米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 ロックアップクラッチの制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−64255(P2007−64255A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247858(P2005−247858)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
発明者 中村 和明 / 渡辺 和之
要約 課題
ロックアップクラッチの解放制御でオイルクーラーへの循環流量を増加させて作動油温度を低下させる場合に、トルクコンバータの発熱量の増加により却って作動油温度が上昇することを防止する。

解決手段
ロックアップ係合領域でロックアップクラッチが係合させられている時に、作動油温度TOIL が所定値TOIL 1より高くなっても、スロットル弁開度θTHが所定値以下の低負荷時で、略一定車速で且つ略一定スロットル弁開度の巡航走行時であることを含む予め定められた解放実行条件を満足しない限りは係合状態に維持され、解放実行条件を満足した場合(S4の判断がYES)にS5以下を実行してロックアップクラッチを解放するため、ロックアップクラッチの解放制御で確実に作動油温度TOIL の上昇を抑制することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両用自動変速機に設けられた流体式伝動装置の入力側と出力側とを連結するロックアップクラッチを車両走行状態に基づいて制御するロックアップクラッチの制御装置において、
前記ロックアップクラッチに使用される作動油の温度が所定値以上か否かを判断する油温判断手段と、
前記ロックアップクラッチの係合時に前記油温判断手段によって作動油の温度が前記所定値以上であると判断された時には、前記ロックアップクラッチを解放した場合の前記流体式伝動装置の滑り量に応じて設定された解放実行条件を満足することを条件として該ロックアップクラッチを解放制御する高油温時解放手段と、
を有することを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記高油温時解放手段は、前記解放実行条件に基づいて前記ロックアップクラッチを解放した後、該解放実行条件が満たされなくなった場合、或いは前記流体式伝動装置の滑り量が所定値より大きくなったことが検知された場合には、該ロックアップクラッチの解放制御を中止するものである
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記高油温時解放手段は、前記解放実行条件に基づいて前記ロックアップクラッチを解放した後、前記作動油の温度が上昇したことが検知されると、該ロックアップクラッチの解放制御を中止するものである
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はロックアップクラッチの制御装置に係り、特に、ロックアップクラッチを解放することにより作動油の温度を低下させる技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用自動変速機に設けられた流体式伝動装置の入力側と出力側とを連結するロックアップクラッチは、車両走行状態に基づいて、例えば所定車速以上でスロットル弁開度が所定値以下の定常走行時に係合させられ、動力伝達効率を高めて燃費を向上させるようになっている。このようにロックアップクラッチを係合させると、一般にオイルクーラーへの作動油の循環流量が少なくなり、車両の冷却系の性能が十分に得られなくなるが、ロックアップクラッチの係合時における流体式伝動装置の発熱量は少ないため、冷却効果が小さくても差し支えない。しかし、近年の動力源トルクの増加に伴って高速巡航等の高トルク走行時に自動変速機の機械損失などで作動油の温度が上昇する場合が生じるようになってきた。これに対し、特許文献1では、発熱量算定手段により流体式伝動装置内の発熱量を算定し、発熱量が所定値を超えたらロックアップクラッチを解放することにより、作動油をオイルクーラーに積極的に供給し、以て作動油の温度が過度に上昇することを防止することが提案されている。すなわち、ロックアップクラッチの解放時に使用される作動油は、流体式伝動装置内を流通させられて、その流体式伝動装置を冷却するとともに、オイルクーラー等の冷却装置へ供給されて冷却されるようになっているのが普通であり、ロックアップクラッチを解放することにより冷却装置への循環流量が増大して冷却効果が大きくなるのである。
