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発明の名称 内燃機関の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16660(P2007−16660A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197693(P2005−197693)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
発明者 奥田 尚住 / 板倉 英二 / 白木 睦生 / 苗村 善一
要約 課題
過渡運転時において内燃機関を適切に制御することが可能な内燃機関の制御装置を提供すること。

解決手段
この制御装置は、筒内空気量KLを推定する空気モデルM30と、筒内空気量KLに基づいて噴射燃料量τを決定する噴射燃料量決定手段M40と、を備える。空気モデルM30が含むスロットルモデルM31は、流れの乱れの程度等を表す指標として流量係数μを用いてスロットル通過空気流量mtを推定する。そこで、この制御装置は、スロットル弁駆動速度vを取得し、取得されたスロットル弁駆動速度に基づいて流量係数を決定し、決定された流量係数を上記スロットルモデルに適用する。これにより、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の流量係数が高い精度にて推定される。この結果、噴射燃料量を適切に決定することができ、内燃機関10を適切に制御することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
外部から取り込んだ空気を気筒内に導入する吸気通路と、前記吸気通路に配設され同吸気通路内を通流する空気の量を変更するように開度を調整可能なスロットル弁と、前記スロットル弁を駆動するスロットル弁駆動手段と、前記スロットル弁の開度を取得するスロットル弁開度取得手段と、を備える内燃機関に適用され、
前記スロットル弁の開度と、流量係数と、を用いて前記スロットル弁の周囲を通過する空気の挙動を表す物理モデルに基づいて前記スロットル弁の周囲を通過する空気の流量であるスロットル通過空気流量を推定するスロットル通過空気流量推定手段を備え、
前記推定されたスロットル通過空気流量に基づいて前記内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
前記スロットル弁駆動手段により前記スロットル弁が駆動される速度であるスロットル弁駆動速度を取得するスロットル弁駆動速度取得手段と、
前記取得されたスロットル弁駆動速度に基づいて流量係数を決定する流量係数決定手段と、を備え、
前記スロットル通過空気流量推定手段は、前記取得されたスロットル弁の開度と、前記決定された流量係数と、を前記物理モデルに適用して前記スロットル通過空気流量を推定するように構成された内燃機関の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記流量係数決定手段は、前記取得されたスロットル弁駆動速度が大きくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成された内燃機関の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記スロットル弁の下流における空気の圧力であるスロットル弁下流圧力を取得するスロットル弁下流圧力取得手段を備え、
前記流量係数決定手段は、更に、前記取得されたスロットル弁下流圧力に基づいて前記流量係数を決定する内燃機関の制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
前記流量係数決定手段は、前記取得されたスロットル弁下流圧力が小さくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成された内燃機関の制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
エンジン回転速度を取得するエンジン回転速度取得手段を備え、
前記流量係数決定手段は、更に、前記取得されたエンジン回転速度に基づいて前記流量係数を決定する内燃機関の制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
前記流量係数決定手段は、前記取得されたエンジン回転速度が大きくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成された内燃機関の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気通路に配設されたスロットル弁の周囲を通過する空気の流量を推定し、推定された空気の流量に基づいて内燃機関を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関の制御装置は、内燃機関の制御を行うために燃焼室内に導入された空気量(筒内空気量)を求める必要がある。筒内空気量は、スロットル弁の周囲を通過する空気の流量(スロットル通過空気流量)に基づいて求められる。そこで、従来の装置の1つは、スロットル弁の周囲を通過する空気の挙動を表す物理モデルを用いて、スロットル通過空気流量を求めている。この物理モデルは、スロットル通過空気流量を求める際に、スロットル弁の開度(スロットル弁開度)と、流れの乱れの程度等を表す指標としての流量係数と、を使用する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
上記従来の装置は、スロットル弁開度が一定であるとき(定常運転時)における流量係数と、スロットル弁開度と、の関係を規定するテーブルを予め記憶していて、このテーブルとスロットル弁開度とに基づいて流量係数を決定し、決定された流量係数とスロットル弁開度とに基づいてスロットル通過空気流量を推定する。更に、この装置は、推定されたスロットル通過空気流量に基づいて筒内空気量を推定し、推定された筒内空気量に基づいて燃料噴射量等を決定し内燃機関を制御する。
【0004】
上記従来の装置によれば、上記定常運転時は、実際の流量係数が高い精度にて推定されるので、スロットル通過空気流量が高い精度にて推定される。その結果、適切に内燃機関を制御することができる。
【特許文献1】特開2005−36672号公報
【0005】
しかしながら、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)は、上記定常運転時と比較してスロットル弁の周囲を通過する空気の流れが乱されやすいため、実際の流量係数が上記定常運転時における値より小さくなる。従って、過渡運転時においては実際の流量係数を高い精度にて推定することができないため、上記従来の装置により適切に内燃機関を制御できない恐れがあった。
【発明の開示】
【0006】
本発明は上述した課題に対処するためになされたものであって、その目的は、過渡運転時において内燃機関を適切に制御することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0007】
かかる目的を達成するため本発明に係る内燃機関の制御装置は、
外部から取り込んだ空気を気筒内に導入する吸気通路と、前記吸気通路に配設され同吸気通路内を通流する空気の量を変更するように開度を調整可能なスロットル弁と、前記スロットル弁を駆動するスロットル弁駆動手段と、前記スロットル弁の開度を取得するスロットル弁開度取得手段と、を備える内燃機関に適用され、
前記スロットル弁の開度と、流量係数と、を用いて前記スロットル弁の周囲を通過する空気の挙動を表す物理モデルに基づいて前記スロットル弁の周囲を通過する空気の流量であるスロットル通過空気流量を推定するスロットル通過空気流量推定手段を備え、
