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発明の名称 内燃機関の排気浄化システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16666(P2007−16666A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197911(P2005−197911)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
発明者 大羽 孝宏
要約 課題
酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、触媒をより速やかに昇温させることが可能な技術を提供することを課題とする。

解決手段
触媒を活性温度にまで昇温させるときに、排気流量制御弁を閉弁状態とすると共に吸入空気量制御弁を開弁状態とする(S102)。そして、さらに、内燃機関における燃料噴射時期を遅角することで機関排出排気を昇温させる(S105、S109)。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けられ、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置と、
前記内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御弁と、
前記排気通路における排気流量を制御する排気流量制御弁と、
前記内燃機関における燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手段と、
前記触媒を昇温させる昇温手段と、を備え、
前記昇温手段は、前記触媒を昇温させる場合、前記排気流量制御弁を閉弁状態とすると共に前記吸入空気量制御弁を開弁状態とし、さらに、前記噴射時期制御手段によって前記内燃機関における燃料噴射時期を遅角することで、前記内燃機関から排出される排気を昇温させることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
【請求項2】
前記昇温手段が、前記触媒を活性温度にまで昇温させるものであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項3】
前記触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記触媒の温度を推定する温度推定手段と、
規定条件が成立したときに、前記昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に前記還元剤供給手段によって前記触媒に還元剤を供給することで前記排気浄化装置をさらに昇温させ、それによって、前記排気浄化装置の排気浄化能力を再生させる再生制御を実行する再生手段と、
前記触媒の劣化度合いを推定する劣化度合い推定手段と、
前記触媒の劣化度合いに基づいて前記再生制御実行時における前記触媒への還元剤供給量を制御する供給量制御手段と、をさらに備え、
前記劣化度合い推定手段は、前記内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときであって前記規定条件が成立する以前に、前記昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に前記還元剤供給手段によって前記触媒に還元剤を供給し、該還元剤を供給したときの前記触媒の昇温速度に基づいて前記触媒の劣化度合いを推定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項4】
前記排気浄化装置が、排気中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを有し、該パティキュレートフィルタより上流側に前記触媒が配置されて構成されており、
前記触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気通路における前記パティキュレートフィルタの上流側と前記パティキュレートフィルタの下流側との差圧を検出する差圧検出手段と、
該差圧検出手段によって検出される差圧に基づいて前記パティキュレートフィルタにおけるPM捕集量を推定する捕集量推定手段と、
該捕集量推定手段によって推定されたPM捕集量が規定捕集量以上となったときに、前記昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に前記還元剤供給手段によって前記触媒に還元剤を供給することで前記パティキュレートフィルタをPM酸化温度にまで昇温させ、それによって、該パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化・除去するフィルタ再生制御を実行するフィルタ再生手段と、
前記パティキュレートフィルタの上流側端面におけるHC付着量を推定するHC量推定手段と、
前記パティキュレートフィルタの上流側端面に付着したHCを除去するHC除去手段と、をさらに備え、
前記HC除去手段は、前記内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときであって且つHC量推定手段によって推定されたHC付着量が規定付着量以上となったときに、前記昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に前記還元剤供給手段によ
って前記触媒に還元剤を供給することで前記パティキュレートフィルタを前記PM酸化温度より低いHC酸化温度にまで昇温させることでHCを除去することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項5】
前記排気浄化装置が、排気中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタを有し、該パティキュレートフィルタに前記触媒が担持され且つ該パティキュレートフィルタの上流側にも前記触媒が配置されて構成されており、
前記排気浄化装置より上流側から前記触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に前記還元剤供給手段によって前記触媒に還元剤を供給することで前記パティキュレートフィルタをPM酸化温度にまで昇温させ、それによって、該パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化・除去するフィルタ再生制御を実行するフィルタ再生手段をさらに備え、
前記フィルタ再生制御実行時において、前記内燃機関の吸入空気量が規定空気量以下の場合、前記触媒の温度が活性温度に達した後は前記吸入空気量制御弁および前記排気流量制御弁を開弁状態とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項6】
