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発明の名称 電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9780(P2007−9780A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190208(P2005−190208)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
発明者 五十嵐 修
要約 課題
本発明は電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置に関し、電動機による過給機の回転のアシストを車両の走行条件に応じて適切に行えるようにする。

解決手段
ドライバが車両に要求する加速のレベルを測定するとともに、現在走行している道路のカーブレベルも測定する。そして、要求加速レベル及びカーブレベルに基づいて電動機による過給機の回転のアシスト量を制御する。カーブレベルは、例えば、ハンドルの切れ角から測定することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
電動機によって回転をアシスト可能な過給機を有する内燃機関の制御装置であって、
ドライバが車両に要求する加速のレベルを測定する要求加速レベル測定手段と、
現在走行している道路のカーブレベルを測定するカーブレベル測定手段と、
前記要求加速レベル及び前記カーブレベルに基づいて前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、スロットル開度と前記過給機の目標回転数との関係を前記カーブレベルに応じて決定し、決定した前記関係に基づき前記要求加速レベルに応じた前記目標回転数を設定することで、前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御することを特徴とする請求項1記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記要求加速レベル測定手段は、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサを含み、前記アクセル開度センサの信号に基づいて前記要求加速レベルを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記カーブレベル測定手段は、ハンドルの切れ角に応じた信号を出力するハンドル角センサを含み、前記ハンドル角センサの信号に基づいて前記カーブレベルを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記カーブレベル測定手段は、車両の現在位置を取得する位置情報取得手段を含み、取得した車両の現在位置を予め記憶した道路情報に照らし合わせることで前記カーブレベルを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記カーブレベル測定手段は、前記車両に作用する横方向の加速度に応じた信号を出力する加速度センサを含み、前記加速度センサの信号に基づいて前記カーブレベルを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記車両の現在の速度及び/又は加速度を測定する手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記速度及び/又は加速度に基づいて前記アシスト量を補正することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記車両の重量を測定する手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両重量に基づいて前記アシスト量を補正することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、さらに、前記要求加速レベル及び前記カーブレベルに基づいて前記電動機によるアシスト開始のタイミングを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項10】
電動機によって回転をアシスト可能な過給機を有する内燃機関の制御装置であって、
ドライバが車両に要求する加速のレベルを測定する要求加速レベル測定手段と、
前記車両の重量を測定する車両重量測定手段と、
前記要求加速レベル及び前記車両重量に基づいて前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、スロットル開度と前記過給機の目標回転数との関係を前記車両重量に応じて決定し、決定した前記関係に基づき前記要求加速レベルに応じた前記目標回転数を設定することで、前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御することを特徴とする請求項10記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
【請求項12】
前記車両重量測定手段は、発車時の車両重量を初期重量として測定し、前記初期重量を消費燃料量によって補正したものを現在の車両重量として算出することを特徴とする請求項10又は11記載の電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転軸に電動機が取り付けられた電動機付きターボチャージャが知られている。この電動機付きターボチャージャによれば、電動機を作動させてコンプレッサを回転駆動することで、内燃機関から供給される排気エネルギの大小によらず、必要なときに必要な大きさの過給圧を得ることができる。例えば特許文献1には、路面の勾配と車速から急勾配での停車を判断し、発進時には電動機によりターボチャージャの回転をアシストして大トルクを発生させることで、急勾配での坂道発進を容易にした技術が開示されている。
【特許文献1】特許第2819784号公報
【特許文献2】特許第2800361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、内燃機関が発生するトルクの大きささや変化は、ドライバビリティに大きく影響する。特許文献1に記載された技術は、電動機によるターボチャージャの回転のアシスト(電動アシスト)を坂道発進に利用したものであるが、電動アシストは車両の走行時のトルク制御にも利用することができる。つまり、車両の走行条件に応じて適切に電動アシストを行うことができれば、走行条件に応じた適切なトルクを得ることができ、ドライバビリティを向上させることができると考えられる。