前記推定されたスロットル通過空気流量に基づいて前記内燃機関を制御する。
【0008】
更に、この制御装置は、前記スロットル弁駆動手段により前記スロットル弁が駆動される速度であるスロットル弁駆動速度を取得するスロットル弁駆動速度取得手段と、
前記取得されたスロットル弁駆動速度に基づいて流量係数を決定する流量係数決定手段と、を備える。
前記スロットル通過空気流量推定手段は、前記取得されたスロットル弁の開度と、前記決定された流量係数と、を前記物理モデルに適用して前記スロットル通過空気流量を推定するように構成される。
【0009】
スロットル弁が駆動される速度であるスロットル弁駆動速度は、スロットル弁の周囲を通過する空気の流れの乱れの程度をよく表す。従って、上記構成のように、取得されたスロットル弁駆動速度に基づいて流量係数を決定することにより、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数が高い精度にて推定される。これにより、スロットル通過空気流量を高い精度にて推定することができる。この結果、例えば、推定されたスロットル通過空気流量に基づいて噴射される燃料の量(噴射燃料量)等の内燃機関の制御量を決定すると、決定された制御量により内燃機関を適切に制御することができる。
【0010】
この場合、前記流量係数決定手段は、前記取得されたスロットル弁駆動速度が大きくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成されることが好適である。
【0011】
スロットル弁駆動速度が大きくなるにつれてスロットル弁の周囲を通過する空気の流れが大きく乱されるので、実際の流量係数は小さくなる。従って、上記構成のように、スロットル弁駆動速度が大きくなるにつれて決定される流量係数が小さくなるように流量係数決定手段を構成することにより、スロットル弁駆動速度に応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0012】
この場合、上記制御装置は、前記スロットル弁の下流における空気の圧力であるスロットル弁下流圧力を取得するスロットル弁下流圧力取得手段を備え、
前記流量係数決定手段は、更に、前記取得されたスロットル弁下流圧力に基づいて前記流量係数を決定することが好適である。
【0013】
スロットル弁が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は、スロットル弁下流圧力に応じて変化する。従って、上記構成のように、スロットル弁駆動速度に加えてスロットル弁下流圧力を考慮に入れて流量係数を決定することにより、スロットル弁下流圧力が変化しても実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0014】
この場合、前記流量係数決定手段は、前記取得されたスロットル弁下流圧力が小さくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成されることが好適である。
【0015】
スロットル弁下流圧力が小さくなると、同スロットル弁下流圧力と、スロットル弁の上流における空気の圧力(スロットル弁上流圧力)と、の差が大きくなるので、スロットル弁が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は大きくなる。従って、上記構成のように、スロットル弁下流圧力が小さくなるにつれて決定される流量係数が小さくなるように流量係数決定手段を構成することにより、スロットル弁下流圧力に応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0016】
この場合、上記制御装置は、エンジン回転速度を取得するエンジン回転速度取得手段を備え、
前記流量係数決定手段は、更に、前記取得されたエンジン回転速度に基づいて前記流量係数を決定することが好適である。
【0017】
スロットル弁が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は、エンジン回転速度に応じて変化する。従って、上記構成のように、スロットル弁駆動速度に加えてエンジン回転速度を考慮に入れて流量係数を決定することにより、エンジン回転速度が変化しても実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0018】
この場合、前記流量係数決定手段は、前記取得されたエンジン回転速度が大きくなるにつれて前記決定される流量係数が小さくなるように構成されることが好適である。
【0019】
エンジン回転速度が大きくなると、スロットル通過空気流量が多くなるので、スロットル弁が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は大きくなる。従って、上記構成のように、エンジン回転速度が大きくなるにつれて決定される流量係数が小さくなるように流量係数決定手段を構成することにより、エンジン回転速度に応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明による内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る前記制御装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
【0021】
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に燃料と空気とからなる混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50と、を含んでいる。
【0022】
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21、ピストン22のヘッド及びシリンダヘッド部30は、燃焼室(気筒)25を形成している。
【0023】
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び燃料噴射弁としてのインジェクタ39を備えている。
【0024】
インジェクタ39は、後述する電気制御装置70が後述する燃料噴射弁制御手段の機能を達成することにより送出される指示信号に応じて、噴射燃料量τの燃料を吸気ポート31内に噴射するようになっている。
【0025】
吸気系統40は、吸気ポート31に連通したインテークマニホールド41、インテークマニホールド41に連通したサージタンク42、サージタンク42に一端が接続され吸気ポート31とインテークマニホールド41とサージタンク42とともに吸気通路を形成する吸気ダクト43、吸気ダクト43の他端部から下流(サージタンク42)に向けて順に吸気ダクト43に配設されたエアフィルタ44、スロットル弁45及びスロットル弁駆動手段としてのスロットル弁アクチュエータ45aを備えている。なお、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路は、スロットル弁下流部としての吸気管部を構成している。
【0026】
スロットル弁45は吸気ダクト43に回転可能に支持され、スロットル弁アクチュエータ45aにより駆動されることにより開度が調整できるようになっている。これにより、スロットル弁45は、吸気ダクト43の通路断面積を可変とするようになっている。スロットル弁45の開度(スロットル弁開度)は、通路断面積を最小とする状態(スロットル弁全閉状態)におけるスロットル弁45の位置から回転した角度により定義される。
【0027】
DCモータからなるスロットル弁アクチュエータ45aは、後述する電気制御装置70が後述するスロットル弁制御手段の機能を達成することにより送出される駆動信号に応じて、実際のスロットル弁開度θtaが目標スロットル弁開度θttとなるようにスロットル弁46を駆動するようになっている。