前記フィルタ再生制御実行時において、前記吸入空気量制御弁および前記排気流量制御弁を開弁状態とした後、前記パティキュレートフィルタより上流側に配置された前記触媒の温度が活性温度より低くなったときは、前記排気流量制御弁を閉弁状態とすることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の排気浄化システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気浄化システムにおいては、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えたものがある。このような排気浄化システムでは、排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるべく排気浄化装置を昇温させる場合がある。
【0003】
排気浄化装置を昇温させる方法としては、内燃機関から排出される排気(以下、機関排出排気と称する)を昇温させることで触媒を活性温度にまで昇温させると共に、活性温度にまで昇温された触媒に還元剤を供給することで排気浄化装置を昇温させる方法が知られている。
【0004】
特許文献1には、内燃機関においてパイロット噴射及び主燃料噴射の実行時期を圧縮行程上死点後に遅角することで機関排出排気を昇温させ、その後、吸入空気量を減少させることにより排気中の未燃燃料を増加させることで触媒に燃料(即ち、還元剤)を供給する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、排気浄化装置を昇温させる場合に、該排気浄化装置より下流側に設けられた排気絞り弁を閉弁する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−227381号公報
【特許文献2】特開平7−97918号公報
【特許文献3】特開2003−83029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化装置を昇温させるべく触媒を活性温度にまで昇温させる場合、吸入空気量を減少させる場合がある。吸入空気量を減少させるとポンピングロスが増加するために燃料噴射量が増加する。これにより、機関排出排気の温度が上昇する。また、吸入空気量が減少すると排気流量も減少するため、排気によって触媒から持ち去られる熱量(以下、単に、持ち去り熱量と称する)が減少する。これらによって、触媒が昇温されることになる。
【0007】
しかしながら、吸入空気量が減少することにより排気流量が減少すると、触媒に供給されるエネルギー量が減少することになる。これは、触媒の昇温速度を抑制する要因となる。そして、触媒の昇温速度が遅いほど、排気浄化装置の昇温により時間がかかることになる。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、触媒をより速やかに昇温させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、触媒を昇温させる場合、排気流量制御弁を閉弁状態とすると
共に吸入空気量制御弁を開弁状態とする。そして、さらに、内燃機関における燃料噴射時期を遅角することで機関排出排気を昇温させる。
【0010】
より詳しくは、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、
内燃機関の排気通路に設けられ、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置と、
前記内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御弁と、
前記排気通路における排気流量を制御する排気流量制御弁と、
前記内燃機関における燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手段と、
前記触媒を昇温させる昇温手段と、を備え、
前記昇温手段は、前記触媒を昇温させる場合、前記排気流量制御弁を閉弁状態とすると共に前記吸入空気量制御弁を開弁状態とし、さらに、前記噴射制御手段によって前記内燃機関における燃料噴射時期を遅角することで、前記内燃機関から排出される排気を昇温させる。
【0011】
ここで、排気流量制御弁を閉弁状態にする場合、排気流量制御弁の開度を可及的に小さくしても良い。また、吸入空気量制御弁を開弁状態にする場合、吸入空気量制御弁の開度を、可及的に大きくしても良く、また、吸入空気量が可及的に多い量となる開度としても良い。
【0012】
排気流量制御弁を閉弁状態とすると、該排気流量制御弁より上流側の排気通路内の圧力が上昇する。これに伴って、内燃機関の筒内圧も上昇する。さらに、本発明においては、吸入空気量制御弁を開弁状態とするため吸入空気量制御弁を閉弁状態とした場合よりも吸入空気量が多くなる。そのため、内燃機関の筒内圧がより高くなる。
【0013】
内燃機関の筒内圧が高いほど筒内において燃料が燃焼し易くなるため、燃料噴射時期をより遅角することが出来る。そして、噴射された燃料が燃焼する範囲内で燃料噴射時期を遅角するほど機関排出排気の温度をより昇温することが出来る。
【0014】
さらに、吸入空気量制御弁を開弁状態とすることで吸入空気量を増加させた場合、排気流量も増加する。そのため、吸入空気量制御弁を閉弁状態とした場合よりも触媒に供給されるエネルギーを増加させることが出来る。
【0015】
また、吸入空気量が増加することによって燃料噴射量を増加させることが出来る。これにより、機関排出排気をさらに昇温することが出来る。
【0016】
一方、吸入空気量制御弁を開弁状態とした場合、吸入空気量制御弁を閉弁状態とした場合よりも、ポンピングロスが減少したり、また、持ち去り熱量が増加したりする虞がある。これらは触媒の温度低下の要因となり得る。
【0017】
しかしながら、ポンピングロスの減少や持ち去り熱量の増加に起因する触媒の温度低下分よりも、上記のような、燃料噴射時期の遅角量の増加及び排気流量の増加に起因する触媒の温度上昇分の方がより大きい。
【0018】
従って、本発明によれば、触媒をより速やかに昇温させることが出来る。
【0019】
尚、本発明において、触媒を昇温させる場合、内燃機関における燃料噴射を、主燃料噴射と、該主燃料噴射より後の時期であって且つ噴射された燃料が燃焼に供される時期に実行される副燃料噴射とによって行っても良い。
【0020】
この場合、主燃料噴射時期が遅角されると共に、遅角された主燃料噴射の後で副燃料噴射が実行される。そして、この場合、主燃料噴射の実行時期と副燃料噴射の実行時期との間隔を可及的に長くしても良い。つまり、副燃料噴射時期を可及的に遅角しても良い。これにより、機関排出排気をより昇温することが出来る。
【0021】
また、本発明においては、昇温手段が、触媒を活性温度にまで昇温させるものであっても良い。
【0022】
本発明においては、触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、触媒の温度を推定する温度推定手段と、規定条件が成立したときに排気浄化装置の排気浄化能力を再生させる再生制御を実行する再生手段とをさらに備えても良い。
【0023】
この場合、再生手段は、昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させると共に、還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給することで排気浄化装置をさらに昇温させる。
