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発明の名称 オイル供給装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−64125(P2007−64125A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−252445(P2005−252445)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
発明者 武田 守成
要約 課題
オイルパン内の気体を吸入し、ポンプの初期駆動トルクを減少させるオイル供給装置の提供。

解決手段
オイル供給装置は、オイルパンに貯留されたオイルを吸入し、供給する為に用いられる。第1吸入通路には、ポンプの駆動によって吸入されたオイルが通過し、第2吸入通路には、ポンプの駆動によって吸入された気体が通過する。第2吸入通路は、内燃機関の始動時に気体を吸入する。ポンプには、吸入されたオイルと気体が供給される。オイル供給装置は、オイルパン内の気体を積極的に吸入し、トータル流量に対してオイルの流量が占める割合を減少させる。始動時にはオイルが高粘度であっても、初期駆動トルクの上昇を抑制する。ポンプのシャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制する。オイル供給装置は、ポンプへの気体の供給と、ポンプへの気体の供給の停止とを制御する制御部を備え、無駄な気体の供給を削減し、ポンプ効率を確保可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】
オイルが通過する第1吸入通路と、
少なくとも内燃機関の始動時に、気体が通過する第2吸入通路と、
前記第1吸入通路を通過した前記オイル、及び前記第2吸入通路を通過した前記気体が供給されるポンプと、
前記第2吸入通路に設けられ、前記気体の供給及び前記供給の停止を制御する制御部と、を備えることを特徴とするオイル供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記内燃機関の始動時には、前記気体の供給が行われるように制御し、前記内燃機関の通常運転時には、前記気体の供給が停止されるように制御することを特徴とする請求項1に記載のオイル供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、オイルパンのオイルレベルに応じて開閉するフロート弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオイル供給装置。
【請求項4】
前記第1吸入通路の吸入口は、オイルパンのオイルレベルより下部に設けられ、
前記第2吸入通路の吸入口は、前記オイルレベルより上部に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のオイル供給装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オイルパン内のオイルを吸入し、吸入したオイルをエンジン(内燃機関)の各構成部に圧送するオイルポンプが知られている。例えば、特許文献1には、スカベンジポンプを備えたドライサンプ式のブローバイガス還元装置が記載されている。また、特許文献2には、微小の空気を吸い込ませることによって、急激な容積変化による回転負荷の増大を抑制する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−240113号公報
【特許文献2】実開平1−102492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1及び2に記載された技術においては、低温時の始動時においてオイルの粘性が高くなり、始動時におけるポンプの駆動トルク(以下、「初期駆動トルク」とも呼ぶ。)が高くなる傾向にあった。そのため、ポンプの駆動シャフトに負担がかかりシャフト折損が生じたり、ポンプの駆動チェーンが破損したりするなどの不具合が生じる場合があった。特に、駆動シャフトを長くすると共に、一回転当たりの吸い込み量が大きくなるようにポンプを構成した場合には、シャフト折損が生じる可能性が高い。