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発明の名称 排気浄化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−64182(P2007−64182A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−255137(P2005−255137)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
発明者 田原 淳
要約 課題
燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加しても、触媒の排気浄化作用等に必要な燃料添加量を確保する。

解決手段
基本添加間隔を設定したときの基本背圧に対する現在の背圧の変化量に基づいて、その背圧変化量が大きいほど、燃料の添加間隔を短くするように補正することで(ステップST1〜ST4)、燃料添加弁が配設されている排気通路の圧力が高くなって、燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加しても、必要な燃料添加量を確保する。これによって触媒の排気浄化作用に必要な触媒床温度の上昇を確保することができる。また、燃料添加弁の先端温度を所定値(デポジットの生成を抑制できる温度)以下に保つことが可能となり、燃料添加弁の噴孔がデポジットにて閉塞されるという問題を回避することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関の排気通路に配設された触媒と、前記排気通路に燃料を添加する燃料添加弁とを備えた排気浄化装置において、
前記燃料添加弁が配設された排気通路の圧力に基づいて前記排気通路への燃料の添加量を補正する補正手段を備えていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
請求項1記載の排気浄化装置において、
前記排気通路の圧力を、排気流量または排気温度の少なくともいずれか一方に基づいて算出することを特徴とする排気浄化装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の排気浄化装置において、
前記内燃機関の筒内への燃料噴射時期に基づいて前記排気通路への燃料の添加量を補正することを特徴とする排気浄化装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の排気浄化装置において、
基本噴射期間または基本噴射時間に、前記排気通路の圧力に応じた補正係数を乗じて前記排気通路への燃料の噴射量を補正することを特徴とする排気浄化装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガスを触媒にて浄化する装置に関し、さらに詳しくは、排気通路に燃料を添加する燃料添加弁を備えた排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディーゼルエンジン等のように希薄燃焼を行う内燃機関では、高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を燃焼させる運転領域が全運転領域の大部分を占めている。このため、この種のエンジンの排気通路に、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、NOxという)を吸蔵(吸収)するためのNOx吸蔵剤(NOx吸蔵触媒)を配置して排気ガスを浄化するようにしている。
【0003】
このようなNOx吸蔵触媒において、NOx吸蔵量が飽和状態に達した場合には、NOxを還元させてNOx吸蔵触媒を回復させる必要がある。NOxを還元させる方法としては、排気通路のNOx吸蔵触媒の上流にNOx還元剤(軽油等の燃料)を添加することにより、燃料を熱分解させることで炭化水素を発生させ、この炭化水素を還元剤としてNOxの還元を促進させる処理(NOx還元処理)が行われている。
【0004】
また、ディーゼルエンジンの排気ガス中には、カーボンを主成分とするパティキュレート(以下、PM(Particulate Matter)という)、SOOT(煤)、SOF(可溶性有機成分:Soluble Organic Fraction)などが含まれており、大気汚染の原因になる。このようなPM等を浄化することを目的として、パティキュレートフィルタをディーゼルエンジンの排気通路に配置し、排気通路を通過する排気ガス中に含まれるPMを捕集することによって、大気中に放出されるエミッションの量を低減する排気浄化装置が知られている。パティキュレートフィルタとしては、例えばDPF(Diesel Particulate Filter)や、DPNR(Diesel Particulate−NOx Reduction system)触媒が用いられている。
【0005】
パティキュレートフィルタを用いてPMの捕集を行う場合、捕集したPMの堆積量が多くなってパティキュレートフィルタの詰りが生じると、パティキュレートフィルタを通過する排気の圧力損失が増大し、これに伴うエンジンの排気背圧増大によってエンジン出力低下や燃費の低下が発生する。これを解消する方法として、排気通路(パティキュレートフィルタ上流)に燃料添加を行って排気温度を上昇させることによって、パティキュレートフィルタ上のPMの酸化(燃焼)を促進する処理(PM再生処理)が行われている。
【0006】