【特許文献1】実開平2−455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ロックアップクラッチを解放すると、流体式伝動装置の滑りすなわち入力側および出力側の部材の相対回転により発熱量が増大するため、作動油の温度が却って高くなることがある。すなわち、オイルクーラーへの循環流量の増大による放熱量の増大よりも、流体式伝動装置の滑りによる発熱量の増大の方が大きいと、ロックアップクラッチを解放することにより作動油の温度が却って高くなってしまうことがあるのである。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ロックアップクラッチの解放制御でオイルクーラーへの循環流量を増加させて作動油の温度を低下させる場合に、流体式伝動装置の発熱で却って作動油の温度が上昇することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、第1発明は、車両用自動変速機に設けられた流体式伝動装置の入力側と出力側とを連結するロックアップクラッチを車両走行状態に基づいて制御するロックアップクラッチの制御装置において、(a) 前記ロックアップクラッチに使用される作動油の温度が所定値以上か否かを判断する油温判断手段と、(b) 前記ロックアップクラッチの係合時に前記油温判断手段によって作動油の温度が前記所定値以上であると判断された時には、前記ロックアップクラッチを解放した場合の前記流体式伝動装置の滑り量に応じて設定された解放実行条件を満足することを条件としてそのロックアップクラッチを解放制御する高油温時解放手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
第2発明は、第1発明のロックアップクラッチの制御装置において、前記高油温時解放手段は、前記解放実行条件に基づいて前記ロックアップクラッチを解放した後、その解放実行条件が満たされなくなった場合、或いは前記流体式伝動装置の滑り量が所定値より大きくなったことが検知された場合には、そのロックアップクラッチの解放制御を中止するものであることを特徴とする。
【0007】
第3発明は、第1発明または第2発明のロックアップクラッチの制御装置において、前記高油温時解放手段は、前記解放実行条件に基づいて前記ロックアップクラッチを解放した後、前記作動油の温度が上昇したことが検知されると、そのロックアップクラッチの解放制御を中止するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようなロックアップクラッチの制御装置においては、ロックアップクラッチの係合時に油温判断手段によって作動油の温度が所定値以上であると判断された時でも、ロックアップクラッチを解放した場合の流体式伝動装置の滑り量に応じて設定された解放実行条件を満足しない場合は係合状態に維持し、解放実行条件を満足した場合にロックアップクラッチを解放するため、ロックアップクラッチの解放制御で確実に作動油の温度を抑制できるようにすることができる。すなわち、ロックアップクラッチの解放により却って作動油の温度が高くなるような車両走行状態、具体的にはロックアップクラッチを解放した場合の流体式伝動装置の滑り量が大きいと予想される場合で、スロットル弁開度が所定値以上の高負荷時や、車両加速度が所定範囲外の加減速時等には、ロックアップクラッチを係合状態に維持し、ロックアップクラッチの解放により却って作動油の温度が高くなることを防止することができるのである。また、スロットル弁開度が所定値以下の低負荷の定常走行時には、ロックアップクラッチを解放しても流体式伝動装置の滑り量は例えば3〜5%程度と小さく、その滑りによる発熱量の増加はオイルクーラー等の冷却系の作用による放熱量の増加よりも十分に少ないため、ロックアップクラッチの解放制御で作動油の温度を低下させることができる。
【0009】
第2発明では、解放実行条件が満たされなくなった場合、或いは流体式伝動装置の滑り量が所定値より大きくなったことが検知された場合には、ロックアップクラッチの解放制御を中止するため、解放制御の実行中に車両走行状態が変化した場合でも、ロックアップクラッチの解放制御により却って作動油の温度が高くなることが防止される。
【0010】
第3発明では、ロックアップクラッチの解放制御の実行中に作動油の温度が上昇したことが検知されると、そのロックアップクラッチの解放制御を中止するため、ロックアップクラッチの解放制御により却って作動油の温度が上昇することが確実に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
流体式伝動装置は、流体を媒体として動力伝達を行うもので、トルクコンバータやフルードカップリングなどであり、ロックアップクラッチは、その入力側と出力側とを直結して一体回転させるクラッチである。流体式伝動装置は、一般にエンジン等の動力源と自動変速機との間に配設され、自動変速機は、遊星歯車式や平行2軸式等の有段の自動変速機であっても良いし、ベルト式等の無段変速機であっても良く、単に前後進を切り換えるだけのものでも良い。
【0012】
ロックアップクラッチの係合および解放(ON−OFF)の基本制御は、車両走行状態として例えば車速およびスロットル弁開度(入力トルクに相当)をパラメータとして定められた切換マップ等の切換条件に従って行われ、例えば高車速側の所定のロックアップ係合領域で係合させられ、動力伝達効率を高めて燃費を向上させるようになっているのが普通である。また、必要に応じて所定のスリップ回転速度でスリップ係合させることも可能である。本発明の高油温時解放手段によるロックアップクラッチの解放制御は、上記基本制御においてロックアップクラッチが係合、或いはスリップ係合させられている場合に実行される。
【0013】