【0024】
つまり、この場合の再生制御では、昇温手段によって活性温度にまで昇温された触媒に還元剤が供給される。そして、供給された還元剤が酸化することで発生する酸化熱によって排気浄化装置がさらに昇温される。
【0025】
このような再生制御においては、触媒への還元剤供給量を可及的に多くすることで排気浄化装置をより速やかに昇温させることが出来る。しかしながら、触媒への還元剤供給量が過剰な量となると、還元剤が触媒で酸化されることなく大気中に放出され排気エミッションの悪化を招く虞がある。一方、触媒の酸化能力は該触媒の劣化度合いによって変化する。つまり、触媒の劣化度合いが大きくなるほど該触媒において還元剤が酸化され難くなる。そのため、再生制御実行時においては、触媒の劣化度合いに応じて触媒への還元剤供給量を制御する必要がある。
【0026】
そこで、上記構成の場合、触媒の劣化度合いを推定する劣化度合い推定手段と、触媒の劣化度合いに基づいて再生制御実行時における触媒への還元剤供給量を制御する供給量制御手段と、をさらに備えても良い。この場合、劣化度合い推定手段は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときであって規定条件が成立する以前に、昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給する。そして、還元剤を供給したときの触媒の昇温速度に基づいて該触媒の劣化度合いを推定する。
【0027】
活性状態にある触媒に還元剤を供給した場合、触媒の劣化度合いが大きいほど該触媒の昇温速度は遅くなる。そのため、触媒の昇温速度に基づいて該触媒の劣化度合いを推定することが出来る。
【0028】
また、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときは、該内燃機関の運転状態が触媒の温度変化に与える影響が比較的小さい。そのため、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときに触媒の劣化度合いを推定した場合、該劣化度合いをより精度良く推定することが出来る。しかしながら、触媒を活性温度にまで昇温させる時間が長くなると、触媒の劣化度合いの推定にかかる時間が長くなる。その結果、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にある間に触媒の劣化度合いを推定することが困難となる。
【0029】
そこで、劣化度合い推定手段は、上述した昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させる。これにより、触媒の劣化度合いの推定にかかる時間をより短縮することが出来る。その結果、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にある間に触媒の劣化度合いを推定することが可能となる。
【0030】
従って、上記構成によれば、触媒の劣化度合いをより精度良く推定することが出来る。そして、所定条件が成立する以前、即ち、再生制御が実行される前に触媒の劣化度合いを推定し、再生制御実行時における触媒への還元剤供給量を該劣化度合いに基づいて制御することで、還元剤供給量をより精度よく制御することが出来る。これにより、排気エミッションの悪化を抑制しつつ再生制御をより短時間で行うことが可能となる。
【0031】
本発明において、排気浄化装置が、排気中の粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集するパティキュレートフィルタ(以下、単に、フィルタと称する)を有し、該フィルタより上流側に触媒が配置されて構成されている場合、触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、排気通路におけるフィルタの上流側とフィルタの下流側との差圧(以下、前後差圧と称する)を検出する差圧検出手段と、該差圧検出手段によって検出される前後差圧に基づいてフィルタにおけるPM捕集量を推定する捕集量推定手段と、フィルタに捕集されたPMを酸化・除去するフィルタ再生制御を実行するフィルタ再生手段と、をさらに備えても良い。
【0032】
この場合、フィルタ再生手段は、捕集量推定手段によって推定されたPM捕集量が規定捕集量以上となったときにフィルタ再生制御を実行する。このときのフィルタ再生制御は、昇温手段によって前記触媒を活性温度にまで昇温させると共に還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給することでフィルタをPM酸化温度にまで昇温させることで行われる。
【0033】
ここで、規定捕集量とは、内燃機関の運転状態への影響が過剰に大きくなる捕集量の下限値よりも少ない量であり、また、PMが酸化したときにフィルタが過昇温する虞がある捕集量の下限値よりも少ない量である。
【0034】
上記構成では、捕集量推定手段によって推定されたPM捕集量が規定捕集量以上となったときにフィルタ再生制御が開始される。しかしながら、フィルタの上流側端面にPMが捕集された場合、フィルタにおけるセルの壁面(以下、フィルタの内部と称する)にPMが捕集された場合に比べて前後差圧が上昇し難い。
【0035】
そのため、フィルタの上流側端面に捕集されたPMが増加すると、捕集量推定手段によって推定されたPM捕集量が実際のPM捕集量よりも少なくなる場合がある。このような場合、規定捕集量が、内燃機関の運転状態への影響が過剰に大きくなる捕集量の下限値近傍の量、もしくは、PMが酸化したときにフィルタが過昇温する虞がある捕集量の下限値近傍の量に設定されていると、実際のPM捕集量が過剰な量となる虞がある。また、規定捕集量をより少ない量に設定すると、フィルタ再生制御の実行頻度がより高くなる虞がある。
【0036】
そこで、上記構成の場合、フィルタの上流側端面におけるHC付着量を推定するHC量推定手段と、フィルタの上流側端面に付着したHCを除去するHC除去手段と、をさらに備えても良い。この場合、HC除去手段は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときであって且つHC量推定手段によって推定されたHC付着量が規定付着量以上となったときに、昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させると共に還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給することでフィルタをPM酸化温度より低いHC酸化温度にまで昇温させる。これにより、フィルタの上流側端面に付着したHCを除去する。
【0037】
フィルタの上流側端面においては、先ずHCが付着し、該HCにPMが付着することでHCの捕集が促進される。そのため、フィルタの上流側端面に付着したHCを除去することによって該端面にPMが捕集されるのを抑制することが出来る。
【0038】
ここで、規定付着量とは、予め定められた量であって、PMの捕集が促進され易くなるHC付着量の下限値より少ない量であっても良い。
【0039】
