Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
内燃機関の制御装置 - トヨタ自動車株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 内燃機関の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9815(P2007−9815A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192047(P2005−192047)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 定金 伸治 / 大谷 元希 / 藤岡 和孝
要約 課題
内燃機関のアイドル時における高圧燃料ポンプの作動音の発生を回避し、安定な燃焼を維持して、筒内噴射用インジェクタのデポジット生成を回避する。

解決手段
エンジンECUは、エンジン回転数NE、エンジン負荷およびエンジン冷却水温を検知するステップ(S100,S110,S115)と、アイドル領域であると判断されると(S120にてYES)、冷間アイドル領域、遷移領域、温間アイドル領域のいずれであるかを判断するステップ(S130)と、冷間アイドル領域においては吸気通路噴射用インジェクタのみから燃料を噴射するステップ(S140)と、遷移領域においては吸気通路噴射用インジェクタから燃料を噴射するとともにフィード圧で筒内噴射用インジェクタから燃料を噴射するステップ(S150)と、温間アイドル領域においてはフィード圧で筒内噴射用インジェクタから燃料を噴射するステップ(S160)とを含む、プログラムを実行する。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料タンクから燃料噴射手段に、低圧燃料を供給する低圧ポンプと、高圧燃料を供給する高圧ポンプとを含む内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段を含み、
前記内燃機関の運転状態がアイドル状態であることを検知するための検知手段と、
前記内燃機関を制御するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記アイドル状態が前記内燃機関の温度に基づいて予め定められた2つ以上のアイドル状態の中のいずれのアイドル状態に属するのかに応じて、前記低圧ポンプおよび前記高圧ポンプならびに前記燃料噴射手段を制御するための手段を含む、内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記高圧ポンプおよび前記低圧ポンプから前記第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能であり、
前記制御手段は、
前記アイドル状態であることが検知されると、前記高圧ポンプを停止させるように制御および前記高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、
冷間アイドル時は前記第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段とを含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記高圧ポンプおよび前記低圧ポンプから前記第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能であり、
前記制御手段は、
前記アイドル状態であることが検知されると、前記高圧ポンプを停止させるように制御および前記高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、
温間アイドル時は前記第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御ならびに前記第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御のいずれかの制御を行なうための手段とを含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、温間アイドル時において前記第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射する場合には、前記内燃機関の温度が高くなるほど、前記第1の燃料噴射手段の噴射比率が高くなるように制御するための手段を含む、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記アイドル時において前記第1の燃料噴射手段から燃料を噴射する場合において、前記第1の燃料噴射手段へ供給される燃料の圧力が予め定められた圧力以下になるまでは、前記第1の燃料噴射手段からの燃料噴射量を最小噴射量として、要求噴射量との差の燃料量の分を前記第2の燃料噴射手段から噴射するように制御するための手段をさらに含む、請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記温間アイドル時よりも予め定められた温度以上高い高温アイドル時には、前記高圧ポンプにより昇圧された燃料を前記第1の燃料噴射手段に供給して、前記第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
燃料タンクから燃料噴射手段に、低圧燃料を供給する低圧ポンプと、高圧燃料を供給する高圧ポンプとを含む内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段を含み、
前記内燃機関の運転状態がアイドル状態であることを検知するための検知手段と、
前記内燃機関を制御するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記アイドル状態が前記内燃機関の温度に基づいて予め定められた2つ以上のアイドル状態の中のいずれのアイドル状態に属するのかに応じて、前記低圧ポンプおよび前記高圧ポンプならびに前記燃料噴射手段を制御するための手段を含み、
前記高圧ポンプおよび前記低圧ポンプから前記第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能であり、
前記制御手段は、
前記アイドル状態であることが検知されると、前記高圧ポンプを停止させるように制御および前記高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、
冷間アイドル時は前記第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段と、
温間アイドル時は前記第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御ならびに前記第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御のいずれかの制御を行なうための手段とを含む、内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、
前記第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒内に向けて高圧で燃料を噴射する燃料噴射手段(筒内噴射用インジェクタ)を備えた内燃機関またはこの燃料噴射手段に加えて吸気通路または吸気ポート内に向けて燃料を噴射する燃料噴射手段(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えた内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関のアイドル運転時における制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備え、エンジンの回転数や内燃機関の負荷に応じて、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで燃料を噴き分けるエンジンが公知である。また、ガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)のみを備える直墳エンジンも公知である。筒内噴射用インジェクタを含む高圧燃料系統においては、高圧燃料ポンプで燃圧が高められた燃料がデリバリーパイプを介して筒内噴射用インジェクタに供給され、筒内噴射用インジェクタは、内燃機関の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
【0003】
また、コモンレール式燃料噴射系統を有するディーゼルエンジンも公知である。このコモンレール式燃料噴射系統においては、高圧燃料ポンプで燃圧が高められた燃料をコモンレールに蓄えておき、電磁弁の開閉によりコモンレールからディーゼルエンジンの各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射する。
【0004】
このような高圧燃料を発生させるために、内燃機関のクランクシャフトに連結されたドライブシャフトに設けられたカムによりシリンダを駆動する高圧燃料ポンプが用いられる。高圧燃料ポンプは、カムの回転によりシリンダ内で往復移動するポンププランジャーと、シリンダとポンププランジャーとにより構成される加圧室とを備えている。この加圧室には、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと連通するポンプ供給パイプ、加圧室から燃料を流出させて燃料タンクに戻すリターンパイプおよび加圧室内の燃料を筒内噴射用インジェクタに向けて圧送する高圧デリバリパイプがそれぞれ接続されている。また、高圧燃料ポンプには、ポンプ供給パイプおよび高圧デリバリパイプと加圧室との間を開閉する電磁スピル弁が設けられている。
【0005】
電磁スピル弁が開いた状態にあって、加圧室の容積が大きくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが吸入行程にあるとき、ポンプ供給パイプから加圧室内に燃料が吸入される。また、加圧室の容積が小さくなる方向にポンププランジャーが移動するとき、すなわち高圧燃料ポンプが圧送行程にあるときに電磁スピル弁を閉じると、ポンプ供給パイプおよびリターンパイプと加圧室との間が遮断され、加圧室内の燃料が高圧デリバリパイプを介して筒内噴射用インジェクタに圧送される。