流体式伝動装置は、ロックアップクラッチが解放されて入力側および出力側が滑り回転させられると、ロックアップクラッチが係合させられて一体回転させられる場合に比較して、流体の攪拌による発熱量が多くなる。このため、ロックアップクラッチに使用される作動油は、解放時には流体式伝動装置内を流通させられ、その流体式伝動装置を冷却するとともに、オイルクーラー等の冷却装置へ供給されて冷却されるようになっているのが普通である。しかし、車両走行状態によっては、流体式伝動装置の発熱量がオイルクーラー等による放熱量よりも大きくなり、ロックアップクラッチの解放により却って作動油の温度が上昇する場合があり、その大小関係を予想してロックアップクラッチを解放制御する必要があり、本発明では解放実行条件を満足することを条件として解放するのである。
【0014】
ロックアップクラッチの係合時における流体式伝動装置の発熱量は少ないため、そのロックアップクラッチ係合時の作動油は、オイルクーラーへ供給されることなくオイルパン等へ直接ドレーンされるようになっているのが普通である。しかしながら、ロックアップクラッチに使用される作動油は、自動変速機の変速制御や各部の潤滑にも使用されるため、エンジントルクの増加などに伴って高速巡航時等に自動変速機の機械損失などによる発熱量が大きくなると、作動油の温度が上昇する場合がある。すなわち、歯車等の摩擦や潤滑時の攪拌等による発熱で作動油の温度が上昇することがあるのであり、一定の条件下でロックアップクラッチを解放することにより、オイルクーラー等への循環流量を増加させて作動油の温度上昇を抑制することができる。なお、ロックアップクラッチの係合時においても、その作動油がオイルクーラー等の冷却装置へ供給されるようにして、冷却効果を向上させることもできる。
【0015】
ロックアップクラッチを解放する解放実行条件は、ロックアップクラッチの解放で作動油の温度が低下する、或いは温度上昇が抑制されるような車両走行状態で、具体的にはロックアップクラッチを解放した場合の流体式伝動装置の滑り量が小さいと予想される場合であり、例えばスロットル弁開度が所定値以下で且つ車速変化や車速の加減速度が所定範囲内の定常走行時などである。スロットル弁開度は、例えば車速等によって定まる走行抵抗と略同等の駆動力を発生する所定範囲が設定されても良い。また、登降坂制御で用いる基準加速度から±αずれた車速×スロットル弁開度の範囲内が設定されても良い。
【0016】
第2発明、第3発明では、所定の条件で解放制御が中止され、ロックアップクラッチは上記切換マップ等に従って係合状態へ復帰させられるが、ハンチング防止のために所定のヒステリシスを設けることが望ましい。
【0017】
第2発明は、解放実行条件が満たされなくなったか否かについてのみ判断して解放制御を中止するものでも、流体式伝動装置の滑り量が所定値より大きくなったことが検知されたか否かについてのみ判断して解放制御を中止するものでも、その両方を判断して何れか一方でも満足する場合に解放制御を中止するものでも良い。更に別の中止条件を定めて、解放制御を中止することも可能である。
【0018】
第3発明は、例えばロックアップクラッチの解放制御を開始してから所定時間経過後の作動油の温度が、解放制御開始時の作動油の温度よりも所定の上昇幅ΔT以上上昇したか否かを判断し、ΔT以上上昇した場合には、ロックアップクラッチの解放により却って作動油の温度が上昇したものと考えられるため、直ちに解放制御を中止するように構成される。上昇幅ΔTは一定値であっても良いが、外気温を考慮して、例えば外気温が高い時には上昇幅ΔTを大きくするようにしたり、或いは解放制御開始前の温度上昇率等に基づいて、それよりも上昇率が小さくなったか否かを判断できるように上昇幅ΔTを設定したりすることも可能である。
【0019】
第3発明の実施に際してはまた、高油温時解放手段による解放制御の実行中、常時作動油の温度を監視して、作動油の温度が開始時よりも所定の上昇幅ΔT以上上昇した場合、或いは作動油の温度が予め定められた上限値を超えたりした場合に、そのロックアップクラッチの解放制御を中止するように構成することもできる。これ等の上昇幅ΔTや上限値についても、外気温や解放制御開始前の温度上昇率等を考慮して設定することが可能である。
【0020】
また、第3発明では作動油の温度が上昇した場合にロックアップクラッチの解放制御を中止するが、作動油の温度が大きく低下した場合も、動力伝達効率(燃費向上)の点で解放制御を中止し、ロックアップクラッチを係合することが望ましい。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型の車両用駆動装置の骨子図であり、ガソリンエンジン等の内燃機関によって構成されているエンジン10の出力は、トルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装置16等の動力伝達装置を経て図示しない駆動輪(前輪)へ伝達されるようになっている。エンジン10は車両走行用の駆動力源で、トルクコンバータ12は流体式伝動装置である。
【0022】
