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発明の名称 エンジンの冷却装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9851(P2007−9851A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194083(P2005−194083)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 橋本 卓美 / 早川 真一
要約 課題
冷却水を循環させるウォータポンプの仕事量を低減し燃費の向上を図ることができるエンジンの冷却装置を提供する。

解決手段
ウォータポンプの吸入ポート13bと吐出ポートとを連通するバイパス通路41を設け、バイパス通路41は、配管43の内壁43aの接線方向に向かって冷却水が流入するように吸入ポート13bに接続される。このため、バイパス通路41から流入する冷却水によって、吸入ポート13bの冷却水は旋回流を生じる。そして、冷却水は旋回流を生じながらウォータポンプの羽根車に導かれる。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンの冷却水をラジエータを介して循環させる冷却水循環通路に設けられ羽根車を回転させて冷却水を循環させるウォータポンプと、同ウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通して同吐出ポートから吐出される冷却水の少なくとも一部を前記吸入ポートに戻すバイパス通路とを備えるエンジンの冷却装置において、
前記バイパス通路は同バイパス通路から前記吸入ポートに流入する冷却水によって前記ウォータポンプに吸入される冷却水に前記羽根車の回転方向と同方向の旋回流を生じさせる態様で前記吸入ポートに接続される
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジンの冷却装置において、
前記バイパス通路は前記吸入ポートの延びる方向と垂直な方向に延びて前記吸入ポートの通路断面中心から偏心した位置に向かって前記バイパス通路から前記吸入ポートに冷却水が流入するように同吸入ポートに接続される
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、
前記バイパス通路は前記吸入ポートの内壁の接線方向に向かって冷却水が流入するように同吸入ポートに接続される
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
前記吸入ポートは前記バイパス通路が接続される部分においてその通路断面が円形状を呈する
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
【請求項5】
前記バイパス通路を流通する冷却水の流量を制御する制御弁を更に備える
請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエンジンの冷却装置において、
前記エンジンは車両にその駆動源として搭載され、前記ラジエータは同車両の走行に伴って生じる走行風と接触するものであり、
車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
前記検出される車両の走行速度が所定速度以上であるときに前記制御弁を開弁する制御手段とを更に備える
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水によってエンジンを冷却するエンジンの冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンに供給される冷却水をラジエータを介して循環させる水冷式のエンジンにおいて、冷却水を循環させるウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通するバイパス通路を設け、制御弁によってバイパス通路を流通する冷却水の流量を制御するようにした冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした冷却装置にあっては、エンジンにおける冷却水の温度を検出する温度センサの信号に基づいて前記制御弁の開閉を制御し、制御弁の開弁時にはウォータポンプから吐出される冷却水の少なくとも一部をバイパス通路を通じてウォータポンプの吸入ポートに導くようにしている。すなわち、エンジンの冷間運転時においては、制御弁を開弁してバイパス通路を流通する冷却水の流量を増加させることで、エンジンに供給される冷却水の流量を減少させて、早期にエンジンの温度を上昇させ燃焼の安定化を図っている。一方、エンジンの温間運転時においては、制御弁を閉弁してバイパス通路を冷却水が流通しないようにすることで、エンジンに供給される冷却水の流量を増加させて、エンジンの冷却効果が十分に得られるようにしている。
【特許文献1】特開2004−301032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような冷却装置では、冷却水循環通路を循環する冷却水とバイパス通路から流入する冷却水とがウォータポンプの吸入ポートで合流するようにしているため、当該合流部において冷却水の流れが乱れてウォータポンプのポンピングロスが大きくなる虞がある。すなわち、冷却水の合流部において乱流が発生すると、冷却水の速度変動や圧力変動が大きくなり、ウォータポンプに対する負荷の変動が大きくなる。ウォータポンプの負荷変動が大きくなると、ウォータポンプの仕事量を増加させることとなり、燃費の悪化の原因となる。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却水を循環させるウォータポンプの仕事量を低減し燃費の向上を図ることができるエンジンの冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、エンジンの冷却水をラジエータを介して循環させる冷却水循環通路に設けられ羽根車を回転させて冷却水を循環させるウォータポンプと、同ウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通して同吐出ポートから吐出される冷却水の少なくとも一部を前記吸入ポートに戻すバイパス通路とを備えるエンジンの冷却装置において、前記バイパス通路は同バイパス通路から前記吸入ポートに流入する冷却水によって前記ウォータポンプに吸入される冷却水に前記羽根車の回転方向と同方向の旋回流を生じさせる態様で前記吸入ポートに接続されるようにしている。