【0006】
このような高圧燃料ポンプにおいては、圧送行程中における電磁スピル弁の閉弁期間中のみ筒内噴射用インジェクタに向けて燃料が圧送されるため、電磁スピル弁の閉弁開始時期を制御することで(電磁スピル弁の閉弁期間を調整することで)燃料圧送量が調整されるようになる。すなわち、電磁スピル弁の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすることで燃料圧送量が多くなり、電磁スピル弁の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすることで燃料圧送量が少なくなる。
【0007】
このように、フィードポンプから送り出された燃料を高圧燃料ポンプで加圧し、この加圧後の燃料を筒内噴射用インジェクタに向けて圧送することで、燃焼室に直接燃料を噴射供給する内燃機関にあっても、その燃料噴射を的確に行なうことができる。
【0008】
この高圧燃料ポンプの圧送行程において、電磁スピル弁が閉じるときには、加圧室の容積が小さくなる過程にあるので、燃料が高圧デリバリパイプ側だけでなくリターンパイプ側にも流れようとする。この状態で、電磁スピル弁を閉じると、この閉弁動作に、上記のように流れようとする燃料による力が付勢され、電磁スピル弁が閉弁するときの衝撃力が大きくなる。そして、この衝撃の増大に伴い電磁スピル弁の作動音(閉弁の音)も大きくなり、こうした電磁スピル弁の作動音が電磁スピル弁の閉弁毎に連続的に発生するようになる。
【0009】
内燃機関の通常運転時には混合気の燃焼音等の内燃機関の作動音が大きいため、このような電磁スピル弁の閉弁毎の連続的な作動音が不快感を感じるほど大きなものとはならない。しかしながら、内燃機関のアイドル運転時など内燃機関の作動音自体が小さくなるときには、電磁スピル弁の連続的な作動音が相対的に大きくなり、こうした作動音による不快感も無視できないものとなる。
【0010】
特開2001−41088号公報(特許文献1)は、電磁スピル弁の閉弁毎に生じる連続的な作動音を低減することができる燃料ポンプの制御装置を開示する。この公報に開示された制御装置は、カムの回転によるシリンダとポンププランジャーとの相対移動に基づき加圧室の容積を変化させて加圧室に燃料を吸入するとともに同燃料を内燃機関の燃料噴射弁に向けて圧送する燃料ポンプと、加圧室から燃料を流出させるスピル通路と同加圧室との間を開閉するスピル弁とを備え、スピル弁を閉弁期間を制御することにより燃料ポンプから燃料噴射弁への燃料圧送量を調整する燃料ポンプの制御装置であって、内燃機関の運転状態に基づきスピル弁を制御することより、所定期間中における燃料ポンプの燃料圧送回数を調節して同燃料圧送一回当たりの燃料噴射弁の燃料噴射回数を変更するものであって、機関低負荷時には燃料圧送一回当たりの燃料噴射回数を低減する制御手段を備える。
【0011】
この燃料ポンプの制御装置によると、電磁スピル弁の連続的な作動音が相対的に大きくなる機関低負荷時に、燃料圧送一回当たりの燃料噴射回数を低減するので、一回の燃料圧送量が少なくてすむ。そのため、電磁スピル弁の閉弁開始時期を一層上死点寄りの時期とすることができる。上死点に向かうほど、ポンププランジャーとシリンダとの相対移動量を示すカム速度は小さくなる。これにより、電磁スピル弁の閉弁時におけるカム速度を小さくして電磁スピル弁の閉じる音を一層小さくすることができる。このように、電磁スピル弁の閉弁する音を小さくすることで、電磁スピル弁の閉弁毎に生じる連続的な作動音が低減できる。
【特許文献1】特開2001−41088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
第1の燃料噴射弁(筒内噴射用インジェクタ)と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えたエンジンにおいても、上記の公報に開示された制御装置を用いて、機関低負荷時において高圧燃料ポンプからの燃料圧送一回当たりの燃料噴射回数を低減させることが考えられる。このようにすると、アイドル領域の高圧燃料ポンプの作動音を低減させることができる。アイドル領域においては、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射では燃圧が低く(燃料噴射量が少なく)燃焼が不安定になる傾向がある。このため、吸気通路噴射用インジェクタで燃料を噴射してアイドル領域における燃焼安定性を確保する。
【0013】
しかしながら、アイドル領域において、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射を停止して、吸気通路噴射用インジェクタから燃料を噴射するようにすると、筒内において燃焼に曝される筒内噴射用インジェクタの噴孔にデポジットが堆積する可能性が高くなる。
【0014】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関のアイドル時における高圧燃料ポンプの作動音の発生を回避し、安定な燃焼を維持するとともに、燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成されないようにする、内燃機関の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明に係る制御装置は、燃料タンクから燃料噴射手段に、低圧燃料を供給する低圧ポンプと、高圧燃料を供給する高圧ポンプとを含む内燃機関を制御する。この内燃機関は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段を含む。この制御装置は、内燃機関の運転状態がアイドル状態であることを検知するための検知手段と、内燃機関を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、アイドル状態が内燃機関の温度に基づいて予め定められた2つ以上のアイドル状態の中のいずれのアイドル状態に属するのかに応じて、低圧ポンプおよび高圧ポンプならびに燃料噴射手段を制御するための手段を含む。
【0016】
第1の発明によると、たとえば、内燃機関の回転数と負荷の状態とに基づいて、内燃機関の運転状態がアイドル状態であることが検知される。このときに、アイドル状態であっても、内燃機関の温度により、2つ以上のアイドル状態の中のいずれのアイドル状態に属するかを予め定めておく。いずれのアイドル状態に属するのかに応じて、内燃機関を制御する。具体的には、アイドル状態であっても、冷間アイドル状態では、低温であるので第1の燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成しにくい。このため、デポジット生成の回避よりも燃焼安定性を優先させて、高圧ポンプを停止させて低圧の燃料を第2の燃料噴射手段のみから噴射して、低温であっても良好な燃焼状態を実現できる。一方、温間アイドル状態では、低温ではないので燃焼安定性の問題が発生する傾向が低い。このため、燃焼安定性よりもデポジット生成の回避を優先させて、高圧ポンプを停止させて低圧の燃料を第1の燃料噴射手段および/または第2の燃料噴射手段から噴射させる。高圧ポンプが停止するので作動音の低減を実現できる。また、冷間アイドル状態では第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するので、燃料噴射から点火までの時間を長くして霧化の状態を向上させて燃焼を安定化することができる。さらに、高温アイドル状態では第1の燃料噴射手段から低圧の燃料を噴射するので、噴孔の温度が低下してデポジットの生成を回避できる。その結果、内燃機関のアイドル時における高圧ポンプの作動音の発生を回避し、安定な燃焼を維持するとともに、燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成されないようにする、内燃機関の制御装置を提供することができる。
【0017】
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、高圧ポンプおよび低圧ポンプから第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能であり、制御手段は、アイドル状態であることが検知されると、高圧ポンプを停止させるように制御および高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、冷間アイドル時は第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段とを含む。
【0018】
第2の発明によると、冷間アイドル状態では、高圧ポンプを停止させるように制御または高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御される。このため、内燃機関のアイドル時における高圧ポンプの作動音の発生を回避できる。さらに、冷間アイドル時においては、第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するので、燃料噴射から点火までの時間を長くして霧化の状態を向上させて燃焼を安定化することができる。
【0019】
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、高圧ポンプおよび低圧ポンプから第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能であり、制御手段は、アイドル状態であることが検知されると、高圧ポンプを停止させるように制御および高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、温間アイドル時は第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御ならびに第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御のいずれかの制御を行なうための手段とを含む。
