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内燃機関の吸気装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 内燃機関の吸気装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16657(P2007−16657A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197652(P2005−197652)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 中渡瀬 明
要約 課題
簡易な構成で、所望の流量とタンブル流のシリンダ内の気流の強化とを実現する。

解決手段
エンジンの吸気装置は、エンジンのシリンダ20に吸気ポート50が接続され、かつ、吸気ポート50の下流側の先端を吸気弁70が開閉するエンジンの吸気装置である。この吸気装置は、吸気ポート50をその断面で2つの領域に区画するように、吸気ポート50の長手方向に沿って設けられた隔壁200と、隔壁200の下流側に設けられ低温で第2の流路52を絞る形状に変形する形状記憶合金で形成された下端部220と、吸気ポート50を形成する管路に設置され、隔壁200により区画された第1の流路51を開閉する吸気制御弁300とを含む。シリンダ20内のピストン100の摺動方向を上下方向として、2つの領域は上下方向に区画されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関のシリンダに吸気ポートが接続され、かつ、前記吸気ポートの下流側の先端を吸気弁が開閉する内燃機関の吸気装置であって、
前記吸気ポートをその断面で第1の流路および第2の流路に区画するように、前記吸気ポートの長手方向に沿って設けられた隔壁と、
前記吸気ポートを形成する管路に設けられ、前記第1の流路を開閉する開閉機構と、
前記隔壁の下流端近傍に設けられ、前記第2の流路の断面積を変更する可変機構とを含み、
前記シリンダ内のピストンの摺動方向を上下方向として、前記第1の流路および前記第2の流路は上下方向の2つに区画されている、内燃機関の吸気装置。
【請求項2】
前記可変機構は、形状記憶合金により構成され、低温において前記第2の流路の断面積を絞る形状に変化する、請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項3】
前記吸気装置は、
前記開閉機構により第1の流路が開かれ、かつ、前記可変機構により前記第2の流路が絞られない第1の状態、
前記開閉機構により第1の流路が閉じられ、かつ、前記可変機構により前記第2の流路が絞られない第2の状態、
前記開閉機構により第1の流路が閉じられ、かつ、前記可変機構により前記第2の流路が絞られる第3の状態を実現する、請求項2に記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項4】
前記内燃機関の吸気装置は、前記内燃機関の運転状態に基づいて予め設定された3つの運転領域に対応させて、前記第1の状態、前記第2の状態および前記第3の状態を切換える制御ユニットをさらに含む、請求項3に記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、
第1の運転領域に対応させて前記第1の状態になるように、前記開閉機構を制御して、
第2の運転領域に対応させて前記第2の状態になるように、前記開閉機構を制御して、
第3の運転領域に対応させて前記第3の状態になるように、前記開閉機構を制御して、
前記第1の運転領域は、吸入空気量が大きく、前記第3の運転領域は、内燃機関の温度が低く、
前記第2の状態における開閉機構の状態と前記第3の状態における開閉機構の状態とは同じである、請求項4に記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項6】
前記開閉機構は、前記管路の壁面の位置を中心として前記弁体を回動させる回転軸を有し、
前記弁体は、第1の端部に前記中心軸が設けられる平板から構成され、
前記第3の状態において、前記形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形することにより前記第2の流路が絞られるとともに、前記平板の前記第1の端部とは逆側の第2の端部が前記隔壁と当接して前記第1の流路が閉じられるように構成され、