【0028】
排気系統50は、排気ポート34に連通し同排気ポート34とともに排気通路を形成するエキゾーストマニホールドを含む排気管51及び排気管51に配設された三元触媒装置52を備えている。
【0029】
一方、このシステムは、圧力センサ61、温度センサ62、スロットル弁開度取得手段としてのスロットルポジションセンサ63、カムポジションセンサ64、エンジン回転速度取得手段としてのクランクポジションセンサ65、運転状態量取得手段としてのアクセル開度センサ66及び電気制御装置70を備えている。
【0030】
圧力センサ61は、エアフィルタ44とスロットル弁45との間の吸気ダクト43に配設されている。圧力センサ61は、スロットル弁45の上流における空気の圧力(スロットル弁上流圧力、即ち、吸気圧力)を検出し、吸気圧力Paを表す信号を出力するようになっている。温度センサ62は、エアフィルタ44とスロットル弁45との間の吸気ダクト43に配設されている。温度センサ62は、スロットル弁45の上流における空気の温度(スロットル弁上流温度、即ち、吸気温度)を検出し、吸気温度Taを表す信号を出力するようになっている。
【0031】
スロットルポジションセンサ63は、スロットル弁45の開度(スロットル弁開度)を検出し、同スロットル弁開度θtaを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ64は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ65は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。アクセル開度センサ66は、運転者によって操作されるアクセルペダル67の操作量を検出し、同アクセルペダルの操作量(アクセルペダル操作量)Accpを表す信号を出力するようになっている。
【0032】
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に記憶するRAM73、電源が投入された状態でデータを記憶するとともに同記憶したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜66と接続され、CPU71にセンサ61〜66からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39及びスロットル弁アクチュエータ45aに駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
【0033】
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置がどのように内燃機関10を制御するかについて説明する。
【0034】
この制御装置は、燃焼室25内に形成される混合気の空燃比を運転状態に応じて定められる目標空燃比と一致させるために燃焼室25内に導入されている空気量(筒内空気量)を推定し、推定された筒内空気量に基づいてインジェクタ39から噴射される燃料量(噴射燃料量)を決定する。
【0035】
この制御装置は、上記筒内空気量を推定するために、エネルギー保存則、運動量保存則及び質量保存則などの物理法則に基づいて構築された物理モデルを用いる。この物理モデルは、特開2001−41095号公報及び特開2003−184613号公報等に開示された周知のモデルである。この物理モデルは、吸気通路においてスロットル弁45の周囲を通過する空気の流量であるスロットル通過空気流量を推定するスロットルモデルを含む。このスロットルモデルにおいては、流れの乱れの程度等を表す指標として流量係数が用いられている。
【0036】
図2は、スロットル弁開度の変化と、実際の流量係数の変化と、の関係を概念的に示したグラフである。図2(A)は、互いに異なる速度で駆動されるスロットル弁45の開度の変化を示したグラフである。図2(B)の直線Mt1は、図2(A)の直線O1に示したようにスロットル弁開度が変化した場合において、上記従来技術におけるスロットル弁開度と定常運転時の流量係数との関係に基づいて決定される流量係数(従来流量係数)の変化を示している。図2(B)の直線Mt2は、図2(A)の直線O2に示したようにスロットル弁開度が変化した場合における上記従来流量係数の変化を示している。
【0037】
図2(B)の曲線M1は、図2(A)の直線O1に示したようにスロットル弁開度が変化した場合における実際の流量係数の変化を示している。図2(B)の曲線M2は、図2(A)の直線O2に示したようにスロットル弁開度が変化した場合における実際の流量係数の変化を示している。
【0038】
図2に示したように、実際の流量係数は、スロットル弁開度が変化(増加)している間は、上記従来流量係数より小さくなる。更に、スロットル弁45が駆動される速度であるスロットル弁駆動速度が大きいほど、スロットル弁45の周囲を通過する空気の流れが大きく乱されるので、実際の流量係数はより一層小さくなる。
【0039】
また、スロットル弁45の下流における空気の圧力(スロットル弁下流圧力、即ち、吸気管部内圧力)が小さくなるにつれて、スロットル弁下流圧力と、スロットル弁45の上流における空気の圧力(スロットル弁上流圧力、即ち、吸気圧力)と、の差が大きくなるので、スロットル弁45が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は大きくなる。従って、図3に示したように、スロットル弁45を一定の速度で駆動した場合であっても、スロットル弁下流圧力Pmが小さくなるにつれて、実際の流量係数は上記従来流量係数より一層小さくなる。
【0040】
そこで、この制御装置は、過渡運転時においては、スロットル弁駆動速度及びスロットル弁下流圧力を取得し、取得されたスロットル弁駆動速度及びスロットル弁下流圧力に基づいて流量係数を決定し、決定された流量係数を上記スロットルモデルに適用する。
【0041】
従って、この制御装置によれば、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数が高い精度にて推定されるので、筒内空気量を高い精度にて推定することができる。これにより、噴射燃料量を適切に決定することができるので、燃焼室25内に上記目標空燃比を有する混合気を形成することができ、内燃機関10を適切に制御することができる。
【0042】
より具体的に述べると、この制御装置は、機能ブロック図である図4に示したように、スロットル弁制御手段C10と、燃料噴射弁制御手段C20と、スロットル弁駆動速度取得手段M10と、流量係数決定手段M20と、空気モデルM30と、噴射燃料量決定手段M40と、を備えている。
【0043】
スロットル弁制御手段C10は、アクセルペダル操作量Accpと目標スロットル弁開度θttとの関係であって、目標スロットル弁開度θttがアクセルペダル操作量Accpに関して単調に増加する関係を規定するテーブルをROM72に記憶させている。スロットル弁制御手段C10は、同テーブル及びアクセル開度センサ67により検出された実際のアクセルペダル操作量Accpに基づいて目標スロットル弁開度θttを決定し、決定された目標スロットル弁開度θttに応じた駆動信号をスロットル弁アクチュエータ45aに対して送出するようになっている。
【0044】
燃料噴射弁制御手段C20は、後述する噴射燃料量決定手段M40により決定される噴射燃料量τに応じた指示信号をインジェクタ(燃料噴射弁)39に対して送出するようになっている。
【0045】
スロットル弁駆動速度取得手段M10は、スロットルポジションセンサ63により検出されたスロットル弁開度θtaに基づいてスロットル弁45が駆動される速度であるスロットル弁駆動速度v(v=dθta/dt)を算出するようになっている。