【0020】
第3の発明によると、温間アイドル状態では、高圧ポンプを停止させるように制御または高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御される。このため、内燃機関のアイドル時における高圧ポンプの作動音の発生を回避できる。さらに、温間アイドル時においては、第1の燃料噴射手段から低圧の燃料を噴射するので、噴孔の温度が低下してデポジットの生成を回避することができる。
【0021】
第4の発明に係る制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御手段は、温間アイドル時において第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射する場合には、内燃機関の温度が高くなるほど、第1の燃料噴射手段の噴射比率が高くなるように制御するための手段を含む。
【0022】
第4の発明によると、内燃機関の温度が高くなるほど、第1の燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成される可能性が高くなり、燃焼安定性は向上する。このため、内燃機関の温度が高くなるほど、第1の燃料噴射手段から多くの燃料を噴射するように制御して、デポジットの生成を回避することができる。
【0023】
第5の発明に係る制御装置においては、第3または4の発明の構成に加えて、制御手段は、アイドル時において第1の燃料噴射手段から燃料を噴射する場合において、第1の燃料噴射手段へ供給される燃料の圧力が予め定められた圧力以下になるまでは、第1の燃料噴射手段からの燃料噴射量を最小噴射量として、要求噴射量との差の燃料量の分を第2の燃料噴射手段から噴射するように制御するための手段をさらに含む。
【0024】
第5の発明によると、高圧ポンプが作動していて高圧の燃料を第1の燃料噴射手段に供給している状態から、温間アイドル状態になると、低圧の燃料を第1の燃料噴射手段から噴射するように変更される。このときに、高圧配管系の燃料の圧力は高圧ポンプの作動停止から次第に低下するため、内燃機関の作動サイクル毎に燃料の圧力が低下してゆく。このため、第1の燃料噴射手段に供給される燃料の圧力が十分に低くなるまでは、第1の燃料噴射手段からの燃料噴射量を最小噴射量とする。このため、高圧燃料系統の燃圧が変化してもサイクル間での燃料噴射量が変動しないので、空燃比の変動や、エミッションの悪化、ドライバビリティの悪化を回避できる。なお、このように第1の燃料噴射手段からの燃料噴射量を最小噴射量にすることで、要求燃料量を満足できない(不足する)場合には、第2の燃料噴射手段から不足分の燃料を噴射することで、内燃機関に要求される出力を実現できる。
【0025】
第6の発明に係る制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、温間アイドル時よりも予め定められた温度以上高い高温アイドル時には、高圧ポンプにより昇圧された燃料を第1の燃料噴射手段に供給して、第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段を含む。
【0026】
第6の発明によると、温間時よりも内燃機関の温度が高く、第1の燃料噴射手段の噴孔にデポジットがさらに生成しやすい傾向がある。このため、第1の燃料噴射手段から高圧の燃料を筒内に噴射する。このようにすると、第1の燃料噴射手段の噴孔に生成したデポジットを高圧の燃料で吹き飛ばすことができる。
【0027】
第7の発明に係る制御装置は、燃料タンクから燃料噴射手段に、低圧燃料を供給する低圧ポンプと、高圧燃料を供給する高圧ポンプとを含む内燃機関を制御する。この内燃機関は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段を含む。この制御装置は、内燃機関の運転状態がアイドル状態であることを検知するための検知手段と、内燃機関を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、アイドル状態が内燃機関の温度に基づいて予め定められた2つ以上のアイドル状態の中のいずれのアイドル状態に属するのかに応じて、低圧ポンプおよび高圧ポンプならびに燃料噴射手段を制御するための手段を含む。この内燃機関においては、高圧ポンプおよび低圧ポンプから第1の燃料噴射手段へ燃料の供給が可能である。制御手段は、アイドル状態であることが検知されると、高圧ポンプを停止させるように制御および高圧ポンプからの吐出圧を低減させるように制御のいずれかの制御を行なうための手段と、冷間アイドル時は第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御するための手段と、温間アイドル時は第1の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御ならびに第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段から燃料を噴射するように制御のいずれかの制御を行なうための手段とを含む。
【0028】
第7の発明によると、第1の発明、第2の発明および第3の発明と同様にして、内燃機関のアイドル時における高圧ポンプの作動音の発生を回避し、安定な燃焼を維持するとともに、燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成されないようにする、内燃機関の制御装置を提供することができる。
【0029】
第8の発明に係る制御装置においては、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである。
【0030】
第8の発明によると、第1の燃料噴射手段である筒内噴射用インジェクタと第2の燃料噴射手段である吸気通路噴射用インジェクタとを別個に設けて噴射燃料を分担する内燃機関において、内燃機関のアイドル時における高圧燃料ポンプの作動音の発生を回避し、安定な燃焼を維持するとともに、燃料噴射手段の噴孔にデポジットが生成されないようにする、内燃機関の制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0032】
<第1の実施の形態>
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU(Electronic Control Unit)で制御されるエンジンシステムの概略構成図を示す。なお、図1には、エンジンとして直列4気筒ガソリンエンジンを示すが、本発明はこのような形式のエンジンに限定されるものではなく、V型6気筒、V型8気筒、直列6気筒などの形式であってもよく、少なくとも、各気筒毎に筒内噴射用インジェクタおよび吸気通路噴射用インジェクタを有するエンジンであれば、本発明は適用できる。
【0033】
図1に示すように、エンジン10は、4つの気筒112を備え、各気筒112はそれぞれ対応するインテークマニホールド20を介して共通のサージタンク30に接続されている。サージタンク30は、吸気ダクト40を介してエアクリーナ50に接続され、吸気ダクト40内にはエアフローメータ42が配置されるとともに、電動モータ60によって駆動されるスロットルバルブ70が配置されている。このスロットルバルブ70は、アクセルペダル100とは独立してエンジンECU300の出力信号に基づいてその開度が制御される。一方、各気筒112は共通のエキゾーストマニホールド80に連結され、このエキゾーストマニホールド80は三元触媒コンバータ90に連結されている。
【0034】
各気筒112に対しては、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタ110と、吸気ポートまたは/および吸気通路内に向けて燃料を噴射するための吸気通路噴射用インジェクタ120とがそれぞれ設けられている。これらインジェクタ110、120はエンジンECU300の出力信号に基づいてそれぞれ制御される。また、各気筒内噴射用インジェクタ110は共通の燃料分配管130に接続されており、この燃料分配管130は燃料分配管130に向けて流通可能な逆止弁を介して、機関駆動式の高圧燃料圧送装置150に接続されている。なお、本実施の形態においては、2つのインジェクタが別個に設けられた内燃機関について説明するが、本発明はこのような内燃機関に限定されない。たとえば、筒内噴射機能と吸気通路噴射機能とを併せ持つような1個のインジェクタを有する内燃機関であってもよい。また、高圧燃料圧送装置150は機間駆動式ではなく、たとえば電動式の高圧燃料ポンプであってもよい。
【0035】
図1に示すように、高圧燃料圧送装置150の吐出側は電磁スピル弁を介して燃料分配管130の吸入側に連結されており、この電磁スピル弁の開度が小さいときほど、高圧燃料圧送装置150から燃料分配管130内に供給される燃料量が増大され、電磁スピル弁が全開にされると、高圧燃料圧送装置150から燃料分配管130への燃料供給が停止されるように構成されている。なお、電磁スピル弁はエンジンECU300の出力信号に基づいて制御される。この詳細については後述する。
【0036】
一方、各吸気通路噴射用インジェクタ120は、共通する低圧側の燃料分配管160に接続されており、燃料分配管160および高圧燃料圧送装置150は共通の燃料圧レギュレータ170を介して、電動モータ駆動式の低圧燃料ポンプ180に接続されている。さらに、低圧燃料ポンプ180は燃料フィルタ190を介して燃料タンク200に接続されている。燃料圧レギュレータ170は低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の一部を燃料タンク200に戻すように構成されており、したがって吸気通路噴射用インジェクタ120に供給されている燃料圧および高圧燃料圧送装置150に供給されている燃料圧が上記設定燃料圧よりも高くなるのを阻止している。
【0037】
エンジンECU300は、デジタルコンピュータから構成され、双方向性バス310を介して相互に接続されたROM(Read Only Memory)320、RAM(Random Access Memory)330、CPU(Central Processing Unit)340、入力ポート350および出力ポート360を備えている。