以上のように、触媒の排気浄化作用の低下を抑制するために実施されるNOx還元処理やPM再生処理では、排気通路に燃料添加弁を配置して燃料(還元剤)を排気通路内に供給している。そして、排気通路内に添加する燃料の添加量を適正化する技術として、大気圧に基づいてマップを参照して添加量を決定することにより、大気圧の変化に応じて燃料の添加量を決定することで、燃費の悪化を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−270435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、排気流量の増加または排気温度の上昇により、燃料添加弁が配設されている排気通路の圧力が高くなって、燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加した場合、実際の燃料添加量が減少してしまう。このような状況になると、燃料添加量不足により、触媒の排気浄化作用に必要な触媒床温度の上昇を確保することができなくなる。また、燃料添加弁の先端部分の温度が上昇し、その温度上昇によって生成されるデポジットにて燃料添加弁の噴孔が閉塞されるという問題がある。なお、デポジットは、排気ガス中に含まれるSOOTやSOFなどの物質が燃料添加弁の噴孔に付着・堆積し、その付着・堆積した物質が高温の排気ガスにさらされることにより変質・固化することによって生成される。
【0008】
ここで、特許文献1には、上記したような燃料添加弁の噴孔部分の背圧増加については考慮されておらず、この特許文献1に記載されている方法、つまり、燃費の悪化を改善することを目的として燃料添加量を適正化する方法を利用しても、背圧増加による燃料添加量不足を解消することはできない。
【0009】
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加しても、触媒の排気浄化作用等に必要な燃料添加量を確保することが可能な排気浄化装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、内燃機関の排気通路に配設された触媒と、前記排気通路に燃料を添加する燃料添加弁とを備えた排気浄化装置において、前記燃料添加弁が配設された排気通路の圧力に基づいて前記排気通路への燃料の添加量を補正する補正手段を備えていることを特徴としている。具体的には、基本噴射期間または基本噴射時間に、排気通路の圧力に応じた補正係数を乗じて前記排気通路への燃料の噴射量を補正することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、燃料添加弁が配設されている排気通路の圧力が高くなって、燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加したときには、その背圧の変化量に応じて、例えば燃料の添加間隔を補正することにより、燃料添加量を多くすることができるので、触媒の排気浄化作用に必要な触媒床温度の上昇を確保することが可能になる。また、燃料添加弁の先端温度を所定値(デポジットの生成を抑制できる温度)以下に保つことが可能となり、燃料添加弁の噴孔がデポジットにて閉塞されるという問題を回避することができる。
【0012】
本発明において、排気通路の圧力は、吸入空気量(排気流量)または排気温度の少なくともいずれか一方から推定するようにしてもよいし、燃料添加弁の近傍に圧力センサを設置し、そのセンサ出力から圧力を得るようにしてもよい。
【0013】
本発明において、内燃機関の筒内への燃料噴射時期に基づいて排気通路への燃料の添加量を補正するようにしてもよい。このような構成を加えると、内燃機関の筒内噴射によりフィード圧が瞬時に低下したときの影響(燃料添加量減少)を考慮した補正を行うことができ、より高精度で燃料を添加することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、排気流量の増加または排気温度の上昇によって、燃料添加弁の噴孔部分の背圧が増加しても、触媒の排気浄化作用に必要な燃料添加量を確保することができるとともに、燃料添加弁の詰りを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
−エンジン−
本発明の燃料添加装置を適用するディーゼルエンジンの概略構成を図1を参照して説明する。
【0017】
この例のディーゼルエンジン1(以下、「エンジン1」という)は、例えばコモンレール式筒内直噴4気筒エンジンであって、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、及び、排気系7などを主要部として構成されている。
【0018】
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁25、機関燃料通路26、及び、添加燃料通路27などを備えている。
【0019】
サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路26を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は所定電圧が印加されたときに開弁して、燃焼室3内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。
【0020】
また、サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路27を介して燃料添加弁25に供給する。燃料添加弁25は、所定電圧が印加されたときに開弁して、排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に燃料を添加する電磁駆動式の開閉弁である。遮断弁24は、緊急時に添加燃料通路27を遮断して燃料供給を停止する。
【0021】
吸気系6は、シリンダヘッドに形成された吸気ポートに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ32、スロットル弁62が配設されている。エアフローメータ32は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