【0046】
流量係数決定手段M20は、過渡運転時においては、上記スロットル弁開度θtaと、上記スロットル弁駆動速度取得手段M10により算出されたスロットル弁駆動速度vと、空気モデルM30により推定されたスロットル弁45の下流における空気の圧力(スロットル弁下流圧力、即ち、吸気管部内圧力)Pmと、に基づいて流量係数μを決定するようになっている。一方、定常運転時においては、流量係数決定手段M20は、上記スロットル弁開度θtaと、上記吸気管部内圧力Pmと、エンジン回転速度NEと、に基づいて流量係数μを決定するようになっている。
【0047】
空気モデルM30は、上記物理法則に基づいて構築された物理モデルであって、スロットルモデルM31、吸気弁モデルM32、吸気管モデルM33及び吸気弁モデルM34を備えている。スロットルモデルM31は、スロットルポジションセンサ63により検出されたスロットル弁開度θtaと、上記流量係数決定手段M20により決定された流量係数μと、に基づいてスロットル通過空気流量mtを推定するようになっている。
【0048】
吸気弁モデルM32、吸気管モデルM33及び吸気弁モデルM34は、上記スロットルモデルM31により推定されたスロットル通過空気流量mtに基づいて筒内空気量KLを推定するようになっている。
【0049】
噴射燃料量決定手段M40は、上記空気モデルM30により推定された筒内空気量KLと、運転状態に応じて定められた目標空燃比(AbyF)と、に基づいて噴射燃料量τ(τ=k・KL/AbyF、kは定数。)を決定するようになっている。
【0050】
ここで、上記空気モデルM30について詳述する。
後述するように、上記空気モデルM30が備える上記モデルM31〜M34を表す上記物理法則に基づいて導き出された数式(以下、「一般化された数式」とも言う。)の一部は、吸気管部内の空気の圧力Pm及び温度Tmに関する時間微分項を含む。空気モデルM30は、マイクロコンピュータによる計算が可能となるように上記時間微分項を含む数式を離散化し、同離散化された数式と、今回の演算時点における物理量として推定された物理量と、に基づいて、同時点より所定の演算周期後の次回の演算時点における物理量を推定する。
【0051】
そして、空気モデルM30は、このような推定を繰り返すことにより、演算周期の経過毎に次回の演算時点(現時点より演算周期後の時点)の物理量を推定する。即ち、空気モデルM30は、反復して物理量の推定を行うことにより、上記演算周期毎の物理量を順次推定するものである。なお、以下の説明において、(k-1)が付された各物理量を表す変数は、k-1回目の推定時(前回の演算時点)にて推定された今回の演算時点におけるそれぞれの物理量を表す変数である。また、(k)が付された各物理量を表す変数は、k回目の推定時(今回の演算時点)にて推定された次回の演算時点におけるそれぞれの物理量を表す変数である。
【0052】
以下、上記空気モデルM30を構成するスロットルモデルM31、吸気弁モデルM32、吸気管モデルM33及び吸気弁モデルM34について、個別具体的に説明する。なお、各モデルを表す式の導出は上述した公報に詳細に開示されていて周知であるため、本明細書においては詳細な説明を省略する。
【0053】
(スロットルモデルM31)
スロットルモデルM31は、本モデルを表す一般化された数式であり、エネルギー保存則、運動量保存則、質量保存則及び状態方程式等の物理法則に基づいて得られた下記(1)式及び下記(2)式に基づいて、スロットル弁45の周囲を通過する空気の流量(スロットル通過空気流量)mtを推定するモデルである。下記(1)式において、μは流量係数、At(θt)はスロットル弁開度θtに応じて変化するスロットル開口断面積(吸気通路内のスロットル弁45の周囲の開口断面積)、Paはスロットル弁45の上流における吸気通路内の空気の圧力であるスロットル弁上流圧力(即ち、吸気圧力)、Pmは吸気管部内の空気の圧力である吸気管部内圧力(即ち、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路内の空気の圧力であるスロットル弁下流圧力)、Taはスロットル弁45の上流における吸気通路内の空気の温度であるスロットル弁上流温度(即ち、吸気温度)、Rは気体定数及びκは空気の比熱比ある。
【数1】


【数2】


【0054】
ここで、上記(1)式の右辺のスロットル開口断面積At(θt)は、スロットル弁開度θtに応じて定まる値である。そこで、スロットルモデルM31は、スロットル弁開度θtと、スロットル開口断面積At(θt)と、の関係を規定するテーブルMAPATをROM72に記憶させていて、スロットルポジションセンサ63により検出されたスロットル弁開度θtaに基づいてスロットル開口断面積At(θta)(=MAPAT(θta))を求める。
【0055】
更に、スロットルモデルM31は、値Pm/Paと値Φ(Pm/Pa)との関係を規定するテーブルMAPΦをROM72に記憶させていて、後述する吸気管モデルM33によりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)を圧力センサ61により検出された吸気圧力Paで除した値Pm(k-1)/Paと、前記テーブルMAPΦと、から値Φ(Pm(k-1)/Pa)(=MAPΦ(Pm(k-1)/Pa))を求める。
【0056】
スロットルモデルM31は、以上のように求めたスロットル開口断面積At(θta)及び値Φ(Pm(k-1)/Pa)と、上記流量係数決定手段M20により決定された流量係数μと、上記吸気圧力Pa及び温度センサ62により検出された吸気温度Taと、を上記(1)式に適用してスロットル通過空気流量mt(k-1)を求める。
【0057】
(吸気弁モデルM32)
吸気弁モデルM32は、上記吸気管部内圧力Pm及び上記吸気管部内の空気の温度である吸気管部内温度(即ち、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路内の空気の温度であるスロットル弁下流温度)Tm等から吸気弁32の周囲を通過して気筒内(燃焼室25内)に流入する空気の流量である筒内流入空気流量mcを推定するモデルである。吸気行程(吸気弁32の閉弁時も含む)における気筒内の圧力は吸気弁32の上流の圧力、即ち、吸気管部内圧力Pmとみなすことができるので、筒内流入空気流量mcは吸気弁閉弁時の吸気管部内圧力Pmに比例すると考えることができる。そこで、吸気弁モデルM32は、筒内流入空気流量mcを、本モデルを表す一般化された数式であり、経験則に基づく下記(3)式にしたがって求める。
mc=(Ta/Tm)・(c・Pm−d) …(3)
【0058】
上記(3)式において、値cは比例係数及び値dは気筒内に残存していた既燃ガス量を反映した値である。値cは、エンジン回転速度NE及び吸気弁32の開閉タイミングVTと値cとの関係を規定するテーブルMAPC、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから求めることができる(c=MAPC(NE,VT))。吸気弁モデルM32は、上記テーブルMAPCをROM72に記憶させている。同様に、値dは、エンジン回転速度NE及び吸気弁32の開閉タイミングVTと値dとの関係を規定するテーブルMAPD、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから求めることができる(d=MAPD(NE,VT))。吸気弁モデルM32は、上記テーブルMAPDをROM72に記憶させている。
【0059】
吸気弁モデルM32は、後述する吸気管モデルM33によりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、現時点の吸気温度Taと、を上記(3)式に適用し、筒内流入空気流量mc(k-1)を推定する。
