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発明の名称 内燃機関の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9835(P2007−9835A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193660(P2005−193660)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
発明者 藤岡 和孝
要約 課題
複数気筒を有する内燃機関のアイドリング運転時における振動を確実に抑制することができる内燃機関の制御装置を提案する。

解決手段
各気筒が膨張行程を迎える際のクランク回転速度を各気筒毎に検知する。8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値を算出する。上記算出した平均値と個々の気筒の膨張行程時のクランク回転速度とを比較し、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを進角させる一方、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを遅角させる。点火タイミングがMBTに達した場合、その気筒の膨張行程時における上記クランク回転速度が未だ上記平均速度を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する回転速度検知手段と、
上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する点火タイミング補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する回転速度検知手段と、
上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回る気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては空燃比をリーン側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する空燃比補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項3】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する回転速度検知手段と、
上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する点火タイミング補正手段と、
上記点火タイミング補正手段によって点火栓の点火タイミングが補正されて点火タイミングがMBT (Minimum Spark Advance for Best T
orque:最適点火時期)に達した気筒が存在する場合、その気筒の膨張行程時における上記クランク回転速度が未だ平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する空燃比補正手段とを備えていることを特徴とする内燃
機関の制御装置。
【請求項4】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する筒内圧力検知手段と、
上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する平均値算出手段と、
上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する点火タイミング補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項5】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する筒内圧力検知手段と、
上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する平均値算出手段と、
上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては空燃比をリーン側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する空燃比補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項6】
複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する筒内圧力検知手段と、
上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する平均値算出手段と、
上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する点火タイミング補正手段と、
上記点火タイミング補正手段によって点火栓の点火タイミングが補正されて点火タイミングがMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque:最適点火時期)に達した気筒が存在する場合、その気筒の膨張行程時における上記筒内圧力が未だ平均値算出手段によって算出された平均値を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する空燃比補正手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項7】
上記請求項2、3、5または6記載の内燃機関の制御装置において、
空燃比補正手段は、燃料消費率が所定量以上に悪化した際、または排気エミッションが所定量以上に悪化した際には、各気筒の空燃比の相互間の比率を維持したまま全気筒の空燃比をリーン側に移行させるよう空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する構成となっていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される内燃機関(エンジン)の制御装置に係る。特に、本発明は、複数気筒を有する内燃機関のアイドリング運転時における振動を抑制するための制御動作の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等に搭載される多気筒エンジンのアイドリング(以下、単にアイドルと呼ぶ)運転時には、各気筒の膨張行程時の燃焼状態にバラツキが生じる可能性が高い。この燃焼状態のバラツキは、エンジンを構成する各部品の製造バラツキや経時劣化等が原因であり、一般的には回避できないものと言われている。そして、この燃焼状態のバラツキが生じた場合、トルク変動を招いてしまってアイドル回転数が不安定になり、その結果、エンジンに大きな振動が発生してしまう。
【0003】
上記アイドル運転時のトルク変動を抑制する技術として、例えば下記の特許文献1や特許文献2が提案されている。
【0004】