前記第2の状態において、前記形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形しないことにより前記第2の流路が絞られないとともに、前記平板の前記第1の端部とは逆側の第2の端部が前記隔壁と当接して前記第1の流路が閉じられるように構成され、
前記第1の状態において、前記形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形しないことにより前記第2の流路が絞られないとともに、前記平板が管路の壁面に平行に沿うようにされて、前記第1の流路および前記第2の流路が構成される、請求項5に記載の内燃機関の吸気装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダに接続された吸気ポートを含む内燃機関の吸気装置に関し、特に、内燃機関の運転状態に応じて、シリンダ内のタンブル流(縦渦)等のガス流動の強化を図る吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、火花点火式内燃機関における希薄混合気の安定した燃焼の実現のためには、タンブル流もしくはスワール流(横渦)といったシリンダ内のガス流動が非常に重要であり、より広い運転領域でガス流動を強化できることが必要である。
【0003】
特に、内燃機関の運転領域において、スロットル開度が小さく、それに応じて吸入空気量も少ない低負荷領域では、一般に混合気をやや濃く設定して燃焼を安定させるようにしているため、燃費やエミッションが悪化する傾向にある。このような燃費やエミッションの改善策としては、シリンダ内の吸気に旋回流を発生させて強い乱流により燃焼を促進することが有効であり、吸気にタンブル流やスワール流を発生させるようにしている。
【0004】
ここで、スワール流は、吸気をシリンダの周壁に沿って旋回させるもので、吸気を均一化する効果は高いが、乱流生成による燃焼促進の効果は低い。一方、タンブル流は、吸気をシリンダの軸方向に沿って旋回させるもので、圧縮行程の後半にタンブル流が崩壊して強い乱流が発生することから、エンジン低負荷領域での燃焼改善策として有効である。
【0005】
このようなシリンダ内のガス流動(スワール流、タンブル流)を強化する方法には、吸気ポートの通路断面の一部を遮へいする吸気制御弁を用いて、吸気ポート内を流れる吸気流を吸気ポートの一方の側に片寄らせる方法がある。たとえば、タンブル流の生成のためには、吸気ポートの下側に吸気制御弁を配置して、吸気ポートの上側に片寄って吸気が流れることで、シリンダ内のタンブル流が強化されることになる。
【0006】
ガス流動強化時に、吸気ポートの通路断面積を、吸気制御弁によって実質的に減少させることになり、ベースとなる吸気ポート断面積に対する有効な通路断面積の割合を「開口率」として定義すると、一般に、開口率が小さいほどガス流動が高く得られる。しかしながら、開口率を小とすると、流体抵抗は増大し、シリンダ内に吸入可能な吸気量が減少するので、吸気制御弁を閉じてガス流動を強化することができる運転条件は、比較的狭い範囲に制限されてしまう。特開2004−124836号公報は、開口率を過度に小さくすることなくシリンダ内のガス流動を強化することができる内燃機関の吸気装置を開示する。この内燃機関の吸気装置は、内燃機関のシリンダに吸気ポートが接続され、かつこの吸気ポートの下流側の先端を吸気弁が開閉する内燃機関の吸気装置であって、吸気ポートをその断面で2つの領域に区画するように、吸気ポートの長手方向に沿って設けられた隔壁と、この隔壁の上流端に近接して位置し、かつ、隔壁により区画された一方の流路を開閉する吸気制御弁と、隔壁により区画された2つの流路を吸気制御弁に近い位置で互いに連通させる連通路とを備える。
【0007】
この内燃機関の吸気装置によると、吸気制御弁が一方の流路を遮へいした閉位置にあるときに、他方の流路のみを通して吸気がシリンダ側へ流れることになり、吸気弁の周囲の一方に片寄った位置から相対的に多くの吸気がシリンダ内に流れ込む。これと同時に、吸気制御弁が吸気流を絞ることによって吸気制御弁の下流側に局部的な圧力低下が生じ、連通路に作用する。したがって、吸気制御弁で遮へいされた一方の流路の下流側の端部と連通路との間で圧力差が発生し、端部から吸気が吸い込まれるとともに、吸気ポートの上流側へ向かって逆に流れ、かつ連通路を通して他方の流路へと合流する。つまり、遮へいした流路を介して吸気の一部が上流側へと還流する。そのため、吸気弁の周囲を通る吸気流の流量ないしは流速の不均衡が一層拡大し、シリンダ内のガス流動が効果的に強化される。この結果、この内燃機関の吸気装置によると、吸気制御弁が遮へいした流路を介して一部の吸気が還流することによってシリンダ内のガス流動を効果的に向上させることができ、特に、吸気制御弁による開口率を小さくせずにより強いガス流動を得ることができる。したがって、流体抵抗の増加に伴うポンピングロスの増加が抑制され、またシリンダ内に流入する吸気量を多く確保できることから広範な運転領域でガス流動の強化が図れる。
