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発明の名称 車両用エンジンの冷却装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9850(P2007−9850A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194082(P2005−194082)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 橋本 卓美 / 早川 真一
要約 課題
冷却水を循環させるウォータポンプの仕事量を低減し燃費の向上を図ることができる車両用エンジンの冷却装置を提供する。

解決手段
車速センサ52により検出される車両の走行速度が所定速度以上であるときは、バイパス通路41に設けられた電磁弁42を開弁状態にすることによって、バイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させてエンジン11に供給される冷却水の流量を減少させる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプ13の仕事量が減り、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ウォータポンプにより冷却水をエンジンとラジエータとの間で循環させる車両用エンジンの冷却装置において、
車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
前記エンジンに供給される冷却水の量を変更する変更手段と、
前記検出される車両の走行速度が高速であるときほど前記エンジンに供給される冷却水の量が少なくなるように前記変更手段を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用エンジンの冷却装置において、
前記変更手段は、前記ウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通して同吐出ポートから吐出される冷却水の少なくとも一部を前記吸入ポートに戻すバイパス通路と、同バイパス通路を流通する冷却水の流量を制御する制御弁とを備えるものであり、
前記制御手段は、前記検出される車両の走行速度に応じて前記制御弁の開度を調整することにより前記冷却水の量を変更する
ことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用エンジンの冷却装置において、
前記制御弁は開弁状態と閉弁状態とが選択的に切り換えられる切換弁であり、
前記制御手段は、前記検出される車両の走行速度が所定速度以上であるときに前記制御弁が開弁状態となるようにこれを制御する
ことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用エンジンの冷却装置において、
前記冷却装置は、前記エンジンの出口部における冷却水の温度を検出する温度検出手段を更に備えるものであり、
前記制御手段は、前記検出される冷却水の温度が所定温度以下であるときに前記制御弁が開弁状態となるようにこれを制御する
ことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の車両用エンジンの冷却装置において、
車両のアクセル踏込み量を検出するアクセル量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記検出されるアクセル踏込み量が所定踏込み量以上であると検出されたときに前記制御弁を強制的に閉弁する
ことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用水冷式エンジンの冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンに供給される冷却水をラジエータを介して循環させる水冷式の車両用エンジンにおいて、冷却水を循環させるウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通するバイパス通路を設け、制御弁によってバイパス通路を流通する冷却水の流量を制御するようにした冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした冷却装置にあっては、エンジンにおける冷却水の温度を検出する温度センサの信号に基づいて前記制御弁の開閉を制御し、制御弁の開弁時にはウォータポンプから吐出される冷却水の少なくとも一部をバイパス通路に流通させてウォータポンプの吸入ポートに導くようにしている。すなわち、エンジンの冷間運転時においては、制御弁を開弁してバイパス通路を流通する冷却水の流量を増加させることで、エンジンに供給される冷却水の流量を減少させて、早期にエンジンの温度を上昇させ燃焼の安定化を図っている。一方、エンジンの温間運転時においては、制御弁を閉弁してバイパス通路を冷却水が流通しないようにすることで、エンジンに供給される冷却水の流量を増加させて、エンジンの冷却効果が十分に得られるようにしている。
【特許文献1】特開2004−301032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような冷却装置では、エンジンにおける冷却水の温度検出結果のみによって制御弁が開閉制御され、エンジンに供給される冷却水の流量が制御されるため、ラジエータの放熱効率は考慮されないものとなっている。ラジエータの放熱効率が高くなる場合は、エンジンの温間運転時であってもエンジンに供給される冷却水の温度が低くなるため、エンジンに供給される冷却水の流量を減少させても冷却性能を維持することができる。このような場合に、過剰な量の冷却水をエンジンに供給することは、ウォータポンプの仕事量を不必要に増加させることとなるため、燃費の悪化の原因となる。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却水を循環させるウォータポンプの仕事量を低減し燃費の向上を図ることができる車両用エンジンの冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ウォータポンプにより冷却水をエンジンとラジエータとの間で循環させる車両用エンジンの冷却装置において、車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、前記エンジンに供給される冷却水の量を変更する変更手段と、前記検出される車両の走行速度が高速であるときほど前記エンジンに供給される冷却水の量が少なくなるように前記変更手段を制御する制御手段とを備えるようにしている。