【0038】
エアフローメータ42は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、このエアフローメータ42の出力電圧はA/D変換器370を介して入力ポート350に入力される。エンジン10には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ380が取付けられ、この水温センサ380の出力電圧は、A/D変換器390を介して入力ポート350に入力される。
【0039】
燃料分配管130には、燃料分配管130内の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ(燃圧センサ)400が取付けられ、この燃料圧センサ400の出力電圧は、A/D変換器410を介して入力ポート350に入力される。三元触媒コンバータ90上流のエキゾーストマニホールド80には、排気ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧を発生する空燃比センサ420が取付けられ、この空燃比センサ420の出力電圧は、A/D変換器430を介して入力ポート350に入力される。
【0040】
本実施の形態に係るエンジンシステムにおける空燃比センサ420は、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比に比例した出力電圧を発生する全域空燃比センサ(リニア空燃比センサ)である。なお、空燃比センサ420としては、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比が理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかをオン−オフ的に検出するO2センサを用いてもよい。
【0041】
アクセルペダル100は、アクセルペダル100の踏込み量に比例した出力電圧を発生するアクセル開度センサ440に接続され、アクセル開度センサ440の出力電圧は、A/D変換器450を介して入力ポート350に入力される。また、入力ポート350には、機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数センサ460が接続されている。エンジンECU300のROM320には、上述のアクセル開度センサ440および回転数センサ460により得られる機関負荷率および機関回転数に基づき、運転状態に対応させて設定されている燃料噴射量の値や機関冷却水温に基づく補正値などが予めマップ化されて記憶されている。
【0042】
図2を参照して、上述したエンジン10の燃料供給機構について説明する。図2に示すように、この燃料供給機構は、燃料タンク200に設けられ、低圧(プレッシャーレギュレータ圧力である0.3MPa程度)の吐出圧で燃料を供給するフィードポンプ1100と(図1の低圧燃料ポンプ180と同じ)、カム1210により駆動される高圧燃料圧送装置150(高圧燃料ポンプ1200)と、筒内噴射用インジェクタ110に高圧燃料を供給するために設けられた高圧デリバリパイプ1110(図1の燃料分配管130と同じ)と、高圧デリバリパイプ1110に設けられた各気筒1個ずつの筒内噴射用インジェクタ110と、吸気通路噴射用インジェクタ120に燃料を供給するために設けられた低圧デリバリパイプ1120と、低圧デリバリパイプ1120に設けられた各気筒のインテークマニホールドに1個ずつの吸気通路噴射用インジェクタ120とを含む。
【0043】
燃料タンク200のフィードポンプ1100の吐出口は、低圧供給パイプ1400に接続され、低圧供給パイプ1400は、低圧デリバリ連通パイプ1410とポンプ供給パイプ1420とに分岐する。低圧デリバリ連通パイプ1410は、吸気通路噴射用インジェクタ120が設けられた低圧デリバリパイプ1120に接続されている。
【0044】
ポンプ供給パイプ1420は、高圧燃料ポンプ1200の入り口に接続される。高圧燃料ポンプ1200の入り口の手前には、パルセーションダンパー1220が設けられ、燃料脈動の低減を図っている。
【0045】
高圧燃料ポンプ1200の吐出口は、高圧デリバリ連通パイプ1500に接続され、高圧デリバリ連通パイプ1500は、高圧デリバリパイプ1110に接続される。高圧デリバリパイプ1110に設けられたリリーフバルブ1140は、高圧デリバリリターンパイプ1610を介して高圧燃料ポンプリターンパイプ1600に接続される。高圧燃料ポンプ1200のリターン口は、高圧燃料ポンプリターンパイプ1600に接続される。高圧燃料ポンプリターンパイプ1600は、リターンパイプ1630に接続され、燃料タンク200に接続される。
【0046】
図3に、図2の高圧燃料圧送装置150付近の拡大図を示す。高圧燃料圧送装置150は、高圧燃料ポンプ1200と、カム1210で駆動され上下に摺動するポンププランジャー1206と、電磁スピル弁1202とリーク機能付きチェックバルブ1204とを主な構成部品としている。
【0047】
カム1210によりポンププランジャー1206が下方向に移動しているときであって電磁スピル弁1202が開いているときに燃料が導入され(吸い込まれ)、カム1210によりポンププランジャー1206が上方向に移動しているときに電磁スピル弁1202を閉じるタイミングを変更して、高圧燃料ポンプ1200から吐出される燃料量を制御する。ポンププランジャー1206が上方向に移動している加圧行程中における電磁スピル弁1202を閉じる時期が早いほど多くの燃料が吐出され、遅いほど少ない燃料が吐出される。この最も多く吐出される場合の電磁スピル弁1202の駆動デューティを100%とし、この最も少なく吐出される場合の電磁スピル弁1202の駆動デューティを0%としている。電磁スピル弁1202の駆動デューティが0%の場合には、電磁スピル弁1202は閉じることなく開いたままの状態になり、カム1210が回転している限り(エンジン10が回転している限り)ポンププランジャー1206は上下方向に摺動するが、電磁スピル弁1202が閉じないので、燃料は加圧されない。
【0048】
加圧された燃料は、リーク機能付きチェックバルブ1204(設定圧60kPa程度)を押し開けて高圧デリバリ連通パイプ1500を介して高圧デリバリパイプ1110へ圧送される。このとき、高圧デリバリパイプ1110に設けられた燃料圧センサ400により燃圧がフィードバック制御される。
【0049】
ここで、高圧燃料ポンプ1200の燃料吐出量(電磁スピル弁1202の閉弁開始時期)を制御するための制御量であるデューティ比DTについて説明する。このデューティ比DTは、0〜100%という値の間で変化する値であって、電磁スピル弁1202の閉弁期間に対応するカム1210のカム角度に関係した値である。すなわち、このカム角度に関して、電磁スピル弁1202の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)を「θ(0)」とし、同閉弁期間の目標値に対応するカム角度(目標カム角度)を「θ」とすると、デューティ比DTは、最大カム角度θ(0)に対する目標カム角度θの割合を示すものということになる。従って、デューティ比DTは、目標とする電磁スピル弁1202の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値とされ、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値とされるようになる。
【0050】
デューティ比DTが100%に近づくほど、デューティ比DTに基づき調整される電磁スピル弁1202の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁1202の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1200の燃料吐出量が増加して燃圧Pが上昇するようになる。また、デューティ比DTが0%に近づくほど、デューティ比DTに基づき調整される電磁スピル弁1202の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁1202の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1200の燃料吐出量が減少して燃圧Pが低下するようになる。
【0051】
図4を参照して、筒内噴射用インジェクタ110について説明する。図4は、筒内噴射用インジェクタ110の縦方向の断面図である。
【0052】
図4に示すように、筒内噴射用インジェクタ110は、その本体740の下端にノズルボディ760がスペーサを介してノズルホルダによって固定される。ノズルボディ760は、その下端に噴孔500を形成しており、ノズルボディ760内にニードル520が上下可動に配置される。ニードル520の上端は本体740内を摺動自在なコア540に当接しており、スプリング560はコア540を介してニードル520を下向きに付勢しており、ニードル520はノズルボディ760の内周シート面522に着座され、その結果、常態では噴孔500を閉鎖している。
【0053】
本体740の上端にはスリーブ570が挿入固定され、スリーブ570内には燃料通路580が形成され、燃料通路580の下端側は、本体740内の通路を介してノズルボディ760の内部まで連通され、ニードル520のリフト時に燃料は噴孔500から噴射される。燃料通路580の上端側は、フィルタ600を介して燃料導入口620に接続され、この燃料導入口620は、図1の燃料分配管130に接続される。
【0054】
電磁ソレノイド640は、本体740内においてスリーブ570の下端部を包囲するように配置される。ソレノイド640の通電時においては、コア540はスプリング560に抗して上昇され、燃料圧はニードル520を押し上げ、噴孔500が開放されるので燃料噴射が実行される。ソレノイド640は絶縁ハウジング650内のワイヤ660に取り出され、開弁のための電気信号を、エンジンECU300から受信することができる。この開弁のための電気信号をエンジンECU300が出力しないと、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射が行なわれない。
