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発明の名称 部材間のシール構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9959(P2007−9959A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188789(P2005−188789)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 安戸 洋介
要約 課題
冷却媒体を流通させる部材に温度差が生じたとしてもシール性の低下を抑制することのできる部材間のシール構造を提供する。

解決手段
部材間のシール構造は、内部に冷却媒体を流通させる通路を構成する2つの部材と、同2つの部材の接続面の間に介設されるガスケット42とを備え、前記通路の外部に熱源が設けられる。部材間のシール構造は、前記2つの部材と前記ガスケット42との間には冷却媒体を吸収して膨張する膨張部材44が配設されてなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に冷却媒体を流通させる通路を構成する2つの部材と、同2つの部材の接続面の間に介設されるガスケットとを備え、前記通路の外部に熱源が設けられる部材間のシール構造において、
前記2つの部材と前記ガスケットとの間には冷却媒体を吸収して膨張する膨張部材が配設されてなる
ことを特徴とする部材間のシール構造。
【請求項2】
前記膨張部材は耐熱性の樹脂により形成されてなる請求項1に記載の部材間のシール構造。
【請求項3】
前記膨張部材は、前記ガスケットを挟持する2つの接続面での面圧分布の変化に伴う隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さに設定されてなる請求項1または2に記載の部材間のシール構造。
【請求項4】
前記膨張部材は前記ガスケットの表面にコーティングされてなる請求項1〜3のいずれかに記載の部材間のシール構造。
【請求項5】
前記熱源は内燃機関の燃焼室であり、前記2つの部材は内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドとシリンダブロックであり、前記冷却媒体及び前記通路は同機関を冷却する冷却水及びウォータジャケットであり、前記ガスケットは前記接続面の間に介設されるシリンダヘッドガスケットである請求項1〜4のいずれかに記載の部材間のシール構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は部材間のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックとの接続面の間には、燃焼室中で発生する燃焼ガスなどの漏れを防止するためのシリンダヘッドガスケットが介設されている。こうしたシリンダヘッドガスケットとしては、例えば特許文献1にみられるように、シリコン粘着剤やフッ素粘着剤などからなるミクロシール剤をガスケット表面に塗布して、その表面に固着させたものが知られている。シリンダヘッドガスケットを挟持するシリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面には、加工時のツールマークなどによって10μm程度の微小な凹凸が存在し、シール性能を低下させる要因の一つとなっている。この点、上記公報に記載のガスケットでは、その表面にコーティングした極軟質で粘着性を有するミクロシール剤が凹凸に入り込み、シリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面とガスケットとの密着性が確保されるようになっている。ちなみに、こうした密着性の確保のためには、上記接続面の凹凸の大きさ(10μm程度)よりも厚い10〜30μm程度のミクロシール剤のコーティング層を設けておけば十分である。
【特許文献1】実開昭63−180770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、ガスケットの表面にミクロシール剤をコーティングして密着性を確保することで、確かに、接続面の微小な表面粗さに起因するシール性能の低下を防止することはできる。
【0004】
ところが、シリンダヘッド、シリンダブロック、及びシリンダヘッドガスケットなど燃焼室の近傍にあるものは燃焼室で発生する熱により熱膨張する一方、冷却水が流通するウォータジャケット近傍では、冷却水により冷却されることで熱収縮する。その結果、図4に示されるように、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面ではこれに起因して同接続面の凹凸の大きさよりも大きな隙間が生じてしまうこととなる。このため、上述したようなミクロシール剤のコーティング層をシリンダヘッドガスケット4に設けたとしてもシリンダヘッドガスケット4を挟持する接続面に生じた隙間を埋めることはできない。したがって、これらの接続面での面圧分布が大きく変化してしまうため、十分なシール性能を確保することが困難となっている。
【0005】
なお、こうした問題はシリンダヘッドガスケットに限らず、内部に冷却媒体を流通させる通路を構成する2つの部材と、同2つの部材の接続面の間に介設されるガスケットとを備え、前記通路の外部に熱源が設けられる部材間のシール構造においては、上述した理由と同様の理由により十分なシール効果を確保することができないおそれがある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、冷却媒体を流通させる部材に温度差が生じたとしてもシール性の低下を抑制することのできる部材間のシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内部に冷却媒体を流通させる通路を構成する2つの部材と、同2つの部材の接続面の間に介設されるガスケットとを備え、前記通路の外部に熱源が設けられる部材間のシール構造において、前記2つの部材と前記ガスケットとの間には冷却媒体を吸収して膨張する膨張部材が配設されてなることをその要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、外部の熱源からの熱により熱膨張する部材間のシール構造において、2つの部材の接続面とガスケットとの間に冷却媒体を吸収して膨張する膨張部材が配設されている。このため、冷却媒体が流通する部分の近傍の熱収縮が大きい部分では、膨張部材が冷却媒体を吸収して膨張することで同2つの部材と同ガスケットとの間に生じた隙間が埋められることとなる。したがって、上記2つの部材の接続面での面圧が変化することが抑制され、部材間のシール性の低下を抑制することができる。
【0009】