【0060】
(吸気管モデルM33)
吸気管モデルM33は、本モデルを表す一般化された数式であり、吸気管部内の空気に関する質量保存則とエネルギー保存則とにそれぞれ基づいた下記(4)式及び下記(5)式、吸気管部に流入する空気の流量(即ち、スロットル通過空気流量)mt、吸気温度Ta及び吸気管部から流出する空気の流量(即ち、筒内流入空気流量)mcから、吸気管部内圧力(スロットル弁下流圧力)Pm及び吸気管部内温度(スロットル弁下流温度)Tmを求めるモデルである。なお、下記(4)式及び下記(5)式において、Vmは吸気管部(スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路)の容積である。
d(Pm/Tm)/dt=(R/Vm)・(mt−mc) …(4)
dPm/dt=κ・(R/Vm)・(mt・Ta−mc・Tm) …(5)
【0061】
吸気管モデルM33は、上記(4)式及び上記(5)式をそれぞれ差分法により離散化して得られる下記(6)式及び下記(7)式と、スロットルモデルM31により取得されたスロットル通過空気流量mt(k-1)と、吸気弁モデルM32により取得された筒内流入空気流量mc(k-1)と、現時点の吸気温度Taと、本モデルによりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、に基づいて最新の吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)を推定する。ただし、吸気管部内圧力Pm及び吸気管部内温度Tmの推定が一度も行われていないとき(本モデルにより1回目の推定を行うとき(本例では、内燃機関の運転開始時))、吸気管モデルM33は、吸気管部内圧力Pm(0)及び吸気管部内温度Tm(0)として、吸気圧力Pa及び吸気温度Taをそれぞれ採用する。
(Pm/Tm)(k)=(Pm/Tm)(k-1)+Δt・(R/Vm)・(mt(k-1)−mc(k-1)) …(6)
Pm(k)=Pm(k-1)+Δt・κ・(R/Vm)・(mt(k-1)・Ta−mc(k-1)・Tm(k-1)) …(7)
【0062】
(吸気弁モデルM34)
吸気弁モデルM34は、上記吸気弁モデルM32と同様のモデルを含んでいる。吸気弁モデルM34においては、上記吸気管モデルM33によりk回目の推定時に推定された最新の吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)と、現時点の吸気温度Taと、を本モデルを表す一般化された数式であり上記経験則に基づく(3)式(mc=(Ta/Tm)・(c・Pm−d))に適用して最新の筒内流入空気流量mc(k)を求める。そして、吸気弁モデルM34は、求めた筒内流入空気流量mc(k)に現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから算出される吸気弁32が開弁してから閉弁するまでの時間(吸気弁開弁時間)Tintを乗じることにより吸気行程において吸気弁32が閉弁される時点にて気筒内に導入されている空気の量である筒内空気量KLを求める。
【0063】
次に、電気制御装置70の実際の作動について、図5〜図7を参照しながら説明する。
【0064】
(筒内空気量推定)
電気制御装置70のCPU71は、図5にフローチャートにより示した筒内空気量推定ルーチンを所定の演算周期Δt(本例では、8ms)の経過毎に実行することにより、次回の演算時点における筒内空気量KLを推定する。なお、筒内空気量推定ルーチンが実行されることは、筒内空気量推定手段の機能が達成されることに対応している。
【0065】
具体的に説明すると、所定のタイミングになったとき、CPU71はステップ500から処理を開始し、ステップ505に進んで上記スロットルモデルM31によりスロットル通過空気流量mt(k-1)を求めるため、図6のフローチャートに示したステップ600に進む。なお、図6のルーチンが実行されることは、スロットル通過空気流量推定手段の機能が達成されることに対応している。
【0066】
次いで、CPU71は、ステップ605に進み、スロットルポジションセンサ63により検出されたスロットル弁開度θtaを読み込む。
【0067】
次に、CPU71は、ステップ610に進み、上記(1)式のスロットル開口断面積AtとしてのAt(k-1)を、上記テーブルMAPATと、上記ステップ605にて読み込まれた(今回の演算時点、即ち、現時点における)スロットル弁開度θtaと、から求める。
【0068】
そして、CPU71は、ステップ615に進み、流量係数μ(k-1)を決定するため、図7のフローチャートに示したステップ700に進む。なお、図7のルーチンが実行されることは、流量係数決定手段M20の機能が達成されることに対応している。
【0069】
次いで、CPU71は、ステップ705に進み、今回の演算時点のスロットル弁開度θtaと、前回の図6のルーチンの実行時において後述するステップ630にて設定された(前回の演算時点の)スロットル弁開度θtapと、の差の絶対値が0より大きいか否かを判定する。即ち、スロットル弁開度θtaと、スロットル弁開度θtapと、が異なるか否かを判定する。
【0070】
いま、運転者がアクセルペダル67を踏み込み始めた場合について説明する。この場合、アクセル開度センサ66により検出されるアクセルペダル操作量Accpが増加する。従って、内燃機関10の負荷が増加するので、気筒内に導入される空気量を増加させるために、スロットル弁制御手段C10は、スロットル弁開度が増加するようにスロットル弁アクチュエータ45aに駆動信号を送出する。これにより、スロットル弁45は開度が増加するように駆動される。
【0071】
この場合、今回の演算時点におけるスロットル弁開度θtaは、前回の演算時点におけるスロットル弁開度θtapより大きくなる。従って、CPU71は、ステップ705にて「Yes」と判定し、ステップ710に進んで、過渡状態流量係数採用フラグXkの値が「0」であるか否かを判定する。
【0072】
ここで、過渡状態流量係数採用フラグXkは、前回の本ルーチンの実行時において過渡運転時における流量係数として算出される過渡状態流量係数μkを流量係数として採用したか否かを表すフラグであって、その値が「1」であれば過渡状態流量係数μkを流量係数として採用し、「0」であれば定常運転時における流量係数として算出される定常状態流量係数μtを流量係数として採用したことを示す。後述するように、過渡状態流量係数採用フラグXkの値は、スロットル弁開度が変化し始めたとき、「1」に設定され(ステップ730を参照。)、その後、過渡状態流量係数μkが、定常状態流量係数μtに十分近しい値となったとき、「0」に設定される(ステップ765乃至ステップ775を参照。)。
【0073】
現時点は、内燃機関10の運転状態が定常運転状態(スロットル弁開度が一定の状態)から過渡運転状態(スロットル弁開度が増加している状態)となった時点である。従って、前回の本ルーチンの実行時まではスロットル弁開度が略一定であったので、現時点においては、過渡状態流量係数採用フラグXkの値は「0」である。
【0074】
従って、CPU71はステップ710にて「Yes」と判定し、ステップ715に進んで、内燃機関10の運転状態が過渡運転状態となった時点におけるスロットル弁開度である過渡状態初期スロットル弁開度θta0を前回の演算時点におけるスロットル弁開度θtapに設定する。更に、CPU71は同ステップ715にて、内燃機関10の運転状態が過渡運転状態となった時点における吸気管部内圧力である過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0を前々回の図5のルーチンの実行時において後述するステップ515にて求められた前回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k-2)に設定する。