【0004】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電動機による過給機の回転のアシストを車両の走行条件に応じて適切に行えるようにした電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
電動機によって回転をアシスト可能な過給機を有する内燃機関の制御装置であって、
ドライバが車両に要求する加速のレベルを測定する要求加速レベル測定手段と、
現在走行している道路のカーブレベルを測定するカーブレベル測定手段と、
前記要求加速レベル及び前記カーブレベルに基づいて前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、スロットル開度と前記過給機の目標回転数との関係を前記カーブレベルに応じて決定し、決定した前記関係に基づき前記要求加速レベルに応じた前記目標回転数を設定することで、前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御することを特徴としている。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記要求加速レベル測定手段は、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサを含み、前記アクセル開度センサの信号に基づいて前記要求加速レベルを測定することを特徴としている。
【0008】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、
前記カーブレベル測定手段は、ハンドルの切れ角に応じた信号を出力するハンドル角センサを含み、前記ハンドル角センサの信号に基づいて前記カーブレベルを測定することを特徴としている。
【0009】
第5の発明は、第1又は第2の発明において、
前記カーブレベル測定手段は、車両の現在位置を取得する位置情報取得手段を含み、取得した車両の現在位置を予め記憶した道路情報に照らし合わせることで前記カーブレベルを測定することを特徴としている。
【0010】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、
前記カーブレベル測定手段は、前記車両に作用する横方向の加速度に応じた信号を出力する加速度センサを含み、前記加速度センサの信号に基づいて前記カーブレベルを測定することを特徴としている。
【0011】
第7の発明は、第1又は第2の発明において、
前記車両の現在の速度及び/又は加速度を測定する手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記速度及び/又は加速度に基づいて前記アシスト量を補正することを特徴としている。
【0012】
第8の発明は、第1又は第2の発明において、
前記車両の重量を測定する手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両重量に基づいて前記アシスト量を補正することを特徴としている。
【0013】
第9の発明は、第1又は第2の発明において、
前記制御手段は、さらに、前記要求加速レベル及び前記カーブレベルに基づいて前記電動機によるアシスト開始のタイミングを制御することを特徴としている。
【0014】
また、第10の発明は、上記の目的を達成するため、
電動機によって回転をアシスト可能な過給機を有する内燃機関の制御装置であって、
ドライバが車両に要求する加速のレベルを測定する要求加速レベル測定手段と、
前記車両の重量を測定する車両重量測定手段と、
前記要求加速レベル及び前記車両重量に基づいて前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0015】
第11の発明は、第10の発明において、
前記制御手段は、スロットル開度と前記過給機の目標回転数との関係を前記車両重量に応じて決定し、決定した前記関係に基づき前記要求加速レベルに応じた前記目標回転数を設定することで、前記電動機による前記過給機の回転のアシスト量を制御することを特徴としている。
【0016】
第12の発明は、第10又は第11の発明において、
前記車両重量測定手段は、発車時の車両重量を初期重量とし、前記初期重量を消費燃料量によって補正したものを現在の車両重量として算出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
第1乃至第9の発明によれば、ドライバが車両に要求する加速レベルに加え、現在走行している道路のカーブレベルにも基づいてアシスト量が制御されるので、カーブレベルに応じた適切なトルクを得ることができ、カーブ走行時のドライバビリティが向上する。
【0018】
特に、第2の発明によれば、スロットル開度と過給機の目標回転数との関係がカーブレベルに応じて変更されるので、カーブレベルに応じてアシスト量を的確に制御することができる。
【0019】
また、第7の発明によれば、車両の現在の速度及び/又は加速度に基づいてアシスト量が補正されるので、より適切なトルクを得ることができ、カーブ走行時のドライバビリティはさらに向上する。
【0020】
また、第8の発明によれば、車両の重量に基づいてアシスト量が補正されるので、より適切なトルクを得ることができ、カーブ走行時のドライバビリティはさらに向上する。
【0021】
また、第9の発明によれば、アシスト量に加え、アシスト開始のタイミングも要求加速レベル及びカーブレベルに基づいて制御されるので、より適切なトルクを得ることができ、カーブ走行時のドライバビリティはさらに向上する。
【0022】
第10乃至第12の発明によれば、ドライバが車両に要求する加速レベルに加え、車両の重量にも基づいてアシスト量が制御されるので、車両の運動性能に応じた適切なトルクを得ることができ、ドライバビリティが向上する。
【0023】
特に、第11の発明によれば、スロットル開度と過給機の目標回転数との関係が車両の重量に応じて変更されるので、カーブレベルに応じてアシスト量を的確に制御することができる。
【0024】
また、第12の発明によれば、現在の車両重量を正確に測定することができるので、車両重量の変化により車両の運動性能にも変化が生じた場合であっても、現在の運動性能に応じた適切なトルクを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
実施の形態1.