内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にある場合は、排気の温度が比較的低いためフィルタの上流側端面にHCが付着しやすい。そこで、HC除去手段は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にあるときであって且つHC量推定手段によって推定されたHC付着量が規定付着量以上となったときに、上述した昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させる。そして、さらに、還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給することでフィルタをHC酸化温度にまで昇温させる。
【0040】
昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させることで、フィルタをHC酸化温度にまで昇温させるのにかかる時間をより短縮することが出来る。その結果、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態にある間にHCを除去することが可能となる。尚、HCはPMに比べて酸化され易いため、フィルタをPM酸化温度より低いHC酸化温度にまで昇温させることでHCを除去することが出来る。
【0041】
このように、上記構成によれば、フィルタの上流側端面にPMが捕集されるのを抑制することが出来る。そのため、フィルタにおけるPM捕集量を前後差圧に基づいてより精度よく推定することが出来る。その結果、フィルタ再生制御をより好適なタイミングで実行することが可能となる。
【0042】
本発明においては、排気浄化装置がフィルタを有する場合、該フィルタの上流側に触媒が配置されると共に、該フィルタに触媒が担持されていても良い。また、このような場合おいては、排気浄化装置より上流側から触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、フィルタに捕集されたPMを酸化・除去するフィルタ再生制御を実行するフィルタ再生手段をさらに備えても良い。このフィルタ再生手段は、前記と同様、上述した昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させると共に還元剤供給手段によって触媒に還元剤を供給することでフィルタをPM酸化温度にまで昇温させる。そして、このような構成の場合、フィルタ再生手段によるフィルタ再生制御実行時において、内燃機関の吸入空気量が規定空気量以下の場合、触媒の温度が活性温度に達した後は吸入空気量制御弁および排気流量制御弁を開弁状態としても良い。
【0043】
上記構成の場合、排気浄化装置より上流側から触媒に還元剤が供給される。そのため、フィルタに担持された触媒には、フィルタより上流側に配置された触媒で酸化されずに該触媒を通過した還元剤が供給される。
【0044】
ここで、昇温手段によって触媒を活性温度にまで昇温させているときは排気流量制御弁が閉弁状態となっている。この場合、排気流量制御弁が開弁状態にある場合に比べて、排気浄化装置を通る排気の流量が少なくなる。
【0045】
排気浄化装置を通る排気の流量が比較的少ない状態で還元剤手段から還元剤が供給された場合、該排気の流量が比較的多い状態の場合に比べて、フィルタより上流側に配置された触媒において還元剤が酸化され易くなる。つまり、フィルタより上流側に配置された触媒を還元剤が通過し難くなる。そのため、フィルタに担持された触媒に還元剤が供給され難くなる。その結果、フィルタの昇温速度が低下する虞がある。
【0046】
そこで、上記のように、フィルタ再生制御実行時において、内燃機関の吸入空気量が規定空気量以下の場合、触媒の温度が活性温度に達した後は吸入空気量制御弁のみならず排気流量制御弁をも開弁状態とする。ここで、規定空気量とは、排気流量制御弁が閉弁され
た状態では、フィルタに担持された触媒に還元剤が供給され難くなるほど排気浄化装置を通る排気の流量が少なくなると判断出来る吸入空気量の上限値以上の値である。この規定空気量は実験等によって予め定められた値である。
【0047】
これにより、吸入空気量制御弁と排気流量制御弁とを共に開弁状態とすることで、排気浄化装置を通る排気の流量を増加させることが出来る。その結果、フィルタに担持された触媒に還元剤が供給され易くなるため、フィルタをより速やかに昇温することが可能となる。
【0048】
尚、上記構成において、吸入空気量制御弁および排気流量制御弁を開弁状態とすることで排気浄化装置を通る排気の流量を増加させると、持ち去り熱量が増加することになる。その結果、フィルタより上流側に配置された触媒の温度が活性温度より低くなる場合がある。このような場合、排気流量制御弁を再度閉弁状態としても良い。
【0049】
これにより、フィルタより上流側に配置された触媒の温度をより速やかに活性温度に戻すことが出来る。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、酸化機能を有する触媒を含んで構成される排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、触媒をより速やかに昇温させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0052】
<内燃機関の吸排気系の概略構成>
ここでは、本発明を車両駆動用のディーゼル機関に適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。
【0053】
内燃機関1は車両駆動用のディーゼル機関である。この内燃機関1には、吸気通路3および排気通路2が接続されている。吸気通路3には、エアフロメータ7およびスロットル弁8が設けられている。
【0054】
一方、排気通路2には、排気中のPMを捕集するパティキュレートフィルタ4(以下、単にフィルタ4と称する)が設けられている。また、フィルタ4より上流側の排気通路2に酸化触媒5が設けられている。尚、酸化触媒5は酸化機能を有した触媒であれば良く、例えば、吸蔵還元型NOx触媒であっても良い。
【0055】
さらに、酸化触媒5より上流側の排気通路2には排気中に燃料を添加する燃料添加弁6が設けられている。フィルタ4より下流側の排気通路2には排気絞り弁9が設けられている。
【0056】
また、排気通路2には、フィルタ4の前後における排気通路2内の圧力差に対応した電気信号を出力する差圧センサ11が設けられている。排気通路2における酸化触媒5より上流側には該排気通路2内の圧力に対応した電気信号を出力する圧力センサ13が設けられている。排気通路2における酸化触媒5より下流側且つフィルタ4より上流側、および、排気通路2におけるフィルタ4より下流側且つ排気絞り弁9より上流側には、排気の温度に対応した電気信号を出力する上流側温度センサ12および下流側温度センサ16がそれぞれ設けられている。
【0057】
以上述べたように構成された内燃機関1には、この内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0058】