【0055】
エンジンECU300から受信した開弁のための電気信号により、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射時期および燃料噴射期間が制御される。この燃料噴射期間を制御することにより、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射量を調節できる。すなわち、この電気信号により、(最小燃料噴射量以上の領域において)、少量の燃料を噴射するように制御することもできる。なお、このような制御のために、エンジンECU300と筒内噴射用インジェクタ110との間に、EDU(Electronic Driver Unit)が設けられることもある。
【0056】
図5に筒内噴射用インジェクタ110の先端部の断面図を示す。筒内噴射用インジェクタ110の先端部は、噴孔500が設けられたバルブボデー502と、燃料溜りとなるサックボリューム504と、ニードル先端部506と、燃料滞留部508とから構成される。
【0057】
筒内噴射用インジェクタ110から燃料が吸気行程や圧縮行程で噴射された後、燃料滞留部508からニードル先端部506で押し出された燃料の一部は、噴孔500から筒内噴射用インジェクタ110の外部に噴射されることなく、サックボリューム504に残存していると考えられる。また、筒内噴射用インジェクタ110の作動停止が継続すると油密によりシール部から燃料がサックボリューム504に洩れてくると考えられる。
【0058】
筒内噴射用インジェクタ110の先端温度は、燃焼ガスによる受熱による影響が大きく、他にヘッドからの受熱、燃料への放熱などの因子があるが、温度が高いほど、カーボンとなって徐々に噴孔500をふさぐ傾向が顕著になると考えられる。
【0059】
このような構造を有する筒内噴射用インジェクタ110に供給される燃料の圧力は非常に高圧(13MPa程度)であるので、そのために開弁時および閉弁時に、大きなノイズや振動が発生する。このようなノイズや振動は、エンジン10の負荷が大きく回転数が高い領域においては、このエンジン10を搭載した車両の搭乗者の聴覚により検知されないが、エンジン10の負荷が小さく回転数が低い領域においては、搭乗者により検知されてしまう。そこで、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU300は、エンジン10がアイドル領域で運転されている場合において、アイドル領域を、始動後ファーストアイドル領域と、冷間アイドル領域と、温間アイドル領域と、高温アイドル領域とに分けて、異なる制御を実行する。以下、図6を参照して、このような制御について説明する。
【0060】
図6に示すように、始動後ファーストアイドル領域においては、筒内噴射用インジェクタ110から圧縮行程で高圧(2〜13MPa)の燃料を筒内に噴射する。これに加えて、吸気通路噴射用インジェクタ120から吸気行程で燃料を吸気管内に噴射する。このようにすると、吸気通路噴射用インジェクタ120による全体として空燃比がリーンで均質状態の混合気と、筒内噴射用インジェクタ110による点火プラグ周りの空燃比がリッチな成層状態の混合気とが燃焼室内で形成される。さらに、点火プラグでの点火時期を大きく遅角(たとえば、ATDC15゜)させて排気温度を上昇させて、始動開始から触媒を急速に暖機することができる。
【0061】
冷間アイドル領域においては、エンジン10の温度が低く燃料の霧化状態が良好でなく、アイドル領域のために燃料噴射量が少ないので、燃焼安定性が悪化する傾向がある。このような、燃焼安定性が良好でない冷間アイドル時においては吸気通路噴射用インジェクタ120からフィード圧(低圧:0.3MPa程度)の燃料を吸気行程で噴射する。燃料噴射から点火までの時間が筒内噴射用インジェクタ110による圧縮行程噴射よりも長く、燃料噴霧の霧化状態が向上させることができ、燃焼悪化を回避できる。
【0062】
温間アイドル領域においては、エンジン10の温度が高く、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔にデポジットが生成しやすい傾向がある。このような場合には少なくとも筒内噴射用インジェクタ110からフィード圧(低圧)の燃料を筒内に噴射する。このようにフィード圧で燃料を噴射することにより、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔温度を低下させることができ、デポジットの生成を回避することができる、
高温アイドル領域においては、温間時よりもエンジン10の温度が高く、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔にデポジットがさらに生成しやすい傾向がある。このため、筒内噴射用インジェクタ110から高圧の燃料を筒内に噴射する。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔に生成したデポジットを高圧の燃料で吹き飛ばすことができる。
【0063】
なお、冷間アイドル領域および温間アイドル領域においては、高圧燃料ポンプ1200を停止させて(デューティ比DT=0%)、フィードポンプ1100により0.3MPa程度の低圧の燃料を筒内噴射用インジェクタ110に供給する。これにより、高圧燃料ポンプ1200を停止させるので、その作動音が低減される。なお、高圧燃料ポンプ1200を停止させる(デューティ比DT=0%)のではなく、高圧燃料ポンプ1200からの吐出圧を低下させる(デューティ比DT≒0%)ようにしてもよい。
【0064】
図7および図8を参照して、冷間アイドル領域および温間アイドル領域における、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120の燃料噴射比率(分担比率)について説明する。
【0065】
図7は、温間アイドル時において筒内噴射用インジェクタ110のみからフィード圧(低圧)で燃料を噴射する場合の、エンジン10の温度を示すエンジン冷却水温と噴射比率との関係を示した図である。
【0066】
エンジン冷却水温が上昇するに従って筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率が高くなるように設定されている。エンジン10の温度が高くなるほど、燃焼安定性は向上するが、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔にデポジットが生成する可能性が高くなる。このため、エンジン10の温度が高くなるに従って筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を上げても、燃焼安定性を維持しつつ、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔の温度を低下させることができデポジットの生成を回避できる。その結果、良好な燃焼安定性とデポジット生成の回避とを両立させることができる。
【0067】
図8は、温間アイドル時において筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120とからフィード圧(低圧)で燃料を分担して噴射する場合の、エンジン10の温度を示すエンジン冷却水温と噴射比率との関係を示した図である。
【0068】
エンジン冷却水温が上昇するに従って筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率が高くなるように設定されているが、図7と異なり温間アイドル領域においても吸気通路噴射用インジェクタ120からも燃料を噴射している。このようにすると、吸気通路噴射用インジェクタ120により噴射された燃料により均質混合気が形成されるので、燃焼安定性をさらに向上させることができる。なお、エンジン10の温度が高くなるに従って筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を上げるので、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔の温度を低下させることができデポジットの生成を回避できる。その結果、良好な燃焼安定性とデポジット生成の回避とを両立させることができる。
【0069】
図9を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図9に示すプログラムは、エンジン10の運転領域が、図7または図8に示す冷間アイドル領域、温間アイドル領域および冷間アイドル領域から温間アイドル領域の遷移領域のいずれかであることを前提としている。また、図9に示すフローチャートは、予め定められたサイクルタイム(たとえば100ms)で繰り返し実行される。なお、遷移領域を温間領域に含めても構わない。
【0070】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECU300は、エンジン10の回転数センサ460からの信号に基づいて、エンジン回転数NEを検知する。S110にて、エンジンECU300は、アクセル開度センサ440からの信号に基づいて、エンジン10の負荷率を検知する。なお、エンジン10の負荷率は、アクセルペダル10の開度のみにより決定されるものでなくてもよい。
【0071】
S115にて、エンジンECU300は、水温センサ380からの信号に基づいて、エンジン10の温度を表わすエンジン冷却水温を検知する。なお、エンジン10の温度は、エンジン冷却水の温度により表わされるものに限定されない。
【0072】
S120にて、エンジンECU300は、検知したエンジン回転数NE、負荷率および予め定められたマップ等に基づいて、現在のエンジン10の運転領域がアイドル領域であるか否かを判断する。現在のエンジン10の運転領域がアイドル領域であると(S120にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS180へ移される。
【0073】