以下、図を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
【0026】
[エンジンスシステムの構成の説明]
図1は本発明の実施の形態1としての制御装置が適用される電動機付き過給器を有する内燃機関の概略構成図である。本実施形態では、ガソリン機関(以下、単にエンジンという)に本発明を適用している。エンジンは、複数の気筒(図1では4つの気筒)を有するエンジン本体2を有している。エンジン本体2には、各気筒に空気を分配するための吸気マニホールド4と、各気筒から排出される排気ガスを集合させる排気マニホールド6とが接続されている。
【0027】
このエンジンは、電動機付きターボチャージャ(モータアシストターボチャージャ、以下、MATという)30を有している。MAT30は、コンプレッサ30a、タービン30b、そして、コンプレッサ30aとタービン30bとの間に配置される電動機30cから構成されている。コンプレッサ30aとタービン30bとは連結軸によって一体に連結され、コンプレッサ30aはタービン30bに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動される。連結軸は電動機30cのロータにもなっており、電動機30cを作動させることで、コンプレッサ30aを強制駆動することもできる。また、連結軸には、コンプレッサ30aの回転数(所定時間当たりの回転数)に応じた信号を出力するターボ回転数センサ32が取り付けられている。
【0028】
コンプレッサ30aは、吸気マニホールド4に接続された吸気通路8,10の途中に配置されている。コンプレッサ30aの出口と吸気マニホールド4とを接続する吸気通路10には、過給された空気を冷却するインタークーラ36が設けられている。吸気通路10における吸気マニホールド4の近傍には、エンジン本体2に吸入される空気の流量を制御するためのスロットルバルブ20が設けられている。
【0029】
エンジン本体2に供給される空気は、大気中からエアクリーナ16を介して取り込まれる。エアクリーナ16とコンプレッサ30aの入口とを接続する吸気通路8には、吸気通路8内に吸入された空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ52が設けられている。
【0030】
このエンジンは、コンプレッサ30aをバイパスしてコンプレッサ30aの出口側と入口側とを接続するバイパス通路40を有している。バイパス通路40は、一方の端部を吸気通路8におけるエアフローメータ52の下流に接続され、もう一方の端部を吸気通路10におけるスロットルバルブ20の上流に接続されている。バイパス通路40には、バイパス通路40を流れる空気の流量を制御するためのバイパスバルブ42が配置されている。バイパスバルブ42は通常は閉じられており、電動機30cによるコンプレッサ30aの強制駆動時、コンプレッサ30aがサージ限界に達したときに開かれる。
【0031】
タービン30bの入口には、排気通路12が接続されている。排気通路12のもう一方の端部は排気マニホールド6に接続され、排気マニホールド6によって集められた各気筒からの排気ガスは、排気通路12を通ってタービン30bに供給される。タービン30bの出口には、別の排気通路14が接続されている。この排気通路14には、排気ガスを浄化するための触媒18が配置されている。
【0032】
このエンジンは、エンジン全体を総合制御する制御装置として、ECU(Electronic Control Unit)50を有している。このECU50には、電動機30cへの電力供給量を制御してMAT30の回転を制御するモータコントローラも含まれる。ECU50の出力側には、電動機30cの他、スロットルバルブ20やバイパスバルブ42等の種々の機器が接続されている。
【0033】
一方、ECU50の入力側には、前述のエアフローメータ52やターボ回転数センサ32の他、エンジンの回転数に応じた信号を出力するエンジン回転数センサ54や、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ56が接続されている。また、その他、ハンドルの切れ角に応じた信号を出力するハンドル角センサ58や、車速に応じた信号を出力する車速センサ60や、車輪に作用する荷重に応じた信号を出力する荷重センサ62もECU50に接続されている。荷重センサ62は車輪毎に設けられており、荷重センサ62の信号から測定される荷重の合計値が、車両の重量となる。ECU50は、各センサの信号に基づき、所定の制御プログラムにしたがって各機器を駆動する。