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、オイルパン内の気体を吸入することによって、ポンプの初期駆動トルクを適切に減少させることが可能なオイル供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、オイル供給装置は、吸入されたオイルが通過する第1吸入通路と、少なくとも内燃機関の始動時に、吸入された気体が通過する第2吸入通路と、前記第1吸入通路を通過した前記オイル、及び前記第2吸入通路を通過した前記気体を前記内燃機関に供給するポンプと、前記第2吸入通路に設けられ、前記気体の供給及び前記供給の停止を制御する制御部と、を備える。
【0007】
上記のオイル供給装置は、内燃機関のオイルパンに貯留されたオイルを吸入し、供給するために用いられる。第1吸入通路には、ポンプの駆動によって吸入されたオイルが通過する。第2吸入通路には、ポンプの駆動によって吸入された気体が通過する。詳しくは、第2吸入通路には、少なくとも内燃機関の始動時に気体が通過する。そして、ポンプは、第1吸入通路を通過したオイルと第2吸入通路を通過した気体が供給されると共に、供給されたオイルを内燃機関に供給する。このように、上記のオイル供給装置は、オイルパン内の気体を積極的に吸入することによって、供給されるトータル流量に対してオイルの流量が占める割合を減少させる。これにより、始動時においてオイルが高粘度となっていても、初期駆動トルクの上昇を抑制することができる。したがって、始動時に生じ得る、ポンプのシャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制することができる。また、上記のオイル供給装置は、ポンプへの気体の供給と、ポンプへの気体の供給の停止とを制御することができる制御部を備える。制御部は、気体が必要な場合には気体の供給を行い、気体が必要でない場合には気体の供給を停止することができる。これにより、無駄な気体の供給を削減して、ポンプ効率を確保することが可能となる。
【0008】
上記のオイル供給装置の他の一態様では、前記制御部は、前記内燃機関の始動時には、前記気体の供給が行われるように制御し、前記内燃機関の通常運転時には、前記気体の供給が停止されるように制御することができる。
【0009】
この態様では、制御部は、始動時には気体の供給を行い、通常運転時には、気体の供給を停止する。これにより、始動時には初期駆動トルクを減少させることができると共に、通常運転時には内燃機関へ供給する油量を確保することが可能となる。
【0010】
上記のオイル供給装置において好適には、前記制御部は、オイルパンのオイルレベルに応じて開閉するフロート弁とすることができる。これにより、簡便な構成及び低コストで、初期駆動トルクを減少させることができる。
【0011】
上記のオイル供給装置の他の一態様では、前記第1吸入通路の吸入口は、オイルパンのオイルレベルより下部に設けられ、前記第2吸入通路の吸入口は、前記オイルレベルより上部に設けられる。
【0012】
この態様では、第1吸入通路の吸入口からは常にオイルが吸入され、第2吸入通路の吸入口からは常に気体が吸入される。これにより、始動時の初期駆動トルクを減少させることができる。また、通常運転時には、オイルパンにはオイルが気化した気体が充満しているので、第2吸入通路から吸入された気体よりオイルを取得することができるため、必要な油量を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例について説明する。
【0015】
(オイル供給システム)
図1は、第1実施例に係るオイル供給システム100の概略構成を示すブロック図である。オイル供給システム100は、主に、オイルパン1と、流体吸入部41と、スカベンジポンプ4と、コレクター部9と、オイルポンプ10と、リリーフバルブ11と、を備える。オイル供給システム100は、ドライサンプ式に構成されている。
【0016】
オイルパン1には、エンジンの各構成部において潤滑油などとして用いられるオイルが貯留されている。オイルパン1には、流体吸入部41が接続されており、この流体吸入部41からオイルや気体が吸入される。
【0017】