【0006】
車両は高速で走行するほど走行風が強くなり、ラジエータの放熱効率の上昇が期待できる。ラジエータの放熱効率が上昇すると、エンジンに供給される冷却水の温度が低くなるため、冷却水の循環量を少なくすることができる。すなわち、このような高速走行時に、低速走行時と同量の冷却水をエンジンに供給することは、ウォータポンプに過度の仕事をさせることとなる。
【0007】
この点、請求項1に記載の構成によれば、車両の走行速度が高速であるときほどウォータポンプからエンジンに供給される冷却水の量を少なくなるようにしているため、ラジエータの放熱効率に見合った量の冷却水がエンジンに供給されるようになる。このため、ウォータポンプの仕事量を極力低下させることができ、燃費の向上を図ることができるようになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用エンジンの冷却装置において、前記変更手段は、前記ウォータポンプの吸入ポートと吐出ポートとを連通して同吐出ポートから吐出される冷却水の少なくとも一部を前記吸入ポートに戻すバイパス通路と、同バイパス通路を流通する冷却水の流量を制御する制御弁とを備えるものであり、前記制御手段は、前記検出される車両の走行速度に応じて前記制御弁の開度を調整することにより前記冷却水の量を変更するようにしている。
【0009】
同構成によれば、車両の走行速度に応じて制御弁の開度を調整してバイパス通路を流通する冷却水の流量を制御することにより、ウォータポンプからエンジンに供給される冷却水の量を変更することができる。
【0010】
また、バイパス通路を冷却水が流通するように制御するときは、ウォータポンプの吐出ポートから吐出される冷却水の少なくとも一部がバイパス通路を通じて吸入ポートに戻されるため、吸入ポートと吐出ポートとにおける冷却水の圧力差が減少するようになる。このため、吸入ポートにおける冷却水中のキャビテーションの発生を抑えることができ、これに起因する騒音の発生や配管の損傷を好適に回避することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用エンジンの冷却装置において、前記制御弁は開弁状態と閉弁状態とが選択的に切り替えられる切換弁であり、前記制御手段は、前記検出される車両の走行速度が所定速度以上であるときに前記制御弁が開弁状態となるようにこれを制御するようにしている。
【0012】
同構成によれば、車両の走行速度が所定速度以上であるときは開弁状態となるように制御弁が制御されるため、バイパス通路を流通する冷却水の量を増加させ、エンジンに供給される冷却水の量を相対的に減少させることができる。その結果、ウォータポンプの仕事量を減少させることができ、燃費の向上を図ることができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用エンジンの冷却装置において、前記冷却装置は、前記冷却水循環通路のエンジンの出口部における冷却水の温度を検出する温度検出手段を更に備えるものであり、前記制御手段は、前記検出される冷却水の温度が所定温度以下であるときに前記制御弁が開弁状態となるようにこれを制御するようにしている。
【0014】
同構成によれば、エンジンの出口部の冷却水の温度が所定温度以下であると検出されたときは制御弁を開弁するため、エンジンの冷間運転時には、バイパス通路を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジンに供給される冷却水の流量を相対的に減少させることができる。このため、エンジンを冷却する熱容量を減少させて、エンジンの温度を速やかに上昇させることができ、エンジンの暖機時間の短縮化、ひいてはこれに伴う早期の燃焼安定化を好適に図ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の車両用エンジンの冷却装置において、車両のアクセル踏込み量を検出するアクセル量検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記検出されるアクセル踏込み量が所定踏込み量以上であると検出されたときに前記制御弁を強制的に閉弁するようにしている。
【0016】
同構成によれば、アクセル踏込み量が所定踏込み量以上であると検出されたときは制御弁を強制的に閉弁するため、エンジンの高負荷時には、車両の走行速度や冷却水温度にかかわらず、エンジンに供給される冷却水の流量を強制的に増加させることができる。このため、エンジンの温度が上昇するエンジンの高負荷時において、エンジンの冷却効果を確実に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1,2を参照して、本発明にかかる車両用エンジンの冷却装置の実施形態について説明する。
図1に車両に搭載された水冷式エンジン11の冷却装置1を示す。冷却装置1には、車両の走行に伴って生じる走行風と接触するラジエータ12が設けられる。エンジン11には、エンジン11に供給される冷却水をラジエータ12を介して循環させる第1冷却水循環通路21が接続される。また、エンジン11には、エンジン11に供給される冷却水をラジエータ12を介することなく循環させる第2冷却水循環通路31が接続される。
【0018】
第1冷却水循環通路21は、冷却水の通路22〜26によって構成され、その途中にはウォータポンプ13とサーモスタットバルブ14とが設けられる。エンジン11の冷却水入口部11aとウォータポンプ13の吐出ポート13aとは、第1通路22により接続される。ウォータポンプ13は、エンジン11のクランクシャフト(図示せず)によって駆動され、冷却水の循環流を生じさせる。ウォータポンプ13の吸入ポート13bとサーモスタットバルブ14とは、第2通路23により接続され、サーモスタットバルブ14とラジエータ12の冷却水出口部12aとは、第3通路24により接続される。そして、ラジエータ12の冷却水入口部12bとエンジン11の冷却水出口部11bとは、第4通路25及び第5通路26により接続される。第1冷却水循環通路21は上記のように接続され、冷却水はウォータポンプ13によって第1冷却水循環通路21を循環させられる。