【0006】
同構成によれば、ウォータポンプに吸入される冷却水にその羽根車の回転方向と同方向の旋回流が生じるため、その旋回力によって羽根車はその回転方向に回されるようになる。その結果、ウォータポンプの駆動力、ひいてはエンジンの外部負荷を低減させることができ、燃費の向上を図ることができるようになる。また、冷却水が羽根車の回転方向と同方向に旋回しているため、冷却水が羽根車の羽根に衝突する際の両者の相対速度が小さくなり、羽根車を通過した後に生じる冷却水の渦流が小さくなる。その結果、吐出ポートにおけるキャビテーションの発生を抑えてこれに起因する騒音の発生や配管の損傷を好適に回避することができるようになる。
【0007】
なお、このような態様でバイパス通路と吐出ポートとを接続する際の態様として具体的には、請求項2に記載されるように、バイパス通路は吸入ポートの延びる方向と垂直な方向に延びて吸入ポートの通路断面中心から偏心した位置に向かってバイパス通路から吸入ポートに冷却水が流入するように吸入ポートに接続される、といった構成を採用することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、前記バイパス通路は前記吸入ポートの内壁の接線方向に向かって冷却水が流入するように同吸入ポートに接続されるようにしている。
【0009】
同構成によれば、吸入ポートを通じてウォータポンプに流入する冷却水の旋回力を更に増大させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記吸入ポートは前記バイパス通路が接続される部分においてその通路断面が円形状を呈するようにしている。
【0010】
同構成によれば、吸入ポート内を冷却水が旋回して流れる際の流路抵抗を小さくして同冷却水の旋回力を更に増大させることができる。
請求項5に記載の発明は、前記バイパス通路を流通する冷却水の流量を制御する制御弁を更に備えるようにしている。
【0011】
同構成によれば、制御弁によりバイパス通路を流通する冷却水の流量を制御することで、エンジンに供給する冷却水の量を調節することができる。このため例えば、エンジンの冷間運転時には、エンジンに供給する冷却水の量を減らして暖機時間を短縮するとともにウォータポンプの仕事量を低減する、等のエンジンの運転状態に即した冷却を行うことができるようになる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエンジンの冷却装置において、前記エンジンは車両にその駆動源として搭載され、前記ラジエータは同車両の走行に伴って生じる走行風と接触するものであり、車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、前記検出される車両の走行速度が所定速度以上であるときに前記制御弁を開弁する制御手段とを更に備えるようにしている。
【0013】
車両が高速で走行しているときは、走行風が強くなりラジエータの放熱効率の上昇が期待できるため、エンジンに供給する冷却水の量を減らしても冷却水によるエンジンの冷却機能を維持することができる。同構成によれば、車両の走行速度が所定速度以上であると検出されたときは制御弁を開弁するように制御されるため、ラジエータの放熱効率の上昇が期待できる高速走行時は、バイパス通路を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジンに供給される冷却水の量を相対的に減少させることができる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプの仕事量が減り、エンジンの外部負荷を低減させることができるため、燃費の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1〜6を参照して、本発明にかかる車両用エンジンの冷却装置の実施形態について説明する。
図1に車両に搭載された水冷式エンジン11の冷却装置1を示す。冷却装置1には、車両の走行に伴って生じる走行風と接触するラジエータ12が設けられる。エンジン11には、エンジン11に供給される冷却水をラジエータ12を介して循環させる第1冷却水循環通路(冷却水循環通路)21が接続される。また、エンジン11には、エンジン11に供給される冷却水をラジエータ12を介することなく循環させる第2冷却水循環通路31が接続される。
【0015】
第1冷却水循環通路21は、冷却水の通路22〜26によって構成され、その途中にはウォータポンプ13とサーモスタットバルブ14とが設けられる。エンジン11の冷却水入口部11aとウォータポンプ13の吐出ポート13aとは、第1通路22により接続される。ウォータポンプ13は、エンジン11のクランクシャフト(図示せず)によって駆動され、冷却水の循環流を生じさせる。ウォータポンプ13の吸入ポート13bとサーモスタットバルブ14とは、第2通路23により接続され、サーモスタットバルブ14とラジエータ12の冷却水出口部12aとは、第3通路24により接続される。そして、ラジエータ12の冷却水入口部12bとエンジン11の冷却水出口部11bとは、第4通路25及び第5通路26により接続される。第1冷却水循環通路21は上記のように接続され、冷却水はウォータポンプ13によって第1冷却水循環通路21を循環させられる。
【0016】