流体吸入部41は、主に、吸入口2cと、吸入口3fと、吸入通路2bと、吸入通路3dと、フロート弁3と、を備える。吸入口2cからは、スカベンジポンプ4の駆動によって、矢印51で示すようにオイルパン1内のオイルが吸入される。このようにして吸入されたオイルは、吸入通路2bを通過する。
【0018】
一方、吸入口3fからは、スカベンジポンプ4の駆動によって、矢印50で示すようにオイルパン1内の気体が吸入される。この気体は、オイルが気化したガスや空気などを含む。吸入された気体は、フロート弁3及び吸入通路3dを通過する。フロート弁3は、開閉することによって、流体の供給及び供給の停止を行う。また、吸入通路3dは吸入通路2bに接続されているため、矢印52で示すようにスカベンジポンプ4に供給される流体には、オイルと気体が含まれる。
【0019】
スカベンジポンプ4は、吸入したオイルなどをオイルパン1内に設けられたコレクター部9に供給する。コレクター部9は、一時的にオイルを貯留するタンクである。コレクター部9に貯留されたオイルは、オイルポンプ10によって吸入される。
【0020】
オイルポンプ10は、供給されたオイルをエンジンのメインギャラリーに供給する。また、オイルポンプ10の上流側と下流側の通路には、バイパス通路11aが接続されており、バイパス通路11a上にはリリーフバルブ11が設けられている。リリーフバルブ11は、油圧に基づいて作動し、余剰のオイルがメインギャラリーに供給されないように機能する。
【0021】
このように、流体吸入部41及びスカベンジポンプ4はオイル供給装置として機能すると共に、吸入通路2bは第1吸入通路として機能し、吸入通路3dは第2吸入通路として機能する。また、フロート弁3は、制御部として機能する。
【0022】
(流体吸入部の構成)
次に、流体吸入部41の具体的な構成について説明する。
【0023】
図2は、流体吸入部41などの側面図を示す図であり、一部分を透視して示している。
【0024】
オイルパン1には、オイルレベル55の位置までオイル7が貯留されている。なお、オイルレベル55は、オイル7の液面の位置を意味する。言い換えると、オイルレベル55は、オイルパン1の底面からオイル7の液面までの高さを意味する。エンジンの始動時にはオイルレベル55は高い位置にあり、始動時から徐々に時間が経過していくと、オイル7がエンジンの各部に供給されるため、オイルレベル55は徐々に下がっていく。そして、エンジンの通常運転時(「通常運転時」は、始動時からある程度の時間が経過した時を意味する。)には、オイルレベル55は低い位置にある。
【0025】
また、オイルパン1は、エンジンのシリンダブロック5の下部に設けられており、内部にはバッフルプレート6が設けられている。バッフルプレート6は、オイルパン1内部のオイル7が揺れ動くことを防止する機能を有する。
【0026】
流体吸入部41は、スカベンジポンプ4に接続されており、スカベンジポンプ4が駆動することによってオイル7及び気体を吸入する。具体的には、流体吸入部41は、フロート弁3の吸入口3fから気体を吸入すると共に、吸入口2cからオイル7を吸入する。このように吸入口3fと吸入口2cにおいて別の流体が吸入されるのは、吸入口2cがオイルレベル55よりも低い位置に設けられており、且つ、吸入口3fがオイルレベル55よりも高い位置に設けられているからである。なお、吸入口3fの位置は、常にオイルレベル55よりも高くなるように設計されている。
【0027】
フロート弁3は、オイルレベル55に応じて、矢印54で示すように移動する可動部を備えている。このように可動部が移動することにより、吸入口3fからの気体の供給と、気体の供給の停止とが行われる。具体的には、オイルレベル55が高い位置にあるときには、吸入口3fから気体が吸入されるような位置に可動部は維持され、オイルレベル55が低い位置にあるときには、吸入口3fから気体が吸入されないような位置に可動部は維持される。これにより、エンジンの始動時には、吸入口3fから気体が吸入され、エンジンの通常運転時には、吸入口3fから気体は吸入されない。
【0028】
(フロート弁の構成)
次に、フロート弁3の具体的な構成について説明する。
【0029】
図3は、図2中の切断線A1−A2に沿ったフロート弁3及び吸入通路2bの断面図を示す。図3(a)はエンジンの始動時における状態を示し、図3(b)はエンジンの通常運転時の状態を示している。
【0030】
フロート弁3は、フローティング部3aと、可動部3bと、ガイド部3eと、を有する。
【0031】