トルクコンバータ12は、エンジン10のクランク軸18と連結されているポンプ翼車20と、自動変速機14の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、一方向クラッチ26を介して非回転部材であるハウジング28に固定されたステータ30とを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。入力側であるポンプ翼車20と、出力側であるタービン翼車24との間にはロックアップクラッチ32が設けられており、油圧制御回路86(図2参照)のロックアップコントロールバルブなどによって係合側油室34および解放側油室36に対する油圧供給が切り換えられることにより、ロックアップクラッチ32が係合(ON)または解放(OFF)されるようになっており、係合させられることによってポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。ポンプ翼車20にはギヤポンプ等の機械式のオイルポンプ21が連結されており、エンジン10によりポンプ翼車20と共に回転駆動されて変速用や潤滑用などの油圧を発生するようになっている。
【0023】
自動変速機14は、入力軸22上に同軸に配設されるとともにキャリアとリングギヤとがそれぞれ相互に連結されることにより所謂CR−CR結合の遊星歯車機構を構成するシングルピニオン型の一対の第1遊星歯車装置40および第2遊星歯車装置42と、前記入力軸22と平行なカウンタ軸44上に同軸に配置された1組の第3遊星歯車装置46と、そのカウンタ軸44の軸端に固定されて差動歯車装置16のリングギヤと噛み合う出力ギヤ48とを備えている。上記遊星歯車装置40,42,46の各構成要素すなわちサンギヤ、リングギヤ、それらに噛み合う遊星ギヤを回転可能に支持するキャリアは、4つのクラッチC0、C1、C2、C3によって互いに選択的に連結され、或いは3つのブレーキB1、B2、B3によって非回転部材であるハウジング28に選択的に連結されるようになっている。また、2つの一方向クラッチF1、F2によってその回転方向により相互に若しくはハウジング28と係合させられるようになっている。なお、差動歯車装置16は軸線(車軸)に対して対称的に構成されているため、下側を省略して示してある。
【0024】
上記入力軸22と同軸上に配置された一対の第1遊星歯車装置40,第2遊星歯車装置42、クラッチC0、C1、C2、ブレーキB1、B2、および一方向クラッチF1により前進4段、後進1段の主変速部MGが構成され、上記カウンタ軸44上に配置された1組の遊星歯車装置46、クラッチC3、ブレーキB3、一方向クラッチF2によって副変速部すなわちオーバードライブ部U/Dが構成されている。主変速部MGにおいては、入力軸22はクラッチC0、C1、C2を介して第2遊星歯車装置42のキャリアK2、第1遊星歯車装置40のサンギヤS1、第2遊星歯車装置42のサンギヤS2にそれぞれ連結されている。第1遊星歯車装置40のリングギヤR1と第2遊星歯車装置42のキャリアK2との間、第2遊星歯車装置42のリングギヤR2と第1遊星歯車装置40のキャリアK1との間はそれぞれ連結されており、第2遊星歯車装置42のサンギヤS2はブレーキB1を介して非回転部材であるハウジング28に連結され、第1遊星歯車装置40のリングギヤR1はブレーキB2を介して非回転部材であるハウジング28に連結されている。また、第2遊星歯車装置42のキャリアK2と非回転部材であるハウジング28との間には、一方向クラッチF1が設けられている。そして、第1遊星歯車装置40のキャリアK1に固定された第1カウンタギヤG1と第3遊星歯車装置46のリングギヤR3に固定された第2カウンタギヤG2とは相互に噛み合わされている。オーバードライブ部U/Dにおいては、第3遊星歯車装置46のキャリアK3とサンギヤS3とがクラッチC3を介して相互に連結され、そのサンギヤS3と非回転部材であるハウジング28との間には、ブレーキB3と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。
【0025】
上記クラッチC0、C1、C2、C3およびブレーキB1、B2、B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、油圧制御回路86(図2参照)のソレノイド弁等の励磁、非励磁や図示しないマニュアルバルブによって油圧回路が切り換えられることにより、例えば図1の(b) に示すように係合、解放状態が切り換えられ、シフトレバー77(図2参照)の操作位置(ポジション)に応じて前進5段、後進1段、ニュートラルギヤ段の各ギヤ段が成立させられる。図1(b) の「1st」〜「5th」は前進の第1速ギヤ段〜第5速ギヤ段を意味しており、「○」は係合、「×」は解放、「△」は駆動時のみ係合を意味している。
【0026】