特許文献1には、アイドル運転時に、各気筒毎に膨張行程時の角速度の変化量を演算し、これら変化量に基づいて気筒相互間における変化量の差がゼロとなるように点火時期及び燃料噴射量を補正することが開示されている。具体的には、4気筒エンジンにおいて、膨張行程にある気筒が所定クランク角度だけ回転する時間と、そのクランク角度180°前に膨張行程にあった気筒が所定クランク角度だけ回転する時間との差を求め、これら膨張行程が隣り合う気筒同士の角速度の平衡をとるようにしている。例えば第1番気筒と第2番気筒との角速度の平衡をとるように点火時期や燃料噴射量を補正し、また、第3番気筒と第4番気筒との角速度の平衡をとるように点火時期や燃料噴射量を補正している。
【0005】
一方、特許文献2には、各気筒毎に図示平均有効圧を個別に算出し、これら各気筒の図示平均有効圧の標準偏差のバラツキを小さくするように点火時期や燃料噴射量を制御することが開示されている。
【特許文献1】特開平2−64252号公報
【特許文献2】特開平8−319866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記各特許文献のものは、何れも直前の回転変動状態に基づいて点火時期や燃料噴射量をフィードバック制御するものであるため、失火や燃焼不良等によって直前の回転変動状態が突発的に大きく変化したような場合には、その影響を大きく受けたフィードバック制御量で点火時期や燃料噴射量を補正することになってしまう。このため、本来制御すべき方向とは逆方向に点火時期や燃料噴射量を補正してしまう可能性がある。例えば、上記特許文献1の場合、第3番気筒に燃焼不良が生じて角速度が極端に低くなった場合、その後に膨張行程を迎える第4番気筒では、第3番気筒の角速度と平衡をとるように、つまり、角速度を低くするように点火時期が遅らされたり(遅角制御)、燃料噴射量の減量制御等が行われ、エンジン回転速度が低くなって、よりいっそうアイドル回転数が不安定になりエンジンの振動が増大してしまう可能性がある。
【0007】
尚、上記特許文献1には、各気筒のエンジン回転速度と全気筒の平均エンジン回転速度とを比較して前者が後者に近付くように気筒毎の燃料噴射量を補正することも開示されている。ところが、この場合にも何れかの気筒で回転変動状態が突発的に大きく変化した場
合には、その影響が大きく作用したフィードバック制御量で点火時期や燃料噴射量を補正してしまうことになる。
【0008】
例えば、4気筒エンジンの場合、直前で且つ4回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値と、今回膨張行程を迎える気筒(制御対象である気筒)の前回膨張行程時のエンジン回転速度とを比較し、この今回膨張行程を迎える気筒のエンジン回転速度が上記平均値に近付くように燃料噴射量を補正することになる。
【0009】
ところが、図4(縦軸が膨張行程時のエンジン回転速度、横軸が膨張行程を迎える気筒順序)に示すように、第3番気筒(図中♯3)で突発的な燃焼不良が生じた場合には(図4におけるタイミングD)、その後に算出される上記平均値が極端に低くなり、今回膨張行程を迎える気筒のエンジン回転速度も極端に低くなるような燃料噴射量の補正動作が行われてしまう。具体的には、上記第3番気筒での突発的な燃焼不良が生じた後の第4番気筒(図中♯4)に対する燃料噴射量の補正制御(図中タイミングEでの制御)では、直前の第4番気筒〜第3番気筒の4回の膨張行程時(図中タイミングA〜D)のエンジン回転速度の平均値を、今回の第4番気筒の膨張行程におけるエンジン回転速度の目標値として設定することになるが、上記第3番気筒での突発的な燃焼不良の影響で平均値が低くなっているために、エンジン回転速度の目標値が本来必要な回転速度よりも低く設定されてしまう。つまり、燃料噴射量が十分に得られなくなって、この第4番気筒の膨張行程時のエンジン回転速度が低くなる。このような状況は、その後の第1番気筒(図中♯1)に対する燃料噴射量の補正制御(図中タイミングFでの制御であり、図中タイミングB〜Eのエンジン回転速度の平均値を目標とする制御)や、第2番気筒(図中♯2)に対する燃料噴射量の補正制御(図中タイミングGでの制御であり、図中タイミングC〜Fのエンジン回転速度の平均値を目標とする制御)や、第3番気筒(図中♯3)に対する燃料噴射量の補正制御(図中タイミングHでの制御であり、図中タイミングD〜Gのエンジン回転速度の平均値を目標とする制御)においても同様に生じ、エンジン回転速度の目標値が徐々に低くなっていくといった状況を招いてしまう。そして、その後の第4番気筒(図中♯4)に対する燃料噴射量の補正制御(図中タイミングIでの制御であり、図中タイミングE〜Hのエンジン回転速度の平均値を目標とする制御)では、上記平均値の算出に、突発的な燃焼不良を生じた第3番気筒の膨張行程時のエンジン回転速度のデータ(図中タイミングDでのデータ)を使用しなくなるため、つまり、突発的な燃焼不良の影響を受けなくなるため、この第4番気筒の膨張行程時のエンジン回転速度の目標値が急激に高く設定されてしまうことになり、このタイミングで大きなトルク変動を招いてしまうことになる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数気筒を有する内燃機関のアイドリング運転時における振動を確実に抑制することができる内燃機関の制御装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段を備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、回転速度検知手段、平均速度算出手段、点火タイミング補正手段を備えさせている。回転速度検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均速度算出手段は、上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する。点火タイミング補正手段は、上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下
回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する。
【0012】