【特許文献1】特開2004−124836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された吸気装置において、中負荷領域(中流量領域)においては、吸気制御弁を中間位置に保持しなければならない。この場合、吸気制御弁を回転駆動させるアクチュエータを制御して、アクチュエータを始端(こちら側を高流量側とする)および終端(こちら側を低流量側とする)で停止させることに加えて、アクチュエータをそれらの中間において停止させるようにしなければならない。たとえば、アクチュエータがモータの場合、始端の位置と終端の位置とにそれぞれストッパーを設けてモータを正転および逆転させることに加えて、始端と終端との間で停止させる制御が必要となる。このような制御を実現するための制御機構が必要となる。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成で、所望の流量とタンブル流等のシリンダ内の気流の強化とを実現する、内燃機関の吸気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明に係る吸気装置は、内燃機関のシリンダに吸気ポートが接続され、かつ、吸気ポートの下流側の先端を吸気弁が開閉する内燃機関の吸気装置である。この吸気装置は、吸気ポートをその断面で第1の流路および第2の流路に区画するように、吸気ポートの長手方向に沿って設けられた隔壁と、吸気ポートを形成する管路に設けられ、第1の流路を開閉する開閉機構と、隔壁の下流端近傍に設けられ、第2の流路の断面積を変更する可変機構とを含む。シリンダ内のピストンの摺動方向を上下方向として、第1の流路および第2の流路は上下方向の2つに区画されている。
【0011】
第1の発明によると、吸気ポートが、シリンダ内のピストンの摺動方向を上下方向として、第1の流路および第2の流路が上下方向の2つに区画される。この2つの流路の中で第1の流路は開閉機構により開かれているか閉じられているかのいずれかの状態である。したがって、この開閉機構を駆動するアクチュエータは中間の位置で開閉機構を保持する必要はない。隔壁の下流端近傍には、もう一方の流路である第2の流路の断面積を変更する(絞って狭くする)可変機構が設けられる。この可変機構を温度により形状を記憶している形状記憶合金等を用いることにより、少なくとも、以下の3つの状態を容易に実現できる。第1の流路が開かれ、かつ、第2の流路が開かれた第1の状態、第1の流路が閉じられ、かつ、第2の流路が開かれ絞られていない第2の状態、第1の流路が閉じられ、かつ、第2の流路が開かれ絞られている第3の状態である。特に、下流側において第2の流路の断面積を絞ることにより(タンブル流を発生させたい燃焼室に近いので)、冷間時の吸気量が少ない状態でのタンブル流を効果的に発生することができる。その結果、簡易な構成で、所望の流量とタンブル流等のシリンダ内の気流の強化とを実現する、内燃機関の吸気装置を提供することができる。
【0012】
第2の発明に係る吸気装置においては、第1の発明の構成に加えて、可変機構は、形状記憶合金により構成され、低温において第2の流路の断面積を絞る形状に変化する。
【0013】
第2の発明によると、冷間時(低温時)に第2の流路を絞る形状に変化する可変機構を形状記憶合金で形成したので、第2の流路を絞るためのアクチュエータを必要としないで、タンブル流の強化を実現できる。
【0014】
第3の発明に係る吸気装置は、第2の発明の構成に加えて、開閉機構により第1の流路が開かれ、かつ、可変機構により第2の流路が絞られない第1の状態、開閉機構により第1の流路が閉じられ、かつ、可変機構により第2の流路が絞られない第2の状態、開閉機構により第1の流路が閉じられ、かつ、可変機構により第2の流路が絞られる第3の状態を実現する。
【0015】
第3の発明によると、開閉機構が閉じる(第2の流路のみ)か開くか(第1の流路および第2の流路)の2つのいずれか、可変機構が温度により形状が変化することにより第2の流路のみの場合に可変機構により絞られていないか、絞られているかの2つのいずれか(合計3つの状態)を容易に実現できる。
【0016】
第4の発明に係る吸気装置は、第3の発明の構成に加えて、内燃機関の運転状態に基づいて予め設定された3つの運転領域に対応させて、第1の状態、第2の状態および第3の状態を切換える制御ユニットをさらに含む。