【0019】
また、冷却装置1には、ウォータポンプ13の吸入ポート13bと吐出ポート13aとを連通するバイパス通路41が設けられる。バイパス通路41には、バイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御する電磁弁(制御弁)42が設けられる。電磁弁42は、開弁状態と閉弁状態とが選択的に切り換えられる切換弁であり、ステッピングモータ、ソレノイド等のアクチュエータにより駆動される。そして、開弁状態ではウォータポンプ13の吐出ポート13aから吐出される冷却水の少なくとも一部をバイパス通路41に流通させてウォータポンプ13の吸入ポート13bに戻し、閉弁状態ではウォータポンプ13から吐出される冷却水をバイパス通路41に流通させないようにする。すなわち、電磁弁42はバイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御することで、エンジン11に供給される冷却水の量を変更することができる。バイパス通路41及び電磁弁42は、変更手段に相当する。
【0020】
第2冷却水循環通路31は、冷却水の通路22,23,32,26によって構成され、その途中にはウォータポンプ13とサーモスタットバルブ14とが設けられる。第6通路32はサーモスタットバルブ14と第5通路26のラジエータ12側とを接続し、冷却水はウォータポンプ13によって第2冷却水循環通路31を循環させられる。
【0021】
サーモスタットバルブ14は、冷却水の温度に応じて冷却水の流路を切り換える弁であり、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Taよりも高いときには、第6通路32側を閉塞して第2通路23と第3通路24とを連通させる。そして、冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、第3通路24側を閉塞して第2通路23と第6通路32とを連通させる。従って、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Taよりも高いときには、冷却水が第1冷却水循環通路21を循環し、ラジエータ12で放熱された冷却水がエンジン11に供給される。一方、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、冷却水が第2冷却水循環通路31を循環し、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水がエンジン11に供給される。このため、エンジン始動時等の冷間運転時においては、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水が第2冷却水循環通路31を循環することとなるため、速やかに冷却水の温度を上昇させることができ、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0022】
冷却装置1には、各部の状態を検出するセンサが種々取付けられている。走行速度検出手段としての車速センサ52は、車両の走行速度を検出する。温度検出手段としての水温センサ53は、第5通路26に設けられ、エンジン11の冷却水出口部11bを流通する冷却水の温度を検出する。アクセル量検出手段としてのアクセルセンサ54は、運転者によるアクセルペダルの踏込み量を検出する。ECU(電子制御装置)51は、前記センサ52〜54の検出信号に基づいて冷却装置1を制御する。
【0023】
次に、冷却装置1の制御について説明する。図2に冷却装置1による電磁弁制御ルーチンのフローチャートを示す。この電磁弁制御ルーチンは、制御手段としてのECU51が、車速センサ52、水温センサ53及びアクセルセンサ54の検出信号に基づいて電磁弁42を開閉制御するものである。ECU51は、電磁弁制御ルーチンを所定タイミングごとに繰り返し行う。電磁弁制御ルーチンが開始されると、ECU51は、アクセル踏込み量が所定踏込み量αより小さいか否かを判定する(ステップS110)。アクセル踏込み量が所定踏込み量α以上のときは、エンジン11に高負荷がかかっていると判断されるので、エンジン11の温度上昇を抑制するために、エンジン11に供給される冷却水の流量を増加させてエンジン11の冷却効果を高める必要がある。このため、アクセル踏込み量が所定踏込み量α以上のときはステップS140に進み、電磁弁42を閉弁状態にしてバイパス通路41に冷却水が流通しないようにすることで、第1通路22からエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させる。
【0024】
アクセル踏込み量が所定踏込み量αより小さいときは、車両の走行速度Vが所定速度Vaより小さいか否かを判定する(ステップS120)。車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときは、走行風が強くなりラジエータ12の放熱効率の上昇が期待できるため、エンジン11に供給される冷却水の温度が低くなり、冷却水の循環量を少なくすることができる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプ13の仕事量が減り、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。このため、車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときはステップS150に進み、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させる。
【0025】
車両の走行速度Vが所定速度Vaより小さいときは、エンジン11の冷却水出口部11bを流通する冷却水の温度Tが所定温度Tbより大きいか否かを判定する(ステップS130)。冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のときは、エンジン11が冷間運転中であるので、エンジン11の温度を速やかに上昇させて暖機時間の短縮化を図るために、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させるのが望ましい。このため、冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のときはステップS150に進み、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させる。