この特定事項により、内燃機関のアイドリング運転時には、先ず、回転速度検知手段が、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する。例えば各気筒のピストンが上死点に達する前後のクランク角度90°の角度範囲をクランク軸が回転する間の時間を検出してこのクランク角度範囲でのクランク回転速度を検知していく。つまり、上記「各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲」とは、各気筒の膨張行程の一部(上記の場合は圧縮上死点からクランク角度45°まで回転した範囲)を含むクランク角度範囲のことを言う。そして、このようにして検知したクランク回転速度のうち内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を平均速度算出手段が算出する。例えば4気筒内燃機関の場合には連続して検知した8回分のクランク回転速度に対してその平均速度を算出する。そして、各気筒毎に、上記回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度と、上記平均速度算出手段によって算出された平均速度とを比較する。その比較結果に基づき、膨張行程時のクランク回転速度が平均速度を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる。これにより、その気筒が膨張行程を行った際のトルクが上昇し、他の気筒が膨張行程を行った際のトルクに近付く。一方、膨張行程時のクランク回転速度が平均速度を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させる。これにより、その気筒が膨張行程を行った際のトルクが下降し、他の気筒が膨張行程を行った際のトルクに近付く。このような点火タイミングの制御により、各気筒が膨張行程を行った際のトルクを互いに近付けていくことができ、トルクの安定化に伴ってアイドリング運転時における振動を確実に抑制することができる。特に、本発明では、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度と各気筒の膨張行程時のクランク回転速度とを比較しているため、失火や燃焼不良等によって回転変動状態が突発的に大きく変化した場合であっても、その影響を大きく受けることがなく、点火タイミングの制御量を適正に得ることができ、振動抑制効果を確実に得ることができる。
【0013】
上記の目的を達成するために講じられた本発明の他の解決手段として、上記点火タイミングの補正に代えて空燃比制御量を補正することが挙げられる。この場合の構成は以下のとおりである。先ず、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段を備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、回転速度検知手段、平均速度算出手段、空燃比補正手段を備えさせている。回転速度検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均速度算出手段は、上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する。空燃比補正手段は、上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回る気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては空燃比をリーン側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する。
【0014】
この特定事項によれば、各気筒毎に、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度と、上記平均速度算出手段によって算出された平均速度とを比較し、膨張行程時のクランク回転速度が平均速度を下回る気筒に対しては空燃比をリッチ側
に移行させることになる。具体的にはインジェクタからの燃料噴射量を増量する。これにより、その気筒が膨張行程を行った際のトルクが上昇し、他の気筒が膨張行程を行った際のトルクに近付く。一方、膨張行程時のクランク回転速度が平均速度を上回る気筒に対しては空燃比をリーン側に移行させることになる。具体的にはインジェクタからの燃料噴射量を減量する。これにより、その気筒が膨張行程を行った際のトルクが下降し、他の気筒が膨張行程を行った際のトルクに近付く。このような空燃比の制御により、各気筒が膨張行程を行った際のトルクを互いに近付けていくことができ、トルクの安定化に伴ってアイドリング運転時における振動を確実に抑制することができる。そして、本発明においても、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度と各気筒の膨張行程時のクランク回転速度とを比較しているため、失火や燃焼不良等によって回転変動状態が突発的に大きく変化した場合であっても、その影響を大きく受けることがなく、空燃比の制御量を適正に得ることができ、振動抑制効果を確実に得ることができる。
【0015】
更に、上記の目的を達成するために講じられた本発明の他の解決手段として、上記点火タイミングの補正及び空燃比制御量の補正を共に行うことも挙げられる。この場合の構成は以下のとおりである。先ず、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、回転速度検知手段、平均速度算出手段、点火タイミング補正手段、空燃比補正手段を備えさせている。回転速度検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均速度算出手段は、上記回転速度検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度を算出する。点火タイミング補正手段は、上記回転速度検知手段及び平均速度算出手段の出力を受け、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度が平均速度算出手段によって算出された平均速度を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する。空燃比補正手段は、上記点火タイミング補正手段によって点火栓の点火タイミングが補正されて点火タイミングがMBTに達した気筒の膨張行程時における上記クランク回転速度が未だ平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する。
【0016】
この特定事項により、先ず、上述した場合と同様に、各気筒毎に、上記回転速度検知手段によって検知された膨張行程時の上記クランク回転速度と、上記平均速度算出手段によって算出された平均速度とを比較し、その比較結果に基づき、点火栓の点火タイミングを進角または遅角させ、トルクの安定化に伴う振動の抑制を図る。そして、この点火タイミングが補正されていった結果、点火タイミングがMBTに達した気筒が存在する場合、その気筒の膨張行程時における上記クランク回転速度が未だ平均速度算出手段によって算出された平均速度を下回っているか否かを判断し、下回っている場合には、その気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように空燃比制御量を補正する。つまり、点火タイミングがMBTに達しているにも拘わらず、未だ他の気筒よりもトルクが低い気筒に対しては、空燃比の制御によって更なるトルクの向上を図る制御動作を実行して他の気筒が膨張行程を行った際のトルクに近付けるようにしている。つまり、点火タイミング制御及び空燃比制御の両制御の相乗効果によってトルクを安定化させて振動の抑制を図るようにしている。また、空燃比の制御よりも点火タイミングの制御を優先的に行うようにしたことで、制御の応答性を高く確保でき、しかも燃料消費率やドライバビリティの悪化を可能な限
り回避しながら振動の抑制を図ることができる。
【0017】