S130にて、エンジンECU300は、現在のエンジン10の運転領域が、冷間アイドル領域であるか、温間アイドル領域であるか、冷間アイドル領域から温間アイドル領域への遷移領域であるかを判断する。図7または図8のマップに基づいていずれの領域であるのかが判断される。冷間アイドル領域であると判断されると(S130にて冷間)、処理はS140へ移される。遷移領域であると判断されると(S130にて遷移)、処理はS150へ移される。温間アイドル領域であると判断されると(S130にて温間)、処理はS160へ移される。
【0074】
S140にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴射比率である噴き分け率(以下、直噴比率(DI比率)r)と記載する)を0として、吸気通路噴射用インジェクタ120のみから燃料を噴射する。その後、処理はS170へ移される。
【0075】
S150にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴射比率であるDI比率rを0<r<1として、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120から燃料を噴射する。その後、処理はS170へ移される。
【0076】
S160にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴射比率であるDI比率rを1として、筒内噴射用インジェクタ110のみから燃料を噴射する。これが図7に対応する。なお、このとき、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴射比率であるDI比率rを0<r<1(ただしr>0.5)として、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120から燃料を噴射するようにしてもよい。これが図8に対応する。その後、処理はS170へ移される。
【0077】
S170にて、エンジンECU300は、高圧燃料ポンプ1200の停止指令信号を出力する。具体的には、電磁スピル弁1202のデューティ比DTが0%である制御信号が出力される。これにより、筒内噴射用インジェクタ110には、フィードポンプ1100で0.3MPa程度に加圧された燃料が圧送される。
【0078】
S180にて、エンジンECU300は、アイドル領域以外の通常運転領域における制御を実行する。
【0079】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300により制御されるエンジン10の動作について説明する。
【0080】
エンジン回転数NE、エンジン負荷率およびエンジン冷却水温が検知され(S100,S110,S115)、エンジン10の現在の運転領域がアイドル領域であると(S120にてYES)、冷間アイドル領域であるか、温間アイドル領域であるか、冷間アイドルから温間アイドル領域への遷移領域であるかが判断される(S130)。
【0081】
図7または図8に示す冷間アイドル領域であると(S130にて冷間)、吸気通路噴射用インジェクタ120のみから燃料が噴射されるように設定される(S140)。温間アイドル領域であると(S130にて温間)、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120から燃料が噴射されるように設定される(S160)。
【0082】
冷間アイドル領域から温間アイドル領域への遷移領域であると(S130にて遷移)、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120から燃料が噴射される(0<r<1)ように設定される(S150)。
【0083】
高圧燃料ポンプ1200の停止指令信号(デューティ比DT=0%)が出力されて(S170)、高圧燃料ポンプ1200が停止する。このとき、筒内噴射用インジェクタ110には、フィードポンプ1100にて0.3MPa程度に加圧された低圧の燃料が供給される。なお、高圧燃料ポンプ1200を停止させるのではなく、高圧燃料ポンプ1200からの燃料吐出圧を低下させるようにしてもよい。
【0084】
このように、冷間アイドル領域、温間アイドルおよびその遷移領域においては、高圧燃料ポンプ1200が停止またはその吐出圧が低下されるので、高圧燃料ポンプ1200の作動音が低減される。
【0085】
以上のようにして、エンジンの運転領域がアイドル領域にあるときでも、少なくとも冷間アイドル領域と温間アイドル領域とに分けて、高圧燃料ポンプの駆動および停止を制御するとともに、筒内噴射用インジェクタおよび吸気通路噴射用インジェクタの噴射比率を制御する。デポジットが生成されることを回避するよりも燃焼安定性を優先する冷間アイドル領域においては吸気通路噴射用インジェクタのみから燃料を噴射して、燃料安定性を実現することができる。燃焼安定性が比較的発生しにくく、むしろ筒内噴射用インジェクタの噴孔のデポジットの生成を回避を優先させる温間アイドル領域においては高圧燃料ポンプを停止させて、フィードポンプで加圧された燃料を筒内噴射用インジェクタから筒内に噴射して(あるいは吸気通路噴射用インジェクタからも燃料を噴射して)、作動音の低減および筒内噴射用インジェクタの噴孔にデポジットが生成されることを回避することができる。
【0086】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU300で制御されるエンジンシステムについて説明する。なお、本実施の形態におけるエンジンECU300は、前述の第1の実施の形態におけるプログラムとは、その一部が異なるプログラムを実行する。これ以外のハードウェア構成等(図1−図8)は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0087】
本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU300は、高圧燃料ポンプ1200が作動して筒内噴射用インジェクタ110に高圧の燃料が供給されていた状態から、遷移アイドル領域または温間アイドル領域において筒内噴射用インジェクタ110から低圧の燃料を噴射する状態に切換えられた場合に、有効な制御を実行する。
【0088】
図10を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図10に示すフローチャートの中で、前述の図9のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理の内容も同じである。したがってそれらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。また、図10に示すフローチャートは、予め定められたサイクルタイム(たとえば100ms)で繰り返し実行される。
【0089】
S200にて、エンジンECU300は、エンジン冷却水温が予め定められたしきい値(たとえば、図7または図8に示すように60℃)以上であるか否かを判断する。エンジン冷却水温が予め定められたしきい値以上であると(S200にてYES)、処理はS210へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS140へ移される。
【0090】
S210にて、エンジンECU300は、フィード圧での筒内噴射用インジェクタ110のみによる燃料噴射、またはフィード圧での筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタによる燃料噴射に切換えるように設定する。
【0091】
S220にて、エンジンECU300は、S210における切換が完了したか否かを判断する。この判断は、たとえば高圧デリバリパイプ1110内の燃料の圧力がフィード圧程度にまで低下した場合に、切換が完了したと判断される。切換が完了すると(S220にてYES)、処理はS250へ移される。もしそうでないと(S250にてNO)、処理はS230へ移される。
【0092】
S230にて、エンジンECU300は、燃圧センサ400により検知された高圧デリバリパイプ1110内の燃料の圧力(燃圧)と、フィード圧との差である差圧ΔPを検知する。
【0093】
S240にて、エンジンECU300は、S230にて検知された差圧ΔPが予め定められたしきい値以下に収束してから予め定められた時間が経過したか否かを判断する。差圧ΔPが予め定められたしきい値以下に収束してから予め定められた時間が経過すると(S240にてYES)、処理はS250へ移される。もしそうでないと(S240にてNO)、処理はS260へ移される。
【0094】
S250にて、エンジンECU300は、マップ(たとえば図7または図8に示すもの)に基づいて、燃料噴射制御を実行する。このとき、筒内噴射用インジェクタ110へ供給される燃料はフィード圧まで低下されている。
【0095】
S260にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110の噴射量を筒内噴射用インジェクタ110の種類毎に定められた最小噴射量に固定するとともに、吸気通路噴射用インジェクタ120の噴射量を、要求噴射量から筒内噴射用インジェクタ110の最小噴射量を減算した量として設定する。
【0096】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUにより制御されるエンジン10の動作について説明する。なお、以下の説明では、高圧燃料ポンプ1200により筒内噴射用インジェクタ110に供給される燃料の圧力は13MPa程度まで昇圧されていたと想定する。
【0097】
エンジン回転数NE、エンジン負荷率およびエンジン冷却水温が検知され(S100,S110,S115)、エンジン10の現在の運転領域がアイドル領域であって(S120にてYES)、エンジン10の冷却水温が予め定められたしきい値以上であると(S200にてYES)、フィード圧での筒内噴射用インジェクタ110のみによる燃料噴射か、フィード圧での噴き分け噴射(筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120で燃料噴射)に切換えられる(S210)。
【0098】