フローティング部3aは、可動部3bの下端部に設けられており、オイル7の密度よりも小さい密度の材料によって構成されている。可動部3bは、ガイド部3eの中空部分3ecを貫通している。可動部3bの外周壁には溝が形成されており、この溝にOリング3baがはめ込まれている。可動部3bがガイド部3eに対して移動する際には、このOリング3baにおいてガイド部3eに対してガイドされる。
【0032】
更に、可動部3bの上端部3bbには、リング形状を有するシール部3bcが貼り付けられている。このシール部3bcを介して、可動部3bの上端部3bbとガイド部3eの上端部3eaとが接触する。
【0033】
ガイド部3eは、吸入通路2bの外壁面に固定されている。また、ガイド部3eの内部には中空部分3ec、3edが設けられている。中空部分3ecには可動部3bが貫通しており、中空部分3edは、吸気通路2bに設けられた貫通口2baに接続されている。
【0034】
図3(a)に示すように、エンジンの始動時においては、オイルレベル56aはフローティング部3aの位置よりも高い。即ち、フローティング部3aはオイル7中に位置する。そのため、フローティング部3aが浮力を受けるので、可動部3bに対して上方へ押し上げる力を及ぼす。この浮力は、フローティング部3a及び可動部3bが受ける重力よりも大きい。これにより、フローティング部3aとガイド部3eの下端部3ebとが接触するような位置に可動部3bが維持されるため、可動部3bの上端部3bbとガイド部3eの上端部3eaとの間に隙間が空く。この隙間が気体の吸入口3fとして機能すると共に、ガイド部3eの中空部分3ec、3edが吸入通路3dとして機能する。したがって、スカベンジポンプ4が駆動することにより、気体は実線矢印で示すように吸入口3fと吸入通路3dを通過していく。
【0035】
図3(b)に示すように、エンジンの通常運転時においては、オイルレベル56bはフローティング部3aの位置よりも低い。即ち、フローティング部3aは、オイル7中に位置しない。そのため、フローティング部3aは浮力を受けないため、可動部3bは重力のみを受ける。これにより、シール部3bcとガイド部3eの上端部3eaとが接触するような位置に可動部3bが維持されるため、上記した吸入口3fは閉じられる。したがって、フロート弁3から気体は供給されなくなる。この場合、スカベンジポンプ4が駆動することにより、吸入口2cのみからオイル7が吸入される。
【0036】
このように、フロート弁3は、オイルレベルに応じて可動部3bが移動することによって、吸入口3fの開閉を行う。詳しくは、エンジンの始動時には吸入口3fが開となるため、気体の吸入が行われ、エンジンの通常運転時には吸入口3fが閉となるため、気体の吸入は行われない。
【0037】
(初期駆動トルクの比較)
ここで、第1実施例に係る流体吸入部41を用いる構成と、流体吸入部41を用いない比較例に係る構成とのポンプ駆動トルクの比較結果を、図4を用いて説明する。なお、比較例に係る構成は、吸入通路3fやフロート弁3などを有していない。そのため、比較例に係る構成では、吸入通路2bの吸入口2cのみからオイル7を吸入する。
【0038】
図4は、横軸にエンジン始動からの経過時間を示し、縦軸にポンプの駆動トルクを示している。符号71で示す曲線は、第1実施例に係る構成を用いた場合の結果を示しており、符号72で示す曲線は、比較例に係る構成を用いた場合の結果を示している。
【0039】
符号72で示す曲線より、比較例に係る構成では、始動直後に駆動トルクが大きく上昇していることがわかる。これは、始動直後は、オイルパン1内のオイル7の粘性が高いためである。即ち、吸入通路2bの吸入口2cから粘性の高いオイル7のみを吸入しているためである。この場合、スカベンジポンプ4に供給される全ての流量に対してオイル7の流量が占める割合(以下、単に「オイル割合」と呼ぶ。)がかなり大きい。
【0040】
一方、符号71で示す曲線より、第1実施例に係る構成では、始動直後の駆動トルクの上昇が比較的小さいことがわかる。これは、吸入通路2bの吸入口2cからオイル7を吸入すると共に、フロート弁3の吸入口3fから気体を吸入しているからである。即ち、第1実施例に係る構成では、オイル7と気体を吸入しているため、オイル割合は、比較例に係る構成を用いた場合におけるオイル割合と比較すると小さくなる。つまり、第1実施例に係る構成では、トータル流量に対してオイル7の流量が占める割合が減少するために、初期駆動トルクが減少する。なお、始動からある程度時間が経過すると、オイルレベルが下がり、フロート弁3が閉となって気体の吸入が停止されるため、第1実施例に係る構成によるオイル割合は、比較例に係る構成によるオイル割合と概ね同一となる。