また、内燃機関のアイドリング運転時に、クランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知するのに代えて、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知することも可能である。その構成を以下に述べる。
【0018】
先ず、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段を備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、筒内圧力検知手段、平均値算出手段、点火タイミング補正手段を備えさせている。筒内圧力検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均値算出手段は、上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する。点火タイミング補正手段は、上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段による点火栓の点火タイミングを補正する。尚、上記筒内圧力検知手段によって検知される筒内圧力値としては、膨張行程時の最高圧力値や図示平均有効圧力値が挙げられる。
【0019】
また、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知するようにした場合の他の解決手段として以下のものも挙げられる。先ず、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段を備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、筒内圧力検知手段、平均値算出手段、空燃比補正手段を備えさせている。筒内圧力検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均値算出手段は、上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する。空燃比補正手段は、上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては空燃比をリーン側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する。
【0020】
更に、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知するようにした場合において、上記点火タイミングの補正及び空燃比制御量の補正を共に行うことも挙げられる。この場合の構成は以下のとおりである。先ず、複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に備えられた点火栓の点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、各気筒の空燃比を個別に制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、筒内圧力検知手段、平均値算出手段、点火タイミング補正手段、空燃比補正手段を備えさせている。筒内圧力検知手段は、上記内燃機関のアイドリング運転時、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知する。平均値算出手段は、上記筒内圧力検知手段の出力を受け、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値を算出する。点火タイミング補正手段は、上記筒内圧力検知手段及び平均値算出手段の出力を受け、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を下回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを進角させる一方、筒内圧力検知手段によって検知された膨張行程時の上記筒内圧力が平均値算出手段によって算出された平均値を上回る気筒に対しては点火栓の点火タイミングを遅角させるように上記点火タイミング制御手段によ
る点火栓の点火タイミングを補正する。空燃比補正手段は、上記点火タイミング補正手段によって点火栓の点火タイミングが補正されて点火タイミングがMBTに達した気筒が存在する場合、その気筒の膨張行程時における上記筒内圧力が未だ平均値算出手段によって算出された平均値を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように上記空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する。
【0021】
以上のように、各気筒の膨張行程時の筒内圧力を各気筒の膨張行程毎に検知し、各気筒毎に、この検知した筒内圧力と、上記内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値とを比較し、その比較結果に基づき、点火栓の点火タイミングや空燃比の制御量を補正することによっても、各気筒のトルクの安定化に伴ってアイドリング運転時における振動を確実に抑制することができる。
【0022】
尚、上述した各解決手段は、何れも、アイドル運転時の各気筒の燃焼状態のバラツキを検知するに際し、各気筒の平均的な燃焼状態と各気筒それぞれの燃焼状態との差を認識しておき、各気筒の燃焼状態が上記平均的な燃焼状態に近付くように制御する点で共通の技術的特徴を有している。
【0023】
上記各解決手段に加えて、上記空燃比補正手段によって空燃比を制御するものにあっては、以下の構成を採用することもできる。つまり、空燃比補正手段が、燃料消費率が所定量以上に悪化した際、または排気エミッションが所定量以上に悪化した際に、各気筒の空燃比の相互間の比率を維持したまま全気筒の空燃比をリーン側に移行させるよう空燃比制御手段による空燃比制御量を補正する構成とされたものである。これによれば、上記アイドリング運転時における振動を抑制する効果を発揮した状態のまま、燃料消費率悪化の抑制や排気エミッション悪化の抑制を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したクランク回転速度の平均速度と各気筒の膨張行程時のクランク回転速度とを比較し、または内燃機関が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知した筒内圧力の平均値と各気筒の膨張行程時の筒内圧力値とを比較して、点火タイミングの制御や空燃比の制御を行うようにしている。このため、失火や燃焼不良等によって回転変動状態が突発的に大きく変化したような場合であっても、その影響を大きく受けることがなく、アイドル運転時のトルク変動を抑制できて振動抑制効果を確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を自動車用4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明する。
【0026】
−エンジンの構成説明−