また、冷却装置1には、ウォータポンプ13の吸入ポート13bと吐出ポート13aとを連通するバイパス通路41が設けられる。バイパス通路41には、バイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御する電磁弁(制御弁)42が設けられる。電磁弁42は、開弁状態と閉弁状態とが選択的に切り換えられる切換弁であり、ステッピングモータ、ソレノイド等のアクチュエータにより駆動される。そして、開弁状態ではウォータポンプ13の吐出ポート13aから吐出される冷却水の少なくとも一部をバイパス通路41に流通させてウォータポンプ13の吸入ポート13bに戻し、閉弁状態ではウォータポンプ13から吐出される冷却水をバイパス通路41に流通させないようにする。すなわち、電磁弁42はバイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御することで、エンジン11に供給される冷却水の量を変更することができる。
【0017】
第2冷却水循環通路31は、冷却水の通路22,23,32,26によって構成され、その途中にはウォータポンプ13とサーモスタットバルブ14とが設けられる。第6通路32はサーモスタットバルブ14と第5通路26のラジエータ12側とを接続し、冷却水はウォータポンプ13によって第2冷却水循環通路31を循環させられる。
【0018】
サーモスタットバルブ14は、冷却水の温度に応じて冷却水の流路を切り換える弁であり、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Taよりも高いときには、第6通路32側を閉塞して第2通路23と第3通路24とを連通させる。そして、冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、第3通路24側を閉塞して第2通路23と第6通路32とを連通させる。従って、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Taよりも高いときには、冷却水が第1冷却水循環通路21を循環し、ラジエータ12で放熱された冷却水がエンジン11に供給される。一方、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、冷却水が第2冷却水循環通路31を循環し、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水がエンジン11に供給される。このため、エンジン始動時等の冷間運転時においては、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水が第2冷却水循環通路31を循環することとなるため、速やかに冷却水の温度を上昇させることができ、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0019】
ここで、ウォータポンプ13周辺の構成について図2〜5を参照して説明する。図2はウォータポンプ13の羽根車61の斜視図である。羽根車61は、複数の羽根62を備えており、羽根車61の回転平面に対して垂直方向から流入した冷却水を周囲に送り出すことによって冷却水を圧送し、ポンプとして機能する。図3はウォータポンプ13とバイパス通路41の構成図、図4は図3のA−A線に沿う断面図である。ウォータポンプ13の吸入ポート13bは、羽根車61の回転平面に対して垂直方向に延設される通路断面が円形状を呈する配管43で構成される。電磁弁42が開弁すると、バイパス通路41内を冷却水が流通し、バイパス通路41から流入する冷却水と第2通路23から流入する冷却水とは、ウォータポンプ13の吸入ポート13bで合流する。吸入ポート13bの合流部において、バイパス通路41は、吸入ポート13bの配管43の延びる方向と垂直な方向に延びて、ウォータポンプ13の吸入ポート13bに接続される。また、図4に示すように、バイパス通路41は、配管43の内壁43aの接線方向に向かって冷却水が流入するように吸入ポート13bに接続される。このため、バイパス通路41から流入する冷却水によって、吸入ポート13bの冷却水は旋回流を生じる。そして、冷却水は旋回流を生じながら羽根車61に導かれる。
【0020】
図5は図3のB−B線に沿う断面図であり、羽根車61が冷却水を圧送する状態を示す。羽根車61は冷却水の旋回方向と同一方向に回転するように設定されているため、冷却水が羽根車61の羽根62に衝突する相対速度が小さくなる。すなわち、羽根車61の角速度をωp、冷却水の角速度をωwとすると、冷却水が羽根車61の羽根62に衝突する相対角速度ωrは角速度ωpと角速度ωwの差になる。このため、ウォータポンプ13の羽根車61に対して冷却水の負荷が減少し、ウォータポンプ13の仕事量を低減できる。また、吸入ポート13b内では冷却水が一定の旋回流を生じていることから、羽根車61に対して冷却水の負荷変動も小さくなり、ウォータポンプ13の仕事量を低減できる。ウォータポンプ13の仕事量が減ると、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。また、冷却水が羽根車61の羽根62に衝突する相対速度が小さくなるため、羽根62を通過した後に生じる渦流63を小さくすることができ、吐出ポート13aにおける冷却水中のキャビテーションの発生を抑制することができる。
【0021】
また、冷却装置1には、各部の状態を検出するセンサが種々取付けられている。走行速度検出手段としての車速センサ52は、車両の走行速度を検出する。水温センサ53は、第5通路26に設けられ、エンジン11の冷却水出口部11bを流通する冷却水の温度を検出する。アクセルセンサ54は、運転者によるアクセルペダルの踏込み量を検出する。ECU(電子制御装置)51は、前記センサ52〜54の検出信号に基づいて冷却装置1を制御する。
【0022】