【0026】
冷却水の温度Tが所定温度Tbより大きいときは、エンジン11が温間運転中であるためステップS140に進み、電磁弁42を閉弁状態にしてエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させる。ステップS140では、電磁弁42が閉弁状態に維持される若しくは電磁弁42が開弁状態から閉弁状態に切り換えられるように処理がなされる。また、ステップS150では、電磁弁42が開弁状態に維持される若しくは電磁弁42が閉弁状態から開弁状態に切り換えられるように処理がなされる。そして、この電磁弁制御ルーチンを終了する。
【0027】
以上のようにして、車両の走行速度V等の車両運転状態に基づいて電磁弁42を制御することにより、エンジン11に供給される冷却水の流量を制御することができる。これにより、ウォータポンプ13に過度の仕事をさせることを抑制し、燃費の悪化を抑えることができる。また、冷間運転時において、電磁弁42の制御及びサーモスタットバルブ14によって速やかに冷却水の温度を上昇させることができるため、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0028】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、車両の走行速度Vが所定速度Va以上のときは、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させている。高速走行時は、走行風が強くなりラジエータ12の放熱効率の上昇が期待できるため、冷却水の循環量を少なくしてもエンジン11の冷却性能を維持することができる。冷却水の循環量を少なくすると、ウォータポンプ13の仕事量が減り、ウォータポンプ13を駆動するエンジン11に対する負荷が低減されるため、燃費の向上を図ることができる。
【0029】
(2)上記実施形態では、冷却水の温度Tが所定温度Tb以下のとき、すなわちエンジン11が冷間運転中のときは、電磁弁42を開弁状態にしてバイパス通路41を流通する冷却水の流量を増加させ、エンジン11に供給される冷却水の流量を減少させている。このため、エンジン11の温度を速やかに上昇させて暖機時間を短縮化し、早期の燃焼安定化を図ることができる。また、冷却水の循環量を少なくすることでウォータポンプ13の仕事量を減少させて、燃費の向上を図ることができる。
【0030】
(3)上記実施形態では、アクセル踏込み量がα以上のときは、電磁弁42を閉弁状態にしてバイパス通路41に冷却水が流通しないようにすることで、第1通路22からエンジン11に供給される冷却水の流量を増加させている。このため、エンジン11の温度が上昇するエンジンの高負荷時において、エンジン11の冷却効果を高めることができる。
【0031】
(4)上記実施形態では、電磁弁42が開弁状態になると、バイパス通路41を流通する冷却水がウォータポンプ13の吸入ポート13bに導かれるため、ウォータポンプ13の吸入ポート13bと吐出ポート13aとにおける冷却水の圧力差が減少する。このため、吸入ポート13bにおける冷却水中のキャビテーションの発生を抑えることができ、これに起因する騒音の発生や配管の損傷を回避して冷却装置1の信頼性を向上することができる。
【0032】
(5)上記実施形態では、サーモスタットバルブ14を流れる冷却水の温度が所定温度Ta以下のときには、冷却水が第2冷却水循環通路31を循環し、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水がエンジン11に供給される。このため、エンジン始動時等の冷間運転時においては、ラジエータ12で放熱が行われない冷却水が第2冷却水循環通路31を循環することとなるため、速やかに冷却水の温度を上昇させることができ、暖機時間を短縮して早期の燃焼安定化を図ることができる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電磁弁42が開弁状態又は閉弁状態に開閉制御されることによってバイパス通路41を流通する冷却水の流量が制御されているが、電磁弁42を任意の開度(例えば半開状態)に調整することによってバイパス通路41を流通する冷却水の流量を制御するようにしてもよい。
【0034】
・上記実施形態では、水温センサ53、アクセルセンサ54の検出信号に基づいて電磁弁42を開閉制御するようにしているが、これらの検出信号を用いずに電磁弁42を開閉制御するようにしてもよい。
【0035】
・上記実施形態では、アクセル踏込み量が所定踏込み量α以上のときにエンジン11が高負荷である旨を判断しているが、冷暖房装置等の負荷を加味して高負荷である旨を判断してもよい。
【0036】
・上記実施形態では、車両の走行速度V等によって電磁弁42を開閉制御しているが、外気温度等の他の情報に基づいて電磁弁42を開閉制御するようにしてもよい。
・上記実施形態では、冷却装置1に第2冷却水循環通路31を設けているが、第2冷却水循環通路31を設けない構成にしてもよい。第2冷却水循環通路31を廃止しても、水温センサ53の検出信号に基づいてバイパス通路41の電磁弁42を開閉制御することで冷却水の温度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態における車両用エンジンの冷却装置の構成図。
【図2】電磁弁を制御する処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0038】
11…エンジン、12…ラジエータ、13…ウォータポンプ、14…サーモスタットバルブ、21…第1冷却水循環通路、31…第2冷却水循環通路、41…バイパス通路、42…電磁弁、51…ECU、52…車速センサ、53…水温センサ、54…アクセルセンサ。




 

 


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