【0041】
以上より、本発明の第1実施例によれば、オイルパン1内の気体を積極的に吸入することによって、初期駆動トルクを適切に減少させることができる。これにより、始動時に生じ得る、シャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制することができる。そのため、複数のポンプをシリーズに配置し、一本のシャフトによって同軸駆動されるようにオイル供給装置を構成しても、シャフト折損の発生を抑制することが可能となる。
【0042】
ここで、リリーフバルブやトルクリミッターなどの装置を用いる構成によってもシャフト折損などの発生を抑制することができるが、第1実施例に係る構成は、このような構成と比較すると、簡便な構成及び低コストによって、シャフト折損などの発生を防止することができる。
【0043】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0044】
図5は、第2実施例に係る流体吸入部42の構成を示す概略図である。詳しくは、図5は、流体吸入部42などの側面図を示す図であり、一部分を透視して示している。また、図6は、図5中の矢印B方向から流体吸入部42を観察した図を示す。なお、流体吸入部42を前述したオイル供給システム100に適用する場合には、流体吸入部41の代わりに流体吸入部42を適用すれば良い。
【0045】
流体吸入部42は、吸入部21aと、吸入通路21bと、吸入部22aと、吸入通路22bと、を有する。吸入部21aは、ドーム形状を有するメッシュで構成されており、吸入通路21bの吸入口に設けられている。吸入部22aは、ドーム形状を有するメッシュで構成されており、吸入通路22bの吸入口に設けられている。吸入通路22bは第1吸入通路として機能し、吸入通路21bは第2吸入通路として機能する。
【0046】
流体吸入部42は、スカベンジポンプ4に接続されており、スカベンジポンプ4が駆動することによってオイル7及び気体を吸入する。具体的には、流体吸入部42は、吸入通路21bの吸入部21aから気体を吸入すると共に、吸入通路22bの吸入部22aからオイル7を吸入する。このように吸入部21aと吸入部22aにおいて別の流体が吸入されるのは、吸入部22aがオイルレベル55よりも低い位置に設けられており、且つ、吸入部21aがオイルレベル55よりも高い位置に設けられているからである。より詳しくは、吸入部21aは、常にオイルレベル55よりも高くなるような位置に設けられており、吸入部22aは、オイルパン1の底面部に設けられている。
【0047】
なお、吸入部21a及び吸入通路21bには前述したフロート弁3のような弁が設けられていないため、流体吸入部42は、前述した流体吸入部41と異なり、始動時だけでなく通常運転時にも気体を吸入する。即ち、流体吸入部42は、吸入部21aから気体を吸入し続ける。この場合、エンジンの通常運転時には、オイルパン1内にはオイル7が気化した気体が充満しているため、吸入部21aからは主にオイル7が気化した気体が吸入される。したがって、吸入部21aから気体を吸入し続けても、オイル割合を高くすることができるため、エンジンに対して十分な油量を供給することが可能となる。
【0048】
以上より、本発明の第2実施例によれば、オイルパン1内の気体を積極的に吸入するため、初期駆動トルクを適切に減少させることができる。したがって、始動時に生じ得る、シャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制することができる。
【0049】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0050】
図7は、第3実施例に係る流体吸入部43の構成を示す概略図である。詳しくは、図7は、流体吸入部43などの側面図を示す図であり、一部分を透視して示している。また、図8は、図7中の矢印C方向から流体吸入部43を観察した図を示す。なお、流体吸入部43を前述したオイル供給システム100に適用する場合には、流体吸入部41の代わりに流体吸入部43を適用し、スカベンジポンプ4の代わりに2つのスカベンジポンプ4a、4bを適用すれば良い。
