止時に路面の勾配を検知することとしている。そして、このシステムは、路面の登り勾配がきついほど、電動機に供給する電力を大きくすることとしている。電動機は、供給電力が大きいほどターボチャージャを高速で回転させる。このため、このシステムによれば、登り勾配が厳しいほど、発進時に大きなトルクを発生させることができ、路面の勾配によらず常に良好な発進特性を実現することができる。
【0005】
【特許文献1】特開平4−5432号公報
【特許文献2】特開平4−43821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ターボラグの問題は、車両の発進時に限らず、軽負荷での走行中にも発生する。つまり、ターボチャージャを搭載する内燃機関においては、軽負荷運転からの加速時には、ターボラグの影響でトルクの立ち上がりに遅れが生ずるのが通常である。上記従来の装置は、車両の停止時にターボチャージャをアシストするものであり、車両の走行中には、そのようなアシストをすることはできない。このため、この装置によっては、車両の走行中に生ずるターボラグを解消することはできない。
【0007】
ところで、車両の走行環境を分析してみると、軽負荷運転からの加速は、特定の地点で求められやすいことが判る。例えば、平坦路が登坂路に変化した直後は、運転者が車速の低下に気が付いた時点で、軽負荷運転からの加速が求められることが少なくない。また、一般道から高速道への進入路では、本線への合流のために、軽負荷からの加速が要求されるのが通常である。
【0008】
これらの地点は、ナビゲーション装置において利用されているような既存の道路情報を利用することにより、車両上で認識することが可能である。そして、その認識が可能であれば、車両の走行中に、軽負荷運転から加速が要求される場面の発生を予測することが可能である。更に、その予測が可能であれば、現実に加速が要求される前にターボチャージャにアシストを加えており、ターボラグの問題を解消することも可能である。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ターボチャージャによる過給要求の発生を道路情報を利用して予測することにより、車両の走行中におけるターボラグを可能な限り解消することのできる電動アシスト機能付きターボチャージャシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、電動アシスト機能付きターボチャージャシステムであって、
ターボチャージャによる過給をアシストする電動機と、
道路情報を出力する道路情報出力手段と、
前記道路情報に基づいて、ターボチャージャによる過給要求の予兆を検知する過給予兆検知手段と、
前記過給要求の予兆が検知された時点で、前記電動機を所定回転数で回転させ始めるプレアシスト駆動手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記過給予兆検知手段は、車両の走行地点が、スロットル開度の拡大が予測される加速ポイントと一致した時点で前記予兆の発生を判定する予兆発生判定手段を含むことを特徴とする。
【0012】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
加速可能な環境が整っているか否かを判断する加速環境判断手段を備え、
前記過給要求予測手段は、前記加速可能な環境が整っている場合に限って前記予兆の発生を認める予兆判定許可手段を含むことを特徴とする。
【0013】
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記道路情報は、車両前方に確保されている直線距離の長さを含み、
前記加速環境判断手段は、前記加速可能な環境が整っているか否かを、前記直線距離に基づいて判断する直線距離判断手段を含むことを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明は、第3又は第4の発明において、
前記道路情報は、車両前方のカーブの曲率を含み、
前記加速環境判断手段は、前記加速可能な環境が整っているか否かを前記曲率に基づいて判断する曲率判断手段を含むことを特徴とする。
【0015】
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記道路情報は、車両前方に確保されている直線距離の長さを含み、
前記所定回転数を前記直線距離に基づいて設定する回転数設定手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記道路情報は、車両前方のカーブの曲率を含み、
前記所定回転数を前記曲率に基づいて設定する回転数設定手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
車両情報を出力する車両情報出力手段を備え、
前記過給予兆検知手段は、前記過給要求の予兆の発生を、前記道路情報及び前記車両情報に基づいて判定することを特徴とする。
【0018】
また、第9の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
前記電動機の作動によって送風された空気を、内燃機関に吸入されないようにバイパスさせるバイパス通路と、