この切換が完了するまでは(S220にてNO)、マップに基づいた燃料噴射制御を行なわない(S250)。すなわち、高圧燃料ポンプ1200への停止指令信号である、電磁スピル弁1202のデューティ比DTが0%である制御信号が出力されても、高圧燃料ポンプ1200からの吐出圧が直ちに下がらず、高圧デリバリパイプ1110内の燃料の圧力が直ちに低下しない。このため、高圧デリバリパイプ1110内の燃料の圧力が、しばらくの間は、高圧の状態である。このため、筒内噴射用インジェクタ110に高圧の燃料が供給される。筒内噴射用インジェクタ110に供給される燃料の圧力は徐々に低下するため、燃料噴射時間が一定であってもサイクル間において燃圧が低下していくので燃料噴射量が異なる。この結果、サイクル間において空燃比(A/F)が変動して、エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を招くことになる。
【0099】
これを回避するために、切換が完了するまでは(S220にてNO)、高圧デリバリパイプ1110内の燃料の圧力とフィード圧との差圧ΔPを検知して(S230)、差圧ΔPが予め定められたしきい値以下に収束してから予め定められた時間が経過するまでは(S240にてNO)、筒内噴射用インジェクタ110から噴射量を筒内噴射用インジェクタ110の最小噴射量(これは筒内噴射用インジェクタ110の固有特性によって決定されるものであって、筒内噴射用インジェクタ110の開弁時間と燃料噴射量との間にリニアリティが成立している最小の噴射量)に固定してしまう。このため、筒内噴射用インジェクタ110へ供給される燃料の圧力がサイクル毎に変化しても、筒内噴射用インジェクタ110から噴射される燃料量は最小噴射量に固定されるので、空燃比がばらつくことがない。なお、このように、筒内噴射用インジェクタ110の噴射量を最小噴射量に固定するため、要求噴射量を満足しないことになる。このため、この不足分(=要求噴射量−最小噴射量)を吸気通路噴射用インジェクタ120から噴射して、エンジン10に要求される出力を実現する。
【0100】
以上のようにして、エンジンの運転領域がアイドル領域に入って、筒内噴射用インジェクタから高圧で燃料を噴射していた状態からフィード圧で燃料を噴射する状態に変更された場合、高圧デリバリパイプ内の燃料の圧力がフィード圧近傍に落ち着くまでは、筒内噴射用インジェクタの噴射量を最小噴射量に固定してしまう。このため、筒内噴射用インジェクタに供給される燃料の圧力がサイクル毎に低下しても、空燃比のばらつきは発生しないので、エミッションの悪化およびドライバビリティの悪化を発生させないようにできる。また、高圧燃料ポンプを停止させれ、フィードポンプで加圧された燃料を筒内噴射用インジェクタから筒内に噴射して(あるいは吸気通路噴射用インジェクタからも燃料を噴射して)いるので、アイドル領域における高圧燃料系統に起因する作動音の低減を実現することができる。
【0101】
なお、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態において、高圧燃料ポンプ1200を停止させて(デューティ比DTを0%として)作動音の低減を図るように説明したが、以下のようにしてもよい。高圧燃料ポンプ1200の作動音は、電磁スピル弁1202の閉弁に伴い発生するので、電磁スピル弁1202の閉弁頻度を下げる(閉弁する回数を減少させる)ようにして、高圧燃料ポンプ1200の作動音を低減するようにしてもよい。このときには、結果的に、高圧燃料ポンプ1200からの吐出圧は、通常の状態よりも低下することになる。
【0102】
<この制御装置が適用されるに適したエンジン(その1)>
以下、本実施の形態に係る制御装置が適用されるに適したエンジン(その1)について説明する。
【0103】
図11および図12を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率(以下、DI比率(r)とも記載する。)を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図11は、エンジン10の温間用マップであって、図12は、エンジン10の冷間用マップである。
【0104】
図11および図12に示すように、これらのマップは、エンジン10の回転数を横軸にして、負荷率を縦軸にして、筒内噴射用インジェクタ110の分担比率がDI比率rとして百分率で示されている。
【0105】
図11および図12に示すように、エンジン10の回転数と負荷率とに定まる運転領域ごとに、DI比率rが設定されている。「DI比率r=100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味し、「DI比率r=0%」とは、吸気通路噴射用インジェクタ120からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味する。「DI比率r≠0%」、「DI比率r≠100%」および「0%<DI比率r<100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とで燃料噴射が分担して行なわれる領域であることを意味する。なお、概略的には、筒内噴射用インジェクタ110は、出力性能の上昇に寄与し、吸気通路噴射用インジェクタ120は、混合気の均一性に寄与する。このような特性の異なる2種類のインジェクタを、エンジン10の回転数と負荷率とで使い分けることにより、エンジン10が通常運転状態(たとえば、アイドル時の触媒暖気時が、通常運転状態以外の非通常運転状態の一例であるといえる)である場合には、均質燃焼のみが行なわれるようにしている。
【0106】
さらに、これらの図11および図12に示すように、温間時のマップと冷間時のマップとに分けて、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120のDI分担率rを規定した。エンジン10の温度が異なると、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が異なるように設定されたマップを用いて、エンジン10の温度を検知して、エンジン10の温度が予め定められた温度しきい値以上であると図11の温間時のマップを選択して、そうではないと図12に示す冷間時のマップを選択する。それぞれ選択されたマップに基づいて、エンジン10の回転数と負荷率とに基づいて、筒内噴射用インジェクタ110および/または吸気通路噴射用インジェクタ120を制御する。
【0107】
図11および図12に設定されるエンジン10の回転数と負荷率について説明する。図11のNE(1)は2500〜2700rpmに設定され、KL(1)は30〜50%、KL(2)は60〜90%に設定されている。また、図12のNE(3)は2900〜3100rpmに設定されている。すなわち、NE(1)<NE(3)である。その他、図11のNE(2)や、図12のKL(3)、KL(4)も適宜設定されている。
【0108】
図11および図12を比較すると、図11に示す温間用マップのNE(1)よりも図12に示す冷間用マップのNE(3)の方が高い。これは、エンジン10の温度が低いほど、吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が高いエンジン回転数の領域まで拡大されるということを示す。すなわち、エンジン10が冷えている状態であるので、(たとえ、筒内噴射用インジェクタ110から燃料を噴射しなくても)筒内噴射用インジェクタ110の噴孔にデポジットが堆積しにくい。このため、吸気通路噴射用インジェクタ120を使って燃料を噴射する領域を拡大するように設定され、均質性を向上させることができる。
【0109】
図11および図12を比較すると、エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいてはKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいてはKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。すなわち、高回転領域や高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射しても、エンジン10の回転数や負荷が高く吸気量が多いので筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすいためである。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
【0110】
図11に示す温間マップでは、負荷率KL(1)以下では、筒内噴射用インジェクタ110のみが用いられる。これは、エンジン10の温度が高いときであって、予め定められた低負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。これは、温間時においてはエンジン10が暖まった状態であるので、筒内噴射用インジェクタ110の噴孔にデポジットが堆積しやすい。しかしながら、筒内噴射用インジェクタ110を使って燃料を噴射することにより噴孔温度を低下させることができるので、デポジットの堆積を回避することも考えられ、また、筒内噴射用インジェクタの最小燃料噴射量を確保して、筒内噴射用インジェクタ110を閉塞させないことも考えられ、このために、筒内噴射用インジェクタ110を用いた領域としている。
【0111】
図11および図12を比較すると、図12の冷間用マップにのみ「DI比率r=0%」の領域が存在する。これは、エンジン10の温度が低いときであって、予め定められた低負荷領域(KL(3)以下)では吸気通路噴射用インジェクタ120のみが使用されるということを示す。これはエンジン10が冷えていてエンジン10の負荷が低く吸気量も低いため燃料が霧化しにくい。このような領域においては筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射では良好な燃焼が困難であるため、また、特に低負荷および低回転数の領域では筒内噴射用インジェクタ110を用いた高出力を必要としないため、筒内噴射用インジェクタ110を用いないで、吸気通路噴射用インジェクタ120のみを用いる。
【0112】