ECU10には、エアフロメータ7および差圧センサ11、圧力センサ13、上流側温度センサ12、下流側温度センサ16、さらに、内燃機関1のクランクシャフトの回転角に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ14、および、内燃機関1を搭載した車両のアクセル開度に対応した電気信号を出力するアクセル開度センサ15が電気的に接続されている。そして、これらの出力信号がECU10に入力される。
【0059】
ECU10は、クランクポジションセンサ14の検出値に基づいて内燃機関1の回転数(以下、単に機関回転数と称する)を算出し、アクセル開度センサ15の検出値に基づいて内燃機関1の負荷を算出する。また、ECU10は、上流側温度センサ12の検出値に基づいて酸化触媒5の温度を推定し、下流側温度センサ16の検出値に基づいてフィルタ4の温度を推定する。さらに、ECU10は、差圧センサ11の検出値に基づいてフィルタ4におけるPM捕集量を推定する。
【0060】
また、ECU10には、スロットル弁8や燃料添加弁6、排気絞り弁9、内燃機関1の燃料噴射弁が電気的に接続されている。ECU10によってこれらが制御される。
【0061】
<フィルタ再生制御>
本実施例においては、フィルタ4におけるPM捕集量が第一規定量以上となった場合、PMを酸化・除去すべくフィルタ再生制御が開始される。ここで、第一規定量とは、内燃機関1の運転状態への影響が過剰に大きくなる捕集量よりも少ない量であり、また、PMが酸化したときにフィルタ4が過昇温する虞がある捕集量よりも少ない量である。この第一規定量は実験等によって予め定められている。
【0062】
本実施例に係るフィルタ再生制御では、排気昇温制御を実行することで機関排出排気を昇温させ、それによって酸化触媒5の温度を活性温度にまで上昇させる。そして、燃料添加弁6から燃料を添加することで、活性状態にある酸化触媒5に還元剤を供給する。このとき、酸化触媒5において燃料が酸化することで発生する酸化熱によってフィルタ4がPM酸化温度にまで昇温される。これによって、PMが酸化・除去される。
【0063】
そして、フィルタ再生制御の実行開始後、フィルタ4におけるPM捕集量が第二規定量以下にまで減少すると、該フィルタ再生制御の実行が停止される。ここで、第二規定量とは、第一規定量より少ない量であって、PM捕集量が再度第一規定量となるまでにはある程度時間がかかると判断出来る閾値となる量である。この第二規定量も実験等によって予め定められた量である。
【0064】
<排気昇温制御>
次に、本実施例に係る排気昇温制御について説明する。本実施例に係る排気昇温制御では、排気絞り弁9を閉弁状態とすると共にスロットル弁8を開弁状態とする。このとき、排気絞り弁9の開度は可及的に小さくされ、スロットル弁8の開度は可及的に大きくされる。そして、内燃機関1における主燃料噴射時期を遅角すると共に副燃料噴射を実行する。ここで、副燃料噴射は、燃焼サイクルにおける主燃料噴射時期よりも後の時期であって、噴射された燃料が燃焼に供される時期に実行される。
【0065】
排気絞り弁9及びスロットル弁8を上記のように制御することで、内燃機関1の筒内圧を可及的に高くすることが出来る。これにより、筒内において燃料が燃焼し易くなるため
、主燃料噴射時期および副燃料噴射時期を可及的に遅角することが出来る。そのため、機関排出排気をより昇温させることが出来る。
【0066】
また、スロットル弁8を開弁状態とすることで排気流量が増加するため、酸化触媒5に供給されるエネルギーをより増加させることが出来る。
【0067】
<排気昇温制御の制御ルーチン>
次に、本実施例に係る排気昇温制御について図2に示すフローチャートに基づいて説明する。図2は、本実施例に係る排気昇温制御の制御ルーチンを表すフローチャートである。本ルーチンは、ECU10に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、規定間隔で実行される。
【0068】
本ルーチンでは、ECU10は、先ずS101において、排気昇温制御の実行条件が成立したか否かを判別する。本実施例では、排気昇温制御の実行条件はフィルタ4におけるPM捕集量が第一規定量以上となることである。S101において、肯定判定された場合、ECU10はS102に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0069】
S102において、ECU10は、排気絞り弁9を閉弁状態とすると共にスロットル弁8を開弁状態とする。
【0070】
次に、ECU10は、S103に進み、要求されている機関回転数Ne(以下、要求機関回転数Netと称する)より機関回転数Neが低いか否かを判別する。S103において、肯定判定された場合、ECU10は、S102における制御により機関回転数Neが要求機関回転数Netより低くなったと判断し、ECU10はS114に進む。一方、S103において、否定判定された場合、ECU10はS104に進む。
【0071】
S114に進んだECU10は、機関回転数を上昇させるべく内燃機関1における主燃料噴射量を増加させる。その後、ECU10はS103に戻る。
【0072】
一方、S104に進んだECU10は、主燃料噴射時期の遅角量Δtm、および、後述するS107における副燃料噴射量の増加量ΔQa、後述するS109における副燃料噴射時期の遅角量Δtaを圧力センサ13の検出値に基づいて算出する。
【0073】
次に、ECU10は、S105に進み、主燃料噴射時期をS104にて算出された遅角量Δtm分遅角させると共に副燃料噴射を実行する。このとき、副燃料噴射量および副燃料噴射時期は、現時点における酸化触媒5の温度等に基づいて決定される。
【0074】
次に、ECU10は、S106に進み、機関回転数Neが要求機関回転数Netより低いか否かを判別する。S106において、肯定判定された場合、ECU10は、S105における制御により機関回転数Neが要求機関回転数Netより低くなったと判断し、S115に進む。一方、S106において、否定判定された場合、ECU10はS107に進む。
【0075】
S115に進んだECU10は、機関回転数を上昇させるべく内燃機関1における主燃料噴射量を増加させる。その後、ECU10はS106に戻る。
【0076】
S107に進んだECU10は、副燃料噴射量をS104にて算出された増加量ΔQa分増加させる。
【0077】
次に、ECU10は、S108に進み、機関回転数Neが要求機関回転数Netより高いか否かを判別する。S108において、肯定判定された場合、ECU10は、S107における制御により機関回転数Neが要求機関回転数Netより高くなったと判断し、S116に進む。一方、S108において、否定判定された場合、ECU10はS109に進む。
【0078】
S116に進んだECU10は、機関回転数を低下させるべく内燃機関1における主燃料噴射量を減少させる。その後、ECU10はS108に戻る。
【0079】
S109に進んだECU10は。副燃料噴射時期をS104にて算出された遅角量Δta分遅角させる。
【0080】
次に、ECU10は、S110に進み、機関回転数Neが要求機関回転数Netより低いか否かを判別する。S110において、肯定判定された場合、ECU10は、S109における制御により機関回転数Neが要求機関回転数Netより低くなったと判断し、S117に進む。一方、S110において、否定判定された場合、ECU10はS111に進む。