前記バイパス通路の導通状態を制御するバイパス弁と、
前記プレアシスト駆動手段によって前記電動機の作動が開始された後、スロットル開度に判定値を超える増加が認められるまで、前記バイパス弁を開状態とするプレアシストバイパス手段と、
前記プレアシスト駆動手段によって前記電動機の作動が開始された後、スロットル開度に判定値を超える増加が認められた時点で、前記バイパス弁を閉状態とするバイパス終了手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、道路情報に基づいて、ターボチャージャによる過給要求の予兆を検知することができる。そして、その予兆が検知されたら、その時点で電動機を所定回転数で回転させ始めることができる。つまり、本発明によれば、現実にターボチャージャによる過給が要求される以前に、その要求が生ずると予想された時点で、電動機によるプレアシストを開始することができる。このため、本発明によれば、ターボチャージャによる過給がその後に要求された場合には、ターボラグを伴うことなく、即座にトルクを立ち上がらせることができる。
【0020】
第2の発明によれば、スロットル開度の拡大が予測される加速ポイントにおいて、電動機によるプレアシストを開始することができる。このため、本発明によれば、電動機によるプレアシストを、ターボチャージャによる過給が要求される可能性が極めて高い場面に限ってプレアシストを実行することができる。
【0021】
第3の発明によれば、加速環境が整っていない状況下では、プレアシストの実行を禁止することができる。このため、本発明によれば、プレアシストが無駄に行われる可能性を十分に低く抑えることができる。
【0022】
第4の発明によれば、車両が加速可能であるか否かを、車両前方に確保されている直線距離の長さに基づいて、精度良く判断することができる。
【0023】
第5の発明によれば、車両が加速可能であるか否かを、車両前方のカーブの曲率に基づいて、精度良く判断することができる。
【0024】
第6の発明によれば、車両前方に確保されている直線距離の長さに基づいて、プレアシスト時における電動機の回転数を定めることができる。実現可能な加速の程度は、車両前方の直接距離の長さに応じて決定される。本発明によれば、その距離が長い場合には、プレアシスト時における回転数を高くして急加速に備え、一方、その距離が短い場合は、急激なトルクの立ち上がりが生じないように、プレアシスト時の回転数を低くすることができる。このため、本発明によれば、運転者の要求に合った加速特性を内燃機関に与えることができる。
【0025】
第7の発明によれば、車両前方のカーブの曲率に基づいて、プレアシスト時における電動機の回転数を定めることができる。実現可能な加速の程度は、カーブの曲率に応じて変化する。本発明によれば、その曲率が緩やかである場合には、プレアシスト時における回転数を高くして急な加速を可能とし、一方、その曲率が急である場合は、プレアシスト時の回転数を低くしてトルクの急激な立ち上がりを防止することができる。このため、本発明によれば、運転者の要求に合った加速特性を内燃機関に与えることができる。
【0026】
第8の発明によれば、ターボチャージャによる過給要求の予兆が発生したか否かを、道路情報のみならず、車両情報にも基づいて判定することができる。このため、本発明によれば、その予兆の有無を、精度良く判定することができる。
【0027】
第9の発明によれば、電動機によるプレアシストが開始された後、現実にスロットル開度が増加するまでは、つまり、運転者が加速の意図を示すまでは、バイパス弁を開いて、プレアシストによる吸入空気量の増加を阻止しておくことができる。そして、現実にスロットル開度が増加したら、その時点でバイパス弁を閉じることにより、一気に過給圧を高めることができる。このため、本発明によれば、運転者による加速操作の前にプレアシストの影響でトルクが立ち上がるのを有効に防ぎつつ、ターボラグのない円滑な加速特性を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10には、吸気通路12と排気通路14が連通している。
【0029】
内燃機関10には、ターボチャージャ16が組み込まれている。ターボチャージャ16は、吸気通路12に配置されるコンプレッサ18と、排気通路14に配置されるタービン20とを備えている。タービン20は、排気圧力を受けることにより、コンプレッサ18を回転させることができる。また、コンプレッサ18は、タービン20により回動させられることにより、その上流側の空気を、その下流側に圧送することができる。
【0030】
タービン20の近傍には、ウェストゲートバルブ22が設けられている。ウェストゲートバルブ22は、タービン20の上流側の排気圧力が設定値に達したら、その流入側とその下流側とをバイパスさせる機構である。ウェストゲートバルブ22によれば、タービン20の上流側に過大な圧力が作用するのを防ぎ、ターボチャージャの過回転を防ぐことができる。
【0031】
ターボチャージャ16は、コンプレッサ18とタービン20の間に電動機24を備えている。電動機24は、外部からの電力供給を受けることにより、コンプレッサ18及びタービン20を回転させることができる。つまり、電動機24は、排気圧力が低く、タービン20が十分に回転しないような状況下で、ターボチャージャ16の回転をアシストすることができる。