具体的には、請求項2に記載される発明によるように、請求項1に記載の部材間のシール構造において、前記膨張部材を耐熱性の樹脂により形成するといった態様を採用することができる。これにより、熱源の温度が高い場合であっても膨張部材の性能が低下することがないため、上記2つの部材の接続面での面圧の変化を高温下においても好適に抑制することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の部材間のシール構造において、前記膨張部材が、前記ガスケットを挟持する2つの接続面での面圧分布の変化に伴う隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さに設定されてなることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、上記膨張部材の厚さが、ガスケットを挟持する2つの接続面での面圧分布の変化に伴う隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さに設定されている。このため、上記2つの部材やガスケットの熱収縮度合に応じてガスケットを挟持する2つの接続面の間での隙間の発生が効果的に抑制されることとなる。また、膨張部材が上記効果を奏する最低限の厚さに設定されていることから、膨張部材が変形することによる面圧の変化を抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の部材間のシール構造において、前記膨張部材は前記ガスケットの表面にコーティングされてなることをその要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、膨張部材が予めガスケットの表面にコーティングされているため、上記2つの部材及びガスケットを組み立てる際の工程が複雑となることを回避することができる。また膨張部材がガスケットにコーティングされているため、2つの部材の接続面において膨張部材が意図しない方向へ移動してしまうこともない。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の部材間のシール構造において、前記熱源は内燃機関の燃焼室であり、前記2つの部材は内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドとシリンダブロックであり、前記冷却媒体及び前記通路は同機関を冷却する冷却水及びウォータジャケットであり、前記ガスケットは前記接続面の間に介設されるシリンダヘッドガスケットであることをその要旨とする。
【0015】
内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドとシリンダブロックとの接続面の間には、燃焼室内の燃焼ガスをシールするためにシリンダヘッドガスケットが介設されている。これらの部材は燃焼室で発生する熱により熱膨張する一方、冷却水が流通する部分の近傍では冷却水により冷却されることで熱収縮することとなる。このため、シリンダヘッドガスケットのうちで冷却水が流通する部分の近傍では、シリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面とシリンダヘッドガスケットとの間に隙間が生じることとなり、これらの接続面での面圧が低下してしまうおそれがある。
【0016】
この点本発明によれば、シリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面とシリンダヘッドガスケットとの間に冷却水を吸収して膨潤する膨張部材が配設されている。このため、冷却水が流通する部分の近傍の熱収縮が大きい部分では、膨張部材が冷却水を吸収して膨張するため、シリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面と同ガスケットとの間に生じた隙間が埋められることとなり、シリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面での面圧が変化することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる部材間のシール構造を、内燃機関のシリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面間のシール構造として具体化したものについて図1及び図2を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本実施形態におけるシリンダヘッド及びシリンダブロックの接続面の間のシール構造及びその周辺部材の断面構造を示している。
図1に示されるように、シリンダヘッド10、シリンダブロック20、及びピストン30によって内燃機関の燃焼室が形成されている。
【0019】
シリンダブロック20の内部には、図示しないウォータポンプから圧送されて内燃機関を冷却するための冷却水の通路であるウォータジャケットが形成され、同ウォータジャケットはシリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面に開口している。
【0020】
シリンダヘッド10及びシリンダブロック20は、これらの接続面の間にシリンダヘッドガスケット40を介設させるとともに、図示しないボルトにより締結されている。
このシリンダヘッドガスケット40は、主に金属板42によって構成されており、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面と当接する金属板42の上下表面には、冷却水を吸収することにより体積膨張する膨張部材44がコーティングされている。
【0021】
膨張部材44は、耐熱性の樹脂によって形成されている。膨張部材44のコーティング層は、そのシール対象となるシリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面での面圧分布の変化に伴う変形によって生じる隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さに設定されている。具体的には、この膨張部材44の厚みを50μmに設定している。
【0022】
次に本実施形態にかかるシール構造の作用について、図2を参照して詳細に説明する。
機関運転時には燃焼室内で発生する熱により、シリンダヘッド10、シリンダブロック20、及びシリンダヘッドガスケット40の金属板42は熱膨張する一方、冷却水が流通する部分の近傍、すなわち、ウォータジャケットの近傍では冷却水により冷却されることで熱収縮することとなる。
【0023】
図2に示されるように、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20のうちで冷却水が流通する部分の近傍、すなわち、ウォータジャケットの近傍の部分は、冷却水により冷却されることで大きく熱収縮する。このため、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20とシリンダヘッドガスケット40との間に隙間が生じることとなる。この場合、金属板42の表面にコーティングされた膨張部材44が冷却水を吸収して膨張するため、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20とシリンダヘッドガスケット40との間に生じた隙間が埋められることとなる。