【0081】
S117に進んだECU10は、機関回転数を上昇させるべく内燃機関1における主燃料噴射量を増加させる。その後、ECU10はS110に戻る。
【0082】
S111に進んだECU10は、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上であるか否かを判別する。このS111において、肯定判定された場合、ECU10はS112に進み、否定判定された場合、ECU10はS104に戻る。
【0083】
S112において、ECU10は、排気昇温制御の停止条件が成立したか否かを判別する。本実施例では、排気昇温制御の実行条件はフィルタ4におけるPM捕集量が第二規定量以下となることである。S112において、肯定判定された場合、ECU10はS113に進み、否定判定された場合、ECU10はS112を繰り返す。
【0084】
S113において、ECU10は排気昇温制御を停止する。即ち、副燃料噴射を停止すると共に、主燃料噴射時期および主燃料噴射量を通常の時期および量に戻す。その後、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0085】
以上説明した制御ルーチンによれば、主燃料噴射時期および副燃料噴射時期が可及的に遅角される。また、副燃料噴射量が可及的に増加される。これらにより、機関排出排気をより昇温することになる。また、スロットル弁8を開弁状態とすることで排気流量が増加するため、酸化触媒5に供給されるエネルギーが増加する。
【0086】
従って、本実施例によれば、酸化触媒5を活性温度にまでより速やかに昇温させることが出来る。そのため、フィルタ再生制御にかかる時間をより短縮することが出来る。
【0087】
尚、本実施例においては、フィルタ4の代わりに吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒と称する)を設けても良い。この場合、NOx触媒に吸蔵されたSOxを還元するSOx被毒回復制御が実行される。
【0088】
このSOx被毒回復制御においても、フィルタ再生制御と同様、NOx触媒を昇温させるべく、酸化触媒5を活性温度にまで昇温させる必要がある。そこで、本実施例に係る排気昇温制御を適用することによって、SOx被毒回復制御にかかる時間をより短縮することが出来る。
【実施例2】
【0089】
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様であるためその説明を省略する。
【0090】
<劣化度合い推定制御>
本実施例においては実施例1と同様のフィルタ再生制御が行われる。上記のように、フィルタ再生制御では、燃料添加弁6から燃料を添加することで該燃料を酸化触媒5に供給する。このとき、酸化触媒5の劣化度合いが大きくなるほど該酸化触媒5において燃料が酸化され難くなる。そこで、本実施例では、酸化触媒5の劣化度合いを推定すべく劣化度合い推定制御を実行する。そして、推定された劣化度合いに基づいて、フィルタ再生制御実行時における燃料添加弁6からの燃料添加量を制御する。
【0091】
以下、本実施例に係る劣化度合い推定制御の制御ルーチンについて図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU10に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、規定間隔で実行される。
【0092】
本ルーチンでは、ECU10は、先ずS201において、内燃機関1の運転状態がアイドル運転状態であるか否かを判別する。このS201において、肯定判定された場合、ECU10はS202に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0093】
S202において、ECU10は、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第三規定捕集量Qpm3以上となったか否かを判別する。ここで、第三規定捕集量Qpm3とは上述した第一規定捕集量Qpm1よりも僅かに少ない量であって、予め定められた量である。PM捕集量Qpmが第三規定捕集量Qpm3以上となった場合、フィルタ再生制御が実行される直前であると判断出来る。S202において、肯定判定された場合、ECU10はS203に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0094】
S203において、ECU10は、実施例1と同様の排気昇温制御を実行する。この場合、排気昇温制御の実行条件は、内燃機関1の運転状態がアイドル運転状態であって、且つ、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第三規定捕集量Qpm3以上となることである。
【0095】
次に、ECU10は、S204に進み、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上であるか否かを判別する。このS204において、肯定判定された場合、ECU10はS205に進み、否定判定された場合、ECU10はS203に戻る。
【0096】
S205において、ECU10は、燃料添加弁6からの微量燃料添加を規定時間実行する。ここで、微量燃料添加とは、大気中に排出された場合であっても排気エミッション悪化が許容範囲内となる程度の量であって予め定められた量の燃料を添加することである。また、規定時間は、後述する酸化触媒5の昇温速度Rtupを算出することが可能な時間であって、予め定められた時間である。
【0097】
尚、S205においては、微量燃料添加開始後、規定時間が経過した時点で燃料添加弁6からの燃料添加を停止する。また、この燃料添加の停止と同時に排気昇温制御も停止する。この場合、排気昇温制御の停止条件は、微量燃料添加開始後、規定時間が経過することである。
【0098】
次に、ECU10は、S206に進み、S205において微量燃料添加を実行していた
間の酸化触媒5の昇温速度Rtupを算出する。
【0099】
次に、ECU10は、S207に進み、酸化触媒5の昇温速度Rtupに基づいて劣化度合いを算出する。酸化触媒5の劣化度合いが大きいほど昇温速度Rtupは遅くなるため、該昇温速度Rtupに基づいて該劣化度合いを算出することが出来る。
【0100】
尚、S207においては、酸化触媒5の劣化度合いは、フィルタ再生制御実行時における燃料添加弁6からの燃料添加量を補正するための補正係数として算出される。該補正係数と酸化触媒5の昇温速度Rtupとの関係は予めマップとしてECU10に記憶されている。酸化触媒5の劣化度合いを算出した後、ECU20は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0101】
以上説明した制御ルーチンでは、実施例1と同様の排気昇温制御によって酸化触媒5を活性温度にまで昇温する。これにより、劣化度合い推定制御にかかる時間をより短縮することが出来る。その結果、内燃機関1の運転状態が、酸化触媒5の温度変化に与える影響が比較的小さいアイドル運転状態にある間に、酸化触媒5の劣化度合いを推定することが可能となる。