【0032】
コンプレッサ18の上流側には、吸入空気量Gaを計測するためのエアフロメータ26が配置されている。エアフロメータ26の下流には、コンプレッサ18をバイパスするバイパス通路28の一端が連通している。また、バイパス通路28には、バイパス弁30が組み込まれている。上記の構成によれば、バイパス弁30を開くことにより、コンプレッサ18の上流側と下流側を導通状態とし、バイパス弁30を閉じることにより、それらを遮断状態とすることができる。
【0033】
コンプレッサ18の下流には、インタークーラ32が配置されている。また、インタークーラ32の下流には、スロットル弁34が配置されている。上記の構成によれば、コンプレッサ18により圧送された空気を、インタークーラ32で冷却した後、スロットル開度TAに応じた流量だけ、内燃機関10に供給することができる。
【0034】
図2は、ターボチャージャ16をアシストする電動機24の駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。図2に示すように、この駆動回路は、直流電源36を備えている。直流電源36には、インバータ回路38を介して電動機24が接続されている。インバータ回路38は、直流電源36から供給される電力を、電動機24が備える各相コイルに順次適当に供給することにより、電動機24を回転させることができる。
【0035】
図2に示す駆動回路は、また、電動機24の回転速度を検出する速度センサ40と、速度センサ40の出力に基づいて電動機24の回転角を算出する回転角算出回路42を備えている。速度センサ40の出力、並びに回転角算出回路42の出力は、何れも、電動機24の駆動信号にフィードバックを与えるために、制御器44に供給されている。
【0036】
制御器44は、その内部にマイクロコンピュータを備えており、ソフトウェアプログラムに従って動作する。制御器44には、車両に搭載されている種々のセンサにより検出される車両情報(車間距離、車両傾斜角等)や、ナビゲーション装置等により記憶、或いは取得される道路情報(道路の曲率、道路の傾斜角等)が供給されている。制御器44は、それらの情報に基づいて、電動機24を適当に駆動するための通電パターンをインバータ38に提供する。
【0037】
[実施の形態1の特徴]
図1に示すシステムにおいて、ターボチャージャ16は、十分に排気圧力が上昇している状況下では、排気のエネルギにより吸気側の空気を過給することができる。しかしながら、排気圧力が十分に上昇しない軽負荷運転時には、排気のエネルギによって十分な過給を実現することができない。このため、ターボチャージャ16が排気圧力のみを利用して過給を実現する場合は、軽負荷状態から加速が求められたような場合に、排気圧力が上昇するまでトルクが立ち上がらない現象、つまり、所謂ターボラグが発生する。
【0038】
図1に示すシステムでは、電動機24によってターボチャージャ16の回転をアシストすることができる。つまり、このシステムでは、排気圧力が十分に上昇しない環境下でも、電動機24を回転させることにより、コンプレッサ18を十分な速度で回転させることができる。そして、軽負荷での走行中に、このようなアシストを行えば、ターボラグを生じさせることなく、優れたレスポンスでトルクを立ち上げることができる。
【0039】
しかしながら、電動機24によるアシストは、軽負荷での運転時に常に実行するべきものではない。つまり、このようなアシストは、加速の要求が発生する直前から開始されれば十分であり、そのような要求が生じない状況下では、無駄に電力を消費しない観点からも、実行するべきではない。
【0040】
ところで、一般的な車両の走行環境の中には、交通の流れに乗った標準的な運転をしようとすれば、必然的に軽負荷状態からの加速が要求されることとなる地点(以下、「加速ポイント」と称す)が存在している。例えば、走行中の道路が平坦路から登坂路に変化する地点や、一般道から高速道への進入路は、そのような加速が求められる加速ポイントの一例である。
【0041】
一方で、車両上では、ナビゲーション装置に記憶されている地図情報や、車外から提供される交通情報などに基づいて、加速ポイントを認識することが可能である。更に、ナビゲーション装置の車両位置特定機能を利用すれば、車両が加速ポイントを走行しているか否かを判断することも可能である。
【0042】
そこで、本実施形態のシステムは、車両上で取得し得る種々の道路情報に基づいて加速ポイントを特定するとともに、車両が加速ポイントを通過したと判断される場合に限り、電動機24によるアシスト(以下、「プレアシスト」と称す)を実行することとした。このような手法によれば、無駄なプレアシストを回避することができ、燃費特性を大きく損なうことなく内燃機関の応答性を改善することが可能である。
【0043】
[実施の形態1の具体的処理]
(プレアシストの開始)
図3は、上記の機能を実現するために制御器44において行われる一連の処理の概念を説明するためのフローチャートである。図3に示すように、制御器44は、先ず、道路情報、及び車両情報を読み込む(ステップ100)。
【0044】
道路情報としては、例えば、以下のような事項が読み込まれる。
1.自車前方に伸びている道路の直進距離
2.自車前方に存在するカーブの曲率