【0034】
[アシスト制御の説明]
ECU50により実施されるエンジン制御の1つに、電動機30cによりコンプレッサ30aの回転をアシストするアシスト制御がある。車両の走行条件に応じて適切に電動アシストを行うことで、走行条件に応じた適切なトルクを得ることができ、ドライバビリティを向上させることができる。本実施形態では、特に、現在走行している道路のカーブレベルに応じた電動アシストを行うことで、カーブ走行時のドライバビリティの向上を図っている。
【0035】
図2のフローチャートは、ECU50により実行されるアシスト制御のルーチンを示している。図2に示すルーチンの最初のステップ100では、各センサからECU50に入力される信号の処理が行われる。本実施形態にかかるアシスト制御では、アクセル開度センサ56の信号、エンジン回転数センサ54の信号、ターボ回転数センサ32の信号、及びハンドル角センサ58の信号が用いられる。
【0036】
次のステップ102では、ステップ100で処理した入力信号に基づき、所定のアシスト開始・継続条件が成立しているか否か判定される。具体的には、ECU50は、予め用意した運転状態判別マップを参照し、エンジン回転数とアクセル開度とから、現在のエンジンの運転状態が電動アシストを必要とする運転状態か否か判定する。電動アシストを必要とする運転状態とは、例えば、MAT30を駆動するための排気エネルギは少ないが、高いトルクが要求されるような運転状態(低回転高負荷状態)である。現在のエンジンの運転状態が電動アシストを必要とする運転状態であるならば、アシスト開始・継続条件は成立する。一方、電動アシストを必要とする運転状態でない場合には、アシスト開始・継続条件は不成立となり、本ルーチンは終了する。
【0037】
ステップ102でアシスト開始・継続条件が成立した場合、ステップ104以降の処理が実施される。先ず、ステップ104では、ステップ100で処理した入力信号に基づき、MAT30の目標ターボ回転数が決定される。具体的には、ECU50は、ハンドル切れ角、エンジン回転数、及び目標スロットル開度を軸とするマップ(電動機制御マップ)から、目標ターボ回転数を読み出す。
【0038】
電動機制御マップのパラメータである目標スロットル開度は、アクセル開度(或いはアクセル開度変化量)とエンジン回転数とを軸とするマップから読み出される。アクセル開度(或いはアクセル開度変化量)は、ドライバの要求する加速レベルを表している。つまり、アクセル開度(或いはアクセル開度変化量)が大きいほど、ドライバはより大きい加速を要求していると判断できる。本実施形態では、上記のように、目標ターボ回転数を決定する上でのパラメータの1つとして目標スロットル開度を用いることで、要求加速レベルに応じた電動アシストを可能にしている。
【0039】
ハンドル角センサ58の信号から測定されるハンドル切れ角は、現在走行している道路のカーブレベルを表している。つまり、ハンドル切れ角が大きいほど、急なカーブ(曲率の大きいカーブ)を走行していると判断できる。本実施形態では、上記のように、目標ターボ回転数を決定する上でのパラメータの1つとしてハンドル切れ角を用いることで、カーブレベルに応じた電動アシストも可能にしている。電動機制御マップでは、図3A及び図3Bに示すアシスト特性が得られるように、ハンドル切れ角に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。
【0040】
図3Aは、ハンドル切れ角とアシスト量との関係を示している。アシスト量は、電動機30cが電動アシストのために行う仕事量である。この図に示すように、電動機制御マップでは、ハンドル切れ角が大きいほどアシスト量が大きくなるように、ハンドル切れ角に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。カーブが急なほど車両の速度は低下しやすいので、ハンドル切れ角に応じてアシスト量を大きくすることで、車速の低下を抑えてドライバビリティを向上させることができる。
【0041】