先ず、図1を参照して、本実施形態に係るエンジン(内燃機関)、並びにその周辺装置の概略構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、4気筒分(図1では1気筒分のみを示す)のシリンダボア21を有するシリンダブロック2と、シリンダヘッド3とを備えている。各シリンダボア21内には往復移動可能に設けられたピストン4が備えられ、このピストン4が、コンロッド(コネクティングロッド)41を介してエンジン1の出力軸であるクランクシャフト5に連結されている。そして、シリンダボア21の内部において、ピストン4とシリンダヘッド3とにより囲まれた空間によって燃焼室11が区画形成されている。
【0027】
上記シリンダヘッド3には、各燃焼室11に対応して点火プラグ(点火栓)31が取り付けられている。この点火プラグ31は、イグナイタ34から出力される高電圧の印加タ
イミングに応じて混合気への点火動作を実行するものである。
【0028】
また、シリンダヘッド3には、各燃焼室11に通じる吸気ポート32及び排気ポート33がそれぞれ設けられ、これら吸気ポート32及び排気ポート33には、吸気通路を構成する吸気配管6及び排気通路を構成する排気配管7がそれぞれ接続されている。吸気ポート32及び排気ポート33における燃焼室11に通じる各開口端には、吸気バルブ61及び排気バルブ71がそれぞれ設けられている。吸気バルブ61及び排気バルブ71は、クランクシャフト5の動力によってそれぞれ回転する吸気カムシャフト62及び排気カムシャフト72によって開閉される。クランクシャフト5の動力は、タイミングベルト51及び各タイミングプーリー63,73を介して、上記吸気カムシャフト62及び排気カムシャフト72に伝達されている。
【0029】
また、上記吸気ポート32の近傍には、各気筒に対応して燃料噴射弁(インジェクタ)64がそれぞれ備えられている。各燃料噴射弁64には図示しない燃料供給系を介して所定圧力の燃料が供給されている。
【0030】
一方、吸気配管6の上流端部分には、吸入空気を浄化するためのエアクリーナ65が設けられており、このエアクリーナ65の下流側には、図示しないアクセルペダルの操作に応じて開閉駆動されるスロットルバルブ66が設けられている。このスロットルバルブ66の開度に応じて吸気配管6へ導入される吸入空気量が調整されるようになっている。また、スロットルバルブ66の下流側には、吸入空気流の脈動を抑制するためのサージタンク67が設けられている。
【0031】
上記吸気配管6には、スロットルバルブ66を迂回してこのスロットルバルブ66の上流側と下流側とを連通するバイパス通路68が設けられている。バイパス通路68の途中には、このバイパス通路68を流れる空気流量を調節するバイパス空気量調節弁としてのリニアソレノイド式のアイドルスピードコントロールバルブ(以下、「ISCV」という)69が設けられている。ISCV69は、ソレノイドコイル(図示省略)に出力されるデューティ駆動信号のデューティ比の大きさに応じてバルブ(図示省略)を変位させ、空気の流れる通路面積を調節する電磁弁により構成されている。また、このISCV69は、スロットルバルブ66が全閉となるエンジン1のアイドル運転時に作動し、所定のデューティ駆動信号に基づいて制御されることにより、即ちISCV制御が行われることにより、バイパス通路68を流れる空気量(バイパス空気量)が調節され、燃焼室11へ取り込まれる吸入空気量が調節されるようになっている。
【0032】
そして、エンジン1の運転が開始されると、吸気配管6内への吸入空気の導入とともに燃料噴射弁64から燃料が噴射されることにより、それら吸入空気と燃料とが混合されて混合気となる。そして、エンジン1の吸入行程において、吸気バルブ61により吸気ポート32が開かれることにより混合気が吸気ポート32を通じて燃焼室11に取り込まれる。この燃焼室11に取り込まれた混合気は、圧縮行程において圧縮された後、点火プラグ31によって着火され、その混合気が爆発・燃焼してクランクシャフト5に駆動力が付与される(膨張行程)。燃焼後の排気ガスは、排気バルブ71により排気ポート33が開かれることによって排気配管7に排出され(排気行程)、更に触媒コンバータ74を経て浄化された後、外部に放出される。
【0033】
本実施形態に係るエンジン1には、その運転状態を検出するための以下に述べるような各種センサが設けられている。
【0034】
上記クランクシャフト5の近傍には、その回転角(クランク角CA)及び回転速度(エンジン回転速度NE)を検出するためのクランク角センサ81が配設されている。このク
ランク角センサ81は、所定のクランク角(例えば30°)毎にパルス信号を出力する。このクランク角センサ81によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフト5と回転一体の図示しないロータ(NEロータ)の外周面の30°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記クランク角センサ81を配置する。そして、クランクシャフト5の回転に伴って外歯がクランク角センサ81の近傍を通過した際に、このクランク角センサ81が出力パルスを発生するようになっている。尚、このロータとしては、外周面に形成される外歯が10°おきに形成されたものが適用される場合もある。
【0035】
上記吸気カムシャフト62の近傍には、カム角センサ82が配設されている。このカム角センサ82は、通常、気筒判別センサとして用いられ、例えば第1番気筒#1の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力する。つまり、このカム角センサ82は、吸気カムシャフト62の1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサ82によるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト62と回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ82を配置し、吸気カムシャフト62の回転に伴って外歯がカム角センサ82の近傍を通過した際に、このカム角センサ82が出力パルスを発生するようになっている。このロータはクランクシャフト5の1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフト5が720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば第1番気筒♯1が圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
【0036】
上記サージタンク67には、吸気配管6内の圧力(吸気管内圧力PM)を検出するための圧力センサ83が設けられている。この圧力センサ83は、サージタンク65内の圧力に応じた信号を出力する。
【0037】
上記スロットルバルブ66の近傍位置には、スロットル開度を検出するためのスロットルセンサ84が設けられている。このスロットルセンサ84はスロットル開度に応じた検出信号を出力する。また、スロットルセンサ84はスロットルバルブ66が全閉位置にあるときのみON状態となるアイドルスイッチ(図示省略)を内蔵しており、このスイッチのON・OFF状態を示すアイドル信号を出力する。本実施形態におけるスロットルセンサ84はエンジン1がアイドル状態にあるか否かを判断するためのアイドル判断手段として機能する。