【0017】
第4の発明によると、制御ユニットにより、内燃機関の運転状態に対応させた、適正な吸気通路の状態を実現することができる。
【0018】
第5の発明に係る吸気装置においては、第4の発明の構成に加えて、制御ユニットは、第1の運転領域に対応させて第1の状態になるように、開閉機構を制御して、第2の運転領域に対応させて第2の状態になるように、開閉機構を制御して、第3の運転領域に対応させて第3の状態になるように、開閉機構を制御して、第1の運転領域は、吸入空気量が大きく、第3の運転領域は、内燃機関の温度が低く、第2の状態における開閉機構の状態と第3の状態における開閉機構の状態とは同じである。
【0019】
第5の発明によると、吸入空気量が大きい場合には、第1の流路および第2の流路のいずれもが開いた第1の状態になるように、内燃機関の温度が低いとき(冷間時)には、形状記憶合金で形成された可変機構により絞られた第2の流路のみが開いた第3の状態になるように、容易に切換えることができる。
【0020】
第6の発明に係る吸気装置においては、第5の発明の構成に加えて、開閉機構は、管路の壁面の位置を中心として弁体を回動させる回転軸を有し、弁体は、第1の端部に中心軸が設けられる平板から構成され、第3の状態において、形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形することにより第2の流路が絞られるとともに、平板の第1の端部とは逆側の第2の端部が隔壁と当接して第1の流路が閉じられるように構成され、第2の状態において、形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形しないことにより第2の流路が絞られないとともに、平板の第1の端部とは逆側の第2の端部が隔壁と当接して第1の流路が閉じられるように構成され、第1の状態において、形状記憶合金で形成された可変機構が低温状態の形状に変形しないことにより第2の流路が絞られないとともに、平板が管路の壁面に平行に沿うようにされて、第1の流路および第2の流路が構成される。
【0021】
第6の発明によると、弁体の回動は第1の流路を閉じるか開くかのいずれかの状態しか実現しないで中間の状態を実現する必要がない。第1の流路を閉じた場合においては、可変機構が第2の流路を絞るか絞らないかを温度により形状が変化する形状記憶合金の作用を用いて実現する。その結果、簡易な構成で、所望の流量とタンブル流等のシリンダ内の気流の強化とを実現する、内燃機関の吸気装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0023】
本実施の形態に係る内燃機関の吸気装置について、その吸気装置が適用される内燃機関とともに説明する。なお、以下に示す内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンとして説明する。なお、エンジンに設けられるインジェクタは、吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタであっても、筒内に燃料を噴射するインジェクタであってもよい。また、それらの双方のインジェクタを有するエンジンでもよい。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る内燃機関の吸気装置を筒内直接噴射式火花点火式ガソリンエンジンの吸気装置に適用した場合の全体構成を示す。この吸気装置は、ガス流動としてタンブル流の強化を図ったものである。
【0025】
図1に示すように、シリンダブロック10に円筒状のシリンダ20が形成されているとともに、その頂部を覆うシリンダヘッド30に、べントルーフ型の燃焼室40が設けられている。この燃焼室40の2つの傾斜面にそれぞれ開口するように、吸気ポート50および排気ポート60が形成されており、吸気ポート50の先端を吸気弁70が開閉し、かつ排気ポート60の先端を排気弁80が開閉している。ここで、吸気ポート50は、先端部が二股状に分岐しており、各気筒に一対設けられた吸気弁70がそれぞれの先端を開閉している。同様に、排気弁80も各気筒に一対設けられている。そして、これらの4つの弁に囲まれた燃焼室40中心部に、点火プラグ90が配置されている。なお、シリンダ20内に配置されたピストン10は、本発明の要部ではないので、頂面が平坦な単純形状として図示してあるが、必要に応じて成層燃焼等に適した所望の形状に構成される場合もある。
【0026】