3.走行中の路面の状況(雪、凍結、ドライ、ウェット、舗装、未舗装など)
4.走行路の傾斜角
5.高速道路の進入路の位置情報
6.ユーザにより設定された加速ポイントの位置情報
これらの事項のうち、1〜3は、加速が可能であるか、或いは、どの程度の加速が可能であるかを判断するための基礎として用いられる。また、4〜6は、現在の地点が加速ポイントか否かを判断するために用いられる。
【0045】
車両情報としては、以下のような事項が読み込まれる。
7.前方車両との車間距離、及び後方車両との車間距離
8.車両前後方向の傾斜角
これらの事項のうち、7は、加速が可能であるか、或いは、どの程度の加速が可能であるかを判断するための基礎として用いられる。また、8は、現在の地点が加速ポイントか否かを判断するために用いられる。尚、本実施形態のシステムは、これらの車両情報を検出するための車間距離センサ及び傾斜角センサを備えているものとする。
【0046】
上記の処理が終わると、次に、ターボチャージャ16が高速回転するための条件の成否が判断される(ステップ102)。高速回転の条件が成立していると判断された場合は、プレアシストの必要がないため、電動機24の非駆動が決定される(ステップ104)。
【0047】
一方、ターボチャージャ16の高速回転条件が成立していないと判別された場合は、次に、車両の置かれた環境が、加速可能な環境であるかが判別される(ステップ106)。ここで、加速可能な環境にないとの判断がなされた場合は、プレアシストをする必要がなく、また、するべきでないため、電動機24を非駆動とするべくステップ104が実行される。
【0048】
これに対して、車両の環境が加速可能な環境であると判別された場合は、次に、現在の走行地点が、加速ポイントであるかが判別される(ステップ108)。例えば、現在の走行地点が高速道路の進入路や、ユーザ設定された加速ポイントである場合、更には、走行路又は車両の傾斜角が登り方向に変化した場合に、現在の走行地点が加速ポイントであると判断される。
【0049】
走行地点が加速ポイントでない場合は、加速の要求が予測されないため、プレアシストを開始する必要がない。この場合は、ステップ104の処理が実行される。一方、加速ポイントの判定がなされた場合は、電動機24によって実現するべきアシスト回転数Ntminが算出される(ステップ110)。
【0050】
アシスト回転数Ntminは、急な加速が求められる場合ほど高回転とし、求められる加速が緩やかであるほど低い回転数とすることが望ましい。このため、上記ステップ110では、現在の走行地点の環境に応じて、上記の要求に従ってアシスト回転数Ntminが算出される。
【0051】
以後、ターボチャージャ16のプレアシストを開始するべく、電動機24の回転数がNtminまで上昇させられる(ステップ112)。以上の処理によれば、ターボチャージャ16の回転数Ntが低く、かつ、加速可能な環境が整っている状況下で車両が加速ポイントを通過した場合に、低負荷状態からの加速の要求に備えてプレアシストを開始することができる。
【0052】
図4は、図3に示すフローチャートを、制御器44に実行させるものとしてより具体的に記載したものである。より詳細には、このルーチンは、図3に示すステップ102をステップ102−1及び102−2に、ステップ106をステップ106−1及び106−2に、ステップ108をステップ108−1に、また、ステップ110をステップ110−1にそれぞれ具体化したものである。尚、図4に示すステップ100、104及び112については、既に十分な説明がなされているため、ここでは、その説明を省略または簡略する。
【0053】
図4に示すフローチャートでは、ステップ100の処理に続いて、先ず、機関回転数Neが機関回転数制限値Nemaxを超えているかが判別される(ステップ102−1)。Nemax<Neの成立が認められた場合は、内燃機関10が、既に十分に高い回転数で回転していると判断される。このような状況下では、プレアシストを行うまでもなく、ターボチャージャは高速回転することができる。従って、この場合は、ターボチャージャ16の高速回転条件が成否していると判断され、次にステップ104の処理が実行される。
【0054】
一方、Nemax<Neが成立しないと判別された場合は、次に、ターボ回転数Ntが、アシスト回転数Ntminより高いか否かが判別される(ステップ102−2)。Ntmin<Ntが成立する場合は、ターボチャージャ16が既に十分な回転数を有しており、プレアシストの必要がないと判断できる。この場合は、ターボチャージャ16の高速回転条件が成否していると判断され、次にステップ104の処理が実行される。
【0055】
これに対して、Ntmin<Ntの不成立が判定された場合は、ターボチャージャ16の高速回転条件が成否していないと判断される。この場合、プレアシストの可否を判断するべく、次に、車間距離が十分であるかが判定される(ステップ106−1)。
【0056】
ステップ106−1では、具体的には、先ず、車両の前方に配置されている車間距離センサにより、直前に存在している車両との車間距離が計測される。次に、その車間距離が、加速許可車間距離以上であるかが判断される。その結果、車間距離が加速許可車間距離に満たないであると判断された場合は、車間距離が十分でないと判断される。この場合、加速可能な環境が整っていないと判断され、ステップ104の処理が実行される。