次に、冷却装置1の制御について説明する。図6に冷却装置1による電磁弁制御ルーチンのフローチャートを示す。この電磁弁制御ルーチンは、制御手段としてのECU51が、車速センサ52、水温センサ53及びアクセルセンサ54の検出信号に基づいて電磁弁42を開閉制御するものである。ECU51は、電磁弁制御ルーチンを所定タイミングごとに繰り返し行う。電磁弁制御ルーチンが開始されると、ECU51は、アクセル踏込み量が所定踏込み量αより小さいか否かを判定する(ステップS110)。アクセル踏込み量が所定踏込み量α以上のときは、エンジン11に高負荷がかかっていると判断されるので、エンジン11の温度上昇を抑制するために、エンジン11に供給される冷却水の流量を増加させてエンジン11の冷却効果を高める必要がある。このため、アクセル踏込み量が所定踏込み量α以上のときはステップS140に進み、電磁弁42を閉弁状態にしてバイパス通路41に冷却水が流通しないようにすることで、第1通路22からエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させる。
【0023】
アクセル踏込み量が所定踏込み量αより小さいときは、車両の走行速度Vが所定速度Vaより小さいか否かを判定する(ステップS120)。車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときは、走行風が強くなりラジエータ12の放熱効率の上昇が期待できるため、エンジン11に供給される冷却水の温度が低くなり、冷却水の循環量を少なくすることができる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプ13の仕事量が減り、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。このため、車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときはステップS150に進み、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させる。
【0024】
車両の走行速度Vが所定速度Vaより小さいときは、エンジン11の冷却水出口部11bを流通する冷却水の温度Tが所定温度Tbより大きいか否かを判定する(ステップS130)。冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のときは、エンジン11が冷間運転中であるので、エンジン11の温度を速やかに上昇させて暖機時間の短縮化を図るために、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させるのが望ましい。このため、冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のときはステップS150に進み、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させる。
【0025】
冷却水の温度Tが所定温度Tbより大きいときは、エンジン11が温間運転中であるためステップS140に進み、電磁弁42を閉弁状態にしてエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させる。ステップS140では、電磁弁42が閉弁状態に維持される若しくは電磁弁42が開弁状態から閉弁状態に切り換えられるように処理がなされる。また、ステップS150では、電磁弁42が開弁状態に維持される若しくは電磁弁42が閉弁状態から開弁状態に切り換えられるように処理がなされる。そして、この電磁弁制御ルーチンを終了する。
【0026】
以上のようにして、車両の走行速度V等の車両運転状態に基づいて電磁弁42を制御することにより、エンジン11に供給される冷却水の流量を制御することができる。これにより、ウォータポンプ13に過度の仕事をさせることを抑制し、燃費の悪化を抑えることができる。また、冷間運転時において、電磁弁42の制御及びサーモスタットバルブ14によって速やかに冷却水の温度を上昇させることができるため、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0027】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、バイパス通路41は、通路断面が円形状の配管43で構成される吸入ポート13bの内壁43aの接線方向に向かって冷却水が流入するように吸入ポート13bに接続されているため、吸入ポート13bにおいて旋回流が生じる。また、その旋回流はウォータポンプ13の羽根車61の回転方向と同一方向に生じさせられる。このため、冷却水が羽根車61の羽根62に衝突する相対速度が小さくなるので、ウォータポンプ13の羽根車61に対して冷却水の負荷が減少し、ウォータポンプ13の仕事量を低減できる。また、吸入ポート13b内では冷却水が一定の旋回流を生じていることから、羽根車61に対して冷却水の負荷変動も小さくなり、ウォータポンプ13の仕事量を低減できる。ウォータポンプ13の仕事量が減ると、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。
【0028】
(2)上記実施形態では、バイパス通路41が接続される吸入ポート13bは、通路断面が円形状を呈する配管43で構成されている。このため、吸入ポート13b内を冷却水が旋回して流れる際の流路抵抗を小さくして冷却水の旋回力をより一層増大させることができる。
【0029】
(3)上記実施形態では、吸入ポート13bにおいて旋回流を生じさせ、冷却水が羽根車61の羽根62に衝突する相対速度を小さくしている。このため、羽根車61の羽根62を通過した後に生じる渦流63を小さくすることができ、吐出ポート13aにおける冷却水中のキャビテーションの発生を抑制することができる。従って、キャビテーションの発生に起因する騒音の発生や冷却水通路等の損傷を回避して冷却装置1の信頼性を向上することができる。
【0030】
(4)上記実施形態では、車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときは、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させている。高速走行時は、走行風が強くなりラジエータ12の放熱効率の上昇が期待できるため、冷却水の循環量を少なくしてもエンジン11の冷却性能を維持することができる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプ13の仕事量が減り、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。