そして、図1に示すように、本実施の形態においては、吸気ポート50をその断面で上下2つの領域に区画するように、吸気ポート50の長手方向に沿った隔壁200が設けられている。この隔壁200は、たとえば、シリンダヘッド30を鋳造する際に別体の金属板を鋳込むことによって構成される。この隔壁200の下流端ができるだけ下流側つまり吸気弁70に近い位置となるように配置されている。
【0027】
ここで、図1に示すように、この隔壁200が存在する長手方向の部分で吸気ポート50がほぼ直線状をなし、これに対応して隔壁200もほぼ直線状をなしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、吸気ポート50が湾曲している場合には、これに沿うように湾曲した隔壁200が設けられる。
【0028】
なお、当業者には明らかなように、吸気ポート50や吸気流等についての「上」「下」とは、シリンダ20の上下を基準とするものであり、空間上の絶対的な上下の意味ではない。また、「吸気ポート」という用語も、必ずしもシリンダヘッド30内部の部分のみを意味するのではなく、その上流側の一部が、シリンダヘッド30外部の他の部材、たとえば吸気マニホールドの一部として構成される場合も含む。つまり、シリンダヘッド30とは別の吸気マニホールド等から構成される部分を含めて「吸気ポート」と呼ぶものとする。
【0029】
隔壁200が存在する部分では、吸気ポート50内が、下側の通路部分つまり第1流路51と上側の通路部分つまり第2流路52とに分割される。そして、下側の第1流路51を入口側つまり上流端で遮へいするように、各気筒毎に吸気制御弁300が設けられている。この吸気制御弁300は、隔壁200の延長線上、特に、隔壁200の上流側の端部に隣接して設けられる。
【0030】
この隔壁200の(全部またはその一部の)素材は、形状記憶合金である。隔壁200は、温度に関係なく形状が変更されない仕切り板210と、温度により形状が変化する下端部220とから構成される。少なくともこの下端部220の素材は形状記憶合金である。
【0031】
この下端部220は、低温であると図1の矢示A(C)側に反り返り、高温であると図1の矢示A(H)側に戻る。すなわち、隔壁200の下流側(すなわち、燃焼室40側)の下端部220は、高温であると矢示A(H)側であって第2流路52を絞らないで、低温であると矢示A(C)側であって第2流路52を絞る。
【0032】
吸気制御弁300は、一端を支持されて回動する平板から構成される。吸気制御弁300は、回転軸360に連結され、回転軸360は、吸気制御弁300が回動自在になるように、回転軸支持部350により支持されている。回転軸360は、エンジンECU(Electronic Control Unit)により制御されるモータの回転軸に連結され、このモータにより吸気制御弁300が回転される。
【0033】
また、吸気制御弁300を収納するための収納部400が下側の第1の流路51に設けられている。
【0034】
モータは、エンジンECUからの指令により正転(図1において吸気制御弁が時計回りに回動する方向)して、矢示B(C)の方向に、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接するまで回転する。この回転はストッパー(図示しない)により停止される。エンジンECUは、モータに、所定時間(少なくとも回転軸が45゜程度回転する時間)回転指令信号を出力するだけで、矢示B(H)側から矢示B(C)側へ、吸気制御弁300を回動させることができる。
【0035】
また、モータは、エンジンECUからの指令により逆転(図1において吸気制御弁が反時計回りに回動する方向)して、矢示B(H)の方向に、吸気制御弁300が収納部400に収納されるまで回転する。この回転はストッパー(図示しない)により停止される。エンジンECUは、モータに、所定時間(少なくとも回転軸が45゜程度回転する時間)回転指令信号を出力するだけで、矢示B(C)側から矢示B(H)側へ、吸気制御弁300を回動させることができる。
【0036】
なお、ストッパーの代わりに、もしくはストッパーに加えて、吸気制御弁300が、その先端と隔壁200の上流側端部とが当接したことをセンサで検知して、エンジンECUがモータに停止指令を出力したり、吸気制御弁300が、収納部400に収納されたことをセンサで検知して、エンジンECUがモータに停止指令を出力したりするようにしてもよい。
【0037】
図2に示すように、吸気制御弁300は、第1の状態(高温または温間)として、全開状態を実現する。このとき、吸気制御弁300は、矢示B(H)の方向に回動されて、吸気ポート50の壁面に平行に沿うようになり収納部400に収納される。このため、下側の第1の流路51および上側の第2の流路52が構成される。なお、隔壁200の下端部220は、高温であるので、矢示A(H)側の位置にあって、第2流路52を絞らない状態である。