図2は、図1のエンジン10や自動変速機14、ロックアップクラッチ32のON−OFFなどを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、電子制御装置60には、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ64、車速センサ66、アイドルスイッチ付きスロットルセンサ68、冷却水温センサ70、油温センサ72、アクセル操作量センサ74、フットブレーキスイッチ76、レバーポジションセンサ78、エアコンスイッチ92などが接続され、エンジン回転速度NE、タービン回転速度NT、車速V、電子スロットル弁80の全閉状態(アイドル状態)およびその開度(スロットル弁開度)θTH、エンジン10の冷却水温TW 、自動変速機14やロックアップクラッチ32等の油圧制御回路86の作動油温度TOIL 、アクセルペダル等のアクセル操作部材の操作量Acc、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無、シフトレバー77のレバーポジション(操作位置)PSH、エアコンの作動の有無などを表す信号が供給されるようになっている。タービン回転速度NTは入力軸22の回転速度(入力軸回転速度NIN)と一致し、車速Vは自動変速機14の出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUT に対応する。また、アクセル操作量Accは運転者の出力要求量を表している。
【0027】
電子制御装置60は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン10の出力制御や自動変速機14の変速制御、ロックアップクラッチ32の係合、解放制御、などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。エンジン10の出力制御は電子スロットル弁80、燃料噴射装置82、点火装置84などによって行われ、自動変速機14の変速制御およびロックアップクラッチ32の係合、解放制御は、何れも油圧制御回路86によって行われる。油圧制御回路86は、電子制御装置60により励磁されて油路を開閉するソレノイド弁や油圧制御を行うリニアソレノイド弁、それらのソレノイド弁から出力される信号圧に従って油路を開閉したり油圧制御を行ったりする開閉弁、調圧弁などを備えて構成されている。
【0028】
自動変速機14の変速制御は、例えば図3に示す予め記憶された変速線図(変速マップ)から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14の変速すべきギヤ段を決定し、すなわち現在のギヤ段から変速先のギヤ段への変速判断を実行し、その決定されたギヤ段を成立させるように前記クラッチCおよびブレーキBの係合解放状態を切り換える。クラッチCおよびブレーキBの係合解放状態の切換は、ソレノイド弁等により油圧回路を切り換えることによって行われ、駆動力変化などの変速ショックが発生したり摩擦材の耐久性が損なわれたりすることを防止するために、リニアソレノイド弁等により油圧が連続的に制御される。図3の実線はアップシフト線で、破線はダウンシフト線であり、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って、変速比(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が大きい低速側のギヤ段に切り換えられるようになっており、図中の「1」〜「5」は第1速ギヤ段「1st」〜第5速ギヤ段「5th」を意味している。
【0029】
ロックアップクラッチ32を係合解放する基本制御は、図6のロックアップクラッチ基本制御手段98によって行われ、例えば図4に示すように入力トルクに対応するスロットル弁開度θTHおよび車速Vをパラメータとして予め記憶された切換マップ(切換条件)に基づいて、実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに応じてON(係合)−OFF(解放)を切り換える。切換マップは、実線で示す係合切換線と破線で示す解放切換線とが所定のヒステリシスを有して定められており、ロックアップクラッチ解放状態において車速Vが係合切換線を横切って高車速側へ変化したり、スロットル弁開度θTHが係合切換線を横切って低スロットル弁開度側へ変化すると、ロックアップクラッチ32は係合させられる。また、ロックアップクラッチ係合状態において車速Vが解放切換線を横切って低車速側へ変化したり、スロットル弁開度θTHが解放切換線を横切って高スロットル弁開度側へ変化すると、ロックアップクラッチ32は解放される。
【0030】
図5は、油圧制御回路86のうち上記ロックアップクラッチ32を係合解放制御するロックアップ制御回路200を示す回路図で、ロックアップコントロールバルブ202を備えている。ロックアップコントロールバルブ202は、第2調圧弁からライン圧PL2が供給される一対の第1ライン圧ポート204および第2ライン圧ポート206、トルクコンバータ12の係合側油室34に接続された係合側ポート208、トルクコンバータ12の解放側油室36に接続された解放側ポート210、ロックアップ係合圧制御用ソレノイドバルブDSUから出力される信号圧PDSUが供給される信号圧ポート212を備えている。そして、その信号圧PDSUが信号圧ポート212に供給されると、スプール214が中心線より右側半分に示すようにスプリング216の付勢力に抗して下方へ移動させられたON状態になり、第1ライン圧ポート204と係合側ポート208とが連通させられ、ロックアップ係合油圧PLUが係合側油室34へ供給されるとともに、解放側ポート210がドレーンポート218に連通させられることにより、解放側油室36内の作動油がドレーンされ、ロックアップクラッチ32が係合(ON)させられる。
【0031】