【0051】
流体吸入部43は、可動部23と、吸入通路24と、吸入部26と、吸入通路27と、を有する。
【0052】
可動部23は、吸入通路24の吸入口付近に接続されており、オイルレベル55に応じて矢印58で示すように移動する。可動部23は、オイルパン1の内壁面に設けられたストッパ25によって、吸入通路24から離脱しないように構成されている。また、可動部23は、ドーム形状を有するメッシュで構成された吸入部23aを有する。この吸入部23aは、可動部23が移動することによって、常にオイルレベル55の上方に位置するように維持される。
【0053】
吸入通路24は、スカベンジポンプ4aに接続されている。一方、吸入通路27は、スカベンジポンプ4bに接続されている。この吸入通路27の吸入口には、ドーム形状を有するメッシュで構成されている吸入部26が設けられている。なお、スカベンジポンプ4aとスカベンジポンプ4bは、一本のシャフトによって同軸駆動される。
【0054】
スカベンジポンプ4aが駆動されることによって、可動部23の吸入部23aから気体が吸入される。一方、スカベンジポンプ4bが駆動されることによって、吸入部26からオイル7が吸入される。このように吸入部23aと吸入部26において別の流体が吸入されるのは、吸入部26がオイルレベル55よりも低い位置に設けられており、且つ、吸入部23aがオイルレベル55よりも高い位置に維持されているからである。なお、吸入部23aの位置は、常にオイルレベル55よりも高くなるように設計されている。
【0055】
このように、吸入通路27は第1吸入通路として機能し、吸入通路24は第2吸入通路として機能する。
【0056】
ここで、可動部23の具体的な構成について、図9を用いて説明する。
【0057】
図9は、図8中の切断線C1−C2に沿った可動部23及び吸入通路24の断面図を示す。図9(a)はエンジンの始動時における状態を示し、図9(b)はエンジンの通常運転時の状態を示している。
【0058】
可動部23は、吸入部23aと、フローティング部23bと、ボディ23cと、を有する。
【0059】
ボディ23cは、円筒形状を有しており、中空部分に吸入通路24が挿入されている。ボディ23cの上部の外周壁には、リング形状を有するフローティング部23bが設けられている。ボディ23cの上端部には、ドーム形状を有するメッシュで構成された吸入部23aが設けられている。また、ボディ23cの下部の内壁面には溝が形成されており、この溝にOリング23dがはめ込まれている。可動部23が吸入通路24に対して移動する際には、このOリング23dによって吸入通路24に対してガイドされる。
【0060】
図9(a)に示すように、エンジンの始動時には、オイルレベル56aは高く、オイルレベル56aとフローティング部23bの位置は概ね一致する。言い換えると、フローティング部23bは、浮力を受けることによってオイル7の液面に浮上している。これにより、可動部23は上方に維持されている。
【0061】
一方、図9(b)に示すように、エンジンの通常運転時には、オイルレベル56bは低い。この場合、オイルレベル56bがフローティング部23bの位置よりも低くなるまで下がると共に、可動部23の底面部がオイルパン1の底面部1aに接触する位置まで下がる。これは、可動部23の底面部がオイルパン1の底面部1aに接触する位置にあるときのフローティング部23bの位置よりも、オイルレベル56bが下がっているからである。オイルレベル56bが上記のような位置まで下がることにより、フローティング部23bがオイル7中に位置しなくなるため、フローティング部23bは浮力を受けない。
【0062】
上記した第3実施例に係る構成の場合、エンジンの始動時だけでなく通常運転時にも、可動部23の吸入部23aの位置がオイルレベルよりも高くなる。そのため、吸入部23aから、気体の吸入は停止されず、気体が吸入され続ける。この場合、通常運転時には、主にオイル7が気化した気体が吸入部23aから吸入される。したがって、吸入部23aから気体を吸入し続けても、オイル割合を高くすることができるため、エンジンに対して十分な油量を供給することが可能となる。
【0063】