【0038】
図3に示すように、吸気制御弁300は、第2の状態(高温または温間)として、半開状態を実現する。このとき、吸気制御弁300は、矢示B(C)の方向に回動されて、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して、下側の第1の流路51が閉じられ、上側の第2の流路52が開かれた状態(すなわち、上側の第2の流路52のみが構成される)を実現する。また、隔壁200の下端部220は、高温であるので、矢示A(H)側の位置にあって、第2流路52を絞らない状態である。
【0039】
図4に示すように、吸気制御弁300は、第3の状態(低温または冷間)として、小開状態を実現する。このとき、吸気制御弁300は、矢示B(C)の方向に回動されて、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して、下側の第1の流路51が閉じられ、上側の第2の流路52が開かれた状態(すなわち、上側の第2の流路52のみが構成される)を実現する。また、隔壁200の下端部220は、低温であるので、矢示A(C)側の位置にあって、第2流路52を絞る状態である。
【0040】
次に、上記の構成における作用について説明する。吸気行程において、吸気弁70が開き、かつピストン100が下降すると、吸気は、吸気弁70周囲の間隙を通して、シリンダ20内に流入する。
【0041】
このとき、図2に示すように、吸気制御弁300が開位置(矢示B(H)側)にあれば、下側の第1流路51(下端部220による絞りなし)および上側の第2流路52の双方を通して高流量の吸気が流れ、吸気弁70の周囲の各部からほぼ均等に吸気が流れ込むので、シリンダ20内に発生するガス流動(タンブル流)は比較的弱い。なお、このとき、吸気制御弁300は、収納部400に収納されて、流体抵抗となることはない。
【0042】
図3に示すように、吸気制御弁300が半開位置にあれば、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して、下側の第1の流路51は閉じられる。上側の第2流路52(下端部220による絞りなし)のみを通して吸気が流れる。このとき、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して接続されているため、収納部400が流体抵抗となることはない。
【0043】
この場合において、吸気制御弁300が図3のような半開位置に制御されると、下側の第2流路52が遮へいされ、上側の第1流路51のみを通して吸気がシリンダ20側へ流れる。特に、吸気ポート50の上側の内壁面に沿って吸気流が偏在し、吸気ポート50の下側の内壁面に沿う流れは非常に少ない。そのため、吸気弁70の周囲について見たときに、吸気弁70の下側つまりシリンダ20外周に近い側の間隙では、吸気の流量が少ないとともに、流速も低く、また吸気弁70の上側つまり点火プラグ90に近い側の間隙では、吸気の流量が多いとともに、流速も高くなる。この結果、シリンダ20内には、図1の矢印で示すように、吸気弁70側から排気弁80側を経てピストン100頂面へと向かうタンブル流(いわゆる順タンブル流)が生じる。
【0044】
図4に示すように、吸気制御弁300が小開位置にあれば、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して、下側の第1の流路51は閉じられる。上側の第2流路52は、下端部220の形状記憶効果により上側に反り返り、第2流路52の流路断面積が絞られる。このため、上側の第2の流路の一部のみを通して吸気が流れる。このとき、吸気制御弁300の先端と隔壁200の上流側端部とが当接して接続されているため、収納部400が流体抵抗となることはない。
【0045】
この場合において、吸気制御弁300が図4のような小開位置に制御されると、半開位置に制御された場合と同じような作用が生じる。すなわち、下側の第2流路52が遮蔽され、上側の第1流路51の一部のみを通して吸気がシリンダ20側へ流れる。特に、吸気制御弁300が半開位置である場合よりも、吸気ポート50の上側の内壁面に沿って吸気流がさらに偏在し、吸気ポート50の下側の内壁面に沿う流れはさらに少なくなる。そのため、吸気弁70の周囲について見たときに、吸気弁70の下側つまりシリンダ20外周に近い側の間隙では、吸気の流量が少ないとともに、流速も低く、また吸気弁70の上側つまり点火プラグ90に近い側の間隙では、吸気の流量が多いとともに、流速も高くなる。この結果、シリンダ20内には、図1の矢印で示すように、吸気弁70側から排気弁80側を経てピストン100頂面へと向かうタンブル流(いわゆる順タンブル)が生じる。