【0022】
排気系7は、シリンダヘッドに形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には触媒装置4が配設されている。
【0023】
触媒装置4は、NOx吸蔵還元型触媒4aとDPNR触媒4bとを備えている。NOx吸蔵還元型触媒4aは、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2もしくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。
【0024】
DPNR触媒4bは、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒4bには、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
【0025】
以上の触媒装置4、燃料添加弁25、添加燃料通路27、遮断弁24、及び、燃料添加弁25の開閉制御を実行するECU(電子制御ユニット)100等によって排気浄化装置が構成されている。
【0026】
エンジン1には、ターボチャージャ(過給機)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト5aを介して連結されたタービンホイール5b及びコンプレッサホイール5cを備えている。コンプレッサホイール5cは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール5bは排気管73内部に臨んで配置されている。このようなターボチャージャ5は、タービンホイール5bが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール5cを回転させることにより吸入空気を過給する。この例のターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール5b側に可変ノズルベーン機構5dが設けられており、この可変ノズルベーン機構5dの開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
【0027】
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側にスロットル弁62が設けられている。スロットル弁62は、その開度を無段階に調整することが可能な電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
【0028】
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続するEGR通路(排気還流通路)8が設けられている。EGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、EGR通路8には、EGR弁81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられており、EGR弁81の開度を調整することにより、排気系7から吸気系6に導入されるEGR量(排気還流量)を調整することができる。
【0029】
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
【0030】
例えば、エアフローメータ32は、吸気系6内のスロットル弁62上流において吸入空気の流量(吸気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ33は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ34は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ35は、排気系7の触媒装置4の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ36は、同じく排気系7の触媒装置4の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ37はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。燃圧センサ38は、添加燃料通路27内を流通する燃料の圧力(燃圧)に応じた検出信号を出力する。
【0031】
−ECU−
ECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
【0032】
以上のROM102、CPU101、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路105及び外部出力回路106と接続されている。
【0033】
外部入力回路105には、上記したエアフローメータ32、吸気温センサ33、吸気圧センサ34、A/Fセンサ35、排気温センサ36、レール圧センサ37、燃圧センサ38が接続されており、さらに、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ31、アクセルペダルへの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ39、及び、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、外部出力回路106には、インジェクタ23、遮断弁24、燃料添加弁25、可変ノズルベーン機構5d、スロットル弁62、及び、EGR弁81などが接続されている。
【0034】
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、下記のPM再生制御(燃料添加間隔補正処理を含む)を実行する。
【0035】
−PM再生制御−
