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内燃機関のオイル戻し構造 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 内燃機関のオイル戻し構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16664(P2007−16664A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197836(P2005−197836)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 中山 拓雄
要約 課題
ブローバイガス中のオイル成分を効果的に低減させる内燃機関のオイル戻し構造を提供する。

解決手段
内燃機関のオイル戻し構造は、カムが配置されたカム室24と、カム室24に対してシリンダと反対側に設けられ、ブローバイガス中のオイル成分を分離除去するオイルセパレータ室42と、カム室24とオイルセパレータ室42との間を区画し、カム室24に面する側にオイルプール61を形成するバッフルプレート50とを備える。バッフルプレート50には、オイル流入孔71と、通気孔72と、ドレン孔73とが形成されている。オイル流入孔71は、オイルセパレータ室42とオイルプール61との間を連通させる。通気孔72は、オイルセパレータ室42とオイルプール61との間を連通させ、車両搭載上、オイル流入孔71よりも鉛直方向の上側に位置する。ドレン孔73は、オイルプール61とカム室24との間を連通させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され、ブローバイガス還元装置が設けられた内燃機関のオイル戻し構造であって、
カムが配置されたカム室と、
前記カム室に対してシリンダと反対側に設けられ、ブローバイガス中のオイル成分を分離除去するオイルセパレータ室と、
前記カム室と前記オイルセパレータ室との間を区画し、前記カム室に面する側にオイル溜り室を形成するバッフルプレートとを備え、
前記バッフルプレートには、前記オイルセパレータ室と前記オイル溜り室との間を連通させるオイル流入孔と、前記オイルセパレータ室と前記オイル溜り室との間を連通させ、車両搭載上、前記オイル流入孔よりも鉛直方向の上側に位置する通気孔と、前記オイル溜り室と前記カム室との間を連通させるドレン孔とが形成されている、内燃機関のオイル戻し構造。
【請求項2】
前記オイル溜り室には、前記カム室から前記ドレン孔を介してブローバイガスが所定の方向に流れ込み、
前記オイル流入孔および前記通気孔は、前記所定の方向に延びる線上からオフセットされた位置に形成されている、請求項1に記載の内燃機関のオイル戻し構造。
【請求項3】
前記オイル流入孔および前記通気孔は、前記ドレン孔から前記オイル溜り室内を覗いた場合に視界に入らない位置に形成されている、請求項1または2に記載の内燃機関のオイル戻し構造。
【請求項4】
前記バッフルプレートは、前記オイルセパレータ室と前記オイル溜り室との間で延在し、水平方向に対して傾斜する傾斜面と、前記オイル溜り室と前記カム室との間で延在し、前記ドレン孔が開口する底面とを有し、
前記ドレン孔を前記底面の直交方向に沿って前記傾斜面上に投影した場合に、前記オイル流入孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も下側に位置する前記傾斜面の周縁領域であって、かつ前記ドレン孔が投影された位置から最も遠い前記傾斜面の周縁領域に開口しており、前記通気孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も上側に位置する前記傾斜面の周縁領域であって、かつ前記ドレン孔が投影された位置から最も遠い前記傾斜面の周縁領域に開口している、請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関のオイル戻し構造。
【請求項5】
前記バッフルプレートは、前記オイルセパレータ室と前記オイル溜り室との間で延在し、水平方向に対して傾斜する傾斜面と、前記オイル溜り室と前記カム室との間で延在し、前記ドレン孔が開口する底面とを有し、
前記ドレン孔を鉛直上方向に沿って前記傾斜面上に投影した場合に、前記オイル流入孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も下側に位置する前記傾斜面の周縁領域であって、かつ前記ドレン孔が投影された位置から最も遠い前記傾斜面の周縁領域に開口しており、前記通気孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も上側に位置する前記傾斜面の周縁領域であって、かつ前記ドレン孔が投影された位置から最も遠い前記傾斜面の周縁領域に開口している、請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関のオイル戻し構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、ブローバイガス還元装置が設けられた内燃機関のオイル戻し構造に関し、より特定的には、カム室とオイルセパレータ室との間を区画するバッフルプレートに設置された内燃機関のオイル戻し構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関のオイル戻し構造に関して、たとえば、特開平6−26319号公報には、シリンダヘッドカバー内のオイルセパレータ室から動弁室にオイルを確実に戻すことを目的とした内燃機関のオイル戻し構造が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、シリンダヘッドカバーに取り付けられたバッフルプレートにより、オイルセパレータ室が形成されている。オイルセパレータ室には、オイルセパレータ室の下部に面して凹状に窪む油溜室が形成されている。バッフルプレートには、油溜室と、バッフルプレートの下方に位置する動弁室との間を連通させるオイル落とし穴が形成されている。