【0046】
このような、3つの状態に対応するエンジンの運転状態について説明する。
エンジンのスロットル弁が全開状態(第1の運転状態)である場合には、吸気制御弁300が第1の状態である全開状態になるように(吸気制御弁300が矢示B(H)方向に回転するように)、エンジンECUが回転軸360に連結されたモータを制御する。これにより、WOT(Wide Open Throttle)に対応して、エンジンの燃焼室40に吸気される空気量を増大させることができて、エンジンの出力を上昇させることができる。
【0047】
エンジンの温度(多くの場合エンジン冷却水温度で表わされる)が低い状態(第3の運転状態)である場合には、吸気制御弁300が第3の状態である小開状態になるように(吸気制御弁300が矢示B(C)方向に回転するように)、エンジンECUが回転軸360に連結されたモータを制御する。このとき、隔壁200の下端部220の形状記憶効果により上側に反り返り上側の第1の流路を絞る。これにより、エンジンが冷間状態であることに対応して、シリンダ20内に発生するタンブル流を強化することができて、リーン限界をさらに希薄側にすることができて、燃費を向上させることができる。このことは、タンブル流が、吸気をシリンダの軸方向に沿って旋回させるため、圧縮行程の後半にタンブル流が崩壊して強い乱流が発生することから、エンジンの冷間時において燃焼を改善させることに起因するものと考えられる。
【0048】
上述したエンジンの第1の運転状態(WOT状態)と第3の運転状態(冷間状態)との間のエンジンの状態(第2の運転状態)である場合には、吸気制御弁300が第3の状態である小開状態と同じ状態になるように(吸気制御弁300が矢示B(C)方向に回転するように)、エンジンECUが回転軸360に連結されたモータを制御する。このとき、隔壁200の下端部220の形状記憶効果が作用しないで上側に反り返ることなく上側の第2の流路52を絞らない。これにより、エンジンがパーシャル(中間)状態であることに対応して、シリンダ20内に発生するタンブル流を強化することができて、燃焼性能を向上させることによりさらに希薄燃焼を実現できて、燃費を向上させることができる。このことは、前述の第3の状態と同様に、タンブル流が、吸気をシリンダの軸方向に沿って旋回させるため、圧縮行程の後半にタンブル流が崩壊して強い乱流が発生することから、燃焼を改善させることに起因するものと考えられる。
【0049】
以上のようにして、エンジンの運転状態に対応させて、吸気装置においてタンブル流を発生させる吸気制御弁により吸気の通路の断面積を変化させた。この場合において、隔壁の下流側の端部を低温で反り返るような形状記憶作用を有する形状記憶合金を用いて形成した。このため、構造を複雑にすることなく、シリンダ内の気流の強化を実現できる。
【0050】
なお、上側の通路部分つまり第2流路52を遮へいする下端部220の長さおよび傾き(第2流路52の断面積を決定する)は、冷間時における燃費向上の実現のために要求されるタンブル流の強さに応じて設定される。
【0051】
さらに、図1において、その上下が逆の構成を有する吸気装置であっても構わない。その場合、下端部220は低温で下側に反り返る形状記憶作用を有する。
【0052】
さらに、仕切り板210と気流制御弁300とは密着するほどに当接する必要はなく、気流制御の作用効果を発現しさえすれば、これらの部材の間に間隙があっても構わない。
【0053】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る吸気装置の全体構造を示す断面図である。
【図2】図1の吸気装置が全開状態にある場合の図である。
【図3】図1の吸気装置が半開状態にある場合の図である。
【図4】図1の吸気装置が小開状態にある場合の図である。
【符号の説明】
【0055】
10 シリンダブロック、20 シリンダ、30 シリンダヘッド、40 燃焼室、50 吸気ポート、51 第1の流路、52 第2の流路、60 排気ポート、70 吸気弁、80 排気弁、90 点火プラグ、100 ピストン、200 隔壁、210 仕切り板、220 下端部、300 気流制御弁、350 回転軸支持部、360 回転軸、400 収納部。




 

 


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