【0057】
一方、ステップ106−1において、車間距離が十分であると判断された場合は、次に、車両前方の道路が急激にカーブしていないかが判別される(ステップ106−2)。ここでは、より厳密には、先ず、車両前方に加速許可判定距離を超える直線路(曲率が、カーブ判定値より大きい道路)が存在しているかが判別される。その結果、加速許可判定距離を超える直線路が存在しないと判定された場合は、次に、車両前方に存在するカーブの曲率が加速許可曲率以上であるかが判別される。そして、その曲率が加速許可曲率に満たないと判別された場合は、加速可能な環境が整っていないと判断され、ステップ106−2の条件判定が不成立と判断される。この場合、次にステップ104の処理が実行される。
【0058】
これに対して、ステップ106−2において、車両前方に加速許可判定距離を超える直線路が存在していると判別された場合、或いは、その判定は否定されたものの、車両前方に存在するカーブの曲率が加速許可曲率以上であると判別された場合は、加速可能な環境が整っていると判断される。この場合は、次に、現在の走行地点が、登坂傾斜角の増加する加速ポイントであるかが判別される(ステップ108−1)。
【0059】
制御器44は、上述した通り、ステップ100において走行路の傾斜角を読み込む。ステップ180−1では、前回以前に読み込んだ傾斜角と、今回読み込んだ傾斜角とに基づいて、走行路の登坂傾斜角が判定値以上増加したか否かが判別される。そして、そのような増加が認められない場合は、現在の走行地点は加速ポイントではないと判断され、ステップ104の処理が実行される。
【0060】
一方、登坂傾斜角に判定値以上の増加が認められた場合は、現在の走行地点が加速ポイントであり、短時間の後に運転者によって加速が要求される可能性が高いと判断される。そして、この場合は、車両の前方に伸びている道路の直線距離等に基づいて、アシスト回転数Ntminが算出される(ステップ110−1)。
【0061】
ここでは、より具体的には、上述した道路情報1〜4及び車両情報7等が、つまり、車両前方の直線距離(1)、車両前方のカーブの曲率(2)、走行路の状況(3)、走行路の傾斜角(4)、及び前方車間距離(7)等が、アシスト回転数Ntminの基礎データとして用いられる。制御器44は、これらの基礎データをパラメータとしてアシスト回転数Ntminを定めたマップを記憶しており、ここでは、そのマップを参照することにより、アシスト回転数Ntminが算出される。以上の処理によれば、車両の走行状態に適合した加速を実現するために最適なアシスト回転数Ntminを設定することができる。
【0062】
以上の処理が終わると、制御器44は、電動機24をアシスト回転数Ntminまで上昇させてプレアシストを開始する。その結果、コンプレッサ18がアシスト回転数Ntminで回転し始め、加速に備えた空気の圧送が開始される。
【0063】
以上説明した通り、図4に示すルーチンによれば、走行路の登坂傾斜が増す加速ポイントにおいて、加速要求の発生に備えて、要求される加速の程度に適合したプレアシストを開始することができる。また、このルーチンによれば、加速可能な条件が整っていない場合や、プレアシストの必要がない程度にターボチャージャが回転していると予想される場合には、無駄なプレアシストの実行を禁止することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、無駄なエネルギ消費を最小限に抑えつつ、内燃機関10のレスポンスを向上させることができる。
【0064】
尚、上記の説明では、ステップ106−2において、車両前方が急激にカーブしていないかを判断するために、車両前方の直線距離やカーブの曲率等の道路情報を基礎にすることとしているが、この判断の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、この判断は、例えば、車両上で舵角センサにより検出されるステアリングの舵角に基づいて判断することとしてもよい。
【0065】
また、上記の説明では、ステップ108−1において、登坂傾斜角に加速判定値以上の増加が認められたか否かを判断することとしているが、登坂傾斜角が増加したか否かを判断する手法はこれに限定されるものではない。すなわち、ステップ100で読み込まれる道路情報に、登坂傾斜角が顕著に増加する地点の位置情報を含めておき、ステップ108−1では、車両の走行地点が、その位置情報と一致するか否かに基づいて、登坂傾斜角が増加したか否かを判断させることとしてもよい。
【0066】
(プレアシスト開始後の処理)
プレアシストが開始されると、コンプレッサ18による過給が開始される。この過給の開始に伴って吸入空気量Gaが増えると、運転者が加速を要求していないにも関わらず内燃機関10の出力トルクが増える事態が生ずる。本実施形態のシステムは、このような事態を避けるため、プレアシストの開始後、現実に運転者が加速を要求するまでは、コンプレッサ18の下流に圧送された空気の一部をコンプレッサ18の上流側にバイパスさせ、吸入空気量Gaの増加を阻止する。そして、運転者によって現実に加速が要求されたら、その時点で空気のバイパスを止めて、内燃機関10の過給を一気に立ち上げる。
【0067】