以上より、本発明の第3実施例によれば、オイルパン1内の気体を積極的に吸入するため、初期駆動トルクを適切に減少させることができる。したがって、始動時に生じ得る、シャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制することができる。
【0064】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0065】
図10は、第4実施例に係る流体吸入部44の構成を示す概略図である。詳しくは、図10は、流体吸入部44などの側面図を示す図であり、一部分を透視して示している。なお、流体吸入部44を前述したオイル供給システム100に適用する場合には、流体吸入部41の代わりに流体吸入部44を適用すれば良い。
【0066】
流体吸入部44は、フロート弁30と、吸入通路31と、吸入部33と、吸入通路34と、を有する。
【0067】
フロート弁30は、吸入通路31の吸入口付近に接続されており、オイルレベル55に応じて矢印59で示すように移動する。また、フロート弁30の上部には、複数の吸入穴が設けられており、この吸入穴にはメッシュで構成された吸入部30aが設けられている。
【0068】
吸入通路31は吸入通路34に接続されており、吸入通路34はスカベンジポンプ4に接続されている。吸入通路34の吸入口には、ドーム形状を有するメッシュで構成されている吸入部33が設けられている。このように、吸入通路34は第1吸入通路として機能し、吸入通路31は第2吸入通路として機能する。
【0069】
基本的には、スカベンジポンプ4が駆動されることによって、フロート弁30の吸入部30aから気体が吸入されると共に、吸入部33からオイル7が吸入される。このように吸入部30aと吸入部33において別の流体が吸入されるのは、吸入部33がオイルレベル55よりも低い位置に設けられており、且つ、吸入部30aがオイルレベル55よりも高い位置に維持されるからである。
【0070】
フロート弁30は、オイルレベル55に応じて、矢印59で示すように移動する。このようにフロート弁30が移動することにより、弁の開閉が行われ、吸入部30aからの気体の供給と、気体の供給の停止が行われる。具体的には、オイルレベル55が高い位置にあるときには、吸入部30aから気体が吸入されるような位置にフロート弁30は位置し、オイルレベル55が低い位置にあるときには、吸入部30aから気体が吸入されないような位置にフロート弁30は位置する。これにより、エンジンの始動時には、吸入部30aから気体が吸入され、通常運転時には、吸入部30aから気体は吸入されない。
【0071】
ここで、フロート弁30の具体的な構成について、図11を用いて説明する。
【0072】
図11は、図10中の切断線D1−D2に沿ったフロート弁30及び吸入通路31の断面図を示す。図11(a)はエンジンの始動時における状態を示し、図11(b)はエンジンの通常運転時の状態を示している。
【0073】
フロート弁30は、吸入部30aと、フローティング部30bと、ボディ30cと、を有する。
【0074】
ボディ30cは、円筒形状を有しており、その中空部分に吸入通路31が挿入されている。ボディ30cの下部の外周壁には、リング形状を有するフローティング部30bが設けられている。ボディ30cの上部には、複数の吸入穴が設けられており、この吸入穴にはメッシュで構成された吸入部30aが設けられている。吸入部30aは、フロート弁30が移動することによって開放されたり、塞がれたりする。
【0075】
また、ボディ30cの下部の内壁面には溝が形成されており、この溝にOリング30dがはめ込まれている。フロート弁30が吸入通路31に対して移動する際には、このOリング30dによって吸入通路31に対してガイドされる。更に、ボディ30cの上部の内壁面には、シール部30eが貼り付けられている。このシール部30eを介して、ボディ30cの上部の内壁面と吸気通路31の上端部31aとが接触する。
【0076】
図11(a)に示すように、エンジンの始動時には、オイルレベル56aは高く、オイルレベル56aとフローティング部30bの位置は概ね一致する。言い換えると、フローティング部30bは、浮力を受けることによってオイル7の液面に浮上している。これにより、フロート弁30は上方に維持されている。そのため、吸入部30aから吸気通路31への通路が開放されるため、吸入部30aから気体が吸入される。具体的には、気体は実線矢印で示すように吸入部30aと吸入通路31を通過していく。