上記ロックアップ係合圧制御用ソレノイドバルブDSUは、OFF(非励磁)では信号圧PDSUの出力を停止するが、信号圧PDSUを出力する励磁状態では、電子制御装置60によって励磁電流が連続的に変化させられることにより信号圧PDSUを連続的に変化させる。また、ロックアップコントロールバルブ202は、ロックアップ係合油圧PLUが供給されるフィードバック油室220を備えており、そのロックアップ係合油圧PLUが信号圧PDSUと釣り合うようにスプール214が移動させられる。これにより、信号圧PDSUに応じてロックアップ係合油圧PLUが連続的に変化させられ、ロックアップクラッチ32を所定のスリップ状態で係合させることができる。
【0032】
一方、ロックアップ係合圧制御用ソレノイドバルブDSUがOFF(非励磁)となり、信号圧PDSUの出力が停止させられると、ロックアップコントロールバルブ202は、中心線より左側半分に示すようにスプリング216の付勢力に従ってスプール214が上方へ移動させられて原位置に保持されるOFF状態になる。これにより、第2ライン圧ポート206と解放側ポート210とが連通させられ、ライン圧PL2が解放側油室36へ供給されるとともに、係合側ポート208が排出ポート222に連通させられることにより、係合側油室34内の作動油が排出ポート222から排出され、ロックアップクラッチ32が解放(OFF)される。
【0033】
このようにロックアップクラッチ32が解放されると、トルクコンバータ12のポンプ翼車20とタービン翼車24とが滑り回転(相対回転)させられるようになるため、ロックアップクラッチ32の係合時に比べて流体の攪拌による発熱量が多くなる。このため、ロックアップクラッチ32の解放に使用された作動油は、トルクコンバータ12の内部を流通させられてロックアップコントロールバルブ202へ戻されるようになっており、これによりトルクコンバータ12が冷却される。また、ロックアップコントロールバルブ202へ戻された作動油は、排出ポート222からオイルクーラー224を経てオイルパン等へ戻されるようになっており、そのオイルクーラー224により作動油が冷却されるようになっている。なお、余剰の作動油は、クーラーバイパス弁226からオイルパン等へ戻される。
【0034】
ロックアップコントロールバルブ202にはまた、ロックアップソレノイドバルブSLの出力油圧PSLが供給されるバックアップポート228が設けられており、その出力油圧PSLが供給されると、前記信号圧PDSUの供給に拘らずロックアップコントロールバルブ202をOFF状態に維持してロックアップクラッチ32を強制的に解放する。ロックアップソレノイドバルブSLはON−OFFソレノイドバルブで、ライン圧PLをそのまま出力油圧PSLとして出力するものであり、例えば発進停止時等の低車速時に油圧PSLを出力することにより、ロックアップ係合圧制御用ソレノイドバルブDSUのONフェール等によりロックアップクラッチ32が係合してエンジンストールが発生することを防止できる。
【0035】
ここで、ロックアップクラッチ32の解放時には、作動油をオイルクーラー224へ循環させて冷却するが、ロックアップクラッチ32の係合時には、トルクコンバータ12の発熱量が少ないため作動油を直接オイルパン等へドレーンするようになっているため、高速巡航時等に自動変速機14の機械損失などによる発熱量が大きくなると、作動油の温度が上昇する場合がある。すなわち、歯車等の摩擦や潤滑時の攪拌等による発熱で作動油の温度が上昇することがあるのであり、本実施例では、前記切換マップに基づく基本制御でロックアップクラッチ32が係合させられている時に、作動油温度TOIL が高くなった場合には、一定の条件下でロックアップクラッチ32を解放することにより、オイルクーラー224への循環流量を増加させて作動油の温度上昇を抑制する高油温時ロックアップクラッチ解放制御を行うようになっている。
【0036】
図6は、上記高油温時ロックアップクラッチ解放制御を行うために前記電子制御装置60が備えている機能を説明するブロック線図で、前記ロックアップクラッチ基本制御手段98とは別に油温判断手段100および高油温時解放手段110を備えており、図7に示すフローチャートに従って信号処理を行う。図7のステップS2は油温判断手段100に相当し、それ以外の各ステップは高油温時解放手段110に相当するが、高油温時解放手段110は更に実際に解放制御を実行するか否かを判断する解放可否判断手段112、実際に解放制御を実行する解放制御実行手段114、解放制御の実行中に解放制御を継続して実行するか否かを判断する解放継続判断手段116、および解放制御を中止して通常のロックアップ制御へ復帰する係合復帰手段118を備えており、図7のステップS3およびS4は解放可否判断手段112に相当し、ステップS5は解放制御実行手段114に相当し、ステップS6、S7、およびS9は解放継続判断手段116に相当し、ステップS10は係合復帰手段118に相当する。
【0037】
図7のステップS1では、前記切換マップにおいて実線で示す係合切換線よりも高車速側のロックアップ係合領域で、且つロックアップクラッチ32が係合させられているか否かを判断し、これを満足する場合にはステップS2以下を実行する。ステップS2では、油温センサ72によって検知される作動油温度TOIL が予め定められた所定値TOIL 1より高いか否かを判断し、TOIL >TOIL 1の場合にはステップS3以下を実行する。所定値TOIL 1は、例えば作動油の潤滑性能が低下したり、作動油の劣化が促進されたりする温度、或いはそれより少し低い温度で、作動油の温度特性等に応じて適宜定められる。