図5は、上記の機能を実現するために制御器44において実行される一連の処理のフローチャートである。図5に示すフローチャートによれば、制御器44は、スタンバイフラグがONであるかを判断する(ステップ120)。スタンバイフラグは、後述するように、プレアシストが開始されることによりONとされるフラグである。
【0068】
従って、未だプレアシストが開始されていない間は、ステップ120の条件が不成立となる。この場合、次に、プレアシストが開始されたか否かが判別される(ステップ122)。今回の処理サイクルでもプレアシストの開始が認められない場合は、そのまま今回の処理が終了される。一方、今回の処理サイクルでプレアシストの開始が認められた場合は、スタンバイフラグがONとされる(ステップ124)。
【0069】
次に、スロットル開度TAに、判定値を超える増加が発生したか否かが判別される(ステップ126)。つまり、運転者による加速要求が生じたか否かが判別される。その結果、TAの増加が認められない場合は、未だ加速要求が生じていないと判断され、バイパス弁30が開弁状態とされる(ステップ128)。
【0070】
バイパス弁30が開くと、コンプレッサ18から圧送された空気の一部が、コンプレッサ18の上流側に戻される。特に、ここでは、プレアシストの開始によって、コンプレッサ18を通過する空気量に生じた増加分がコンプレッサ18の上流側に還流するように、バイパス弁30が開弁される。このため、バイパス弁30が開いている間は、内燃機関10に到達する空気量Gaが、プレアシストの開始前の空気量Gaと同じになる。その結果、本実施形態のシステムによれば、プレアシストの開始に伴う出力トルクの変動を有効に回避することができる。
【0071】
制御器44は、次に、プレアシストの終了条件の成否(例えば、プレアシスト開始後の時間が所定時間に達したか)を判断する(ステップ130)。プレアシストが開始された直後は、終了条件が成立していないと判断される。この場合、今回の処理は速やかに終了され、再びステップ120以降の処理が実行される。この段階では、スタンバイフラグがONとされているため、ステップ120では、条件成立の判断がなされる。その結果、ステップ122,124がジャンプされ、常にステップ126の処理が実行される。
【0072】
プレアシストが開始された後、スロットル開度TAに有意な増加が生じないまま十分な時間が経過すると、やがてはプレアシストの終了条件が成立し、ステップ130において条件成立の判定がなされる。この場合、スタンバイフラグがOFFとされ、初期の状態が復元される(ステップ132)。
【0073】
一方、プレアシストの終了条件が成立する前に、スロットル開度TAに有意な増加が生ずると、つまり、運転者による加速要求が発生すると、ステップ126において条件成立の判定がなされる。この場合、バイパス弁30が閉じられた後(ステップ134)、ステップ132の処理が実行されて初期状態が復元される。
【0074】
プレアシストの実行中にバイパス弁が閉じられると、コンプレッサ18の下流から上流に還流していた空気が、内燃機関10に向けて流入し始める。その結果、ターボチャージャ16による過給が立ち上がり、ターボラグのない加速特性が実現される。
【0075】
以上説明した通り、図5に示す一連の処理によれば、プレアシストが開始された後、運転者によって現実に加速が要求されるまでは、圧送空気の一部をバイパスすることでトルクの変動を抑えることができる。そして、運転者による加速要求が生ずると、その時点で速やかに過給を開始し、トルクを立ち上げることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、プレアシストに伴う違和感を運転者に与えることなく、内燃機関10の応答性を改善することができる。
【0076】
尚、上述した実施の形態1においては、道路情報を記憶、或いは取得するナビゲーションシステム等が前記第1の発明における「道路情報出力手段」に、登坂傾斜角の増加が前記第1の発明における「過給要求の予兆」に、それぞれ相当している。また、制御器44が、ステップ108−1の処理を実行することにより前記第1の発明における「過給予兆検知手段」が、ステップ112の処理を実行することにより前記第1の発明における「プレアシスト駆動手段」が、それぞれ実現されている。
【0077】
また、上述した実施の形態1においては、制御器44が、ステップ108−1の処理を実行することにより前記第2の発明における「予兆発生判定手段」が実現されている。
【0078】
また、上述した実施の形態1においては、制御器44が、ステップ106−1及び106−2の処理を実行することにより前記第3の発明における「加速環境判断手段」及び「予兆判定許可手段」が実現されている。
【0079】
また、上述した実施の形態1においては、制御器44が、ステップ106−2の処理を実行することにより、前記第4の発明における「直線距離判断手段」及び前記第5の発明における「曲率判断手段」が実現されている。
【0080】
また、上述した実施の形態1においては、制御器44が、ステップ110−1の処理を実行することにより前記第6又は第7の発明における「回転数設定手段」が実現されている。
【0081】