【0024】
また、シリンダヘッド10やシリンダブロック20にアルミニウム合金等の熱膨張率の大きい材料を用いた場合には、こうした隙間が更に大きなものとなる。しかしながらこうした場合であっても、膨張部材44が冷却水を吸収して膨張することにより同隙間が埋められることとなる。
【0025】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッド10とシリンダブロック20との接続面の間には、燃焼室内の燃焼ガスをシールするためにシリンダヘッドガスケット40が介設されている。これらの部材は燃焼室で発生する熱により熱膨張する一方、冷却水が流通する部分の近傍では冷却水により冷却されることで熱収縮することとなる。このため、これらの部材のうちで冷却水が流通する部分の近傍では、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面とシリンダヘッドガスケット40との間に隙間が生じることとなり、これらの接続面での面圧が低下してしまうおそれがある。
【0026】
この点本実施形態によれば、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面とシリンダヘッドガスケット40との間に冷却水を吸収して膨潤する膨張部材44が配設されている。このため、冷却水が流通する部分の近傍の熱収縮が大きい部分では、膨張部材44が冷却水を吸収して膨張するため、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20と同ガスケット40との間に生じた隙間が埋められることとなり、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面での面圧が変化することを抑制することができる。
【0027】
(2)膨張部材44を耐熱性の樹脂により形成するといった態様を採用している。これにより、燃焼室内の温度が高い場合であっても膨張部材44の性能が低下することがないため、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面での面圧の変化を高温下においても好適に抑制することができる。
【0028】
(3)本実施形態によれば、上記膨張部材44の厚さが、シリンダヘッドガスケット40を挟持するシリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面での面圧分布の変化に伴う隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さに設定されている。このため、シリンダヘッド10、シリンダブロック20、及びシリンダヘッドガスケット40の熱収縮度合に応じてシリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面の間での隙間の発生が効果的に抑制されることとなる。また、膨張部材44が上記効果を奏する最低限の厚さに設定されていることから、膨張部材44が変形することによる面圧の変化を抑制することができる。
【0029】
(4)本実施形態によれば、膨張部材44が予めガスケット40の表面にコーティングされているため、シリンダヘッド10、シリンダブロック20、及びシリンダヘッドガスケット40を組み立てる際の工程が複雑となることを回避することができる。また膨張部材44がシリンダヘッドガスケット40にコーティングされているため、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面において膨張部材44が意図しない方向へ移動してしまうこともない。
【0030】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・シリンダヘッドガスケット40の金属板42の表面にコーティングする膨張部材の厚さは、上記面圧分布の変化に伴う隙間の発生を抑制し得る最低限の厚さよりも厚くしても良い。この場合であっても、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面とシリンダヘッドガスケット40との間に隙間が生じることを抑制することはできる。
【0031】
・本実施形態では、膨張部材44をシリンダヘッドガスケット40の表面にコーティングするといった構成を採用したが、必ずしもシリンダヘッドガスケット40の表面に膨張部材44をコーティングする必要はない。例えば、シリンダヘッド10やシリンダブロック20の接続面に膨張部材をコーティングするようにしてもよい。また膨張部材をこれらの部材にコーティングする代わりに、シリンダヘッド10及びシリンダブロック20の接続面の形状に合わせて膨張部材を成形し、これら接続面とシリンダヘッドガスケット40の金属板42との間に挟み込むといった態様を採用してもよい。
【0032】
・本発明にかかる部材間のシール構造は、内燃機関のシリンダヘッド10及びシリンダブロックの接続面の間のシール構造に限られるものではない。例えば図3に示されるように、一方の管110及び他方の管120の接続面の間に介設されるガスケット140において、一方の管110及び他方の管120の接続面とガスケット本体142との間に冷却水を吸収して膨張する膨張部材144を配設するようにしてもよい。そして、管の外部に熱源が設けられるとともに、管の内部に冷却水を流通させるようにした場合には、本実施形態と同様な作用効果を奏することとなる。
【0033】
・本実施形態では、膨張部材44を耐熱性の樹脂によって形成しているが、熱源の温度がそれほど高くない場合には、膨張部材を耐熱性の樹脂によって形成しなくてもよい。また膨張部材自体は必ずしも樹脂によって形成されていなくてもよい。要するに、冷却媒体を吸収して膨張するものであればよい。
【0034】
・本実施形態では、膨張部材44が内燃機関の冷却水を吸収することにより膨張するものを採用しているが、通路内を流通する冷却媒体が水以外のものである場合には、そうした冷却媒体を吸収することにより膨張する別の膨張部材を採用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明にかかる部材間のシール構造及びその周辺部材の断面図。
【図2】同実施形態にかかる部材間のシール構造の作用を示す断面図。
【図3】本発明にかかるシール構造の変形例を示す断面図。
【図4】従来の部材間のシール構造及びその周辺部材の部分断面図。
【符号の説明】
【0036】
4,40…シリンダヘッドガスケット、10…シリンダヘッド、20…シリンダブロック、30…ピストン、42…金属板、44…膨張部材、110,120…管、140…ガスケット、142…ガスケット本体、144…膨張部材。




 

 


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