【0038】
以上が、本形態に係るエンジンの概略構成である。
【0039】
−アイドル回転数制御のための構成及び動作−
次に、本実施形態の特徴であるアイドル回転数制御のための構成及び動作について説明する。
【0040】
本エンジン1は、例えばマイクロコンピュータを有して構成されるECU9を備えている。このECU9には、上記各センサ81〜84の出力信号がそれぞれ取り込まれている。そして、ECU9は、これら各信号に基づいてクランク角CAや、エンジン回転速度NE、現在の運転気筒(例えば現在膨張行程を迎えている気筒)、吸気管内圧力PM等を演算するとともに、エンジン1がアイドル状態にあるか否かを判断し、これらに基づいて後述するアイドル回転数制御動作を実行するようになっている。
【0041】
尚、このECU9は、上記各受信信号に応じて点火プラグ31の基準点火タイミング(本発明でいう点火タイミング制御手段の基本制御動作により決定されるものであって、予め記憶されたマップに基づく「基本進角度」に、図示しない水温センサにより検知される
冷却水温度等に応じて決定される「補正進角度」を加算して得られる点火タイミング)を決定したり、燃料噴射弁64からの基準燃料噴射量(本発明でいう空燃比制御手段の基本制御動作により決定されるものであって、図示しないエアフローメータにより検知される吸入空気量やエンジン回転数等により決定される「基本噴射量」に、吸入空気温度や冷却水温度等に応じて決定される「補正噴射量」を加算した燃料噴射量)を決定するようになっている。本実施形態に係るアイドル回転数制御動作では、アイドル運転時にそれぞれ決定された上記基準点火タイミングや基準燃料噴射量に対して所定の補正量をもって補正を行うようにしている。詳しくは後述する。
【0042】
このアイドル回転数制御動作は、「回転速度検知動作」、「平均速度算出動作」、「点火タイミング補正動作」、「空燃比補正動作」によりなされる。以下、それぞれの動作について説明する。
【0043】
「回転速度検知動作(本発明でいう回転速度検知手段の動作)」は、エンジン1のアイドル運転時に、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知するようになっている。具体的には、それぞれの気筒が膨張行程を迎える際の圧縮上死点(TDC)から進角側(クランク回転の戻り側)に45°及び遅角側(クランク回転の進み側)に45°の合計90°のクランク角度範囲(上記クランク角センサ81により検知する)をクランクシャフト5が回転するのに要する時間を検知し、これを、その気筒(膨張行程を迎えている気筒)のクランク回転速度として検知する。
【0044】
「平均速度算出動作(本発明でいう平均速度算出手段の動作)」は、上述の如く「回転速度検知動作」によって検知した各気筒の膨張行程時のクランク回転速度に対し、8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値を算出する動作である。例えば、第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に順に膨張行程を迎えるエンジンでは、第1番気筒♯1を制御対象とする場合、直前で且つ8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時(第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に亘る膨張行程の各2回分)のエンジン回転速度の平均値を算出することになる。
【0045】
「点火タイミング補正動作(本発明でいう点火タイミング補正手段の動作)」は、上述の如く「平均速度算出動作」において算出した平均値と個々の気筒における前回の膨張行程時のクランク回転速度とを比較し、その比較結果に応じて各気筒毎に点火プラグ31の点火タイミングを補正する(上述した点火プラグ31の基準点火タイミングに対して補正する)動作である。具体的には、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを進角させる一方、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを遅角させるようにする。
【0046】
これら点火タイミングの進角量及び遅角量は、1回の制御動作においてクランク角度で1°ずつ変更していくようにする。また、制御対象である気筒の膨張行程時のクランク回転速度と上記平均速度との差に応じて進角量や遅角量を変更するようにしてもよい。つまり、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回っている場合にその差が大きいほど点火タイミングの進角量を多くする一方、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回っている場合にその差が大きいほど点火タイミングの遅角量を多くするといった制御である。
【0047】
「空燃比補正動作(本発明でいう空燃比補正手段の動作)」は、上記「点火タイミング補正動作」によって点火プラグ31の点火タイミングを進角側に制御していってその点火タイミングがMBT(Minimum Spark Advance for Best
Torque:最適点火時期)に達した場合、その気筒の膨張行程時における上記クラ
ンク回転速度が未だ上記平均速度を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように燃料噴射弁64からの燃料噴射量の増量を行う(上述した燃料噴射弁64の基準燃料噴射量に対して増量補正する)ものである。この空燃比のリッチ側への移行量としては、1回の制御動作において所定量ずつ燃料噴射量を増量させるようにしてもよいし、制御対象である気筒の膨張行程時のクランク回転速度と上記平均速度との差に応じて燃料噴射量の増量割合を変化させるようにしてもよい。つまり、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回っている場合にその差が大きいほど燃料噴射量の増量割合を大きく設定するといった制御である。
【0048】
尚、上記MBTは、エンジン回転数に応じて設定されるものであり、ECU9内のメモリに予めマップとして記憶されている。
【0049】
以上が、本実施形態に係るアイドル回転数制御動作により実行される動作である。
【0050】
以下、本実施形態におけるアイドル回転数制御の制御手順について図2のフローチャートに沿って説明する。先ず、ステップST1でイグニッションのON操作(イグニッションキーによる始動操作やスタートスイッチの押し込み操作)が行われてエンジン1が始動した後、ステップST2で、上記スロットルセンサ84からの信号を受けて、エンジン1がアイドル運転状態であるか否かを判定する。また、クランク角センサ81及びアクセル開度センサからの信号によってアイドル運転状態であるか否かを判定するようにしてもよい。つまり、エンジン回転数がアイドル回転相当であり且つアクセル開度が全閉状態である場合に、エンジン1がアイドル運転状態であると判定することになる。