図3Bは、ハンドル切れ角とアシストタイミングとの関係を示している。アシストタイミングは、電動機30cによる電動アシストの開始タイミングである。この図に示すように、電動機制御マップでは、ハンドル切れ角が大きいほどアシストタイミングが早くなるように、ハンドル切れ角に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。カーブが急なほど車両の速度は低下しやすいが、アシストタイミングを早めることでドライバの加速要求に対するレスポンスを速めることができ、ドライバビリティを向上させることができる。
【0042】
図4A及び図4Bは、電動機制御マップにおいて設定されている目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。図4Aは、ハンドル切れ角が小さい場合の関係の一例を示しており、図4Bは、ハンドル切れ角が大きい場合の関係の一例を示している。図4Aと図4Bを比較して分かるように、同一スロットル開度では、ハンドル切れ角が大きいほうが目標ターボ回転数は大きく設定されている。これにより、図3Aに示すような特性が実現される。また、ハンドル切れ角が大きいほうが、より小さいスロットル開度で目標ターボ回転数が立ち上がるように設定されている。これにより、図3Bに示すような特性が実現される。なお、図4A及び図4Bでは明確ではないが、ハンドル切れ角が大きいほど、スロットル開度の変化量に対して目標ターボ回転数の変化量を大きく設定してもよい。つまり、スロットル開度に対するアシスト感度を高く設定してもよい。
【0043】
目標ターボ回転数の決定後は、ECU50から電動機30cへ目標ターボ回転数に応じた電力が供給され、電動機30cよる電動アシストが開始される(ステップ106)。これにより、コンプレッサ30aは電動機30cよって強制駆動され、ターボ回転数は目標ターボ回転数へ向けて速やかに上昇していく。
【0044】
電動アシストの開始後は、電動アシストを停止する条件が成立しているか否か判定される(ステップ108)。具体的には、ECU50は、ターボ回転数センサ32による測定される実ターボ回転数と、ステップ104で決定した目標ターボ回転数とを比較し、実ターボ回転数が目標ターボ回転数に達したか否か判定する。実ターボ回転数が目標ターボ回転数に達したとき、電動アシスト停止条件は成立する。電動アシスト停止条件が成立するまでは、次のステップ110の処理はスキップされ、電動アシストは継続される。そして、電動アシスト停止条件が成立したとき、ECU50から電動機30cへの電力供給が停止され、電動機30cよる電動アシストは停止される(ステップ110)。
【0045】
以上説明したように、上記のルーチンによれば、ドライバが車両に要求する加速レベルに加え、現在走行している道路のカーブレベルにも基づいて電動機30cによる電動アシストのアシスト量やアシストタイミングが制御されるので、カーブレベルに応じた適切なトルクを得ることができ、カーブ走行時のドライバビリティが向上する。
【0046】
なお、上記実施の形態では、ECU50により、アクセル開度センサ56の信号からアクセル開度(或いはアクセル開度変化量)が測定されることで、第1の発明の「要求加速レベル測定手段」が実現されている。また、ハンドル角センサ58の信号からハンドル切れ角が測定されることで、第1の発明の「カーブレベル測定手段」が実現されている。また、ECU50により、ステップ104,106の処理が実行されることで、第1の発明の「制御手段」が実現されている。
【0047】
なお、上記実施の形態では、ハンドル切れ角、エンジン回転数、及び目標スロットル開度に基づいて目標ターボ回転数を決定しているが、さらに、車速センサ60の信号から車速を測定し、車速も考慮して目標ターボ回転数を決定してもよい。具体的には、車速、ハンドル切れ角、エンジン回転数、及び目標スロットル開度を軸とする電動機制御マップから、目標ターボ回転数を読み出すようにする。車速に対する目標ターボ回転数の設定は、例えば、図5A及び図5Bに示すアシスト特性が得られるように設定することができる。
【0048】
図5Aは、車速とアシスト量との関係を示している。この図では、車速が大きいほどアシスト量が小さくなるように、車速に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。図5Bは、車速とアシストタイミングとの関係を示している。この図では、車速が大きいほどアシストタイミングが遅くなるように、車速に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。