【0075】
加えて、CPU71は同ステップ715にて、スロットル弁駆動速度vを、今回の演算時点におけるスロットル弁開度θtaと前回の演算時点におけるスロットル弁開度θtapとの差を演算周期Δtにより除した値に設定するとともに、内燃機関10の運転状態が過渡運転状態となった時点から経過した時間である過渡状態経過時間tをΔtに設定する。なお、ステップ715の処理が実行されることは、スロットル弁駆動速度取得手段の機能が達成されることに対応している。
【0076】
そして、CPU71は、ステップ720に進み、過渡状態流量係数μkと、過渡状態初期スロットル弁開度θta0、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態経過時間tと、の関係を規定する過渡状態流量係数テーブルfk、上記ステップ715にて設定された過渡状態初期スロットル弁開度θta0、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態経過時間tに基づいて過渡状態流量係数μkを決定する。
【0077】
ここで、過渡状態流量係数テーブルfkは、実験による測定値に基づいて作成されていて、予めROM72に記憶されている。過渡状態流量係数テーブルfkにより取得される過渡状態流量係数μkは、スロットル弁開度が変化(増加又は減少)し始めてから短い期間のうちに急激に減少し、その後、時間の経過に伴って、徐々に増加することにより定常状態流量係数μtに近づいていくようになっている。
【0078】
従って、上記過渡状態流量係数テーブルfkに基づいて過渡状態流量係数μkを決定することにより、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0079】
更に、過渡状態流量係数テーブルfkにより取得される過渡状態流量係数μkは、スロットル弁駆動速度vが大きくなるにつれて小さくなるようになっている。加えて、この過渡状態流量係数μkは、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0が小さくなるにつれて小さくなるようになっている。
【0080】
従って、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0の大きさに応じた空気の流れの乱れの程度を考慮に入れて過渡状態流量係数μkを決定することができるので、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0に応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0081】
この結果、後述するように、決定された過渡状態流量係数μkに基づいてスロットル通過空気流量mt及び筒内空気量KLを推定すると、スロットル通過空気流量mt及び筒内空気量KLを高い精度にて推定することができる。
【0082】
そして、CPU71は、ステップ725に進み、流量係数μ(k-1)を上記ステップ720にて決定された過渡状態流量係数μkに設定する。次いで、CPU71は、ステップ730に進み、過渡状態流量係数採用フラグXkの値を1に設定し、続くステップ735にて過渡状態経過時間tを同過渡状態経過時間tに演算周期Δtを加えた値に設定する。
【0083】
次に、CPU71は、ステップ795を経由して図6のステップ620に進んで、上記テーブルMAPΦと、前回の図5のルーチンの実行時における後述するステップ515にて求められた今回の演算時点(現時点)における吸気管部内圧力Pm(k-1)を圧力センサ61により検出された吸気圧力Paで除した値Pm(k-1)/Paと、から値Φ(Pm(k-1)/Pa)を求める。
【0084】
そして、CPU71は、ステップ625に進み、上記ステップ610、上記ステップ615及び上記ステップ620にてそれぞれ求めた値と、上記スロットルモデルM31を表す(1)式に基づくステップ625内に示した式と、上記吸気圧力Pa及び温度センサ62により検出された吸気温度Taと、に基づいて今回の演算時点におけるスロットル通過空気流量mt(k-1)を求める。
【0085】
次いで、CPU71は、ステップ630に進み、過去のスロットル弁開度としてのスロットル弁開度θtapを今回の本ルーチンの実行時において上記ステップ605にて読み込まれたスロットル弁開度θtaに設定し、ステップ695を経由して図5のステップ510に進む。
【0086】
次に、CPU71は、ステップ510に進み上記吸気弁モデルM32を表す(3)式の係数cを、上記テーブルMAPCと、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTと、から求める。また、同様に値dを、上記テーブルMAPDと、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTと、から求める。
【0087】
そして、CPU71は、同ステップ510にて上記吸気弁モデルM32を表す(3)式に基づくステップ510内に示した式と、前回の本ルーチンの実行時における後述するステップ515にて求められた今回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、上記吸気温度Taと、に基づいて今回の演算時点における筒内流入空気流量mc(k-1)を求める。
【0088】
次に、CPU71はステップ515に進み、上記吸気管モデルM33を表す(4)式及び(5)式を離散化した(6)式及び(7)式(ステップ515内に示した式(差分方程式))と、上記ステップ505にて求めたスロットル通過空気流量mt(k-1)と、上記ステップ510にて求めた筒内流入空気流量mc(k-1)と、上記吸気温度Taと、に基づいて、次回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k)と、同吸気管部内圧力Pm(k)を次回の演算時点における吸気管部内温度Tm(k)にて除した値{Pm/Tm}(k)と、を求める。即ち、ステップ515においては、今回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)等から、次回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)が求められる。なお、ステップ515の処理が実行されることは、スロットル弁下流圧力取得手段の機能の一部が達成されることに対応している。
【0089】
その後、CPU71は、ステップ520に進み上記吸気弁モデルM34を表す(3)式を用いて次回の演算時点における筒内流入空気流量mc(k)を求める。このとき、値c及び値dとして、上記ステップ510にて求めた値を使用する。また、吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)は、上記ステップ515にて求められた次回の演算時点における値(最新の値)を用いる。
【0090】
そして、CPU71は、ステップ525に進んで現時点のエンジン回転速度NEと、現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTと、により求められる吸気弁開弁時間(吸気弁32が開弁してから閉弁するまでの時間)Tintを計算し、続くステップ530にて上記次回の演算時点における筒内流入空気流量mc(k)に吸気弁開弁時間Tintを乗じて筒内空気量KLを算出し、ステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0091】
このように、筒内空気量推定ルーチンが上記演算周期Δtの経過毎に実行されることにより、各演算時点における筒内空気量KLが順次推定される。
【0092】