【0003】
また、特開平6−173631号公報には、粒子状の潤滑油の発生を抑え、潤滑油の消費量を軽減することを目的としたPCVシステムにおけるオイルセパレータが開示されている(特許文献2)。また、実開平5−92453号公報には、亀裂の発生や破損を防ぐことを目的とした合成樹脂製のシリンダヘッドカバーが開示されている(特許文献3)。
【特許文献1】特開平6−26319号公報
【特許文献2】特開平6−173631号公報
【特許文献3】実開平5−92453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示された内燃機関のオイル戻し構造では、オイルセパレータ室内でブローバイガスに含まれるオイル成分が分離される。分離されたオイルは、油溜室に集まり、その後、オイル落とし穴を通って動弁室に流下する。しかしながら、この構成では、オイルの流下量を増大させる目的やオイル落とし穴をオイルスラッジ等により閉塞させない目的で、オイル落とし穴の直径を大きく設定した場合に、動弁室内のオイルが、オイル落とし穴を介してオイルセパレータ室に大量に吹き上げることがある。これにより、ブローバイガス中のオイル成分を効果的に低減できないおそれが生じる。
【0005】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、ブローバイガス中のオイル成分を効果的に低減させる内燃機関のオイル戻し構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った内燃機関のオイル戻し構造は、車両に搭載され、ブローバイガス還元装置が設けられた内燃機関のオイル戻し構造である。内燃機関のオイル戻し構造は、カムが配置されたカム室と、カム室に対してシリンダと反対側に設けられ、ブローバイガス中のオイル成分を分離除去するオイルセパレータ室と、カム室とオイルセパレータ室との間を区画し、カム室に面する側にオイル溜り室を形成するバッフルプレートとを備える。バッフルプレートには、オイル流入孔と、通気孔と、ドレン孔とが形成されている。オイル流入孔は、オイルセパレータ室とオイル溜り室との間を連通させる。通気孔は、オイルセパレータ室とオイル溜り室との間を連通させ、車両搭載上、オイル流入孔よりも鉛直方向の上側に位置する。ドレン孔は、オイル溜り室とカム室との間を連通させる。
【0007】
なお、「車両搭載上」とは、「内燃機関のオイル戻し構造を搭載する車両が水平面上に置かれた状態で」という意味である。
【0008】
このように構成された内燃機関のオイル戻し構造によれば、オイルセパレータ室においてブローバイガスから分離除去されたオイルは、主にオイル流入孔を介してオイル溜り室に流入し、その後、ドレン孔を介してカム室に流出する。この際、オイル溜り室へのオイルの流入量が多い場合であっても、オイル流入孔よりも鉛直方向の上側に位置する通気孔を、オイル溜り室に溜まったオイルから露出させることができる。これにより、通気孔によってオイル溜り室内を呼吸させ、オイル溜り室からカム室にオイルを円滑に流出させることができる。また、ドレン孔を介してカム室からオイル溜り室に吹き込むオイル成分を、オイル溜り室で液化することができる。これにより、カム室内のオイル成分が、ドレン孔を介してオイルセパレータ室に逆流することを防止できる。結果、ブローバイガス中のオイル成分を効果的に低減させ、ブローバイガスによるオイルの持ち去り量を小さく抑えることができる。
【0009】
また好ましくは、オイル溜り室には、カム室からドレン孔を介してブローバイガスが所定の方向に流れ込む。オイル流入孔および通気孔は、所定の方向に延びる線上からオフセットされた位置に形成されている。
【0010】
このように構成された内燃機関のオイル戻し構造によれば、ドレン孔の開口面積を大きく設定した場合であっても、ドレン孔を介してカム室からオイル溜り室に大量に吹き込むオイル成分を、オイル溜り室で十分に液化することができる。これにより、オイル成分が、オイル流入孔および通気孔を介してオイル溜り室からオイルセパレータ室に流入することを抑制できる。また、ドレン孔の開口面積を大きく設定することによって、オイル溜り室からカム室に流出するオイル量を増大させるとともに、ドレン孔がオイルスラッジ等によって閉塞することを防止できる。
【0011】
また好ましくは、オイル流入孔および通気孔は、ドレン孔からオイル溜り室内を覗いた場合に視界に入らない位置に形成されている。このように構成された内燃機関のオイル戻し構造によれば、ドレン孔の開口面積を大きく設定した場合に、上述と同様の効果を得ることができる。
【0012】