まず、ECU100は、DPNR触媒4bへのPMの堆積量を推定している。PM堆積量を推定する方法としては、例えば、エンジン1の運転状態(例えば、排気温度、燃料噴射量、エンジン回転数等)に応じたPM付着量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められるPM付着量を積算してPMの堆積量とする方法や、車両走行距離もしくは走行時間に応じてPMの堆積量を推定する方法、あるいは、触媒装置4にDPNR触媒4bの上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサを設け、そのセンサ出力に基づいてDPNR触媒4bに捕集されたPMの堆積量を推定する方法などが挙げられる。
【0036】
そして、ECU100は、PM推定量が所定の基準値(限界堆積量)以上となったときにDPNR触媒4bの再生時期であると判定してPM再生制御を実行する。具体的には、クランクポジションセンサ40の出力から読み込んだエンジン回転数に基づいて、予め実験等により作成されたマップを参照して燃料の要求添加量を算出し、その算出結果に応じて燃料添加弁25の開閉を制御して、排気系7に燃料添加を断続的に繰り返す。このような燃料添加により、DPNR触媒4bの触媒床温が上昇し、DPNR触媒4bに堆積しているPMが酸化され、H2OやCO2となって排出する。ここで、本発明では、燃料の要求添加量を、燃料添加弁25の噴孔部分の背圧の増加に応じて補正して、触媒の排気浄化作用等に必要な燃料添加量を確保している。その補正処理(添加間隔補正処理)の詳細は後述する。
【0037】
なお、ECU100は、以上のPM再生制御のほか、S被毒回復制御やNOx還元制御を実行する場合もある。S被毒回復制御とは、燃料添加弁25からの燃料添加を断続的に繰り返して触媒床温を高温化するとともに、排気ガスの空燃比をストイキあるいはリッチとし、NOx吸蔵還元型触媒4a及びDPNR触媒4b内のNOx吸蔵還元型触媒から硫黄分を放出させる制御である。また、NOx還元制御は、燃料添加弁25からの間欠的な燃料添加により、NOx吸蔵還元型触媒4a及びDPNR触媒4b内のNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵されたNOxを、N2、CO2及びH2Oに還元して放出する制御である。
【0038】
これらのPM再生制御、S被毒回復制御及びNOx還元制御は、それぞれの実行要求があったときに行われるが、各制御の実行が重なったときには、PM再生制御→S被毒回復制御→NOx還元制御の順で優先して行われる。
【0039】
−添加間隔補正処理−
まず、エンジンECU6で実行する添加間隔補正処理に用いる背圧補正係数について説明する。
【0040】
[背圧補正係数]
この例では、基本添加間隔Tbに背圧補正係数を乗じることにより燃料の添加量を補正するようにしており、基本添加間隔Tbを算出したときの基本背圧をP1、基本排気流量(吸入空気量)をV1、基本排気温度をT1とし、現在の背圧をP2、排気流量(吸入空気量)をV2、排気温度をT2とすると、
P1・V1/T1=P2・V2/T2
P2=P1・V1/T1・T2/V2
となり、基本添加間隔Tbを算出したときの背圧に対する現在の背圧の変化量ΔPは、
ΔP=P2−P1=P1(V1/T1・T2/V2−1) ・・・(1)
となる。ただし、背圧変化量ΔPは、大気圧の影響を受けるので、大気圧の変化に応じて適宜補正することが好ましい。
【0041】
そして、上記した式(1)で求めた背圧変化量ΔPに基づいて図6に示すマップを参照して、基本添加間隔Tbに乗じる背圧補正係数βを算出する。この背圧補正係数βの算出処理は図3のフローチャートのステップST4で実行する処理である。背圧補正係数マップは、背圧変化量ΔP及びフィード圧(エンジン回転数Ne)と背圧補正係数βとの関係を予め実験・計算等によって求め、それらの関係をマップ化したものであり、ECU100のROM102内に予め記憶されている。また、背圧補正係数βは、背圧変化量ΔPが大きいほど小さい値となるように設定されており、背圧補正係数βが小さくなるほど燃料の添加間隔が短縮され、燃料添加量が増量補正される。
【0042】
なお、以上のようにマップから背圧補正係数を求める他、例えば、噴射圧PAと背圧変化量ΔPとの差分が、燃料添加量不足に相当する量となることから、√(PA−ΔP)を補正量として基本添加間隔Tbを補正する背圧補正係数を演算にて求めるようにしてもよい。また、背圧変化量ΔPは、燃料添加弁25の近傍に圧力センサを設置し、その圧力センサにて基本背圧P1と現在の背圧P2を検出して求めるようにしてもよい。
【0043】
[添加間隔補正処理の説明]
次に、添加間隔補正処理について説明する。
【0044】
まず、上記したように、排気流量の増加または排気温度の上昇によって、燃料添加弁25が配設されている排気通路の圧力が高くなって、燃料添加弁25の噴孔部分の背圧が増加した場合、実際の燃料添加量が減少してしまう。このような状況になると、燃料添加量不足により、触媒の排気浄化作用に必要な触媒床温度の上昇を確保することができなくなる。また、燃料添加弁25の先端部分の温度が上昇し、その温度上昇によって生成されるデポジットにて燃料添加弁25の噴孔が閉塞されるという問題がある。このような問題を解消するため、この実施形態では、燃料添加弁25の噴孔部分の背圧変化量ΔPに応じて燃料の添加間隔を補正して、触媒の排気浄化作用等に必要な燃料添加量を確保する点に特徴がある。
【0045】
その添加間隔補正処理の具体的な例を図3のフローチャートを参照しながら説明する。この添加間隔補正処理はECU100が実行する処理である。なお、この補正処理ルーチンは所定時間周期で繰り返し実行される。
【0046】
まず、ステップST1において、クランクポジションセンサ40の出力からエンジン回転数Neを読み込み、そのエンジン回転数Neに基づいてマップを参照して要求添加量Qを算出する。要求添加量Qを算出するマップは、エンジン回転数Neと要求添加量Qとの関係を予め実験・計算等によって求め、それらの関係をマップ化したものであり、ECU100のROM102内に予め記憶されている。