【0038】
ステップS3では、車速センサ66によって検知される車速Vが所定値V1より高い高車速走行か否かを判断し、V>V1の場合にはステップS4以下を実行する。所定値V1は、図4の切換マップに示すように、スロットル弁開度θTHが小さい低負荷領域における係合切換線(図4の実線)よりも高い車速である。また、ステップS4では、予め定められた解放実行条件を満足するか否かを判断する。解放実行条件は、ロックアップクラッチ32の解放で作動油温度TOIL が低下するか、或いは係合時よりも温度上昇が抑制されると予想される車両走行状態で、例えばロックアップクラッチ32を解放した場合のトルクコンバータ12の滑り量、すなわちエンジン回転速度NE(ポンプ翼車20と同じ)とタービン回転速度NT(タービン翼車24と同じ)との相対回転速度ΔN=(NE−NT)、或いはその相対回転速度ΔNのエンジン回転速度NEに対する割合ΔN/NEが小さく、流体の攪拌による発熱量が比較的少ないと予想される場合であり、具体的には以下の(a) 〜(d) のような条件が定められる。
(a) スロットル弁開度θTHが、図4において斜線で示すように走行抵抗と略同等の駆動力を発生する開度以下である。
(b) 車両加速度αが所定の範囲内(α1<α<α2)である。
(c) スロットル弁開度θTHの変化率ΔθTHが所定の範囲内(ΔθTH1<ΔθTH<ΔθTH2)である。
(d) 上記(a) 〜(c) を所定時間以上満足し、略一定車速で且つ略一定スロットル弁開度の巡航走行時である。
なお、上記所定値α1、ΔθTH1は小さな−の値で、所定値α2、ΔθTH2は小さな+の値であり、それ等の絶対値は同じ値であっても良い。
【0039】
そして、上記解放実行条件を満足する場合には、ステップS5において前記ロックアップ係合圧制御用ソレノイドバルブDSUをOFF(非励磁)にして信号圧PDSUの出力を停止するか、或いはロックアップソレノイドバルブSLから油圧PSLを出力することにより、ロックアップコントロールバルブ202をOFF状態に切り換えてロックアップクラッチ32を解放する。これにより、オイルクーラー224への循環流量が増加させられ、作動油の温度上昇を抑制することができる。すなわち、スロットル弁開度θTHが所定値以下の低負荷時で、略一定車速で且つ略一定スロットル弁開度の巡航走行時には、ロックアップクラッチ32を解放してもトルクコンバータ12の滑り量(ΔN/NE)は例えば3〜5%程度と小さく、その滑りによる発熱量の増加はオイルクーラー224による放熱量の増加よりも十分に少ないため、基本的にはロックアップクラッチ32の解放制御で作動油温度TOIL を低下させることができるのである。
【0040】
ステップS6では、上記ステップS5でロックアップクラッチ32を解放してから予め定められた所定時間経過後の作動油温度TOIL が、解放制御開始時の作動油温度TOIL に比較して所定の上昇幅ΔT以上上昇したか否かを判断し、ΔT以上上昇した場合には、ロックアップクラッチ32の解放により却って作動油温度TOIL が上昇したものと考えられるため、直ちにステップS10を実行して解放制御を中止するとともに、前記ロックアップクラッチ基本制御手段98による通常のロックアップ制御へ移行し、図4の実線および破線による切換マップに従ってロックアップクラッチ32の係合解放制御を行う。ステップS6は、フェールセーフとして織り込まれたもので、上昇幅ΔTは例えば0等の一定値であっても良いが、外気温を考慮して、例えば外気温が高い時には上昇幅ΔTを大きくするようにしても良い。上昇幅ΔTとして−の値、すなわち低下幅を設定することも可能である。
【0041】
上記ステップS6の判断がNO(否定)の場合、すなわち作動油温度TOIL が解放制御開始時よりも低下したか、上昇した場合でも所定の上昇幅ΔTより少ない場合には、ステップS7を実行する。ステップS7では、前記解放実行条件を満足するか否かを前記ステップS4と同様にして判断し、依然として満足する場合にはステップS8を実行してその解放制御を継続するが、車両走行状態が変化して解放実行条件を満足しなくなった場合には、ロックアップクラッチ32の解放により却って作動油温度TOIL が上昇する可能性があるため、ステップS10を実行して解放制御を中止するとともに通常のロックアップ制御へ移行する。なお、この場合には車両走行状態の僅かな変化でロックアップクラッチ32の係合と解放とを短時間で繰り返すハンチングを防止するため、待機時間を設定するなどして所定のヒステリシスを設けることが望ましい。解放制御を中止する際の条件を、前記解放実行条件から少しずらすなどしてヒステリシスを設けることもできる。
【0042】
ステップS9では、作動油温度TOIL が大きく低下したか否か、具体的には予め定められた所定値以下まで低下したか否か、或いは所定の低下幅以上低下したか否か等を判断し、それ程大きく低下していない場合はステップS7以下を繰り返し実行するが、大きく低下した場合にはステップS10を実行して解放制御を中止するとともに通常のロックアップ制御へ移行する。これは、作動油温度TOIL が大きく低下した場合には、オイルクーラー224への循環流量を増やして冷却性能を高くする必要がないとともに、動力伝達効率(燃費)の点でロックアップクラッチ32を係合させることが望ましいからである。