バッフルプレートは、オイルセパレータ室とオイル溜り室との間で延在し、水平方向に対して傾斜する傾斜面と、オイル溜り室とカム室との間で延在し、ドレン孔が開口する底面とを有する。好ましくは、ドレン孔を底面の直交方向に沿って傾斜面上に投影した場合に、オイル流入孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も下側に位置する傾斜面の周縁領域であって、かつドレン孔が投影された位置から最も遠い傾斜面の周縁領域に開口している。通気孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も上側に位置する傾斜面の周縁領域であって、かつドレン孔が投影された位置から最も遠い傾斜面の周縁領域に開口している。また好ましくは、ドレン孔を鉛直上方向に沿って傾斜面上に投影した場合に、オイル流入孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も下側に位置する傾斜面の周縁領域であって、かつドレン孔が投影された位置から最も遠い傾斜面の周縁領域に開口している。通気孔は、車両搭載上、鉛直方向の最も上側に位置する傾斜面の周縁領域であって、かつドレン孔が投影された位置から最も遠い傾斜面の周縁領域に開口している。このように構成された内燃機関のオイル戻し構造によれば、ドレン孔の開口面積を大きく設定した場合に、上述と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、この発明に従えば、ブローバイガス中のオイル成分を効果的に低減させる内燃機関のオイル戻し構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるオイル戻し構造が適用されたガソリンエンジンを示す断面図である。図1を参照して、車両用のガソリンエンジン10(以下、単にエンジン10と呼ぶ)には、ピストンリングとシリンダ壁との間からクランク室に漏れ出したブローバイガスを強制的に吸気系に導入し、その後、燃焼室で再燃焼させるPCV(Positive Clank-case Ventilation System)装置が設けられている。
【0016】
エンジン10は、シリンダ14が複数、形成されたシリンダブロック13と、各シリンダ14に封入され、往復運動するピストン15と、シリンダブロック13の上部に固定されたシリンダヘッド12とを備える。ピストン15は、コネクティングロッド17を介して、エンジン10の出力軸であるクランクシャフト22に連結されている。ピストン15の往復運動は、コネクティングロッド17によって回転運動に変換された後、クランクシャフト22に伝達される。
【0017】
シリンダブロック13の下部には、シリンダブロックロアケース20およびオイルパン19が取り付けられており、シリンダブロック13、シリンダブロックロアケース20およびオイルパン19によって、クランクシャフト22が収容されるクランク室21が形成されている。シリンダヘッド12には、燃焼室18と、燃焼室18に連通する吸気ポート31および排気ポートとが形成されている。シリンダヘッド12には、これらのポートと燃焼室18との間を適当なタイミングで開閉する吸排気バルブ16と、吸排気バルブ16を駆動させるカム23とが設けられている。
【0018】
シリンダヘッド12には、シリンダブロック13の反対側に位置して、シリンダヘッドカバー11が固定されている。シリンダヘッド12とシリンダヘッドカバー11との間には、カム23が配置されるカム室24が形成されている。
【0019】
シリンダヘッド12には、吸気ポート31に向けて新気が流れる吸気通路36が接続されている。吸気通路36の経路上には、モータ等のアクチュエータによって回動自在に設けられたスロットルバルブ33が設置されている。スロットルバルブ33は、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏み込み量等により開度が調整される。吸気通路36の経路上には、スロットルバルブ33よりも新気流れの上流側に位置して、エアクリーナ34およびフィルタ35が設置されている。吸気通路36の経路上には、スロットルバルブ33よりも新気流れの下流側に位置して、サージタンク32が形成されている。これらの構成により、新気を燃焼室18に取り込む吸気系30が構成されている。
【0020】
続いて、エンジン10に設けられたPCV装置について説明すると、シリンダヘッド12およびシリンダブロック13には、クランク室21とカム室24との間を連通させる連通路41が形成されている。シリンダヘッドカバー11には、カム室24を挟んでピストン15、シリンダ14およびクランク室21とは反対側に位置して、オイルセパレータ室42が形成されている。オイルセパレータ室42は、車両搭載上、カム室24よりも鉛直方向の上側に位置する。
【0021】
なお、図1中では、エンジン10が鉛直方向に直立した状態に描かれているが、実際は、エンジン10は、鉛直方向に対してある程度傾いて車両に搭載されている。このため、本実施の形態では、オイルセパレータ室42とカム室24とは、鉛直方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に沿って上下に並んで形成されている。
【0022】
シリンダヘッドカバー11には、カム室24とオイルセパレータ室42との間を区画するバッフルプレート50が設けられている。バッフルプレート50には、カム室24とオイルセパレータ室42との間を連通させ、両室間のガス流路となる開口48が形成されている。
【0023】