また、上述した実施の形態1においては、制御器44が、ステップ128の処理を実行することにより前記第9の発明における「プレアシストバイパス手段」が、ステップ134の処理を実行することにより前記第9の発明における「バイパス終了手段」が、それぞれ実現されている。
【0082】
実施の形態2.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは、実施の形態1のシステムにおいて、制御器44に、上記図4に示すルーチンに代えて後述する図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0083】
図6は、本実施形態において、制御器44が、加速ポイントにおいてプレアシストを開始するために実行するルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ108−1の後にステップ108−2が挿入されている点を除いて、図4に示すルーチンと同一である。
【0084】
図8に示すルーチンでは、ステップ108−1で条件の不成立が判定された場合、次に、車両情報に基づいて、傾斜角が登り方向に変化したか否かが判別される(ステップ108−2)。そして、ステップ108−2で、登り方向への傾斜角の増加が認められた場合は、ステップ108−1で傾斜角の増加が認められた場合と同様に、以後、ステップ110−1以降の処理が実行される。
【0085】
ステップ108−1は、走行路の傾斜角が変化したか否かを、「道路情報」に基づいて判断するステップである。一方、ステップ108−2は、その判断を、「車両情報」に基づいて、より具体的には、車両に搭載された傾斜角センサの出力に基づいて行うステップである。上記の処理によれば、道路情報及び車両情報の何れかに基づいて傾斜角の増加が検知されれば、その時点でプレアシストを開始することができる。
【0086】
道路の傾斜角等に関する道路情報は、常に最新の情報に更新されているとは限らない。また、車両において利用できる道路情報には、全ての地点の傾斜角が網羅されていない場合も考えられる。このため、道路情報のみに頼ると、傾斜角の変化点が検知できない事態が生じ得る。
【0087】
図6に示すルーチンによれば、道路情報から傾斜角の変化が検知されなくても、車両情報がその変化を表している場合には、その変化が検知できた時点でプレアシストを開始することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1のシステムに比して、より様々な状況下で、プレアシストを無駄なく実行することができる。
【0088】
尚、上述した実施の形態2においては、車両に搭載された傾斜角センサが前記第8の発明における「車両情報出力手段」に相当しており、また、制御器44が、ステップ108−1及び108−2の処理を実行することにより前記第8の発明における「過給予兆検知手段」が実現されている。
【0089】
実施の形態3.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは、高速道路の進入路においてプレアシストを実行するためのシステムである。このシステムは、実施の形態1の構成において、制御器44に、上記図4に示すルーチンに代えて後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0090】
図7は、本実施形態において、制御器44が、加速ポイントにおいてプレアシストを開始するために実行するルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ106−1がステップ106−3に置き換えられている点、及び、ステップ108−1がステップ108−3に置き換えられている点を除いて、図4に示すルーチンと同一である。
【0091】
図7に示すルーチンでは、ステップ102−2の条件が不成立であった場合、次に、車両の前後に十分な車間距離が存在しているか否かが判断される(ステップ106−3)。高速道路の進入路から本線に進入する際には、本線走行中の車両の直前に入り込むことがないように、車両を加速させる必要がある。従って、ここでは、車両の前方に十分な車間距離があり、かつ、車両後方に、本線走行中の車両との間に十分な車間距離が確保されている条件下で車両を加速させる必要がある。
【0092】
上記ステップ106−3では、車両の前後に、上記の要求を満たす車間距離が確保されているかが判断される。その結果、要求に見合う車間距離が確保されていない場合は、加速可能な環境が整っていないと判断され、ステップ104の処理が実行される。一方、車両の前後に十分な車間距離が確保されていると判断された場合は、ステップ106−2において、車両前方が急激にカーブしていないかが判断される。
【0093】
ステップ106−2において、車両前方が急激なカーブではないと判断された場合は、加速可能な環境が整っていると判断される。そして、図7に示すルーチンでは、次に、現在の走行地点が高速道路の進入路であるかが判断される(ステップ108−3)。この判断は、ステップ100において読み込んだ道路情報5に基づいて行われる。その結果、現在の走行地点が高速道路の進入路でないと判断された場合は、プレアシストの必要がないと判断され、ステップ104の処理が実行される。
【0094】
一方、現在の走行地点が高速道路の進入路であると判断された場合は、その地点が加速ポイントであると判断され、ターボチャージャ16のプレアシストを開始するべくステップ110−1以降の処理が実行される。