【0051】
ステップST2の判定がNOである場合には、エンジン1はアイドル運転状態ではないため、本アイドル回転数制御を実行することなく本ルーチンを終了する。一方、このステップST2の判定がYESである場合、つまり、エンジン1がアイドル運転状態である場合にはステップST3以降のアイドル回転数制御に移る。
【0052】
このステップST3では、各気筒の膨張行程を含む上記所定クランク角度範囲(本実施形態の場合はTDC前後45°の合計90°)でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知していく。そして、ステップST4において、このようにして検知した各気筒の膨張行程時のクランク回転速度に対し、制御対象である気筒が膨張行程を迎える直前で且つ8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値を算出し、ステップST5に移る。
【0053】
ステップST5では、上記ステップST4で算出した平均値と制御対象である気筒の前回の膨張行程時のクランク回転速度とを比較する。そして、ステップST6において、制御対象である気筒の前回の膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回っている場合には、その気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを進角させる一方、制御対象である気筒の前回の膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回っている場合には、その気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを遅角させる。
【0054】
このような点火タイミングの進角・遅角制御を行った後、ステップST7において、点火タイミングがMBTに達した気筒が存在しているか否かを判断する。点火タイミングがMBTに達した気筒が存在していない場合には、このステップST7でNO判定され、アイドル回転数制御を終了する。一方、点火タイミングがMBTに達した気筒が存在している場合には、このステップST7でYES判定され、ステップST8に移る。
【0055】
このステップST8では、上記ステップST4で算出した平均値とMBTに達している気筒の膨張行程時のクランク回転速度とを比較する。そして、ステップST9において、
この気筒の膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を未だに下回っている場合には、ステップST10において、その気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように燃料噴射弁64からの燃料噴射量の増量を行う。
【0056】
以上の一連の制御動作が行われ後は、エンジン停止操作(IG OFF)がなされるま
で、ステップST2〜ステップST10の制御動作が行われ、エンジン1のアイドル運転中は常時、上記アイドル回転数制御が実行されることになる。以上が、本実施形態に係るアイドル回転数制御動作である。
【0057】
次に、本実施形態に係るアイドル回転数制御動作を実行した場合のアイドル回転数の変動状態の一例について説明する。
【0058】
図3は、縦軸が膨張行程時のエンジン回転速度、横軸が膨張行程を迎える気筒順序であって、第3番気筒(図中♯3)で突発的な燃焼不良が生じた場合(図3におけるタイミングD)における各気筒の膨張行程時のエンジン回転速度の変動状態を示している。
【0059】
本実施形態では、直前で且つ8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値を算出し、それを目標値としてアイドル回転数を制御している。つまり、上記第3番気筒での突発的な燃焼不良が生じた後の第4番気筒(図中♯4)に対する補正制御(図中タイミングEでの制御)では、第4番気筒自身の2回前の膨張行程時(図中タイミングW)から直前の第3番気筒の膨張行程時(図中タイミングD)までのエンジン回転速度の平均値を、今回の第4番気筒の膨張行程におけるエンジン回転速度の目標値として設定することになる。この場合、従来例(図4におけるタイミングE参照)の場合と比較しても判るように、上記第3番気筒での突発的な燃焼不良の影響で平均値が大幅に低くなってしまうといったことはなく、エンジン回転速度の目標値を本来必要な回転速度の近傍に設定することができる。つまり、この第4番気筒の膨張行程時のエンジン回転速度が低くなってしまうことがない。また、その後の第1番気筒(図中♯1)に対する補正制御(図中タイミングFでの制御であり、図中タイミングX〜Eのエンジン回転速度の平均値を目標とする制御)以降のアイドル回転数制御においても同様に、エンジン回転速度の目標値を本来必要な回転速度の近傍に設定することができて、各気筒の膨張行程時のエンジン回転速度が低くなってしまうことがない。その結果、エンジン1の振動を大幅に抑制することが可能になる。
【0060】
以上のように本実施形態では、失火や燃焼不良等によって回転変動状態が突発的に大きく変化したような場合であっても、その影響を大きく受けることがなく、点火タイミングの制御量及び燃料噴射量の制御量を適正に得ることができ、振動抑制効果を確実に得ることができる。
【0061】
(第1変形例)
次に、本発明の第1の変形例について説明する。上述した実施形態では、各気筒の膨張行程を含む所定クランク角度範囲でのクランク回転速度を各気筒の膨張行程毎に検知することにより、アイドル運転時の各気筒のバラツキ(燃焼状態のバラツキ)を検知するようにしていた。本変形例は、それに代えて、各気筒に筒内圧力センサを備えさせ、これら筒内圧力センサによって各気筒の膨張行程時の筒内圧力の最大値や図示平均有効圧力値を各気筒の膨張行程毎に検知するようにしたものである。以下の説明では、筒内圧力センサによって筒内圧力の最大値を検知する場合について説明する。尚、この筒内圧力センサは、一般的にはシリンダヘッド3における点火プラグ31の近傍位置に配置される。
【0062】
本変形例では上述した実施形態のアイドル回転数制御動作における「回転速度検知動作」及び「平均速度算出動作」に代えて、「筒内圧力検知動作」及び「平均値算出動作」を
実行することになる。以下、それぞれの動作について説明する。
【0063】
「筒内圧力検知動作(本発明でいう筒内圧力検知手段の動作)」では、各気筒の膨張行程時の筒内圧力の最大値を各気筒の膨張行程毎に筒内圧力センサが検知する。
【0064】
「平均値算出動作(本発明でいう平均値算出手段の動作)」では、上述の如く「筒内圧力検知動作」によって検知した各気筒の膨張行程時の筒内圧力の最大値に対し、8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時の筒内圧力の最大値の平均値を算出する。例えば、第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に順に膨張行程を迎えるエンジンでは、第1番気筒♯1を制御対象とする場合、直前で且つ8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時(第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に亘る膨張行程の各2回分)の筒内圧力の最大値の平均値を算出することになる。