【0102】
従って、本実施例によれば、酸化触媒5の劣化度合いをより精度良く推定することが出来る。
【0103】
そして、本実施例では、推定された酸化触媒5の劣化度合いに基づいて、フィルタ再生制御における燃料添加弁6からの燃料添加量を制御する。これにより、排気エミッションや燃費の悪化を抑制しつつより速やかにフィルタ4に捕集されたPMを酸化・除去することが出来る。
【0104】
尚、本実施例においても、実施例1と同様、フィルタ4の代わりにNOx触媒を設けても良い。この場合、SOx被毒回復制御において、フィルタ再生制御と同様、酸化触媒5に燃料を供給すべく燃料添加弁6から燃料が添加される。
【0105】
そこで、本実施例に係る劣化度合い推定制御を適用し、推定された劣化度合いに基づいてSOx被毒回復制御における燃料添加弁6からの燃料添加量を制御する。これにより、排気エミッションや燃費の悪化を抑制しつつより速やかにNOx触媒に吸蔵されたSOxを還元することが出来る。
【実施例3】
【0106】
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様であるためその説明を省略する。
【0107】
<HC除去制御>
本実施例においては実施例1と同様のフィルタ再生制御が行われる。上記のように、フィルタ再生制御は、フィルタ4におけるPM捕集量が第一規定量以上となったときに実行される。また、このときのPM捕集量は差圧センサ11の検出値に基づいて推定される。
【0108】
しかしながら、フィルタ4の上流側端面にPMが捕集された場合、フィルタ4の内部にPMが捕集された場合に比べて前後差圧が上昇し難い。そのため、フィルタ4の上流側端面に捕集されたPMが増加すると、差圧センサ11の検出値に基づいて推定されたPM捕集量が実際のPM捕集量よりも少なくなる場合がある。
【0109】
フィルタ4の上流側端面においては、先ずHCが付着し、該HCにPMが付着すること
でHCの捕集が促進される。そこで、本実施例においては、フィルタ4におけるPM捕集量をより精度よく推定するために、フィルタ4の上流側端面に付着したHCを除去すべくHC除去制御を実行する。
【0110】
以下、本実施例に係るHC除去制御の制御ルーチンについて図4に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU10に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、規定間隔で実行される。
【0111】
本ルーチンでは、ECU10は、先ずS301において、内燃機関1の運転状態がアイドル運転状態であるか否かを判別する。このS301において、肯定判定された場合、ECU10はS302に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0112】
S302において、ECU10は、フィルタ4の上流側端面におけるHC付着量Qhcが第一規定付着量Qhc1以上となったか否かを判別する。HC付着量Qhcは、内燃機関1での燃料噴射量の積算値やフィルタ4の温度の履歴等に基づいて算出される。また、ここでの第一規定付着量Qhc1とは、PMの捕集が促進され易くなるHC付着量の下限値より少ない量である。この第一規定付着量Qhc1は実験等によって予め定められている。S302において、肯定判定された場合、ECU10はS303に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0113】
S303において、ECU10は、実施例1と同様の排気昇温制御を実行する。この場合、排気昇温制御の実行条件は、内燃機関1の運転状態がアイドル運転状態であって、且つ、フィルタ4の上流側端面におけるHC付着量Qhcが第一規定付着量Qhc1以上となることである。
【0114】
次に、ECU10は、S304に進み、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上であるか否かを判別する。このS304において、肯定判定された場合、ECU10はS305に進み、否定判定された場合、ECU10はS303に戻る。
【0115】
S305において、ECU10は、燃料添加弁6からの燃料添加を実行し、酸化触媒5に燃料を供給する。このとき、フィルタ4の温度がPM酸化温度よりも低いHC酸化温度となるように燃料添加量が制御される。これにより、フィルタ4の上流側端面に付着したHCが除去される。
【0116】
次に、ECU10は、S306に進み、フィルタ4の上流側端面におけるHC付着量Qhcが第二規定付着量Qhc2以下となったか否かを判別する。ここで、第二規定付着量Qhc2とは、第一規定付着量Qhc1より少ない量であって、HC付着量Qhcが再度第一規定量Qhc1となるまでにはある程度時間がかかると判断出来る閾値となる量である。S306において、肯定判定された場合、ECU10はS307に進み、否定判定された場合、ECU10はS305に戻る。
【0117】
S307において、ECU10はHC除去制御を停止する。即ち、排気昇温制御および燃料添加弁6からの燃料添加を停止する。この場合、排気昇温制御の実行停止条件はフィルタ4の上流側端面におけるHC付着量Qhcが第二規定付着量Qhc2以下となることとなる。HC除去制御を停止した後、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0118】
以上説明した制御ルーチンでは、実施例1と同様の排気昇温制御によって酸化触媒5を活性温度にまで昇温する。これにより、HC除去制御にかかる時間をより短縮することが出来る。その結果、内燃機関1の運転状態が、排気温度が比較的に低くフィルタ4の上流
側端面にHCが付着しやすいアイドル運転状態にある間に、HCを除去することが可能となる。
【0119】
従って、本実施例によれば、フィルタ4の上流側端面にPMが捕集されるのを抑制することが出来る。そのため、フィルタ4におけるPM捕集量を前後差圧に基づいてより精度よく推定することが出来る。その結果、フィルタ再生制御をより好適なタイミングで実行することが可能となる。
【実施例4】
【0120】
<内燃機関の吸排気系の概略構成>
本実施例では、酸化触媒5に加えて、フィルタ4にも酸化触媒が担持されている。それ以外の構成は実施例1と同様である。尚、フィルタ4に担持された酸化触媒(以下、担持触媒と称する)も、酸化触媒5と同様、酸化機能を有する触媒であれば良い。
【0121】
本実施例においても、実施例1と同様のフィルタ再生制御が実行される。ただし、本実施例では、燃料添加弁6から添加された燃料の一部が、酸化触媒5で酸化されずに該酸化触媒5を通過して担持触媒に供給される。そして、酸化触媒5のみならず担持触媒において燃料が酸化することで発生する酸化熱によってフィルタ4が昇温される。
【0122】
ところが、上記した排気昇温制御においては排気絞り弁9が閉弁状態となる。この場合、排気絞り弁9が開弁状態にある場合に比べて、酸化触媒5およびフィルタ4を通る排気の流量が少なくなる。そのため、燃料添加弁6から添加された燃料が酸化触媒5を通過し難くなる。つまり、担持触媒に燃料が供給され難くなる。その結果、フィルタ4の昇温速度が低下する虞がある。