【0095】
以上の処理によれば、高速道路の進入路を走行する際に、ターボチャージャ16のプレアシストを無駄なく実行することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、高速道路に進入する場面での内燃機関10のレスポンスを向上させることができる。
【0096】
尚、上述した実施の形態3においては、高速道路の進入路の検知が前記第1の発明における「過給要求の予兆」に相当しており、制御器44が、ステップ108−3の処理を実行することにより前記第1の発明における「過給予兆検知手段」が実現されている。
【0097】
また、上述した実施の形態3においては、制御器44が、ステップ108−3の処理を実行することにより前記第2の発明における「予兆発生判定手段」が、ステップ106−3及び106−2の処理を実行することにより前記第3の発明における「加速環境判断手段」及び「予兆判定許可手段」が、それぞれ実現されている。
【0098】
実施の形態4.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態のシステムは、ユーザの設定した加速ポイントにおいてプレアシストを実行するためのシステムである。このシステムは、実施の形態1の構成において、制御器44に、上記図4に示すルーチンに代えて後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0099】
図8は、本実施形態において、制御器44が、ターボチャージャ12のプレアシストを開始するために実行するルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ108−1がステップ108−4に置き換えられている点を除いて、図4に示すルーチンと同一である。
【0100】
図8に示すルーチンでは、ステップ106−2において、車両前方が急激なカーブでないと判断されると、次に、現在の走行地点が、ユーザにより設定された加速ポイントであるかが判断される(ステップ108−4)。
【0101】
本実施形態のシステムでは、ナビゲーション装置等を利用して、ユーザが自由に加速ポイントを設定することができる。そして、上記ステップ108−4では、ステップ100において読み込んだ道路情報6(ユーザにより設定された加速ポイントの位置情報)が、現在の走行地点と一致しているか否かが判断される。その結果、現在の走行地点がユーザにより設定された加速ポイントであると判断されると、ターボチャージャ16のプレアシストを開始するべくステップ110−1以降の処理が実行される。
【0102】
以上の処理によれば、ユーザが任意に設定した加速ポイントにおいて、ターボチャージャ16のプレアシストを適正に開始することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、特定地点での内燃機関のレスポンスを向上させる機能に関して、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0103】
尚、上述した実施の形態4においては、ユーザの設定による加速ポイントの検知が前記第1の発明における「過給要求の予兆」に相当しており、制御器44が、ステップ108−4の処理を実行することにより前記第1の発明における「過給予兆検知手段」及び前記第2の発明における「予兆発生判定手段」が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。
【図2】図1に示す電動機の駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1において実行される一連の処理の概念を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に示すフローチャートを、制御器に実行させるものとしてより具体的に記載したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1において、プレアシストの開始後に実行される処理の内容を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2においてプレアシストを開始するために実行されるルーチンのフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3においてプレアシストを開始するために実行されるルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態4においてプレアシストを開始するために実行されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
10 内燃機関
16 ターボチャージャ
18 コンプレッサ
20 タービン
24 電動機
28 バイパス通路
30 バイパス弁
44 制御器
Nt ターボ回転数
Ntmin アシスト回転数
Ne 機関回転数
Nemax 機関回転数制限値




 

 


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