一方、CPU71は、図示しない噴射燃料量を決定するためのルーチンを所定のタイミングにて実行する。
【0093】
噴射燃料量は、CPU71により同噴射燃料量を決定するために要する時間等を考慮して、噴射開始時期より前の時点にて決定されている必要がある。従って、この制御装置は、吸気行程が開始した直後の時点となる毎に噴射燃料量決定ルーチンを実行するようになっている。
【0094】
そして、CPU71は、噴射燃料量決定ルーチンの実行時において求められている最新の筒内空気量KLを、内燃機関10の運転状態に応じて定められる目標空燃比AbyFにより除した値に定数kを乗じることにより、噴射燃料量τを決定する。
【0095】
以降、アクセルペダル操作量Accpが増加している期間においては、今回の演算時点のスロットル弁開度θtaと、前回の演算時点のスロットル弁開度θtapと、の差の絶対値は0より大きい。従って、CPU71が図7のルーチンの処理を開始すると、同CPU71は、ステップ705に進んだとき、「Yes」と判定し、ステップ710に進んで、過渡状態流量係数採用フラグXkの値が「0」であるか否かを判定する。
【0096】
この時点においては、過渡状態流量係数採用フラグXkの値は、前回の本ルーチンの実行時における上記ステップ730にて「1」に設定されている。従って、CPU71は、ステップ710にて「No」と判定し、ステップ720に進んで、上述したように過渡状態流量係数μkを決定する。そして、CPU71は、上記ステップ725〜上記ステップ735の処理を実行して本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0097】
このように、この制御装置によれば、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数が高い精度にて推定される。これにより、スロットル通過空気流量mtが高い精度にて推定されるので、筒内空気量KLを高い精度にて推定することができる。この結果、噴射燃料量τを適切に決定することができ、内燃機関10を適切に制御することができる。
【0098】
その後、運転者がアクセルペダル67の踏み込みを停止すると(即ち、アクセルペダル67の位置が維持されると)、アクセル開度センサ66により検出されるアクセルペダル操作量Accpが一定となるので、目標スロットル弁開度θttも一定となる。従って、スロットル弁45は開度が一定となるように制御される。かかる状態となると、前回の演算時点のスロットル弁開度θtapと、今回の演算時点のスロットル弁開度θtaと、は等しくなる。従って、CPU71が図7のルーチンの処理を開始すると、同CPU71は、ステップ705に進んだとき、「No」と判定し、ステップ750に進んで、過渡状態流量係数採用フラグXkの値が「1」であるか否かを判定する。
【0099】
この時点においては、過渡状態流量係数採用フラグXkの値は、前回の本ルーチンの実行時における上記ステップ730にて「1」に設定されている。従って、CPU71は、ステップ750にて「Yes」と判定し、ステップ755に進んで、定常状態流量係数μtと、スロットル弁開度θta、吸気管部内圧力Pm及びエンジン回転速度NEと、の関係を規定する定常状態流量係数テーブルft、今回の図6のルーチンの実行時における上記ステップ605にて読み込まれたスロットル弁開度θta、前回の図5のルーチンの実行時における上記ステップ515にて求められた今回の演算時点における吸気管部内圧力Pm(k-1)及び現時点のエンジン回転速度NEに基づいて定常状態流量係数μtを決定する。
【0100】
ここで、定常状態流量係数テーブルftは、実験による測定値に基づいて作成されていて、予めROM72に記憶されている。定常状態流量係数テーブルftにより取得される定常状態流量係数μtは、スロットル弁開度θtaが大きくなるにつれて小さくなるようになっている。
【0101】
次に、CPU71は、ステップ760に進み、上記ステップ720と同様に過渡状態流量係数μkを決定する。そして、CPU71は、ステップ765に進み、上記ステップ755にて決定した定常状態流量係数μtと、上記ステップ760にて決定した過渡状態流量係数μkと、の差の絶対値が十分に小さい(0に近しい)所定の値αより大きいか否かを判定する。即ち、定常状態流量係数μtと、過渡状態流量係数μkと、が互いに十分に近しい値であるか否かを判定する。
【0102】
この時点は、スロットル弁45の駆動が終了した直後の時点である。従って、スロットル弁45が駆動されていた間の流れの乱れが残っているので、流れの乱れの程度は、定常運転状態と比較して大きい。従って、過渡状態流量係数μkが定常状態流量係数μtより小さいので、CPU71は、ステップ765にて「Yes」と判定し、上記ステップ725〜上記ステップ735の処理を実行して本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0103】
その後、時間の経過に伴って、流れの乱れは定常運転時と略等しい程度になる。この時点において、CPU71が図7のルーチンの処理を開始すると、同CPU71は、ステップ765に進んだとき、「No」と判定し、ステップ770に進んで、流量係数μ(k-1)を上記ステップ755にて決定された定常状態流量係数μtに設定する。次いで、CPU71は、ステップ775に進み、過渡状態流量係数採用フラグXkの値を「0」に設定し、続くステップ735の処理を実行して本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0104】
更に、図7のルーチンの処理が実行される次のタイミングになり、CPU71が同ルーチンの処理を開始すると、同CPU71は、ステップ750に進んだとき、「No」と判定し、ステップ780に進んで、上記ステップ755と同様に定常状態流量係数μtを決定する。次いで、CPU71は、上記ステップ770、上記ステップ775及び上記ステップ735の処理を実行して本ルーチンの処理を一旦終了する。従って、定常運転時においては、定常状態流量係数μtが流量係数として採用される。
【0105】
以上説明したように、本発明による内燃機関の制御装置の第1実施形態は、過渡運転時においては、スロットル弁駆動速度vを取得し、取得されたスロットル弁駆動速度vに基づいて流量係数μを決定する。これにより、過渡運転時の実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0106】
更に、この第1実施形態は、スロットル弁駆動速度vが大きくなるにつれて決定される流量係数μが小さくなるように構成される。これにより、スロットル弁駆動速度vに応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0107】
加えて、この第1実施形態は、スロットル弁駆動速度vに加えて吸気管部内圧力(スロットル弁下流圧力)Pm(実際には、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0)を考慮に入れて流量係数μを決定する。これにより、過渡運転時の吸気管部内圧力Pmがどのような値であっても、実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0108】
更に、この第1実施形態は、吸気管部内圧力Pm(実際には、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0)が小さくなるにつれて決定される流量係数μが小さくなるように構成される。これにより、吸気管部内圧力Pmに応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0109】