【0047】
ステップST2では、要求添加量Qとエンジン回転数Neに基づいて図4のマップを参照して燃料の基本添加間隔Tb(図7参照)を算出する。基本添加間隔算出マップは、要求添加量Q及びエンジン回転数Neと基本添加間隔Tbとの関係を予め実験・計算等によって求め、それらの関係をマップ化したものであり、ECU100のROM102内に予め記憶されている。また、ステップST2において、基本添加間隔Tbを算出したときの背圧(基本背圧)P1、排気流量(基本排気流量)V1及び排気温度(基本排気温度)T1を取得しておく。
【0048】
ここで、背圧は、排気流量(吸入空気量)、排気温度及び大気圧等の条件に基づいてマップを参照して取得しておく。また、排気流量はエアフローメータ32の出力から読み込んだ吸入空気量から得る。さらに、排気温度(燃料添加弁25の周辺温度)は、エンジン回転数Ne、吸気温度及び大気圧等をパラメータとする排気温度算出マップを予め実験・計算等によって作成してECU100のROM102に記憶しておき、その排気温度算出マップを参照して算出(推定)する。なお、排気温度については、例えばターボチャージャ5の上流側の排気温度を検出するターボ前排気温センサを設置し、そのセンサ出力から排気温度を得るようにしてもよい。
【0049】
ステップST3では、水温センサ31の出力から冷却水温を読み込み、その冷却水温に基づいて図5のマップを参照して水温補正係数αを算出する。水温補正係数マップは、冷却水温と水温補正係数αとの関係を予め実験・計算等によって求め、それらの関係をマップ化したものであり、ECU100のROM102内に予め記憶されている。
【0050】
ステップST4では、上記ステップST2で算出した基本背圧P1、基本排気流量V1及び基本排気温度T1と、現在の排気流量V2及び排気温度T2とを用いて、上記した式(1)に基づいて背圧変化量ΔPを算出する。次に、算出した背圧変化量ΔPに基づいて図6のマップを参照して背圧補正係数βを算出する。
【0051】
そして、ステップST6において、以上のようにして算出した基本添加間隔Tb、水温補正係数α及び背圧補正係数βを用いて、最終添加間隔を、演算式[最終添加間隔=基本添加間隔Tb×水温補正係数α×背圧補正係数β]に基づいて算出して、このルーチンを終了する。
【0052】
以上の添加間隔補正処理によれば、基本添加間隔を設定したときの基本背圧に対する現在の背圧の変化量ΔPに基づいて、その背圧変化量ΔPが大きいほど、燃料の添加間隔を短くするように補正しているので、燃料添加弁25が配設されている排気通路の圧力が高くなって、燃料添加弁25の噴孔部分の背圧が増加しても、必要な燃料添加量を確保することができる。これによって、触媒の排気浄化作用に必要な触媒床温度の上昇を確保することができる。また、燃料添加弁25の先端温度を所定値(デポジットの生成を抑制できる温度)以下に保つことが可能となり、燃料添加弁25の噴孔がデポジットにて閉塞されるという問題を回避することができる。
【0053】
なお、以上の添加間隔補正処理において、背圧補正係数βを算出する際に、フィード圧の変化を考慮した補正を追加してもよい。このようなフィード圧補正を加えると、エンジン1の筒内噴射によりフィード圧が瞬時に低下したときの影響(燃料添加量減少)を抑制することができ、より高精度で燃料を添加することが可能になる。
【0054】
−他の実施形態−
以上の例では、基本添加間隔Tbに背圧補正係数βを乗じて燃料添加量を補正しているが、これに替えて、1回当たりの基本添加時間(図7参照)に背圧補正係数を乗じて燃料の添加量を増量補正するようにしてもよい。なお、基本添加時間を補正する場合、背圧補正係数は、背圧変化量ΔPが大きくなるほど大きな値となるように設定する。
【0055】
以上の例では、本発明の排気浄化装置を筒内直噴4気筒ディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用できる。また、筒内直噴ディーゼルエンジンに限られることなく、他のタイプのディーゼルエンジンにも本発明を適用することは可能である。また、車両用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。
【0056】
以上の例では、触媒装置4として、NOx吸蔵還元型触媒4a及びDPNR触媒4bを備えたものとしたが、NOx吸蔵還元型触媒4a或いは酸化触媒、及びDPFを備えたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を適用するディーゼルエンジンの一例を示す概略構成図である。
【図2】ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】ECUが実行する添加間隔補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3の添加間隔補正処理で用いる基本添加間隔算出マップを示す図である。
【図5】図3の添加間隔補正処理で用いる水温補正係数マップを示す図である。
【図6】図3の添加間隔補正処理で用いる背圧補正係数マップを示す図である。
【図7】燃料の添加間隔と添加時間を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 エンジン(内燃機関)
2 燃料供給系
21 サプライポンプ
22 コモンレール
24 遮断弁
23 インジェクタ
25 燃料添加弁
27 添加燃料通路
4 触媒装置
4a NOx吸蔵還元型触媒
4b DPNR触媒
6 吸気系
7 排気系
40 クランクポジションセンサ
100 ECU




 

 


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