オイルセパレータ室42は、ブローバイガスに含まれている油滴やオイルミスト等のオイル成分を、液化して、ブローバイガスから分離するために設けられている。オイルセパレータ室42で分離されたオイルは、バッフルプレート50に設けられた本実施の形態におけるオイル戻し構造によってカム室24に戻される。
【0024】
シリンダヘッドカバー11には、オイルセパレータ室42と吸気通路36との間で延びるブローバイガス通路44が接続されている。ブローバイガス通路44は、スロットルバルブ33よりも吸気通路36内の新気流れの下流側で、吸気通路36に接続されている。ブローバイガス通路44の経路上には、通路内の流路面積を調整するPCVバルブ45が設けられている。シリンダヘッドカバー11には、さらに、オイルセパレータ室42と吸気通路36との間で延びる新気導入通路43が接続されている。新気導入通路43は、スロットルバルブ33よりも吸気通路36内の新気流れの上流側で、吸気通路36に接続されている。
【0025】
図1中には、エンジン10がアイドリング時等、低負荷時にある場合のブローバイガスおよび新気の流れが、それぞれ黒塗りの矢印および白抜きの矢印によって表わされている。
【0026】
エンジン10の稼動時、クランク室21には、ピストンリングとシリンダ壁との間の隙間から漏れたブローバイガスが流入する。エンジン10の低負荷時、スロットルバルブ33よりも下流側の吸気通路36内の負圧が、ブローバイガス通路44を通じてクランク室21に作用する。これにより、クランク室21内のブローバイガスが、連通路41、カム室24、オイルセパレータ室42およびブローバイガス通路44を順に通って、吸気通路36から燃焼室18へと導かれる。また、吸気通路36を流れる新気が、新気導入通路43を通ってクランク室21に導かれる。クランク室21に導かれた新気は、クランク室21内のブローバイガスとともに、再び吸気通路36から燃焼室18へと導かれる。
【0027】
図2は、エンジンが高負荷時にある場合のブローバイガスおよび新気の流れを示す吸気系の断面図である。図2を参照して、エンジン10の高負荷時には、吸気通路36内の負圧が小さくなる。このため、ブローバイガスは、ブローバイガス通路44および新気導入通路43の両方の通路を通って、吸気通路36に流入する。結果、大流量のブローバイガスに対応することができる。
【0028】
図3は、図1中のオイルセパレータ室を上方から見た斜視図である。図4は、図3中のIV−IV線上に沿ったバッフルプレートの断面図である。図3および図4を参照して、バッフルプレート50は、カム室24とオイルセパレータ室42との間を区画するプレート51と、プレート51に固定され、オイルプール61を形成するオイルプール形成板62とから構成されている。
【0029】
オイルセパレータ室42には、ブローバイガスが、カム室24から図1中の開口48を介して流れ込む。流れ込んだブローバイガスは、オイルセパレータ室42内で矢印101に示す方向に流れ、その後、図1中のブローバイガス通路44もしくは新気導入通路43に向かう。プレート51は、そのブローバイガスの流れ方向に直交する方向に沿って、水平方向に対して傾斜して形成されている。本実施の形態では、プレート51は、図3中の奥側から手前側に向かうに従って鉛直方向の下側に傾斜するように形成されている。
【0030】
プレート51は、オイルセパレータ室42に面する表面51aと、カム室24に面し、オイルプール61を規定する表面51bとを有する。表面51bは、略矩形形状に形成されている。プレート51には、表面51aから突出する衝突板52が形成されている。ブローバイガスが流れる経路上に衝突板52を設けることによって、ブローバイガスを衝突板52に衝突させる。これにより、ブローバイガスに含まれるオイル成分を、オイルセパレータ室42内でより積極的に液化することができる。
【0031】
オイルプール形成板62は、表面51bからカム室24側に窪んだ箱形状を有し、たとえば溶接や加締め等の手段により、表面51bに固定されている。オイルプール形成板62は、表面51bから距離を隔てた位置で表面51bに対して平行に延在する略矩形形状の底面62mを有する。底面62mは、表面51bよりも鉛直方向の下側で延在している。底面62mは、水平方向に対して傾斜して延在しており、表面51bとともにオイルプール61を規定している。オイルプール61は、プレート51に対してオイルセパレータ室42の反対側に形成されている。
【0032】
プレート51には、オイルセパレータ室42とオイルプール61との間を連通させ、表面51bに開口する通気孔72およびオイル流入孔71が形成されている。通気孔72は、車両搭載上、オイル流入孔71よりも鉛直方向の上側に形成されている。オイルプール形成板62には、オイルプール61とカム室24との間を連通させ、底面62mに開口するドレン孔73が形成されている。ドレン孔73は、傾斜する底面62mの中で鉛直方向の下側に寄った位置に形成されている。ドレン孔73は、車両搭載上、通気孔72およびオイル流入孔71よりも鉛直方向の下側に形成されている。
【0033】
通気孔72、オイル流入孔71およびドレン孔73は、等しい大きさの開口面積を有するように形成されている。なお、通気孔72、オイル流入孔71およびドレン孔73は、互いに異なる開口面積を有していても良いし、たとえば、オイル流入孔71およびドレン孔73が等しい開口面積を有し、通気孔72が他の2つの孔とは異なる開口面積を有していても良い。オイルプール61は、通気孔72、オイル流入孔71およびドレン孔73によって開口された位置を除いて、閉塞された空間に形成されている。