【0077】
一方、図11(b)に示すように、エンジンの通常運転時には、オイルレベル56bは低い。この場合、オイルレベル56bがフローティング部30bの位置よりも低くなるまで下がることによって、シール部30eが吸入通路31の上端部31aに接触する位置までフロート弁30が下降する。フロート弁30が上記のような位置まで下降することにより、吸入部30aが吸入通路31の外壁面によって塞がれる。そのため、吸入部30aから吸気通路31への通路が遮断されるため、気体の吸入は行われない。
【0078】
このように、フロート弁30は、オイルレベルに応じて移動することによって、吸入部30aの開閉を行う。詳しくは、エンジンの始動時には吸入部30aが開となるため、気体の吸入が行われ、エンジンの通常運転時には吸入部30aが閉となるため、気体の吸入は行われない。
【0079】
以上より、本発明の第4実施例によれば、オイルパン1内の気体を積極的に吸入するため、初期駆動トルクを適切に減少させることができる。したがって、始動時に生じ得る、シャフト折損や駆動チェーンの破損などの発生を抑制することができる。
【0080】
[変形例]
ここで、図12を用いて、前述したオイル供給システム100の変形例について説明する。
【0081】
図12は、変形例に係るオイル供給システム101の概略構成を示すブロック図である。オイル供給システム101は、流体吸入部41とスカベンジポンプ4を有するオイル供給装置だけでなく、リリーフバルブ12とスカベンジポンプ40を有するオイル供給装置を具備する点で、前述したオイル供給システム100とは構成が異なる。即ち、オイル供給システム101は、オイルパン1内のオイルを吸入するオイル供給装置を2つ具備している。
【0082】
この場合、スカベンジポンプ4及びスカベンジポンプ40は、同一のシャフトによって駆動される。即ち、スカベンジポンプ4及びスカベンジポンプ40は、一本のシャフトによって同軸駆動される。詳しくは、スカベンジポンプ4はオイルと気体を吸入し、スカベンジポンプ40はオイルのみを吸入する。この場合、スカベンジポンプ40は、リリーフバルブ12によって油量の制御が行われたオイルを吸入する。
【0083】
以上より、変形例に係るオイル供給システム101によれば、初期駆動トルクを適切に減少させることができると共に、始動時に必要な油量を確実に確保することができる。
【0084】
なお、他の例では、3つ以上のオイル供給装置を用いてオイル供給システムを構成することができる。また、流体吸入部41とスカベンジポンプ4を有するオイル供給装置の他に適用されるオイル供給装置は、リリーフバルブなどのバルブを用いないで構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施例に係るオイル供給システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例に係る流体吸入部の構成を説明するための図である。
【図3】第1実施例に係るフロート弁の断面図を示す。
【図4】第1実施例に係る構成によるポンプの駆動トルクと、比較例に係る構成によるポンプの駆動トルクを示す図である。
【図5】第2実施例に係る流体吸入部の構成を説明するための図である。
【図6】図5中の矢印B方向から観察した図を示す。
【図7】第3実施例に係る流体吸入部の構成を説明するための図である。
【図8】図7中の矢印C方向から観察した図を示す。
【図9】第3実施例に係る可動部の断面図を示す。
【図10】第4実施例に係る流体吸入部の構成を説明するための図である。
【図11】第4実施例に係るフロート弁の断面図を示す。
【図12】変形例に係るオイル供給システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1 オイルパン
2b、3d 吸入通路
2c、3f 吸入口
3、30 フロート弁
3a、23b、30b フローティング部
4、4a、4b、40 スカベンジポンプ
5 シリンダブロック
6 バッフルプレート
7 オイル
41、42、43、44 流体吸入部
100、101 オイル供給システム




 

 


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