【0049】
また、車速センサ60の信号から車両の加速度を測定し、加速度を考慮して目標ターボ回転数を決定してもよい。具体的には、加速度、ハンドル切れ角、エンジン回転数、及び目標スロットル開度を軸とする電動機制御マップから、目標ターボ回転数を読み出すようにしてもよい。
【0050】
実施の形態2.
次に、図を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態の電動機付き過給器を有する内燃機関の制御装置は、図1に示す構成において、ECU50に、図2に示すルーチンに代えて図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0051】
[アシスト制御の説明]
本実施形態の制御装置は、実施の形態1の制御装置とは、アシスト制御における処理内容に相違がある。図6のフローチャートは、本実施形態においてECU50により実行されるアシスト制御のルーチンを示している。図6に示すルーチンにおいて、図2に示すルーチンと同一内容の処理については同一のステップ番号を付している。また、既に説明した内容の処理については重複する説明は省略するものとする。
【0052】
実施の形態1では、ハンドル切れ角に基づいて目標ターボ回転数が決定されているのに対し、本実施形態では、車両重量に基づいて目標ターボ回転数が決定される。具体的には、先ず、アクセル開度センサ56の信号、エンジン回転数センサ54の信号、ターボ回転数センサ32の信号とともに、荷重センサ62の信号がアシスト制御のための入力信号として処理される(ステップ112)。そして、ステップ102でアシスト開始・継続条件が成立した場合、ECU50は、車両重量、エンジン回転数、及び目標スロットル開度を軸とするマップ(電動機制御マップ)から、目標ターボ回転数を読み出す(ステップ114)。
【0053】
車両重量は、車両の静止時であれば、車輪毎に設けられた荷重センサ62の信号から測定することができる。しかし、車両の運転時には、加減速に伴う荷重の変動により、荷重センサ62の信号からは正確な車両重量を測定することができない。そこで、本実施形態では、車両の発進時に荷重センサ62の信号から測定された車両重量を初期重量とし、初期重量からエンジンの運転により消費された燃料量を随時差し引くことで、現在の車両重量を算出するようにしている。発進時の車両重量を初期重量として用いるのは、車両の発進前は乗員や荷物の出入りによって車両重量が変化する可能性があるのに対し、車両の発進後は乗員や荷物の出入りは無いと考えられるからである。運転により消費された燃料量は、各インジェクタからの燃料噴射量を積算することで算出することができる。
【0054】
本実施形態では、上記のように、目標ターボ回転数を決定する上でのパラメータの1つとして車両重量を用いることで、車両重量に応じた電動アシストを可能にしている。図7は、電動機制御マップで設定されている車両重量とアシスト量との関係を示す図である。この図に示すように、電動機制御マップでは、車両重量が重いほどアシスト量が大きくなるように、車両重量に対する目標ターボ回転数の設定が行われている。
【0055】
図8A及び図8Bは、電動機制御マップにおいて設定されている目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。図8Aは、車両重量が軽い場合の関係の一例を示しており、図8Bは、車両重量が重い場合の関係の一例を示している。図8Aと図8Bを比較して分かるように、同一スロットル開度では、車両重量が大きいほうが目標ターボ回転数は大きく設定されている。これにより、図7に示すような特性が実現される。
【0056】
以上のように、本実施形態にかかるアシスト制御ルーチンによれば、ドライバが車両に要求する加速レベルに加え、車両の重量にも基づいて電動機30cによる電動アシストのアシスト量が制御されるので、車両の運動性能に応じた適切なトルクを得ることができ、ドライバビリティが向上する。しかも、目標ターボ回転数の決定に用いられる車両重量は、発車時の車両重量を初期重量とし、初期重量を消費燃料量によって補正して得られる現在の正確な車両重量であるので、車両重量の変化により車両の運動性能にも変化が生じた場合であっても、現在の運動性能に応じた適切なトルクを得ることができる。