【0043】
このように、本実施例のロックアップクラッチ32の制御装置においては、前記切換マップにおいて実線で示す係合切換線よりも高車速側のロックアップ係合領域で、ロックアップクラッチ基本制御手段98による係合解放制御でロックアップクラッチ32が係合させられている時に、作動油温度TOIL が所定値TOIL 1より高くなっても、予め定められた解放実行条件を満足しない限りは係合状態に維持され、解放実行条件を満足した場合にロックアップクラッチ32を解放するため、ロックアップクラッチ32の解放制御で確実に作動油温度TOIL の上昇を抑制することができる。
【0044】
すなわち、ロックアップクラッチ32の解放により却って作動油温度TOIL が高くなるような車両走行状態、具体的にはロックアップクラッチ32を解放した場合のトルクコンバータ12の滑り量が大きく、トルクコンバータ12の流体の攪拌による発熱量が大きいと予想される場合で、スロットル弁開度θTHが所定値以上の高負荷時や、車両加速度αが所定範囲外の加減速時等には、ステップS4の判断がNO(否定)となってロックアップクラッチ32が係合状態に維持されるため、ロックアップクラッチ32の解放により却って作動油温度TOIL が高くなることが防止されるのである。
【0045】
また、スロットル弁開度θTHが所定値以下の低負荷時で、略一定車速で且つ略一定スロットル弁開度の巡航走行時には、ステップS4の判断がYES(肯定)となり、ステップS5でロックアップクラッチ32の解放制御が実行されるが、ロックアップクラッチ32を解放してもトルクコンバータ12の滑り量(ΔN/NE)は例えば3〜5%程度と小さく、その滑りによる発熱量の増加はオイルクーラー224による放熱量の増加よりも十分に少ないため、ロックアップクラッチ32の解放制御で作動油温度TOIL を低下させることができるのである。
【0046】
一方、本実施例では、ロックアップクラッチ32の解放制御の実行中に、スロットル弁開度θTHやその変化率ΔθTH、車両加速度α等の車両走行状態が変化して解放実行条件が満たされなくなった場合には、ステップS7の判断がNO(否定)となり、ステップS10でロックアップクラッチ32の解放制御が中止されるため、ロックアップクラッチ32の解放制御により却って作動油温度TOIL が高くなることが一層確実に防止される。
【0047】
また、ロックアップクラッチ32の解放制御の開始に伴って作動油温度TOIL が所定の上昇幅ΔT以上上昇した場合には、ステップS6の判断がYES(肯定)となり、ステップS10でロックアップクラッチ32の解放制御が中止されるため、ロックアップクラッチ32の解放制御により却って作動油温度TOIL が高くなることが一層確実に防止される。
【0048】
なお、上記実施例ではロックアップクラッチ32の解放制御の実行中に、ステップS7で解放実行条件を満足するか否かを判断するようになっているが、図8のフローチャートのように、トルクコンバータ12の滑り量である相対回転速度ΔN=(NE−NT)が、流体の攪拌による発熱量が比較的少ないと予想される予め定められた所定値ΔN1より大きいか否かを判断するステップS11を、上記ステップS7の代わりに設け、ΔN>ΔN1の場合には前記ステップS10を実行するようにしても良い。このステップS11は、解放制御を継続して実行するか否かを判断するためのもので、前記解放継続判断手段116に相当するが、前記ステップS7に加えてこのステップS11を実行するようにしても良い。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明が好適に適用される車両用駆動装置の一例を説明する図で、(a) は骨子図、(b) は自動変速機の作動表である。
【図2】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブロック線図である。
【図3】図1の自動変速機の変速制御で用いられる変速線図(マップ)の一例を示す図である。
【図4】ロックアップクラッチの係合解放制御に用いられる切換マップの一例を示す図である。
【図5】図1の車両用駆動装置が備えている油圧制御回路の要部であって、ロックアップクラッチの係合解放制御を行うロックアップ制御回路の一例を示す回路図である。
【図6】ロックアップクラッチの係合解放制御に関して図2の電子制御装置が備えている機能を説明するブロック線図である。
【図7】図6の高油温時解放手段による信号処理を具体的に説明するフローチャートである。
【図8】図7のステップS7をステップS11に置き換えた別の例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
12:トルクコンバータ(流体式伝動装置) 14:自動変速機(車両用自動変速機) 32:ロックアップクラッチ 60:電子制御装置 100:油温判断手段 110:高油温時解放手段 TOIL :作動油温度 ΔN:相対回転速度(滑り量)




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013