【0123】
そこで、本実施例では、フィルタ再生制御実行時において、内燃機関1の吸入空気量が規定空気量以下の場合、酸化触媒5の温度が活性温度に達した後は、スロットル弁8のみならず排気絞り弁9も開弁状態とする。ここで、規定空気量とは、排気絞り弁9が閉弁された状態では、担持触媒に燃料が供給され難くなるほど酸化触媒5およびフィルタ4を通る排気の流量が少なくなると判断出来る吸入空気量の上限値以上の値である。この規定空気量は実験等によって予め定められた値である。
【0124】
上記により、酸化触媒5およびフィルタ4を通る排気の流量を増加させることが出来る。その結果、担持触媒に燃料が供給され易くなる。
【0125】
<フィルタ再生制御の制御ルーチン>
ここで、本実施例に係るフィルタ再生制御の制御ルーチンについて図5に示すフローチャートに基づいて説明する。図5は、本実施例に係るフィルタ制御の制御ルーチンを表すフローチャートである。本ルーチンは、ECU10に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、規定間隔で実行される。
【0126】
本ルーチンでは、ECU10は、先ずS401において、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第一規定捕集量Qpm1以上となったか否かを判別する。このS401において、肯定判定された場合、ECU10はS402に進み、否定判定された場合、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0127】
S402において、ECU10は、実施例1と同様の排気昇温制御を実行する。この場合、排気昇温制御の実行条件は、実施例1と同様、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第一規定捕集量Qpm1以上となることである。
【0128】
次に、ECU10は、S403に進み、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上であるか否かを判別する。このS403において、肯定判定された場合、ECU10はS404に進み、否定判定された場合、ECU10はS402に戻る。尚、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上であれば、担持触媒の温度も同様であると判断することが出来る。
【0129】
S404において、ECU10は、内燃機関の吸入空気量Qairが規定空気量Qair0以下であるか否かを判別する。このS404において、肯定判定された場合、ECU10はS408に進み、否定判定された場合、ECU10はS405に進む。
【0130】
S405に進んだECU10は、燃料添加弁6からの燃料添加を実行して酸化触媒5および担持触媒に燃料を供給する。このとき、フィルタ4の温度が、PM酸化温度となるように燃料添加量が制御される。これにより、フィルタ4に捕集されたPMが酸化・除去される。
【0131】
次に、ECU10は、S406に進み、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第二規定捕集量Qpm2以下となったか否かを判別する。このS406において、肯定判定された場合、ECU10はS407に進み、否定判定された場合、ECU10はS404に戻る。
【0132】
S407において、ECU10はフィルタ再生制御を停止する。即ち、排気昇温制御および燃料添加弁6からの燃料添加を停止する。この場合、排気昇温制御の実行停止条件は、実施例1と同様、フィルタ4におけるPM捕集量Qpmが第二規定捕集量Qpm2以下となることとなる。フィルタ再生制御を停止した後、ECU10は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0133】
一方、S408に進んだECU10は、排気絞り弁9を閉弁状態とする。
【0134】
次に、ECU10は、S409に進み、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0以上か否かを判別する。このS409において、肯定判定された場合、ECU10はS405に進む。一方、S409において、否定判定された場合、排気絞り弁9を開弁状態することで酸化触媒5の温度Tcが低下し活性温度の下限値Tc0よりも低くなったと判断し、S410に進む。
【0135】
S410において、ECU10は、排気絞り弁9を再度閉弁状態とする。その後、ECU10はS409に戻る。
【0136】
以上説明した制御ルーチンによれば、内燃機関1の吸入空気量Qairが規定空気量Qair0以下の場合、酸化触媒5の温度が活性温度に達した後は、排気絞り弁6が開弁状態となる。これにより、酸化触媒5およびフィルタ4を通る排気の流量が増加し、担持触媒に燃料が供給され易くなる。従って、本実施例によれば、フィルタ4をより速やかに昇温することが可能となる。
【0137】
また、上記のように、フィルタ再生制御の実行中において、スロットル弁8のみならず排気絞り弁9をも開弁状態とすることで酸化触媒5およびフィルタ4を通る排気の流量を増加させると、持ち去り熱量が増加することになる。その結果、酸化触媒5の温度Tcが活性温度より低くなる場合がある。
【0138】
そこで、上記制御ルーチンによれば、排気絞り弁9を開弁状態とした後、酸化触媒5の温度Tcが活性温度の下限値Tc0より低くなった場合、排気絞り弁9を再度閉弁状態と
する。
【0139】
これにより、酸化触媒5の温度Tcをより速やかに活性温度に戻すことが出来る。
【0140】
尚、上記実施例1から3においては、燃料添加弁6から燃料を添加することで酸化触媒5に燃料を供給したが、内燃機関1において、排気昇温制御における副燃料噴射とは別に、噴射された燃料が燃焼に供されないようなタイミングで副燃料噴射を実行することで酸化触媒5に燃料を供給しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図。
【図2】実施例1に係る排気昇温制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
【図3】実施例2に係る劣化度合い推定制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
【図4】実施例3に係るHC除去制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
【図5】実施例4に係るフィルタ再生制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0142】
1・・・内燃機関
2・・・排気通路
4・・・パティキュレートフィルタ
5・・・酸化触媒
6・・・燃料添加弁
7・・・エアフロメータ
8・・・スロットル弁
9・・・排気絞り弁
10・・ECU
11・・差圧センサ
12・・上流側温度センサ
13・・圧力センサ
14・・クランクポジションセンサ
15・・アクセル開度センサ
16・・下流側温度センサ




 

 


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