【0034】
このような構成により、オイルセパレータ室42で液化したオイルは、傾斜する表面51a上を流れ落ちて、主にオイル流入孔71を介してオイルプール61に流入する。また、カム室24内のオイル成分がドレン孔73を介してオイルプール61に吹き込むと、オイル成分は、閉塞されたオイルプール61内で液化する。このため、オイルプール61に、液化したオイルが溜まる。オイルプール61にオイルが溜まっている間は、カム室24内のオイル成分がドレン孔73から吹き込むことを防止できる。オイルプール61に溜まったオイルは、ドレン孔73を介してカム室24に流下する。
【0035】
本実施の形態では、カム室24内のオイル成分が、ドレン孔73を介してオイルプール61に向けて矢印111に示す方向(ドレン孔73の開口面に直交する方向、つまり底面62mが延在する方向に直交する方向)に吹き込む場合に、通気孔72およびオイル流入孔71は、矢印111に示す方向に延びる直線上からオフセットされた位置に形成されている。この場合、ドレン孔73を介してオイルプール61に吹き込んだオイル成分は、まず、オイルプール61を規定する表面51bに衝突し、通気孔72およびオイル流入孔71に直接、達するということがなくなる。これにより、オイルプール61内でオイル成分をより効果的に液化することができ、カム室24からオイルセパレータ室42へ逆流するオイル量を十分に低減することができる。
【0036】
なお、カム室24からオイルプール61に吹き込むオイル成分の流れ方向は、矢印111に示す方向に限定されず、カム室24内の条件によっては、たとえば鉛直方向の場合もある。
【0037】
図5は、図3中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。図5を参照して、好ましくは、通気孔72およびオイル流入孔71は、カム室24側からドレン孔73を介してオイルプール61内を覗いた場合に視界に入らない位置に形成されている。図中に示す2点鎖線の矢印は、観測者の目と視界に入る最遠の位置とを結んでおり、矢印の先が、通気孔72およびオイル流入孔71に達していない。この場合にも、カム室24からオイルセパレータ室42へ逆流するオイル量を十分に低減することができる。
【0038】
図6は、図3中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の別の位置関係を示す斜視図である。図6を参照して、図中には、ドレン孔73を、底面62mに直交する方向に沿って表面51b上に投影した場合のドレン孔73pが表わされている。好ましくは、オイル流入孔71は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も下側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。また、通気孔72は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も上側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。この場合にも、カム室24からオイルセパレータ室42へ逆流するオイル量を十分に低減することができる。
【0039】
図7は、オイル流入量が多い場合のバッフルプレートを示す断面図である。図7を参照して、ブローバイガスの流量が大きい場合等、オイルプール61に流入するオイル量が増大する。この場合、オイルプール61内で油面201の高さが、オイル流入孔71よりも高くなることがある。本実施の形態では、オイル流入孔71とは別に通気孔72が設けられているため、通気孔72によって、オイルプール61内の空気の流通を確保することができる。これにより、オイルプール61に溜まったオイルを常時、カム室24に円滑に流出させることができる。
【0040】
この発明の実施の形態1における内燃機関としてのエンジン10のオイル戻し構造は、カム23が配置されたカム室24と、カム室24に対してシリンダ14と反対側に設けられ、ブローバイガス中のオイル成分を分離除去するオイルセパレータ室42と、カム室24とオイルセパレータ室42との間を区画し、カム室24に面する側にオイル溜り室としてのオイルプール61を形成するバッフルプレート50とを備える。バッフルプレート50には、オイル流入孔71と、通気孔72と、ドレン孔73とが形成されている。オイル流入孔71は、オイルセパレータ室42とオイルプール61との間を連通させる。通気孔72は、オイルセパレータ室42とオイルプール61との間を連通させ、車両搭載上、オイル流入孔71よりも鉛直方向の上側に位置する。ドレン孔73は、オイルプール61とカム室24との間を連通させる。
【0041】