このように、この第1実施形態によれば、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数が高い精度にて推定される。この結果、推定された流量係数に基づいてスロットル通過空気流量mtを高い精度にて推定することができる。従って、噴射燃料量τを適切に決定することができ、内燃機関10を適切に制御することができる。
【0110】
なお、上記第1実施形態においては、スロットル弁下流圧力(吸気管部内圧力)Pmを空気モデルM30により推定していたが、吸気管部内の空気の圧力を検出する圧力センサにより吸気管部内圧力Pmを検出してもよい。
【0111】
また、上記第1実施形態においては、過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0と、過渡状態流量係数μkと、の関係を規定する過渡状態流量係数テーブルfk及び過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0に基づいて過渡状態流量係数μkを推定していたが、吸気管部内圧力Pmと、過渡状態流量係数μkと、の関係を規定するテーブル及び各演算時点における吸気管部内圧力Pmに基づいて過渡状態流量係数μkを推定してもよい。
【0112】
(第2実施形態)
次に、本発明による内燃機関の制御装置に係る第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、過渡状態流量係数μkを過渡状態初期吸気管部内圧力Pm0に代えてエンジン回転速度NEに基づいて決定する点のみにおいて上記第1実施形態と相違している。従って、以下かかる相違点について説明する。
【0113】
ところで、エンジン回転速度NEが大きくなると、スロットル通過空気流量mtが多くなるので、スロットル弁45が駆動されることにより空気の流れが乱される程度は大きくなる。従って、図8に示したように、エンジン回転速度NEが大きくなるにつれて、実際の流量係数は、上記従来技術におけるスロットル弁開度と定常運転時の流量係数との関係に基づいて決定される流量係数(従来流量係数)より一層小さくなる。
【0114】
そこで、この第2実施形態に係る制御装置は、過渡運転時においては、スロットル弁駆動速度v及びエンジン回転速度NEを取得し、取得されたスロットル弁駆動速度v及びエンジン回転速度NEに基づいて流量係数μを決定し、決定された流量係数μを上記スロットルモデルM31に適用する。
【0115】
従って、この制御装置によれば、スロットル弁開度が変化しているとき(過渡運転時)の実際の流量係数が高い精度にて推定されるので、スロットル通過空気流量mt及び筒内空気量KLを高い精度にて推定することができる。これにより、噴射燃料量τを適切に決定することができるので、燃焼室25内に内燃機関10の運転状態に応じて定められた目標空燃比を有する混合気を形成することができ、内燃機関10を適切に制御することができる。
【0116】
より具体的に述べると、この制御装置は、上記第1実施形態がROM72に記憶していた過渡状態流量係数テーブルfkに代えて、過渡状態流量係数μkと、過渡状態初期スロットル弁開度θta0、エンジン回転速度NE、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態経過時間tと、の関係を規定する過渡状態流量係数テーブルfknをROM72に記憶している。
【0117】
過渡状態流量係数テーブルfknは、実験による測定値に基づいて作成されている。過渡状態流量係数テーブルfknにより取得される過渡状態流量係数μkは、スロットル弁開度が変化(増加又は減少)し始めてから短い期間のうちに急激に減少し、その後、時間の経過に伴って、徐々に増加することにより定常状態流量係数μtに近づいていくようになっている。
【0118】
更に、この過渡状態流量係数μkは、スロットル弁駆動速度vが大きくなるにつれて小さくなるようになっている。加えて、この過渡状態流量係数μkは、エンジン回転速度NEが大きくなるにつれて小さくなるようになっている。
【0119】
この制御装置は、図7のステップ720及びステップ760の処理を、上記過渡状態流量係数テーブルfknと、現時点のエンジン回転速度NEと、図7のルーチンにおける上記ステップ715にて設定された過渡状態初期スロットル弁開度θta0、スロットル弁駆動速度v及び過渡状態経過時間tと、に基づいて過渡状態流量係数μkを決定する処理に置換して同ルーチンを実行する。
【0120】
これにより、エンジン回転速度NEに応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。
【0121】
以上説明したように、本発明による内燃機関の制御装置の第2実施形態は、スロットル弁駆動速度vに加えてエンジン回転速度NEを考慮に入れて流量係数μを決定する。これにより、エンジン回転速度NEに応じた実際の流量係数を高い精度にて推定することができる。この結果、推定された流量係数に基づいてスロットル通過空気流量mtを高い精度にて推定することができる。従って、筒内空気量KLを高い精度にて推定することができ、噴射燃料量τを適切に決定することができる。
【0122】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態においては、決定された流量係数μに基づいて求められる筒内空気量KLに従って噴射燃料量τを決定していたが、更に、吸気弁32及び排気弁34をそれぞれ開閉するタイミング、燃料噴射タイミング及び点火タイミング等を決定してもよい。
【0123】
また、上記各実施形態においては、スロットルポジションセンサ63により検出された現時点のスロットル弁開度に基づいて現時点の噴射燃料量τを決定していたが、現時点より先の時点のスロットル弁開度を推定する手段により推定された同先の時点のスロットル弁開度に基づいて同先の時点の噴射燃料量τを決定してもよい。
【0124】
加えて、上記各実施形態においては、スロットル弁下流圧力Pm及びエンジン回転速度NEの何れか一方に基づいて過渡状態流量係数μkを決定していたが、スロットル弁下流圧力Pm及びエンジン回転速度NEの両方に基づいて過渡状態流量係数μkを決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施形態に係る制御装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。
【図2】スロットル弁開度の変化と、流量係数の変化と、の関係を概念的に示したグラフである。
【図3】スロットル弁下流圧力と、実際の流量係数の変化と、の関係を概念的に示したグラフである。
【図4】噴射燃料量を決定するための手段及びモデルの機能ブロック図である。
【図5】図1に示したCPUが実行する筒内空気量を推定するためのプログラムを示したフローチャートである。
【図6】図1に示したCPUが実行するスロットル通過空気流量を推定するためのプログラムを示したフローチャートである。
【図7】図1に示したCPUが実行する流量係数を決定するためのプログラムを示したフローチャートである。
【図8】エンジン回転速度と、実際の流量係数の変化と、の関係を概念的に示したグラフである。
【符号の説明】
【0126】
10…内燃機関、21…シリンダ、25…燃焼室、31…吸気ポート、32…吸気弁、34…排気ポート、35…排気弁、39…インジェクタ、41…インテークマニホールド、42…サージタンク、43…吸気ダクト、44…エアフィルタ、45…スロットル弁、45a…スロットル弁アクチュエータ、51…排気管、61…圧力センサ、62…温度センサ、63…スロットルポジションセンサ、65…クランクポジションセンサ、66…アクセル開度センサ、67…アクセルペダル、70…電気制御装置、71…CPU、72…ROM、73…RAM。




 

 


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