また、通常運転時以外の場合、エンジン10がアイドル時の触媒暖気時の場合(非通常運転状態であるとき)、成層燃焼を行なうように筒内噴射用インジェクタ110が制御される。このような触媒暖気運転中にのみ成層燃焼させることで、触媒暖気を促進させ、排気エミッションの向上を図る。
【0113】
<この制御装置が適用されるに適したエンジン(その2)>
以下、本実施の形態に係る制御装置が適用されるに適したエンジン(その2)について説明する。なお、以下のエンジン(その2)の説明において、エンジン(その1)と同じ説明については、ここでは繰り返さない。
【0114】
図13および図14を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図13は、エンジン10の温間用マップであって、図14は、エンジン10の冷間用マップである。
【0115】
図13および図14を比較すると、以下の点で図11および図12と異なる。エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用される領域が多いことを示す。しかしながら、低回転数領域の高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料により形成される混合気のミキシングが良好ではなく、燃焼室内の混合気が不均質で燃焼が不安定になる傾向を有する。このため、このような問題が発生しない高回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタの噴射比率を増大させるようにしている。また、このような問題が発生する高負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させるようにしている。これらのDI比率rの変化を図13および図14に十字の矢印で示す。このようにすると、燃焼が不安定であることに起因するエンジンの出力トルクの変動を抑制することができる。なお、これらのことは、予め定められた低回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させることや、予め定められた低負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を増大させることと、略等価であることを確認的に記載する。また、このような領域(図13および図14で十字の矢印が記載された領域)以外の領域であって筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射している領域(高回転側、低負荷側)においては、筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすい。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
【0116】
なお、図11〜図14を用いて説明したこのエンジン10においては、均質燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程とすることにより、成層燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることにより実現できる。すなわち、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることで、点火プラグ周りにリッチ混合気が偏在させることにより燃焼室全体としてはリーンな混合気に着火する成層燃焼を実現することができる。また、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程としても点火プラグ周りにリッチ混合気を偏在させることができれば、吸気行程噴射であっても成層燃焼を実現できる。
【0117】
また、ここでいう成層燃焼には、成層燃焼と以下に示す弱成層燃焼の双方を含むものである。弱成層燃焼とは、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程で燃料噴射して燃焼室全体にリーンで均質な混合気を生成して、さらに筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程で燃料噴射して点火プラグ周りにリッチな混合気を生成して、燃焼状態の向上を図るものである。このような弱成層燃焼は触媒暖気時に好ましい。これは、以下の理由による。すなわち、触媒暖気時には高温の燃焼ガスを触媒に到達させるために点火時期を大幅に遅角させ、かつ良好な燃焼状態(アイドル状態)を維持する必要がある。また、ある程度の燃料量を供給する必要がある。これを成層燃焼で行なおうとしても燃料量が少ないという問題があり、これを均質燃焼で行なおうとしても良好な燃焼を維持するために遅角量が成層燃焼に比べて小さいという問題がある。このような観点から、上述した弱成層燃焼を触媒暖気時に用いることが好ましいが、成層燃焼および弱成層燃焼のいずれであっても構わない。
【0118】
また、図11〜図14を用いて説明したエンジンにおいては、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、以下のような理由により、圧縮行程で行なうことが好ましい。ただし、上述したエンジン10は、基本的な大部分の領域には(触媒暖気時にのみに行なわれる、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程噴射させ、筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程噴射させる弱成層燃焼領域以外を基本的な領域という)、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、吸気行程である。しかしながら、以下に示す理由があるので、燃焼安定化を目的として一時的に筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程噴射とするようにしてもよい。
【0119】
筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすることで、筒内温度がより高い時期において、燃料噴射により混合気が冷却される。冷却効果が高まるので、対ノック性を改善することができる。さらに、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすると、燃料噴射から点火時期までの時間が短いことから噴霧による気流の強化を実現でき、燃焼速度を上昇させることができる。これらの対ノック性の向上と燃焼速度の上昇とから、燃焼変動を回避して、燃焼安定性を向上させることができる。
【0120】
さらに、エンジンの温度によらず(すなわち、温間時および冷間時のいずれの場合であっても)、オフアイドル時(アイドルスイッチがオフの場合、アクセルペダルが踏まれている場合)には、図11または図13に示す温間マップを用いるようにしてもよい(冷間温間を問わず、低負荷領域において筒内噴射用インジェクタ110を用いる)。
【0121】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置で制御されるエンジンシステムの概略構成図である。
【図2】図1のエンジンシステムにおける燃料供給機構の全体概要図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】筒内噴射用インジェクタの断面図である。
【図5】筒内噴射用インジェクタ先端部の断面図である。
【図6】エンジンの各アイドル領域における噴射形態を示す図である。
【図7】温間アイドル領域における噴射比率マップを示す図(その1)である。
【図8】温間アイドル領域における噴射比率マップを示す図(その2)である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの温間時のDI比率マップを表わす図(その1)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの冷間時のDI比率マップを表わす図(その1)である。
【図13】本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの温間時のDI比率マップを表わす図(その2)である。
【図14】本発明の実施の形態に係る制御装置が適用されるに好適なエンジンの冷間時のDI比率マップを表わす図(その2)である。
【符号の説明】
【0123】
10 エンジン、20 インテークマニホールド、30 サージタンク、40 吸気ダクト、42 エアフローメータ、50 エアクリーナ、60 電動モータ、70 スロットルバルブ、80 エキゾーストマニホールド、90 三元触媒コンバータ、100 アクセルペダル、110 筒内噴射用インジェクタ、112 気筒、119 点火プラグ、120 吸気通路噴射用インジェクタ、121 排気バルブ、122 吸気バルブ、123 ピストン、130 燃料分配管、150 高圧燃料圧送装置、160 燃料分配管(低圧側)、170 燃料圧レギュレータ、180 低圧燃料ポンプ、190 燃料フィルタ、200 燃料タンク、300 エンジンECU、310 双方向性バス、320 ROM、330 RAM、340 CPU、350 入力ポート、360 出力ポート、370,390,410,430,450 A/D変換器、380 水温センサ、400 燃料圧センサ、420 空燃比センサ、440 アクセル開度センサ、460 回転数センサ、1100 フィードポンプ、1110 高圧デリバリパイプ、1120 低圧デリバリパイプ、1140 リリーフバルブ、1200 高圧燃料ポンプ、1202 電磁スピル弁、1204 リーク機能付きチェックバルブ、1206 ポンププランジャー、1210 カム、1220 パルセーションダンパー、1400 低圧供給パイプ、1410 低圧デリバリ連通パイプ、1420 ポンプ供給パイプ、1500 高圧デリバリ連通パイプ、1600 高圧燃料ポンプリターンパイプ、1610 高圧デリバリリターンパイプ、1630 リターンパイプ。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013