【0057】
なお、上記実施の形態では、ECU50により、アクセル開度センサ56の信号からアクセル開度(或いはアクセル開度変化量)が測定されることで、第10の発明の「要求加速レベル測定手段」が実現されている。また、荷重センサ62の信号から測定される初期重量を消費燃料量によって補正することで、第10の発明の「車両重量測定手段」が実現されている。また、ECU50により、ステップ114,106の処理が実行されることで、第10の発明の「制御手段」が実現されている。
【0058】
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
【0059】
実施の形態1にかかるアシスト制御と、実施の形態2にかかるアシスト制御とを組み合わせて実施してもよい。つまり、ハンドル切れ角、車両重量、エンジン回転数、及び目標スロットル開度に基づいて目標ターボ回転数を決定してもよい。さらに、車速或いは加速度にも基づいて目標ターボ回転数を決定してもよい。
【0060】
また、実施の形態1では、ハンドルの切れ角から現在走行している道路のカーブレベルを測定しているが、GPSを用いたナビゲーションシステムを利用してもよい。つまり、GPSにより車両の現在位置を取得し、ナビゲーションシステムの地図情報(道路情報)に車両の現在位置を照らし合わせることで、現在走行している道路のカーブレベルを測定する。
【0061】
また、車両に作用する横方向の加速度に応じた信号を出力する加速度センサを有する場合には、この加速度センサの信号からカーブレベルを測定することもできる。つまり、加速度センサの信号から測定される横方向加速度が大きいほど、急なカーブ(曲率の大きいカーブ)を走行していると判断できる。
【0062】
また、図1の構成では、電動機付き過給器として電動機付きターボチャージャを用いているが、本発明においては、過給器は機械式のスーパーチャージャであってもよい。また、電動機付き過給器として、電動機のみによってコンプレッサを駆動する電動コンプレッサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1としての制御装置が適用される電動機付き過給器を有する内燃機関の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1において実施されるアシスト制御ルーチンのフローチャートである。
【図3A】ハンドル切れ角とアシスト量との関係を示す図である。
【図3B】ハンドル切れ角とアシストタイミングとの関係を示す図である。
【図4A】ハンドル切れ角が小さい場合の目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。
【図4B】ハンドル切れ角が大きい場合の目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。
【図5A】車速とアシスト量との関係を示す図である。
【図5B】車速とアシストタイミングとの関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2において実施されるアシスト制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】車両重量とアシスト量との関係を示す図である。
【図8A】車両重量が軽い場合の目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。
【図8B】車両重量が重い場合の目標ターボ回転数と、エンジン回転数及び目標スロットル開度との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
2 エンジン本体
4 吸気マニホールド
6 排気マニホールド
8,10 吸気通路
12,14 排気通路
20 スロットルバルブ
30 電動機付きターボチャージャ(MAT)
30a コンプレッサ
30b タービン
30c 電動機
32 ターボ回転数センサ
50 ECU
52 エアフローメータ
54 エンジン回転数センサ
56 アクセル開度センサ
58 ハンドル角センサ
60 車速センサ
62 荷重センサ




 

 


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