【0031】
(5)上記実施形態では、冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のとき、すなわちエンジン11が冷間運転中のときは、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させている。このため、エンジン11の温度を速やかに上昇させて暖機時間を短縮化し、早期の燃焼安定化を図ることができる。また、冷却水の循環量を少なくすることでウォータポンプ13の仕事量を減少させて、燃費の向上を図ることができる。
【0032】
(6)上記実施形態では、アクセル踏込み量がα以上のときは、電磁弁42を閉弁状態にしてバイパス通路41に冷却水が流通しないようにすることで、第1通路22からエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させている。このため、エンジン11の温度が上昇するエンジンの高負荷時において、エンジン11の冷却効果を高めることができる。
【0033】
(7)上記実施形態では、電磁弁42が開弁状態になると、バイパス通路41を流通する冷却水がウォータポンプ13の吸入ポート13bに導かれるため、ウォータポンプ13の吸入ポート13bと吐出ポート13aとにおける冷却水の圧力差が減少する。このため、吸入ポート13bにおける冷却水中のキャビテーションの発生を抑えることができ、これに起因する騒音の発生や配管の損傷を回避して冷却装置1の信頼性を向上することができる。
【0034】
(8)上記実施形態では、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、冷却水が第2冷却水循環通路31を循環し、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水がエンジン11に供給される。このため、エンジン始動時等の冷間運転時においては、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水が第2冷却水循環通路31を循環することとなるため、速やかに冷却水の温度を上昇させることができ、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、図4に示す接続部において、バイパス通路41は、円形の配管43で構成される吸入ポート13bの内壁43aの接線方向に向かって冷却水が流入するように吸入ポート13bに接続されているが、内壁43aの接線方向以外の方向に向かって冷却水が流入するように接続してもよい。図7に、バイパス通路41から内壁43aの接線方向以外の方向に向かって冷却水が流入するように構成したときの図3におけるA−A線に沿う断面図を示す。バイパス通路71は、円形の配管73で構成される吸入ポート13bの通路断面の円中心Oから距離Dだけ偏心した位置に向かって冷却水が流入するように吸入ポート13bと接続される。このように構成しても、吸入ポート13bにおいて旋回流を生じさせることができる。
【0036】
・上記実施形態では、バイパス通路41が接続される吸入ポート13bは通路断面が円形状を呈する配管43で構成されているが、配管43の通路断面を円形状以外の形状に形成することで吸入ポート13bにおいて旋回流を生じさせるようにしてもよい。
【0037】
・上記実施形態では、一本のバイパス通路41が吸入ポート13bに接続されるように構成されているが、バイパス通路41の接続部においてバイパス通路41を複数本に分割し、吸入ポート13bの外側の別方向から各々接続されるようにしてもよい。このように構成すれば、吸入ポート13bにおいて旋回流を安定して生じさせることができる。
【0038】
・上記実施形態では、電磁弁42が開弁状態又は閉弁状態に開閉制御されることによってバイパス通路41を流通する冷却水の流量が制御されているが、電磁弁42を任意の開度(例えば半開状態)に調整することによってバイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御するようにしてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、水温センサ53、アクセルセンサ54の検出信号に基づいて電磁弁42を開閉制御するようにしているが、これらの検出信号を用いずに電磁弁42を開閉制御するようにしてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、車両の走行速度V等によって電磁弁42を開閉制御しているが、外気温度等の他の情報に基づいて電磁弁42を開閉制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態における車両用エンジンの冷却装置の構成図。
【図2】羽根車の斜視図。
【図3】ウォータポンプ周辺の構成図。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図。
【図6】電磁弁を制御する処理の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の他の例における図3のA−A線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0042】
11…エンジン、12…ラジエータ、13…ウォータポンプ、13a…吐出ポート、13b…吸入ポート、14…サーモスタットバルブ、21…第1冷却水循環通路、31…第2冷却水循環通路、41…バイパス通路、42…電磁弁、43…配管、51…ECU、52…車速センサ、61…羽根車、62…羽根。




 

 


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