【0065】
また、「点火タイミング補正動作(本発明でいう点火タイミング補正手段の動作)」では、上述の如く「筒内圧力検知動作」において算出した平均値と個々の気筒の直前の膨張行程時の筒内圧力の最大値とを比較し、その比較結果に応じて各気筒毎に点火プラグ31の点火タイミングを補正する。具体的には、膨張行程時の筒内圧力の最大値が上記平均値を下回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを進角させる一方、膨張行程時の筒内圧力の最大値が上記平均値を上回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを遅角させるようにする。
【0066】
また、「空燃比補正動作(本発明でいう空燃比補正手段の動作)」では、上記「点火タイミング補正動作」によって点火プラグ31の点火タイミングを進角側に制御していってその点火タイミングがMBTに達した場合、その気筒の膨張行程時における筒内圧力の最大値が未だ上記平均値を下回っている場合には、この気筒に対しては空燃比をリッチ側に移行させるように燃料噴射弁64からの燃料噴射量の増量を行うようにしている。その他のエンジン1の構成や制御動作は上述した実施形態のものと同一である。
【0067】
このように本変形例においても、上述した実施形態の場合と同様に、失火や燃焼不良等によって回転変動状態が突発的に大きく変化した場合であっても、その影響を大きく受けることがなく、点火タイミングの制御量及び燃料噴射量の制御量を適正に得ることができ、振動抑制効果を確実に得ることができる。
【0068】
(第2変形例)
次に、本発明の第2の変形例について説明する。本変形例は、上述した実施形態及び第1変形例のようにアイドル回転数制御を行った場合において、燃料消費率や排気エミッションの悪化を回避するための制御動作を付加したものである。
【0069】
具体的には、上記アイドル回転数制御の実行中に、燃料消費率が所定量以上に悪化した場合や、排気エミッションが所定量以上に悪化した場合に、各気筒の空燃比の相互間の比率を維持したまま全気筒の空燃比をリーン側に移行させるように制御するものである。例えば、上記アイドル回転数制御によって各気筒の空燃比の相互間の比率が、♯1:♯2:♯3:♯4=1:1.2:1.2:1となっているような場合には、この比率を維持したまま空燃比をリーン側に移行させるように、燃料噴射量の減量や上記バイパス通路68を流れる空気量(バイパス空気量)の調節(ISCV制御)が行われるようになっている。
【0070】
これによれば、各気筒のアイドル回転数が略均等に低下していくことになるため、アイドル運転時の振動抑制効果を維持したまま、燃料消費率の悪化の抑制や排気エミッションの悪化の抑制を図ることができる。
【0071】
具体的に、燃料消費率が所定量以上に悪化したことを検知する動作としては、燃料噴射弁64からの燃料噴射量や、図示しない車速センサからの車速信号等に基づいて燃料消費率を算出し、その算出値が所定値(燃費悪化限界値)よりも悪化したか否かを判断することにより行われる。
【0072】
また、排気エミッションが所定量以上に悪化したことを検知する動作としては、例えば米国FTPのNMHCエミッション値が所定値(エミッション悪化限界値)を越えたか否かを判断することにより行われる。
【0073】
(その他の実施形態)
上述した実施形態及び変形例では、本発明を自動車用4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明は、これに限るものではなく、種々のエンジンに対して適用できる。
【0074】
また、上記実施形態では、「平均速度算出動作」において8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値を算出していた。また、第1変形例では、「平均値算出動作」において8回連続する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時の筒内圧力の最大値の平均値を算出していた。本発明は、これに限るものではなく、エンジン1が有している気筒数を越える回数をもって連続して検知したデータの平均を算出すればよく、例えば、エンジン1が有している気筒数の整数倍(2,3,4,…n倍)の回数をもって連続(16回連続など)する膨張行程を迎えた各気筒それぞれの膨張行程時のエンジン回転速度の平均値や筒内圧力の最大値の平均値を算出するようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態及び変形例では、「点火タイミング補正動作」と「空燃比補正動作」とを共に行うものであったが、これら補正動作のうち一方のみを行うようにしてもよい。つまり、「点火タイミング補正動作」のみを行う場合には、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回る気筒や膨張行程時の筒内圧力が上記平均値を下回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを進角させる一方、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回る気筒や膨張行程時の筒内圧力が上記平均値を上回る気筒に対しては点火プラグ31の点火タイミングを遅角させるようにすることのみによって振動抑制効果を得ることになる。一方、「空燃比補正動作」のみを行う場合には、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を下回る気筒や膨張行程時の筒内圧力が上記平均値を下回る気筒に対しては燃料噴射弁64からの燃料噴射量の増量を行う一方、膨張行程時のクランク回転速度が上記平均速度を上回る気筒や膨張行程時の筒内圧力が上記平均値を上回る気筒に対しては燃料噴射弁64からの燃料噴射量の減量を行うことのみによって振動抑制効果を得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態に係るエンジン並びにその周辺装置の概略構成を示す図である。
【図2】アイドル回転数制御の制御手順を示すフローチャート図である。
【図3】実施形態に係るアイドル回転数制御動作を実行した場合のアイドル回転数の変動状態の一例を示す図である。
【図4】従来例におけるアイドル回転数制御動作を実行した場合のアイドル回転数の変動状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 エンジン(内燃機関)
2 シリンダボア
31 点火栓(点火プラグ)
64 燃料噴射弁




 

 


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