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるエンジン10のオイル戻し構造によれば、オイルプール61へのオイル流入量が多い場合に、通気孔72によって、オイルプール61内の圧力が上昇することを防止できる。これにより、オイルプール61からカム室24へのオイルの戻り性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態では、ドレン孔73を介してカム室24からオイルセパレータ室42へ逆流するオイル量を十分に低減できるため、ドレン孔73の開口面積を大きく設定することができる。一例を挙げると、従来、3mmであったドレン孔73の孔径を、4mmに設定することが可能となり、開口面積を70%ほど増大させることができる。これにより、オイルプール61からカム室24へのオイルの戻り性をさらに向上させることができる。また、オイルスラッジ等によって、ドレン孔73が閉塞することを防止できる。以上の理由から、ブローバイガスによるオイルの持ち去り量を小さく抑えることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2におけるオイル戻し構造を示す斜視図である。図8は、実施の形態1における図3に対応する図である。図9は、図8中のIX−IX線上に沿ったオイルセパレータの断面図である。本実施の形態におけるオイル戻し構造は、実施の形態1におけるオイル戻し構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
【0044】
図8および図9を参照して、本実施の形態では、オイルプール形成板62が、車両搭載上、水平方向に延在する底面62nを有する。底面62nは、表面51bに対して斜めに交差する方向に延在している。ドレン孔73は、傾斜するプレート51の鉛直方向の上側に対向する位置に形成されている。
【0045】
図10は、図8中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。図10を参照して、図中には、ドレン孔73を、底面62nに直交する方向に沿って表面51b上に投影した場合のドレン孔73pが表わされている。本実施の形態においても、オイル流入孔71は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も下側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。また、通気孔72は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も上側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。
【0046】
図11および図12は、図9中のオイル戻し構造の変形例を示す断面図である。図11を参照して、本変形例では、ドレン孔73が、水平方向に対して傾斜する底面62nに形成されている。図12を参照して、本変形例では、ドレン孔73が、湾曲する底面62nに形成されている。
【0047】
図13は、図11および図12中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。図13を参照して、図中には、ドレン孔73を、鉛直上方向に沿って表面51b上に投影した場合のドレン孔73pが表わされている。本変形例においても、オイル流入孔71は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も下側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。また、通気孔72は、オイルプール61を規定する表面51bの周縁55に隣接する領域のうち、鉛直方向の最も上側であって、かつドレン孔73pから最も遠い領域に形成されている。
【0048】
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるエンジンのオイル戻し構造によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0049】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の実施の形態1におけるオイル戻し構造が適用されたガソリンエンジンを示す断面図である。
【図2】エンジンが高負荷時にある場合のブローバイガスおよび新気の流れを示す吸気系の断面図である。
【図3】図1中のオイルセパレータ室を上方から見た斜視図である。
【図4】図3中のIV−IV線上に沿ったバッフルプレートの断面図である。
【図5】図3中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。
【図6】図3中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の別の位置関係を示す斜視図である。
【図7】オイル流入量が多い場合のバッフルプレートを示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2におけるオイル戻し構造を示す斜視図である。
【図9】図8中のIX−IX線上に沿ったオイルセパレータの断面図である。
【図10】図8中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。
【図11】図9中のオイル戻し構造の変形例を示す断面図である。
【図12】図9中のオイル戻し構造の別の変形例を示す断面図である。
【図13】図11および図12中のドレン孔、通気孔およびオイル流入孔の位置関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10 エンジン、14 シリンダ、23 カム、24 カム室、42 オイルセパレータ室、50 バッフルプレート、51b 表面、61 オイルプール、71 オイル流入孔、72 通気孔、73 ドレン孔。




 

 


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